JP5833102B2 - 弾性波素子およびそれを用いた弾性波装置 - Google Patents

弾性波素子およびそれを用いた弾性波装置 Download PDF

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Description

本発明は、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)素子等の弾性波素子およびそれを用いた弾性波装置に関する。
圧電基板と、圧電基板の主面上に設けられたIDT(InterDigital Transducer)電極(励振電極)とを有する弾性波素子が知られている(例えば特許文献1または2)。IDT電極は、1対の櫛歯電極を有する。各櫛歯電極は、SAWの伝搬方向に延びるバスバーと、当該バスバーからSAWの伝搬方向に直交する方向に延び、SAWの伝搬方向に配列された複数の電極指を有している。そして、1対の櫛歯電極は、複数の電極指が噛み合うように(交差するように)配置される。また、特許文献1および2の各櫛歯電極は、バスバーからSAWの伝搬方向に延び、その先端が他方の櫛歯電極の電極指の先端と間隙を介して対向するダミー電極を有している。
特許文献1では、ダミー電極の先端を太くすることが開示されている。特許文献1では、このような構成によって、電極指の先端とダミー電極の先端との間隙周辺におけるSAWの反射や散乱が抑制され、弾性波素子の共振特性やフィルタ特性が向上するとされている。
特許文献2の図15では、ダミー電極の先端と、当該ダミー電極とSAWの伝搬方向において隣接する電極指とを接続することが開示されている。特許文献2では、このような構成によって、電極指の交差範囲の外側領域における音速が低下し、交差範囲内にSAWが閉じ込められ、弾性波素子の特性が向上するとされている。
しかし、特許文献1の技術では、ダミー電極の先端を太くすることから、ダミー電極の先端と電極指の先端との間隙が小さくなり、これらダミー電極と電極指とが短絡するおそれが高くなっている。また、特許文献2の技術は、ダミー電極の先端と電極指の先端との間隙における弾性波の伝搬損失に着目したものではなく、そのような伝搬損失を好適に抑制する形状とはなっていない。
従って、ダミー電極と電極指との短絡を抑制しつつ弾性波の伝搬損失を低減できる弾性波素子および弾性波装置が提供されることが好ましい。
国際公開第2008/126614号パンフレット 特開2008−92017号公報
本発明の一態様に係る弾性波素子は、圧電基板と、該圧電基板の上面に位置するIDT電極と、を有し、該IDT電極は、弾性波の伝搬方向に直交する方向において互いに対向する第1バスバーおよび第2バスバーと、前記第1バスバーから前記第2バスバーに向かって延び、前記伝搬方向に配列された複数の第1電極指と、前記第2バスバーから前記第1バスバーに向かって延び、前記伝搬方向に配列された、前記複数の第1電極指と互いに交差する複数の第2電極指と、前記第1バスバーから前記第2バスバーに向かって延び、前記伝搬方向に配列された、先端が前記複数の第2電極指の先端と間隙を介して対向する複数の第1ダミー電極と、前記第2バスバーから前記第1バスバーに向かって延び、前記伝搬方向に配列された、先端が前記複数の第1電極指の先端と間隙を介して対向する複数の第2ダミー電極と、前記複数の第1ダミー電極の先端側部分からその側方へ突出する複数の第1補助電極と、前記複数の第2ダミー電極の先端側部分からその側方へ突出する複数の第2補助電極と、を有し、前記複数の第1補助電極の少なくとも一部の第1補助電極は、前記第2バスバー側の縁部が先端側ほど前記第2バスバー側に位置し、前記複数の第2補助電極の少なくとも一部の第2補助電極は、前記第1バスバー側の縁部が先端側ほど前記第1バスバー側に位置する。
本発明の一態様の弾性波素子は、圧電基板と、該圧電基板の上面に位置するIDT電極と、を有し、該IDT電極は、弾性波の伝搬方向に直交する方向において互いに対向する第1バスバーおよび第2バスバーと、前記第1バスバーから前記第2バスバーに向かって延び、前記伝搬方向に配列された複数の第1電極指と、前記第2バスバーから前記第1バスバーに向かって延び、前記伝搬方向に配列された、前記複数の第1電極指と互いに交差する複数の第2電極指と、前記第1バスバーから前記第2バスバーに向かって延び、前記伝搬方向に配列された、先端が前記複数の第2電極指の先端と間隙を介して対向する複数の第1ダミー電極と、前記第2バスバーから前記第1バスバーに向かって延び、前記伝搬方向に配列された、先端が前記複数の第1電極指の先端と間隙を介して対向する複数の第2ダミー電極と、前記複数の第1ダミー電極の先端側部分から前記伝搬方向に対して斜めに突出する第1補助電極と、前記複数の第2ダミー電極の先端側部分から前記伝搬方向に対して斜めに突出する第2補助電極と、を有する。
