JP5882039B2 - 模様加工紙 - Google Patents

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Description

本発明は、模様加工紙に関する。
紙の表面に和紙調の風合いを形成した模様加工紙は、通常模様紙と呼ばれ、大札紙、雲龍紙、引っ掛け等の名称で上市されている。この模様加工紙は、食品をより美しく見せるための包装材として、和洋菓子の包装や菓子箱の中敷き等、多種多様な包装用紙に使用されている。
このような和紙調の風合いを有する模様加工紙は、一般にレーヨン繊維をパルプ繊維と混在させた原料を用いて製造されている。具体的には、レーヨン繊維及びパルプ繊維からなるベース層に、レーヨン繊維からなる模様層をポリビニルアルコールを成分とするバインダーで接着することで模様加工紙が形成されている。しかしながら、このような模様加工紙は、ポリビニルアルコールが水溶性であるため、水に濡れた場合に模様層の繊維がほぐれ羽毛立ちや破断が生じ易くなる。そのため、水に濡れるような環境で使用することができないという制限を有する。そこでこの欠点を補うべく、ポリビニルアルコールを使用せずに化学繊維を凝集させて模様を形成する模様加工紙が考案されている(特開2011−94253号公報等参照)。
上記公報に開示された模様加工紙は、パルプ繊維に化学繊維を含有する凝集体を添加した原料を抄紙することによって得られる。しかしながら、凝集体によって形成される模様の接着性が十分ではなく、使用時等に模様が剥離してしまう可能性があるという不都合を有している。
特開2011−94253号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、和紙調の風合いの模様、例えば雲がたなびくような模様を有し、耐水性に優れ、模様の接着強度が高い模様加工紙を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
ベース層と、このベース層と抄き合わせてなる模様層とを備える模様加工紙であって、
上記ベース層が、第一合成繊維を主成分として含有し、
上記模様層が、散在する第二合成繊維の凝集体からなり、
上記第二合成繊維の少なくとも表層が熱可塑性を有することを特徴とする模様加工紙である。
当該模様加工紙は、散在する第二合成繊維の凝集体からなる模様層によって和紙調の風合いの模様が形成される。また、当該模様加工紙は、模様層の第二合成繊維の少なくとも表層が熱可塑性を有することによって、抄紙時のドライヤー工程において熱可塑性を有する第二合成繊維の表層が融解し、ベース層の第一合成繊維と融着した後に硬化する。そのため、当該模様加工紙は、ポリビニルアルコールを用いることなくベース層と模様層とが接着され、水に濡れても羽毛立ちや破断が生じにくい。さらに、当該模様加工紙は、ベース層及び模様層の繊維同士が熱融着によって強力に接着される。従って、当該模様加工紙は和紙調の風合いの模様を有し、耐水性に優れ、かつベース層と模様層とが十分な接着強度を有することができる。
上記第一合成繊維及び第二合成繊維がポリエステル繊維であるとよい。このように第一合成繊維及び第二合成繊維としてポリエステル繊維を用いることによって、当該模様加工紙の耐水性、耐熱性、寸法安定性、耐候性等を向上させることができる。また、同種の合成繊維をベース層及び模様層に用いることによって、両者に含まれる繊維の接着強度を高めて、ベース層と模様層との接着強度を向上させることができる。
上記第二合成繊維が芯鞘構造繊維であるとよい。このように模様層の凝集体として芯鞘構造繊維を用いることによって、この芯鞘構造繊維の鞘部が抄紙時のドライヤー工程において融解しベース層の合成繊維と融着硬化するため、当該模様加工紙のベース層と模様層とが十分な接着強度を有することができる。さらに、凝集した芯鞘構造繊維の芯部は抄紙工程において融解せずに模様体を形成するため、当該模様加工紙は良好な和紙調の風合いを維持することができる。
