JP5841778B2 - 粘着テープ用基材 - Google Patents

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Description

本発明は、粘着テープ用基材及び粘着テープ用基材の製造方法に関する。
基材と、この基材の表面に積層された粘着剤とを有する粘着テープは、物品を別の物品に固定する用途や、塗装や養生時のマスキング用途等に用いられる。この粘着テープの基材としては、一般に、パルプ繊維を抄紙して得られる紙のほか、ポリエステル樹脂から形成されるフィルム等が用いられる。
しかしながら、粘着テープを貼着する面が曲面の場合や凹凸を有する場合に、上記基材では伸縮性の低さから形状の追従性が悪く、このような面に対しては貼着後に基材の形状の戻りによって粘着テープの剥離が生じるため、好適に用いることができなかった。そこで、ポリエステル繊維を抄紙して得られるポリエステル紙又はポリエステル繊維から形成される不織布を用いた粘着テープ用基材が考案されている(特開2004−24958号公報等参照)。
上記公報に開示された粘着テープ用基材は、延伸性を有するため粘着テープの被貼着面への追従性に優れ、曲面や凹凸部にも好適に用いることができる。ただし、この粘着テープ用基材は、内部に多数の空隙を有するため、粘着テープの粘着剤や粘着テープ上に塗工される塗料等を浸透させ易いという特徴がある。そのため、上記従来の粘着テープ用基材においては、基材の片面のみに粘着剤を積層した片面粘着テープに用いる場合、積層した粘着剤が基材の外面(貼着面と反対側の面)に裏抜けし、これによって接着性が低下する不都合がある。また、マスキング用途に用いる場合、貼着後に粘着テープ上に塗工される塗料等が、粘着テープの貼着面まで浸透し、粘着剤層と反応して粘着テープの剥離後に粘着剤の一部等が残存する不都合がある。
特開2004−24958号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、被貼着面の形状に対する追従性に優れ、かつ粘着剤等の裏抜けを防止することができる粘着テープ用基材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
繊度が0.5dtex以上2.2dtex以下であるポリエステル製の第一単一構造繊維と、
上記第一単一構造繊維とは異なる繊度であって、繊度が0.06dtex以上0.5dtex以下であるポリエステル製の第二単一構造繊維と、
繊度が0.5dtex以上2.2dtex以下であるポリエステル製の芯鞘構造繊維と
を含む粘着テープ用基材である。
当該粘着テープ用基材は、上述の繊度を有するポリエステル製の第一単一構造繊維及び第二単一構造繊維並びに芯鞘構造繊維を抄紙したポリエステル紙からなるため、第一単一構造繊維や芯鞘構造繊維で形成された繊維層の隙間を繊度の小さい第二単一構造繊維が埋めるため、柔軟性が高く、基材を構成する繊維間の空隙が少ない。そのため、当該粘着テープ用基材は、被貼着面の形状に対する追従性に優れ、かつ粘着剤等の裏抜けを防止することができる。特に、片面粘着テープ用基材として好適に用いられ、粘着剤等の裏抜けによって接着性が低下することを効果的に防止することができる。
また、当該粘着テープ用基材は、上述の第一単一構造繊維と、芯鞘構造繊維と、第一単一構造繊維や芯鞘構造繊維よりも繊度が小さい第二単一構造繊維とを混合して抄紙しているため繊維の絡みが良くなり、基材を構成する繊維がランダムに配向しやすくなる。そのため、基材の縦目方向と横目方向での引張強さの差異が小さくなり、物品への貼着後に任意の方向から剥離することができる。
上記第一単一構造繊維の含有率が10質量%以上30質量%以下であり、上記第二単一構造繊維の含有率が20質量%以上50質量%以下であり、上記芯鞘構造繊維の含有率が30質量%以上60質量%以下であるとよい。
当該粘着テープ用基材を形成する各繊維の含有率がそれぞれ上述の範囲にあることによって、当該粘着テープ用基材は、基材を構成する繊維間の空隙をさらに少なくすることができる。その結果、当該粘着テープ用基材は、粘着剤等の裏抜けをより効果的に防止することができる。特に、上述と同様に、片面粘着テープ用基材として好適に用いることができる。
