JP5836988B2 - 加熱ベルトの破れ又は偏り検知方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
下記の特許文献1では、加熱ベルトの端部に1つ以上の温度センサを配置し、温度センサの検出温度が一時的に下落した際に、その下降温度幅が基準下降温度より大きいか否かを判別している。そして、基準下降温度より大きい温度下落が周期的に複数回生じると、加熱ベルトが変形したと判定している。
本発明の画像形成装置は、前記温度差検知回路は、前記加熱ベルトの幅方向の一端部の温度に対する他端部の温度の温度差を検出する第1の差動増幅回路と、前記第1の差動増幅回路で検出された温度差が所定値より大きいか否かを判定する第1のコンパレータと、前記他端部の温度に対する前記一端部の温度の温度差を検出する第2の差動増幅回路と、前記第2の差動増幅回路で検出された温度差が所定値より大きいか否かを判定する第2のコンパレータと、回転パルスを出力する回転パルス発生回路とを備え、前記第1のコンパレータ,前記第2のコンパレータ,及び前記回転パルス発生回路は、前記第1のコンパレータ及び前記第2のコンパレータで所定値より小さいと判定されると回転パルス信号を出力し、前記第1のコンパレータ又は前記第2のコンパレータで所定値より大きいと判定されるとローレベル信号を出力するワイヤードOR回路を構成していることを特徴とする。
〔画像形成装置1の構成〕
まず、図1を参照して、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1の構成について詳しく説明する。
図1によると、本実施の形態の画像形成装置1は、原稿読取部2と、原稿給送部3と、本体部4と、スタックトレイ5と、操作パネル部6(入力手段)とを備えている。
原稿読取部2は、本体部4の上方に配設され、原稿給送部3は、原稿読取部2の上方に配設されている。スタックトレイ5は、本体部4に設けられた記録紙の排出口41側に配設され、また、操作パネル部6は、本体部4のフロント側に配設されている。
また、原稿給送部3により搬送された原稿を読み取る場合には、スキャナー21は、原稿読取スリット23と対向する位置に移動され、原稿読取スリット23を介し、原稿給送部3による原稿の搬送動作と同期して原稿を読み取って画像データを取得し、取得した画像データを本体部4に出力する。
給紙ローラー422、搬送ローラー対44、及び排出ローラー対45は、搬送部として機能する。記録紙は、この搬送部により搬送される。給紙ローラー422によって用紙搬送路43に繰り出された記録紙は、搬送ローラー対44によって画像形成部7に搬送される。
そして、画像形成部7によって記録が施された記録紙は、排出ローラー対45によってスタックトレイ5に排出される。
また、操作パネル部6は、ユーザーによるパスワード等の認証入力を受け付ける。
転写部74は、現像部73によって感光体ドラム71上に形成されたトナー像を記録紙に転写させる。定着装置8は、転写部74によってトナー像が転写された記録紙を加熱してトナー像を記録紙に定着させる。
定着装置8は、加熱ローラー81と、溶融ローラー82と、加熱ベルト83と、加圧ローラー84と、加熱源85とを備えている。加熱ベルト83は、用紙にトナーを定着させるためのものであり、加熱ローラー81と溶融ローラー82との間に掛けられている。加圧ローラー84は、加熱ベルト83に用紙を押し付けるためのものであり、加熱ベルト83と外周面を接触させて配置されている。加熱源85は、加熱ベルト83を加熱するための熱源であり、加熱ローラー81との間に間隔をあけて加熱ローラー81の周囲に配置されている。
溶融ローラー82は、例えば、ステンレス鋼からなる外径45mmの芯金ローラーと、芯金ローラーの外周面を被覆する厚さ5mm以上10mm以下のシリコンゴムからなるスポンジ層を含む円筒状に形成される。
加熱ベルト83は、例えば、厚さ寸法約30μm以上約50μm以下のニッケル電鋳基材と、ニッケル電鋳基材上に積層されるシリコンゴム層と、シリコンゴム層上に形成される離型層(例えば、PFA層)を含んでいる。加熱ベルト83は、例えば、用紙を加熱する。
加圧ローラー84は、例えば、ステンレス鋼からなる芯金ローラー、芯金ローラー外周面を被覆する厚さ2mm以上5mm以下のシリコンゴムからなるスポンジ層及び離型層(例えば、PFA層)を含む外径50mmの円柱状に形成される。加圧ローラー84の金属製の芯材は、例えば、FeやAlを用いて形成されてもよい。この芯材上にSiゴム層が形成されてもよい。さらにSiゴム層の表層にフッ素樹脂層が形成されてもよい。
加熱源85は、電磁誘導による誘導加熱装置であり、加熱ローラー81及び加熱ベルト83を誘導加熱する励磁コイル等を備えている。