上記ベース層が、第一合成繊維として延伸単一構造繊維と未延伸単一構造繊維とを含有し、第一合成繊維中の延伸単一構造繊維の含有割合が10質量%以上40質量%以下、第一合成繊維中の未延伸単一構造繊維の含有割合が60質量%以上90質量%以下であるとよい。このようにベース層に上記範囲の含有割合で延伸単一構造繊維と未延伸単一構造繊維とを含有させることによって、ベース層の引張強度を維持しつつ、ベース層と模様層との接点を増加させて接着強度を向上させることができる。
上記芯鞘構造繊維の鞘部の融点が90℃以上120℃以下であり、上記未延伸単一構造繊維の軟化点が80℃以上110℃以下であり、上記未延伸単一構造繊維の軟化点が上記芯鞘構造繊維の鞘部の融点よりも低いとよい。このように芯鞘構造繊維の鞘部の融点及び未延伸単一構造繊維の軟化点を上記範囲とすることによって、芯鞘構造繊維の鞘部の融着により模様層のベース層に対する接着強度を高めるとともに、未延伸単一構造繊維の軟化による接着効果によってベース層の引張強度を高めることができる。
上記芯鞘構造繊維の繊度が1.0dtex以上4.0dtex以下、繊維長が10mm以上30mm以下であり、上記延伸単一構造繊維の繊度が0.1dtex以上1.5dtex以下、繊維長が1mm以上10mm以下であり、上記未延伸単一構造繊維の繊度が1.0dtex以上2.2dtex以下、繊維長が1mm以上10mm以下であるとよい。このように芯鞘構造繊維及び単一構造繊維の繊度及び繊維長を上記範囲とすることによって、適度な繊維間の絡みを誘因してベース層と模様層との接着強度及びベース層の引張強度を向上させることができる。
ここで、「熱可塑性を有する」とは、80℃以上150℃未満で溶融することを意味する。「繊度」とは、JIS−L1095に準拠して測定される値である。「繊維長」とは、数平均繊維長を意味し、JIS−P8226に準拠して測定される値である。
以上説明したように、本発明の模様加工紙は、和紙調の風合いの模様を有し、耐水性に優れ、高い模様の接着強度を有する。
以下、本発明の実施形態を詳説する。
本発明の模様加工紙は、ベース層と、このベース層と抄き合わせてなる模様層とを備え、上記ベース層が第一合成繊維を主成分として含有し、上記模様層が散在する第二合成繊維の凝集体からなり、上記第二合成繊維の少なくとも表層が熱可塑性を有する。
当該模様加工紙は、散在する第二合成繊維の凝集体からなる模様層によって和紙調の風合いの模様が形成される。また、当該模様加工紙は、模様層の第二合成繊維の少なくとも表層が熱可塑性を有することによって、抄紙時のドライヤー工程において熱可塑性を有する第二合成繊維の表層が融解し、ベース層の第一合成繊維と融着した後に硬化する。そのため、当該模様加工紙は、ポリビニルアルコールを用いることなくベース層と模様層とが接着され、水に濡れても羽毛立ちや破断が生じにくい。さらに、当該模様加工紙は、ベース層及び模様層の繊維同士が熱融着によって強力に接着される。従って、当該模様加工紙は和紙調の風合いの模様を有し、耐水性に優れ、かつベース層と模様層とが十分な接着強度を有することができる。
以下、当該模様加工紙を構成するのに好適な原料及び当該模様加工紙の製造方法について説明する。
<ベース層>
当該模様加工紙が備えるベース層は、第一合成繊維を主成分として含有している。
(第一合成繊維)
ベース層に用いられる第一合成繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリウレタン繊維、ポリプロピレン繊維等を用いることができる。これらの中でも、耐水性、耐熱性、寸法安定性、耐候性等に優れるポリエステル繊維が好ましい。
ベース層に用いることができるポリエステル繊維の材質としては、ポリエステルである限り特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート等のグリコール・ジカルボン酸重縮合系、ポリグリコール酸、ポリ乳酸等のポリラクチド類、ポリラクトン類等からなるポリエステル繊維を用いることができる。これらの中でも、耐熱性、耐候性等の諸機能面及び価格面のバランスが良好なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
