JP5834751B2 - 着磁パルサリング及びその製造方法、並びに転がり軸受装置 - Google Patents
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Description
さらに、支持部材と磁石部材とを接着剤を用いずにインサート成形によって一体化し、支持部材のフランジ部に対する磁石部材の脱落等を防止するために、磁石部材の外周部にフランジ部に係合する鉤状部分を一体に形成する技術も知られている。しかしながら、この場合には、低温環境下において磁石部材が支持部材よりも大きく熱収縮すると、鉤状部分に応力が集中して破損する可能性がある。また、この応力集中を緩和するためにフランジ部の外周端の断面形状を曲面形状等にすることも考えられるが、これでは加工コストが増大する。また、接着剤を用いずに磁石部材とフランジ部とインサート成形すると、両者の間に水が入り込みフランジ部に錆が生じる可能性がある。
このような構成によって、支持部材、磁石部材、及び固定部材を一体化した着磁パルサリングを容易に製造することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る着磁パルサリングを備えた転がり軸受装置を示す断面図である。図2は、図1における密封装置(着磁パルサリング)を示す断面図である。なお、これらの図における左右方向を軸方向といい、上下方向を径方向という。また、軸方向に関して、転がり軸受装置1の内部から外部へ向かう側(又は方向)を軸方向外側(又は軸方向外方)といい、転がり軸受装置1の外部から内部へ向かう側(又は方向)を軸方向内側(又は軸方向内方)という。
シール部材10は、芯金12とシール部13とからなる。芯金12は、外輪3に内嵌される円筒部12aと、この円筒部12aの軸方向内側(図2における左側)の端部12bから径方向内方へ屈曲して延びるフランジ部12cとからなり、断面略L字型に形成されている。芯金12は全体が環状となっており、例えば、冷延鋼板であるSPCC,SPCD,SPCE等をプレス加工することで形成される。そして、主として芯金12の円筒部12aの外周面及びフランジ部12cの軸方向外側(図2における右側)の側面には、ゴム等の弾性体からなるシール部13が芯金12と一体となるよう固着されている。
固定部材32は、支持部材11のフランジ部11cと磁石部材15との対向面に挟まれ、両者を接着する接着部33と、この接着部33の径方向外端部に連なり、フランジ部11c及び磁石部材15の径方向外端部に係止する係止部34,35と、を備えている。
しかしながら、本実施形態では、磁石部材15とフランジ部11cとが、熱可塑性エラストマーからなる固定部材32の接着部33により接着されているので、磁石部材15と支持部材11との熱変形量の差が接着部33の弾性によって吸収される。したがって、支持部材11と磁石部材15との間の接着力が弱まったり、磁石部材15に過大な応力が発生したりすることがなく、支持部材11からの磁石部材15の剥離や脱落を好適に防止することができる。また、接着部33によって磁石部材15とフランジ部11cとの間の密封性が確保されるので、当該間への水の浸入が防止される。したがってフランジ部11cに錆が発生するのを防止することができる。
着磁パルサリング20における磁石部材15は合成樹脂製であり、射出成形等によって成形される。また、支持部材11は金属製であり、プレス等を用いた切断、折曲加工等によって形成される。このように磁石部材15及び支持部材11をそれぞれ個別に成形(工程(I))した後、工程(II)においては、これらをインサート部品として金型60に挿入する。そして、この金型60のキャビティ内に、固定部材32の成形材料である溶融した熱可塑性エラストマーを充填し、固定部材32を成形する。すなわち、磁石部材15、支持部材11、及び固定部材32は、インサート成形によって一体化される。なお、図4に示す例では、多点ピンゲート方式で金型内に成形材料が充填されるようになっている。
固定部材32における係止部34,35の最小厚さt1は、0.1mm〜1.0mm、より好ましくは0.1mm〜0.5mmとすることができる。厚さt1が0.1mmよりも小さいと、金型成形の際に固定部材32の成形材料が流動し難くなり、厚さt1が1.0mmよりも大きいと、相対的に磁石部材15の外径寸法が小さくなり、磁力の低下によりセンサ18の検出精度が低下するからである。
本実施形態の着磁パルサリング20は、固定部材32における第1係止部34の形態が第1の実施形態と異なっている。具体的には、磁石部材15の径方向外端面15dには、軸方向内側面15b側の一部に傾斜面15eを有する凹部15fが形成され、第1係止部34はこの凹部15f内に入り込み、傾斜面15eに当接、係止する係止面34aを有している。したがって、第1係止部34は、軸方向の長さが短く、磁石部材15の軸方向外側面15aにまで到っていない。したがって、本実施形態では、磁石部材15の軸方向外側面15aの面積を広く確保することができ、センサ18による検出面積を拡大し、センサ装置19の検出精度を高めることが可能となっている。
