JP5842613B2 - 近赤外線カットフィルタガラス - Google Patents

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Description

本発明は、固体撮像装置の視感度補正フィルタに使用される近赤外線カットフィルタガラスに関するものである。
デジタルスチルカメラやビデオカメラには、イメージセンサであるCCDやCMOS等の固体撮像素子が用いられている。近年、これらのカメラは、高画素化に伴う画像解像度の向上が進展しているが、その反面、固体撮像素子の受光面積を大きくすることなく高画素化を行うと、単位画素サイズの面積縮小に伴う入射光の絶対量の減少により、出力信号の元になる画素毎の電子数が減少し、センサ感度が低下するという問題が生じる。
これに対して、固体撮像素子の感度を向上するためのいくつかの手法が提案されており、そのひとつに素子の半導体層の膜厚を厚くする方法が知られている(特許文献1参照)。これによれば、半導体層の膜厚が厚いほど光の吸収量が多くなり、光量に応じた電流の出力が増加するとされている。
しかし、半導体層の膜厚を増加すると、長波長成分(赤外領域の光)の感度が上がるという別の問題が生じる。これは、特許文献2等に詳細に説明されているが、要約すると、半導体層による電磁波の吸収係数は、長波長側の成分の方が、短波長側の成分よりも小さいという特性がある。このことは、半導体層に入射した電磁波の内の短波長側の成分は、半導体層での吸収の割合が大きく、半導体層の表面で吸収されてしまう度合いが大きいのに対して、長波長側の成分は、半導体層での吸収の割合が小さいので、半導体層の表面で吸収されてしまう度合いが小さく、より深いところまで達することを意味する。このため、半導体層の膜厚を増加することにより固体撮像素子の感度を向上する場合、固体撮像素子への入射光における長波長の成分を従来以上に確実にカットする必要がある。
他方、固体撮像素子は、可視領域から1100nm付近の近赤外域にわたる分光感度を有しているため、そのままでは良好な色再現性を得ることができない。そのため、赤外線を吸収する特定の物質が添加された近赤外線カットフィルタガラスを用いて視感度を補正している。この近赤外線カットフィルタガラスは、近赤外域の光を選択的に吸収し、かつ高い耐候性を有するように、アルミノリン酸塩系ガラスやフツリン酸塩系ガラスにCuOを添加した光学ガラスが提案されている(特許文献3、及び4参照)。
特開2004−119494号公報 特開2009−135550号公報 特開平6−234546号公報 特開平6−16451号公報
しかしながら、従来の近赤外線カットフィルタガラスの分光特性は、特に600〜700nm付近の波長域において、急峻なカットオフ特性を実現できないという問題がある。そのため、可視域透過率を高く維持しつつ、近赤外域の光を選択的にカットすることができる分光特性を備えるガラスが求められている。
近赤外線カットフィルタガラスにおける近赤外域の光のカット性能を向上する方法としては、以下に述べる方法が知られている。
1つの方法として、近赤外域の光を吸収するCu2+成分を含むCuOのガラスへの添加量を増やすことである。しかしながら、CuOの添加量を増やすと近赤外域の透過率は低く抑えられるものの、可視域透過率も併せて低下するという弊害が生じる。
他の方法として、屈折率差のある2種類以上の誘電体薄膜を数十層にも交互積層した誘電体多層膜(近赤外線カット膜)を近赤外線カットフィルタガラスの光学作用面に形成することで、ガラスの近赤外線カット性を補うことが行われている。
誘電体多層膜により近赤外域の光をカットするしくみは、ガラス中のCu2+成分による光の吸収作用とは異なり、屈折率差を有する物質の干渉による光の反射作用によるものであり、急峻なカットオフ特性を実現できる。しかしながら、誘電体多層膜に入射した近赤外域の光は、誘電体多層膜により反射されるものの減衰することなく固体撮像装置内で迷光となり、この迷光が再度誘電体多層膜に斜入射することで、誘電体多層膜では十分にカットできずに固体撮像素子に到達し、ノイズとして認識される可能性がある。また、この方法は近赤外線カットフィルタガラスの製造コストが高くなるという問題がある。