当該模様加工紙が備えるベース層は、第一合成繊維として、延伸単一構造繊維と未延伸単一構造繊維とを含有することが好ましい。この延伸単一構造繊維及び未延伸単一構造繊維は、芯鞘構造を有さない単一構造の繊維で、延伸単一構造繊維は紡糸後に延伸を行ったものであり、未延伸単一構造繊維は紡糸後に延伸を行っていないものである。この未延伸単一構造繊維は、抄紙の際のドライヤー工程において軟化し、繊維を接着する働きを有する。
上記延伸単一構造繊維の繊度は、0.1dtex以上1.5dtex以下であることが好ましく、0.3dtex以上1.0dtex以下がさらに好ましい。延伸単一構造繊維の繊度が0.1dtex未満では、ベース層の繊維間の空隙が少なくなって模様層がベース層に接着しにくくなるため、ベース層と模様層との接着強度が低下するおそれがある。逆に、延伸単一構造繊維の繊度が1.5dtexを超えると、ベース層と模様層との接点が少なくなり、ベース層と模様層との接着強度が低下するおそれがある。
上記延伸単一構造繊維の長さは、1mm以上10mm以下であることが好ましく、3mm以上7mm以下であることがさらに好ましい。延伸単一構造繊維の長さが1mm未満では、繊維同士の絡みが少なくなって、ベース層の強度が低下するおそれがある。逆に、延伸単一構造繊維の長さが10mmを超えると、繊維同士の絡みによる結束が発生し、表面に凹凸が生じて和紙調の風合いを損なうおそれがある。
上記未延伸単一構造繊維の繊度は、1.0dtex以上2.2dtex以下であることが好ましく、1.1dtex以上1.5dtex以下がさらに好ましい。未延伸単一構造繊維の繊度が1.0dtex未満では、ベース層の繊維間の空隙が少なくなって模様層がベース層に接着しにくくなるため、ベース層と模様層との接着強度が低下するおそれがある。逆に、未延伸単一構造繊維の繊度が2.2dtexを超えると、繊維同士の絡みが少なくなってベース層の引張強度が弱くなるおそれや、抄紙ができないおそれがある。
上記未延伸単一構造繊維の長さは、1mm以上10mm以下であることが好ましく、3mm以上7mm以下であることがさらに好ましい。未延伸単一構造繊維の長さが1mm未満では、繊維同士の絡みが少なくなって、ベース層の強度が低下するおそれがある。逆に、未延伸単一構造繊維の長さが10mmを超えると、繊維同士の絡みによる結束が発生し、表面に凹凸が生じて和紙調の風合いを損なうおそれがある。
上記未延伸単一構造繊維の軟化点は、80℃以上110℃以下であることが好ましい。未延伸単一構造繊維の軟化点が80℃未満では、当該模様加工紙を抄紙する際にドライヤー工程でシートが収縮するおそれがある。逆に、未延伸単一構造繊維の軟化点が110℃を超えると、当該模様加工紙を抄紙する際にドライヤー工程において未延伸単一構造繊維が軟化せず、繊維が接着されないため、ベース層が十分な引張強度を有さないおそれがある。
上記延伸単一構造繊維及び未延伸単一構造繊維の融点は150℃以上が好ましい。これら単一構造繊維の融点が150℃未満では、当該模様加工紙を抄紙する際のドライヤー工程においてこれらの単一構造繊維が融解するため、当該模様加工紙のベース層と模様層との接着強度及びベース層の引張強度が低下するおそれがある。
第一合成繊維中の上記延伸単一構造繊維の含有割合が10質量%以上40質量%以下であり、第一合成繊維中の上記未延伸単一構造繊維の含有割合が60質量%以上90質量%以下であることが好ましく、第一合成繊維中の延伸単一構造繊維の含有割合が15質量%以上30質量%以下であり、第一合成繊維中の未延伸単一構造繊維の含有割合が70質量%以上85質量%以下であることがさらに好ましい。延伸単一構造繊維の含有割合が10質量%未満では、ベース層と模様層との接点が少なくなり、ベース層と模様層との接着強度が低下するおそれがある。逆に、延伸単一構造繊維の含有割合が40質量%を超えると、繊維間の接着強度が低下し、ベース層の引張強度が低下するおそれがある。
(分散剤)
