JP5845379B1 - 樹脂塗布装置及び樹脂塗布済部材の製造方法 - Google Patents

樹脂塗布装置及び樹脂塗布済部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

部材と塗布ヘッドとの距離を比較的大きくすることができる樹脂塗布装置及び樹脂塗布済部材の製造方法を提供する。樹脂塗布装置(1)は、樹脂(13)が塗布される部材(11)が載置される載置台(12)と、載置台(12)に載置された部材(11)に対して樹脂(13)を吐出する塗布ヘッド(14)と、塗布ヘッド(14)を載置台(12)に対して相対的に移動させる移動装置(15)と、載置台(12)と塗布ヘッド(14)との間に電圧を印加する電源装置(17)とを備える。樹脂塗布済部材の製造方法は、部材(11)を載置台(12)に載置し、塗布ヘッド(14)を部材(11)の上方に配置し、載置台(12)と塗布ヘッド(14)との間に電圧を印加したまま、かつ、塗布ヘッド(14)から樹脂(13)を吐出しながら、塗布ヘッド(14)を載置面(12f)に沿う方向に載置台11に対して相対的に移動させることで部材(11)に樹脂(13)を塗布する。

Description

本発明は、樹脂塗布装置及び樹脂塗布済部材の製造方法に関し、特に部材に樹脂を塗布する樹脂塗布装置及び樹脂塗布済部材の製造方法に関する。
2つの部材、例えば液晶パネルと保護ガラスとを接着剤で貼り合わせて接合部材を製造する際には、両方の部材又は一方の部材の貼り合わせ面の一部に接着剤塗布装置で接着剤を塗布する。そして、2つの部材の貼り合わせ面を対面させて、2つの部材を加圧し接着剤を展延させて貼り合わせるようにしている。
このような接着剤塗布装置として、ダイヘッド(塗布ヘッド)を用いて、被塗布部材表面に非接触で接着剤を吐出しながら塗膜を形成するようにしたダイコート法を用いたものがあり、両サイドの膜厚の盛り上がりを抑制しつつエンドの直線性を保つようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。このダイコート法による接着剤の塗布は、塗布回数を1回で行え、しかもダイが被塗布部材と非接触であるので、塗布面にむらが残らず品質を向上できる。
また、接着剤を塗布した2つの部材を貼り合わせる際に、2つの部材間に電圧を印加して、それらの間に電界を形成することにより、その接着剤の接触面積が低減される形状に変化させ、ボイドが形成されるのを大幅に抑制するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照。)。
特開平10−277464号公報 特許第3312731号公報
しかし、特許文献1の塗布装置の場合、被塗布部材の両サイドの膜厚の盛り上がりを抑制できるが、部材と塗布ヘッドの出射口との距離が所定距離より大きくなると接着剤が途中で途切れ、接着剤を連続して供給ができなくなる。接着剤の供給は断続状態での供給となり、均一に接着剤を塗布できなくなる。特に、部材の表面に凸部がある場合、塗布ヘッドが凸部に当たらないようにするために、部材と塗布ヘッドの出射口との距離を確保する必要があり、そのような場合に均一に接着剤を塗布できなくなる。
また、特許文献2のものでは、接着剤を塗布した後の2つの部材を貼り合わせる際に、2つの部材間に電圧を印加するものであり、接着剤にボイドが混入するのを防止するものであり、塗布ヘッドにより部材に接着剤を塗布する際のものではない。
本発明の目的は、樹脂を塗布する塗布ヘッドと樹脂が塗布される部材との間の距離を比較的大きくしても均一に樹脂を塗布できる樹脂塗布装置及び樹脂塗布済部材の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る樹脂塗布装置は、例えば図1に示すように、樹脂13が塗布される部材11が載置される載置面12fを有する載置台12と;載置台12に載置された部材11に対して樹脂13を吐出する塗布ヘッド14と;塗布ヘッド14を、載置面12fに沿う方向に、載置台12に対して相対的に移動させる移動装置15と;載置台12と塗布ヘッド14との間に電圧を印加する電源装置17とを備える。
このように構成すると、樹脂が部材に塗布される際に載置台と塗布ヘッドとの間に電圧を印加することができ、これによって樹脂の広がり性が向上し、塗布ヘッドと載置台との距離を比較的大きくしても部材に対して樹脂を適切に塗布することができる。
また、本発明の第2の態様に係る樹脂塗布装置は、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様に係る樹脂塗布装置1において、塗布ヘッド14から吐出される樹脂13の吐出量を調節する吐出量調節装置16、18を備える。
このように構成すると、適切な量の樹脂を塗布ヘッドから吐出することができ、部材に対して樹脂を適切に塗布することができる。
また、本発明の第3の態様に係る樹脂塗布装置は、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様又は第2の態様に係る樹脂塗布装置1において、塗布ヘッド14に形成された樹脂13の吐出口19と、載置台12に載置された部材11との距離を検知するギャップ検知部33と;電源装置17によって載置台12と塗布ヘッド14との間に印加される電圧の値を調節する電圧調節部17cと;ギャップ検知部33で検知された距離に応じて電圧調節部17cで調節される電圧値を設定する第1の制御装置51とを備える。
このように構成すると、塗布ヘッドと部材との距離に対して適切な値の電圧を印加することができる。
また、本発明の第4の態様に係る樹脂塗布装置は、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様乃至第3の態様のいずれか1つの態様に係る樹脂塗布装置1において、塗布ヘッド14を、載置台12に対して、接近及び離間できるように相対的に移動させる距離可変装置15と;載置面12fに載置された部材11に対する塗布ヘッド14からの樹脂13の吐出開始時における塗布ヘッド14と載置台12との距離を、樹脂13の吐出開始後における塗布ヘッド14と載置台12との距離よりも小さくするように距離可変装置15を制御する第2の制御装置52とを備える。
このように構成すると、塗布ヘッドと部材との距離を比較的大きくしたときに生じ得る、樹脂の塗布開始時の樹脂の盛り上がりを抑制することができる。
また、本発明の第5の態様に係る樹脂塗布済部材の製造方法は、例えば図1及び図3を参照して示すと、上記本発明の第1の態様乃至第4の態様のいずれか1つの態様に係る樹脂塗布装置1によって樹脂塗布済部材を製造する方法であって;樹脂13が塗布される部材11を、載置面12fに載置する載置工程(S1)と;塗布ヘッド14を、載置台12に載置された部材11の上方に配置する塗布ヘッド配置工程(S2)と;電源装置17で載置台12と塗布ヘッド14との間に電圧を印加する電圧印加工程(S5〜S10)と;載置台12と塗布ヘッド14との間に電圧を印加したまま、かつ、塗布ヘッド14から樹脂13を吐出しながら、移動装置15を作動させることで部材11に樹脂13を塗布する樹脂塗布工程(S6〜S9)とを備える。なお、上記本発明の第1の態様乃至第4の態様のいずれか1つの態様に係る樹脂塗布装置1において、載置台12と塗布ヘッド14との間に電圧を印加したまま、かつ、塗布ヘッド14から樹脂13を吐出しながら、移動装置15を作動させるように、塗布ヘッド14、移動装置15、及び電源装置17を制御する制御装置(第1の制御装置51及び第2の制御装置52と区別する場合は第3の制御装置と呼称してもよい)を備えることとしてもよい。