図4には、画像形成装置1が備える比較基板89a及びエンジン基板89bの概略構成のブロック図が示されている。
温度差検知回路87aは、R側端部サーミスタ86a及びF側端部サーミスタ86bで検出される温度を比較し、この温度差が所定値より大きいか否かを判別する回路であり、比較基板89a上に構成されている。温度差検知回路87aは、定着装置8の動作中には回転パルス信号を送信し(図6参照)、定着装置8の動作時に加熱ベルト83に破れ又は偏りが生じたのを検知すると、ローレベル信号を送信する(図6参照)よう構成されている。比較基板89a上には、R側端部サーミスタ86a及びF側端部サーミスタ86bで検出される温度が所定の高温に達したか否かを判定する高温検知回路87b,87cも備えられている。高温検知回路87b,87cも、定着装置8の正常動作時にハイレベル信号を出力し、異常検出時にはローレベル信号を出力するよう構成されている。
温度差検知回路87a及び高温検知回路87b,87cは、ワイヤードOR回路88を構成している。このワイヤードOR回路88は、何れの回路87a,87b,及び87cからも回転パルス信号,ハイレベル信号が出力されているときにはエンジンCPU90及びAND回路91bに回転パルス信号を出力し、何れかの回路87a,87b,又は87cでローレベル信号が出力されると、エンジンCPU90及びAND回路91bにローレベル信号を出力する。エンジンCPU90は、画像形成装置1の動作制御を行うためのもので、エンジン基板89b上に搭載されている。
次に、温度差検知回路87aによる判定手法を実現する差動増幅回路91cを具体的に説明する。図5は差動増幅回路91cの一例を示す回路図である。R側端部サーミスタ86aには抵抗素子92が直列に接続されており、R側端部サーミスタ86aの出力電圧がオペアンプ93によるボルテージフォロワ回路により取り出される。同様に、F側端部サーミスタ86bには抵抗素子94が直列に接続されており、F側端部サーミスタ86bの出力電圧(センサ出力Ve)がオペアンプ98によるボルテージフォロワ回路により取り出される。
たとえば、閾値V0を2.5Vに設定する場合、5Vの電源電圧を同じ抵抗値の抵抗素子110,111で分圧すればよい。コンパレータ109は、差分値(Vc−Ve)×10が閾値V0よりも大きいON判定の場合、ローレベルの信号を出力し、閾値V0よりも小さいOFF判定場合、ハイレベルの信号を出力する。
たとえば、閾値V1を2.5Vに設定する場合、5Vの電源電圧を同じ抵抗値の抵抗素子113,114で分圧すればよい。コンパレータ112は、差分値(Ve−Vc)×10が閾値V0よりも大きいON判定の場合、ローレベルの信号を出力し、閾値V0よりも小さいOFF判定場合、ハイレベルの信号を出力する。
なお、図5において、各電源電圧値は例示であり、加熱ベルト83の破れ又は偏り検知するために好適な値に調整可能である。
次に、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1による加熱ベルト83の破れや偏りの検出処理の説明を行う。
本実施形態の定着装置8による定着処理では、加熱ローラー81と溶融ローラー82との間に掛けられた加熱ベルト83が加熱源85で加熱されて、加熱ベルト83と加圧ローラー84との間に用紙が供給される際には、R側端部サーミスタ86a,F側端部サーミスタ86bで検知される温度が一定の温度に保たれている。R側端部サーミスタ86a,F側端部サーミスタ86bで検知される温度は、定着処理が行われている間、通常は一定に保たれている。
一方、F側端部サーミスタ86aでの検出温度は152℃〜153℃程度に保たれており、F側端部サーミスタ86aでの出力電圧も1.82V〜1.84V程度と加熱ベルト83の破断が生じる前と同程度の値に保たれている。このため、R側端部サーミスタ86aでの出力電圧とF側端部サーミスタ86bでの出力電圧との間に大きな温度差が生じることとなり、コンパレータ109がON判定となる。この結果、ワイヤードOR回路からは回転パルスが出力されない。このため、ワイヤードOR回路88から送信される信号が回転パルス信号からローレベル信号となり、加熱源85に対する「ヒータREM信号」の供給が停止される。
本実施形態によれば、通常は同じ程度の温度に保たれるR側端部サーミスタ86a及びF側端部サーミスタ86bの検出温度に所定値以上の温度差が生じたことを判別することで、加熱ベルト83の温度変化を長時間監視することなく、加熱ベルト83の破れや偏りを判別することができる。この結果、加熱ベルト83の破断後に加熱源85による加熱が長時間行われて、定着装置8から発火発煙が生じるのを防止し、安全性を高めることもできる。また、加熱ベルト83の低温時でも加熱ベルト83の破れや偏りを検知できる。