当該粘着テープ用基材は、密度が0.6g/cm以上であり、透気度が6秒/300ml以上であるとよい。密度及び透気度を上記下限以上とすることによって、基材を構成する繊維間の空隙を少なくすることができ、粘着剤等の裏抜けをより効果的に防止することができる。特に、上述と同様に、片面粘着テープ用基材として好適に用いることができる。
当該粘着テープ用基材は、坪量が5g/m以上30g/m以下であるとよい。当該粘着テープ用基材の坪量を上記範囲とすることで、被貼着面の形状に対する追従性を高めつつ、粘着剤等の裏抜けを防止することができる。特に、上述と同様に、片面粘着テープ用基材として好適に用いることができる。
また、上記課題を解決するためになされた発明は、
繊度が0.5dtex以上2.2dtex以下であるポリエステル製の第一単一構造繊維と、
上記第一単一構造繊維とは異なる繊度であって、繊度が0.06dtex以上0.5dtex以下であるポリエステル製の第二単一構造繊維と、
繊度が0.5dtex以上2.2dtex以下であるポリエステル製の芯鞘構造繊維と
を抄紙し、ポリエステル紙を得る抄紙工程と、
上記ポリエステル紙をカレンダー加工するカレンダー加工工程と
を有する粘着テープ用基材の製造方法である。
上記製造方法で得られた粘着テープ用基材は、柔軟性が高く、かつ基材を構成する繊維間の空隙が少ないため、被貼着面の形状に対する追従性に優れ、かつ粘着剤等の裏抜けを防止することができる。また、基材を構成する繊維がランダムに配向しやすく、基材の縦目方向と横目方向での引張強さの差異が小さくなり、物品への貼着後に任意の方向から剥離することができる。
ここで、「繊度」とは、JIS L1095に準拠して測定される値である。「密度」とは、JIS 8118に準拠して測定される値である。「透気度」とは、JIS P8117に準拠して粘着テープ用基材を10枚重ねたものを空気300mlが通過する時間(秒)を測定した値である。「坪量」とは、JIS P8124に準拠して測定される値である。
以上説明したように、本発明の粘着テープ用基材は、被貼着面の形状に対する追従性に優れ、かつ粘着剤等の裏抜けを防止することができる。
以下、本発明の実施形態を詳説する。
本発明の粘着テープ用基材は、繊度が0.5dtex以上2.2dtex以下であるポリエステル製の第一単一構造繊維と、上記第一単一構造繊維とは異なる繊度であって、繊度が0.06dtex以上0.5dtex以下であるポリエステル製の第二単一構造繊維と、繊度が0.5dtex以上2.2dtex以下であるポリエステル製の芯鞘構造繊維とを含むことを特徴とするものである。
当該粘着テープ用基材は、上述の繊度を有するポリエステル製の第一単一構造繊維及び第二単一構造繊維並びに芯鞘構造繊維を抄紙して得られるポリエステル紙からなるため、柔軟性が高く、かつ基材を構成する繊維間の空隙が少ない。そのため、当該粘着テープ用基材は、被貼着面の形状に対する追従性に優れ、かつ粘着剤等の裏抜けを防止することができる。特に、片面粘着テープ用基材として好適に用いられ、粘着剤等の裏抜けによって接着性が低下することを効果的に防止することができる。
また、当該粘着テープ用基材は、上述の第一単一構造繊維と、芯鞘構造繊維と、第一単一構造繊維や芯鞘構造繊維よりも繊度が小さい第二単一構造繊維とを混合して抄紙しているため繊維の絡みが良くなり、基材を構成する繊維がランダムに配向しやすくなる。そのため、基材の縦目方向と横目方向での引張強さの差異が小さくなり、物品への貼着後に任意の方向から剥離することができる。
以下、当該粘着テープ用基材を構成するのに好適な原料及び当該粘着テープ用基材の製造方法について説明する。
<ポリエステル繊維>
当該粘着テープ用基材に用いることができるポリエステル繊維(第一単一構造繊維、第二単一構造繊維及び芯鞘構造繊維)の材質としては、ポリエステルである限り特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート等のグリコール・ジカルボン酸重縮合系、ポリグリコール酸、ポリ乳酸等のポリラクチド類、ポリラクトン類等からなるポリエステル繊維を用いることができる。これらの中でも、耐熱性、耐候性等の諸機能面及び価格面のバランスが良好なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
