JP7127228B1 - 粉塵抑制用散水装置及びその設置方法 - Google Patents

粉塵抑制用散水装置及びその設置方法 Download PDF

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Abstract

【課題】散水作業に必要な作業者の省人化を図ることができる粉塵抑制用散水装置を提供する。【解決手段】作業場で発生する粉塵の飛散を抑制する粉塵抑制用散水装置10は、散水作業を行う作業者が乗る作業台20と、複数の放水ノズル65と、作業台20に取り付けられ、各放水ノズル65のノズル方向を調整可能な調整機構71とを備えている。作業台20は、枠状をなすフレーム部21と、フレーム部21に取り付けられ、作業者が乗る踏板と、フレーム部21の周縁部の上方に配置され、各調整機構71が取り付けられたノズル取付部70とを備えている。【選択図】 図2

Description

本発明は、工事現場等の作業場で発生する粉塵の飛散を抑制する散水装置及びその設置方法に関する。
重機による構造物の解体作業等が行われる作業場においては、作業に伴い粉塵が発生する。粉塵の飛散を抑制するために、粉塵の発生元に向けて散水する作業が行われる。例えば特許文献1に記載されているように、粉塵の発生元に向けて放水ノズルから放水する作業が作業者により行われる。
特開2017-48520号公報
粉塵の飛散を的確に抑制するために、複数の放水ノズルから放水しなければならないことがある。この場合、散水作業に必要な作業者が増えてしまうことが懸念される。
本発明は、散水作業に必要な作業者の省人化を図ることができる粉塵抑制用散水装置及びその設置方法を提供することを主たる目的とする。
本発明は、作業場で発生する粉塵の飛散を抑制する粉塵抑制用散水装置において、
散水作業を行う作業者が乗る作業台と、
複数の放水ノズルと、
前記作業台に設けられ、前記各放水ノズルのノズル方向を調整可能な調整機構と、
を備える。
これにより、作業台に乗った一人の作業者は、各放水ノズルのノズル方向を調整しつつ放水することができる。このため、散水作業に必要な作業者の省人化を図ることができる。
散水ユニットの背面図。 散水ユニットの側面図。 散水ユニットの平面図。 下側安全柵に対する上側安全柵の取付態様を示す図。 放水,散水ノズルからの散水態様を示す図。 放水,散水ノズルからの散水態様を示す図。
以下、本発明の粉塵抑制用散水装置を具体化した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態の散水装置は、トレーラ等の搬送車両で工事現場まで搬送され、工事現場の設置面(地面)に設置される自立式のユニットである。以下、図1~図3を用いて、ユニットについて説明する。
ユニット10は、散水作業者が乗るとともに、放水ノズル及び安全柵等が設けられる作業台20を備えている。作業台20は、ユニット本体部と、工事現場におけるユニット10の設置面に対してユニット本体部を下方から支持するユニット支持部とを備える構造体である。
ユニット本体部は、水平方向に延びる矩形枠状のフレーム部21と、フレーム部21の上部に取り付けられるとともに作業者が乗る踏板22とを備えている。踏板22は、多数の開口が形成された網状の板部材である。フレーム部21は、鋼材で構成されており、前側梁部21F、前側梁部21Fが延びる方向に延びるとともに、水平方向において前側梁部と対向する後側梁部21Bとを備えている。また、フレーム部21は、前側梁部21Fの軸方向端部と後側梁部21Bの軸方向端部とを接続するサイド梁部21Sと、補強用の中間梁部23とを備えている。中間梁部23は、サイド梁部21Sが延びる方向に延びている。本実施形態では、中間梁部23が複数(図中3つを例示)設けられており、中間梁部23は、前側梁部21Fの軸方向中間位置と、後側梁部21Bの軸方向中間位置とを接続している。フレーム部21の周縁部に踏板22が固定されている。これにより、踏板22がフレーム部21に対して強固に固定されている。また、踏板22が中間梁部23により支持されている。これにより、作業者が踏板22に乗った場合における踏板22の撓みを抑制できる。