当該模様加工紙のベース層には、十分な引張強度を有するように、繊維を分散させる目的で分散剤が添加されることが好ましい。上記ベース層を形成する原料に配合する分散剤としては、親水性と疎水性とを有する分散剤が好ましい。このような分散剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、陰イオン性分散剤(アニオン性分散剤)、陽イオン性分散剤(カチオン性分散剤)、両性分散剤(双性分散剤)、非イオン性分散剤(ノニオン性分散剤)等を用いることができる。
(消泡剤)
当該模様加工紙のベース層には、断紙等の製造不具合を防止する目的で消泡剤が添加されることが好ましい。上記ベース層を形成する原料に配合する消泡剤としては、例えば、界面活性剤系やシリコン系の消泡剤を用いることができる。
<模様層>
当該模様加工紙が備える模様層は、第二合成繊維の凝集体が散在することにより形成されており、上記第二合成繊維の少なくとも表層が熱可塑性を有する。
(第二合成繊維)
模様層に用いられる第二合成繊維は、少なくとも表層が熱可塑性を有する(80℃以上150℃未満で溶融する)繊維であれば、特に限定されるものではなく、例えば、ポリプロピレン繊維等を用いることができるが、ポリエステル製の芯鞘構造繊維を用いることが好ましい。第一合成繊維と同様のポリエステル繊維を用いることによって、ベース層と模様層との接着強度を高めることができるほか、当該模様加工紙の耐水性、耐熱性、寸法安定性、耐候性等を向上させることができる。また、芯部と、抄紙工程において融解する熱可塑性の鞘部とを有する芯鞘構造繊維を用いることによって、抄紙時のドライヤー工程において鞘部が融解し模様層が十分な強度でベース層に接着されるとともに、凝集した芯部が和紙調の風合いを構成する模様を形成することができる。
上記芯鞘構造繊維の繊度は、1.0dtex以上4.0dtex以下であることが好ましく、1.5dtex以上3.0dtex以下がさらに好ましい。芯鞘構造繊維の繊度が1.0dtex未満では、繊維同士の絡みによる結束が発生し、表面に凹凸が生じて和紙調の風合いを損なうおそれがある。逆に、芯鞘構造繊維の繊度が4.0dtexを超えると、繊維同士の絡みが少なくなって十分な大きさの模様が形成されないおそれがある。
上記芯鞘構造繊維の長さは、10mm以上30mm以下であることが好ましく、12mm以上20mm以下がさらに好ましい。芯鞘構造繊維の長さが10mm未満では、繊維同士の絡みが少なくなって十分な大きさの模様が形成されないおそれがある。逆に、芯鞘構造繊維の長さが30mmを超えると、繊維同士の絡みによる結束が発生し、表面に凹凸が生じて和紙調の風合いを損なうおそれがある。
上記芯鞘構造繊維の鞘部の融点は、90℃以上120℃以下が好ましい。鞘部の融点が90℃未満では、当該模様加工紙を抄紙する際のドライヤー工程において、ドライヤーに繊維が貼付き、生産性が低下するおそれがある。逆に、鞘部の融点が120℃を超えると、当該模様加工紙を抄紙する際のドライヤー工程において、鞘部が融解せず繊維が接着されないため、ベース層と模様層との接着強度が十分得られないおそれがある。また、芯鞘構造繊維の鞘部の融点がベース層の上記未延伸単一構造繊維の軟化点よりも高いとよい。芯鞘構造繊維の融点と未延伸単一構造繊維の軟化点がこのような関係を有することで、ベース層の未延伸単一構造繊維が軟化した後に模様層の芯鞘構造繊維の鞘部が融解するため、模様層がベース層に浸透しながら接着する。結果として、ベース層と模様層との接着強度を向上させることができる。
上記芯鞘構造繊維の芯部の融点は150℃以上が好ましい。芯部の融点が150℃未満では、当該模様加工紙を抄紙する際のドライヤー工程において、芯鞘構造繊維全体が融解し、十分な大きさの模様が形成されないおそれがある。
上記芯鞘構造繊維の芯部の質量に対する鞘部の質量の比が0.2以上3以下であるとよい。芯鞘構造繊維の芯部の質量に対する鞘部の質量の比を上記範囲とすることによって、十分な大きさの模様を形成するとともに、模様層とベース層との接着強度を十分に与えることができるため好ましい。
本発明で模様層の形成に用いる合成繊維は、親水性に富み抄紙適性が高いレーヨン繊維とは異なり、耐水性を有する。そのため、十分な大きさの模様を形成するために上述の繊度及び長さを有する合成繊維を用いるとともに、アニオン性凝集剤とカチオン性凝集剤を併用して合成繊維の凝集体を形成することが好ましい。特に合成繊維を含むスラリーにアニオン性凝集剤及びカチオン性凝集剤をこの順序で添加することによって、合成繊維が効率的に凝集され大きな模様が得られるため好ましい。