<単一構造繊維>
当該粘着テープ用基材に用いる第一単一構造繊維は、芯鞘構造を有しない単一構造のポリエステル繊維である。
第一単一構造繊維の繊度は、0.5dtex以上2.2dtex以下であることが好ましく、0.6dtex以上1.7dtex以下がさらに好ましい。第一単一構造繊維の繊度が0.5dtex未満では、繊維の分散性が悪く地合が悪くなるおそれや、縦目方向の引張強さに対する横目方向の引張強さの比(Y/T比)が小さくなり当該粘着テープを剥離する際に粘着テープの破れが生じるおそれがある。逆に、第一単一構造繊維の繊度が2.2dtexを超えると、繊維同士の絡みが少なく強度が低下するおそれや、第一単一構造繊維間の空隙が大きくなり粘着剤等が裏抜けするおそれがある。
第一単一構造繊維の長さは、1mm以上10mm以下であることが好ましい。第一単一構造繊維の長さが1mm未満では、繊維同士の絡まりが悪く、強度が低下するおそれがある。逆に、第一単一構造繊維の長さが10mmを超えると、結束が増え、地合が落ちるおそれや、柔軟性が低下し被貼着面の形状に対する追従性が低下するおそれがある。
当該粘着テープ用基材に用いる第二単一構造繊維は、第一単一構造繊維と同じく、芯鞘構造を有しない単一構造のポリエステル繊維であり、第一単一構造繊維とは異なる繊度を有する。
第二単一構造繊維の繊度は、0.06dtex以上0.5dtex以下であることが好ましく、0.2dtex以上0.4dtex以下がさらに好ましい。第二単一構造繊維の繊度が0.06dtex未満では、抄紙工程において繊維がシートに定着せず脱落するおそれがある。また、繊維間の空隙を埋める効果が少なく、粘着剤等の裏抜けが生じるおそれがある。逆に、第二単一構造繊維の繊度が0.5dtexを超えると、第一単一構造繊維との絡みが低下してY/T比が小さくなるために当該粘着テープを剥離する際に粘着テープの破れが生じるおそれがあり、また、当該粘着テープ用基材を構成する繊維間の空隙が増加し、粘着剤等が裏抜けし易くなるおそれがある。
第二単一構造繊維の長さは、1mm以上10mm以下であることが好ましい。第二単一構造繊維の長さが1mm未満では、繊維同士の絡まりが少なく強度が低下するおそれがある。逆に、第二単一構造繊維の長さが10mmを超えると、結束が増え、地合が落ちるおそれや、柔軟性が低下し被貼着面の形状に対する追従性が低下するおそれがある。
上記第一単一構造繊維及び第二単一構造繊維の融点は260℃以上が好ましい。第一単一構造繊維及び第二単一構造繊維の融点が260℃未満では、当該粘着テープ用基材のカレンダー加工時において、これらの繊維が融解することによって、当該粘着テープ用基材の強度が低下するおそれがある。
上記第一単一構造繊維及び第二単一構造繊維の結晶化度が10%以上であるとよい。第一単一構造繊維及び第二単一構造繊維の結晶化度が10%未満では、カレンダー加工の際に繊維が軟化して接着することで基材が硬化するおそれがあり、その結果、粘着テープ用基材の被貼着面の形状に対する追従性が低下するおそれがある。
<芯鞘構造繊維>
当該粘着テープ用基材に用いる芯鞘構造繊維は、芯部及び鞘部が上述のポリエステル繊維で構成される。
芯鞘構造繊維の繊度は、0.5dtex以上2.2dtex以下であることが好ましく、1.0dtex以上2.0dtex以下がさらに好ましい。芯鞘構造繊維の繊度が0.5dtex未満では、繊維の分散性が悪く地合が悪くなるおそれや、強度が低下するおそれがある。逆に、芯鞘構造繊維の繊度が2.2dtexを超えると、Y/T比が小さくなり、当該粘着テープ用基材を用いた粘着テープの剥離性が低下する。
芯鞘構造繊維の長さは、1mm以上10mm以下であることが好ましい。芯鞘構造繊維の長さが1mm未満では、繊維同士の絡まりが少なく強度が低下するおそれがある。逆に、芯鞘構造繊維の長さが10mmを超えると、結束が増え、地合が落ちるおそれや、柔軟性が低下し被貼着面の形状に対する追従性が低下するおそれがある。
