JP5843278B2 - 粉塵抑制用散水具及び建物の解体方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、建物の解体現場や工場等において生じる粉塵を抑制するための粉塵抑制用散水具、及び、これを用いた建物の解体方法に関する。
例えば、建物の解体現場では、建物を破壊・粉砕するために、粉塵が発生しやすいという問題がある。また、工場やその他の環境下において、粉塵が発生することもある。このような場合の対処法の一例として、粉塵に水を噴霧し、水分を付着させて落下させ、粉塵の飛散を抑制することが行われている。
下記特許文献1には、構造物の周囲に足場を設け、該足場の上部に水供給用のパネルを配置し、解体作業機で前記構造物を解体すると共に、給水装置からホースを介して前記パネルに水を供給して構造物に散布する、構造物解体用自動散水方法が記載されている。
前記パネルは横長のボックス状をなしており、その上部両端には、水を直進噴射する直噴ノズルが設けられていると共に、長手方向両側部には、霧状に水を拡散させる複数の噴霧ノズルが設けられている。また、パネルの内部には、前記直噴ノズルに水を供給する直噴連結管と、前記噴霧ノズルに水を供給する噴霧連結管とが配設されている。また、足場にはパネル昇降用の昇降ガイドレールが設けられている。
そして、散水作業を行う際には、足場の上段に、位置固定ピン及び止めピンで、前記パネルを固定した後、吸水装置からホースを介して供給された水を、直噴連結管及び噴霧連結管を通して直噴ノズル及び複数の噴霧ノズルから散布する。その後、構造物の解体作業の進捗に合わせて、昇降ガイドレールを介してパネルを下降させて、水の散布を行うようになっている。
特開2004−169461号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の散水方法で用いられるパネルは、噴射ノズルや噴霧ノズルが設けられ且つ直噴連結管や噴霧連結管が内蔵されているので、大きくて重さもあり、足場の上部に取付けるには容易ではない。また、そのようなパネルを位置固定ピンや止めピンを介して足場に固定するため、足場に対するパネルの取付作業や、上方の足場からパネルを取外して下方の足場に下降させる際の作業性に支障をきたし、散水作業を迅速に行うことが難しい。更にパネルは、昇降ガイドレールを介して昇降させるようにしているので、足場の構造が複雑となるという問題も生じる。
したがって、本発明の目的は、足場等に簡単に取付け・取外しができ、作業性を向上させることができる、粉塵抑制用散水具及び建物の解体方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の粉塵抑制用散水具は、粉塵が発生する場所に配設される支持体に取付けられ、粉塵に水を噴霧して粉塵の飛散を抑制するものであって、水が流入する導入口及び水を外部に噴霧する噴霧ノズルを有し、内部が前記導入口及び噴霧ノズルを連通させる供給水の通路をなすパイプと、このパイプを前記支持体に着脱可能に固定するホルダを有する固定具と、前記パイプの導入口どうしを連結して、複数の前記パイプに水を流通させる可撓性ホースとを備えていることを特徴とする。
上記の粉塵抑制用散水具によれば、粉塵が発生する場所に配設される支持体に、固定具を介して複数のパイプを取付け、これらのパイプの導入口どうしを可撓性ホースで連結し、可撓性ホースを通して水を供給することにより、複数のパイプの噴霧ノズルから粉塵に向かって水を噴霧させて、粉塵の飛散を効果的に抑制できる。
また、粉塵抑制用散水具は、パイプ、固定具及び可撓性ホースからなるので、比較的簡単な構造として軽量化を図ることができ、支持体に対して簡単かつ安全に取付け・取外しを行うことができ、下方への移動も容易に行うことができる。
更に、例えば建物の解体現場などの場合、足場に固定具を介して上記パイプを取付けることができ、建物の上部から下部に向けて解体作業を進めるとき、解体の進行に伴って、足場から固定具を外して、粉塵抑制用散水具を下方の足場に移動させることができる。
本発明の粉塵抑制用散水具においては、前記ホルダが、U字状に屈曲されたバネ板からなり、前記支持体を弾性的に把持することにより、前記支持体に着脱可能に固定されるように構成されていることが好ましい。
この態様によれば、ホルダで支持体を弾性的に把持することにより、粉塵抑制用散水具を支持体に手軽に装着できると共に、弾性力に抗して引っ張るだけで容易に取り外すことができる。したがって、例えば建物の解体現場における足場に装着して、解体の進行に伴って下方の足場に粉塵抑制用散水具を迅速に移動させることができる。
