JP5840913B2 - インバータ装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、インバータ装置に関する。
インバータ装置は、種々の業種において様々な用途の機器に組み込まれて用いられるため、多数のパラメータ(インバータ装置の動作や機能を決定するためのソフトウェア設定項目)を有し、多様な運転が可能となっている。それらパラメータは、インバータ装置がインバータ製造メーカから出荷される時点で標準の設定値になっている。従って、ユーザは、各機器に組み込まれたインバータ装置をその機器に適した状態で使用するため、パラメータの値を設定し直す(変更する)必要がある。
パラメータの設定(変更)は、インバータ装置に組み込まれたパネル設定表示装置、または外部の延長パネル設定表示装置を用い、設定対象(変更対象)のパラメータの値を読み出し、その値を設定(変更)して書き込むといった方法で行われる。あるいは、インバータ装置と外部のコンピュータとの間で通信を行い、その通信によりパラメータの値を設定(変更)して書き込むという方法で行われることもある。
装置の導入時点において上述したようにパラメータの値が設定(変更)されることにより、インバータ装置は、ユーザの所望する動作を行う。しかし、それらパラメータの値は、例えば操作ミスなどが原因で、誤って(ユーザの意図とは別に)変更されることがあり得る。パラメータの値が導入当初の値(ユーザの所望する値であり、仕様どおりの正しい値)から変更されると、インバータ装置がユーザの所望する動作とは異なる動作をする可能性がある。そのため、各パラメータが正しい値であるか否かを定期的に確認する必要が生じる。
パラメータ設定値の確認は、次のようにして行われる。すなわち、インバータ装置に組み込まれたパネル設定表示装置、または外部の延長パネル設定表示装置により、パラメータの値が読み出されて表示され、その値が正しい値であるか否かがユーザにより確認される。あるいは、インバータ装置と外部のコンピュータとの間で通信が行われ、その通信により各パラメータの値が読み出され、その値が正しい値であるか否かがユーザにより確認される。このような確認作業は、複数のパラメータについて順次行われることになる。
特許第3422904号公報 特開2008−154432号公報 特開2010−063282号公報
そこで、設定されたパラメータの値が正しい値となっているか否かを容易に確認することができるインバータ装置を提供する。
本実施形態のインバータ装置は、複数のパラメータのうちユーザにより設定値の変更が可能なユーザ公開パラメータから接続される外部の機器に応じて調整される調整用パラメータを除いたパラメータを計算対象パラメータとし、それら計算対象パラメータの値を全て用いて所定の計算を行う計算手段と、
前記計算手段による計算の結果を示す計算結果値をユーザに報知する報知手段と、
を備えていることを特徴とするインバータ装置。
本実施形態を示すもので、インバータ装置の概略構成を示すブロック図 パラメータの整合性を確認する処理の内容を示すフローチャート 整合性が取れた場合における表示の一例を示す図 整合性が取れなかった場合における表示の一例を示す図 整合性が取れなかった場合における表示の他の例を示す図
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、インバータ装置の概略的な構成を示すブロック図である。インバータ装置1は、制御装置2およびインバータ主回路3を備えている。制御装置2は、インバータ主回路3を制御することにより、インバータ主回路3の出力側に取り付けられたモータ4の速度制御を行う。インバータ主回路3の入力側には例えば三相の交流電源5が接続されている。インバータ主回路3は、ダイオードを三相ブリッジ接続して構成されるコンバータ部と、スイッチング素子を三相ブリッジ接続して構成されるインバータ部とから構成されている(いずれも図示せず)。
制御装置2は、操作部6、表示部7、制御回路8、通信部9、記憶装置10および入出力回路11を備えている。操作部6は、複数の操作キー(図1では、ENTキー6aおよびESCキー6bを示すが、実際には各種キーが存在する)から構成されている。表示部7(表示手段に相当)は、例えば4桁の7セグメントLEDから構成されている。制御回路8は、CPU、ROM、RAM、A/D変換器、各種インターフェース回路などを備えたマイクロコンピュータを主体に構成されている。制御回路8(計算手段、報知手段、異常報知手段に相当)は、ROMに書き込まれた制御プログラムに従い、モータ制御に関する処理、パラメータに関する処理、表示に関する処理、入出力に関する処理などの各種処理を実行する。制御回路8には、操作部6の操作状態を示す信号が与えられる。制御回路8は、操作状態を示す信号に基づいて操作部6に対する操作を検出し、その操作に応じた処理を実行する。また、制御回路8は、設定されたパラメータの値、運転状態などの各種情報を表示部7により表示する。