この芯鞘構造繊維の鞘部の融点は、100℃以上140℃以下が好ましい。鞘部の融点を上記範囲とすることによって、上記第一単一構造繊維、第二単一構造繊維及び芯鞘構造繊維を抄紙して得られるポリエステル紙の強度を確保しつつ、基材を構成する繊維間の空隙を減少させることができる。結果として、当該粘着テープ用基材は、適度な強度を有しつつ、粘着剤等の裏抜けを効果的に防止することができる。
上記芯鞘構造繊維の芯部の融点は260℃以上が好ましい。芯部の融点が260℃未満では、当該粘着テープ用基材のカレンダー加工工程において、これらの繊維が融解するおそれがあり、当該粘着テープ用基材の強度を確保できないおそれがある。
上記芯鞘構造繊維の芯部の質量に対する鞘部の質量の比が0.2以上3以下であるとよい。芯鞘構造繊維の芯部の質量に対する鞘部の質量の比を上記範囲とすることによって、上記繊維を抄紙して得られるポリエステル紙の強度を確保しつつ、基材を構成する繊維間の空隙を減らすことができる。結果として、当該粘着テープ用基材は、適度な強度を有しつつ、粘着剤等の裏抜けを効果的に防止することができる。
当該粘着テープ用基材においては、第一単一構造繊維の含有率が10質量%以上30質量%以下であり、第二単一構造繊維の含有率が20質量%以上50質量%以下であり、芯鞘構造繊維の含有率が30質量%以上60質量%以下であることが好ましく、第一単一構造繊維の含有率が15質量%以上25質量%以下であり、第二単一構造繊維の含有率が35質量%以上45質量%以下であり、芯鞘構造繊維の含有率が35質量%以上45質量%以下であることがさらに好ましい。
当該粘着テープ用基材を形成する各繊維の含有率がそれぞれ上述の範囲にあることによって、当該粘着テープ用基材は、基材を構成する繊維間の空隙をさらに少なくすることができる。その結果、当該粘着テープ用基材は、粘着剤等の裏抜けをより効果的に防止することができる。特に、第二単一構造繊維の含有率が20質量%未満では、基材を構成する繊維間の空隙が多くなり、粘着剤等が裏抜けし易くなるおそれがある。逆に、第二単一構造繊維の含有率が50質量%を超えると、当該粘着テープ用基材がフィルムに近い地合となり、被貼着面への追従性が低下するおそれがある。また、芯鞘構造繊維の含有率が30質量%未満では、テープの強度が低下するおそれがあり、60質量%を超えると、カレンダー加工時にカレンダー表面に基材が貼りつき、操業性が悪化するおそれがある。
以上のように、繊度が0.5dtex以上2.2dtex以下であるポリエステル製の第一単一構造繊維と、上記第一単一構造繊維とは異なる繊度であって、繊度が0.06dtex以上0.5dtex以下であるポリエステル製の第二単一構造繊維と、繊度が0.5dtex以上2.2dtex以下であるポリエステル製の芯鞘構造繊維とを材料として用い、さらに第一単一構造繊維の含有率を10質量%以上30質量%以下、第二単一構造繊維の含有率を20質量%以上50質量%以下、芯鞘構造繊維の含有率を30質量%以上60質量%以下とすることにより、基材の柔軟性を保ちつつ、基材を構成する繊維間の空隙をより少なくすることができ、Y/T比が高く当該粘着テープを剥離する際に粘着テープの破れが生じず、被貼着面の形状に対する追従性に優れ、かつ粘着剤等の裏抜けしない粘着テープ用基材が得られるため好ましい。
当該粘着テープ用基材は、原料の繊維として、上記の第一単一構造繊維、第二単一構造繊維及び芯鞘構造繊維のみを含有することが好ましいが、これら以外の繊維を原料として含有していてもよい。この繊維としては、ポリエステルの他に、例えば、レーヨン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリオレフィン、アクリル等の合成繊維や木材パルプ等の天然パルプ繊維を用いることができる。
<分散剤>
当該粘着テープ用基材は、表面に塗布される粘着剤等が均一に浸透するように、繊維を分散させる目的で分散剤が添加されることが好ましい。当該粘着テープ用基材を形成する原料(ポリエステル繊維)に配合する分散剤としては、親水性と疎水性とを有する分散剤が好ましい。このような分散剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、陰イオン性分散剤(アニオン性分散剤)、陽イオン性分散剤(カチオン性分散剤)、両性分散剤(双性分散剤)、非イオン性分散剤(ノニオン性分散剤)等を用いることができる。これらの中でもカチオン性分散剤がポリエステル繊維に対する分散力に優れているため、特に好ましい。
