JP5841195B2 - 入浴補助具及び浴室構造 - Google Patents

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Description

本発明は、膝を十分に曲げることのできない障害を持つ身体障害者が、単独で入浴するのを補助するために使用する入浴補助具及びそれを用いた浴室構造に関する。
膝を十分に曲げることができない障害を持つ身体障害者が単独で入浴する場合、身体障害者は一旦浴槽の槽縁上面に腰掛けて、尻を軸にして回転しながら、足を曲げないようにして槽縁上を乗り越えて浴槽内に体を移動させる必要がある。そのため、浴槽の槽縁に腰掛けるためのスペースが必要とされる。そのために使用する入浴補助座具として、本発明者は特許文献1記載の入浴補助座具を考案している。
図13は、特許文献1記載の入浴補助座具とその使用方法を表す図である。入浴補助座具101は、くの字型の切欠状の嵌合部が形成され、嵌合部以外の周縁辺が弧状に形成された平板状の天板102と、天板を水平に支持する複数の脚部103と、脚部103と浴槽100の外面とを吸着結合する吸着部材(図示せず)とを備えている。
使用者Pが入浴する場合、
(1)使用者Pは、図13(a)のように足を緩く伸ばした状態で、入浴補助座具101の天板102上に腰掛ける。
(2)次に、この状態で、使用者Pは、尻を軸として天板102上を回転し、足を緩く伸ばした状態で、浴槽100の槽縁上を踰越させる。そして、図13(b)に示すように、天板102上に座った状態で浴槽100内に足を入れる。
(3)次に、使用者Pは、浴槽100の角部の左右の上縁上面を両手で持ち、両腕で体を支えながら尻を浴槽100内へずらせ、図13(c)のように、浴槽100内に設置された内側補助座部110に腰掛ける。
このようにして、使用者Pは、足を緩く伸ばしたままの状態で、独力で浴槽100内に入ることが可能となる。使用者Pが浴槽100から出る場合は、上記(1)〜(3)の手順を逆に行うことによって、独力で容易に浴槽100から出ることが可能である。
上記特許文献1の入浴補助座具101を用いることによって、身体障害者が単独で入浴することが容易となり、介助の労力が大きく低減されることになる。
特許第5074629号明細書 特開2001−59349号公報 特開平8−80271号公報 実開昭58−29389号公報 実用新案登録第3151650号明細書 実開昭54−13434号公報
ところで、上記入浴補助座具101では、脚部103を浴槽100に十分に強く吸着させておくことが極めて重要である。なぜならば、使用中に吸着部材が剥がれ入浴補助座具101が浴槽100から離れると、使用者Pの体勢が不安定となり、転倒する危険があるからである。しかしながら、一般に浴室内は浴槽や洗い場が水や水蒸気により濡れており滑りやすい。従って、使用中に吸着部材が剥がれて入浴補助座具101がズレ動く可能性を排除することができず、それをできる限り防ぐため、吸着部材は、できるだけ吸着面積が大きく吸着力の強いものを使用する必要があり、製造コストが高くなるという課題がある。
また、浴槽100の槽縁の高さについては統一されていないため、様々な高さが想定される。槽縁の高さが高いと、使用者Pが、槽縁上で足を踰越させる場合に、足を大きく持ち上げる必要があり、体勢が不安定となりやすいという問題がある。
一般に、浴槽には、浴室に浴槽を埋め込んだ埋め込み型のものと、浴室内に浴槽を据え置いた据え置き型のものとがある。埋め込み型のものは、浴槽の床に埋め込まれているため、槽縁の高さは300mm程度が一般的であり比較的低いが、集合住宅などで用いられている据え置き型の浴槽は、洗い場床面から槽縁までの高さは600mm程度が一般的でありかなり高い。従って、特許文献1の入浴補助座具101では、洗い場床面から天板までの高さが高く、使用者が使用中に体勢が不安定となりやすい。また、入浴補助座具101の高さが高いと、使用者が入浴補助座具101の天板上に座るのが難しくなり、使い勝手も悪くなる。