本発明の粉塵抑制用散水具においては、前記固定具が、前記ホルダと、このホルダに対して支持板を介して回動可能に取付けられたアームとからなり、前記パイプが該アームに取付けられていることが好ましい。この態様によれば、アームを回動させることにより、パイプの角度を変えることができるので、噴水位置の自由度を高めることができる。
一方、本発明の建物の解体方法は、解体される建物の回りに足場を組み、該足場を構成するフレームに上記粉塵抑制用散水具を取付け、該粉塵抑制用散水具を構成する複数のパイプをそれぞれ前記可撓性ホースで連結し、該可撓性ホースを通して各パイプに水を供給して前記噴霧ノズルから水を噴霧しつつ、解体作業を行い、建物の解体の進行に合わせて、前記粉塵抑制用散水具を前記足場の下方のフレームに移動させることを特徴とする。
上記の建物の解体方法によれば、足場を利用して粉塵抑制用散水具を取付け、建物の解体の進行に合わせて、前記粉塵抑制用散水具を前記足場の下方のフレームに移動させることができるので、常に適切な位置から散水することができ、粉塵抑制効果を高めることができる。また、前記粉塵抑制用散水具を用いることにより、足場の下方のフレームへの移動を容易に行うことができる。
本発明の建物解体方法においては、前記可撓性ホースは、前記建物の1つの階に相当する高さ分だけ、隣接するパイプを下方に移動させる際、隣接するパイプどうしを連結した状態に維持できる長さとされていることが好ましい。
この態様によれば、建物のある階の解体が終了したとき、パイプを1つずつ、下方の階の高さに合うように移動させることができ、可撓性ホースで連結されたパイプの移動作業を容易に行うことができる。
上記発明によれば、足場のフレーム等の支持体に、固定具を介して複数のパイプを取付け、これらのパイプの導入口どうしを可撓性ホースで連結し、可撓性ホースを通して水を供給することにより、複数のパイプの噴霧ノズルから粉塵に向かって水を噴霧させて、粉塵の飛散を効果的に抑制できる。また、散水具は、パイプ、固定具及び可撓性ホースからなるので、比較的簡単な構造で軽量化を図ることができ、支持体に簡単かつ安全に取付け・取外しを行うことができる。更に、建物の上部から下部に向けて解体作業を進めるとき、解体の進行に伴って、足場から固定具を外して、粉塵抑制用散水具を下方の足場に移動させて、常に適切な位置から散水することができ、粉塵抑制効果を高めることができる。
本発明に係る粉塵抑制用散水具の一実施形態を示しており、(a)はその斜視図、(b)は(a)とは異なる方向から見た場合の斜視図である。 本発明に係る建物の解体方法の一実施形態を示す斜視図である。 同解体方法を示しており、(a)は建物の上方での散水状態を示す説明図、(b)は(a)よりも下方での散水状態を示す説明図である。 同解体方法において、散水具の移動状態を示す説明図である。 本発明に係る粉塵抑制用散水具の他の実施形態を示しており、(a)はその斜視図、(b)は(a)とは異なる方向から見た場合の斜視図である。 本発明に係る粉塵抑制用散水具の更に他の実施形態を示しており、(a)はその斜視図、(b)は(a)とは異なる方向から見た場合の斜視図である。
以下、図1〜4を参照して、本発明に係る粉塵抑制用散水具及びこれを用いた建物の解体方法の一実施形態について説明する。
この粉塵抑制散水具10(以下、「散水具10」という)は、粉塵が発生する場所に配設される支持体に取付けられ、粉塵に水を噴霧して粉塵の飛散を抑制するためのもので、この実施形態の場合、建物1の解体時に用いられる足場5を構成するフレーム7に、複数取付けられている(図2〜4参照)。この実施形態では、前記足場5のフレーム7が、本発明における「支持体」をなしている。なお、足場5は、複数の円形パイプ状のフレーム7を縦横斜めに適宜組んで、それらをクランプ等で固定して形成される。
図1(a),(b)に示すように、各散水具10は、水が流入する導入口25及び水を外部に噴霧する噴霧ノズル27を有し、内部が導入口25及び噴霧ノズル27を連通させる供給水の通路をなすパイプ20と、このパイプ20を前記フレーム7に着脱可能に固定するホルダ31を有する固定具30と、パイプ20の導入口25どうしを連結して、複数のパイプ20に水を流通させる可撓性ホース50とを備えている。
