JP2014164116A - 加熱ベルトの破れ又は偏り検知方法及び画像形成装置 - Google Patents

加熱ベルトの破れ又は偏り検知方法及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】加熱ベルトの温度変化の異常を長時間監視することなく、加熱ベルトの破れ又は偏りを検知できるようにする。
【解決手段】
画像形成装置1は、加熱ローラー81と溶融ローラー82との間に掛けられた加熱ベルト83と、加熱ベルト83の両端部の温度を検知するサーミスタ86a,86bと、サーミスタ86a,86bでの検出温度に所定値より大きな温度差があるかを判別する温度差検知回路87aと、所定値より大きな温度差があると判別されると加熱ベルト83に破れ又は偏りが生じたと判断するエンジンCPU90とを備えている。温度差検知回路87aは、サーミスタ86a,86bでの検出温度間の温度差を検出するオペアンプ99,104及び抵抗素子100〜103,105〜108と、検出された温度差が所定値より大きいか否かを検出された温度差毎に判別するコンパレータ109,112とを備えている。
【選択図】図4

Description

本発明は、画像形成装置に係り、特に加熱ベルトの破れ又は偏りの検知方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置として、一般的に熱ベルト定着が知られている。熱ベルト定着では、加熱ローラーと溶融ローラーとの間に加熱ベルトが掛けられている。加熱ベルトが蛇行すると加熱ベルトにしわが寄るなどの異常が発生する可能性があった。このため、定着ベルトの異常を判断する手段が検討されている。
下記の特許文献1では、加熱ベルトの端部に1つ以上の温度センサを配置し、温度センサの検出温度が一時的に下落した際に、その下降温度幅が基準下降温度より大きいか否かを判別している。そして、基準下降温度より大きい温度下落が周期的に複数回生じると、加熱ベルトが変形したと判定している。
特開2011−113006号公報
しかしながら、特許文献1の方法では基準下降温度より大きな検出温度の下降幅が複数回繰り返されるまで加熱ベルトの変形が判定されなかったため、温度変化を長時間監視する必要があった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上述の課題を解消することを課題とする。
本発明の加熱ベルトの破れ又は偏り検知方法は、加熱ローラーと溶融ローラーとの間に掛けられた加熱ベルトを備えた画像形成装置での前記加熱ベルトの破れ又は偏り検知方法であって、記加熱ベルトの幅方向の両端部の温度をサーミスタで検出する温度検出ステップと、前記温度検出ステップで検出した前記加熱ベルトの幅方向の両端部の温度を比較して所定値より大きな温度差があるか否かを判別する温度差検知ステップと、前記温度差検知ステップで所定値より大きな温度差があると判別されると前記加熱ベルトに破れ又は偏りが生じたと判断する判断ステップとを備えることを特徴とする。
本発明の加熱ベルトの破れ又は偏り検知方法は、前記温度差検知ステップは、前記加熱ベルトの幅方向の一端部の温度に対する他端部の温度の温度差を第1の差動増幅回路で検出する第1の温度差検出ステップと、前記第1の温度差検出ステップで検出された温度差が所定値より大きいか否かを第1のコンパレータで判定する第1の温度差判別ステップと、前記他端部の温度に対する前記一端部の温度の温度差を第2の差動増幅回路で検出する第2の温度差検出ステップと、前記第2の温度差検出ステップで検出された温度差が所定値より大きいか否かを第2のコンパレータで判定する第2の温度差判別ステップと、前記第1の温度差判別ステップ又は第2の温度差判別ステップで温度差が所定値より大きいと判定されると、所定値より大きな温度差があると判別する温度差判別ステップとを備えていることを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、加熱ローラーと溶融ローラーとの間に掛けられた加熱ベルトを備えた画像形成装置であって、前記加熱ベルトの幅方向の両端部に配置され、前記加熱ベルトの温度を検知するサーミスタと、前記サーミスタで検出される温度を比較して所定値より大きな温度差があるか否かを判別する前記温度差検知手段と、前記温度差検知手段で所定値より大きな温度差があると判別されると前記加熱ベルトに破れ又は偏りが生じたと判断する判断手段とを備えることを