JP5848694B2 - Di缶胴用アルミニウム合金板 - Google Patents

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Description

本発明は、飲料、食品用途に使用される包装容器であって、特に飲料缶の胴部にDI成形加工される、DI缶胴用アルミニウム合金板に関する。
現在、飲料、食品用途に使用される包装容器の1つとして、底と側壁が一体構造の有底円筒状の胴部(缶胴)と、この胴部の開口部に封止されて上面となる円板状の蓋部(缶蓋)とからなる2ピース缶が知られている。このような缶の材料として、成形性、耐食性、強度等の面から、AA乃至JIS3000系などのアルミニウム合金板が広く適用されている。このアルミニウム合金板で製造される2ピース缶の中でも、特に飲料缶のような高さのある円筒形状の缶の胴部は、DI(Drawing and wall Ironing)成形と呼ばれる絞り加工−しごき加工の多段階の加工により成形されることが多い。そして、塗装、焼付けされ、ネッキング加工により開口部を縮径して、フランジング加工により開口部の縁を外側に拡げて缶胴となる。最後に、内容物(飲料、食品)が胴部に充填され、蓋部を開口部に巻き締めて封止される。このような製法による缶は、DI缶(以下、適宜「缶」という)と呼ばれ、広く流通している。
従来より、このようなアルミニウム合金製の缶で包装された飲料のコスト削減のため、包装容器である缶は、軽量化および原材料(アルミニウム合金)低減の対策として薄肉化が進められている。その結果、現行のアルミニウム合金製の缶の側壁(最薄部)厚さは、塗膜を除いて0.105〜0.110mm程度となっている。しかし、このような薄肉化された缶では、特に板厚が薄い側壁(周面)に突起物が接触して押圧された(押し込まれた)とき、その先端が側壁を貫通し、穴(ピンホール)が開いて内容物が漏れるという不具合が発生することがある。突起物の接触としては、製造時(内容物充填、蓋部巻き締め、製造工程内の搬送系通過時)、流通時、さらに消費者が扱うときに、外部から硬い異物が接触すること等が挙げられる。また、フランジング加工においても、開口部の縁が拡げられるときに、開口部の端部で割れ(フランジ割れ)を生じることがある。
そのため、このような薄肉化された缶の、側壁のピンホール発生および開口部のフランジ割れを防止できる、すなわち側壁の耐突き刺し性およびフランジング加工性(拡缶性)を向上させるように、材料側であるアルミニウム合金板の改良が進められている。
例えば、特許文献1では、3000系組成を有するアルミニウム合金冷延板からDI成形または絞り成形により成形される缶ボディを設計する方法が開示されている。すなわち、塗装焼付け相当の熱処理を施された缶胴の厚みが0.07mm〜0.14mmの範囲で、この壁部の缶軸方向の引張強さが300MPa〜500MPa、伸びが3%〜8%である場合に、塗膜などの表面皮膜を脱膜した後の壁厚(t)に対する突き刺し強度が、壁厚0.105mmの缶の突き刺し強度に換算して35N以上の耐突き刺し強度を得られるようにしている。このため、Mg含有量から前記突き刺し強度を得るための壁部の厚さを決定するか、または、所望の突き刺し強度から、所定の壁部の厚さに対するMg含有量を決定している。
また、3000系組成を有するアルミニウム合金冷間圧延板の金属間化合物を制御して、耐突き刺し性を向上させる技術も種々提案されている。例えば、特許文献2には、3000系組成を有するアルミニウム合金冷間圧延板の表面に、金属間化合物を特定密度と特定面積率で分布させる技術が開示されている。そして、これによって、DI成形された缶胴の外面および内面塗装を含む側壁厚さが0.110〜0.130mmの場合に、この側壁の缶軸方向における伸びを3%以上6%未満、引張強さを290MPaを越え330MPa以下として、耐突き刺し性を優れさせるとしている。
特許文献3、4でも、同じく3000系組成を有するアルミニウム合金冷延板の、所定サイズの金属間化合物の分布密度および面積率を制御することにより、強度(耐突き刺し性)および靭性を向上させる技術が開示されている。更に、特許文献5では、同じく3000系組成を有するアルミニウム合金冷延板を、所定の加工率でDI成形し、210〜250℃で熱処理することにより、DI成形による加工硬化と引張強さを制御して、耐突き刺し性を向上させる技術が開示されている。
また、Si、Cu、Mn、Feなどの固溶量を規定して、薄肉化された場合のDI成形性や強度などの特性を向上させる技術も、缶用の3000系組成を有するアルミニウム合金冷延板分野では、従来から種々提案されている。
特許第4667722号公報 特開2004−68061号公報 特開2007−197815号公報 特開2009−270192号公報 特開2007−169767号公報
近年、DI缶の取り扱いや使用条件は、缶内外での圧力差がより大きくなって缶胴の変形がしやすくなるなど、より厳しい条件となっている。これにしたがって、薄肉化された缶胴に要求される耐突き刺し性(耐突き刺し強度)も、より厳しいものとなっている。これに対して、前記した従来技術は、この厳しくなった耐突き刺し性を得るためには未だ改善の余地がある。
