JP5837913B2 - 車体後部構造 - Google Patents
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請求項1に係る発明は、車室の後方にエンジンルーム(例えば、実施形態のエンジンルーム3)が配置される車両の車体後部構造であって、車室下方の車体下壁(例えば、実施形態のフロアパネル10)の車幅方向中央に配置され、上方に向かって窪む凹状断面が前方側から前記車体下壁の後端部に亘って連続するフロアトンネル(例えば、実施形態のフロアトンネル11)と、前記フロアトンネルを通して車体前方側から導入された冷却風を前記エンジンルーム内の冷却対象物(例えば、実施形態の過給機4,触媒収容部5a)に誘導する冷却風ガイド(例えば、実施形態の冷却風ガイド13)と、を備え、前記冷却風ガイドは、前記フロアトンネルの後端の車幅方向両側の開口縁に位置される前記車体下壁の部材に跨って結合され、前記冷却風ガイドは、冷却風を前記冷却対象物に誘導するガイド本体(例えば、実施形態のガイド本体14)と、前記ガイド本体に一体に結合され、前記車体下壁の部材に取り付けられるブラケット(例えば、実施形態のブラケット15)と、を有し、前記ブラケットは、前記ガイド本体に前縁部と後縁部で結合されるとともに、前記前縁部と前記後縁部の間に、前記ガイド本体との間で車幅方向に延出する略閉断面構造を構成する強度壁(例えば、実施形態のベース片15a,前方延出片15b,後方延出片15c)が設けられていることを特徴とするものである。
これにより、エンジンルーム内の冷却対象物にはフロアトンネルと冷却風ガイドを通して冷却風が導入され、冷却対象物が外気によって効率良く冷却されるようになる。また、フロアトンネルの後端の車幅方向両側の開口縁に位置される車体下壁の部材には冷却風ガイドが跨って結合されていることから、フロアトンネルによって分断された構造の車体下壁の車幅方向中央領域の後端が冷却風ガイドによって連結され、車体下壁が冷却風ガイドによって補強されることになる。
また、ブラケットの強度壁とガイド本体とが、車幅方向に延出する略閉断面構造を構成し、この略閉断面構造が、冷却風ガイドの車幅方向に延出する横梁部材として機能するようになる。したがって、この構造により冷却風ガイドと車体下壁の剛性がより高まる。
これにより、燃料タンクの上面の少なくとも一部が冷却風ガイドによって覆われ、燃料タンクから車室方向への熱伝達が冷却風ガイドによって阻止されるとともに、燃料タンクの上面が冷却風ガイドによって保護されることになる。
これにより、冷却風ガイドが強度部材であるクロスメンバによって強固に支持され、走行風の影響等によって冷却風ガイドが変形するのを防止される。したがって、この構造により冷却風をエンジンルーム内の冷却対象物に安定的に誘導することが可能になる。
これにより、冷却風ガイドの支持剛性が高まるとともに、車体下壁の車幅方向中央領域後端の剛性が効率良く高められる。
請求項6に係る発明は、請求項5に係る車体後部構造において、前記車室の後方には、車幅方向に延出して車幅方向両側の骨格部を連結するクロスメンバが設けられ、前記冷却風ガイドは、前記クロスメンバに結合されていることを特徴とするものである。
請求項7に係る発明は、請求項5または6に係る車体後部構造において、前記フロアトンネルの車幅方向両側の開口縁には、前記車体下壁に結合される結合フランジが設けられ、前記冷却風ガイドは、前記フロアトンネルの前記結合フランジとともに前記車体下壁に結合されていることを特徴とするものである。
請求項8に係る発明は、車室の後方にエンジンルームが配置される車両の車体後部構造であって、車室下方の車体下壁の車幅方向中央に配置され、上方に向かって窪む凹状断面が前方側から前記車体下壁の後端部に亘って連続するフロアトンネルと、前記フロアトンネルを通して車体前方側から導入された冷却風を前記エンジンルーム内の冷却対象物に誘導する冷却風ガイドと、を備え、前記冷却風ガイドは、前記フロアトンネルの後端の車幅方向両側の開口縁に位置される車体下壁の部材に跨って結合され、前記車室の後方には、車幅方向に延出して車幅方向両側の骨格部を連結するクロスメンバが設けられ、前記冷却風ガイドは、前記クロスメンバに結合されていることを特徴とするものである。
請求項9に係る発明は、請求項8に係る車体後部構造において、前記フロアトンネルの車幅方向両側の開口縁には、前記車体下壁に結合される結合フランジが設けられ、前記冷却風ガイドは、前記フロアトンネルの前記結合フランジとともに前記車体下壁に結合されていることを特徴とするものである。