(アニオン性凝集剤)
上記模様層を形成する原料に配合するアニオン性凝集剤としては、水中で高度の凝集力を発揮するポリアクリルアミド系樹脂を用いることができる。
アニオン性凝集剤の配合量は、模様層の乾燥質量に対して0.05質量%以上0.5質量%以下が好ましい。アニオン性凝集剤の配合量が0.05質量%未満では、十分な凝集効果が得られず、適当な大きさの模様が得られないおそれがある。逆に、アニオン性凝集剤の配合量が0.5質量%を超えると、原料繊維のスラリーの粘性が高くなり、抄紙時に欠陥が生じやすくなるほか、工程内を汚染するおそれがある。
(カチオン性凝集剤)
上記模様層を形成する原料に配合するカチオン性凝集剤としては、微細繊維の歩留まりにも効果的な特性を持つ硫酸アルミニウムを用いることができる。
カチオン性凝集剤の配合量は、模様層の乾燥質量に対して0.01質量%以上0.05質量%以下が好ましい。カチオン性凝集剤の配合量が0.01質量%未満では、十分な凝集効果が得られず、適当な大きさの模様が得られないおそれがある。逆に、カチオン性凝集剤の配合量が0.05質量%を超えると、原料繊維の凝集バランスが崩れ、模様が形成されないおそれがある。
<模様加工紙>
以上のように、ベース層が延伸単一構造繊維及び未延伸単一構造繊維を主成分として含有し、模様層が芯鞘構造繊維を主成分として含有することに加えて、延伸単一構造繊維の繊度を0.1dtex以上1.5dtex以下、繊維長を1mm以上10mm以下とし、未延伸単一構造繊維の繊度を1.0dtex以上2.2dtex以下、繊維長を1mm以上10mm以下、芯鞘構造繊維の繊度を1.0dtex以上4.0dtex以下、繊維長を10mm以上30mm以下とし、さらに、第一合成繊維中の上記延伸単一構造繊維の含有割合を10質量%以上40質量%以下、上記未延伸単一構造繊維の含有割合を60質量%以上90質量%以下とし、芯鞘構造繊維の鞘部の融点を90℃以上120℃以下、未延伸単一構造繊維の軟化点を80℃以上110℃以下かつ芯鞘構造繊維の鞘部の融点よりも低い温度とすることにより、十分な大きさの模様を有し、耐水性に優れ、かつ十分なベース層と模様層との接着強度及びベース層の引張強度を発揮する模様加工紙が得られるため好ましい。
また、当該模様加工紙のベース層及び模様層には、上記分散剤、消泡剤、アニオン性凝集剤及びカチオン性凝集剤の他に、顔料や充填剤等の種々の添加剤を配合することができる。
当該模様加工紙は、縦方向の引張強度が100N/m以上であることが好ましく、120N/m以上であることがより好ましい。当該両面粘着テープ用基材の引張強度が100N/m未満では、当該模様加工紙が断紙しやすくなり、加工性や取扱い性が低下するおそれがある。
<模様加工紙の製造方法>
次に本発明の模様加工紙の製造方法について説明する。
本発明の模様加工紙は、第二合成繊維(芯鞘構造繊維)を凝集させてなる模様層を抄紙する工程と、上記模様層に対してベース層を貼り合わせるように抄紙する工程とによって製造することができる。模様層を抄紙する工程では、上記第二合成繊維の凝集体による模様を形成するために、短網抄紙機を用いることが好ましい。また、ベース層を抄紙する工程では、円網抄紙機を使用することが好ましい。
以下では、本発明の模様加工紙の製造方法のより具体的な実施態様について説明する。
(1)まず、模様層の原料として、芯鞘構造繊維を用意し、これを繊維離解機にて離解し、繊維の水分散濃度が0.05〜0.3質量%(絶乾質量)の芯鞘構造繊維スラリーを調整する。
(2)上記芯鞘構造繊維スラリーに対し、アニオン性凝集剤及びカチオン性凝集剤を添加して、芯鞘構造繊維の凝集体を形成する。
(3)一方で、ベース層原料として、延伸単一構造繊維及び未延伸単一構造繊維を用意し、これを繊維離解機にて離解し、繊維の水分散濃度が1.0〜2.5質量%(絶乾質量)のスラリーを調整する。