そこで、本発明は、入浴補助座具と浴槽の固定を確実にし、安価な吸着部材を用いて安全に構成することが可能な入浴補助具及び浴室構造を提供することにある。また、本発明の他の目的は、使用者が入浴する際に、槽縁上で足を踰越させるときに足を持ち上げる幅を小さくし安全性をより高めるとともに、使い勝手もよい入浴補助具及び浴室構造を提供することにある。
本発明に係る入浴補助具の第1の構成は、少なくとも一つの角部が洗い場に向かって凸出するように設置された浴槽を備える浴室に対し、前記洗い場に設置される入浴補助具であって、
短冊状の簀子板が所定の間隙をあけて一平面上に複数並設されてなる簀子床面、及び前記各簀子板の底面に架け渡して設けられ前記各簀子板を連結する複数の横桟を具備し、前記簀子床面が、前記浴槽の凸出した角部に合致するための凹折点及び該凹折点を挟み直角接続する2辺からなる凹折縁辺を有する形状に形成された簀子と、
前記凹折点の近傍の前記凹折縁辺に沿って、前記簀子床面上に固定設置された入浴補助座具と、を備え、
前記入浴補助座具は、
くの字凹状に切れ込んだ嵌合部を有する切込板状に形成された天板と、
前記天板の前記嵌合部の内側方向に向面する内向側面を有し、上端が前記天板の底面に連結され、下端が前記簀子床面に固着され、前記天板を水平に支持する脚部と、
前記脚部の前記内向側面に設けられた、前記脚部を浴槽に吸着固定するための吸着部材と、を備え、
前記入浴補助座具は、平面視において、前記天板の前記嵌合部の縁辺が、前記簀子床面の前記凹折縁辺に対し位置及び向きを合わせて固着されていることを特徴とする。


この構成によれば、入浴補助具を浴室に設置する場合、簀子の凹折縁辺を浴槽の凸出した角部に合致させるとともに、入浴補助座具の天板の嵌合部を浴槽の凸出した角部外側面に嵌合させ、吸着部材によって脚部を浴槽の外側面に吸着固定する。このとき、入浴補助座具の天板の上面が浴槽の槽縁の上面と面一となるように、脚部の高さ及び簀子床面の高さを調節する。入浴補助座具の脚部は、吸着部材で吸着固定されると同時に、簀子に固着されているため、浴室内が濡れていたとしても、入浴補助座具がズレ動く心配はなくなる。従って、従来よりも安全性を高めることができる。また、入浴補助座具の横方向のズレは、脚部を簀子に固着することで防止されるため、畢竟、使用時に吸着部材に加わる力は小さくなる。従って、吸着部材に対し高い吸着力及び大きな吸着面積は要求されず、従来よりも安価な一般の吸着部材を用いて構成することができる。
また、入浴補助座具の天板の高さ調節は、入浴補助座具の脚部と簀子床面の高さの双方を用いて行うことが可能である。従って、使用者が入浴する際に、槽縁上で足を踰越させるときに足を持ち上げる幅があまり大きくなりすぎない程度に、入浴補助座具の脚部の高さを適度な高さとし、簀子床面の高さによって入浴補助座具の天板を浴槽の槽縁の上面の高さに調節することで、足を踰越させる際に使用者の体勢が不安定となりやすいという問題を解決することができる。
また、据え置き型の浴槽のように洗い場床面から槽縁までの高さが高い浴槽であっても、簀子床面から天板までの高さを低くできるため、使用者は入浴補助座具の天板に腰掛けやすく、使用時の安全性も高い。
ここで、入浴補助座具の脚部と簀子床面とを固着する手段については特に限定しない(ネジ止め、接着、釘打ちなどの手段を採り得る)が、清掃時の利便性を考慮して、入浴補助座具の脱着が容易な固着手段、例えば、ほぞ継ぎのような手段を採用するのが好ましい。また、簀子が洗い場床面をズレ動かないようにするのを確実にするために、簀子の底面(横桟の底面)に吸着部材を設けて、この吸着部材によって簀子を洗い場床面に固定するようにすることともできる。