本発明の一態様の弾性波装置は、上記のいずれか一つの弾性波素子と、該弾性波素子が実装される回路基板と、を有する。
上記の構成によれば、ダミー電極と電極指との短絡を抑制しつつ弾性波の伝搬損失を低減できる。
図1(a)は本発明の実施形態に係るSAW素子の平面図、図1(b)は図1(a)の領域Ibの拡大図である。 図1(b)のII−II線における断面図である。 図3(a)〜図3(e)はSAW素子の製造方法を説明する、図2に対応する断面図である。 図1のSAW素子を適用したSAW装置の例を示す断面図である。 図5(a)〜図5(d)は補助電極の変形例を示す拡大平面図である。 バスバーの変形例を示す平面図である。 図7(a)および図7(b)はSAWの伝搬損失の評価方法を説明する図である。 比較例および実施例の条件および評価結果を示す図である。 図9(a)〜図9(c)は補助電極の寸法がSAWの伝搬損失に及ぼす影響を示す図である。 図10(a)および図10(b)は補助電極の他の変形例を示す拡大平面図である。 補助電極のさらに他の変形例を示す拡大平面図である。
以下、本発明の実施形態に係る弾性表面波素子(以下、SAW素子ともいう)および弾性表面波装置(以下、SAW装置ともいう)について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。
(SAW素子の構成および製造方法)
図1(a)は本発明の実施形態に係るSAW素子1の要部の平面図である。図1(b)は図1(a)の領域Ibの拡大図である。図2は図1(b)のII−II線における断面図である。
なお、SAW素子1は、いずれの方向が上方または下方とされてもよいものであるが、以下では、便宜的に、直交座標系xyzを定義するとともに、z方向の正側を上方として、上面、下面等の用語を用いるものとする。
SAW素子1は、基板3と、基板3の上面3aに設けられたIDT電極5および反射器7と、IDT電極5および反射器7上に設けられた付加膜9(図2)と、上面3aを付加膜9の上から覆う保護層11(図2)とを有している。なお、SAW素子1は、この他にも、IDT電極5に信号の入出力を行うための配線等を有していてもよい。
基板3は、圧電基板によって構成されている。具体的には、例えば、基板3は、タンタル酸リチウム(LiTaO)単結晶,ニオブ酸リチウム(LiNbO)単結晶等の圧電性を有する単結晶の基板によって構成されている。より好適には、基板3は、128°±10°Y−XカットのLiNbO基板によって構成されている。基板3の平面形状および各種寸法は適宜に設定されてよい。一例として、基板3の厚み(z方向)は、0.2mm〜0.5mmである。
IDT電極5は、第1櫛歯電極13Aおよび第2櫛歯電極13Bを有している。なお、以下では、第1櫛歯電極13Aおよび第2櫛歯電極13Bを単に櫛歯電極13といい、これらを区別しないことがある。また、第1櫛歯電極13Aに係る構成については、「第1バスバー21A」等のように、「第1」および「A」を付すことがあり、第2櫛歯電極13Bに係る構成については、「第2バスバー21B」等のように、「第2」および「B」を付すことがあり、また、「第1」、「第2」、「A」、および「B」を省略することがある。
各櫛歯電極13は、SAWの伝搬方向(x方向)に延びるバスバー21(図1(a))と、バスバー21から上記伝搬方向に直交する方向(y方向)に伸びる複数の電極指23とを有している。そして、1対の櫛歯電極13は、複数の電極指23が互いに噛み合うように(交差するように)配置されている。また、各櫛歯電極13は、複数の電極指23の間においてバスバー21からSAWの伝搬方向に直交する方向(y方向)に延びる複数のダミー電極25と、ダミー電極25の先端側部分からその側方へ延びる複数の補助電極27とを有している。