上記分散剤の配合量は、ポリエステル繊維100質量部に対して、0.2質量部以上1.0質量部以下が好ましく、0.5質量部以上0.8質量部以下がより好ましい。分散剤の配合量が0.2質量部未満では、十分な分散効果が得られないおそれがある。逆に、分散剤の配合量が1.0質量部を超えると、ポリエステル繊維のスラリーが発泡しやすくなり、抄紙時に基材に穴を発生させるおそれがある。
<消泡剤>
当該粘着テープ用基材は、基材を構成する繊維間の空隙を減少させる目的で消泡剤が添加されることが好ましい。当該粘着テープ用基材を形成する原料(ポリエステル繊維)に配合する消泡剤としては、例えば、界面活性剤系やシリコン系の消泡剤を用いることができる。
上記消泡剤の配合量は、ポリエステル繊維100質量部に対して、0.4質量部以上1.2質量部以下が好ましく、0.6質量部以上1.0質量部以下がより好ましい。消泡剤の配合量が0.4質量部未満では、十分な消泡効果が得られず粘着剤等が裏抜けし易くなるおそれがある。逆に消泡剤の配合量が1.2質量部を超えると地合が悪化するおそれがある。
なお、当該粘着テープ用基材には、上記分散剤及び消泡剤の他に、顔料や充填剤等の種々の添加剤を配合することができる。
<粘着テープ用基材>
当該粘着テープ用基材の密度としては、0.6g/cm以上1.0g/cm以下が好ましく、0.65g/cm以上1.0g/cm以下がより好ましい。当該粘着テープ用基材の密度が0.6g/cm未満では、基材を構成する繊維間の空隙が多くなり、粘着剤等が裏抜けし易くなるおそれがある。逆に、当該粘着テープ用基材の密度が1.0g/cmを超えると、当該粘着テープ用基材がフィルムに近い地合となり、被貼着面への追従性が低下するおそれがある。
当該粘着テープ用基材の透気度としては、6秒/300ml以上25秒/300ml以下が好ましく、8秒/300ml以上25秒/300ml以下がより好ましく、10秒/300ml以上25秒/300ml以下が特に好ましい。当該粘着テープ用基材の透気度が6秒/300ml未満では、通気性が高くなるため、粘着剤等が裏抜けし易くなるおそれがある。逆に、当該粘着テープ用基材の透気度が25秒/300mlを超えると、当該粘着テープ用基材がフィルムに近い地合となり、被貼着面への追従性が低下するおそれがある。
当該粘着テープ用基材の密度は、例えば、繊維の繊度、繊維長、配合質量割合や、坪量等を変化させることによって調節することができる。また、透気度は、例えば、繊維の繊度、繊維長、配合質量割合や、坪量等を変化させることによって調節することができる。
当該粘着テープ用基材は、縦目方向の引張強さに対する横目方向の引張強さの比(Y/T比)が0.5以上1.0以下であるとよい。縦目方向の引張強さに対する横目方向の引張強さの比を上記範囲とすることによって、基材の延伸特性の引張方向による差異が小さくなり、当該粘着テープ用基材は、物品への貼着後に任意の方向から剥離することができる。縦目方向の引張強さに対する横目方向の引張強さの比が0.5未満では、当該粘着テープ用基材を用いた粘着テープの剥離時に、剥離方向によっては基材が裂けるおそれがある。なお、「引張強さ」とは、JIS P8113に準拠して測定される値である。
当該粘着テープ用基材の縦目方向の引張強さに対する横目方向の引張強さの比は、例えば、繊維の繊度、繊維長、配合質量割合等を変化させることや抄紙機の型式を選択することによって調節することができる。
当該粘着テープ用基材の坪量は、5g/m以上30g/m以下が好ましく、8g/m以上15g/m以下がより好ましい。当該粘着テープ用基材の坪量が5g/m未満では、当該粘着テープ用基材の強度が低下し粘着テープの剥離性が低下するおそれや粘着剤等が裏抜けし易くなるおそれがある。逆に、当該粘着テープ用基材の坪量が30g/mを超えると、当該粘着テープ用基材を用いた粘着テープの厚さが大きくなり、被貼着面への追従性が低下するおそれがある。
<粘着テープ用基材の製造方法>