本発明は、このような背景に基づいてなされたものであり、可視域透過率を高く維持しつつ、近赤外域透過率を低く抑えることができる近赤外線カットフィルタガラスを低コストで提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、リン酸塩系ガラス組成を特定範囲とすることで、リン酸塩系ガラスやフツリン酸塩系ガラスからなる従来の近赤外線カットフィルタガラスに比べ、可視域透過率を高く維持しつつ近赤外域透過率を一層低くすることが可能な近赤外線カットフィルタガラスが得られることを見出した。
特に、ガラス中のCu2+の構造の歪みが小さい場合、Cu2+の近赤外域の光の吸収性が上がることに着目し、ガラス中の修飾酸化物のフィールドストレングスが弱い方が非架橋酸素を配位させやすく、Cu2+周りの歪みが小さくなると考えた。これは、Cu2+周りの歪みが小さくなると、2gのバンド間のエネルギー差が小さくなり、Cu2+の吸収ピークが長波長側へ移動するためである。これにより、ガラス中のCu2+による近赤外域の光の吸収を一層高く機能させることができる近赤外線カットフィルタガラスとして好適なリン酸塩系ガラス組成を見出した。
本発明の近赤外線カットフィルタガラスは、
下記酸化物換算の質量%表示で、
65〜85%、
Al 1〜20%、
0〜1%、
LiO 0〜2%、
NaO 1〜15%、
O 0〜15%、
LiO+NaO+KO 8.0〜20%、
MgO 0〜2%、
CaO 0〜2%、
SrO 0〜5%、
BaO 0〜10%、
MgO+CaO+SrO+BaO 1〜10%、
CuO 0.5〜20%、
Sb 0〜5%
を含み、かつ
/(Al+B) 5〜15、
(NaO+KO)/(LiO+MgO+CaO+SrO+BaO) 2〜15、
であることを特徴とする。
た、本発明の近赤外線カットフィルタガラスは、実質的にF、PbO、As2O3、CeO2、V2O5、SiO2、ZnO、および/または希土類元素を含まないことを特徴とする。
本発明によれば、リン酸塩系ガラス組成を特定範囲とすることで、ガラス中のCuOの含有量を増やしたり、誘電体多層膜(近赤外線カット膜)を設けることなく、可視域透過率を高く維持しつつ、近赤外域の光の透過率を低く抑えることができる近赤外線カットフィルタガラスを低コストで提供することが可能となる。
特に、本発明によれば、600〜700nm付近の波長域において急峻なカットオフ特性を実現できる。
実施例及び比較例の近赤外線カットフィルタガラスの分光透過率を示す図である。 Cu2+の吸収ピークの波数と各元素のフィールドストレングスとの関係を示す図である。
本発明は、上記構成により目的を達成したものであり、本発明の近赤外線カットフィルタガラスを構成する各成分の含有量(質量%で表示)を上記のように限定した理由を以下に説明する。
は、ガラスを形成する主成分(ガラス形成酸化物)であり、近赤外線カット性を高めるための必須成分であるが、65%未満ではその効果が十分得られず、85%を超えると耐候性が低下するため好ましくない。好ましくは70〜80%であり、より好ましくは73〜77%である。
Alは、耐候性を高めるための必須成分であるが、1%未満ではその効果が十分得られず、20%を超えるとガラスが不安定になり、近赤外線カット性が低下するため好ましくない。好ましくは4〜17%であり、より好ましくは7〜11%である。
は、必須成分ではないものの、ガラスの液相温度を低くする効果があるが、1.5%を超えると近赤外線カット性が低下するため好ましくない。好ましくは1%以下であり、より好ましくは0.5%以下であり、含有しないことがもっとも好ましい。
LiOは、必須成分ではないものの、近赤外線カット性を高め、ガラスを軟化させる効果があるが、2%を超えるとガラスが不安定になるため好ましくない。好ましくは0.3〜1.5%であり、より好ましくは0.6〜1%である。
NaOは、近赤外線カット性を高め、ガラスを軟化させるための必須成分であるが、0.5%未満ではその効果が十分得られず、15%を超えるとガラスが不安定になるため好ましくない。好ましくは1〜15%であり、より好ましくは3〜10%であり、5〜9%がもっとも好ましい。
Oは、近赤外線カット性を高め、ガラスを軟化させる効果があるが、20%を超えるとガラスが不安定になるため好ましくない。好ましくは1〜15%であり、より好ましくは2〜10%である。3〜5%がもっとも好ましい。
LiO+NaO+KOは、近赤外線カット性を高めると共に、溶融性を高めるための必須成分であるが、1%未満ではその効果が十分ではなく、20%を超えるとガラスが不安定になるため好ましくない。好ましくは3〜15%であり、より好ましくは5〜12%である。7〜10%がもっとも好ましい。