バスバー21は、例えば、概ね一定の幅で延びる長尺状に形成されており、SAWの伝搬方向に平行に配置されている。そして、一対のバスバー21は、SAWの伝搬方向に直交する方向において互いに対向している。
複数の電極指23は、SAWの伝搬方向に概ね一定の間隔で配列されている。一対の櫛歯電極13の複数の電極指23は、そのピッチ(繰り返し間隔)p(図2。例えば、電極指23の中心間距離)が、例えば、共振させたい周波数でのSAWの波長λの半波長と同等となるように設けられている。波長λ(2p)は、例えば、1.5μm〜6μmである。各電極指23の幅w1(図2)は、SAW素子1に要求される電気特性等に応じて適宜に設定され、例えば、ピッチpに対して0.4p〜0.6pである。
複数の電極指23の長さ(先端のy方向における位置)は、SAWの伝搬方向において変化している。従って、図1(a)において点線(複数の電極指23の先端を結ぶ線)で示す交差範囲R1の幅W(SAWの伝搬方向に直交する方向(y方向)の長さ、電極指23の交差幅)は、SAWの伝搬方向(x方向)において変化している。すなわち、IDT電極5は、アポダイズが施されている。このようなアポダイズが施されることにより、いわゆる横モードのスプリアスの発生が抑制される。
複数のダミー電極25は、各櫛歯電極13において、複数の電極指23と共に概ね一定の間隔(ピッチp)で配列されている。そして、一方の櫛歯電極13のダミー電極25の先端は、他方の櫛歯電極13の電極指23の先端と所定の間隙s1(図1(b))を介して対向している。間隙s1の大きさ(y方向。以下においてこの大きさもs1の符号によって表現することがある。)は、複数のダミー電極25において概ね一定である。ダミー電極25の先端の位置(長さ)は、交差幅WがSAWの伝搬方向において変化していることに対応して、SAWの伝搬方向において変化している。ダミー電極25の各種寸法は適宜に設定されてよいが、例えば、ダミー電極25の幅は、電極指23の幅w1と同等であり、また、間隙s1の大きさは、λ/8からλ/2(p)程度である。
複数の補助電極27は、複数のダミー電極25の先端の側方縁部から突出している。複数のダミー電極25のうち、自己と同じバスバー21から延びる電極指23が両隣に位置するダミー電極25(本実施形態では、IDT電極5の端部に位置するダミー電極25以外のダミー電極25)においては、両側の側方縁部から補助電極27が突出している。
補助電極27の先端は、当該補助電極27の根元のダミー電極25と同一のバスバー21から延びる、当該ダミー電極25に隣接する電極指23の側方縁部に接続されている。すなわち、補助電極27は、同電位となるべきダミー電極25と電極指23とを接続している。
補助電極27は、例えば、先端側(電極指23に接続される側)ほど、他方の櫛歯電極13のバスバー21側に位置するように傾斜して延びている。すなわち、第1補助電極27Aは、先端側ほど第2バスバー21B側に位置するように傾斜して延び、第2補助電極27Bは、先端側ほど第1バスバー21A側に位置するように傾斜して延びている。
補助電極27の、他方の櫛歯電極13のバスバー21側の縁部27a(図1(b))およびその反対側の縁部27b(図1(b))に着目すれば、第1補助電極27Aの縁部27aおよび縁部27bは、先端側ほど第2バスバー21B側に位置するように傾斜して延び、第2補助電極27Bの縁部27aおよび縁部27bは、先端側ほど第1バスバー21A側に位置するように傾斜して延びている。
補助電極27の幅w2、SAWの伝搬方向に直交する方向(y方向)に対する角度α、およびダミー電極25に対する接続位置は適宜に設定されてよい。なお、接続位置は、例えば、補助電極27の中心線とダミー電極25の中心線との交差位置と、ダミー電極25の先端との距離dによって定義される。幅w2は、例えば、電極指23およびダミー電極25の幅w1と同等であり、角度αは、例えば、45度程度であり、距離dは、例えば、SAWの波長λに対して0.20λ〜0.40λである。
なお、図1(a)等は模式図であり、実際には、これよりも多数の電極指23等を有する複数対の櫛歯電極が設けられてよい。また、複数のIDT電極5が直列接続や並列接続等の方式で接続されたラダー型SAWフィルタが構成されてもよいし、複数のIDT電極5をx方向に沿って配置した2重モードSAW共振器フィルタ等が構成されてよい。