請求項10に係る発明は、車室の後方にエンジンルームが配置される車両の車体後部構造であって、車室下方の車体下壁の車幅方向中央に配置され、上方に向かって窪む凹状断面が前方側から前記車体下壁の後端部に亘って連続するフロアトンネルと、前記フロアトンネルを通して車体前方側から導入された冷却風を前記エンジンルーム内の冷却対象物に誘導する冷却風ガイドと、を備え、前記冷却風ガイドは、前記フロアトンネルの後端の車幅方向両側の開口縁に位置される車体下壁の部材に跨って結合され、前記フロアトンネルの車幅方向両側の開口縁には、前記車体下壁に結合される結合フランジが設けられ、前記冷却風ガイドは、前記フロアトンネルの前記結合フランジとともに前記車体下壁に結合されていることを特徴とするものである。
これにより、通常では走行風の当たりにくい車体後部であっても、排気通路の触媒収容部を冷却風によって確実に冷却することが可能になる。したがって、この構造により触媒収容部内の触媒が過熱によって劣化するのを未然に防止することができる。
これにより、通常では走行風の当たりにくい車体後部であっても、エンジンの過給機を冷却風によって確実に冷却することが可能になる。したがって、この構造により過給機のタービンのフィンが過熱によって劣化するのを未然に防止することができる。
この実施形態の車両1は、エンジンEが車体後部に搭載され、そのエンジンEによって後輪(図示せず)を駆動する後輪駆動車両である。車室2の後方には、エンジンルーム3が配置されており、そのエンジンルーム3内には、過給機4を備えたエンジンEがトランスミッションTとともに配置されている。エンジンEの本体部とトランスミッションTが一体化されたパワーユニットPの車幅方向略中央の前方側には、過給機4と、エンジンEに接続された排気通路5の触媒収容部5aと、が配置されている。なお、この実施形態においては、過給機4と触媒収容部5aが冷却風によるエンジンルーム3内の主要な冷却対象物とされている。
また、エンジンルーム3内のパワーユニットPの前方側には、エンジンEに供給する燃料を貯留するための樹脂製の燃料タンク6が配置されている。この燃料タンク6は、車幅方向に長い横長形状とされ、その上面の車幅方向中央には車体前後方向に略沿う溝状の凹部6aが形成されている。
車体後部には、エンジンルーム3の左右両側において車体前後方向に沿って延出する一対のリヤサイドフレーム7が配置され、これらのリヤサイドフレーム7の前端部が車幅方向に沿って延出するクロスメンバ8によって相互に連結されている。クロスメンバ8の左右の両端部と左右のリヤサイドフレーム7の前縁部の外側面には、車室2の左右両側下方で車体前後方向に沿って延出するサイドシル9が接合されている。なお、左右のリヤサイドフレーム7の後縁部は、図2に示すように、後輪側のサスペンション部品を支持するリヤサブフレーム70によって連結されている。
これらの図に示すように、冷却風ガイド13は、冷却風をエンジンEやその周辺部品の周域に誘導するガイド本体14と、ガイド本体14に一体に結合され、左右の横梁部12aとフロアトンネル11の後端の車幅方向両側の開口縁に取り付けられるブラケット15と、を備えている。
また、ガイド本体14の傾斜壁14bと左右の側部ガイド壁14dと上縁フランジ14eとは、エンジンルーム3内に配置された燃料タンク6の凹部6aとその側縁部上に配置され、燃料タンク6の中央領域の上面を覆うようになっている。
ここで、車体後部に対する冷却風ガイド13の固定についてさらに詳述すると、図7,図8に示すように、左右の横梁部12aの車幅方向内側の裏面側には、フロアトンネル11の後端側の結合フランジ11aが重ねて配置されており、冷却風ガイド13は、ブラケット15のベース片15aの両縁部が、左右の横梁部12aの車幅方向内側の端縁上に重ねられ、その状態で上記の結合フランジ11aとともに左右の横梁部12aにボルト17によって締結固定される。
したがって、この構造により、過給機4のタービンのフィンや触媒収容部5a内の触媒が過熱によって劣化するのを未然に防止することができる。
即ち、左右のフロアパネル10が、上方に凸に湾曲するフロアトンネル11を介して、相互に連結される車体下壁の構造の場合、フロアトンネル11によって車幅方向や捩れ方向の剛性や強度が低下する傾向となるが、この実施形態の車体後部構造では、フロアトンネル11の後端位置にある左右の横梁部12aに跨って冷却風ガイド13が結合されるため、専用の補強部材を大幅に追加することなく冷却風ガイド13によって車体下壁の剛性と強度を充分に高めることができる。
3…エンジンルーム
4…過給機(冷却対象物)
5…排気通路
5a…触媒収容部(冷却対象物)
6…燃料タンク
8…クロスメンバ
10…フロアパネル(車体下壁)
11…フロアトンネル
11a…結合フランジ
13…冷却風ガイド
14…ガイド本体
15…ブラケット
15a…ベース片(強度壁)
15b…前方延出片(強度壁)
15c…後方延出片(強度壁)
Claims (12)
- 車室の後方にエンジンルームが配置される車両の車体後部構造であって、
車室下方の車体下壁の車幅方向中央に配置され、上方に向かって窪む凹状断面が前方側から前記車体下壁の後端部に亘って連続するフロアトンネルと、
前記フロアトンネルを通して車体前方側から導入された冷却風を前記エンジンルーム内の冷却対象物に誘導する冷却風ガイドと、を備え、