このように構成すると、樹脂が部材に塗布される際に載置台と塗布ヘッドとの間に電圧を印加するので、樹脂の広がり性が向上し、塗布ヘッドと載置台との距離を比較的大きくしても部材に対して樹脂を適切に塗布することができる。
上記目的を達成するために、本発明の第6の態様に係る樹脂塗布済部材の製造方法は、例えば図1及び図3を参照して示すと、樹脂13が塗布される部材11を、載置台12に形成された載置面12fに載置する載置工程(S1)と;部材11に対して樹脂13を吐出する塗布ヘッド14を、載置台12に載置された部材11の上方に配置する塗布ヘッド配置工程(S2)と;載置台12と塗布ヘッド14との間に電圧を印加する電圧印加工程(S5〜S10)と;載置台12と塗布ヘッド14との間に電圧を印加したまま、かつ、塗布ヘッド14から樹脂13を吐出しながら、塗布ヘッド14を載置面12fに沿う方向に載置台11に対して相対的に移動させることで部材11に樹脂13を塗布する樹脂塗布工程(S6〜S9)とを備える。
このように構成すると、樹脂が部材に塗布される際に載置台と塗布ヘッドとの間に電圧を印加するので、樹脂の広がり性が向上し、塗布ヘッドと載置台との距離を比較的大きくしても部材に対して樹脂を適切に塗布することができる。
また、本発明の第7の態様に係る樹脂塗布済部材の製造方法として、例えば図1及び図3を参照して示すと、上記本発明の第5の態様又は第6の態様に係る樹脂塗布済部材の製造方法において、塗布ヘッド14に形成された樹脂13の吐出口19と、載置台12に載置された部材11との距離を検知するギャップ検知工程(S3)と;ギャップ検知工程(S3)で検知された距離に応じて、電圧印加工程(S5〜S10)で印加される電圧値を調節する電圧調節工程(S4)とを備えることとしてもよい。
このように構成すると、塗布ヘッドと部材との距離に対して適切な値の電圧を印加することができる。
また、本発明の第8の態様に係る樹脂塗布済部材の製造方法として、例えば図1及び図3を参照して示すと、上記本発明の第5の態様乃至第7の態様のいずれか1つの態様に係る樹脂塗布済部材の製造方法において、樹脂塗布工程(S6)は、部材11に対する塗布ヘッド14からの樹脂13の吐出開始時における塗布ヘッド14と載置台12との距離を、樹脂13の吐出開始後における塗布ヘッド14と載置台12との距離よりも小さくする工程を含んでいてもよい。
このように構成すると、塗布ヘッドと部材との距離を比較的大きくしたときに生じ得る、樹脂の塗布開始時の樹脂の盛り上がりを抑制することができる。
また、本発明の第9の態様に係る樹脂塗布済部材の製造方法として、例えば図1、図3及び図6(B)を参照して示すと、上記本発明の第5の態様乃至第8の態様のいずれか1つの態様に係る樹脂塗布済部材の製造方法において、載置台12に載置された部材11の樹脂13が塗布される面11fに対する、塗布ヘッド14の傾きを検知する傾き検知工程(S3A)を備え;電圧印加工程(S5〜S10)が、傾き検知工程(S3A)で検知された傾きに対応してあらかじめ設定されている電圧で行われるように構成されていてもよい。
このように構成すると、塗布ヘッドの傾きの許容範囲が大きくなり、塗布ヘッドの傾き調節に要する手間を軽減することができる。
また、本発明の第10の態様に係る樹脂塗布済部材の製造方法として、例えば図1を参照して示すと、上記本発明の第5の態様乃至第9の態様のいずれか1つの態様に係る樹脂塗布済部材の製造方法において、樹脂塗布工程において塗布される樹脂13の厚さを設定する厚さ設定工程と;厚さ設定工程において設定した厚さに応じて、載置台12に載置された部材11と塗布ヘッド14との距離、及び電圧印加工程において印加する電圧の値を決定する条件決定工程とを備えることとしてもよい。
このように構成すると、塗布される樹脂の厚さに応じた適切な塗布が可能になり、塗布される樹脂の厚さを薄くすることが可能になる。
また、接着剤塗布装置として、部材を載置するための平面状の載置台と、前記載置台に載置された部材の上方から接着剤をシム板にて塗布幅を調整して塗布する塗布ヘッドと、前記塗布ヘッドを前記部材の上方で相対的に走行させる走行機構部と、前記載置台と前記塗布ヘッドの間に電圧を印加する電源装置とを備えたことを特徴とすることとしてもよい。
このようにすると、部材を搭載した載置台と塗布ヘッドとの間に電圧を印加するので、接着剤が途中で途切れることなく接着剤を連続して供給できる。したがって、塗布ヘッドと部材との間の距離が所定距離より大きくても均一に接着剤を塗布できる。また、従来の塗布装置の場合、部材に対して平行度を保たなければならないところ、前段落に記載の接着剤塗布装置によれば、塗布ヘッドと部材との間の平行度が多少ずれていても均一に接着剤を塗布できる。
本発明によれば、樹脂が部材に塗布される際に載置台と塗布ヘッドとの間に電圧を印加することができ、これによって樹脂の広がり性が向上し、塗布ヘッドと載置台との距離を比較的大きくしても部材に対して樹脂を適切に塗布することができる。
本発明の実施の形態に係る接着剤塗布装置の構成図である。 (A)は塗布ヘッドの全体斜視図、(B)は塗布ヘッドの分解斜視図、(C)は塗布ヘッドの垂直断面図である。 本発明の実施の形態に係る接着剤塗布済部材の製法の手順を示すフローチャートである。 塗布ヘッドの出射口と載置台に載置された部材との距離と、電源装置が印加する適切な電圧値との関係の一例を説明する表を示す図である。 本発明の実施の形態の接着剤塗布装置での接着剤の塗布の説明図である。 (A)は塗布ヘッドの傾き状況を示す正面図、(B)は本発明の実施の形態に係る接着剤塗布済部材の製法の手順の変形例の部分を抜粋したフローチャートである。 塗布ヘッドの出射口と載置台に載置された部材との距離と、電源装置が印加する適切な電圧値と、幅方向における塗布ヘッドの許容される傾き差との関係の一例を説明する表を示す図である。 異なる厚さで接着剤を塗布する際の、塗布ヘッドの出射口と載置台に載置された部材との距離と、電源装置が印加する適切な電圧値との関係の一例を説明する表を示す図である。 部材に塗布する接着剤の途切れの有無を、塗布ヘッドの出射口と載置台に載置された部材との距離と、電圧印加の有無との関係で示した表を示す図である。 従来の接着剤塗布装置での接着剤の塗布の説明図である。 接着剤の塗布後の被塗布部材の平面図である。 接着剤の塗布後の接着剤の厚さの説明図である。 塗布ヘッドと部材との間の平行度のずれの説明図である。 接着剤を均一に塗布できるか否かを、塗布ヘッドの出射口と載置台に載置された部材との距離と、塗布ヘッドの左右のばらつきの大きさとの関係で示した表を示す図である。
この出願は、日本国で2014年3月14日に出願された特願2014−051935号に基づいており、その内容は本出願の内容として、その一部を形成する。
また、本発明は以下の詳細な説明によりさらに完全に理解できるであろう。本発明のさらなる応用範囲は、以下の詳細な説明により明らかとなろう。しかしながら、詳細な説明及び特定の実例は、本発明の望ましい実施の形態であり、説明の目的のためにのみ記載されているものである。この詳細な説明から、種々の変更、改変が、本発明の精神と範囲内で、当業者にとって明らかであるからである。