例えば、特許文献1のようなMg含有量の制御のみからでは、組織中の化合物の存在にも大きく影響される突き刺し強度を、前記要求レベルにすることには限界がある。また、特許文献3に開示された技術は、缶の側壁厚さを0.110mm超に厚くすることにより耐突き刺し性を向上させており、缶の側壁厚さの薄肉化傾向に対応できていない。更に、特許文献5に開示された技術は、缶の塗装時における焼付けの温度範囲が高めに限定されているため、より低温で熱処理したい場合の製缶側の要求には不適である。また、特許文献3〜5が開示する前記金属間化合物の制御は、確かに耐突き刺し性の向上には有効であるものの、やはり前記厳しくなった耐突き刺し性を得るためには未だ改善の余地がある。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、薄肉化された缶胴に要求されるより厳しい耐突き刺し性(耐突き刺し強度)を満足できるDI缶胴用アルミニウム合金板を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための本発明DI缶胴用アルミニウム合金板の要旨は、質量%で、Mn:0.3〜1.3%、Mg:0.7〜3.0%、Si:0.1〜0.5%、Fe:0.1〜0.8%、Cu:0.01〜0.4%を各々含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成を有するアルミニウム合金板であって、3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡により測定された原子の集合体として、その原子の集合体が、Mg原子かCu原子かのいずれかまたは両方を合計で5個以上含むとともに、これら含まれるMg原子かCu原子のいずれの原子を基準としても、その基準となる原子と隣り合う他の原子のうちのいずれかの原子との互いの距離が0.80nm以下であり、これらの条件を満たす原子の集合体の平均密度を1×1024個/m3以下に規制することとする。
ここで、前記アルミニウム合金板がさらにCr:0.001〜0.1%、Zn:0.05〜0.5%の一種または二種を含有しても良い。また、前記アルミニウム合金板は、最薄部の側壁厚さが0.085〜0.110mmの範囲の缶胴にDI成形され、この缶胴が200℃×20分間熱処理された際の、缶胴側壁の缶軸方向の0.2%耐力が280MPa以上350MPa以下である強度特性を有することが好ましい。また、前記アルミニウム合金板の前記耐突き刺し性は、最薄部の側壁厚さが0.085〜0.110mmの範囲の缶胴にDI成形され、この缶胴が200℃×20分間熱処理された際の前記缶胴に、1.7kgf/cm(=166.6kPa)の内圧をかけ、この缶胴側壁の缶底から缶軸方向の距離L=60mmの部位に、先端が半径0.5mmの半球面である突き刺し針を缶胴側壁に対して垂直に速度50mm/分で突き刺し、この突き刺し針が缶胴側壁を貫通するまでの荷重測定値のうちの最大値で35N以上であることが好ましい。
DI缶胴用の素材である3000系組成のアルミニウム合金板が、缶胴に製缶(DI成形)された後に塗装焼付け処理(熱処理)を受けた際に、缶胴組織のサブグレイン化が促進されると、耐突刺し性が向上する。ただ、この缶胴組織におけるサブグレイン化の程度は、転位密度や結晶粒形状などの組織的な因子によって定量的に規定することが難しい。
これに対して、本発明では、3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡により分析が可能な特定の原子の集合体の存在状態によって、Cuを含む3000系アルミニウム合金板同士の耐突き刺し性の優劣が大きく異なることを知見した。すなわち、本発明で規定する特定の原子の集合体が少ないほど、前記した組織のサブグレイン化が進み、耐突き刺し性が向上すること、その逆に、この特定の原子の集合体が多いほど、缶胴組織のサブグレイン化が進まず、耐突き刺し性が劣ることを知見した。
したがって、本発明で規定する原子の集合体の存在状態(平均密度)は、Cuを含む3000系アルミニウム合金板を缶胴化した際の、耐突き刺し性との関係を表す指標となりうる。これを用いて、本発明では、Cuを含む3000系アルミニウム合金板の前記特定の原子の集合体(クラスタ)の存在状態(平均密度)を制御して、薄肉化された缶胴に要求されるより厳しい耐突き刺し性(耐突き刺し強度)を満足できるレベルに、耐突き刺し性を向上させることができる。
缶胴の突き刺し強度の測定方法を模式的に説明する断面図である。
以下、本発明に係る缶胴用アルミニウム合金板(以下、アルミニウム合金板と称す)を実現するための形態について説明する。
(アルミニウム合金組成)
本発明に係るDI缶胴用アルミニウム合金板の組成は、質量%で、Mn:0.3〜1.3%、Mg:0.7〜3.0%、Si:0.1〜0.5%、Fe:0.1〜0.8%、Cu:0.01〜0.4%を各々含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるものとする。このアルミニウム合金組成に、さらにCr:0.001〜0.1%、Zn:0.05〜0.5%の一種または二種を含有する組成としてもよい。なお、組成(各元素含有量)に関する%表示は全て質量%の意味である。
(Mn:0.3〜1.3%)
Mnは、アルミニウム合金の強度を向上させる効果があり、アルミニウム合金板が缶胴に成形されたときに、側壁強度を高めて座屈強度や耐突刺し性を確保する。また、Mnはアルミニウム合金中でAl−Mn−Fe系金属間化合物を形成し、適度に分散されることで、熱間圧延後の再結晶が促進されてアルミニウム合金板の加工性が向上する。Mnの含有量が0.3%未満では、これらの効果が不十分である。このため、Mnの含有量は0.3%以上、好ましくは0.4%以上とする。一方、Mnの含有量が1.2%を超えると、粗大なAl−Mn−Fe系金属間化合物の生成量が増加して、耐突刺し性が低下する。それゆえ、Mnの上限は1.3%とし、好ましくは1.1%、さらに好ましくは1.0%とする。
(Mg:0.7〜3.0%)
Mgは、アルミニウム合金の強度を向上させる効果がある。Mgの含有量が0.7%未満では、アルミニウム合金板が缶胴に成形されたときに、側壁強度が低くなって耐突刺し性が不足する。一方、Mgの含有量が3.0%を超えると、アルミニウム合金板の加工硬化が過大となって、しごき加工時のティアオフ(胴体割れ)等の割れ、ネッキング加工時のシワやスジ等の不良が発生し易くなる。したがって、Mgの含有量は、0.7〜3.0%の範囲とし、好ましくは1.0〜2.6%、より好ましくは1.2〜2.2%とする。
(Si:0.1〜0.5%)