本発明に係る入浴補助具の第2の構成は、前記第1の構成に於いて、前記簀子は、平面視において複数の部分に分割されており、分割された前記簀子の各部分のうち、前記凹折縁辺を含む部分を固定部、それ以外の部分を回動部としたとき、
前記固定部に対し、前記各回動部が、前記固定部又は他の前記回動部にヒンジにより回動自在に結合されていることを特徴とする。
この構成によれば、簀子の回動部を上方に回動させることにより、簀子床面を開扉することができる。従って、浴室を清掃する際に、簀子全体を除去せずとも、簀子床面を開扉して浴室床面を清掃することができ、浴室の清掃作業が容易となる。
本発明に係る入浴補助具の第3の構成は、前記第2の構成に於いて、前記簀子は、平面視においてL字型平板状に形成されており、前記簀子床面の縁辺のうち、凹折接続した2つの縁辺を前記凹折縁辺、前記凹折縁辺に対向する凸折接続した2つの縁辺を凸折縁辺、前記簀子のL字状の中心線に対し前記凹折縁辺の側を内側、前記凸折縁辺の側を外側としたとき、
前記簀子は、平面視において、一方の前記凹折縁辺とそれに対向する前記凸折縁辺との中間にあり且つ該両縁辺に平行な直線である第1分割線、及び他方の前記凹折縁辺とそれに対向する前記凸折縁辺との中間にあり且つ該両縁辺に平行な直線である第2分割線により、4つの部分に分割されており、
前記簀子の4つの部分のうち、前記第1分割線の内側で且つ前記第2分割線の内側の部分を前記固定部、前記第1分割線の外側で且つ前記第2分割線の内側の部分を第1の前記回動部、前記第2分割線の外側で且つ前記第1分割線の内側の部分を第2の前記回動部、前記第1分割線の外側で且つ前記第2分割線の外側の部分を第3の前記回動部とすると、
第1及び第2の前記回動部は、前記固定部に対してヒンジにより回動自在に結合されており、
第3の前記回動部は、前記第1の前記回動部に対してヒンジにより回動自在に結合されていることを特徴とする。
この構成によれば、入浴補助具を浴室に設置する場合には、第2及び第3の回動部が浴室の出入り口方向に向面するように設置する。上述したように、簀子床面の高さは、簀子床面の高さが適度となり且つ入浴補助座具の天板上面が浴槽の槽縁の上面と面一となるように調整されるが、その場合、浴室出入り口の框と簀子床面との間に段差が生じる場合がある。その場合、固定部及び第1の回動部に対して、第2及び第3の回動部を折曲させ、第2及び第3の回動部の外縁辺底部の横桟と床面との間に高さ調節用の部材を噛まして、第2及び第3の回動部の外縁辺の高さが浴室出入り口の框の高さとなるように調節し、段差をなくすことができる。これにより、足に障害を持つ使用者が車いすでスムーズに浴室に侵入することが可能となる。
本発明に係る浴室構造の第1の構成は、洗い場と、少なくとも一つの角部が前記洗い場に向かって凸出するように設置された浴槽と、を備えた浴室の浴室構造であって、
前記簀子の前記簀子床面の前記凹折縁辺及び前記入浴補助座具の前記天板の前記嵌合部が、前記浴槽の凸出した角部に嵌合させた状態で、前記吸着部材により前記入浴補助座具が前記浴槽の外側面に吸着固定され、且つ前記簀子が前記洗い場の床面上に隙間なく敷設された請求項1乃至3の何れか一記載の入浴補助具を備え、
前記入浴補助座具の前記天板の上面が、前記浴槽の槽縁の上面と面一とされたことを特徴とする。
この構成によれば、入浴補助座具の脚部は、吸着部材で吸着固定されると同時に、簀子に固着されているため、浴室内が濡れていたとしても、入浴補助座具がズレ動く心配はなくなる。従って、従来よりも安全性を高めることができる。また、簀子を洗い場の床面上に隙間なく敷設することで、簀子自体が洗い場床面をズレ動くことを完全に防止することができる。