IDT電極5は、例えば、金属によって形成されている。この金属としては、例えば、AlまたはAlを主成分とする合金(Al合金)が挙げられる。Al合金は、例えば、Al−Cu合金である。なお、IDT電極5は、複数の金属層から構成されてもよい。IDT電極5の各種寸法は、SAW素子1に要求される電気特性等に応じて適宜に設定される。一例として、IDT電極5の厚みe(図2)は、100nm〜300nmである。
なお、IDT電極5は、基板3の上面3aに直接配置されていてもよいし、別の部材を介して基板3の上面3aに配置されていてもよい。別の部材は、例えば、Ti、Cr、あるいはこれらの合金等からなる。このようにIDT電極5を別の部材を介して基板3の上面3aに配置する場合は、別の部材の厚みはIDT電極5の電気特性に殆ど影響を与えない程度の厚み(例えば、Tiの場合はIDT電極5の厚みの5%の厚み)に設定される。
IDT電極5によって基板3に電圧が印加されると、基板3の上面3a付近において上面3aに沿ってx方向に伝搬するSAWが誘起される。また、SAWは、電極指23と電極指23の非配置領域との境界において反射する。そして、電極指23のピッチを半波長とする定在波が形成される。定在波は、当該定在波と同一周波数の電気信号に変換され、電極指23によって取り出される。このようにして、SAW素子1は、共振子もしくはフィルタとして機能する。
反射器7は、IDT電極5の電極指23のピッチpと概ね同等のピッチの格子状に形成されている。反射器7は、例えば、IDT電極5と同一の材料によって形成されるとともに、IDT電極5と同等の厚みに形成されている。
保護層11は、例えば、基板3の上面3aの概ね全面に亘って設けられており、付加膜9が設けられたIDT電極5および反射器7を覆うとともに、上面3aのうちIDT電極5および反射器7から露出する部分を覆っている。保護層11の上面3aからの厚みT(図2)は、IDT電極5および反射器7の厚みeよりも大きく設定されている。例えば、厚みTは、厚みeよりも100nm以上厚く、200nm〜700nmである。また、例えば、厚みTは、別の観点では、SAWの波長λに対して0.2λ〜0.5λである。
保護層11は、絶縁性を有する材料からなる。好適には、保護層11は、温度が上昇すると弾性波の伝搬速度が速くなるSiOなどの材料によって形成されており、これによってSAW素子1の温度の変化による電気特性の変化を小さく抑えることができる。具体的には、以下のとおりである。
基板3の温度が上昇すると、基板3におけるSAWの伝搬速度が遅くなり、また、基板3の熱膨張によってピッチpが大きくなる。その結果、共振周波数が低くなり、所望の特性が得られないおそれがある。しかし、保護層11が設けられていると、弾性波は、基板3だけでなく、保護層11においても伝搬する。そして、保護層11は、温度が上昇すると弾性波の伝搬速度が速くなる材料(SiO)によって形成されていることから、基板3および保護層11を伝搬するSAW全体としては、温度上昇による速度の変化が抑制されることになる。なお、保護層11は、IDT電極5を腐食等から保護することにも寄与する。
保護層11の表面は、大きな凹凸がないようにしておくことが望ましい。基板3上を伝搬するSAWの伝搬速度は保護層11の表面の凹凸に影響を受けて変化するため、保護層11の表面に大きな凹凸が存在すると、製造された各SAW素子1の共振周波数に大きなばらつきが生じることとなる。したがって、保護層11の表面を平坦にしておけば、各弾性波素子の共振周波数が安定化する。具体的には、保護層11の表面の平坦度を、基板3上を伝搬するSAWの波長の1%以下とすることが望ましい。
付加膜9は、IDT電極5および反射器7の電気特性を向上させるためのものである。付加膜9は、例えば、IDT電極5および反射器7の上面の全面に亘って設けられている。付加膜9は、電極指23の長手方向(y方向)に直交する断面形状が、例えば、概ね矩形とされている。ただし、付加膜9の断面形状は、台形やドーム状とされてもよい。付加膜9の厚さt(図2)は、付加膜9が保護層11を露出しない範囲で適宜に設定されてよい。例えば、付加膜9の厚さは、SAWの波長λに対して0.01λ〜0.4λである。
付加膜9を構成する材料は、IDT電極5、反射器7、および保護層11を構成する材料とは音響インピーダンスが異なる材料である。音響インピーダンスの相違は、ある程度以上であることが好ましく、例えば、15MRayl以上、より好ましくは20MRayl以上であることが好ましい。