ユニット支持部は、フレーム部21の4つの角部から下方に延びるベース支柱部24を備えている。ベース支柱部24の横断面はL字状をなしている。後側梁部21Bには、地面と踏板22との間を作業者が昇降するためのステップ部25が取り付けられている。ベース支柱部24の下端よりもフレーム部21及びステップ部25が上方に配置されているため、地面が凸凹している場合であっても、踏板22の水平を極力維持できるように作業台20を地面に設置することができる。なお、各ベース支柱部24に、ベース支柱部24の長さを調整可能な調整部が設けられていてもよい。これにより、ベース支柱部24を地面の凸凹箇所に設置しなくてはならない場合であっても、踏板22の水平を極力維持することができる。
ユニット10は、踏板22から作業者が落下するのを防止するとともに、飛散物から作業者を保護する安全柵を備えている。安全柵は、鋼材で構成され、フレーム部21の外周部に取り付けられている。詳しくは、前側梁部21Fには、前側梁部21Fに沿って前面安全柵40が取り付けられている。前面安全柵40は、前側梁部21Fから上方に延びる複数(3つを例示)の支柱部40aと、各支柱部40aの上端を連結しつつ水平方向に延びる手摺部40bと、各支柱部40aの中間部を連結しつつ水平方向に延びる中間連結部40cと、各支柱部40aの下端部を連結しつつ水平方向に延びる下端連結部40dとを備えている。前面安全柵40の全面には、水平方向及び上下方向に延びる複数の線材を有する格子状部材40eが取り付けられている。
後側梁部21Bには、後側梁部21Bに沿って後面安全柵41が取り付けられている。後面安全柵41は、後側梁部21Bの一端側に取り付けられた第1安全柵42、後側梁部21Bの他端側に取り付けられた第2安全柵43、及び第1安全柵42と第2安全柵43との間に設けられた開閉扉44を備えている。第1,第2安全柵42,43は、後側梁部21Bから上方に延びる複数(2つを例示)の支柱部42a,43aと、各支柱部42a,43aの上端を連結しつつ水平方向に延びる手摺部42b,43bと、各支柱部42a,43aの中間部を連結しつつ水平方向に延びる中間連結部42c,43cと、各支柱部42a,43aの下端部を連結しつつ水平方向に延びる下端連結部42d,43dとを備えている。後面安全柵41の上下方向寸法は、前面安全柵40の上下方向寸法と同じである。なお、本実施形態において、後面安全柵41には格子状部材が取り付けられていない。
第1安全柵42の支柱部42aには、蝶番45aが取り付けられている。蝶番45aには、開閉扉44が取り付けられている。開閉扉44は、蝶番45aの上下方向に延びる回転軸を支点として、支柱部42aに対して回動可能とされている。第1安全柵42と第2安全柵43との間が開閉扉44により閉じられることにより、作業者の安全を確保する。なお、開閉扉44には、開閉扉44が開かないようにする鍵部45bが設けられている。
サイド梁部21Sには、サイド梁部21Sに沿って側面安全柵46が取り付けられている。側面安全柵46は、下側安全柵47と、下側安全柵47の上端部に取り付けられた上側安全柵48とを備えている。
下側安全柵47は、サイド梁部21Sから上方に延びる複数(3つを例示)の支柱部47aと、各支柱部47aの上端を連結しつつ水平方向に延びる上端連結部47bと、各支柱部47aの中間部を連結しつつ水平方向に延びる中間連結部47cと、各支柱部47aの下端部を連結しつつ水平方向に延びる下端連結部47dとを備えている。下側安全柵47には、水平方向及び上下方向に延びる複数の線材を有する格子状部材47eが取り付けられている。
上側安全柵48は、下側安全柵47の上端部から上方に延びる複数(3つを例示)の支柱部48aと、各支柱部48aの上端を連結しつつ水平方向に延びる上端連結部48bと、各支柱部48aの中間部を連結しつつ水平方向に延びる中間連結部48cとを備えている。上側安全柵48の全面には、下側安全柵47と同様の格子状部材48dが取り付けられている。