通信部9(通信手段に相当)は、コネクタ12および図示しない通信ケーブルを介して接続される外部機器(延長パネル設定表示装置、コンピュータなど)との間で通信を行うための通信インターフェース回路により構成される。制御回路8は、通信部9を通じて上記外部機器との間で、例えばRS−232C、RS−485などのシリアル通信を行う。記憶装置10(記憶手段に相当)は、例えばフラッシュメモリやEEPROMなどの書き換え可能な不揮発性メモリである。記憶装置10には、各種のパラメータ、アラームデータ、データの整合性を確認するための計算結果値(後述する)などが記憶される。記憶装置10へのデータの読み書きは、制御回路8により制御される。入出力端子13〜16は、外部に接続される機器から入力されるアナログ信号を入力したり、上記機器に対してアナログ信号を出力したりするためのものである。入出力端子13〜16は、入出力回路11を介して制御回路8に接続されている。
次に、上記構成のインバータ装置の動作について図2〜図4も参照して説明する。
インバータ装置1に対して電源が供給されると、制御回路8は、図2に示す整合性確認処理を実行する。整合性確認処理は、記憶装置10に記憶されているパラメータの値(データ)が正しい値であるか否かを確認するためのものである。なお、ここで言う「正しい値」とは、予め定められた仕様(ユーザの所望する仕様)に基づいてインバータ装置1を動作させるための設定値のことを意味する。つまり、インバータ装置1を含む各種機器が現場に設置される際、上記仕様に基づいて最初に設定された値、あるいは、その後、何らかの仕様変更に応じて意図的に変更された(設定し直した)値のことを指す。また、ここ言う「整合性確認」とは、パラメータの値が正しい値であるか否かの確認のことを意味する。
インバータ装置1が起動すると、図2のフローチャートに示す処理が開始される(Start)。まず、ステップS1において、指定された範囲のパラメータが計算対象パラメータに設定される。なお、この場合、ユーザによる設定変更が可能なユーザ公開パラメータの全てを含む範囲が指定されている。ステップS2では、記憶装置10からパラメータの設定値(データ)が読み出され、続くステップS3では、読み出されたデータのチェックサムが計算される。ステップS2、S3の処理は、計算対象パラメータの設定値の全てについてのチェックサムが計算されるまで(ステップS4で「YES」)続けられる。
ステップS5では、計算対象パラメータの設定値の全てについてのチェックサムが計算された結果を示す計算結果値がモニタデータとして記憶装置10に格納される。このモニタデータとは、ユーザによるモニタ(確認)が可能なデータのことである。モニタデータは、表示部7に表示することも可能であるし、通信部9を通じた通信により外部機器に送信することも可能である。
詳細は後述するが、記憶装置10には、今回実行される当該処理以前において同様の処理が実行された結果、整合性の確認が完了したときの計算結果値(前回の計算結果値)が記憶されている。ステップS6では、その前回の計算結果値が記憶装置10から読み出される。ステップS7では、今回の計算結果値と前回の計算結果値とが比較される。全ての計算対象パラメータの値に変更が加えられていない場合、今回の計算結果値および前回の計算結果値は一致する(ステップS7で「YES」)。この場合、パラメータの設定値は、正しい値であると考えられる(整合性が取れている状態)。
そして、ステップS8において、今回の計算結果値が表示部7に一定期間表示される(初期表示画面)。図3は、整合性が取れている状態における初期表示画面の一例を示している。ただし、この場合、今回の計算結果値は「2345」としている。図3に示すように、整合性が取れている状態においては、今回の計算結果値が点灯表示される。その後、ステップS9に進み、表示部7に通常の表示(運転条件、運転状態などを示す表示)が行われ、処理が終了する(End)。