Siは、Al−Fe−Mn−Si系金属間化合物を形成し、それが適正に分布している程、成形性が向上する。このため、Siの含有量は0.1%以上、好ましくは0.2%以上とする。一方、Siが過剰になると、Al−Mn−Fe−Si系金属間化合物やMg−Si系金属間化合物の大きなものが多数形成されて、耐突き刺し性が低下する。このため、Si含有量の上限は0.5%、好ましくは0.4%とする。
(Fe:0.1〜0.8%)
Feは、地金不純物としてアルミニウム合金中に混入されるが、アルミニウム合金中でAl−Mn−Fe系金属間化合物を形成し、適度に分散されることで、熱間圧延後の再結晶が促進されてアルミニウム合金板の加工性が向上する。また、Feは、Mnの晶出や析出を促進し、アルミニウム基地中のMn平均固溶量やMn系金属間化合物の分散状態を制御する点でも有用である。このため、Feの含有量は0.1%以上、好ましくは0.3%以上とする。一方、Fe含有量が過剰になると、巨大な初晶金属間化合物が発生しやすくなり、DI成形性や耐突き刺し性も低下する。したがって、Fe含有量の上限は0.8%、好ましくは0.7%とする。
(Cu:0.01〜0.4%)
Cuは、固溶強化によって強度を増加させる。このため、Cuを必須に含有させる。Cu含有量の下限量は0.01%以上、好ましくは0.05%以上とする。一方、Cuが過剰になると、高強度は容易に得られるものの、硬くなりすぎるために、成形性が低下し、さらには耐食性も劣化する。このため、Cu含有の上限量は0.4%、好ましくは0.3%とする。
(Cr:0.001〜0.1%、Zn:0.05〜0.5%)
Cuと同効の強度向上元素としてはCr、Znが挙げられ、Cr:0.001〜0.1%、Zn:0.05〜0.5%の一種または二種を、Cuに加えて選択的に含有させることができる。選択的に含有させる場合のCrの含有量は0.001%以上、好ましくは0.002%以上とする。一方、Crが過剰になると、巨大晶出物が生成して成形性が低下するので、Cr量の上限は0.1%、好ましくは0.05%程度とする。また、選択的に含有させる場合のZnの含有量は0.05%以上、好ましくは0.06%以上とする。一方、Znが過剰になると耐食性が低下するので、Zn含有量の上限は0.5%、好ましくは0.45%程度とする。
これらの元素以外に不可避的不純物があるが、この不可避的不純物として、例えば、Zr:0.10%以下、Ti:0.2%以下、好ましくは0.1%以下、B:0.05%以下、好ましくは0.01%であれば、本発明に係るアルミニウム合金板の特性に影響せず、含有が許容される。このうち、Tiは結晶粒を微細化する効果もあり、微量のBと共に含有すると、この結晶粒の微細化効果がさらに向上するが、これらの含有量が過剰になると、巨大なAl−Ti系金属間化合物やTi−B系の粗大粒子が晶出して成形性を阻害する。
(DI缶胴用アルミニウム合金板の組織)
原子の集合体と耐突き刺し性:
以上のアルミニウム合金組成を前提として、耐突き刺し性(耐突き刺し強度)の向上のために、本発明では、DI缶胴用アルミニウム合金板の組織中に存在する、ごく微細な原子の集合体の制御を行う。
3000系組成のアルミニウム合金板を素材とする缶胴の耐突刺し性は、この素材板が缶胴に製缶(DI成形)された後に塗装焼付け処理を受けた際の、缶胴組織のサブグレイン化によって向上する。このサブグレインは、サブストラクチャーや亜結晶とも呼ばれ、結晶粒の中に出来る小さな組織である。このサブグレイン内部が部分的な転位フリーな領域となり、変形が加わったときにすべり面の活動が可能になる。このため、缶としての使用時や取り扱い時に、缶胴にピンポイントでの外力が加わる、いわゆる突刺しが生じても、この突き刺し部分に新たな転位の堆積による加工硬化が発現することで、耐突刺し性が向上する。
耐突き刺し性の効果に大きな差がある缶胴同士でのTEMによる組織(写真)の比較において、互いの缶胴組織のサブグレイン化の定性的な区別は、その転位の多さが異なり、比較的容易である。耐突き刺し性が劣る缶胴の組織は、筋状あるいは線状の転位が数多く入ったものとなっており、これらの転位が少ない耐突き刺し性が優れた缶胴の組織とは容易に区別できる。しかし、これらの互いの組織を、これらの転位の程度やサブフレイン化の程度などのSEMやTEMにより観察できる組織要素によって、定量的に区別することは現状では難しい。
これに対して、3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡による原子の集合体の存在状態の分析によって、缶胴組織のサブグレイン化の程度が異なり、本発明が規定する原子の集合体(集合体の密度)が少ないほど、組織のサブグレイン化が進み、耐突き刺し性が向上することを知見した。
また、その逆に、この特定の原子の集合体が多いほど、缶胴組織のサブグレイン化が進まず、耐突き刺し性が劣ることを知見した。
Cuを含む3000系アルミニウム合金板では、3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡により測定された、少なくともMg原子かCu原子かのいずれかを含む原子の集合体の存在状態である平均密度の制御によって、この缶胴組織のサブグレイン化の程度と、この板の耐突き刺し性とを制御できる。これによって、Cuを含む3000系アルミニウム合金板の耐突き刺し性を、薄肉化された缶胴に要求されるより厳しいレベルに向上させることができる。
原子の集合体の定義:
本発明では、DI缶胴用のCuを含む3000系アルミニウム合金板の組織につき、3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡により測定される原子の集合体のうち、缶胴組織のサブグレイン化と耐突き刺し性とを制御できる特定の原子の集合体を規定する。
この特定の原子の集合体とは、Mg原子かCu原子かのいずれかまたは両方を合計で5個以上含むとともに、これら含まれるMg原子かCu原子のいずれの原子を基準としても、その基準となる原子と隣り合う他の原子のうちのいずれかの原子との互いの距離が0.80nm以下である条件を満たす原子の集合体である。