前記冷却風ガイドは、前記フロアトンネルの後端の車幅方向両側の開口縁に位置される車体下壁の部材に跨って結合され、
前記冷却風ガイドは、
冷却風を前記冷却対象物に誘導するガイド本体と、
前記ガイド本体に一体に結合され、前記車体下壁の部材に取り付けられるブラケットと、を有し、
前記ブラケットは、前記ガイド本体に前縁部と後縁部で結合されるとともに、前記前縁部と前記後縁部の間に、前記ガイド本体との間で車幅方向に延出する略閉断面構造を構成する強度壁が設けられていることを特徴とする車体後部構造。 - 前記エンジンルーム内には燃料タンクが配置され、
前記冷却風ガイドは、前記燃料タンクの上面の少なくとも一部を覆うように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車体後部構造。 - 前記車室の後方には、車幅方向に延出して車幅方向両側の骨格部を連結するクロスメンバが設けられ、前記冷却風ガイドは、前記クロスメンバに結合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車体後部構造。
- 前記フロアトンネルの車幅方向両側の開口縁には、前記車体下壁に結合される結合フランジが設けられ、
前記冷却風ガイドは、前記フロアトンネルの前記結合フランジとともに前記車体下壁に結合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車体後部構造。 - 車室の後方にエンジンルームが配置される車両の車体後部構造であって、
車室下方の車体下壁の車幅方向中央に配置され、上方に向かって窪む凹状断面が前方側から前記車体下壁の後端部に亘って連続するフロアトンネルと、
前記フロアトンネルを通して車体前方側から導入された冷却風を前記エンジンルーム内の冷却対象物に誘導する冷却風ガイドと、を備え、
前記冷却風ガイドは、前記フロアトンネルの後端の車幅方向両側の開口縁に位置される車体下壁の部材に跨って結合され、
前記エンジンルーム内には燃料タンクが配置され、
前記冷却風ガイドは、前記燃料タンクの上面の少なくとも一部を覆うように配置されていることを特徴とする車体後部構造。 - 前記車室の後方には、車幅方向に延出して車幅方向両側の骨格部を連結するクロスメンバが設けられ、前記冷却風ガイドは、前記クロスメンバに結合されていることを特徴とする請求項5に記載の車体後部構造。
- 前記フロアトンネルの車幅方向両側の開口縁には、前記車体下壁に結合される結合フランジが設けられ、
前記冷却風ガイドは、前記フロアトンネルの前記結合フランジとともに前記車体下壁に結合されていることを特徴とする請求項5または6に記載の車体後部構造。 - 車室の後方にエンジンルームが配置される車両の車体後部構造であって、
車室下方の車体下壁の車幅方向中央に配置され、上方に向かって窪む凹状断面が前方側から前記車体下壁の後端部に亘って連続するフロアトンネルと、
前記フロアトンネルを通して車体前方側から導入された冷却風を前記エンジンルーム内の冷却対象物に誘導する冷却風ガイドと、を備え、
前記冷却風ガイドは、前記フロアトンネルの後端の車幅方向両側の開口縁に位置される車体下壁の部材に跨って結合され、
前記車室の後方には、車幅方向に延出して車幅方向両側の骨格部を連結するクロスメンバが設けられ、前記冷却風ガイドは、前記クロスメンバに結合されていることを特徴とする車体後部構造。 - 前記フロアトンネルの車幅方向両側の開口縁には、前記車体下壁に結合される結合フランジが設けられ、
前記冷却風ガイドは、前記フロアトンネルの前記結合フランジとともに前記車体下壁に結合されていることを特徴とする請求項8に記載の車体後部構造。 - 車室の後方にエンジンルームが配置される車両の車体後部構造であって、
車室下方の車体下壁の車幅方向中央に配置され、上方に向かって窪む凹状断面が前方側から前記車体下壁の後端部に亘って連続するフロアトンネルと、
前記フロアトンネルを通して車体前方側から導入された冷却風を前記エンジンルーム内の冷却対象物に誘導する冷却風ガイドと、を備え、
前記冷却風ガイドは、前記フロアトンネルの後端の車幅方向両側の開口縁に位置される車体下壁の部材に跨って結合され、
前記フロアトンネルの車幅方向両側の開口縁には、前記車体下壁に結合される結合フランジが設けられ、
前記冷却風ガイドは、前記フロアトンネルの前記結合フランジとともに前記車体下壁に結合されていることを特徴とする車体後部構造。 - 前記冷却対象物は、前記エンジンの排気通路の触媒収容部であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の車体後部構造。
- 前記冷却対象物は、前記エンジンの過給機であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の車体後部構造。
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