出願人は、記載された実施の形態のいずれをも公衆に献上する意図はなく、開示された改変、代替案のうち、特許請求の範囲内に文言上含まれないかもしれないものも、均等論下での発明の一部とする。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係る樹脂塗布装置としての接着剤塗布装置1の構成図である。図1に示すように、接着剤塗布装置1は、被塗布部材(以下、単に部材という)11を搭載する載置台12と、部材11に樹脂としての接着剤13を塗布する塗布ヘッド14と、載置台12を走行させる走行機構部15、塗布ヘッド14に接着剤13を供給する接着剤供給部16、載置台12と塗布ヘッド14との間に電圧を印加する電源装置17とを備えている。
部材11は、典型的には、接着剤13を介して2つの部材が貼り合わせられるものの一方の部材である。典型的には、接着剤塗布装置1によって部材11に接着剤13が塗布された後の工程で、もう一方の部材が貼り合わせられる。一例として、部材11を液晶ディスプレイ又は液晶モジュールとし、もう一方の部材を保護ガラスとすることが挙げられる。部材11は、典型的には平板状を呈しており、接着剤13が塗布される面が塗布面11fとなっている。
載置台12は、部材11に接着剤13が塗布される際に、部材11が置かれる台である。載置台12は、典型的には、平面視において部材11を包含する大きさで、板状に形成されている。載置台12は、部材11が載置される面が載置面12fとなっている。載置面12fは、載置される部材11に適合する形状になっており、本実施の形態では平面に形成されている。載置台12は、典型的には、載置面12fが上向きで水平になるように配設されている。載置台12は、電極となりうる部材で形成されており、一般に金属で形成され、本実施の形態ではアルミニウムあるいはステンレス鋼で形成されている。また、載置台12には、典型的にはアース線(不図示)が接続されている。
接着剤13は、本実施の形態では、部材11に塗布されるときは流動性を有する所定の粘度の液体状となっており、紫外線を照射して硬化させたときに粘着特性を発現する光学樹脂であり、樹脂の一形態である。接着剤13は、硬化させたときに弾性を有する樹脂であってもよい。接着剤13は、部材11の用途に応じた適切な粘度を有するものが用いられる。接着剤13は、一例として、3000mPa・sの粘度を有するものを用いることができ、以下の説明では、特に断りがない限り、接着剤13の粘度が3000mPa・sであるとする。部材11に塗布される接着剤13は、接着剤供給部16が有する接着剤タンク(不図示)内に貯留されている。接着剤供給部16は、また、貯留されている接着剤13を塗布ヘッド14に向けて圧送する圧送機(不図示)を有している。圧送機として、ポンプを用いることができる。接着剤供給部16が有する圧送機は、接着剤13の吐出圧力を変えることで、接着剤13の吐出流量を変えることができるように構成されている。なお、接着剤13の吐出圧力は、ポンプに代えて気圧によって変化させる構成としてもよい。その場合の一例として、接着剤供給部16に接着剤13の貯留タンクを設け、その貯留タンクの内部気圧を調節することが挙げられる。あるいは、塗布ヘッド14内に接着剤13の貯留部を設け、その貯留部内の気圧を調節してもよい。気圧は典型的には空気圧であるが、窒素のような不活性ガスとしてもよい。気圧をかけるための気体は圧縮機を用いて供給してもよいし、高圧ボンベから調節弁を介して供給してもよい。接着剤供給部16は、接着剤流路16pを介して塗布ヘッド14と接続されており、接着剤流路16pを介して接着剤13を塗布ヘッド14に供給することができるように構成されている。
塗布ヘッド14は、載置台12に載置された部材11に向けて、接着剤13を吐出するものである。塗布ヘッド14は、接着剤13の塗布幅13Aを調整するためのシム板18を有し、シム板18の厚さで調整された塗布幅13Aで接着剤供給部16から供給される接着剤13を出射口19から出射する。ここでいう塗布幅13Aとは、出射口19から出射された接着剤13の厚さを意味し、必ずしも部材11に塗布された際の厚さではない。部材11に塗布後の厚さは、載置台12に対する塗布ヘッド14の相対的な移動速度によっても変化する。前述のように、載置台12は平面状に形成され部材11を搭載する。載置台12に搭載された部材11の上方には、塗布ヘッド14の出射口19と部材11との間隔h1が所定の間隔(例えば、200μm)を保って塗布ヘッド14の出射口19が位置するように、塗布ヘッド14が配置される。
図2(A)乃至図2(C)を参照して、塗布ヘッド14の詳細を説明する。図2(A)は塗布ヘッド14の全体斜視図、図2(B)は塗布ヘッド14の分解斜視図、図2(C)は塗布ヘッド14の垂直断面図である。塗布ヘッド14は、概ね細長い直方体状に形成されている。塗布ヘッド14には、直方体状の一面に、当該面から突出するように出射口19が形成されており、出射口19は、直方体状の長手方向に沿って延びている。出射口19は、接着剤13を吐出する吐出口に相当する。出射口19は、典型的には、接着剤13が塗布される部材11の幅以上に、直方体状の長手方向に沿って延びている。塗布ヘッド14は、本実施の形態では、シム板18を着脱可能とするために、出射口19が分かれるような二分割で構成されている。塗布ヘッド14は、本実施の形態では、出射口19が延びる方向に沿って分割されることで、一方ヘッド14aと、他方ヘッド14bとに分かれるように構成されている。一方ヘッド14aには、他方ヘッド14bに対向する面である一方ヘッド合面14afに一方貯留溝14agが形成されている。一方貯留溝14agは、出射口19が延びる方向に長く形成されている。他方ヘッド14bには、一方ヘッド合面14afに対向する面に他方貯留溝14bgが形成されている。他方貯留溝14bgは、一方ヘッド14aと他方ヘッド14bとが合わさったときに一方貯留溝14agと協働して1つの貯留溝14gが形成されるように、他方ヘッド14bに形成されている。他方ヘッド14bには、出射口19が形成される面とは反対側の面に、接着剤13を導入する導入口14hが形成されている。導入口14hには、接着剤流路16p(図1参照)が接続される。他方ヘッド14bの内部には、導入口14hと他方貯留溝14bgとを連通(連絡)するガイド穴14pが形成されている。
塗布ヘッド14は、一方ヘッド14aと他方ヘッド14bとの間にシム板18が挟まれて構成されている。シム板18は、一方ヘッド合面14af(他方ヘッド14bの一方ヘッド14aに合わさる面と同様)の大きさを基本形状とした板状部材に対して、切り込み18cが入れられることにより形成されている。切り込み18cは、シム板18を一方ヘッド合面14afに合わせた状態で一方貯留溝14agが露出し、かつ、一方貯留溝14agと出射口19との間の部分の一方ヘッド合面14afが現れるように形成されている。シム板18は、出射口19が延びる方向の両端において、切り込み18cを挟むように出射口19となる位置まで延びている。塗布ヘッド14は、所定の厚さのシム板18が挟まれることで、シム板18の厚さ及び切り込み18cの幅に応じた開口面積を有する出射口19が形成されるように構成されている。このような構成により、シム板18の厚さを変えることで、塗布幅13Aを変えることができ、ひいては接着剤13の吐出流量を変えることができる。シム板18は、吐出量調節装置の一形態である。塗布ヘッド14は、電極となりうる部材で形成されており、一般に金属で形成され、本実施の形態ではステンレス鋼で形成されている。
