JP5846929B2 - パワー半導体モジュール - Google Patents
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Description
この特許文献1に記載のパワー半導体モジュールは、電気自動車やハイブリッド車の電気モータを制御するインバータのケースの周壁と、このケース内に収容されたパワー半導体モジュールの上部に載置された平滑コンデンサとのとの間で、直流バス・ラインを構成し対をなすバス・バーが平滑コンデンサに沿って平行に延伸されている。また、対をなすコンデンサがバス・バーの外側でこれらバス・バーの板面に沿うように配置される。コンデンサは、バス・バーに対する対称位置で、その一端側のリードがバス・バーから外側へ突出した接続部に、またその他端側のリードがバス・バーの下方を横切って配置された板状のアース端子に、それぞれ接続される。
すなわち、上記特許文献1に記載のものは、電池 (電源)とパワー半導体モジュールとの間にコンデンサを配置するため、コモン・モード電流のループがその分大きくなって放射ノイズが大きくなる上、バス・バー自体にコンデンサのリードを接続するので、構造が複雑となり、大きなスペースが必要となるといった問題がある。
互いに離間された第1冷却板および第2冷却板と、
第1冷却板の内側に設けた第1絶縁基板および第2冷却板の内側に設けた第2絶縁基板と、
第1絶縁基板の内側に設けた第1金属パターンおよび第2絶縁基板の内側に設けた第2金属パターンと、
第1金属パターンおよび第2金属パターンの間に配置され、第1金属パターンおよび第2金属パターンに電気的に接続されるパワー素子と、
アース端子と、
を有し、モータと同一の筐体に収容されてモータを駆動するパワー半導体モジュールにおいて、
モータ及びアース端子は、筐体にアースされており、
第1金属パターンおよび第2金属パターンと、アース端子またはアース端子に接続した
第1冷却板および第2冷却板と、で、ライン・バイパス・コンデンサを構成し、ライン・バイパス・コンデンサを介してモータとパワー半導体モジュールとの間で、モータで発生したコモン・モード電流を流すようにした、
ことを特徴とする。
請求項1に記載のパワー半導体モジュールにおいて、
ライン・バイパス・コンデンサを、第1金属パターンおよび第2金属パターンと、アース端子を接続した第1冷却板および第2冷却板と、第1金属パターンおよび第1冷却板の間に配置した第1絶縁基板と、第2金属パターンおよび第2冷却板の間に配置した第2絶縁基板と、で構成した、
ことを特徴とする。
請求項1に記載のパワー半導体モジュールにおいて、
ライン・バイパス・コンデンサを、第1金属パターンおよび第2金属パターンと、アース端子と、第1金属パターンおよびアース端子の間に配置した第1絶縁体と、第2金属パターンおよびアース端子の間に配置した第2絶縁体と、で構成した、
ことを特徴とする。
図1および図2に示すように、電源としての電池Bには、直流パワー・ラインを介してインバータINVが接続され、このインバータINVには三相交流パワー・ラインを介して交流モータMが接続される。
このインバータINVは、交流モータMのすぐ隣に配置され、これと共通の筐体D(図1に示す)に入れられている。
すなわち、このコモン・モード電流Icは、特にノイズが大きいモータMでは、モータの巻き線と筐体Dとの間の対地容量によってIc=Cdv/dtの大きさとなる。ここで、Cは浮遊容量C4のキャパシタンス、vはその電位、tは時間である。このコモン・モード電流は放射ノイズとなって他部品等へ悪影響を与えるため、コモン・モード電流が外部へ流出しないように、電池BとインバータINVの間の往路およびアースGNDの間と、その帰路およびアースGNDの間とにそれぞれライン・バイパス・コンデンサCy(いわゆるYコンデンサであり、コンデンサC2、C3からなる)を設けるようにする。このように、YコンデンサCyを設けることで、図1の細線の矢印で示す電流経路を、太線の矢印で示す電流経路へと短くすることができる。
パワー半導体モジュールN4は、2枚の冷却板(第1冷却板1および第2冷却板2)と、第1絶基板10および第2絶縁基板11と、第1金属パターン12および第2金属パターン13と、フリー・ホイーリング・ダイオード(FWD: Free Wheeling Diode)8および絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ(IGBT: Insulated Gate Bipolar Transistor)9と、マイナス端子3と、プラス端子4と、アウトプット端子5と、2つのアース端子6、7と、樹脂モールド14と、を有する。
図3に示すように、第1冷却板1の一端側の中央位置部分には、第1アース端子6が接続されて外側へ突出される。
同様に、第2冷却板2の一端側の中央位置部分には、第2アース端子7が接続されて外側へ突出される。なお、第1アース端子6および冷却板1、また第2アース端子7および冷却板2は、いずれも電気的に接続されていればよく、一体であっても別体であってもよい。