本発明で規定する原子の集合体(クラスタ)は、Mg原子とCu原子の二つの原子だけから構成されるとは限らず、多くの場合は母相のAl原子を含む。また、その他の合金元素である、Mn、Si、Feなどの原子を含むこともある。3000系アルミニウム合金の成分組成によっては、選択元素や不純物として含む、Cr、Zn、V、Tiなどの原子が原子の集合体中に含まれ、これらその他の原子が3DAP分析によりカウントされる場合が必然的に生じる。
しかし、これらその他の原子(合金元素や不純物由来)が本発明で規定する原子の集合体(クラスタ)に含まれるとしても、Mg原子とCu原子の総数に比べると少ないレベルである。それゆえ、このような、その他の原子を集合体中に含む場合でも、Mg原子とCu原子の規定距離と、規定合計個数の条件を満たすものは、本発明の原子の集合体として、Mg原子とCu原子のみからなる原子の集合体と同様に機能する。したがって、隣り合う距離内の原子の個数を満たす場合は、その他の原子を集合体中に含む場合でも、本発明の原子の集合体としてカウントし、隣り合う距離内の原子の個数条件を満たさない場合は、本発明の原子の集合体とはせず、カウントしない。
この点で、本発明の原子の集合体において、互いに隣り合う原子とは、Mg原子とCu原子との異なる原子同士だけではなく、Mg原子同士、Cu原子同士でも良い。例えば、原子の集合体において、Mg原子かCu原子かのいずれかが検出されずに0個であっても(Mg原子かCu原子かのいずれかのみであっても)、Mg原子同士かCu原子同士かのいずれかが、隣り合う距離(0.80nm以下)と、個数(5個以上)とを満たせば、本発明で定義する原子の集合体とし、本発明で定義する原子の集合体として平均個数密度にカウントする。それゆえ、3DAP分析により測定する際に、仮に、隣り合う距離内の原子の個数が規定する個数を満たしていたとしても、この原子の集合体が、Mg原子かCu原子をいずれも含まないものであれば、本発明が規定する原子の集合体ではなく、カウントしない。すなわち、本発明で規定する原子の集合体とは、Mg原子とCu原子の両方か、あるいはMg原子かCu原子のいずれかの原子を必ず含む。
ここで、原子の集合体における、原子の距離の規定は、上記原子の集合体に含まれるMg原子やCu原子のいずれの原子も、その原子(基準となるMg原子やCu原子)と隣り合う他の原子(Mg原子、Cu原子あるいは他の原子)のうちの、いずれかひとつの原子との互いの距離が0.80nm以下であればよい。すなわち、その基準となるMg原子あるいはCu原子に隣り合う、他の全ての原子とその基準原子との互いの距離が全て0.80nm以下になっていても良い。また、これから外れる距離の隣り合う原子が中にはあっても良く、この距離を満たす他の原子が最低1個あればいい。そして、上記原子の集合体に合計で5個以上含まれるMg原子とCu原子とは、全てこのような隣り合う他の原子との距離の関係を満たすものである。
原子の集合体の平均密度:
本発明では、以上のように規定され、かつ3DAP分析により測定される、DI缶胴用素材アルミニウム合金板組織における原子の集合体を、この原子の集合体の平均密度で1×1024個/m3以下に規制する。これによって、素材アルミニウム合金板が缶胴に製缶された後に塗装焼付け処理を受けた際の、缶胴組織のサブグレイン化を促進させ、缶胴の耐突き刺し性を向上させる。
このように、この特定の原子の集合体を規制することで、Cuを含む3000系アルミニウム合金板が缶胴に製缶され、その後塗装焼付け処理を受けた際にサブグレイン化が促進され、部分的な転位フリーな領域におけるすべり面の活動が可能になる。このため、缶としての使用時や取り扱い時に、缶胴にピンポイントでの外力が加わる、いわゆる突刺しが生じても、この突き刺し部分に新たな転位の堆積による加工硬化が発現することで、耐突刺し性が向上する。
これに対して、この特定の原子の集合体の平均密度が、上限値の1×1024個/m3を超えた場合、原子の集合体が多すぎて、素材アルミニウム合金板が缶胴に製缶された後に塗装焼付け処理を受けても、缶胴組織のサブグレイン化が進まない。このため、缶の使用時や取り扱い時に、外力がかかって突刺しが生じた場合に、この突き刺し部分に新たな転位の堆積による加工硬化が発現しにくくなり、耐突刺し性が向上しない。
本発明における、この特定の原子の集合体の平均密度の上限規定では、この原子の集合体が検出あるいは測定できずに、存在しないと見なされる0個を含んでいる。ただ、この原子の集合体の数を敢えて0個にする必要はなく、平均密度で1×1024個/m3以下に規制すれば良いので、素材板の製造効率を落とさない観点からの好ましい下限の目安としては、1×1022個/m3以上の存在を許容する。
3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡:
原子の集合体の平均密度を、3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡によって測定する方法は、アルミニウム合金材の分野では、例えば、特開2011−184795号公報などが例示される。この公報では、Znを含む5000系アルミニウム合金板の、プレス成形性の向上に寄与する原子集合体を、3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡により測定している。そして、この原子の集合体として、Mg原子かCu原子かのいずれかまたは両方を合計で20個以上含むとともに、これら含まれるMg原子かCu原子のいずれの原子を基準としても、その基準となる原子と隣り合う他の原子のうちのいずれかの原子との互いの距離が0.80nm以下と規定している。そして、このような条件を満たす原子の集合体を1×104 個/μm3 以上の平均密度で含むことによって、ストレッチャーストレインマークの発生を抑制したアルミニウム合金板を提案している。
この3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡による分析は、高密度化された磁気記録膜や電子デバイスや、アルミニウム合金材、鋼材、銅合金材の分野で、組織や原子集合体の分析などに汎用されている。