再び図1に戻って、接着剤塗布装置1の構成の説明を続ける。走行機構部15は、載置台12を駆動して、塗布ヘッド14を部材11の上方で相対的に走行させるものであり、図1に示す本実施の形態では、載置台12を駆動して塗布ヘッド14を部材11の上方で相対的に走行させる場合を示している。走行機構部15は、支持レール15sを介して載置台12と接続されている。走行機構部15は、支持レール15sを移動させることができるモーター(不図示)を有しており、モーター(不図示)の作動により、支持レール15sを介して、載置台12を、塗布ヘッド14に対して移動させることができるように構成されている。走行機構部15は、塗布ヘッド14が載置台12に対して載置面12fに沿う方向に相対的に移動するように、換言すれば本実施の形態では塗布ヘッド14が載置台12に対して水平に相対的に移動するように、載置台12を移動させることができるように構成されている。このように、走行機構部15は、移動装置として機能する。また、走行機構部15は、塗布ヘッド14が載置台12に対して接近及び離間する方向に相対的に移動するように、換言すれば本実施の形態では塗布ヘッド14が載置台12に対して鉛直に相対的に移動するように、載置台12を移動させることができるように構成されている。このように、走行機構部15は、距離可変装置として機能する。つまり、本実施の形態では、走行機構部15が、移動装置と距離可変装置とを兼ねている。
電源装置17は、電線17wによって載置台12及び塗布ヘッド14に接続されており、載置台12と塗布ヘッド14との間に電圧を印加することができるように構成されている。電源装置17は、本実施の形態では、接着剤13の粘性あるいは抵抗値を考慮して、直流電圧を印加するように構成されている。電源装置17は、載置台12と塗布ヘッド14との間に印加する電圧値を変化させることができる電圧調節部17cを有している。電源装置17は、電圧調節部17cによって、載置台12と塗布ヘッド14との間の電位差を調節することができるように構成されている。
接着剤塗布装置1は、さらに、ギャップ検知部としてのギャップ検知器33と、制御装置50とを備えている。ギャップ検知器33は、塗布ヘッド14に形成された出射口19と、載置台12に載置された部材11との距離(間隔h1)を検知する機器である。ギャップ検知器33は、典型的にはレーザー変位計が用いられるが、超音波計測器等のギャップを計測することができる機器を用いてもよい。
制御装置50は、接着剤塗布装置1の動作を司る機器である。制御装置50は、電圧制御部51と、動作制御部52とを有している。電圧制御部51は、ギャップ検知器33と信号ケーブルで接続されており、ギャップ検知器33が検知した間隔h1を信号として受信することができるように構成されている。電圧制御部51には、ギャップ検知器33が検知した間隔h1と、電源装置17が印加する適切な電圧値との関係が記憶されている。また、電圧制御部51は、電圧調節部17cと信号ケーブルで接続されており、電源装置17が印加すべき電圧値の情報を送信することができるように構成されている。電圧制御部51は、第1の制御装置に相当する。動作制御部52は、走行機構部15と信号ケーブルで接続されており、載置台12を水平及び鉛直に移動させることができると共に、水平及び鉛直への移動速度を調節することができるように構成されている。また、動作制御部52は、接着剤供給部16と信号ケーブルで接続されており、接着剤供給部16から塗布ヘッド14への接着剤13の供給の有無の制御及び接着剤13の供給流量の調節を行うことができるように構成されている。動作制御部52は、第2の制御装置に相当する。なお、本実施の形態では、機能の観点から、便宜上、電圧制御部51と動作制御部52とをそれぞれ独立した構成として示しているが、物理的に区別されることなく制御装置50内に渾然一体に設けられていてもよい。
次に図3を参照して、部材11に接着剤13を塗布する方法を説明する。なお、部材11に接着剤13を塗布することによって、接着剤塗布済部材が製造されるため、以下に説明する部材11に接着剤13を塗布する方法(接着剤塗布済部材の製法)は、樹脂塗布済部材の製造方法の一態様である。図3は、接着剤塗布済部材の製法の手順を示すフローチャートである。以下に説明する接着剤塗布済部材の製法は、典型的には、これまで説明した接着剤塗布装置1で行われるが、接着剤塗布装置1を用いること以外の手法で行われてもよい。以下の接着剤塗布済部材の製法の説明において、接着剤塗布装置1の構成に言及しているときは、適宜図1並びに図2(A)乃至図2(C)を参照することとする。
接着剤塗布済部材の製造を開始したら、まず、部材11を載置台12に載置する(載置工程:S1)。典型的には、接着剤塗布装置1外のロボットハンド(不図示)が、部材11の待機場所から部材11を1つ掴んで載置台12に搬送し、塗布面11fを上に向けて部材11を載置台12の載置面12fに載置する。このとき、塗布ヘッド14は、載置台12への部材11の載置を阻害しない位置に退避している。載置台12に部材11を載置したら、塗布ヘッド14を部材11の上方に配置する(塗布ヘッド配置工程:S2)。本実施の形態では、動作制御部52が走行機構部15を作動させて載置台12を移動させることにより、塗布ヘッド14を載置台12に対して相対的に移動させて、塗布ヘッド14を部材11の上方に配置することとしている。このとき、塗布ヘッド14の出射口19が、部材11の塗布開始位置Y1の鉛直上方に位置するように、塗布ヘッド14を配置する。塗布開始位置Y1は、部材11に対して接着剤13の塗布が開始される位置である。
塗布ヘッド配置工程(S2)においては、部材11に塗布する接着剤13の厚さh2、塗布ヘッド14から吐出する接着剤13の圧力、部材11に対する接着剤13の塗工速度等を考慮して、あらかじめ決められた間隔h1を目指した高さに塗布ヘッド14を配置するようにする。間隔h1は、例えば部材11の塗布面11fに凸部が存在する場合は塗工の際に塗布ヘッド14が凸部に当たらないように設定するとよいが、一般に、間隔h1が大きすぎると塗布ヘッド14から吐出された接着剤13が部材11に接する前に途切れて均一な接着剤13の塗布ができなくなるおそれが生じ得る。本発明者らは、部材11に接着剤13を塗布する際に電界を生じさせれば、接着剤13が途切れずに部材11に塗布することができる間隔h1を大きくすることができることを見いだし、接着剤塗布装置1に電源装置17を備えることとした。塗布ヘッド配置工程(S2)においては、この点を考慮して、塗布ヘッド14を配置する間隔h1を決定し、当該間隔h1で塗布ヘッド14を塗布開始位置Y1の上方に配置するとよい。しかし、実際には、この間隔h1に関し、目標とする値と実際の値とが異なる場合がある。そこで、ギャップ検知器33が、実際の間隔h1を検知する(ギャップ検知工程:S3)。ギャップ検知器33は、間隔h1を検知したら、その結果を電圧制御部51に送信する。電圧制御部51は、ギャップ検知器33が検知した間隔h1を受信したら、あらかじめ記憶されている関係に照らし、その検知した間隔h1に対して、載置台12と塗布ヘッド14との間に印加する電圧の適切な値を決定し、決定した電圧値を電圧調節部17cに送信して、電源装置17の電圧を調節する(電圧調節工程:S4)。