下側安全柵47の上端位置は、前面安全柵40及び後面安全柵41の上端位置と同じである。このため、下側安全柵47及び上側安全柵48を備える側面安全柵46の上端位置は、前面安全柵40及び後面安全柵41の上端位置よりも高くなっている。また、下側,上側安全柵47,48には格子状部材47e,48dが取り付けられている。このため、ユニット10側方からの飛散物から作業者を的確に保護しつつ、作業者の視界を確保できる。
前面安全柵40の上端位置は、側面安全柵46の上端位置よりも低くなっている。これにより、ユニット10側方側及び前方側からの飛散物から作業者を保護しつつ、前面安全柵40が作業者の放水作業の邪魔にならないようにすることができる。
上側安全柵48は、下側安全柵47の上端部に着脱可能に取り付けられる。詳しくは、下側安全柵47の各支柱部47aの上端部には、柵取付部49が溶接等により固定されている。柵取付部49は、上側が開口する有底円筒状をなしている。図4に示すように、上側安全柵48を構成する支柱部48aの下端部が柵取付部49に挿入された状態において、柵取付部49に形成された雌ねじ孔にボルト50がねじ込まれる。これにより、ボルト50を構成する軸部の先端が上側安全柵48の支柱部48a側面に押し付けられ、下側安全柵47に対して上側安全柵48が固定される。一方、ボルト50を取り外すことにより、上側安全柵48を下側安全柵47から取り外すことができる。つまり、側面安全柵46は、上端位置が前面安全柵40の上端位置と同じになる第1状態と、上端位置が前面安全柵40の上端位置よりも高くなる第2状態とが切り替え可能に構成されている。なお、図4では、格子状部材47e,48d等の図示を省略している。
作業台20は、ユニット10の搬送時においてユニット10をクレーンで吊り下げるための吊り下げ部60を備えている。吊り下げ部60は、各下側安全柵47を構成する下端連結部47dの両端部に溶接等により固定されている。下側安全柵47のうち吊り下げ部60付近は、格子状部材47eが設けられていない非格子部61になっている。クレーンのワイヤ又はロープを側面安全柵46の内側から吊り下げ部60に取り付ける場合において、非格子部61が設けられていることにより、ワイヤ又はロープが格子状部材47eに干渉することを防止できる。
作業台20の前側には、複数(図中2つを例示)の放水ノズル65と、各放水ノズル65を取り付けるためのノズル取付部70とが設けられている。ノズル取付部70は、鋼材で構成され、前面安全柵40及び下側安全柵47の角部に取り付けられるとともに上下方向に延びる取付支柱部70aと、各取付支柱部70aを接続するとともに水平方向に延びる取付梁部70bとを備えている。取付梁部70bの上端位置は、前面安全柵40の手摺部40bの上端位置よりも高く、上側安全柵48の上端連結部48bの位置よりも低い。これにより、放水ノズル65を操作する作業者の手や腕にユニット10側方からの飛散物が当たるのを防止する。
取付梁部70bには、取付梁部70bが延びる方向に所定距離離間して調整機構71が2つ取り付けられている。調整機構71は、放水ノズル65のノズル方向を調整するための機構である。調整機構71は、取付梁部70bに取り付けられてかつ上下方向に延びる軸線周りに回転可能な第1回転部72と、水平方向に延びる軸線周りに回転可能に第1回転部72に対して取り付けられた第2回転部73とを備えている。第2回転部73に放水ノズル65が取り付けられている。なお、上記所定距離は、例えば100cm~130cm(具体的には120cm)である。これ以外にも、上記所定距離を、例えば、20cm~30cm、30cm~50cm、50cm~70cm、又は70cm~100cmとすることもできる。
踏板22側に乗った作業者に対して、向かって右側の放水ノズル65のノズル方向が作業者の右手で操作され、向かって左側の放水ノズル65のノズル方向が作業者の左手で操作される。つまり、1人の作業者が2つの放水ノズル65を同時に操作できる。このため、放水作業の作業効率を高めることができる。