同様に、第2絶縁基板11は、第2冷却板2よりわずかに大きく形成されてこの第2冷却板2の内側に配置される。
第1絶縁基板10および第2絶縁基板11は、本実施例では、セラミック製とする。
一方、プラス端子4は、この一端側がパワー半導体モジュールN4のアース端子6、7側、かつ幅方向の右側位置で、第1冷却板1と第2冷却板2との間から外側へ突出し、その他端側がパワー半導体モジュールN4の内部に入って上方へ曲げられ、第1金属パターン12の広い面積であるプラス側部分12pに接触されるようにしてある。
すなわち、上側のIGBTと下側FWDとで降圧チョッパを、また下側のIGBTと上側のFWDとで昇圧チョッパを構成している。
同様に、第2冷却板2がアース端子7を介して筐体Dにアースされ、第2金属パターン13の広い面積のマイナス側部分13nが第2冷却板2との間に第2絶縁基板11を挟む構造となるので、これらでマイナス側線と筐体DのアースGNDとの間に設けたYコンデンサを構成することになる。
また、アース端子7に接続した第2冷却板2と、第2絶縁基板11と、第2金属パターン13の広い面積のマイナス側部分13nと、で構成されたYコンデンサを介してマイナス側線が、アース端子7を介して筐体Dにアースされている。
この結果、筐体DがインバータINVとこのすぐ近くに設置した交流モータMとを内蔵して共通のアースGNDとなって、図1、図2に示したように、コモン・モード電流が流れる最も短いループを形成することになる。これにより外部への放射ノイズを低減することになる。
したがって、パワー半導体モジュールN4のバス・バーにYコンデンサを接続する場合に比べ、接続が簡単で、構成部品も減り、コンパクトにすることが可能となる。
他の構成は実施例1と同様である。
なお、図8では、FWD8は第1FWD8aと第2FWD8bとして、またIGBT9は第1IGBT9a、第2IGBT9bとして表れている。
また、第2金属パターン13と、第2絶縁体16bと、アース端子15とでマイナス側線のYコンデンサを構成する。
D 筐体
INV インバータ
M 交流モータ(モータ)
N1 平滑コンデンサ
N2 モータ・コントロール基板
N3 駆動基板
N4 パワー半導体モジュール
N5 冷却器
1 第1冷却板
2 第2冷却板
3 マイナス端子
4 プラス端子
5 アウトプット端子
6、7、15 アース端子
8、8a、8b FWD(パワー素子)
9、9a、9b IGBT(パワー素子)
10 第1絶縁基板
11 第2絶縁基板
12 第1金属パターン
12p プラス側部分
12n マイナス側部分
12o アウトプット側部分
13 第2金属パターン
13p プラス側部分
13n マイナス部分
13o アウトプット側部分
14 樹脂モールド
16a 第1絶縁体
16b 第2絶縁体
Claims (3)
- 互いに離間された第1冷却板および第2冷却板と、
前記第1冷却板の内側に設けた第1絶縁基板および前記第2冷却板の内側に設けた第2絶縁基板と、
前記第1絶縁基板の内側に設けた第1金属パターンおよび前記第2絶縁基板の内側に設けた第2金属パターンと、
前記第1金属パターンおよび前記第2金属パターンの間に配置され、前記第1金属パターンおよび前記第2金属パターンに電気的に接続されるパワー素子と、
アース端子と、
を有し、モータと同一の筐体に収容されて前記モータを駆動するパワー半導体モジュールにおいて、
前記モータ及び前記アース端子は、前記筐体にアースされており、
前記第1金属パターンおよび前記第2金属パターンと、前記アース端子または該アース端子に接続した前記第1冷却板および前記第2冷却板と、で、ライン・バイパス・コンデンサを構成し、該ライン・バイパス・コンデンサを介して前記モータと前記パワー半導体モジュールとの間で、前記モータで発生したコモン・モード電流を流すようにした、
ことを特徴とするパワー半導体モジュール。
- 請求項1に記載のパワー半導体モジュールにおいて、
前記ライン・バイパス・コンデンサは、前記第1金属パターンおよび前記第2金属パターンと、前記アース端子に接続した前記第1冷却板および前記第2冷却板と、前記第1金属パターンおよび前記第1冷却板の間に配置した前記第1絶縁基板と、前記第2金属パターンおよび前記第2冷却板の間に配置した前記第2絶縁基板と、で構成した、
ことを特徴とするパワー半導体モジュール。 - 請求項1に記載のパワー半導体モジュールにおいて、
前記ライン・バイパス・コンデンサは、前記第1金属パターンおよび前記第2金属パターンと、前記アース端子と、前記第1金属パターンおよび前記アース端子の間に配置した第1絶縁体と、前記第2金属パターンおよび前記アース端子の間に配置した第2絶縁体と、で構成した、
ことを特徴とするパワー半導体モジュール。
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