図4に、電圧制御部51に記憶されている、ギャップ検知器33が検知した間隔h1(塗布ヘッド14の出射口19と部材11との距離)と、電源装置17が印加する適切な電圧値との関係の一例を表で示す。図4中、間隔h1をmmで表し、電圧(kV)を基準値xとの比較で表し(基準値xのn倍を「nx」と表す)、○印が付いている部分が当該間隔h1(mm)に対する適切な電圧値(kV)である。例えば、間隔h1が0.18mmあるいは0.2mmの場合、電圧を印加しない場合(0kV)に加え、電圧の基準値x〜基準値xの5倍(5x)までが適切な電圧値となる。もう1つ例示すると、間隔h1が1.2mmの場合、6x〜10xが適切な電圧値となる。本発明者らは、部材11に接着剤13を塗布する際に適切な電界を生じさせれば、塗布した接着剤13中に気泡が生じず、接着剤13の塗布切れがなく部材11に適切に濡れ広がることを見いだした。図4に示す、ある間隔h1に対して、電源装置17が印加する電圧が適切な電圧値よりも小さい場合は、部材11に塗布した接着剤13中に気泡が存在するおそれがあり、また、部材11に対する接着剤13の広がりが不足するおそれがある。他方、ある間隔h1に対して、電源装置17が印加する電圧が適切な電圧値よりも大きい場合は、載置台12と塗布ヘッド14との間で放電するおそれがある。このような不都合が生じないようにする観点から、ある間隔h1に対する適切な電圧値の範囲を決定している。なお、図4に示す関係は、電源装置17が印加する電圧が直流、塗布ヘッド14から接着剤13を吐出する圧力が0.15MPa(ゲージ圧)、部材11に塗布される接着剤13の厚さh2が170μm、塗工速度が10mm/sの塗工条件下におけるものである。電圧制御部51は、典型的には、塗工条件が異なる複数の(つまり、図4に例示する関係以外についても)、間隔h1と適切な電圧値との関係が記憶されている。
再び図3を主に参照して、接着剤塗布済部材の製法の説明を続ける。電圧調節工程(S4)が行われたら、電圧制御部51は、電源装置17による載置台12と塗布ヘッド14との間への電圧の印加を開始する(S5)。これにより、電圧印加工程が始まる。次に、動作制御部52は、塗布ヘッド14からの接着剤13の吐出を開始する(S6)。塗布ヘッド14からの接着剤13の吐出は、上述した所定の塗工条件下における圧力(本実施の形態では0.15MPa)で行われる。接着剤13の吐出を開始したら、電源装置17が電圧を印加したまま、かつ、塗布ヘッド14から接着剤13を吐出しながら、動作制御部52が走行機構部15を作動させることにより、載置台12を水平(載置面12fに沿う方向)に移動させる(S7)。これにより、塗布ヘッド14が、接着剤13を吐出しながら載置台12に載置された部材11の塗布面11fに対して相対的に移動することとなり、載置面12fに接着剤13が塗布される。電源装置17が電圧を印加したまま、かつ、塗布ヘッド14から接着剤13を吐出しながら、載置台12を移動させる工程が、樹脂塗布工程に相当する。また、樹脂塗布工程においては、電源装置17による電圧の印加が行われているため、電圧印加工程も行われていることとなる。なお、図3では、説明の便宜上、電圧の印加開始(S5)、接着剤13の吐出開始(S6)、載置台12の移動(S7)の順で行われるように示しているが、典型的にはこれらは同時に行われる。塗布ヘッド14から接着剤13を吐出する際は、接着剤13の厚さh2が所定の厚さ(本実施の形態では170μm)となるように、塗工速度(本実施の形態では10mm/s)を考慮して、接着剤13の吐出流量を調節するとよい。接着剤13の吐出流量の調節は、塗布ヘッド14に設けられたシム板18の厚さ及び/又はシム板18の切り欠き18cの幅、あるいは接着剤供給部16から供給される接着剤13の加圧力の変化によって行うことができ、これらが吐出量調節装置に相当する。これまで説明した、塗布ヘッド配置工程(S2)から載置台12を移動する工程(S7)までの概要は、以下のようになる。
接着剤13の塗布の開始前には、走行機構部15により、塗布ヘッド14の出射口19の位置をY1にセットする。そして、塗布ヘッド14を部材11の上方でY2方向に相対的に走行させつつ、塗布ヘッド14の出射口19から接着剤13を出射する。シム板18の厚さで調整された塗布幅13A、及び塗布ヘッド14の塗工速度で接着剤の厚さh2が決まる。また、接着剤13の厚さh2は、接着剤13の粘度、及び塗布ヘッド14から接着剤13が吐出される圧力による影響も受け得る。塗布ヘッド14から接着剤13が吐出される圧力は、典型的には、接着剤供給部16が有する圧送機(不図示)等から塗布ヘッド14に送られる接着剤13の圧送力によって決まる。
本発明の実施の形態では、接着剤の塗布の際には、載置台12と塗布ヘッド14との間に電源装置17から電圧を印加する。載置台12及び塗布ヘッド14は金属で形成されているので、電源装置17から載置台12と塗布ヘッド14との間に電圧が印加されると電界が発生する。この電界により接着剤の濡れ性が良くなり広がり性が向上するので、接着剤が途中で途切れることなく接着剤を連続して供給できる。後述するように、載置台12と塗布ヘッド14との間に電圧を印加することにより、塗布ヘッド14の出射口19と部材11との間隔h1は大きくなっても接着剤が途中で途切れない。
図5は、本発明の実施の形態の接着剤塗布装置での接着剤の塗布の説明図である。図5に示すように、接着剤13の塗布は矢印で示す塗工方向Yに塗布ヘッド14を部材11の上方で相対的に走行させることにより行われる。接着剤の塗布長|X1−X2|で、部材11の塗布面11fの塗工方向YにY1からY2まで1回の走行で接着剤13を塗布する。
この接着剤の塗布の際には、前述したように載置台12と塗布ヘッド14との間に電源装置17から電圧を印加するので、塗布ヘッド14の出射口19と部材11との間隔h1は大きくなっても接着剤が途中で途切れることなく接着剤を連続して供給できる。
再度図3を主に参照して、接着剤塗布済部材の製法の説明を続ける。載置台12を移動する工程(S7)を行ったら、動作制御部52は、塗工が完了したか否かを判断する(S8)。塗工が完了したか否かは、塗布ヘッド14の出射口19が、部材11の塗布面11fの塗布終了位置Y2の鉛直上方に到達したか否かで判断する。塗工が完了したか否かを判断する工程(S8)において、塗工が完了していない場合は、載置台12を移動する工程(S7)に戻り、載置台12の移動を継続する。他方、塗工が完了した場合は、載置台12の移動を停止する(S9)。次に、塗布ヘッド14からの接着剤13の吐出を停止する(S10)。そして、電源装置17による電圧の印加を停止する(S11)。これで、接着剤塗布済部材が製造されたことになる。なお、図3では、説明の便宜上、載置台12の移動停止(S9)、接着剤13の吐出停止(S10)、電圧の印加停止(S11)の順で行われるように示しているが、典型的にはこれらは同時に行われる。また、電圧の印加を開始する工程(S5)から電圧の印加を停止する工程(S11)の前まで(電圧の印加を開始する工程(S5)から接着剤13の吐出を停止する工程(S10)まで)が、電圧印加工程に相当する。
接着剤塗布済部材が製造されたら、塗布ヘッド14を部材11(載置台12)の上方から退避させる(S12)。本実施の形態では、動作制御部52が走行機構部15を作動させて載置台12を移動させることにより、塗布ヘッド14を載置台12に対して相対的に移動させて、塗布ヘッド14を部材11の上方から退避させることとしている。塗布ヘッド14を退避させたら、接着剤塗布済部材を接着剤塗布装置1から搬出する(S13)。典型的には、接着剤塗布装置1外のロボットハンド(不図示)が、載置台12に載置されている接着剤塗布済部材を掴んで、接着剤塗布装置1の外に搬出する。接着剤塗布装置1から搬出された接着剤塗布済部材は、典型的には、次工程(例えば、接着剤塗布済部材に別の部材を貼り合わせる工程)が行われる場所に運ばれる。なお、この次工程は接着剤塗布済部材を他の場所に運ぶことなく、載置台12の上で行うこととしてもよい。