MgOは、必須成分ではないものの、ガラスの破壊靭性を高める効果があるが、2%を超えると近赤外線カット性が低下するため好ましくない。好ましくは1%以下であり、含有しないことがより好ましい。
CaOは、必須成分ではないものの、ガラスの破壊靭性を高める効果があるが、2%を超えると近赤外線カット性が低下するため好ましくない。好ましくは1.5%以下であり、含有しないことがより好ましい。
SrOは、必須成分ではないものの、ガラスの液相温度を低くする効果があるが、5%を超えると近赤外線カット性が低下するため好ましくない。好ましくは1〜4%であり、より好ましくは2〜3%である。
BaOは、必須成分ではないものの、ガラスの液相温度を低くする効果があるが、10%を超えると近赤外線カット性が低下するため好ましくない。好ましくは1〜5%であり、より好ましくは2〜3%である。
MgO+CaO+SrO+BaOは、ガラスの破壊靭性を高め、ガラスの液相温度を低くするために必須成分であるが、0.5%未満であるとその効果が十分ではなく、10%を超えるとガラスが不安定になるため好ましくない。好ましくは1〜10%であり、より好ましくは1.5〜5%であり、2〜3%がもっとも好ましい。
CuOは、近赤外線カット性を高めるための必須成分であるが、0.5%未満であるとその効果が十分に得られず、20%を超えると可視域透過率が低下するため好ましくない。好ましくは1〜15%であり、より好ましくは2〜10%である。もっとも好ましくは3〜7%である。
Sbは、必須成分ではないものの、清澄剤として、あるいは、酸化剤として含有させることができる。Sbを含有させる場合には、0.1%未満であるとその効果が十分得られず、5%を超えるとガラスが不安定となるため好ましくない。好ましくは0.2〜1%である。
本発明の近赤外線カットフィルタガラスにおいて、可視域透過率が高く、近赤外域の光の透過率が低い分光特性、具体的には600〜700nm付近の光の急峻なカットオフ特性を得るためには、ガラス中のCu2+の6配位構造の歪みを小さくし、Cu2+の吸収ピークを長波長側に移動させる、つまりガラス中のCu2+による近赤外域の光の吸収を一層高く機能させることが重要である。
そのため、ガラス中のCu2+の6配位構造の歪みを小さくするには、ガラス中に非架橋酸素の数が多く、かつ、修飾酸化物のフィールドストレングス(フィールドストレングスは、価数Zをイオン半径rの2乗で割った値:Z/rであり、カチオンが酸素を引き付ける強さの程度を表す)が小さいことが必要であると考えた。
ガラス中の非架橋酸素の数を多くするためには、ガラスのネットワークを形成する網目状酸化物におけるPを他の網目状酸化物に比べて多くする必要がある。Pは、AlやBと比べて分子中に酸素を多く含有するため、Cu2+は非架橋酸素を配位しやすくなり、Cu2+周りの歪みが小さくなる。
そのため、ガラスに含有する網目状酸化物のバランスは、P/(Al+B)を大きくすればよいが、大きすぎる場合、耐候性の低下につながるため、これらの比は5〜15の範囲である。さらにこれらの比は、7〜13が好ましく、9〜11がより好ましい。
ガラス中の修飾酸化物のフィールドストレングスについて、P:70%、Al:10%、CuO:4%、XO(XはLi、Na、K、Ba、Sr、Ca、Zn、またはMgを表し、XがLi、Na,Kの場合には、nは2を表わし、Ba、Sr、Ca、Zn、Mgの場合には、nは1を表わす。):20%(全てモル数を示す。P、Al及びXOの合計100%に対し、CuOを外掛けで4%添加する。)のリン酸塩系ガラスにおいて修飾酸化物であるXOの種類を変えた場合のCu2+の吸収ピークの波数と各元素のフィールドストレングスとの関係を図2に示す。修飾酸化物のフィールドストレングスが小さいほど、吸収ピークの波数が小さくなり、Cu2+の近赤外域の光の吸収性が上がることがわかる。
これらより、ガラス中の修飾酸化物のフィールドストレングスの平均値を小さくするためには、フィールドストレングスが相対的に小さいNaOやKOを、他の修飾酸化物と比較し多く含有することが効果的であることがわかる。
そのため、ガラスに含有する修飾酸化物のバランスは、(NaO+KO)/(LiO+MgO+CaO+SrO+BaO)を大きくすればよいが、大きすぎる場合、耐候性の低下につながるため、これらの比は1.5〜15の範囲である。さらにこれらの比は、2〜15が好ましく、2.5〜11がより好ましく、3〜9がもっとも好ましい。