一方、少なくとも1つの計算対象パラメータの値に変更が加えられている場合、今回の計算結果値および前回の計算結果値は一致しない(ステップS7で「NO」)。この場合、パラメータの設定値は、正しい値ではないと考えられる(整合性が取れていない状態)。続くステップS10では、パラメータの設定値が正しくない旨の警告を示すアラームデータがセット(生成)される。このアラームデータは、表示部7に表示することも可能であるし、通信部9を通じた通信により外部機器に送信することも可能である。
そして、ステップS11において、今回の計算結果値および警告文字が表示部7に表示される(初期表示画面)。図4は、整合性が取れていない状態における初期表示画面の一例を示している。この場合も、今回の計算結果値は「2345」としている。図4に示すように、整合性が取れていない状態においては、今回の計算結果値の表示(図4(a))と、ブランク表示(図4(b))とが交互に行われる。つまり、整合性が取れていない状態においては、今回の計算結果値が点滅表示される(警告表示)。
表示部7において上記警告表示が行われた状態において、ヒストリ機能の実行可否が確認される(ステップS12)。ヒストリ機能とは、変更されたパラメータの最新5個を検索し、表示部7に表示させる機能である。なお、上記個数については適宜変更可能である。ヒストリ機能は、操作部6に対して所定の操作が行われることにより実行される。ユーザによりヒストリ機能を実行するための操作が行われると(ステップS12で「YES」)、ヒストリ機能が実行される(ステップS13)。これにより、ユーザは、パラメータの変更履歴を確認することが可能となる。一方、ユーザによりヒストリ機能を実行するための操作が行われないと(ステップS12「NO」)、ステップS13を実行することなく、ステップS14に移行する。
本実施形態においては、ENTキー6aまたはESCキー6bの操作より、警告表示が解除されるようになっている。なお、警告表示が行われた状態を解除するための方法(上記操作内容)は、取扱説明書に記載するなどして予めユーザに伝えられているものとする。また、パラメータの変更が意図したものであると確信できる場合(データ確認OKの場合)にはENTキー6aの操作を行い、パラメータの変更が意図したものであるか否か不明確な場合(データ確認保留の場合)にはESCキー6bの操作を行うようにするということも、予めユーザに伝えられているものとする。
ステップS14では、ENTキー6aの入力(操作の有無)が確認される。ユーザによりENTキー6aが操作されると(ステップS14で「YES」)、ステップS15に移行する。ENTキー6aが操作されたことにより、今回のパラメータの変更はユーザの意図するものであり、パラメータの値が正しい値であることが確認されたと考えられる(整合性の確認完了)。そこで、ステップS15では、アラームデータがリセット(消去)される。続くステップS16では、今回の計算結果値が記憶装置10に書き込まれる。そして、ステップS8に進むことで、警告表示が解除され、今回の計算結果値が点灯表示される。その後はステップS9を経て処理が終了する(End)。
一方、ENTキー6aの入力が確認されなかった場合(ステップS14で「NO」)、ステップS17に移行する。ステップS17では、ESCキー6bの入力(操作の有無)が確認される。ユーザによりESCキー6bが操作されると(ステップS17で「YES」)、ステップ8に移行する。これにより、警告表示が解除され、今回の計算結果値が点灯表示される。その後はステップS9を経て処理が終了する(End)。ただし、この場合、パラメータの変更についての確認が保留されているため、アラームデータはセットされたままであり、且つ、今回の計算結果値は記憶装置10に書き込まれない。また、ESCキー6bの入力が確認されなかった場合(ステップS17で「NO」)、ステップS14に戻る。
以上説明したように、本実施形態のインバータ装置1では、電源起動時毎に、設定されたパラメータの値が正しい値であるか否かの確認が行われる(整合性の確認)。そして、設定されたパラメータの値が正しい値であると判断されると、そのときの計算結果値が表示部7に表示される。その表示される計算結果値は、以前に整合性の確認が完了したときの計算結果値と同じである。つまり、設定されたパラメータの値が正しい値である場合には、常に同じ計算結果値が表示部7に表示されることになる。