3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡(3DAP:3D Atom Probe Field Ion Microscope 、以下3DAPとも略記する)は、電界イオン顕微鏡(FIM)に、飛行時間型質量分析器を取り付けたものである。このような構成により、電界イオン顕微鏡で金属表面の個々の原子を観察し、飛行時間質量分析により、これらの原子を同定することのできる局所分析装置である。また、3DAPは、試料から放出される原子の種類と位置とを同時に分析可能であるため、原子の集合体の構造解析上、非常に有効な手段となる。
この3DAPでは、電界蒸発とよばれる高電界下における試料原子そのもののイオン化現象を利用する。試料原子が電界蒸発するために必要な高電圧を試料に印加すると、試料表面から原子がイオン化されこれがプローブホールを通りぬけて検出器に到達する。
この検出器は、位置敏感型検出器であり、個々のイオンの質量分析(原子種である元素の同定)とともに、個々のイオンの検出器に至るまでの飛行時間を測定することによって、その検出された位置(原子構造位置)を同時に決定できるようにしたものである。したがって、3DAPは、試料先端の原子の位置及び原子種を同時に測定できるため、試料先端の原子構造を、3次元的に再構成、観察できる特長を有する。また、電界蒸発は、試料の先端面から順次起こっていくため、試料先端からの原子の深さ方向分布を原子レベルの分解能で調べることができる。
この3DAPは高電界を利用するため、分析する試料は、金属等の導電性が高いことが必要で、しかも、試料の形状は、一般的には、先端径が100nmφ前後あるいはそれ以下の極細の針状にする必要がある。このため、アルミニウム合金板の板厚中央部などから試料を採取して、この試料を精密切削装置で切削および電解研磨して、分析用の極細の針状先端部を有する試料を作製する。測定方法としては、例えば、Imago Scientific Instruments 社製の「LEAP3000」を用いて、この先端を針状に成形したアルミニウム合金板試料に、1kVオーダーの高パルス電圧を印加し、試料先端から数百万個の原子を継続的にイオン化して行う。イオンは、位置敏感型検出器によって検出し、パルス電圧を印加されて、試料先端から個々のイオンが飛び出してから、検出器に到達するまでの飛行時間から、イオンの質量分析(原子種である元素の同定)を行う。
更に、電界蒸発が、試料の先端面から順次規則的に起こっていく性質を利用して、イオンの到達場所を示す、2次元マップに適宜深さ方向の座標を与え、解析ソフトウエア「IVAS」を用いて、3次元マッピング(3次元での原子構造:アトムマップの構築)を行う。これによって、試料先端の3次元アトムマップが得られる。
そして、この3次元アトムマップを、更に、析出物やクラスタに属する原子を定義する方法であるMaximum Separation Methodを用いて、原子の集合体(クラスタ)の解析を行う。本手法は、指定した溶質原子間の最大間隔dmaxと、クラスタを構成する最低原子数Nminをパラメータとして与える方法である。この解析の際には、MgおよびCu原子の隣り合う最大間隔dmaxが0.80nmで、かつMgおよびCu原子の合計最低原子数Nminを5個としてクラスタを定義して行う。この結果からクラスタの分散状態を評価し、クラスタの数密度(測定試料数が3個以上での規定平均密度)を定量化する。
3DAPによる原子の検出効率:
但し、これら3DAPによる原子の検出効率は、現在のところ、イオン化した原子のうちの50%程度が限界であり、残りの原子は検出できない。この3DAPによる原子の検出効率が、将来的に向上するなど、大きく変動すると、本発明が規定する原子の集合体の平均個数密度(個/m3 )の3DAPによる測定結果が変動してくる可能性がある。したがって、この原子の集合体の平均個数密度の測定に再現性を持たせるためには、3DAPによる原子の検出効率は約50%と略一定にすることが好ましい。
(製造方法)
次に、本発明におけるDI缶胴用アルミニウム合金板の製造方法を説明する。本発明のアルミニウム合金板は、前記組成のアルミニウム合金を溶解、鋳造して鋳塊とする鋳造工程と、鋳塊を熱処理により均質化する均熱処理工程と、均質化した鋳塊を熱間圧延して熱間圧延板とする熱間圧延工程と、熱間圧延板を焼鈍することなく冷間圧延する冷間圧延工程によって製造される。そして、この製造方法において、鋳塊の均熱処理を後述する条件によって2回行うとともに、冷間圧延も後述する特定の条件によって行い、冷延後のアルミニウム合金板組織を、本発明で規定する組織とする。
(溶解、鋳造)
先ず、アルミニウム合金を溶解し、DC鋳造法等の公知の半連続鋳造法により鋳造し、アルミニウム合金の固相線温度未満まで冷却して鋳塊とする。鋳造速度が40mm/分未満、あるいは冷却速度が0.5℃/秒未満と遅いと、鋳塊中に粗大な金属間化合物が多量に晶出する。一方、鋳造速度が65mm/分、あるいは冷却速度が1.5℃/秒をそれぞれ超えて速いと、鋳塊割れや「す」あるいは「ひけ巣(Shrinkage cavity)」が発生し易くなって鋳造歩留が低下する。したがって、鋳造において、鋳造速度は40〜65mm/分、冷却速度は0.5〜1.5℃/秒とする。また、この冷却速度は、鋳塊の中央部の温度、すなわち鋳造方向に垂直な面の中央部の温度についてのものであり、アルミニウム合金の液相線温度から固相線温度までの冷却における速度とする。
(均熱処理)
鋳塊を圧延する前に、所定温度で均質化熱処理(均熱処理)することが必要である。熱処理を施すことによって、内部応力を除去し、鋳造時に偏析した溶質元素を均質化し、鋳造時に晶出した金属間化合物を拡散固溶させて、組織が均質化される。