本発明の画像形成装置1は、温度差検知手段は、加熱ベルト83の幅方向の一端部83bの温度に対する他端部83aの温度の温度差を検出する第1の差動増幅回路(オペアンプ99及び抵抗素子100〜103)と、第1の差動増幅回路で検出された温度差が所定値より大きいか否かを判定する第1のコンパレータ(コンパレータ109)と、他端部83aの温度に対する一端部83bの温度の温度差を検出する第2の差動増幅回路(オペアンプ104及び抵抗素子105〜108)と、第2の差動増幅回路で検出された温度差が所定値より大きいか否かを判定する第2のコンパレータ112と、第1のコンパレータ(コンパレータ109)又は第2のコンパレータ(コンパレータ112)で温度差が所定値より大きいと判定されると、所定値より大きな温度差があると判別する温度差判別手段(コンパレータ109,112、回転パルス発生回路115、抵抗素子116)とを備えていることを特徴とする。
2 原稿読取部
3 原稿給送部
4 本体部
5 スタックトレイ
6 操作パネル部
7 画像形成部
8 定着装置
21 スキャナー
22 プラテンガラス
23 原稿読取スリット
31 原稿載置部
32 原稿排出部
33 原稿搬送機構
41 排出口
42 給紙部
43 用紙搬送路
44 搬送ローラー対
45 排出ローラー対
71 感光体ドラム
72 露光部
73 現像部
74 転写部
81 加熱ローラー
82 溶融ローラー
83 加熱ベルト
83a,83b 端部
84 加圧ローラー
85 加熱源
86 サーミスタ
86a R側端部サーミスタ(サーミスタ)
86b F側端部サーミスタ(サーミスタ)
87a 温度差検知回路
87b,87c 高温検知回路
88 ワイヤードOR回路
89a 比較基板
89b エンジン基板
90 エンジンCPU
91a アナログスイッチ(アナログSW)
91b AND回路
91c 差動増幅回路
92,94 抵抗素子
93,98 オペアンプ
99,104 オペアンプ
100〜103 抵抗素子
105〜108 抵抗素子
109,112 コンパレータ
110,111 抵抗素子
113,114 抵抗素子
115 回転パルス発生回路
116 抵抗素子
421 給紙カセット
422 給紙ローラー
Claims (2)
- 加熱ローラーと溶融ローラーとの間に掛けられた加熱ベルトを備えた画像形成装置であって、
前記加熱ベルトの幅方向の両端部に配置され、前記加熱ベルトの温度を検知するサーミスタと、
前記サーミスタで検出される温度を比較して温度差が所定値より小さいと回転パルス信号を出力し、所定値より大きいとローレベル信号を出力する温度差検知回路と、
前記サーミスタ毎に設けられ、前記サーミスタで検出される温度が所定の高温に達していないとハイレベル信号を出力し、所定の高温に達するとローレベル信号を出力する高温検知回路と、
前記加熱ベルトの加熱源にAND回路を介して温度制御信号を出力する制御信号出力手段と、
を備え、
前記温度差検知回路及び前記高温検知回路は、前記温度差検知回路から回転パルス信号が出力され、かつ、全ての前記高温検知回路からハイレベル信号が出力されているときには前記AND回路に回転パルス信号を出力し、前記温度差検知回路及び前記高温検知回路の何れかでローレベル信号が出力されると、前記AND回路にローレベル信号を出力するワイヤードOR回路を構成しており、
前記AND回路は、前記ワイヤードOR回路から回転パルス信号が入力されている間は前記制御信号出力手段から入力された温度制御信号を前記加熱源に出力し、前記ワイヤードOR回路からローレベル信号が入力されると温度制御信号の出力を停止することを特徴とする画像形成装置。 - 前記温度差検知回路は、
前記加熱ベルトの幅方向の一端部の温度に対する他端部の温度の温度差を検出する第1の差動増幅回路と、
前記第1の差動増幅回路で検出された温度差が所定値より大きいか否かを判定する第1のコンパレータと、
前記他端部の温度に対する前記一端部の温度の温度差を検出する第2の差動増幅回路と、
前記第2の差動増幅回路で検出された温度差が所定値より大きいか否かを判定する第2のコンパレータと、
回転パルスを出力する回転パルス発生回路とを備え、
前記第1のコンパレータ,前記第2のコンパレータ,及び前記回転パルス発生回路は、前記第1のコンパレータ及び前記第2のコンパレータで所定値より小さいと判定されると回転パルス信号を出力し、前記第1のコンパレータ又は前記第2のコンパレータで所定値より大きいと判定されるとローレベル信号を出力するワイヤードOR回路を構成していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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