これに対し、設定されたパラメータの値が正しい値でないと判断されると、そのときの計算結果値に加えて警告表示が表示部7に表示される。なお、そのときの計算結果値は、整合性の確認が完了したときの計算結果値とは異なる。つまり、設定されたパラメータの値が正しい値でない場合には、正しい値である場合とは異なる計算結果値が表示部7に表示されることになる。このような構成によれば、ユーザは、インバータ装置1の電源起動時、表示部7の初期表示画面の表示(計算結果値および警告表示)を確認する(目視する)だけで、パラメータの設定値が正しい値であるか否かを容易に判断することができる。さらに、この場合、ユーザは、整合性の確認が完了したときの計算結果値を覚えておく必要はなく、単純に警告表示の有無により、パラメータの設定値が正しい値であるか否かを判断することができる。
また、計算対象パラメータの値の全てのチェックサムを計算した結果である計算結果値は、モニタデータとして記憶装置10に記憶される。そのため、ユーザは、そのモニタデータを読み出して計算結果値を確認し、その計算結果値に基づいてパラメータ設定値が変更されていないどうかを適宜確認することができる。なお、モニタデータは、外部機器から通信部9を通じた通信により読み出すことも可能であるし、また、表示部7に表示させることも可能である。
電源起動時の処理で整合性確認が保留された場合であっても、表示部7には通常時と同様の画面が表示されるため、整合性確認を保留したということは、起動時の処理を担当したユーザにしか分からない。その状態において、別のユーザが運転を担当する場合、パラメータ設定値が正しい値ではない状態で運転が行われる可能性がある。このような場合、その運転を担当するユーザは、アラームデータを参照することにより、パラメータ設定値が正しい値ではない可能性があることを認識できる。そのため、運転を行う前にパラメータの設定値を再確認したり、既に運転中であれば運転を停止してパラメータの値を再確認したりするなど、適切な対応をとることが可能となる。
また、ユーザにより設定変更が可能なユーザ公開パラメータの全てを、整合性を確認するための計算(チェックサム計算)の対象とする計算対象パラメータとした。パラメータの値が意図せず変更される主な要因としては、ユーザによる操作ミスが挙げられる。このようすれば、上記主要因により意図せず変更される可能性のあるパラメータの全てのチェックサム計算が行われる。そのため、ユーザによる操作ミスによるパラメータの意図せぬ変更を一層確実に検知することが可能となる。
複数のインバータ装置を互いに同一の設定で運用する場合、本実施形態のインバータ装置1を用いれば次のような効果が得られる。すなわち、互いに同一の運転条件で運用する複数のインバータ装置1においては、設定されたパラメータの値が正しい値であるときの計算結果値は同じ値となる。そして、インバータ装置1の電源起動時に表示される初期表示画面には、その計算結果値が表示される。従って、各インバータ装置1の表示部7に表示される計算結果値をざっと見るだけで、各インバータ1装置について設定されたパラメータの値が正しい値であるか否かを判断することができる。さらに、この場合、設定されたパラメータの値が正しくないインバータ装置1の表示部7に表示される数値(計算結果値)だけが、他のインバータ装置1の表示部7に表示される値と異なるため、非常に容易にパラメータの変更の有無を判断することができる。また、ユーザは、一つの正しい計算結果値を覚えておけばよいので、利便性が高まる。
ただし、ユーザ公開パラメータには、運転条件などを設定するパラメータだけではなく、入出力回路11およびアナログ入力出力端子13〜16を介してインバータ装置1の外部において接続される外部機器(例えば、周波数計、電流計など)から入出力されるアナログ信号のゲインなどを調整するための調整用パラメータも存在する。このような調整用パラメータは、外部機器に依存する。そのため、複数のインバータ装置1について、運転に関する仕様を同一にする場合でも、それぞれに接続される外部機器が異なるため、調整用パラメータは同一にならないことが多い。
従って、調整用パラメータをも計算対象パラメータとした場合、互いに同一の運転条件で運用する複数のインバータ装置1において、設定されたパラメータの値が正しい値であるときの計算結果値が同じ値とならず、上述した効果が得られなくなる。この対策としては、計算対象パラメータの範囲として、ユーザ公開パラメータのうち調整用パラメータを除いたものを指定すればよい。このようにすれば、外部機器を接続する用途においても、上述した効果が得られるようになる。
また、インバータ装置1においては、機能の追加および改善のため、ソフトウェアのバージョンアップが行われることがある。そして、そのバージョンアップの際、パラメータが新たに追加されることもある。バージョンアップ前後のインバータ装置1を同一の運転条件で運用する場合、それらの計算結果値は、追加されたパラメータの影響により、互いに同じ値とならず、上述した効果が得られなくなる。この対策としては、計算対象パラメータの範囲として、ユーザ公開パラメータのうち、インバータ製造メーカから出荷される時点で標準の設定値(初期設定値)と同じ設定値であるパラメータを除いたものを指定すればよい。