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、前記温度差検知手段は、前記加熱ベルトの幅方向の一端部の温度に対する他端部の温度の温度差を検出する第1の差動増幅回路と、前記第1の差動増幅回路で検出された温度差が所定値より大きいか否かを判定する第1のコンパレータと、前記他端部の温度に対する前記一端部の温度の温度差を検出する第2の差動増幅回路と、前記第2の差動増幅回路で検出された温度差が所定値より大きいか否かを判定する第2のコンパレータと、前記第1のコンパレータ又は第2のコンパレータで温度差が所定値より大きいと判定されると、所定値より大きな温度差があると判別する温度差判別手段とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、通常は同程度の温度に保たれる加熱ベルトの両端部の温度に所定値以上の温度差が生じると加熱ベルトに破れ又は偏りが生じたと判別することで、加熱ベルトの温度変化の異常を長時間監視することなく、加熱ベルトの破れ又は偏りを検知できる。
本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。 図1の定着装置の構成を示す図である。 図1の定着装置が備えるサーミスタの取付位置を示す図である。 画像形成装置が備える比較基板及びエンジン基板の構成を示すブロック図である。 温度差検知回路による判定手法を実現する差動増幅回路を示す回路図である。 R側端部サーミスタ及びF側端部サーミスタ、コンパレータ、ワイヤードOR回路での出力電圧の関係を示す図である。 R側端部サーミスタ及びF側端部サーミスタでの検出温度と出力電圧との関係を示す図である。
<実施の形態>
〔画像形成装置1の構成〕
まず、図1を参照して、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1の構成について詳しく説明する。
図1によると、本実施の形態の画像形成装置1は、原稿読取部2と、原稿給送部3と、本体部4と、スタックトレイ5と、操作パネル部6(入力手段)とを備えている。
原稿読取部2は、本体部4の上方に配設され、原稿給送部3は、原稿読取部2の上方に配設されている。スタックトレイ5は、本体部4に設けられた記録紙の排出口41側に配設され、また、操作パネル部6は、本体部4のフロント側に配設されている。
原稿読取部2は、スキャナー21と、プラテンガラス22と、原稿読取スリット23とを備える。スキャナー21は、露光ランプ、及びCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像センサ等から構成され、原稿給送部3による原稿の搬送方向に移動可能に構成されている。プラテンガラス22は、ガラス等の透明部材により構成された原稿台である。原稿読取スリット23は、原稿給送部3による原稿の搬送方向と直交方向に形成されたスリットを有する。
プラテンガラス22に載置された原稿を読み取る場合には、スキャナー21は、プラテンガラス22に対向する位置に移動され、プラテンガラス22に載置された原稿を走査しながら原稿を読み取って画像データを取得して、取得した画像データを本体部4に出力する。
また、原稿給送部3により搬送された原稿を読み取る場合には、スキャナー21は、原稿読取スリット23と対向する位置に移動され、原稿読取スリット23を介し、原稿給送部3による原稿の搬送動作と同期して原稿を読み取って画像データを取得し、取得した画像データを本体部4に出力する。
原稿給送部3は、原稿載置部31と、原稿排出部32と、原稿搬送機構33とを備えている。原稿載置部31に載置された原稿は、原稿搬送機構33によって、1枚ずつ順に繰り出されて原稿読取スリット23に対向する位置へ搬送され、その後、原稿排出部32に排出される。なお、原稿給送部3は、可倒式に構成され、原稿給送部3を上方に持ち上げることで、プラテンガラス22の上面を開放させることができる。
本体部4は、画像形成部7(画像形成手段)を備えると共に、給紙部42と、用紙搬送路43と、搬送ローラー対44と、排出ローラー対45とを備えている。給紙部42は、それぞれサイズ又は向きが異なる記録紙を収納する複数の給紙カセット421と、給紙カセット421から記録紙を1枚ずつ用紙搬送路43に繰り出す給紙ローラー422とを備えている。
給紙ローラー422、搬送ローラー対44、及び排出ローラー対45は、搬送部として機能する。記録紙は、この搬送部により搬送される。給紙ローラー422によって用紙搬送路43に繰り出された記録紙は、搬送ローラー対44によって画像形成部7に搬送される。