このような材料としては、例えば、IDT電極5がAl(音響インピーダンス:13.5MRayl)によって構成され、保護層11がSiO(12.2MRayl)によって構成されている場合には、WC(102.5MRayl)、TiN(56.0MRayl)、TaSiO(40.6MRayl)、Ta(33.8MRayl)、WSi(67.4MRayl)が挙げられる。
IDT電極5がAlによって構成され、保護層11がSiOによって構成されている場合においては、これらの音響インピーダンスが近いことから、電極指23と電極指23の非配置領域との境界が音響的に曖昧になり、当該境界における反射係数が低下する。その結果、SAWの反射波が十分に得られず、所望の特性が得られないおそれがある。しかし、IDT電極5および保護層11の材料とは音響インピーダンスが異なる材料によって形成された付加膜9がIDT電極5の上面に設けられることにより、電極指23と電極指23の非配置領域との境界における反射係数が高くなり、所望の特性が得られやすくなる。
なお、付加膜9の材料は、IDT電極5、反射器7、および保護層11の材料よりも弾性波の伝搬速度が遅いことが好ましい。伝搬速度が遅いことによって、振動分布が付加膜9に集中しやすく、電極指23と電極指23の非配置位置との境界における反射係数が実効的に高くなる。
このような材料としては、例えば、IDT電極5がAl(伝搬速度:5020m/s)によって構成され、保護層11がSiO(5560m/s)によって構成されている場合には、TaSiO(4438m/s)、Ta(4352m/s)、WSi(4465m/s)が挙げられる。なお、IDT電極5等の材料よりも弾性波の伝搬速度が遅い材料は、IDT電極5等の材料よりも音響インピーダンスが小さい材料よりも、音響インピーダンスが大きい材料の方が選択の自由度が高いと思われる。
図3(a)〜図3(e)は、SAW素子1の製造方法の概要を説明する、製造工程毎の図2に対応する断面図である。製造工程は、図3(a)から図3(e)まで順に進んでいく。なお、各種の層は、プロセスの進行に伴って形状等が変化するが、変化の前後で共通の符号を用いることがあるものとする。
図3(a)に示すように、まず、基板3の上面3a上には、IDT電極5および反射器7となる導電層15、ならびに付加膜9となる付加層17が形成される。具体的には、まず、スパッタリング法、蒸着法またはCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相堆積)法等の薄膜形成法によって、上面3a上に導電層15が形成される。次に、同様の薄膜形成法によって、付加層17が形成される。
付加層17が形成されると、図3(b)に示すように、付加層17および導電層15をエッチングするためのマスクとしてのレジスト層19が形成される。具体的には、ネガ型もしくはポジ型の感光性樹脂の薄膜が適宜な薄膜形成法によって形成され、フォトリソグラフィー法等によってIDT電極5および反射器7等の非配置位置において薄膜の一部が除去される。
次に、図3(c)に示すように、RIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)等の適宜なエッチング法によって、付加層17および導電層15のエッチングを行う。これによって、付加膜9が設けられたIDT電極5および反射器7が形成される。その後、図3(d)に示すように、適宜な薬液を用いることによって、レジスト層19は除去される。
そして、図3(e)に示すように、スパッタリング法もしくはCVD法等の適宜な薄膜形成法によって保護層11となる薄膜が形成される。この時点においては、保護層11となる薄膜の表面には、IDT電極5等の厚みに起因して凹凸が形成されている。そして、必要に応じて化学機械研磨等によって表面が平坦化され、図2に示すように、保護層11が形成される。なお、保護層11は、平坦化の前もしくは後において、後述するパッド39(図4)等を露出させるために、フォトリソグラフィー法等によって一部が除去されてもよい。
(SAW装置の構成)
図4は、上述したSAW素子1を適用したSAW装置51の例を示す断面図である。
SAW装置51は、例えば、フィルタもしくはデュプレクサを構成している。SAW装置51は、SAW素子31と、SAW素子31が実装される回路基板53とを有している。