本発明のガラスは、F、PbO、As、CeO、V、SiO、ZnO、および/または希土類元素を実質的に含有しないことが好ましい。F、As、CeOなどは、幅広い温度域で清澄ガスを発生できる優れた清澄剤として従来のガラスに用いられている。また、PbOはガラスの粘度を下げ、製造作業性を向上させる成分として用いられている。しかし、F、PbO、Asなどは環境負荷物質であるため、できるだけ含有しないことが望ましい。また、CeO、Vなどは、ガラスに含有するとガラスの可視領域の透過率が低下するため、可視領域の透過率が高いことが要求される本発明の近赤外線カットフィルタガラスにおいては、できるだけ含有しないことが望ましい。また、SiO、ZnO、希土類元素などは、ガラスに含有するとガラスの近赤外領域のカット性が低下するため、本発明の近赤外線カットフィルタガラスにおいては、含有しないことが好ましい。なお、実質的に含有しないとは、原料として意図して用いないことを意味しており、原料成分や製造工程から混入する不可避不純物については実質的に含有していないとみなす。また、前記不可避不純物を考慮し、実質的に含有しないこととは含有量が0.05%以下であることを意味する。
本発明の近赤外線カットフィルタガラスの分光特性は、波長600〜700nmの分光透過率において、透過率50%を示す波長が650nmとなるように換算したときに、波長900nmにおける分光透過率が、2.5%以下であることが好ましく、2%以下であるとより好ましく、1.5%以下であるとさらに好ましい。1%以下であると極めて好ましく、0.5%以下であるともっとも好ましい。同様に、波長1000nmにおける分光透過率が、3.5%以下であることが好ましく、3%以下であるとより好ましく、2%以下であるとさらに好ましい。1%以下であると極めて好ましく、0.5%以下であるともっとも好ましい。同様に、波長1100nmにおける分光透過率が、7%以下であることが好ましく、5%以下であるとより好ましく、4%以下であるとさらに好ましい。2%以下であると極めて好ましく、1%以下であるともっとも好ましい。なお、上記において、ガラスの分光特性は、透過率50%を示す波長が650nmとなるように換算した透過率特性を用いている。これは、ガラスの透過率は厚みによって変化するが、均質なガラスであれば、光の透過する方向におけるガラスの厚さと透過率がわかれば、所定の厚さの透過率を計算によって求めることができるためである。
本発明の近赤外線カットフィルタガラスは、次のようにして作製することができる。まず得られるガラスが上記組成範囲になるように原料を秤量、混合する。この原料混合物を白金ルツボに収容し、電気炉内において900〜1400℃の温度で加熱溶融する。十分に撹拌・清澄した後、金型内に鋳込み、徐冷した後、切断・研磨して所定の内厚の平板状に成形する。
本発明の近赤外線カットフィルタガラスは、上記のガラス構成を備えることにより、ガラスが安定であることも特徴である。ガラスが安定であるとは、液相温度付近の温度域での安定性とガラス転移点Tg付近の温度域での安定性の2つが挙げられる。具体的には、液相温度付近の温度域での安定性は、液相温度が低いこと、また、液相温度付近で失透の成長が遅いことであり、ガラス転移点Tg付近の温度域での安定性は、結晶化温度Tcや結晶化開始温度Txが高いこと、Tc・Tx付近で失透の成長が遅いことである。これにより、ガラスの溶融成形工程において失透が発生しにくく、歩留まりが高い、製造し易いガラスとすることが可能である。
本発明の近赤外線カットフィルタガラスは、上記のとおり近赤外線カット性に優れ、さらに安定したガラスであるため耐失透性に優れている。このため、固体撮像素子の視感度補正フィルタとして好適に用いることが可能である。
そして、ガラス中のCuOの含有量を増やしたり、誘電体多層膜(近赤外線カット膜)を設けることなく、近赤外線カットフィルタガラスの可視域透過率を高く維持しつつ近赤外域の光のカット性を向上することが可能である。なお、所望の分光特性を得るために本発明の近赤外線カットフィルタガラスに誘電体多層膜(近赤外線カット膜)を設けることは当然可能であるが、ガラスの近赤外線カット性が高いため、設ける誘電体多層膜の層数を少なくすることが可能である。
また、ガラスに誘電体多層膜を設ける場合であっても近赤外線カットフィルタガラスの製造コストを従来と比べて低くすることができる。
以下本発明の実施例によりさらに詳細に説明するが、これらに限定して解釈されるものではない。