この実施形態では、円筒状の複数の管21が、複数の管継手22,23,24で連結されて、直線状に伸びる一本のパイプ20が構成されている。このパイプ20の長手方向中央のT字型の管継手22の一端部に、エルボ状の管継手25が連結されており、この管継手25の一端部開口が導入口25をなしている。この導入口25に可撓性ホース50が連結され、パイプ20の内部通路に水が流入するようになっている。また、パイプ20の長手方向両端のL字型の管継手24,24の一端部、及び、これらの管継手24,24と上記管継手22との間のT字型の管継手23,23の一端部に、噴霧ノズル27がそれぞれ取付けられている。
一方、この実施形態における固定具30を構成するホルダ31は、U字状に屈曲されたバネ板からなり、足場5のフレーム7を弾性的に把持することにより、同フレーム7に着脱可能に固定されるように構成されている。具体的には当該ホルダ31は、図1(b)の部分拡大斜視図に示すように、パイプ20の長手方向中央の管継手22に、スポット溶接等により固着される帯状の基板32と、該基板32の長手方向両側から延出した一対の弾性挟持片33,33とからなる。
上記一対の弾性挟持片33,33は、足場5を構成する円形パイプ状のフレーム7に適合するように円弧状に湾曲して形成された挟持部33a,33aと、両挟持部33a,33aの先端から、外方に向けてハの字状に延設されると共に、フレーム7の直径よりも幅狭に形成された保持部33b,33bとを有している。
そして、上記構成からなる散水具10は、足場5のフレーム7に複数取り付けられ、パイプ20の導入口25どうしは、可撓性ホース50により連結されるようになっている(図4参照)。この可撓性ホース50は、建物1の1つの階に相当する高さ分だけ、隣接するパイプ20を下方に移動させる際(図4の想像線参照)、隣接するパイプ20,20どうしを連結した状態に維持できる長さとされている。また、可撓性ホース50には、ポンプ等からなる水供給装置に接続された図示しない給水用ホースが連結されており、可撓性ホース50を介して前記パイプ20に水が供給されるようになっている。
次に、上記散水具10用いた本発明による建物の解体方法の一実施例について説明する。
まず、解体すべき建物1の回りに、複数のフレーム7を縦横斜めに適宜組んで、それらをクランプ等で固定して、解体すべき建物1の外周を覆うように足場5を設置すると共に、この足場5の外側に、粉塵の外部流出を防止するシート8を配設する(図2及び図3参照)。
この状態で、上方の足場5のフレーム7に、U字状に屈曲されたバネ板からなるホルダ31を介して、散水具10を取付ける。この実施形態では、ホルダ31を構成する一対の弾性挟持片33,33の、ハの字状の保持部33b,33bを、フレーム7に向けて押し込む。すると、フレーム7に一対の弾性挟持片33,33が押圧されて外方に撓み、フレーム7が円弧状の挟持部33a,33に至ると、一対の弾性挟持片33,33が弾性復帰して、挟持部33a,33aによりフレーム7が弾性的に挟み込まれると共に、幅狭の保持部33b,33bにより抜け止め保持されて、固定具30を構成するホルダ31を介して、フレーム7に散水具10が抜け止めされた状態で取付けることができる。このように、この実施形態では、ホルダ31をフレーム7に対して押し込むだけの簡単な作業で、フレーム7に散水具10を確実に取付けることができ、散水具10の取付作業性を向上させることができる。
上記のようにフレーム7に散水具10を取付けた後、各散水具10のパイプ20の導入口25どうしを、可撓性ホース50で連結する(図4参照)。また、この可撓性ホース50に、水供給装置に接続された図示しない給水用ホースを連結する。この状態で、水供給装置から給水用ホースを通して可撓性ホース50に水を供給し、この水を可撓性ホース50を通して導入口25から各パイプ20内に流入させ、同パイプ20の噴霧ノズル27から水を建物1に向けて噴霧しつつ、建物1の解体作業を行う(図3(a)参照)。その結果、噴霧された水が建物1の解体作業で生じる粉塵に付着して、粉塵が落下するので、粉塵の飛散を効果的に抑制することができる。
その後、建物1の所定の階の解体作業が終了したら、散水具10での噴霧作業を中止して、フレーム7から散水具10を取外す。この実施形態では、ホルダ31の弾性力に抗して、フレーム7から散水具10を引っ張ると、一対の弾性挟持片33,33が外方に撓み変形すると共に、保持部33b,33bの間隙からフレーム7が抜け出て、フレーム7から散水具10を取外すことができる。このように本実施形態では、フレーム7に対して散水具10を引っ張るだけの簡単な作業で、フレーム7から散水具10を容易に取外すことができ、散水具10の取外し作業性を向上させることができる。