そして、画像形成部7によって記録が施された記録紙は、排出ローラー対45によってスタックトレイ5に排出される。
操作パネル部6は、LCD等の表示部と、スタートキー、テンキー、複写/FAX送信/スキャナー等の動作モードの切り換えボタンと、印刷、送信、受信、保存、又は記録に関する指示を行うためのボタンやタッチパネル等とを含む入力部を備えている。つまり、操作パネル部6は、ユーザーによる画像形成装置1のこれらの各種ジョブの指示入力を受け付ける。
また、操作パネル部6は、ユーザーによるパスワード等の認証入力を受け付ける。
画像形成部7は、感光体ドラム71と、露光部72と、現像部73と、転写部74と、定着装置8とを備えている。露光部72は、レーザー装置やミラーやレンズ等を備えた光学ユニットであり、画像データに基づいた光を出力して感光体ドラム71を露光し、感光体ドラム71の表面に静電潜像を形成する。現像部73は、トナーを用いて感光体ドラム71に形成された静電潜像を現像する現像ユニットであり、静電潜像に基づいたトナー像を感光体ドラム71上に形成させる。
転写部74は、現像部73によって感光体ドラム71上に形成されたトナー像を記録紙に転写させる。定着装置8は、転写部74によってトナー像が転写された記録紙を加熱してトナー像を記録紙に定着させる。
図2には、画像形成装置1の定着装置8の概略構成図が示されている。
定着装置8は、加熱ローラー81と、溶融ローラー82と、加熱ベルト83と、加圧ローラー84と、加熱源85とを備えている。加熱ベルト83は、用紙にトナーを定着させるためのものであり、加熱ローラー81と溶融ローラー82との間に掛けられている。加圧ローラー84は、加熱ベルト83に用紙を押し付けるためのものであり、加熱ベルト83と外周面を接触させて配置されている。加熱源85は、加熱ベルト83を加熱するための熱源であり、加熱ローラー81との間に間隔をあけて加熱ローラー81の周囲に配置されている。
加熱ローラー81は、例えば、円筒形状の鉄基材と、鉄基材外周面に形成される肉厚寸法0.2mm以上1.0mm以下の離型層(例えば、PFA層)を含み、外径30mmの円筒状に形成される。
溶融ローラー82は、例えば、ステンレス鋼からなる外径45mmの芯金ローラーと、芯金ローラーの外周面を被覆する厚さ5mm以上10mm以下のシリコンゴムからなるスポンジ層を含む円筒状に形成される。
加熱ベルト83は、例えば、厚さ寸法約30μm以上約50μm以下のニッケル電鋳基材と、ニッケル電鋳基材上に積層されるシリコンゴム層と、シリコンゴム層上に形成される離型層(例えば、PFA層)を含んでいる。加熱ベルト83は、例えば、用紙を加熱する。
加圧ローラー84は、例えば、ステンレス鋼からなる芯金ローラー、芯金ローラー外周面を被覆する厚さ2mm以上5mm以下のシリコンゴムからなるスポンジ層及び離型層(例えば、PFA層)を含む外径50mmの円柱状に形成される。加圧ローラー84の金属製の芯材は、例えば、FeやAlを用いて形成されてもよい。この芯材上にSiゴム層が形成されてもよい。さらにSiゴム層の表層にフッ素樹脂層が形成されてもよい。
加熱源85は、電磁誘導による誘導加熱装置であり、加熱ローラー81及び加熱ベルト83を誘導加熱する励磁コイル等を備えている。
図3は、定着装置8のサーミスタ86a,86bの配置が示されている。加熱ベルト83の幅方向の両端部となる端部83a,83b近傍には、温度検知用のR(Rear、背面)側端部サーミスタ86a及びF(Front、前面)側端部サーミスタ86bが配置されている。なお、端部83a,83bは、加熱ベルト83の幅方向の両端から中央までのうち、サーミスタ86a,86bの検出温度に基づき後述する温度差検知回路87a(図4参照)で加熱ベルト83の破れ又は偏りの発生を検知できる位置であればよい。R側端部サーミスタ86a及びF側端部サーミスタ86bによる検出結果は、加熱源85による発熱温度の制御と、図4に示す温度差検知回路87aによる加熱ベルト83の破れ又は偏りの検知に用いられる。
〔比較基板89a及びエンジン基板89bの構成〕
図4には、画像形成装置1が備える比較基板89a及びエンジン基板89bの概略構成のブロック図が示されている。