(4)上記芯鞘構造繊維の凝集体を短網抄紙機に一定量供給し、短網上に模様層の雲竜柄模様を形成する。なお、この際にベース層の原料チェストより短網上に少量のベース層原料を一定量供給しても良い。このように、所定量のベース層原料を添加することにより、抄紙機上に形成された雲竜柄模様の凹凸の隙間をベース層原料が埋めていくことにより、模様層が形成されると、凹凸の少ない、即ち平滑性の高い模様層を形成することができる。
(5)その後、短網抄紙機により形成された模様層を、円網抄紙機に移送し、当該円網抄紙機において、模様層の雲竜柄模様の裏側に貼り合わせるようにベース層原料を抄紙し、ベース層を形成する。
(6)形成された模様加工紙の湿紙は表面に剥離剤が塗布されたヤンキードライヤーにより乾燥される。この際、ベース層に含有される未延伸単一構造繊維の軟化が進行すると、層間の繊維結合がより強固になる。ヤンキードライヤーの温度としては110℃以上140℃以下が好ましい。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、本実施例における各測定値は、以下の方法にて測定した値である。
[繊度(単位:dtex)]
JIS−L1095(2010)「一般紡績糸試験方法」に準拠して繊度を測定した。
[繊維長(単位:mm)]
JIS−P8226(2006)「パルプ−光学的自動分析法による繊維長測定方法−第1部:偏光法」に準拠して数平均繊維長を測定した。
[坪量(単位:g/m)]
JIS−P8124(1998)「紙及び板紙−坪量の測定方法」に準拠して坪量を測定した。
[引張強度(単位:N/m)]
JIS−P8113(2006)「紙及び板紙−引張特性の試験方法−第2部:定速伸張法」に準拠して模様加工紙の縦方向の引張強度を測定した。
本実施例においては、以下の各品質について評価を行った。
[模様の接着強度]
1mの模様加工紙の模様層において、10個の模様を抽出し、各模様に粘着テープ(ニチバン株式会社製、品名:CT−18、幅:18mm)を貼り付けて引き剥がし、模様の接着強度を以下の基準で評価した。
(評価基準)
○:模様が1つも剥がれない。
△:剥がれた模様の数が1又は2。
×:剥がれた模様の数が3以上。
[模様の大きさ]
1mの模様加工紙の模様層において、繊維の凝集体として形成された模様として好ましい1mm以上の最大幅を有する模様の数を目視で計測し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
○:1mm以上の幅を有する模様が200以上。
△:1mm以上の幅を有する模様が100以上200未満。
×:1mm以上の幅を有する模様が100未満。
[実施例1]
(ベース層)
ベース層の原料として、繊度が0.6dtex、長さが5mmの延伸単一構造繊維(ポリエステル繊維、帝人ファイバー株式会社製)を20質量%、繊度が1.2dtex、長さが5mmの未延伸単一構造繊維(ポリエステル繊維、帝人ファイバー株式会社製、軟化点:90℃)を80質量%配合したベース層原料スラリーを調製した。このベース層原料スラリーに対し、分散剤としてノニオン性分散剤(明成化学株式会社製、品名:パルセットHA)を、繊維の乾燥質量に対して0.0014質量%添加し、消泡剤として界面活性剤系消泡剤(明成化学株式会社製、品名:フォームレスPC70)を、繊維の乾燥質量に対して0.001質量%添加した。
(模様層)
模様層の原料として、繊度が2.2dtex、長さが15mmの芯鞘構造繊維(芯鞘ポリエステル繊維、ユニチカファイバー株式会社製、芯部:融点255℃、鞘部:融点110℃)を用いて模様層原料スラリーを調製した。次にこの模様層原料スラリーに、アニオン性凝集剤としてポリアクリルアミド・アクリル酸共重合物(ダイヤニトリックス株式会社製、品名:アクリパーズPNS)を繊維の乾燥質量に対して0.15質量%添加し、3分後にカチオン性凝集剤として硫酸アルミニウム(硫酸バンド、住友化学工業株式会社製)を繊維の乾燥質量に対して0.016質量%添加した。
模様層原料スラリーを短網抄紙機のバットに模様層の坪量が1g/mとなるように連続的に供給した。その後、円網抄紙機に移送された模様層の裏側にベース層原料スラリーを貼り合わせるようにして、ベース層の坪量が8g/mとなるように抄紙した。その後、ヤンキードライヤー(表面温度110℃)で乾燥させ、実施例1の模様加工紙を得た。