また、入浴補助座具の天板の高さ調節を、入浴補助座具の脚部と簀子床面の高さの双方を用いて行うことが可能である。従って、使用者が入浴する際に、槽縁上で足を踰越させるときに足を持ち上げる幅があまり大きくなりすぎない程度に、入浴補助座具の脚部の高さを適度な高さとし、簀子床面の高さによって入浴補助座具の天板を浴槽の槽縁の上面の高さに調節することで、足を踰越させる際に使用者の体勢が不安定となりやすいという問題を解決することができる。
本発明に係る浴室構造の第2の構成は、前記第1の構成に於いて、前記簀子は、浴室の出入り口側に面する端部が、浴室の出入り口の框の高さと、前記簀子の浴室の出入り口側に面する端の高さとが等しくなるように、スロープ状に曲折されていることを特徴とする。
この構成によれば、浴室出入り口の段差をなくすことができる。これにより、足に障害を持つ使用者が車いすでスムーズに浴室に侵入・退出することが可能となる。
本発明に係る浴室構造の第3の構成は、前記第1又は2の構成に於いて、前記洗い場の床面と前記入浴補助具との間に、高さ調節自在な調高フレームを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、簀子床面の高さの調節は、調高フレームによって行うことができる。したがって、簀子の高さ(簀子板の板厚及び横桟の高さ)が一定のものを製造して提供し、それぞれの浴室・浴槽に合わせて調高フレームによって高さ調節を行うようにすれば、入浴補助具及び調高フレームは一定の規格のものを製造して提供すればよいこととなる。従って、製造コストを下げることができる。
本発明に係る浴室構造の第4の構成は、前記第1乃至3の何れか一の構成に於いて、前記洗い場の床面には排水口が設けられており、
前記簀子は、前記排水口の上部に、開閉自在な開閉蓋を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、頻繁に行う必要性のある排水口の掃除は、開閉蓋を開扉して行うことができる。従って、掃除作業が容易となる。
以上のように、本発明によれば、入浴補助座具を簀子床面に固着し、簀子床面と吸着部材の双方で入浴補助座具を浴槽角部に固定するようにしたことで、入浴補助座具と浴槽の固定を確実にすることができ、また安価な吸着部材を用いて入浴補助具及び浴室構造を安全に構成することが可能となる。
また、入浴補助座具の天板を浴槽の槽縁の上面と面一にするための高さ調節は、入浴補助座具の脚部と簀子床面の高さの双方を用いて行うことが可能であるため、入浴補助座具の脚部の高さを、使用者が入浴する際に、槽縁上で足を踰越させるときに足を持ち上げる幅があまり大きくなりすぎない程度に、適度に調節することで、足を踰越させる際に使用者の体勢が不安定となりやすいという問題を解決することができる。
本発明の実施例1に係る入浴補助具の(a)左前方の斜め上方から見た斜視図,(b)右前方の斜め上方から見た斜視図である。 図1の入浴補助具の(a)右後方の斜め上方から見た斜視図,(b)左後方の斜め上方から見た斜視図である。 図1の入浴補助具の左後方の斜め下方から見た斜視図である。 図1の入浴補助具の(a)全体平面図,(b)排水口上部開閉蓋付近の拡大平面図,(c)固定部と第1の回動部の間のヒンジ付近の拡大平面図,(d)第1の回動部と第3の回動部の間のヒンジ及び固定部と第2の回動部との間のヒンジ付近の拡大平面図である。 図1の入浴補助具の底面図である。 図1の入浴補助具の(a)正面図,(b)背面図である。 図1の入浴補助具の(a)右側面図,(b)左側面図である。 本発明の実施例1に係る浴室構造の斜視図である。 図8の浴室構造において、入浴補助具を取り除いた状態を示す斜視図である。 図8の浴室構造において、第1及び第3の回動部及び排水口上部開閉蓋を開扉した状態を示す斜視図である。 図8の浴室構造において、第2及び第3の回動部を開扉した状態を示す斜視図である。 浴室の出入り口側の簀子床面5に傾斜をつけて、框との間の段差をなくした状態を表す図である。 