以上で説明したように、本実施の形態に係る接着剤塗布装置1及び接着剤塗布済部材の製法によれば、部材11に接着剤13を塗布する際に、載置台12と塗布ヘッド14との間に適切な値の電圧を印加するので、接着剤13の広がり性が向上し、塗布ヘッド14の出射口19と載置台12に載置された部材11の塗布面11fとの間隔h1を比較的大きくしても、塗布面11fに接着剤13を適切に塗布することができる。間隔h1を大きくすることで、塗布面11fに凸部が存在する場合でも、塗布面11fに接着剤13を適切に塗布することができる。また、間隔h1を大きくできることで、塗布開始位置Y1の上方に配置された塗布ヘッド14の、塗布面11fに対する平行度のずれの許容範囲を大きくすることができる。以下に、この平行度のずれについて説明する。
図6(A)の正面図に示すように、載置台12に載置された部材11の上方に塗布ヘッドを配置したときに、出射口19の全体が塗布面11fに対して平行にならず、塗布ヘッド14の端X1側の間隔h1+αが、端X2側の間隔h1−αよりも大きくなる場合がある(塗布ヘッド14の傾き)。塗布ヘッド14の傾きは、塗布ヘッド14の出射口19が延びる方向の複数箇所において間隔h1を検知することができるようにギャップ検知器33を複数設置することで、検知することができる。塗布ヘッド14の傾きを検知する場合、図6(B)の抜粋したフローチャートに示すように、図3に示すフローチャート中のギャップ検知工程(S3)と電圧調節工程(S4)との間で、塗布ヘッド14の傾きを検知する工程(傾き検知工程:S3A)を行うようにするとよい。この場合、典型的には、ギャップ検知工程(S3)と傾き検知工程(S3A)とが同時に行われる。電源装置17による電圧の印加が行われない従来のように、塗布ヘッド14と部材11との間隔h1を大きくすることができない場合は、塗布ヘッド14が部材11に当たらないように、塗布ヘッド14の平行度を高い精度で調節する必要がある。しかし、本実施の形態に係る接着剤塗布装置1のように、間隔h1を比較的大きくできる場合は、塗布ヘッド14の平行度が許容できる範囲にあれば足りる。なお、傾き差αは、正面視(図6(A)参照)において、塗布ヘッド14の幅方向(出射口19が延びる方向)の中点を通り部材11の塗布面11fに平行な仮想直線Lと、塗布ヘッド14の端部における出射口19との垂直距離をいうこととする。したがって、幅方向における塗布ヘッド14の高さの差は、±α(=2α)となる。
図7に、間隔h1と、電源装置17が印加する電圧値と、許容される傾き差αとの関係の一例を表で示す。図7中、間隔h1をmmで表し、電圧(kV)を基準値xとの比較で表し(基準値xのn倍を「nx」と表す)、傾き差αをμmで表し、○印が付いている部分が当該間隔h1(mm)及び電圧値(kV)の際に許容できる傾き差αである。例えば、間隔h1が0.2mmで電圧値が2xkVの場合、±50μmの傾き差まで許容できる。もう1つ例示すると、間隔h1が0.5mmで電圧値が3xkVの場合、±300μmの傾き差まで許容できる。○印が付いていない部分は、部材11に塗布した接着剤13中に気泡が存在するおそれ、部材11に対する接着剤13の広がりが不足するおそれ、あるいは載置台12と塗布ヘッド14との間で放電するおそれがある。図7に示す関係は、塗工条件が、図4に示す関係の場合と同じである。なお、実用的には、図6(B)に示すように、ギャップ検知工程(S3)と傾き検知工程(S3A)を行って電圧調節工程(S4)を行うので、図7の関係に照らして、ギャップ検知器33で検知した間隔h1及び傾き差αに基づいて、適切な電圧値を決定することになる。例えば、ギャップ検知器33で検知した間隔h1が0.2mm、傾き差αが±100μmであった場合、電圧制御部51は、電源装置17が印加する電圧が3xkV乃至4xkVとなるように電圧調節部17cに信号を送信することとなる。図7に示す関係は、典型的には電圧制御部51にあらかじめ記憶されている。
次に、部材11に塗布する接着剤13の厚さh2(部材11に塗布された接着剤13が形成する塗膜の厚さであり、略して「膜厚」という場合もある。)について言及する。近年の、製品に対する小型化の要請を背景に、部材11に塗布する接着剤13の厚さh2を薄くしたいという要請がある。電源装置17による電圧の印加が行われない従来の場合、接着剤の粘度が例えば3000mPa・sと比較的高い場合は、適切に塗布することができる接着剤13の厚さh2を50μm程度まで薄くすることができなかったが、本発明者らは、部材11に接着剤13を塗布する際に適切な電界を生じさせれば、比較的高い粘度の接着剤13でも厚さh2が50μm程度で適切に塗布することができることを見いだした。
図8に、異なる厚さh2で接着剤13を塗布する際の、間隔h1と電源装置17が印加する適切な電圧値との関係の一例を表で示す。図8に示す例では、厚さh2が180μmの場合と50μmの場合とを例示し、図8中、間隔h1をmmで表し、電圧(kV)を基準値xとの比較で表し(基準値xのn倍を「nx」と表す)、○印が付いている部分が当該間隔h1(mm)に対する適切な電圧値(kV)である。厚さh2を180μmとする場合、電源装置17によって適切な値の電圧を印加することにより、比較的広範囲の条件で、部材11に対して接着剤13を適切に塗布することができる。他方、適用条件は少ないが、接着剤13を塗布する厚さh2を50μmとすることも可能である。厚さh2を50μmとする場合、間隔h1を0.5mmとした場合は5xkVの電圧を印加し、間隔h1を1.0mmとした場合は7xkV乃至8xkVの電圧を印加することで、接着剤13を適切に塗布することができる。なお、図8に示す関係は、電源装置17が印加する電圧が直流であって、厚さh2を180μmとする場合は、塗布ヘッド14から接着剤13を吐出する圧力が0.15MPa(ゲージ圧)、塗工速度が10mm/sの塗工条件下におけるものであり、厚さh2を50μmとする場合は、塗布ヘッド14から接着剤13を吐出する圧力が0.14MPa(ゲージ圧)、塗工速度が30mm/sの塗工条件下におけるものである。塗工速度が速いほど、部材11に対する接着剤13の塗布に要する時間が短くなり、生産性が向上する。厚さh2を50μmとする場合は、塗布した接着剤13の薄膜化の要請に応えることができると共に、生産性を向上させることができるという利点がある。
部材11に塗布する接着剤13の厚さh2を薄くする場合、上述のような塗工条件にすると共に、前述した接着剤13の粘度やシム板18の厚さも適切に設定することとなる。したがって、図示は省略するが、部材11に塗布される接着剤13の厚さh2を設定する厚さ設定工程と、当該厚さ設定工程において設定した厚さに応じて間隔h1及び電源装置17により印加する電圧値を決定する条件決定工程とを、図3に示すフローチャート中の塗布ヘッド配置工程(S2)前の適時に行うこととなる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これまでの説明とは別の条件おける、電圧の印加と間隔h1との関係や、接着剤13の塗布の適切性、塗布ヘッド14の平行度のずれについて補足する。以下の説明には、検証結果も一部含まれている。