但し、本発明では、均熱処理を2回均熱とする。この2回均熱とは、2段均熱とは区別される。2段均熱とは、1回目の均熱後に冷却はするものの、200℃以下までは冷却せず、より高温で冷却を停止した上で、その温度で維持した後に、そのままの温度か、より高温に再加熱した上で熱延を開始するものである。これに対して、本発明の2回均熱とは、1回目の均熱後に、一旦室温を含む200℃以下の温度まで冷却し、更に、再加熱し、その温度で一定時間維持した後に、熱延を開始するものである。
具体的には、先ず、1回目の均熱温度を580℃以上、融点温度未満とする。この均熱温度を580℃以上とするのは、鋳造時に生成した粗大なAl−Fe−Mn系化合物を固溶させるためである。均熱温度が580℃未満になると、粗大なAl−Fe−Mn系化合物が固溶せずに残存するため、缶胴への冷延板の成形性が低下する。
この1回目の均熱処理後に一旦、室温を含む200℃以下まで冷却する。この際、500〜200℃の間の鋳塊の平均冷却速度を80℃/時間以上とする。この温度間の平均冷却速度80℃/時間未満では、冷却中に生成するAl−Fe−Mn系化合物量が増加するだけでなく、本発明で規制する前記MgとCuの原子の集合体も増加する。また、前記2段均熱のように、この冷却を途中の高温状態(200℃を超える)で止め、連続的に2回目の均熱処理を行うと、すでに分散しているAl−Fe−Mn系化合物を核にして、その量が増加するため、200℃以下まで一旦冷却することが必要である。この条件を外れると、DI缶用冷延板の板幅方向や板厚方向に亘る部位の組織を缶胴の耐突き刺し性が優れたものとできない。
2回目の均熱温度は450℃以上、550℃以下とする。そして、この2回目の均熱における200〜400℃の温度間の鋳塊の平均加熱速度を30℃/時間を超える速度とする。これは、この2回目の均熱における昇温中にMg−Si系化合物が生成するが、前記200〜400℃の温度間の鋳塊の平均加熱速度を30℃/時間超とすることによって、本発明で規制する前記MgとCuの原子の集合体の生成量を抑制する。この加熱速度が小さいと、本発明で規制する前記MgとCuの原子の集合体の生成量を抑制できず、上限を超える可能性がある。
これら1回目、2回目の各均熱処理時間が、各々2時間未満では、鋳塊の均質化が完了していないことがある。一方、8時間を超える均熱処理を行っても効果の向上はなく、生産性が低下する。したがって、1回目、2回目の各均熱処理時間は2〜8時間とすることが好ましいが、特に限定するものではない。
(熱間圧延)
前記均熱処理工程で均質化された鋳塊に熱間圧延を行うが、この熱延条件は常法あるいは一般的な条件の範囲で良く、まず鋳塊を粗圧延して、さらに仕上げ圧延により、所定の板厚のアルミニウム合金熱間圧延板とする。
(冷間圧延)
熱間圧延板は、事前に焼鈍せずに、またパス間での中間焼鈍もせずに、冷間圧延して、所定の板厚のアルミニウム合金板に仕上げる。冷間圧延における総圧延率(冷間加工率)は77〜90%、冷延後の冷延板の板厚は0.25〜0.33mmとすることが好ましい。冷間圧延における総圧延率は、勿論、冷延板の所望板厚との関係で決まるが、MgとCuの原子の集合体の平均密度を本発明範囲内に制御するための、好ましい巻き取り温度範囲とするためにも、前記範囲とすることが好ましい。
ここで、冷間圧延後のコイルへの巻き取り温度は120〜160℃の範囲とすることが必要である。このような温間域での温度範囲で巻き取らないと、冷延板組織が、本発明で規定する前記MgとCuの原子の集合体の範囲とならない可能性が高い。この巻き取り温度が160℃を超えた場合、本発明で規定するMgとCuの原子の集合体の平均密度が1×1024個/m3超えて多くなり、缶胴に製缶され、200℃×20分間熱処理された際のサブグレイン化が抑制され、耐突刺し性が低下する。一方で、この巻き取り温度が、通常の冷間圧延のように、120℃未満の室温などの状態では、この巻取直後の強度が高くなり、伸びが低いため、DI成形前のカップ成形性が低下してしまう。
通常の冷間圧延条件では、巻き取られる板(コイル)は、潤滑とともに加工発熱を制御する観点から、前記した圧延率と使用する潤滑油やクーラントの量を、板を冷却するのに十分な量とするため、室温近辺の温度とされる。これに対して、本発明では、逆に加工発熱をむしろ促進して、冷間圧延後のコイルへの巻き取り温度を高温側として、120〜160℃、好ましくは120℃〜145℃の温間域とする。
(DI缶の作製方法)
本発明に係る素材アルミニウム合金板(冷延板)からDI缶の缶胴を作製する製缶方法の一例を以下に説明する。先ず、本発明に係るアルミニウム合金板を円板形状に打ち抜いて(ブランキング加工)、浅いカップ形状に絞り加工し(カッピング加工)、DI成形を施す。これら絞り加工さらにしごき加工を複数回繰り返して徐々に側壁を高くして、所定の底面形状および側壁高さの有底筒形状とする。これらの加工による缶胴の側壁の板厚減少率(しごき加工率)は、60〜70%とすることが好ましい。そして、側壁(開口部)の縁を切り落として整える(トリミング加工)。この状態で、最薄部の側壁厚さが0.085〜0.110mmの範囲の薄肉の缶胴にDI成形される。
次いで、缶胴は脱脂洗浄され、外面、内面にそれぞれ塗装、塗膜の焼付け(ベーキング)を施され、最薄部の側壁の缶軸方向の強度として、0.2%耐力が280MPa以上350MPa以下程度となる高強度とされる。ちなみに、この強度は、実際に前記塗膜の焼付け(ベーキング)をせずとも、成形された缶胴を本発明で言う「缶胴の塗膜の焼付け相当の熱処理」として、塗膜の焼付け相当の温度と時間を200℃×20分で熱処理した後の強度で、代用できる。この塗装焼付け処理(熱処理)を受けた際に、前記した缶胴組織のサブグレイン化が促進されると、耐突刺し性が向上する。
塗膜焼付け後の缶胴は、開口部を縮径し(ネッキング加工)、開口部の縁を外側に拡げて(フランジング加工)、最終の缶胴となる。飲料、食品用途に使用する際には、開口部から内容物(飲料、食品)が缶胴に充填され、別工程で作製された缶蓋を開口部に巻き締めて封止される。
以上、本発明を実施するための形態について述べたが、以下に、本発明の効果を確認した実施例を、本発明の要件を満たさない比較例と対比して具体的に説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(供試材アルミニウム合金板)