特許文献1記載の入浴補助座具とその使用方法を表す図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る入浴補助具の(a)左前方の斜め上方から見た斜視図,(b)右前方の斜め上方から見た斜視図である。図2は、図1の入浴補助具の(a)右後方の斜め上方から見た斜視図,(b)左後方の斜め上方から見た斜視図である。図3は、図1の入浴補助具の左後方の斜め下方から見た斜視図である。図4は、図1の入浴補助具の(a)全体平面図,(b)排水口上部開閉蓋付近の拡大平面図,(c)固定部と第1の回動部の間のヒンジ付近の拡大平面図,(d)第1の回動部と第3の回動部の間のヒンジ及び固定部と第2の回動部との間のヒンジ付近の拡大平面図である。図5は、図1の入浴補助具の底面図である。図6は、図1の入浴補助具の(a)正面図,(b)背面図である。図7は、図1の入浴補助具の(a)右側面図,(b)左側面図である。
図1〜図7において、本実施例に係る入浴補助具1は、簀子2及び入浴補助座具3を備えている。簀子2は、短冊状の簀子板4が一定の間隙をあけて一平面上に複数並設されてなる簀子床面5と、各簀子板4の底面に簀子板4に直角に架け渡して設けられた複数の横桟6を備えている。各簀子板4は、横桟6によって連結されている。
簀子床面5は、平面視において、L字型平板状に形成されている。簀子床面5の縁辺のうち、凹折接続した2つの縁辺を凹折縁辺7,7、凹折縁辺7,7が直角接続する点を凹折点8、各凹折縁辺7,7に対向する凸折接続した2つの縁辺を凸折縁辺9,9とする。また、簀子2のL字状の中心線に対し凹折縁辺7,7の側を内側、凸折縁辺8,8の側を外側と呼ぶ(図4参照)。
図4に示すように、簀子2は、平面視において、前後向きの凹折縁辺7とそれに対向する凸折縁辺8との中間にあり且つ該両縁辺に平行な直線である第1分割線A、及び左右向きの凹折縁辺7とそれに対向する凸折縁辺8との中間にあり且つ該両縁辺に平行な直線である第2分割線Bにより、4つの部分に分割されている。この4つの部分のうち、第1分割線Aの内側で且つ第2分割線Bの内側の部分を「固定部」と呼ぶ。第1分割線Aの外側で且つ第2分割線Bの内側の部分を「第1の回動部」と呼ぶ。第2分割線Bの外側で且つ第1分割線Aの内側の部分を「第2の回動部」と呼ぶ。第1分割線Aの外側で且つ第2分割線Bの外側の部分を「第3の回動部」と呼ぶ。
第1の回動部は、固定部に対して3つのヒンジ10,10,10により上向きに回動自在に結合されている。尚、各ヒンジ10,10,10は、第1分割線Aを挟んで対向する2枚の簀子板4,4の間に設置された蝶番である。第2の回動部は、固定部に対してヒンジ構造11aにより上向き又は下向きに回動自在に結合されている。ヒンジ構造11aは、固定部の各簀子板4の外側縁辺と、第2の回動部の各簀子板4の内側縁辺とを、互いに噛み合うように凹凸加工し、噛合部分の中心に回転軸を通して形動自在に連結することにより形成されている。第3の回動部は、第1の回動部に対してヒンジ構造11bにより上向き又は下向きに回動自在に結合されている。ヒンジ構造11bは、ヒンジ構造11aと同様の構造である。
また、簀子床面5の固定部において、浴室に設置した時に洗い場の排水口の上方に位置する部分には、開閉自在な排水口上部開閉蓋12が設けられている。排水口上部開閉蓋12は、固定部に対してヒンジ13,13により上向きに回動自在に連結されている。また、排水口上部開閉蓋12の上面には、把手14が設けられている。