バージョンアップにより追加されたパラメータは、バージョンアップ前のインバータ装置1には存在しないため、初期設定値から変更されることはない。つまり、バージョンアップ前後のインバータ装置1を同一の運転条件で運用する場合、追加されたパラメータが変更されることはない。そのため、この追加されたパラメータは計算対象パラメータの範囲から除外される。従って、バージョンアップ前後のインバータ装置1を同一の運転条件で運用する場合であっても、上述した効果が得られるようになる。なお、機器の導入時点において初期設定値から変更のなかったパラメータが、何らかの仕様変更により初期設定値から変更された場合、そのパラメータはその時点で計算対象となる。従って、上記方法を用いた場合でも、意図しない変更の有無を確認すべきパラメータについては、全て計算対象とすることができる。
また、容量(定格出力容量)の異なる複数のインバータ装置1を同一の運転条件で運用することがある。ここで、容量の違いが比較的小さい場合には、運転条件を設定するためのパラメータの値は互いに同じとなるため、それぞれの計算結果値は互いに同じとなる。しかし、容量の異なるインバータ装置1については、運転に関する仕様を同一にする場合であっても、計算結果値が異なっているほうが分かり易いと考えることもできる。その理由は次のとおりである。すなわち、容量の違いが比較的小さいインバータ装置については、それぞれの体格(外形寸法)についてもほとんど差がない。ユーザは、機器に記載されている形式番号を確認することで、これらの容量の違いを認識する。しかし、上記形式番号は比較的小さい文字で記載されていることが多く、遠くからでは視認しづらい。一方、表示部7に表示される数値(計算結果値)は、形式番号に比べて大きいため、遠くからでも視認しやすい。従って、容量の違いを計算結果値の違いにより認識することができれば、利便性が高まる。
そこで、インバータ装置1が持つパラメータのうちユーザにより設定値の変更が不可能な装置の形式を示すパラメータを、計算対象の範囲に加える。このようにすれば、容量の異なるインバータ装置1については、たとえ運転に関する仕様が同じであっても、計算結果値が互いに異なるので、上記した効果が得られる。なお、上記した計算対象パラメータの範囲の指定については、ユーザにより選択可能にするとよい。このようにすれば、様々なユーザの要望に対応することが可能となる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
制御回路8は、電源起動時だけでなく、任意のタイミングで図2のフローチャートに示す処理を実施してもよい。
上記実施形態では、設定されたパラメータの値(データ)が正しいか否かの確認(整合性確認)のため、計算対象パラメータの値を全て用いて行う所定の計算として、チェックサムの計算を適用した例を示したが、これに限らずともよい。例えば、CRC(Cyclic Redundancy Checking)の計算やハッシュ関数など、誤り訂正に関する他の計算手法などを用いてもよい。
図2のフローチャートにおいて、ステップS6、S7、S10〜S17の処理を省略してもよい。その場合、ステップS5の実行後はステップS8に移行する。このようにした場合であっても、計算対象パラメータとされたパラメータの値が1つでも変更されると、計算結果値が変化する。ユーザは、このような計算結果値を確認することで、次のようにして設定されたパラメータの値が正しい値であるか否かを確認することができる。すなわち、ユーザは、例えばインバータ装置1を含む各機器が導入された時点など、各パラメータが正しく設定された状態における計算結果値を確認しておく。そして、電源起動時の初期表示画面に表示される計算結果値が、上記正しく設定された状態における計算結果値に一致するか否かにより、設定されたパラメータの値が正しい値であるか、あるいは、意図せず変更された値であるかを判断することができる。
アラームデータに関する処理を省略してもよい。つまり、図2のフローチャートにおいて、ステップS10、S15を省略してもよい。また、ヒストリ機能に関する処理を省略してもよい。つまり、図2のフローチャートにおいて、ステップS12、13を省略してもよい。整合性の確認を保留する機能(ESCキー6bの入力)を省略してもよい。つまり、図2のフローチャートにおいて、ステップS17を省略してもよい。その場合、ステップS14は「YES」と判断されるまで継続される。このようにすれば、整合性の確認が完了したことを示すENTキー6aが入力されるまで、通常の表示が行われなくなるので、インバータ装置1の運転前に確実にパラメータの整合性が確認されることになる。