SAW素子31は、例えば、いわゆるウェハレベルパッケージのSAW素子として構成されている。SAW素子31は、上述したSAW素子1と、基板3のSAW素子1側を覆うカバー33と、カバー33を貫通する端子35と、基板3のSAW素子1とは反対側を覆う裏面部37とを有している。
カバー33は、樹脂等によって構成されており、SAWの伝搬を容易化するための振動空間33aをIDT電極5および反射器7の上方(z方向の正側)に構成している。基板3の上面3a上には、IDT電極5と接続された配線38と、配線38に接続されたパッド39とが形成されている。端子35は、パッド39上において形成され、IDT電極5と電気的に接続されている。裏面部37は、例えば、特に図示しないが、温度変化等によって基板3表面にチャージされた電荷を放電するための裏面電極と当該裏面電極を覆う保護層とを有している。
回路基板53は、例えば、いわゆるリジッド式のプリント配線基板によって構成されている。回路基板53の実装面53aには、実装用パッド55が形成されている。
SAW素子31は、カバー33側を実装面53aに対向させて配置される。そして、端子35と実装用パッド55は、半田57によって接着される。その後、SAW素子31は封止樹脂59によって封止される。
以上の実施形態によれば、SAW素子1は、基板3と、基板3の上面3aに位置するIDT電極5とを有する。IDT電極5は、SAWの伝搬方向に直交する方向(y方向)において互いに対向する第1バスバー21Aおよび第2バスバー21Bと、第1バスバー21Aから第2バスバー21Bに向かって延び、伝搬方向(x方向)に配列された複数の第1電極指23Aと、第2バスバー21Bから第1バスバー21Aに向かって延び、x方向に配列され、複数の第1電極指23Aと互いに交差する複数の第2電極指23Bと、第1バスバー21Aから第2バスバー21Bに向かって延び、x方向に配列され、先端が複数の第2電極指23Bの先端と間隙s1を介して対向する複数の第1ダミー電極25Aと、第2バスバー21Bから第1バスバー21Aに向かって延び、x方向に配列され、先端が複数の第1電極指23Aの先端と間隙s1を介して対向する複数の第2ダミー電極25Bと、複数の第1ダミー電極25Aの先端側部分からその側方へ突出する複数の第1補助電極27Aと、複数の第2ダミー電極25Bの先端側部分からその側方へ突出する複数の第2補助電極27Bとを有する。そして、複数の第1補助電極27Aは、第2バスバー21B側の縁部27aが、先端側ほど第2バスバー21B側に位置し、複数の第2補助電極27Bは、第1バスバー21A側の縁部27aが、先端側ほど第1バスバー21A側に位置する。
従って、各補助電極27は、自己とは電位の異なる(所属する櫛歯電極13が異なる)電極指23の先端との距離を確保しつつ、電極指23とダミー電極25との間隙s1を、SAWの伝搬方向(x方向)に見て、縮小することができる。その結果、互いに電位の異なる電極指23とダミー電極25とが(例えば第1電極指23Aと第2ダミー電極25Bとが)短絡することが抑制されるとともに、SAWが間隙s1において発散してSAWの伝搬損失が生じることが抑制される。
IDT電極5は、複数の第1電極指23A、複数の第2電極指23B、複数の第1ダミー電極25A、および複数の第2ダミー電極25Bの先端のy方向における位置が伝搬方向(x方向)に対して変化するアポダイズ電極である。
このようなアポダイズ電極においては、横モードのスプリアスの発生が抑制されるが、交差幅Wが狭くなる位置において間隙s1が1対のバスバー21間の中央側に位置するようになるので、SAWの発散が生じやすい。従って、このようなアポダイズ電極においては、補助電極27によるSAWの発散抑制効果が顕著に現れる。そして、横モードのスプリアスの発生抑制およびSAWの伝搬損失抑制において優れたSAW素子が得られる。
複数の第1ダミー電極25Aの少なくとも一部は、両隣に第1電極指23Aが位置し、先端側部分からその側方両側に1対の第1補助電極27Aが突出する。そして、1対の第1補助電極27Aは、いずれも、第2バスバー21B側の縁部27aが先端側ほど第2バスバー21B側に位置している。第2櫛歯電極13B側においても同様である。
従って、2つの補助電極27が間隙s1を挟み込むように配置されることになり、伝搬方向の双方向のSAW、別の観点では、励起されたSAWおよび反射されたSAWの双方の発散を好適に抑制できる。また、間隙s1の周辺に補助電極27の面積を確保しやすくなり、この点からも、SAWの発散抑制効果が向上する。