得られた模様加工紙の縦方向の引張強度を計測した結果、150N/mであった。
[実施例2〜20]
実施例2〜20における原料繊維(延伸単一構造繊維、未延伸単一構造繊維及び芯鞘構造繊維)の材質、繊度、長さ及び含有割合、芯鞘構造繊維の鞘部の融点並びに未延伸単一構造繊維の軟化点は表1の通りとした。また、各添加剤(分散剤、消泡剤、アニオン性凝集剤及びカチオン性凝集剤)の種類及び添加量は実施例1と同様とした。ただし、実施例20においては、ベース層の原料繊維として単一構造のポリプロピレン繊維(ダイワボウポリテック株式会社製)、模様層の原料繊維として芯鞘構造のポリプロピレン繊維(ダイワボウポリテック株式会社製)を用いた。
上記原料を用いて実施例1と同様に、短網抄紙機及び円網抄紙機を用いて実施例2〜20の模様加工紙を製造した。また、実施例1と同様に、得られた模様加工紙の縦方向の引張強度を計測した。計測結果については表1に示す。
[比較例1、2]
比較例1においては模様層の原料として延伸単一構造繊維を用いた以外は、実施例1と同様の原料及び抄紙方法にて模様加工紙を製造した。同様に比較例2においては、模様層の原料として未延伸単一構造繊維を用いた以外は、実施例1と同様の原料及び抄紙方法にて模様加工紙を製造した。比較例1、2に用いた原料繊維のパラメータ及び引張強度の計測結果については表1に示す。
[品質評価]
実施例1〜20及び比較例1、2で得られた各模様加工紙について、上述の模様の接着強度及び模様の大きさについて評価を行った。評価結果について、表1に示す。
Figure 0005882039
表1の結果から示されるように、実施例1〜20の模様加工紙は、一定の引張強度を有しながら、優れた模様の接着強度を発揮し、模様の大きさも十分である。一方で、比較例1、2の模様加工紙は、十分な模様の接着強度が発揮されず実使用に適さない。なお、実使用には問題ないものの、実施例5、9、14、17はベース層又は模様層に繊維の結束がみられ和紙調の風合い、見栄えがやや劣り、実施例10はベース層に繊維の収縮による波打ちがやや見られ、実施例18はドライヤー表面に繊維の貼り付きがやや見られた。
以上のように、本発明の模様加工紙は、和紙調の風合いの模様を有し、耐水性に優れ、高い模様の接着強度を有する。

Claims (4)

  1. ベース層と、このベース層と接着した模様層とを備える模様加工紙であって、
    上記ベース層が、第一合成繊維を主成分として含有し、
    上記模様層が、散在する第二合成繊維の凝集体からなり、
    上記第二合成繊維の少なくとも表層が熱可塑性を有し、
    上記第一合成繊維及び第二合成繊維がポリエステル繊維又はポリプロピレン繊維であり、
    上記第二合成繊維が芯鞘構造繊維であり、
    上記ベース層が第一合成繊維として未延伸単一構造繊維を含有し、
    上記芯鞘構造繊維の鞘部の融点が90℃以上120℃以下であり、上記未延伸単一構造繊維の軟化点が80℃以上110℃以下であることを特徴とする模様加工紙。
  2. 上記ベース層が、第一合成繊維として延伸単一構造繊維をさらに含有し、第一合成繊維中の延伸単一構造繊維の含有割合が10質量%以上40質量%以下、第一合成繊維中の未延伸単一構造繊維の含有割合が60質量%以上90質量%以下である請求項1に記載の模様加工紙。
  3. 上記未延伸単一構造繊維の軟化点が上記芯鞘構造繊維の鞘部の融点よりも低い請求項1又は請求項2に記載の模様加工紙。
  4. 上記芯鞘構造繊維の繊度が1.0dtex以上4.0dtex以下、繊維長が10mm以上30mm以下であり、上記延伸単一構造繊維の繊度が0.1dtex以上1.5dtex以下、繊維長が1mm以上10mm以下であり、上記未延伸単一構造繊維の繊度が1.0dtex以上2.2dtex以下、繊維長が1mm以上10mm以下である請求項2に記載の模様加工紙。
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