ユニット10は、踏板22上の作業者に粉塵がかかるのを抑制するスプリンクラー装置80を備えている。スプリンクラー装置80は、サイド梁部21Sが延びる方向に前側梁部21F側から前方に延びる第1導水管81aと、第1導水管81aの先端部から上方に延びる第2導水管81bと、第2導水管81bの上端部に設けられた散水ノズル82とを備えている。
散水ノズル82は、ノズル本体部と、第2導水管81bの先端部に取り付けられるとともに、第2導水管81bが延びる方向(上下方向)に延びる回転中心軸線周りにノズル本体部を360度回転可能に支持する回転機構部とを備えるフルサークル式のノズルである。ノズル本体部は、回転中心軸線から径方向において逆向きに延びる2つのノズルを有し、各ノズルのノズル方向は斜め上方を向いている。回転機構部は、第1,第2導水管81a,81bを介して供給された水の圧力により、ノズル本体部を一定角度ずつ回転させるように構成されている。これにより、図5及び図6に示すように、作業台20周辺に広範囲に散水できるようになっている。なお、図5及び図6では、便宜上、格子状部材等の一部の構成の図示を省略している。
散水ノズル82は、上下方向において下側安全柵47の上端よりも上方であってかつ上側安全柵48の上端よりも下方に位置しており、ノズル本体部の各ノズルのノズル方向が斜め上方を向いている。このため、散水ノズル82から放たれた水は、作業台20に対して上側安全柵48の上方(つまり、作業者の頭上)を通過し、作業者にかかりにくくなっている。
前側梁部21Fよりも前方に散水ノズル82が配置され、散水ノズル82のノズル本体部は、上下方向に延びる軸線周りに回転しつつ、上下方向に延びる軸線と交差する方向に向けて散水するように構成されている。このため、作業台20周辺に到達した粉塵が作業者に付着することを抑制できる。また、散水ノズル82は、前側梁部21Fが延びる方向において各放水ノズル65よりも端部側に配置されているため、散水ノズル82が放水ノズル65による放水作業の邪魔にならないようにできる。
散水ノズル82を構成する2つのノズルは、一定角度ずつ回転しながら広範囲に散水する。このため、踏板22に乗った作業者の前方の視界が散水ノズル82から放たれた水により常時遮られることがない。このため、作業者は、放水ノズル65から粉塵発生元に向けて的確に放水できる。なお、散水ノズル82から放たれた水により、作業台20周辺に霧状の水を分布させることができる。これにより、夏場の放水作業時において、作業者を暑さから守ることができる。
ユニット10は、サイド梁部21Sが延びる方向(つまり、作業台20の前後方向)に散水ノズル82の位置を調整可能な位置調整機構を備えている。位置調整機構は、長尺状の可動部材83と、下側安全柵47の上端連結部47bに固定されるとともに上端連結部47bに沿って延びる収容部材84と、接続部86とを備えている。可動部材83の外表面形状は円筒状をなしており、収容部材84は円筒状をなしている。このため、収容部材84の内部空間に可動部材83が収容可能になっている。可動部材83の先端部には、この先端部から上方に延びる接続部86が設けられている。接続部86には、可動部材83に平行になるように第1導水管81aが取り付けられている。収容部材84に対する可動部材83の位置を調整することにより、散水ノズル82の位置を調整可能になっている。下側安全柵47の上端連結部47bに沿って収容部材84が設けられているため、収容部材84が作業台20における作業者の邪魔にならないようになっている。
収容部材84には雌ねじ孔が形成されており、雌ねじ孔にボルト85がねじ込まれる。これにより、ボルト85を構成する軸部の先端が可動部材83の周面に押し付けられ、収容部材84に対して可動部材83が固定される。一方、ボルト85を取り外す又は緩めることにより、収容部材84に対して可動部材83を動かすことができる。
工事現場における風向きや、解体作業に伴う粉塵の発生度合い等に応じて、サイド梁部21Sが延びる方向における散水ノズル82の位置を変えたいことがある。この場合に備えて、作業台20に位置調整機構が設けられている。