当該粘着テープ用基材は、ポリエステル紙を抄紙する抄紙工程と、抄紙により得たポリエステル紙をカレンダー加工するカレンダー加工工程とを有する製造方法によって製造することができる。
上記抄紙工程は、上記第一単一構造繊維、第二単一構造繊維及び芯鞘構造繊維に、好ましくは上記分散剤及び消泡剤等を配合した原料を用いてポリエステル紙を抄紙する工程である。この抄紙工程としては、通常の製紙に用いられる手法であれば特に限定されるものではなく、例えば、円網抄紙機、短網抄紙機、長網抄紙機、傾斜短網抄紙機等を用いることができる。この中でも、当該粘着テープ用基材の引張強さの等方性を向上させることができる傾斜短網抄紙機が好ましい。傾斜短網抄紙機を用いることによって、当該粘着テープ用基材のY/T比を高めることができる。
上記カレンダー加工工程は、上記抄紙工程によって得られたポリエステル紙の繊維間の接着を増強し、ポリエステル紙に適度な強度と追従性を付与するために熱処理を施す工程である。また、ポリエステル紙の厚みを均一化する工程である。カレンダーの温度は100℃以上250℃以下が好ましい。
なお、熱カレンダー処理を行うと、紙面温度が高い状態で平坦化処理をすることができ、平滑性を向上させやすい。上記熱カレンダーとしては、例えば、加熱手段を備えた金属ロールと弾性ロールとで構成されるソフトカレンダー等を用いることができる。上記製造工程により製造された当該粘着テープ用基材は、被貼着面の形状に対する追従性に優れ、かつ粘着剤等の裏抜けを防止することができる。特に、片面粘着テープ用基材として好適に用いられ、粘着剤等の裏抜けによって接着性が低下することを効果的に防止することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、本実施例における各測定値は、以下の方法にて測定した値である。
[繊度(単位:dtex)]
JIS−L1095(2010)「一般紡績糸試験方法」に準拠して測定した。
[坪量(単位:g/m)]
JIS−P8124(1998)「紙及び板紙−坪量測定方法」に準拠して測定した。
[密度(単位:g/cm)]
JIS−P8118(1998)「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した。
[透気度(単位:秒/300ml)]
JIS−P8117(1998)「紙及び板紙−透気度試験方法−ガーレー試験機法」に準拠し、粘着テープ用基材を10枚重ねたものを空気300mlが通過する時間(秒)を測定した。
[引張強さ(単位:N/m)]
JIS−P8113(2006)「紙及び板紙−引張特性の試験方法−第2部:定速伸張法」に準拠して測定した。Y/T比は、粘着テープ用基材の縦目方向と横目方向の引張強さの測定値から下記の式にて求めた。
Y/T比=引張強さ(横)/引張強さ(縦)
本実施例においては、以下の各品質について評価を行った。
(1)形状追従性
粘着テープ用基材の片面にアクリル系粘着剤(日本合成化学工業株式会社製、品名:コーポニール5411)を50μmの厚みで塗布した粘着テープを凹凸面に貼着し、形状追従性を以下の基準で評価した。
(評価基準)
◎:優れた形状追従性を有する。
○:形状追従性を有する。
△:形状追従性を多少有する。
×:形状追従性を有さず、凹凸面への貼着は不可能。
(2)粘着剤の裏抜け
上記(1)と同様の粘着テープを平面に貼着後、20分静置した後、粘着剤の裏抜けを以下の基準で評価した。
(評価基準)
◎:基材の裏面に粘着剤の裏抜けがない。
○:基材の裏面に、目視では確認できないが、ルーペで拡大すると微量の粘着剤の裏抜けが確認できる。
△:基材の裏面に、目視で確認できる少量の粘着剤の裏抜けがある。
×:基材の裏面に、粘着剤の裏抜けが多量に発生し、実使用不可能。
(3)剥離性
上記(1)と同様の粘着テープを平面に貼着後、基材の横目方向に剥離して、剥離性を以下の基準で評価した。
(評価基準)
◎:横目方向から剥離しても、基材が全く裂傷せずに剥離することが可能。
○:横目方向から剥離しても、基材がほとんど裂傷せずに剥離することが可能。
△:横目方向から剥離しても、基材が多少裂傷するが、剥離は可能。
×:横目方向から剥離した場合、基材が完全に裂け、剥離不可能。