本発明の実施例及び比較例を表1及び表2に示す。なお、本明細書において、例1〜例9、11、12は実施例であり、例15〜例17は比較例であり、例10、13、14は参考例である。
表中、各成分の空欄は、含有量が0質量%であることを意味する。
また、表中、ΣROはLiO、NaO、およびKOの含有量の合計量を意味し、ΣROはMgO、CaO、SrO、およびBaOの含有量の合計量を意味する。
これらガラスは、酸化物換算の質量%表示で、表に示す組成となるよう原料を秤量・混合し、内容積約300ccの白金ルツボ内に入れて、900〜1400℃で1〜3時間溶融、撹拌、清澄後、およそ400〜600℃に予熱した縦50mm×横50mm×高さ20mmの長方形のモールドに鋳込み後、約1℃/分で徐冷してサンプルとした。
ガラスの溶解性等については、上記サンプル作製時に目視で観察し、得られたガラスサンプルには泡や脈理のないことを確認した。
なお、各ガラスの原料は、Pの場合はHPOまたはメタリン酸塩原料を、Alの場合はAl(POまたはAlを、Bの場合はHBOを、LiOの場合はLiPOを、NaOの場合はNaPOを、KOの場合はKPOを、MgOの場合はMgOを、CaOの場合はCaCOを、SrOの場合はSrCOを、BaOの場合はBaPOを、ZnOの場合はZnOを、CuOの場合はCuOを、Sbの場合はSbを、それぞれ使用した。
Figure 0005842613
Figure 0005842613
以上のようにして作製したガラスについて、透過率について以下の方法により評価を行った。
透過率は、紫外可視近赤外分光光度計(Perkin Elmer社製、商品名:LAMBDA 950)を用いて評価した。具体的には、縦20mm×横20mm×厚さ0.3mmの、両面を光学研磨したガラスサンプルを準備し、測定を行った。
図1に示す実施例及び比較例のガラスの分光透過率より、比較例の各ガラスは、実施例の各ガラスと比較し、特に650〜1200nmの近赤外域の光のカット性が悪く、これに対し、本発明に係る実施例の各ガラスは、近赤外線カット性が高いことがわかる。また、600〜700nm付近の波長域の光のカットオフ性を比較すると、実施例のガラスの方が比較例のガラスに比べ急峻であることがわかる。
このため、本発明の近赤外線カットフィルタガラスは、近赤外線カット能を補うための近赤外線カット膜(誘電体多層膜)をガラス表面に設ける必要がなくなるため、もしくは近赤外線カット膜を設けるとしても膜層数を少なく、膜厚を薄くできるため、膜成形に起因する不良を抑制することができる。これにより、近赤外線カットフィルタガラスを低コストで製造することが可能となる。また、ガラスの可視域透過率が高く、近赤外線カット性が高いため、固体撮像素子用の近赤外線カットフィルタ用ガラスとして好適に用いることができる。
本発明によれば、リン酸塩系ガラスのガラス組成を特定範囲とする際、修飾酸化物のフィールドストレングスが小さくなるようにすることで、ガラス中のCu2+による近赤外域の光の吸収を一層高く機能させることができるため、可視域透過率を高く維持しつつ、近赤外域の光の透過率を低く抑えることができる近赤外線カットフィルタガラスを低コストで提供することが可能となり、産業上有用である。
なお、2009年10月16日に出願された日本特許出願2009−239312号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (2)

  1. 下記酸化物換算の質量%表示で、
    65〜85%、
    Al 1〜20%、
    0〜1%、
    LiO 0〜2%、
    NaO 1〜15%、
    O 0〜15%、
    LiO+NaO+KO 8.0〜20%、
    MgO 0〜2%、
    CaO 0〜2%、
    SrO 0〜5%、
    BaO 0〜10%、
    MgO+CaO+SrO+BaO 1〜10%、
    CuO 0.5〜20%、
    Sb 0〜5%、
    を含み、かつ
    /(Al+B) 5〜15、
    (NaO+KO)/(LiO+MgO+CaO+SrO+BaO) 2〜15、
    であることを特徴とする近赤外線カットフィルタガラス。
  2. 実質的にF、PbO、As、CeO、V、SiO、ZnO、および希土類元素を含まないことを特徴とする請求項1に記載の近赤外線カットフィルタガラス。
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