なお、散水ノズル82及び各導水管81a,81bに放水ノズル65から放たれた水があたらないように、放水ノズル65のノズル方向を規制する規制部が調整機構71に設けられていてもよい。
ユニット10は、ユニット10の外部に設置されたポンプ装置100から圧送される水を各放水ノズル65及び散水ノズル82に分配する水分配器90を備えている。本実施形態において、水分配器90は、作業者の邪魔にならないように、踏板22のうち第2安全柵43及び下側安全柵47の角部に取り付けられている。
水分配器90は、入口部91及び複数(3つ)の出口部92を備え、入口部91から流入した水を各出口部92から流出させる。入口部91には、入口側バルブ93が取り付けられ、入口側バルブ93には上流側ホース101を介してポンプ装置100が接続されている。
各出口部92には、出口側バルブ94が取り付けられている。3つの出口側バルブ94のうち、2つには下流側ホース110を介して放水ノズル65が接続され、1つには下流側ホース111を介して第1導水管81aが接続されている。水分配器90が設けられていることにより、ユニット10とポンプ装置100とを接続するホースの数を減らすことができる。その結果、ユニット10とポンプ装置100との間におけるホースの錯綜を防止できる。
続いて、ユニット10の搬送及び設置方法について説明する。
まず、ユニット10を搬送車両(例えばトレーラ)の荷台に載置する工程について説明する。上側安全柵48を下側安全柵47から取り外した状態にする。また、接続部86が収容部材84の端に当たるまで可動部材83を収容部材84に収容した状態にする。このような状態のユニット10の各吊り下げ部60にワイヤ又はロープを取り付け、ユニット10をクレーンにより吊り下げる。クレーンにより、搬送車両の荷台にユニット10を載置する。この際、下側安全柵47のうち吊り下げ部60付近が非格子部61になっているため、ワイヤ又はロープを側面安全柵46の内側から吊り下げ部60に取り付ける場合において、ワイヤ又はロープが格子状部材47eに干渉することを防止できる。
続く工程は、搬送車両により、取り外した上側安全柵48とともにユニット10を工事現場まで搬送する工程となる。この際、上側安全柵48を下側安全柵47から取り外し、収容部材84に可動部材83を収容した状態にしているため、ユニット10の寸法を小さくした状態で搬送できる。なお、取り外された上側安全柵48は、前面安全柵40、下側安全柵47、後面安全柵41及び踏板22で囲まれた作業台20上に載せて搬送すればよい。
搬送車両が工事現場に到着すると、搬送車両の荷台上のユニット10の各吊り下げ部60にワイヤ又はロープを取り付け、ユニット10をクレーンにより吊り下げる。クレーンにより、搬送車両の荷台からユニット10を地面に降ろす。
その後、ユニット10の使用準備工程に進む。詳しくは、作業者Mは、図4に示すように、上側安全柵48を下側安全柵47に取り付けるとともに、収容部材84に対して前方に可動部材83を引き出し、散水ノズル82の位置を調整する。その後、作業者Mは、ボルト85により収容部材84に対して可動部材83を固定する。
作業者Mは、入口側バルブ93とポンプ装置100とを上流側ホース101により接続する。各放水ノズル65と水分配器90とが下流側ホース110により接続され、第1導水管81aと水分配器90とが下流側ホース110により接続された状態でユニット10が搬送される。このため、ユニット10を地面に設置した後のホースの接続作業負荷を軽減できる。
作業者Mは、開閉扉44を開状態にして地面から踏板22上に移動し、開閉扉44を閉状態にする。作業者Mは、入口側バルブ93を閉状態とし、各出口側バルブ94を開状態にする。ポンプ装置100を駆動させてポンプ装置100からの水の圧送を開始するとともに、入口側バルブ93を開状態にする。これにより、図5及び図6に示すように、各放水ノズル65からの放水が開始されるとともに、散水ノズル82が回転しながら散水し始める。散水ノズル82は、水の圧力により自動的に回転しながら散水するため、放水作業における作業者Mの作業負荷を軽減できる。なお、放水ノズル65や散水ノズル82からの放水を停止させたい場合、対応する出口側バルブ94を閉状態にすればよい。