また、この実施形態の散水具10においては、U字状のバネ板からなるホルダ31で、足場5のフレーム7を弾性的に把持するように構成したので、散水具10を支持体に手軽に装着できると共に、弾性力に抗して引っ張るだけで容易に取り外すことができ、建物1の解体現場で足場5のフレーム7に装着して、解体の進行に伴って下方の足場5のフレーム7に散水具10を迅速に移動させることができ、散水作業を迅速に行うことができる。
更に散水具10は、パイプ20、固定具30及び可撓性ホース50からなるので、比較的簡単な構造として、軽量化を図ることができ、足場5の上方等の高所においても、フレーム7に対して、簡単かつ安全に取付け・取外しを行うことができ、足場5の下方への移動も容易となる。また、上記特許文献1記載の散水方法のように、足場に昇降ガイドレール等の複雑な構造を設ける必要がなく、汎用性が高く、使い勝手のよい散水具10を提供することができる。
そして、上記のようにフレーム7から散水具10を取外した後、図4の想像線に示すように、取外した散水具10を下方のフレーム7に移動させて、その下方のフレーム7に取付ける。すなわち、建物1の解体作業の進行に合わせて、散水具10を下方のフレーム7に移動させて、上述の取付け方法と同様にして、ホルダ31を介してフレーム7に散水具10を取付ける。なお、散水具10を下方に移動させる距離としては、建物1の大きさにより異なるが、建物の1階分に相当する約3〜4mが好ましい。
このとき、可撓性ホース50は、建物1の1つの階に相当する高さ分だけ、隣接するパイプ20を下方に移動させる際、隣接するパイプ20,20どうしを連結した状態に維持できる長さとされているので(図4の想像線参照)、パイプ20を1つずつ、下方の階の高さに合うように移動させることができ、可撓性ホース50で連結されたパイプの移動作業を容易に行うことができる。また、一方のパイプ20を下方に移動させたとき、可撓性ホース50が引っ張られることを防止して、パイプ20の導入口25から可撓性ホース50が抜け外れてしまうことを防止することができる。
そして、建物1の一つの階の解体作業が終了したら、その階に位置する足場5のフレーム7をばらし、上述のように散水具10を下方の足場5のフレーム7に取付けて、散水作業を行い(図3(b)参照)、建物1の解体作業に応じて、散水具10の取付け・取外し作業及び足場5の解体作業を繰り返すことにより、建物1の解体作業が行われるようになっている。
以上のように、この建物の解体方法によれば、足場5のフレーム7を利用して散水具10を取付けて、建物1の解体の進行に合わせて、散水具10を足場5の下方のフレーム7に移動させることができるので、図3(a),(b)に示すように、常に適切な位置から散水することができ、散水具10による粉塵抑制効果を高めることができる。
なお、上記実施形態における散水具10は、足場5を構成するフレーム7に取付けるようにしたが、足場5を組むほどの規模ではない一般家屋での解体作業や、工場、その他の粉塵が発生する環境下において配設される支持体に取付けて、それらの環境下での粉塵抑制に利用してもよく、その適用箇所は特に限定されるものではない。
図5には、本発明に係る粉塵抑制用散水具の他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
この実施形態における粉塵抑制用散水具10a(以下、「散水具10a」という)は、固定具30aの構造が前記実施形態と異なっている。すなわち、この実施形態における固定具30aは、円弧状溝35aが形成された支持板35と、この支持板35の両端に固設された一対のホルダ31a,31aと、前記支持板35に支軸37を介して回動可能に取付けられたアーム38とを有している。
前記ホルダ31aは、クランプ状をなしており、支軸を介して開閉する半割状の把持片39,39と、一方の把持片39の一端部に回動可能に取付けられ、他方の把持片39の一端部に係合するボルト軸40とを有している。そして、一対の把持片39,39を開いて、足場5のフレーム7等の支持体を挟み込み、ボルト軸40で両把持片39,39を閉じた状態にロックすることで、散水具10aを支持体に取付けることができるようになっている。
また、前記アーム38は、所定長さで伸びる樋状をなしており、前記支持板35に対して支軸37を介して回動可能とされている。更に、前記支持板35の円弧状溝35a及びアーム38の図示しない挿通孔には、締付け具41のボルト状の軸部が挿入されている。また、アーム38の長手方向両端部には、一対のパイプ20a,20aの、ブロック状をなした基端部28a,28aが、前記支軸37とは直交する支軸38aを介して回動可能にそれぞれ取付けられている。