通常、接着剤の厚さh2が150μmである場合、塗布ヘッド14の出射口19と部材11との間隔(Gap)h1は、接着剤が途中で途切れることを避けるために所定の距離(例えば200μm)を保っているが、載置台12と塗布ヘッド14との間に電圧を印加することにより、塗布ヘッド14の出射口19と部材11との間隔h1は1500μmであっても接着剤が途中で途切れないことを確認した。その確認結果を図9に示す。
図9に示す表では、接着剤の厚さh2は150μm、接着剤の粘度は3000mPa・s、塗工速度は10mm/secの場合を示しており、塗布ヘッド14の出射口19と部材11との間隔h1は、従来の200μmから7.5倍の1500μmであっても接着剤が途中で途切れることなく塗工ができることを確認した。これにより、部材11の表面に凸部がある場合であっても、塗布ヘッド14が凸部に当たらないで塗布できる。
図10は、従来の接着剤塗布装置での接着剤の塗布の説明図であり、塗布ヘッド14の出射口19と部材11との間隔h1が従来の200μmである場合、部材11に200μm以上の凸部21があったとすると、塗布ヘッド14の出射口19が凸部21に当接してしまい、塗布ヘッド14の走行ができなくなる。したがって、接着剤の塗布ができなくなる。これに対し、本発明の実施の形態では、塗布ヘッド14の出射口19と部材11との間隔h1が従来の200μmから7.5倍の1500μmであっても接着剤が途中で途切れることなく塗工ができるので、部材11に200μm以上の凸部21があったとしても接着剤の塗布ができる。実際には、部材11に200μm以上の凸部21があることは極端な場合であるが、本発明の実施の形態では、部材11の凸部21を考慮しなくても容易に塗工ができる。
図11は、接着剤の塗布後の被塗布部材の平面図であり、図11(A)は本発明の実施の形態の接着剤塗布装置で接着剤を塗布した後の被塗布部材の平面図、図11(B)は電圧印加しない従来の接着剤塗布装置で接着剤を塗布した後の被塗布部材の平面図である。図11では、塗布ヘッド14の出射口19と部材11との間隔h1を所定の距離(例えば200μm)より大きい220μmとし、接着剤の粘度は3000mPa・s、塗工速度は10mm/secの場合を示している。
図11(A)に示すように、本発明の実施の形態の場合には、載置台12と塗布ヘッド14との間に電圧を印加するので、部材11のエンド(両端部、換言すれば、相対移動する塗布ヘッド14の出射口19から吐出された接着剤13の、部材11に塗布されたときの幅の両側の外縁。以下同じ。)の接着剤は直線性を保っているが、電圧を印加しない従来の場合には、図11(B)に示すように、部材11のエンド(両端部)V1、V2の接着剤は波状になり直線性を保つことができなくなっている。このことから、載置台12と塗布ヘッド14との間に電圧を印加することにより、塗布ヘッド14の出射口19と部材11との間隔h1が従来の所定の距離(例えば200μm)より大きくなっても、部材11のエンド(両端部)の接着剤は直線性を保てることが分かる。
図12は接着剤の塗布後の接着剤の厚さh2の説明図であり、図12(A)は図11(A)のU1−U1線で断面した場合の接着剤の厚さh2、図12(B)は図11(B)のU2−U2線で断面した場合の接着剤の厚さh2の説明図である。
図12(A)に示すように、本発明の実施の形態の場合には、載置台12と塗布ヘッド14との間に電圧を印加するので、部材11の両サイド(塗布開始位置Y1付近及び塗布終了位置Y2付近)で接着剤(膜厚)の盛り上がりがあるものの接着剤の膜厚プロファイルは平らで滑らかになっているが、電圧を印加しない従来の場合には、図12(B)に示すように、接着剤の膜厚プロファイルは凹凸があり平らで滑らかになっていない。このことから、載置台12と塗布ヘッド14との間に電圧を印加することにより、接着剤の膜厚プロファイルは平らで滑らかにできることが分かる。
なお、図12(A)に示すように、本発明の実施の形態の場合において、部材11の両サイド(塗布開始位置Y1付近及び塗布終了位置Y2付近)の接着剤(膜厚)の盛り上がりは、厚さh2に対して、塗布終了位置Y2付近では微少であるのに対し、塗布開始位置Y1付近では比較的大きくなっている。そこで、接着剤13の盛り上がりが比較的大きくなる塗布開始位置Y1付近において平滑化を図るために、以下のようにするとよい。動作制御部52は、図3に示す塗布ヘッド配置工程(S2)において、接着剤13の塗布開始時の盛り上がり量を見越して、盛り上がりに相当する分だけ間隔h1が小さくなるように、塗布開始位置Y1の上方に塗布ヘッドを配置する。その後、塗布ヘッド14を載置台12に対して相対的に移動させる(図3に示す載置台移動工程(S7))際に、走行機構部15によって作動させる載置台12を、接着剤13の盛り上がりが生じる部分に合わせて、水平方向に移動させながら垂直方向にも移動させる。つまり、図12(A)で見て、接着剤13の吐出開始時から、接着剤13の盛り上がりがなくなる位置まで、接着剤13の盛り上がりに合わせて間隔h1を広げていくように、塗布ヘッド14を載置台12に対して相対的に移動させるようにする。このとき、変化する間隔h1に応じて、電圧制御部51は、電源装置17が印加する電圧値を調節することとなる。このように、部材11への接着剤13の塗布開始時に、間隔h1が広がるように走行機構部15を制御することで、塗布ヘッド14と載置台12との間に電圧を印加しながら接着剤13を塗布したときの、塗布開始時に生じ得る接着剤13の盛り上がりを抑制することができ、部材11に塗布した接着剤13の厚さh2の平滑化を図ることができる。
次に、図13は塗布ヘッド14と部材11との間の平行度のずれの説明図である。図13に示すように、塗布ヘッド14は部材11に対して、部材11の中心位置Oからのずれ距離Δh1を所定範囲内に保ち平行度を保つように調整している。現状では、ずれ距離Δh1を所定範囲(±10μm)に保つようにしているが、載置台12と塗布ヘッド14との間に電圧を印加することにより、ずれ距離Δh1は大きくても均一に接着剤を塗布できることを確認した。その確認結果を図14に示す。
図14に示す表では、接着剤の厚さh2は150μm、接着剤の粘度は3000mPa・s、塗工速度は10mm/secの場合を示しており、塗布ヘッド14の出射口19と部材11との間隔h1は、500μm〜1500μmの場合を示している。図14から分かるように、塗布ヘッド14の出射口19と部材11との間隔h1が700μm〜1000μmの場合には、塗布ヘッドの左右ばらつき(ずれ距離Δh1×2)は、現状の塗布ヘッドの左右ばらつき(10μm×2=20μm)の12.5倍の250μmとなっており、塗布ヘッド14と部材11との間の平行度が多少ずれていても均一に接着剤を塗布できることを確認した。これにより、塗布ヘッドを部材11に対して平行度を保つための塗布ヘッド14の精密な位置調整は不要となり作業性が向上する。
以上の説明では、部材11に塗布する樹脂が接着剤13であるとしたが、接着剤13ではない樹脂(例えば緩衝材として機能する液状樹脂)であってもよい。
以上の説明では、移動装置及び距離可変装置が、塗布ヘッド14に対して載置台12を移動させる走行機構部15で構成されていることとしたが、載置台12に対して塗布ヘッド14を移動させる構成であってもよく、載置台12及び塗布ヘッド14を相互に移動させる構成であってもよい。また、走行機構部15が移動装置及び距離可変装置を兼ねていることとしたが、移動装置と距離可変装置が別体で構成されていてもよい。この場合、移動装置が載置台12を移動させて距離可変装置が塗布ヘッド14を移動させる構成としてもよく、移動装置が塗布ヘッド14を移動させて距離可変装置が載置台12を移動させる構成としてもよく、移動装置及び距離可変装置が共に載置台12及び塗布ヘッド14を相互に移動させる構成であってもよい。