表1に示す組成のアルミニウム合金を、溶解し、半連続鋳造法を用いて、各例とも共通して前記した好ましい数値範囲内の鋳造速度および冷却速度で鋳塊を作製した。
この鋳塊を前記2回均熱し、各例とも共通して600℃の均熱温度で4時間の1回目の均熱後に、一旦室温まで500〜200℃の平均冷却速度(℃/時間)を表2の通り種々変えて冷却した。その後、2回目の均熱として、鋳塊を室温から再度加熱し、200〜400℃の平均加熱速度(℃/時間)を表2の通り種々変える一方、各例とも共通して500℃の均熱温度で4時間の2回目の均熱処理を行った。
そして、各例とも共通して、この500℃の温度で熱間圧延を開始し、終了温度を330℃として、板厚2.0〜3.0mmの熱間圧延板とした。
さらに、各例とも共通して、この熱間圧延板を荒鈍(焼鈍)することなく、また途中で中間焼鈍を施すことなく、冷間圧延を施して、板厚0.28mmで、板幅が2000mmのコイル状の長尺アルミニウム合金板とした。この際に、冷間圧延の総(合計)圧延率(%)と巻き取り温度(℃)とを表2に示すように種々変えて行った。
なお、表1のアルミニウム合金板化学成分組成で「−」の表示は、検出限界以下であり、実質的にこの元素を含まない0%であることを示している。
(缶胴)
得られたコイル状のアルミニウム合金板を、カッピング加工、DI成形(しごき加工率65〜70%)し、開口部をトリミング加工して、外径約66mm、高さ(缶軸方向長)124mm、側壁厚さ0.090mmの有底筒形状の缶胴とした。さらに、この缶胴を脱脂洗浄の後、塗装時の焼付けを想定(模擬)した前記200℃×20分間の条件での熱処理を行って、缶胴供試材とした。
〔評価〕
前記アルミニウム合金冷延板の組織を、3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡と分析解析ソフトとを用いた前記測定方法により、本発明で規定した原子の集合体の平均密度を測定した。また、缶胴へのDI成形性、0.2%耐力も各々測定した。そして、缶胴(前記塗装焼付け想定の熱処理後)での、耐突き刺し性、0.2%耐力もそれぞれ測定、評価した。これらの結果を表1に続く表2に示す(表1、2の番号は互いに共通する)。
(3DAPによる組織測定)
3DAP法による測定は、前記冷延板から、幅方向に1mmずつ間隔をあけて、長さ30mm×幅1mmの試験片を切削装置で3個切りだし、その後電解研磨により、試験片を細く加工し、先端の半径が約50nmの針状試料を作製した。このため測定箇所は、板厚の中心部近傍を測定していることになる。この先端を針状に成形した試料を前記「LEAP3000」を用いて3DAP測定を行い、前記3個の試験片それぞれの本発明で規定する原子の集合体の密度(個/m3)を測定して、平均化(平均密度化)した。ちなみに3DAP法による測定体積はおおよそ1.0×10-24〜10-213である。
(成形性)
前記したDI成形では、アルミニウム合金冷延板コイルの長手方向中央部の、前記板幅方向中央部近傍1箇所と、前記両端部2箇所の各近傍の計3箇所から1000枚ずつブランクを切り出し、しごき加工率65%で連続成形(カッピング加工、DI成形)して製缶した。そして、成形時に不良(ティアオフ、ピンホール等)が発生しなかった場合は成形性が優れているとして「○」、不良が発生した場合は成形性不良として「×」で評価した。
(耐突き刺し性)
各例について、製缶された缶胴の耐突き刺し性、特に冷延板の板幅方向や板厚方向の各耐突き刺し性が総じて向上されているかを検証した。このために、各例とも、前記アルミニウム合金冷延板コイルの板幅方向中央部、両端部の3箇所から製缶された缶胴が均等に含まれるように、前記成形できた10個全てについて突き刺し試験を実施して、耐突き刺し性を評価した。
この耐突き刺し性試験は、図1に示すように、缶胴を固定して、1.7kgf/cm2(=166.6kPa)の内圧をかけ、缶胴の側壁の、アルミニウム合金板の圧延方向が缶軸方向と一致し、缶底からの缶軸方向の距離Lが60mmである部位に、先端が半径0.5mmの半球面である突き刺し針を、側壁に対して垂直に、速度50mm/分で突き刺した。そして、突き刺し針が側壁を貫通するまでの荷重(N)を測定し、得られた最大荷重を突き刺し強度とした。
耐突き刺し性試験結果において、全缶胴の前記最大荷重が平均で40N以上であったものを、前記アルミニウム合金冷延板の板幅方向全体が耐突き刺し性に優れているとして「◎」、平均で35N以上であったものも「○」と評価した。一方、全缶胴の前記最大荷重が平均で平均が35N未満であったものは、前記アルミニウム合金冷延板の板幅方向や板厚方向全体では耐突き刺し性が不良であるとして「×」で評価した。
本発明では、DI缶の取り扱い乃至使用条件として、缶の内外での圧力差がより大きく、缶胴の変形が大きくなり、耐突き刺し性がより厳しい条件となる、前記1.7kgf/cm2(=166.6kPa)のより低い内圧とした。実際の缶胴の突き刺し時の破裂は、様々な形状のものが衝突することにより起きているが、それら全てを評価することができず、より厳しい評価方法で評価することが求められている。そのため、内圧を下げ、変形を大きくした条件を採用することで、突刺し強度が高くなることを難しくした。
これまでの耐突き刺し性の評価は、通常、より高い、2.0kgf/cm2(=196kPa)の内圧をかけて行われている。このため、同じ試験材料であっても、本発明の試験方法の方が試験条件は厳しく、突刺し強度は低めになる。すなわち、前記2.0kgf/cm2の内圧による試験での突き刺し強度(N)の値と、本発明の試験方法による突き刺し強度(N)の値が例え同じか、あるいは例え、多少低い数値であったとしても、本発明の材料の方が耐突刺し性に優れるといえる。言い換えると、2.0kgf/cm2の内圧試験での耐突き刺し性が優れていたとしても、本発明の1.7kgf/cm2のより低い内圧での耐突き刺し性が優れているとは全く言えない。
(0.2%耐力)