入浴補助座具3は、天板20、脚部21、及び複数の吸着部材22を備えている。天板は、くの字凹状に切れ込んだ嵌合部20aを有する切込円板状に形成されている。嵌合部20aは、左右対称であり、天板20の中心に最も近い凹折点において直角に凹折しており、浴槽の凸出した角部に嵌合させることができる。脚部21は、上端が天板20の底面に連結され、下端が簀子床面5に固着されており、天板20を水平に支持している。脚部21と簀子床面5とは、清掃時に入浴補助座具3を容易に取り外すことが可能なように、ほぞ継ぎにより固着されている。脚部21は、2枚の縦長矩形平板を直角に十字に組合せて成り、その中心が天板20の中心位置に合わせられ、中心から四方に広がる4つの板片のうちの2つが、嵌合部20aの2つの凹折辺に平行となる向きに配設されている。嵌合部20aの凹折辺に平行な2つの板片の内向側面21a,21bは、天板の嵌合部20aの内側方向に向面している(図2(b))。内向側面21a,21bのそれぞれには、上下に並んで吸着部材22,22が配設され、この吸着部材22,22によって脚部21が浴槽に吸着固定される。入浴補助座具3は、平面視したとき(図4)、天板20の嵌合部20aの縁辺が簀子床面5の凹折縁辺7,7に合わせられた位置及び向きに、固着されている。
次に、本実施例の入浴補助具1を浴室に設置した浴室構造について説明する。
図8は、本発明の実施例1に係る浴室構造の斜視図である。図9は、図8の浴室構造において、入浴補助具を取り除いた状態を示す斜視図である。図8において、浴室の外形30は点線で示している。
本実施例の浴室には、一つの角部31aが洗い場に向かって凸出するように設置された浴槽31が設置されている。洗い場全体には、高さ調節自在な調高フレーム32が敷設されており、調高フレーム32の上面には、図1〜図7で説明した入浴補助具1が敷設されている。
入浴補助具1は、簀子床面5の凹折縁辺7,7及び入浴補助座具3の天板20の嵌合部20aを、浴槽31の凸出した角部31aに嵌合した状態で設置される。このとき、吸着部材22により、入浴補助座具3は、浴槽31の外側面に吸着固定される。このように、入浴補助座具1の脚部21を、吸着部材22で浴槽31に吸着固定すると同時に、脚部21を簀子2に固着することで、浴室内が濡れていたとしても、入浴補助座具1がズレ動く心配はなくなる。従って、使用時の安全性を高めることができる。
また、図8に示したように、簀子2は、洗い場の床面全体に、隙間が生じないように敷設されている。これにより、簀子2自体が洗い場床面を滑ってズレ動くことを完全に防止することができ、使用時の安全性が十分に保証される。
入浴補助座具3は、天板20の上面が、浴槽31の槽縁上面31bと面一となるように高さ調整されている。この高さ調整は、調高フレーム32によって行われる。すなわち、簀子2は高さ(簀子板4の板厚及び横桟5の高さ)が一定のものを製造して提供し、それぞれの浴室30・浴槽31に合わせて調高フレーム32によって高さ調節を行う。これにより、入浴補助具1は一定の規格のものを製造して提供すればよいこととなり、量産効果によって製造コストを下げることができる。
調高フレーム32は、洗い場の床面の外縁及び浴槽31の外縁に沿った外枠32aと、外枠32aの内側に横架して設けられた桟枠32bと、外枠32aの底面に複数設けられた高さ調整を行うためのアジャスタ32cとを備えている。桟枠32bは、簀子2のそれぞれの横桟6の下部に位置する部分に設けられている。アジャスタ32cは、外枠32aの底面に螺着されており、ネジ調節によって洗い場床面と外枠32aとの間の高さを調高する。
また、洗い場の床面には排水口(図示せず)が設けられており、簀子2の排水口上部開閉蓋12は、簀子2の排水口の上部に位置する部分に設けられている。
さらに、簀子2は、第2の回動部及び第3の回動部(図4参照)が、浴室の出入り口側30aに面する向きとなるように敷設されている。
次に、本実施例の入浴補助具1を用いた浴室構造について、その使用方法を説明する。