外部との通信を行うための通信部9は、必要に応じて設ければよい。
警告表示の方法については、図4に示した方法に限らずともよい。例えば、図5に示すように表示内容を変更してもよい。図5は、整合性が取れていない状態における初期表示画面の他の例を示している。この場合も、今回の計算結果値は「2345」としている。図5に示すように、整合性が取れていない状態において、今回の計算結果値の表示(図5(a))と、アラームコード(例えばA−40)の表示(図5(b))とが交互に行われる。また、今回の計算結果値が異常であることをユーザに報知する方法(異常報知手段)は、上記した異常表示に限らずともよく、例えばブザーを鳴らすなど、音声による方法を用いてもよい。
表示部7は、LCDであってもよい。このようにすれば、警告表示を解除する方法(ENTキー6aまたはESCキー6bの操作)を説明する旨のメッセージや、ヒストリ機能の利用を確認する旨のメッセージなどを表示部7に表示することが可能となる。
これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図面中、1はインバータ装置、7は表示部(表示手段)、8は制御回路(計算手段、報知手段、異常報知手段)、9は通信部(通信手段)、10は記憶装置(記憶手段)を示す。

Claims (9)

  1. 複数のパラメータのうちユーザにより設定値の変更が可能なユーザ公開パラメータから接続される外部の機器に応じて調整される調整用パラメータを除いたパラメータを計算対象パラメータとし、それら計算対象パラメータの値を全て用いて所定の計算を行う計算手段と、
    前記計算手段による計算の結果を示す計算結果値をユーザに報知する報知手段と、
    を備えていることを特徴とするインバータ装置。
  2. 各種の情報を表示する表示手段を備え、
    前記報知手段は、前記表示手段を用いて前記計算結果値を表示することを特徴とする請求項1に記載のインバータ装置。
  3. 外部機器との間で通信を行う通信手段を備え、
    前記報知手段は、前記通信手段を介して前記計算結果値を前記外部機器に出力可能に構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のインバータ装置。
  4. 前記計算手段は、前記計算対象パラメータから、初期設定値から変更のないパラメータを除くことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のインバータ装置。
  5. 前記計算手段は、前記計算対象パラメータに、ユーザにより設定値の変更が不可能な装置の形式を示すパラメータを加えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のインバータ装置。
  6. 前記計算手段による計算の結果を示す計算結果値を記憶する記憶手段と、
    前記計算手段による計算が行われると、その計算の結果を示す今回の計算結果値と、前記記憶手段に記憶された今回の計算より前に計算された結果を示す前回の計算結果値とを比較し、それら計算結果値が互いに異なる値である場合に、今回の計算結果値が異常であることをユーザに報知する異常報知手段と、
    備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のインバータ装置。
  7. 各種の情報を表示する表示手段を備え、
    前記異常報知手段は、前記計算結果値が互いに異なる値である場合に、前記表示手段を用いて警告表示を行うことを特徴とする請求項6に記載のインバータ装置。
  8. 前記異常報知手段は、前記計算結果値が互いに異なる値である場合に、今回の計算結果値が異常であることを示すアラームデータを生成することを特徴とする請求項6または7に記載のインバータ装置。
  9. 外部機器との間で通信を行う通信手段を備え、
    前記異常報知手段は、前記通信手段を介して前記アラームデータを前記外部機器に出力可能に構成されることを特徴とする請求項8に記載のインバータ装置。
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