ちなみに、以上説明したユニット10の搬送及び設置方法のうち、以下(A),(B)の点を変更することができる。
(A)可動部材83、接続部86、各導水管81a,81b及び散水ノズル82からなる散水部材を収容部材84から取り外した状態で、ユニット10を搬送車両の荷台に載置してもよい。この場合、例えば、散水部材を、上側安全柵48と同様に作業台20上に置いた状態でユニット10を搬送してもよい。
散水部材とともにユニット10を工事現場まで搬送した後、ユニット10の使用準備工程において、作業者Mは、第1導水管81aと水分配器90とを下流側ホース111により接続する作業を行う。
(B)ノズル取付部70が、前面安全柵40及び下側安全柵47の角部に対して着脱可能に取り付けられる構成であるとする。ノズル取付部70及び散水部材を取り外した状態で、ユニット10を搬送車両の荷台に載置してもよい。この場合、例えば、ノズル取付部70及び散水部材を、上側安全柵48と同様に作業台20上に置いた状態でユニット10を搬送してもよい。また、放水ノズル65と水分配器90とを下流側ホース110により接続した状態で搬送してもよい。
ノズル取付部70及び散水部材とともにユニット10を工事現場まで搬送した後、ユニット10の使用準備工程において、作業者Mは、第1導水管81aと水分配器90とを下流側ホース111により接続する作業を行うとともに、ノズル取付部70を安全柵40,47の角度に取り付ける作業を行う。なお、放水ノズル65と水分配器90とを下流側ホース110により接続しない状態で搬送した場合、ユニット10の使用準備工程において、作業者Mは、各放水ノズル65と水分配器90とを下流側ホース110により接続する作業を行う。
以上説明した本実施形態によれば、粉塵発生元に向けた散水を効果的に行いつつ、散水作業に必要な作業者の省人化を図れるユニット10を提供することができる。
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・散水ノズル82の上下方向位置を調整可能な機構が作業台20に備えられていてもよい。
・散水ノズル82としては、ノズル本体部が360度回転するフルサークル式のものに限らず、一定の角度範囲内でノズル本体部が回転中心軸線周りに往復運動するパートサークル式のものであってもよい。
・スプリンクラー装置80及び位置調整機構は、作業台20の一端側に限らず、作業台20の両端側に設けられていてもよい。
・作業台20に設けられる放水ノズル65は、2つに限らず、前側梁部21Fに沿って3つ以上設けられていてもよい。例えば、4つの放水ノズルが設けられる場合、2人の作業員が放水ノズルを2つずつ操作してもよい。この場合であっても、散水作業に必要な作業者の省人化を図ることができる。
・側面安全柵46を上記第1状態又は上記第2状態に切り替え可能な構造は、例えば以下に説明するものであってもよい。
1つ目の構造について説明する。下側安全柵47の上端と上側安全柵48の下端とに蝶番が設けられている。蝶番の回転軸は、水平方向と同じ方向である。上側安全柵48は、蝶番の回転軸を支点して回転可能とされている。作業台20は、下側安全柵47に対して上側安全柵48を起立状態で保持するための保持部を備えている。ユニット10の搬送時においては、上側安全柵48を回動させて下側安全柵47の側面に当接させた第1状態にする。一方、ユニット10の使用時においては、下側安全柵47に対して上側安全柵48が起立状態になるまで上側安全柵48を回動させ、保持部により起立状態した第2状態にする。
2つ目の構造について説明する。作業台20は、上側安全柵48を上下方向にスライド可能なスライド部を備えている。ユニット10の搬送時においては、スライド部により上側安全柵48を下降させ、上側安全柵48を下側安全柵47の側面に沿わせた第1状態にする。一方、ユニット10の使用時においては、スライド部により上側安全柵48を上昇させ、下側安全柵47の上側に上側安全柵48が配置された第2状態にする。