そして、この締付け具41の、アーム38の表側に配置された頭部41aを操作して、その軸部を、円弧状溝35aの裏側に配置された締付け板41bに対して緩めることにより、支持板35に対してアーム38が回動するようになっている。一方、締付け具41の頭部41aを操作して、締付け板41bに軸部を締め付けることにより、支持板35に対してアーム38が所定の回動角度で固定されるようになっている。
よって、この実施形態では、上記締付け具41の頭部41aを適宜操作して、その軸部を締付け板41bに対して締め付けるか或いは緩めることで、ホルダ31aを介して、足場5のフレーム7等の支持体に取付けられた散水具10aのパイプ20aの角度を変えることができると共に、支軸38aを介してパイプ20aをアーム38に対して回動させることができるので、同パイプ20aの噴霧ノズル27の角度を適宜変えることができ、水の噴霧位置の自由度を高めることができる。
図6には、本発明に係る粉塵抑制用散水具の更に他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
この実施形態における粉塵抑制用散水具10b(以下、「散水具10b」という)は、固定具30bの構造が前記実施形態と異なっている。すなわち、この実施形態における固定具30bは、パイプ20bの長手方向中央に位置するT字型の管継手22に、下方が開口した枠状のホルダ31bが固設されている。また、この固定具30bは、スイッチ43aのONで磁力が生じ、スイッチ43aのOFFで磁力が消失する、マグネット型取付具43を有しており、その取付ヘッド43bに、前記枠状のホルダ31bが着脱可能に取付けられるようになっている。更に、パイプ20bの長手方向中央の管継手22の一端部には、T字状の管継手29が連結されており、この管継手29の両端部に可撓性ホース50,50がそれぞれ連結されている。すなわち、この実施形態では、管継手29の両端部開口が導入口25をなしている。
この実施形態においては、マグネット型取付具43及びホルダ31bを介して、足場5のフレーム7等の支持体に、散水具10bを簡単に取付け・取外しを行うことができる。
1 建物
5 足場
7 フレーム(支持体)
8 パネル
10,10a,10b 粉塵抑制散水具(散水具)
20,20a,20b パイプ
21 管
22,23,24 管継手
25 導入口
27 噴霧ノズル
30,30a,30b 固定具
31,31a,31b ホルダ
32 基板
33 弾性挟持片
33a 挟持部
33b 保持部
35 支持板
35a 円弧状溝
37 支軸
38 アーム
38a 支軸
39 把持片
40 ボルト軸
41 締付け具
41a 頭部
41b 締付け板
43 マグネット型取付具
43a スイッチ
43b 取付ヘッド
50 可撓性ホース

Claims (5)

  1. 粉塵が発生する場所に配設される支持体に取付けられ、粉塵に水を噴霧して粉塵の飛散を抑制する粉塵抑制用散水具であって、
    水が流入する導入口及び水を外部に噴霧する噴霧ノズルを有し、内部が前記導入口及び噴霧ノズルを連通させる供給水の通路をなすパイプと、
    このパイプを前記支持体に着脱可能に固定するホルダを有する固定具と、
    前記パイプの導入口どうしを連結して、複数の前記パイプに水を流通させる可撓性ホースとを備えていることを特徴とする粉塵抑制用散水具。
  2. 前記ホルダが、U字状に屈曲されたバネ板からなり、前記支持体を弾性的に把持することにより、前記支持体に着脱可能に固定されるように構成されている請求項1記載の粉塵抑制用散水具。
  3. 前記固定具が、前記ホルダと、このホルダに対して支持板を介して回動可能に取付けられたアームとからなり、前記パイプが該アームに取付けられている請求項記載の粉塵抑制用散水具。
  4. 解体される建物の回りに足場を組み、該足場を構成するフレームに請求項1〜3のいずれかに記載の粉塵抑制用散水具を取付け、該粉塵抑制用散水具を構成する複数のパイプをそれぞれ前記可撓性ホースで連結し、該可撓性ホースを通して各パイプに水を供給して前記噴霧ノズルから水を噴霧しつつ、解体作業を行い、建物の解体の進行に合わせて、前記粉塵抑制用散水具を前記足場の下方のフレームに移動させることを特徴とする建物の解体方法。
  5. 前記可撓性ホースは、前記建物の1つの階に相当する高さ分だけ、隣接するパイプを下方に移動させる際、隣接するパイプどうしを連結した状態に維持できる長さとされている請求項4記載の建物の解体方法。
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