[実施例1]
繊度が0.6dtex、長さが5mmの第一単一構造繊維(ポリエステル繊維、ユニチカファイバー株式会社製)を20質量%、繊度が0.3dtex、長さが3mmの第二単一構造繊維(ポリエステル繊維、帝人ファイバー株式会社製)を40質量%、繊度が1.7dtex、長さが5mmの芯鞘構造繊維(芯鞘ポリエステル繊維、ユニチカファイバー株式会社製、芯部:融点255℃、鞘部:融点110℃)を40質量%配合した原料を用いて、傾斜短網抄紙機にて粘着テープ用基材を製造した。なお、粘着テープ用基材の坪量は12g/mとした。
また、上記原料には分散剤としてカチオン性分散剤(竹本油脂株式会社製)を、ポリエステル繊維100質量部に対して、0.8質量部添加し、消泡剤として界面活性剤系消泡剤(伯東株式会社製)を、ポリエステル繊維100質量部に対して、1質量部添加した。
上記原料を抄紙してポリエステル紙を得た後、熱カレンダー処理を行い、粘着テープ用基材を製造した。なお、熱カレンダー処理の加熱温度は200℃とした。
以上の工程で得られた実施例1の粘着テープ用基材の密度、透気度及び縦目方向の引張強さに対する横目方向の引張強さの比(Y/T比)を計測した結果、密度は0.68g/cmであり、透気度は11.0秒/300mlであり、Y/T比は0.58であった。
[実施例2〜17及び比較例1〜5]
各実施例及び比較例における原料の第一単一構造繊維、第二単一構造繊維及び芯鞘構造繊維の繊度及び含有率は表1の通りとした。添加剤(分散剤及び消泡剤)の種類及び添加量並びに粘着テープ用基材の製造方法は実施例1と同様とした。
[品質評価]
実施例1〜17及び比較例1〜5で得られた各粘着テープ用基材について、上述の品質評価を行った。品質評価結果について、表1に示す。
Figure 0005841778
表1の結果から示されるように、実施例1〜17の粘着テープ用基材は、被貼着面の形状に対する追従性に優れ、かつ粘着剤等の裏抜けも防止することができる。また、剥離性にも優れ、基材の横目方向からの剥離も可能である。一方で、比較例1〜5は、実施例が奏するこれらの機能のうちどれかを欠き、実使用範囲にない。
以上のように、本発明の粘着テープ用基材は、被貼着面の形状に対する追従性に優れ、かつ粘着剤等の裏抜けを防止することができる。特に、片面粘着テープ用基材として好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 繊度が0.5dtex以上2.2dtex以下であるポリエステル製の第一単一構造繊維と、
    上記第一単一構造繊維とは異なる繊度であって、繊度が0.06dtex以上0.5dtex以下であるポリエステル製の第二単一構造繊維と、
    繊度が0.5dtex以上2.2dtex以下であるポリエステル製の芯鞘構造繊維と
    からなる原料繊維を含む粘着テープ用基材。
  2. 上記第一単一構造繊維の含有率が10質量%以上30質量%以下であり、
    上記第二単一構造繊維の含有率が20質量%以上50質量%以下であり、
    上記芯鞘構造繊維の含有率が30質量%以上60質量%以下である請求項1に記載の粘着テープ用基材。
  3. 密度が0.6g/cm以上であり、透気度が6秒/300ml以上である請求項1又は請求項2に記載の粘着テープ用基材。
  4. 坪量が5g/m以上30g/m以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の粘着テープ用基材。
  5. 繊度が0.5dtex以上2.2dtex以下であるポリエステル製の第一単一構造繊維と、
    上記第一単一構造繊維とは異なる繊度であって、繊度が0.06dtex以上0.5dtex以下であるポリエステル製の第二単一構造繊維と、
    繊度が0.5dtex以上2.2dtex以下であるポリエステル製の芯鞘構造繊維と
    からなる原料繊維を抄紙し、ポリエステル紙を得る抄紙工程と、
    上記ポリエステル紙をカレンダー加工するカレンダー加工工程と
    を有する粘着テープ用基材の製造方法。
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