・側面安全柵46の全面に格子状部材が設けられる構成に限らない。例えば、側面安全柵46において、上側安全柵48と、下側安全柵47のうち上側部分(例えば、中間連結部47cよりも上側部分)とに格子状部材が設けられていてもよい。
・ユニット10にノズル取付部70が備えられなくてもよい。この場合、例えば、前面安全柵40を構成する手摺部40bに調整機構71が取り付けられていればよい。
・フレーム部としては、矩形枠状のものに限らず、例えば、三角形状、五角形状、六角形状又は円形状のものであってもよい。この場合、フレーム部の周縁部の上方にこの周縁部に沿ったノズル取付部が設けられればよい。
・ユニットとしては、フレーム部21の4つの角部から下方に延びるベース支柱部24及びステップ部25が無く、フレーム部21が地面に直接設置されるものであってもよい。また、ユニットとしては、フレーム部を備えるものに限らない。
10…ユニット、20…作業台、21…フレーム部、22…踏板、40…前面安全柵、46…側面安全柵、65…放水ノズル、70…ノズル取付部、71…調整機構、82…散水ノズル。

Claims (5)

  1. 作業場で発生する粉塵の飛散を抑制する粉塵抑制用散水装置(10)において、
    散水作業を行う作業者が乗る作業台(20)と、
    複数の放水ノズル(65)と、
    前記作業台に取り付けられるとともに前記各放水ノズルに個別に設けられ、前記各放水ノズルのノズル方向を調整可能な調整機構(71)と、
    を備え
    前記作業台は、
    前記作業者が乗る踏板(22)と、
    前記作業台の外周部のうち両サイド側に設けられるとともに前記作業者を保護する側面安全柵(46)と、
    前記外周部のうち前側に設けられるとともに前記作業者を保護する前側安全柵(40)と、
    を備え、
    前記各調整機構は、互いに離れた状態で、前記踏板の上方であって前記作業台の前側の外周部に設けられており、
    前記側面安全柵は、上端位置が前記前側安全柵の上端位置と同等になる第1状態と、上端位置が前記前側安全柵の上端位置よりも高くなる第2状態とが切り替え可能に構成されており、
    前記側面安全柵は、前記第2状態とされている場合に上下方向において前記各放水ノズルの上方位置まで延びている、粉塵抑制用散水装置。
  2. 前記作業台よりも前方であって、前記作業台の左右方向において前記各放水ノズルよりも前記作業台の端側に配置された散水ノズル(82)を備え、
    前記散水ノズルは、上下方向に延びる軸線周りに回転しつつ、前記軸線と交差する方向に向けて散水するように構成されている、請求項1に記載の粉塵抑制用散水装置。
  3. 前記作業台に取り付けられ、前記作業台の前後方向に前記散水ノズルの位置を調整する位置調整機構(83,84)を備える、請求項に記載の粉塵抑制用散水装置。
  4. 前記作業台に設けられた水分配器(90)を備え、
    前記水分配器は、
    水を圧送するポンプ装置(100)に上流側ホース(101)を介して接続される入口部(91)と、
    前記作業台に設けられた下流側ホース(110,111)を介して前記各放水ノズルに接続される出口部(92)と、
    を有し、前記入口部から流入した水を、前記出口部及び前記下流側ホースを介して前記放水ノズルに供給する、請求項1~のいずれか1項に記載の粉塵抑制用散水装置。
  5. 請求項に記載の粉塵抑制用散水装置の設置方法において、
    前記側面安全柵を前記第1状態にして、前記粉塵抑制用散水装置を搬送車両で搬送する工程と、
    搬送した前記粉塵抑制用散水装置を前記搬送車両から降ろして前記作業場の設置面に設置する工程と、
    前記側面安全柵を前記第1状態から前記第2状態に切り替える工程と、
    を備える粉塵抑制用散水装置の設置方法。
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