複数の第1補助電極27Aは、先端が複数の第1電極指23Aに接続され、複数の第2補助電極27Bは、先端が複数の第2電極指23Bに接続されている。
従って、同電位となるべき電極指23、ダミー電極25、および補助電極27の電位が相対的に安定し、IDT電極5の電気特性が安定することが期待される。また、ダミー電極25や電極指23は、プロセス上の問題によって根元部分で欠落が生じても、隣の電極指23またはダミー電極25と補助電極27を介して接続されているため、電気的な接続が保たれる。このため、歩留まりの向上が期待される。また、上述のように、両隣に電極指23が位置するダミー電極25の側方両側に第1補助電極27Aが設けられる場合には、交差範囲R1の外側において、ダミー電極25の先端とダミー電極25に並列に並ぶ電極指23との隙間がSAWの伝搬方向の(概ね)全体に亘って塞がれることになるので、交差範囲R1の外側へのSAWの発散が抑制されることが期待される。
SAW素子1は、IDT電極5および基板3の上面3aを覆い、基板3の上面3aからの厚みTがIDT電極5の厚みeよりも大きいSiOからなる保護層11をさらに有し、IDT電極は、AlまたはAlを主成分とする合金からなる。
従って、既に述べたように、温度特性に優れたSAW素子が得られる。また、間隙s1には、IDT電極5と同様の音響インピーダンスを有する保護層11が存在することになる。その結果、間隙s1におけるSAWの発散が抑制され、その発散抑制効果が補助電極27による発散抑制効果に上乗せされ、SAWの伝搬損失の抑制が一層図られることが考えられる。別の観点では、保護層11がSAWの発散抑制に寄与し得るから、補助電極27を小さくすることが可能であり、ひいては、異なる電位となるべき電極指23とダミー電極25との距離を確保することができる。
SAW素子1は、IDT電極5の上面に位置し、保護層11に覆われ、IDT電極5の材料および保護層11の材料に比較して音響インピーダンスが大きくかつ弾性波の伝搬速度が遅い材料からなる付加膜9をさらに有する。
従って、既に述べたように、保護層11の反射係数に関する短所を補うことができる。付加膜9が設けられると、保護層11による間隙s1におけるSAWの発散抑制効果は低減する。従って、補助電極27による発散抑制効果が顕著となる。そして、温度特性に優れ、SAWの反射係数を十分に確保でき、かつSAWの伝搬損失抑制において優れたSAW素子が得られる。
(変形例)
図5(a)〜図5(d)は、補助電極の平面形状の変形例を示す図1(b)に対応する図である。なお、これらの図においては、第2バスバー21B側の第2補助電極27B、127B、および227Bの形状が示されているが、第1バスバー21A側の第1補助電極の形状も、第2補助電極の形状と同様である。
図5(a)の変形例においては、補助電極127は、先端が同電位となるべき電極指23に接続されていない。この場合であっても、実施形態の補助電極27と同様に、異なる電位となるべき電極指23との短絡を抑制しつつ、間隙s1におけるSAWの発散を抑制できる。
図5(b)の変形例においては、実施形態と同様の補助電極27が、ダミー電極25の側方一方側にのみ設けられている。この場合であっても、実施形態と同様に、異なる電位となるべき電極指23との短絡を抑制しつつ、間隙s1におけるSAWの発散を抑制できる。
図5(c)の変形例においては、補助電極27および227が設けられている。補助電極27および227は(その交差範囲R1(図1(a)参照)側の縁部は)、いずれもSAWの伝搬方向(x方向)に対してダミー電極25の先端を結んだ線に沿う側に傾斜して延び、好適には、ダミー電極25の先端を結んだ線に沿って延びている。
補助電極27は、実施形態と同様に、先端側ほど交差範囲R1側に位置するものであり、補助電極227は、実施形態とは逆に、先端側ほど交差範囲R1とは反対側に位置するものである。各ダミー電極25は、交差範囲R1の形状に応じて(x方向の位置に応じて)、側方一方側に補助電極27が設けられるとともに側方他方側に補助電極227が設けられたり(図5(c)に例示する部分)、側方両側に補助電極27が設けられたり、側方両側に補助電極227が設けられたりする。