まず、入浴補助座具3の使用方法については、特許文献1の場合と同様であり、上述の「背景技術」の欄において図13で説明した方法と同様である。但し、本実施例では、浴槽31の高さに対して、調高フレーム32及び簀子2によって床面が嵩上げされるため、図13の場合に比べて、入浴補助座具3の天板20の床面からの高さを低くすることができる。従って、使用者Pが入浴する際に、槽縁上面31b上で足を踰越させるときに足を持ち上げる幅が小さくて済む。足を持ち上げると、使用者の重心が背中の方へ移動するため、体勢が不安定となりやすく、その際に転倒事故を起こす危険性が最も大きくなる。しかし、本実施例では床面を嵩上げし、足を持ち上げる幅を極力小さくしたため、このような転倒事故の危険性を従来に比べ小さくすることが可能となる。
次に、浴室内の清掃の際の使用方法を説明する。図10は、図8の浴室構造において、第1及び第3の回動部及び排水口上部開閉蓋を開扉した状態を示す斜視図である。図11は、図8の浴室構造において、第2及び第3の回動部を開扉した状態を示す斜視図である。
本発明では、簀子2を設けたため、清掃の際には簀子の下部の洗い場の床面を清掃する必要がある。そこで、本実施例では、簀子2を複数の部分に分割して、各部分をヒンジで結合し、浴槽31に面する部分(固定部)以外の部分(回動部)を、図10,図11に示した様に開扉可能とした。これにより、清掃の際に簀子2を浴室から運び出すことなく、洗い場の床面を清掃することができる。
また、特に洗い場の床面の排水口付近は、汚れが溜まりやすく頻繁に清掃を行う必要がある。そこで、本実施例では、排水口上部の簀子床面5に排水口上部開閉蓋12を設けて、図10に示した様に開扉自在とした。これにより、排水口付近の洗い場の床面を容易に清掃することができる。
最後に、浴室30の出入り口付近の段差解消について説明する。図12は、浴室の出入り口側の簀子床面5に傾斜をつけて、框との間の段差をなくした状態を表す図である。図12において、浴室の出入り口側30aには、框30bがあり、洗い場床面30cとの間に段差がある。また、洗い場床面30c上に入浴補助具1が敷設されているが、簀子床面5の上面と框30bの上面との間にも段差が生じる。そこで、簀子2の第2及び第3の回動部(図4参照)を上向きに曲折させてスロープ状とし、框30b側の横桟6と調高フレーム32との間に噛ませ部材33を噛ませる。これにより、框30bと簀子2がスロープで滑らかに接続されて段差が無くなり、足に障害を持つ使用者が車いすでスムーズに浴室に侵入・退出することが可能となる。
尚、図12では、框30bの高さが簀子床面5よりも高い場合の例を示したが、框30bの高さが簀子床面5よりも低い場合には、調高フレーム32と浴室の出入り口側30aの框30bとの間に隙間を作り、洗い場床面30cと框30b側の横桟6との間に、適度な高さの噛ませ部材33を噛ませ、簀子2の第2及び第3の回動部(図4参照)を下向きに曲折させてスロープ状として段差を解消するようにすればよい。
1 入浴補助具
2 簀子
3 入浴補助座具
4 簀子板
5 簀子床面
6 横桟
7 凹折縁辺
8 凹折点
9 凸折縁辺
10 ヒンジ
11a,11b ヒンジ構造
12 排水口上部開閉蓋
13 ヒンジ
14 把手
20 天板
20a 嵌合部
21 脚部
21a,21b 内向側面
22 吸着部材
30 浴室の外形
30a 浴室の出入り口側
30b 框
30c 洗い場床面
31 浴槽
31a 凸出した角部
31b 槽縁上面
32 調高フレーム
32a 外枠
32b 桟枠
32c アジャスタ
33 噛ませ部材

Claims (7)

  1. 少なくとも一つの角部が洗い場に向かって凸出するように設置された浴槽を備える浴室に対し、前記洗い場に設置される入浴補助具であって、
    短冊状の簀子板が所定の間隙をあけて一平面上に複数並設されてなる簀子床面、及び前記各簀子板の底面に架け渡して設けられ前記各簀子板を連結する複数の横桟を具備し、前記簀子床面が、前記浴槽の凸出した角部に合致するための凹折点及び該凹折点を挟み直角接続する2辺からなる凹折縁辺を有する形状に形成された簀子と、