前記冷延板と前記缶胴側壁の0.2%耐力測定のための引張試験は、冷延板と、缶胴(前記塗装焼付け想定の熱処理後)側壁から各々採取した試験片を、JIS Z 2201にしたがって行うとともに、試験片形状はJIS 5 号試験片で行い、試験片の長手方向が圧延方向(缶軸方向)と一致するように作製した。また、クロスヘッド速度は5mm/分で、試験片が破断するまで一定の速度で行った。
表1、2に示すように、各発明例1〜10は、アルミニウム合金の組成が本発明範囲内であり、好ましい製造条件で製造されている。このため、各発明例は、表2の通り、冷間圧延板が本発明で規定した原子の集合体の平均密度の範囲内となっている。
この結果、各発明例は、DI成形性が良好である前提で、前記アルミニウム合金板を最薄部の側壁厚さが0.090mmの薄肉の缶胴にDI成形し、かつ前記塗膜の焼付け相当の熱処理後の側壁の缶軸方向の0.2%耐力が280MPa以上350MPa以下の高強度とした場合の耐突き刺し性に優れている。しかも、この耐突き刺し性は、缶胴に1.7kgf/cm2(=166.6kPa)の内圧をかけた厳しい評価であるにも関わらず、35N以上あるいは40N以上と優れている。すなわち、缶壁厚さが薄肉化、高強度化された缶胴において、良好な成形性、より厳しい条件での優れた耐突き刺し性が得られた。
これに対して、表1、2の比較例11〜20は、アルミニウム合金の組成が本発明範囲内であるものの、前記均熱や冷間圧延における条件のいずれかが、本発明の前記好ましい条件から外れている。このため、各比較例は、冷間圧延板の本発明で規定した原子の集合体の平均密度が範囲外となって耐突き刺し性が劣るか、DI成形性が劣るか、強度が低くなっている。
比較例11は、1回目の均熱処理後の室温までの冷却の際の500〜200℃の平均冷却速度が70℃/時間未満と小さすぎる。この結果、冷却中に生成する本発明で規定した原子の集合体が増加して、平均密度が上限を超えており、耐突き刺し性が劣っている。
比較例12は、2回目の均熱温度時における200〜400℃の平均加熱速度が30℃/時間未満と小さすぎる。この結果、加熱中に生成する本発明で規定した原子の集合体が増加して、平均密度が上限を超えており、耐突き刺し性が劣っている。
比較例13は、冷間圧延における総圧延率が低すぎて、冷延板やBH後の缶胴強度が低すぎ、耐突き刺し性も劣っている。
比較例14は、冷間圧延におけるか巻き取り温度が高すぎて、冷延板の本発明で規定した原子の集合体が増加して、平均密度が上限を超えており、耐突き刺し性が劣っている。
また、表1、2の比較例15〜20は、Cu、Mn、Mg、Si、Feのいずれかの含有量が本発明範囲から外れている。
比較例15はMg量が過少で、固溶Mg量が過少となっている。比較例16はMn量が過多となっている。この結果、これら比較例は前記内圧条件が厳しい場合の板幅方向に亘る耐突き刺し性が劣っている。
比較例17はMn量が過少である。比較例18はSi量が過多である。比較例19はFe量が過多である。この結果、これらの比較例は、DI成形時に不良が発生したため、缶用としては実用化できず、その後の突き刺し試験も実施する意味がないゆえに中止した。
比較例20はCuが含まれていない。この結果、缶胴の強度が低く、前記内圧条件が厳しい場合の板幅方向に亘る耐突き刺し性も劣っている。
Figure 0005848694
Figure 0005848694
以上、本発明DI缶胴用アルミニウム合金板(冷延板)は、アルミニウム合金冷延板から製缶される缶胴の耐突き刺し性を目的とするレベルまで向上させ、缶胴の耐突き刺し性を保障することができる。このため、缶壁厚さが薄肉化、高強度化され、より厳しい使用条件での耐突き刺し性が要求されるDI缶胴に用いられるアルミニウム合金冷延板に最適である。

Claims (4)

  1. 質量%で、Mn:0.3〜1.3%、Mg:0.7〜3.0%、Si:0.1〜0.5%、Fe:0.1〜0.8%、Cu:0.01〜0.4%を各々含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成を有するアルミニウム合金板であって、3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡により測定された原子の集合体として、その原子の集合体が、Mg原子かCu原子かのいずれかまたは両方を合計で5個以上含むとともに、これら含まれるMg原子かCu原子のいずれの原子を基準としても、その基準となる原子と隣り合う他の原子のうちのいずれかの原子との互いの距離が0.80nm以下であり、これらの条件を満たす原子の集合体の平均密度を1×1024個/m以下に規制することを特徴とするDI缶胴用アルミニウム合金板。
  2. 前記アルミニウム合金板がさらにCr:0.001〜0.1%、Zn:0.05〜0.5%の一種または二種を含有する請求項1に記載のDI缶胴用アルミニウム合金板。
  3. 前記アルミニウム合金板が、最薄部の側壁厚さが0.085〜0.110mmの範囲の缶胴にDI成形され、この缶胴が200℃×20分間熱処理された際の、缶胴側壁の缶軸方向の0.2%耐力が280MPa以上350MPa以下である強度特性を有する請求項1または2に記載のDI缶胴用アルミニウム合金板。
  4. 前記アルミニウム合金板の耐突き刺し性が、最薄部の側壁厚さが0.085〜0.110mmの範囲の缶胴にDI成形され、この缶胴が200℃×20分間熱処理された際の前記缶胴に、1.7kgf/cm(=166.6kPa)の内圧をかけ、この缶胴側壁の缶底から缶軸方向の距離L=60mmの部位に、先端が半径0.5mmの半球面である突き刺し針を缶胴側壁に対して垂直に速度50mm/分で突き刺し、この突き刺し針が缶胴側壁を貫通するまでの荷重測定値のうちの最大値で35N以上である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のDI缶胴用アルミニウム合金板。
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