温度差検知回路87aは、R側端部サーミスタ86a及びF側端部サーミスタ86bで検出される温度を比較し、この温度差が所定値より大きいか否かを判別する回路であり、比較基板89a上に構成されている。温度差検知回路87aは、定着装置8の動作中には回転パルス信号を送信し(図6参照)、定着装置8の動作時に加熱ベルト83に破れ又は偏りが生じたのを検知すると、ローレベル信号を送信する(図6参照)よう構成されている。比較基板89a上には、R側端部サーミスタ86a及びF側端部サーミスタ86bで検出される温度が所定の高温に達したか否かを判定する高温検知回路87b,87cも備えられている。高温検知回路87b,87cも、定着装置8の正常動作時にハイレベル信号を出力し、異常検出時にはローレベル信号を出力するよう構成されている。
温度差検知回路87a及び高温検知回路87b,87cは、ワイヤードOR回路88を構成している。このワイヤードOR回路88は、何れの回路87a,87b,及び87cからも回転パルス信号,ハイレベル信号が出力されているときにはエンジンCPU90及びAND回路91bに回転パルス信号を出力し、何れかの回路87a,87b,又は87cでローレベル信号が出力されると、エンジンCPU90及びAND回路91bにローレベル信号を出力する。エンジンCPU90は、画像形成装置1の動作制御を行うためのもので、エンジン基板89b上に搭載されている。
エンジンCPU90では、アナログスイッチ(アナログSW)91aを介してR側端部サーミスタ86a並びにF側端部サーミスタ86bから入力される信号、及びワイヤードOR回路88から入力される信号に基づき定着装置8の動作制御用の「定着リレーREM信号」を定着装置8に出力し、また、加熱源85の温度制御用の「ヒータREM信号」をAND回路91bを介して加熱源85に出力している。AND回路91bは、ワイヤードOR回路88から回転パルス信号が入力されていると、エンジンCPU90から入力された「ヒータREM信号」をそのまま加熱源85に出力し、ワイヤードOR回路88からローレベル信号が入力されると、加熱源85に対する「ヒータREM信号」の出力を停止するようになっている。
〔差動増幅回路91cの構成〕
次に、温度差検知回路87aによる判定手法を実現する差動増幅回路91cを具体的に説明する。図5は差動増幅回路91cの一例を示す回路図である。R側端部サーミスタ86aには抵抗素子92が直列に接続されており、R側端部サーミスタ86aの出力電圧がオペアンプ93によるボルテージフォロワ回路により取り出される。同様に、F側端部サーミスタ86bには抵抗素子94が直列に接続されており、F側端部サーミスタ86bの出力電圧(センサ出力Ve)がオペアンプ98によるボルテージフォロワ回路により取り出される。
オペアンプ93から出力されたR側端部サーミスタ86aのセンサ出力Vcは、オペアンプ99と抵抗素子100〜103とからなる差動増幅回路に入力される。(オペアンプ99の非反転入力に入力)。また、オペアンプ98から出力されたF側端部サーミスタ86bのセンサ出力Vcもオペアンプ104と抵抗素子105〜108とからなる差動増幅回路に入力される(オペアンプ99の反転入力に入力)。抵抗素子100〜103の抵抗値は、例えば、抵抗素子100,101が10kΩであり、抵抗素子102,103が100kΩである。したがって、この差動増幅回路はセンサ出力Vcと補償出力Veとの差分値(Vc−Ve)を10倍に増幅する。この差動増幅回路は、本発明において、加熱ベルト83の幅方向の一端部83bの温度に対する他端部83aの温度の温度差を検出する第1の差動増幅回路として機能していることになる。
一方、オペアンプ98から出力されたF側端部サーミスタ86bのセンサ出力Veは、オペアンプ104と抵抗素子105〜108とからなる差動増幅回路に入力される(オペアンプ104の非反転入力に入力)。また、オペアンプ93から出力されたR側端部サーミスタ86aのセンサ出力Vcもオペアンプ104と抵抗素子105〜108とからなる差動増幅回路に入力される(オペアンプ104の反転入力に入力)。抵抗素子105〜108の抵抗値は、例えば、抵抗素子105,106が10kΩであり、抵抗素子107,108が100kΩである。したがって、この差動増幅回路はセンサ出力Vcと補償出力Veとの差分値(Ve−Vc)を10倍に増幅する。この差動増幅回路は、本発明において、加熱ベルト83の幅方向の他端部83aの温度に対する一端部83bの温度の温度差を検出する第2の差動増幅回路として機能していることになる。
オペアンプ99の出力はコンパレータ109の一方の入力端子に入力される。また、コンパレータ109の他方の端子には抵抗素子110,111とで設定される閾値V0の電圧信号が入力される。