    前記凹折点の近傍の前記凹折縁辺に沿って、前記簀子床面上に固定設置された入浴補助座具と、を備え、
    前記入浴補助座具は、
    くの字凹状に切れ込んだ嵌合部を有する切込板状に形成された天板と、
    前記天板の前記嵌合部の内側方向に向面する内向側面を有し、上端が前記天板の底面に連結され、下端が前記簀子床面に固着され、前記天板を水平に支持する脚部と、
    前記脚部の前記内向側面に設けられた、前記脚部を浴槽に吸着固定するための吸着部材と、を備え、
    前記入浴補助座具は、平面視において、前記天板の前記嵌合部の縁辺が、前記簀子床面の前記凹折縁辺に対し位置及び向きを合わせて固着されていることを特徴とする入浴補助具。
  2. 前記簀子は、平面視において複数の部分に分割されており、分割された前記簀子の各部分のうち、前記凹折縁辺を含む部分を固定部、それ以外の部分を回動部としたとき、
    前記固定部に対し、前記各回動部が、前記固定部又は他の前記回動部にヒンジにより回動自在に結合されていることを特徴とする請求項1記載の入浴補助具。
  3. 前記簀子は、平面視においてL字型平板状に形成されており、前記簀子床面の縁辺のうち、凹折接続した2つの縁辺を前記凹折縁辺、前記凹折縁辺に対向する凸折接続した2つの縁辺を凸折縁辺、前記簀子のL字状の中心線に対し前記凹折縁辺の側を内側、前記凸折縁辺の側を外側としたとき、
    前記簀子は、平面視において、一方の前記凹折縁辺とそれに対向する前記凸折縁辺との中間にあり且つ該両縁辺に平行な直線である第1分割線、及び他方の前記凹折縁辺とそれに対向する前記凸折縁辺との中間にあり且つ該両縁辺に平行な直線である第2分割線により、4つの部分に分割されており、
    前記簀子の4つの部分のうち、前記第1分割線の内側で且つ前記第2分割線の内側の部分を前記固定部、前記第1分割線の外側で且つ前記第2分割線の内側の部分を第1の前記回動部、前記第2分割線の外側で且つ前記第1分割線の内側の部分を第2の前記回動部、前記第1分割線の外側で且つ前記第2分割線の外側の部分を第3の前記回動部とすると、
    第1及び第2の前記回動部は、前記固定部に対してヒンジにより回動自在に結合されており、
    第3の前記回動部は、前記第1の前記回動部に対してヒンジにより回動自在に結合されていることを特徴とする請求項2記載の入浴補助具。
  4. 洗い場と、
    少なくとも一つの角部が前記洗い場に向かって凸出するように設置された浴槽と、を備えた浴室の浴室構造であって、
    前記簀子の前記簀子床面の前記凹折縁辺及び前記入浴補助座具の前記天板の前記嵌合部が、前記浴槽の凸出した角部に嵌合させた状態で、前記吸着部材により前記入浴補助座具が前記浴槽の外側面に吸着固定され、且つ前記簀子が前記洗い場の床面上に隙間なく敷設された請求項1乃至3の何れか一記載の入浴補助具を備え、
    前記入浴補助座具の前記天板の上面が、前記浴槽の槽縁の上面と面一とされた浴室構造。
  5. 前記簀子は、浴室の出入り口側に面する端部が、浴室の出入り口の框の高さと、前記簀子の浴室の出入り口側に面する端の高さとが等しくなるように、スロープ状に曲折されていることを特徴とする請求項4記載の浴室構造。
  6. 前記洗い場の床面と前記入浴補助具との間に、高さ調節自在な調高フレームを備えたことを特徴とする請求項4又は5記載の浴室構造。
  7. 前記洗い場の床面には排水口が設けられており、
    前記簀子は、前記排水口の上部に、開閉自在な開閉蓋を備えていることを特徴とする請求項4乃至6の何れか一記載の浴室構造。
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