以上の説明では、電源装置17が、載置台12と塗布ヘッド14との間に直流電圧を印加するように構成されていることとしたが、接着剤13の粘性あるいは抵抗率が高くない場合は、交流電圧を印加するように構成されているとよい。
以上の説明では、図3に示すギャップ検知工程(S3)において、載置台12に載置された部材11と、その上方に配置された塗布ヘッド14の出射口19との間隔h1を、ギャップ検知器33によって自動で検知することとしたが、手動で行うこととしてもよい。間隔h1の検知を手動で行う例として、載置台12及び/又は塗布ヘッド14はダイヤルを回すことで移動し、かつ、そのダイヤルは載置台12及び/又は塗布ヘッド14の移動距離と旋回角とが決められている構成とし、ダイヤルを所定の角度旋回させることで、間隔h1を決定することが挙げられる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、この実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
本明細書中で引用する刊行物、特許出願及び特許を含むすべての文献を、各文献を個々に具体的に示し、参照して組み込むのと、また、その内容のすべてをここで述べるのと同じ限度で、ここで参照して組み込む。
本発明の説明に関連して(特に以下の請求項に関連して)用いられる名詞及び同様な指示語の使用は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、単数及び複数の両方に及ぶものと解釈される。語句「備える」、「有する」、「含む」及び「包含する」は、特に断りのない限り、オープンエンドターム(すなわち「〜を含むが限らない」という意味)として解釈される。本明細書中の数値範囲の具陳は、本明細書中で特に指摘しない限り、単にその範囲内に該当する各値を個々に言及するための略記法としての役割を果たすことだけを意図しており、各値は、本明細書中で個々に列挙されたかのように、明細書に組み込まれる。本明細書中で説明されるすべての方法は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、あらゆる適切な順番で行うことができる。本明細書中で使用するあらゆる例又は例示的な言い回し(例えば「など」)は、特に主張しない限り、単に本発明をよりよく説明することだけを意図し、本発明の範囲に対する制限を設けるものではない。明細書中のいかなる言い回しも、請求項に記載されていない要素を、本発明の実施に不可欠であるものとして示すものとは解釈されないものとする。
本明細書中では、本発明を実施するため本発明者が知っている最良の形態を含め、本発明の好ましい実施の形態について説明している。当業者にとっては、上記説明を読めば、これらの好ましい実施の形態の変形が明らかとなろう。本発明者は、熟練者が適宜このような変形を適用することを期待しており、本明細書中で具体的に説明される以外の方法で本発明が実施されることを予定している。したがって本発明は、準拠法で許されているように、本明細書に添付された請求項に記載の内容の修正及び均等物をすべて含む。さらに、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、すべての変形における上記要素のいずれの組合せも本発明に包含される。
1 接着剤塗布装置
11 部材
12 載置台
12f 載置面
13 接着剤
14 塗布ヘッド
15 走行機構部
16 接着剤供給部
17 電源装置
17c 電圧調節部
18 シム板
19 出射口
33 ギャップ検知器
50 制御装置
51 電圧制御部
52 動作制御部

Claims (5)

  1. 樹脂が塗布される部材が載置される載置面を有する載置台と;
    前記載置台に載置された前記部材に対して前記樹脂を吐出する塗布ヘッドと;
    前記塗布ヘッドを、前記載置面に沿う方向に、前記載置台に対して相対的に移動させる移動装置と;
    前記載置台と前記塗布ヘッドとの間に電圧を印加する電源装置と;
    前記塗布ヘッドに形成された前記樹脂の吐出口と、前記載置台に載置された前記部材との距離を検知するギャップ検知部と;
    前記電源装置によって前記載置台と前記塗布ヘッドとの間に印加される電圧の値を調節する電圧調節部と;
    前記ギャップ検知部で検知された距離に応じて前記電圧調節部で調節される電圧値を設定する第1の制御装置とを備える;
    樹脂塗布装置。
  2. 前記塗布ヘッドから吐出される前記樹脂の吐出量を調節する吐出量調節装置を備える;
    請求項1に記載の樹脂塗布装置。
  3. 前記塗布ヘッドを、前記載置台に対して、接近及び離間できるように相対的に移動させる距離可変装置と;
    前記載置面に載置された前記部材に対する前記塗布ヘッドからの前記樹脂の吐出開始時における前記塗布ヘッドと前記載置台との距離を、前記樹脂の吐出開始後における前記塗布ヘッドと前記載置台との距離よりも小さくするように前記距離可変装置を制御する第2の制御装置とを備える;
    請求項1又は請求項に記載の樹脂塗布装置。
  4. 請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の樹脂塗布装置によって樹脂塗布済部材を製造する方法であって;
    樹脂が塗布される部材を、前記載置面に載置する載置工程と;
    前記塗布ヘッドを、前記載置台に載置された前記部材の上方に配置する塗布ヘッド配置工程と;
    前記電源装置で前記載置台と前記塗布ヘッドとの間に電圧を印加する電圧印加工程と;
    前記載置台と前記塗布ヘッドとの間に電圧を印加したまま、かつ、前記塗布ヘッドから前記樹脂を吐出しながら、前記移動装置を作動させることで前記部材に前記樹脂を塗布する樹脂塗布工程と
    前記ギャップ検知部で前記吐出口と前記載置台に載置された前記部材との距離を検知するギャップ検知工程と;
    前記ギャップ検知工程で検知された距離に応じて、前記電圧印加工程で印加される電圧値を調節する電圧調節工程とを備える;
    樹脂塗布済部材の製造方法。
  5. 樹脂が塗布される部材を、載置台に形成された載置面に載置する載置工程と;
    前記部材に対して前記樹脂を吐出する塗布ヘッドを、前記載置台に載置された前記部材の上方に配置する塗布ヘッド配置工程と;
    前記載置台と前記塗布ヘッドとの間に電圧を印加する電圧印加工程と;
    前記載置台と前記塗布ヘッドとの間に電圧を印加したまま、かつ、前記塗布ヘッドから前記樹脂を吐出しながら、前記塗布ヘッドを前記載置面に沿う方向に前記載置台に対して相対的に移動させることで前記部材に前記樹脂を塗布する樹脂塗布工程と
    前記塗布ヘッドに形成された前記樹脂の吐出口と、前記載置台に載置された前記部材との距離を検知するギャップ検知工程と;
    前記ギャップ検知工程で検知された距離に応じて、前記電圧印加工程で印加される電圧値を調節する電圧調節工程とを備える;
    樹脂塗布済部材の製造方法。
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