たとえば、閾値V0を2.5Vに設定する場合、5Vの電源電圧を同じ抵抗値の抵抗素子110,111で分圧すればよい。コンパレータ109は、差分値(Vc−Ve)×10が閾値V0よりも大きいON判定の場合、ローレベルの信号を出力し、閾値V0よりも小さいOFF判定場合、ハイレベルの信号を出力する。
オペアンプ104の出力はコンパレータ112の一方の入力端子に入力される。また、コンパレータ112の他方の端子には抵抗素子113,114とで設定される閾値V1の電圧信号が入力される。
たとえば、閾値V1を2.5Vに設定する場合、5Vの電源電圧を同じ抵抗値の抵抗素子113,114で分圧すればよい。コンパレータ112は、差分値(Ve−Vc)×10が閾値V0よりも大きいON判定の場合、ローレベルの信号を出力し、閾値V0よりも小さいOFF判定場合、ハイレベルの信号を出力する。
なお、図5において、各電源電圧値は例示であり、加熱ベルト83の破れ又は偏り検知するために好適な値に調整可能である。
コンパレータ109は、本発明において、第1の差動増幅回路で検出された温度差が所定値より大きいか否かを判定する第1のコンパレータとして機能していることになる。コンパレータ112は、本発明において、第2の差動増幅回路で検出された温度差が所定値より大きいか否かを判定する第2のコンパレータとして機能していることになる。
コンパレータ109,112の出力には回転パルス発生回路115が接続されている。コンパレータ109,112及び回転パルス発生回路115の出力はオープンコレクタ型となっており、抵抗素子116がプルアップ抵抗となってワイヤードOR回路を構成している。回転パルス発生回路115からは回転パルスが出力されており、コンパレータ109,112からハイレベルの信号が出力されている間は、これに合わせてワイヤードOR回路からも回転パルスが出力されている。これにより、コンパレータ109,112及び回転パルス発生回路115で構成されるワイヤードOR回路の出力は、回転パルス信号となる(図6参照)。
〔差動増幅回路91cを用いた加熱ベルトの破れや偏りの検出処理〕
次に、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1による加熱ベルト83の破れや偏りの検出処理の説明を行う。
本実施形態の定着装置8による定着処理では、加熱ローラー81と溶融ローラー82との間に掛けられた加熱ベルト83が加熱源85で加熱されて、加熱ベルト83と加圧ローラー84との間に用紙が供給される際には、R側端部サーミスタ86a,F側端部サーミスタ86bで検知される温度が一定の温度に保たれている。R側端部サーミスタ86a,F側端部サーミスタ86bで検知される温度は、定着処理が行われている間、通常は一定に保たれている。
この場合には、図6に示すように、R側端部サーミスタ86aの出力電圧(センサ出力Vd)と、F側端部サーミスタ86bの出力電圧(センサ出力Vd)で生成された電圧信号(補償出力Ve)との差分値が小さいため、オペアンプ99,104の何れの出力もコンパレータ109,112の閾値V0,V1の電圧信号よりも小さい。このため、コンパレータ109,112が何れもOFF判定となり、ワイヤードOR回路からは回転パルス発生回路115での出力に合わせて回転パルス信号が出力される。
これに対し、加熱ベルト83に破れや偏りが生じてR側端部サーミスタ86a又はF側端部サーミスタ86bで温度が検出されない箇所が加熱ベルト83に生じると、この箇所がR側端部サーミスタ86a又はF側端部サーミスタ86bの取付位置を通過する際には、R側端部サーミスタ86a及びF側端部サーミスタ86bの何れかで検知される温度が通常よりも低くなる。
この場合には、図6に示すように、R側端部サーミスタ86a及びF側端部サーミスタ86bのうち検出温度が低くなった方での出力電圧(図6ではR側端部サーミスタ86aでの出力電圧)が高くなり、R側端部サーミスタ86aの出力電圧(センサ出力Vd)と、F側端部サーミスタ86bの出力電圧(センサ出力Vd)で生成された差分値(補償出力Ve)が大きくなる。このため、オペアンプ99,104の何れか一方の出力がコンパレータ109,112の閾値V0,V1の電圧信号よりも大きくなって、コンパレータ109又はコンパレータ112のいずれかががON判定となり、ワイヤードOR回路からはローレベル信号が出力される。