本実施形態の着磁パルサリング20は、固定部材32における第2係止部35の形態が、第1,第2の実施形態とは異なっている。第1係止部34の形態は、第2の実施形態と同様である。本実施形態のフランジ部11cは、径方向外端面11dが水平な面とされている。これに対して、第2係止部35は、フランジ部11cの径方向外端面11dの径方向外側に位置して当接する円筒部(径方向規制部)35bと、この円筒部35bの軸方向内側端部から径方向内方に屈曲し、フランジ部11cの径方向内側面側に係止する円環部(軸方向規制部)35cとからなり、断面略L字状に形成されている。
本実施形態の着磁パルサリング20は、固定部材32における第1係止部34の形態が、第1〜第3の実施形態とは異なっている。第2係止部35の形態は、第3の実施形態と同様である。本実施形態の磁石部材15は、径方向外端面15dが軸心に対して略平行な面とされている。これに対して、第1係止部34は、磁石部材15の径方向外端面15dの径方向外側に位置して当接する円筒部(径方向規制部)34bと、この円筒部34bの軸方向外側端部から径方向内方に屈曲し、磁石部材15の径方向外側面側に係止する円環部(軸方向規制部)34cとからなり、断面略L字状に形成されている。
したがって、本実施形態においても第1の実施形態と略同様の作用効果を奏する。また、本実施形態では、第1係止部35が、円筒部34bと円環部34cとからなっており、第1の実施形態の第1係止部34と比較して若干構造が複雑化し、金型成形の際に円筒部34b及び円環部34cに対して成形材料が流動し難くなる。したがって、これらの点に関しては、第1の実施形態の方がより有利であるといえる。
例えば、固定部材32は、上述したような所定の物性を満たす限りにおいて種々の材料から形成することができる。また、固定部材32の係止部34,35は、フランジ部11c及び磁石部材15の外周面の全周に設けられていてもよいし、周方向複数箇所に間隔をあけて設けられていてもよい。また、上記実施形態においては、固定部材32の接着部33が磁石部材15の軸方向内側面15bの全体に設けられているが、当該内側面15bの一部、例えば、磁石部材15の外周側だけに設けられていてもよい。上記各実施形態では、固定部材32の第1係止部34と第2係止部35とについてそれぞれいくつかの形態を説明したが、第1係止部34と第2係止部35との形態の組み合わせは自由に変更することができる。また、本発明は、フランジ部11cと磁石部材15の径方向内端部に係止部34,35を係止させる構成であってもよい。例えば、上述したように支持部材11のフランジ部11cが円筒部11aから径方向外方へ屈曲している場合には、第1,第2係止部34,35を接着部33の径方向内端部に設けると共に、第1係止部34をそのまま磁石部材15の径方向内端部に係止させ、フランジ部11cの基部に孔を形成してこれに第2係止部35を侵入させることによってフランジ部11cの径方向内端部に第2係止部35を係止させることができる。また、フランジ部11cが円筒部11aから径方向内方へ屈曲している場合には、第1,第2係止部34,35を接着部33の径方向内端部に設けると共に、そのままフランジ部11c及び磁石部材15の径方向内端部に第1,第2係止部34,35を係止させることができる。
Claims (4)
- 環状のフランジ部を有し、回転体に一体回転可能に固定される支持部材と、前記フランジ部の一側面に設けられかつ多数の磁極が周方向に所定間隔で配列された合成樹脂製の環状の磁石部材と、を備えている着磁パルサリングであって、
前記磁石部材と前記フランジ部との間に挟まれて両者を接着し、磁石部材15と支持部材11との熱変形量の差を弾性によって吸収する接着部と、前記磁石部材の径方向端部に係止する第1係止部と、前記フランジ部の径方向端部に係止する第2係止部とを一体に備え、かつ前記磁石部材の合成樹脂材とは異なる材質である熱可塑性エラストマーによって形成された固定部材を備え、
前記磁石部材の径方向外端面の全面が、前記フランジ部側ほど直径が大きくなる傾斜面に形成され、前記固定部材の第1係止部が、前記磁石部材の径方向外端面の全面に当接することによって係止する傾斜面からなる係止面を有しており、
前記フランジ部の径方向外端面の全面が、磁石部材側ほど直径が大きくなる傾斜面に形成され、前記固定部材の第2係止部が、前記フランジ部の径方向外端面の全面に当接することによって係止する傾斜面からなる係止面を有しており、
前記第1係止部は、フランジ部側ほど径方向の厚さが小さく、
前記第2係止部は、前記磁石部材側ほど径方向の厚さが小さいことを特徴とする着磁パルサリング。 - 前記支持部材と成形済みの前記磁石部材をインサート部品として、前記固定部材がインサート成形されている、請求項1に記載の着磁パルサリング。
- 請求項2に記載の着磁パルサリングを製造する方法であって、
前記支持部材と成型済みの前記磁石部材とを金型内に挿入し、前記固定部材の成型材料を前記金型内に充填することによって、前記支持部材、前記磁石部材、及び前記固定部材をインサート成形により一体化することを特徴とする着磁パルサリングの製造方法。 - 回転体としての内輪と、
この内輪の径方向外方に配置される外輪と、
前記内輪と前記外輪との間に転動可能に設けられる複数の転動体と、
前記内輪の外周面に取り付けられる請求項1又は2に記載の着磁パルサリングと、を備えていることを特徴とする転がり軸受装置。
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