例えば、図7(a)に示すように、加熱ベルト83に破れや偏りが生じていない通常の状態では、R側端部サーミスタ86aでの検出温度は194℃程度、F側端部サーミスタ86bでの検出温度は199℃程度とほぼ同じ温度に保たれている。このため、R側端部サーミスタ86aでの出力電圧(R_th)は1.11V程度、F側端部サーミスタ86bでの出力電圧(F_th)は1.03V程度で両者の間に大きな温度差がない。このとき、コンパレータ109,112が何れもOFF判定となっており、ワイヤードOR回路からは回転パルス信号が出力されている。
これに対して、図7(b)に示すように、加熱ベルト83のR側端部83aで破断が生じてR側端部サーミスタ86aでの検出温度が121℃程度まで20秒程の間に急激に低下すると、R側端部サーミスタ86aでの出力電圧(R_th)が2V程度から2.46V程度まで上昇する。その後、R側端部サーミスタ86aでの検出温度が107℃程度まで緩やかに低下するのに合わせて、R側端部サーミスタ86aでの出力電圧(R_th)は2.67V程度まで上昇する。
一方、F側端部サーミスタ86aでの検出温度は152℃〜153℃程度に保たれており、F側端部サーミスタ86aでの出力電圧も1.82V〜1.84V程度と加熱ベルト83の破断が生じる前と同程度の値に保たれている。このため、R側端部サーミスタ86aでの出力電圧とF側端部サーミスタ86bでの出力電圧との間に大きな温度差が生じることとなり、コンパレータ109がON判定となる。この結果、ワイヤードOR回路からは回転パルスが出力されない。このため、ワイヤードOR回路88から送信される信号が回転パルス信号からローレベル信号となり、加熱源85に対する「ヒータREM信号」の供給が停止される。
以上のように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態によれば、通常は同じ程度の温度に保たれるR側端部サーミスタ86a及びF側端部サーミスタ86bの検出温度に所定値以上の温度差が生じたことを判別することで、加熱ベルト83の温度変化を長時間監視することなく、加熱ベルト83の破れや偏りを判別することができる。この結果、加熱ベルト83の破断後に加熱源85による加熱が長時間行われて、定着装置8から発火発煙が生じるのを防止し、安全性を高めることもできる。また、加熱ベルト83の低温時でも加熱ベルト83の破れや偏りを検知できる。
本実施形態の画像形成装置1は、加熱ローラー81と溶融ローラー82との間に掛けられた加熱ベルト83を備えた画像形成装置1であって、加熱ベルト83の幅方向の両端部に配置され、加熱ベルト83の温度を検知するサーミスタ86a,86bと、サーミスタ86a,86bで検出される温度を比較して所定値より大きな温度差があるか否かを判別する温度差検知回路87a(温度差検知手段)と、温度差検知手段で所定値より大きな温度差があると判別されると加熱ベルト83に破れ又は偏りが生じたと判断するエンジンCPU90(判断手段)とを備えることを特徴とする。
本発明の画像形成装置1は、温度差検知手段は、加熱ベルト83の幅方向の一端部83bの温度に対する他端部83aの温度の温度差を検出する第1の差動増幅回路(オペアンプ99及び抵抗素子100〜103)と、第1の差動増幅回路で検出された温度差が所定値より大きいか否かを判定する第1のコンパレータ(コンパレータ109)と、他端部83aの温度に対する一端部83bの温度の温度差を検出する第2の差動増幅回路(オペアンプ104及び抵抗素子105〜108)と、第2の差動増幅回路で検出された温度差が所定値より大きいか否かを判定する第2のコンパレータ112と、第1のコンパレータ(コンパレータ109)又は第2のコンパレータ(コンパレータ112)で温度差が所定値より大きいと判定されると、所定値より大きな温度差があると判別する温度差判別手段(コンパレータ109,112、回転パルス発生回路115、抵抗素子116)とを備えていることを特徴とする。
なお、上記実施形態では、R側端部サーミスタ86a及びF側端部サーミスタ86bで加熱ベルト83の温度を検出した場合について説明したが、少なくとも加熱ベルト83のR側及びF側の温度を検出するサーミスタを有するのであれば、サーミスタの数量は任意であり、例えば、R側端部サーミスタ86aとF側端部サーミスタ86bとの間に加熱ベルト83の中央部の温度を検出するサーミスタを設けてもよい。
また、上記実施形態では、R側端部サーミスタ86a及びF側端部サーミスタ86bでの検出温度が低くなるとこれらのサーミスタ86a,86bからの出力電圧が高くなる場合について説明したが、検出温度が低くなるとサーミスタ86a,86bからの出力電圧も高くなる構成としてもよい。
また、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実行することができることは言うまでもない。
1 画像形成装置
2 原稿読取部
3 原稿給送部
4 本体部
5 スタックトレイ
6 操作パネル部
7 画像形成部
8 定着装置
21 スキャナー
22 プラテンガラス
23 原稿読取スリット
31 原稿載置部
32 原稿排出部
33 原稿搬送機構
41 排出口
42 給紙部
43 用紙搬送路
44 搬送ローラー対
45 排出ローラー対
71 感光体ドラム
72 露光部
73 現像部
74 転写部
81 加熱ローラー
82 溶融ローラー
83 加熱ベルト
83a,83b 端部
84 加圧ローラー
85 加熱源
86 サーミスタ
86a R側端部サーミスタ(サーミスタ)
86b F側端部サーミスタ(サーミスタ)
87a 温度差検知回路
87b,87c 高温検知回路
88 ワイヤードOR回路
89a 比較基板
89b エンジン基板
90 エンジンCPU
91a アナログスイッチ(アナログSW)
91b AND回路
91c 差動増幅回路
92,94 抵抗素子
93,98 オペアンプ
99,104 オペアンプ
100〜103 抵抗素子
105〜108 抵抗素子
109,112 コンパレータ
110,111 抵抗素子
113,114 抵抗素子
115 回転パルス発生回路
116 抵抗素子
421 給紙カセット
422 給紙ローラー

Claims (4)

  1. 加熱ローラーと溶融ローラーとの間に掛けられた加熱ベルトを備えた画像形成装置での前記加熱ベルトの破れ又は偏り検知方法であって、
    前記加熱ベルトの幅方向の両端部の温度をサーミスタで検出する温度検出ステップと、
    前記温度検出ステップで検出した前記加熱ベルトの幅方向の両端部の温度を比較して所定値より大きな温度差があるか否かを判別する温度差検知ステップと、
    前記温度差検知ステップで所定値より大きな温度差があると判別されると前記加熱ベルトに破れ又は偏りが生じたと判断する判断ステップとを備えることを特徴とする加熱ベルトの破れ又は偏り検知方法。
  2. 前記温度差検知ステップは、
    前記加熱ベルトの幅方向の一端部の温度に対する他端部の温度の温度差を第1の差動増幅回路で検出する第1の温度差検出ステップと、
    前記第1の温度差検出ステップで検出された温度差が所定値より大きいか否かを第1のコンパレータで判定する第1の温度差判別ステップと、
    前記他端部の温度に対する前記一端部の温度の温度差を第2の差動増幅回路で検出する第2の温度差検出ステップと、
    前記第2の温度差検出ステップで検出された温度差が所定値より大きいか否かを第2のコンパレータで判定する第2の温度差判別ステップと、
    前記第1の温度差判別ステップ又は第2の温度差判別ステップで温度差が所定値より大きいと判定されると、所定値より大きな温度差があると判別する温度差判別ステップとを備えていることを特徴とする請求項1に記載の加熱ベルトの破れ又は偏り検知方法。
  3. 加熱ローラーと溶融ローラーとの間に掛けられた加熱ベルトを備えた画像形成装置であって、
    前記加熱ベルトの幅方向の両端部に配置され、前記加熱ベルトの温度を検知するサーミスタと、
    前記サーミスタで検出される温度を比較して所定値より大きな温度差があるか否かを判別する温度差検知手段と、
    前記温度差検知手段で所定値より大きな温度差があると判別されると前記加熱ベルトに破れ又は偏りが生じたと判断する判断手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記温度差検知手段は、
    前記加熱ベルトの幅方向の一端部の温度に対する他端部の温度の温度差を検出する第1の差動増幅回路と、
    前記第1の差動増幅回路で検出された温度差が所定値より大きいか否かを判定する第1のコンパレータと、
    前記他端部の温度に対する前記一端部の温度の温度差を検出する第2の差動増幅回路と、
    前記第2の差動増幅回路で検出された温度差が所定値より大きいか否かを判定する第2のコンパレータと、
    前記第1のコンパレータ又は第2のコンパレータで温度差が所定値より大きいと判定されると、所定値より大きな温度差があると判別する温度差判別手段とを備えていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
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