この変形例においても、実施形態と同様に、異なる電位となるべき電極指23との短絡を抑制しつつ、間隙s1におけるSAWの発散を抑制できる。また、交差範囲R1の形状と補助電極27および227の形状とが一致することから、予想外のSAWの発散や反射が生じることが抑制されることが期待される。
図5(d)の変形例においては、ダミー電極25の片側にのみ図5(c)の補助電極227が設けられている。この場合であっても、実施形態と同様に、異なる電位となるべき電極指23の先端との距離を確保して短絡を抑制しつつ、間隙s1付近における電極面積を拡大してSAWの発散を抑制できる。
なお、図5(b)の変形例は、図5(b)に示した範囲では、図5(c)の変形例において補助電極227を省略したものと捉えることができる。同様に、図5(d)の変形例は、図5(d)に示した範囲では、図5(c)の変形例において補助電極27を省略したものと捉えることができる。すなわち、図5(b)から図5(d)の変形例は、アポダイズ電極において、補助電極がSAWの伝搬方向に対してダミー電極25の先端を結んだ線に沿う側に傾斜しているという同一の概念によって捉えることができる。
図6は、バスバーの平面形状の変形例を示す図1(a)と同様の平面図である。
この変形例において、バスバー321は、交差範囲R1側の縁部321aが交差範囲R1の縁部が傾斜する側に傾斜して延びている。なお、縁部321aと交差範囲R1の縁部とは、平行であってもよいし、平行でなくてもよい。
(実施例)
補助電極の形状および寸法を種々設定して、SAW素子1を作製した。そして、その電気特性を調べてSAWの伝搬損失を評価した。
(比較例および実施例に共通する条件)
以下の比較例および実施例において、共通する条件は以下のとおりである。
SAWの波長λ:2μm
交差幅Wの最大値:30λ
電極指の数:300本(150対)
ダミー電極の数:300本
(SAWの伝搬損失の評価方法)
図7(a)および図7(b)は、SAWの伝搬損失の評価方法を説明する図である。
図7(a)は、共振子としてのSAW素子1のインピーダンス特性を示す図である。同図において、横軸は、周波数f(MHz)を示し、縦軸はインピーダンスの絶対値|Z|(Ω)およびインピーダンスZの位相θ(deg.)を示している。実線Lzはインピーダンスの絶対値|Z|の周波数変化を示し、実線Lθはインピーダンスの位相θの周波数変化を示している。
インピーダンス特性の図においては、実線Lzにより示されるように、インピーダンスの絶対値|Z|が極小となる共振点と、インピーダンスの絶対値|Z|が極大となる反共振点とが現れる。また、共振点と反共振点との間においては、インピーダンスの位相θが最大位相θmaxとなる。
図7(b)は、最大位相θmaxとSAWの伝搬損失LSとの関係を示す図である。同図において、横軸は伝搬損失LS(dB/μm)を示し、縦軸は最大位相θmaxを示している。
この図に示されるように、共振子の損失が小さいほど、最大位相θmaxは大きくなる。従って、最大位相θmaxを調べることにより、共振子の損失を評価することができる。なお、損失0の理想状態では、最大位相θmaxは90(deg.)となる。
図7(a)に示されるように、位相θは、最大位相θmax付近において周波数fの変化に対して緩やかに変化している一方で、絶対値|Z|は、共振点および反共振点の付近において周波数fの変化に対して急激に変化している。従って、最大位相θmaxは、絶対値|Z|よりも安定して測定可能であり、最大位相θmaxに基づく損失の評価は、絶対値|Z|に基づく損失の評価よりも誤差が小さいものと期待される。
(補助電極の形状の影響)
補助電極の形状を互いに異ならせた比較例1〜3(C1〜C3)および実施例1〜3(E1〜E3)を設定し、SAWの伝搬損失の評価を行った。なお、実施1〜3において、補助電極27はすべてのダミー電極に対して設けた。
図8は、その条件および評価結果を示す図である。同図において、横軸は、C1〜C3およびE1〜E3を示し、縦軸は、C1の最大位相θmaxを基準とした、各比較例および実施例の最大位相θmaxの改善量dθmaxを示している。
比較例1(C1)は、補助電極が設けられていないものである。比較例2(C2)は、ダミー電極の先端が円形に形成されたものである。実施例1(E1)は、実施形態と同様に、先端側ほど交差範囲R1側に位置する補助電極27がダミー電極の側方両側に設けられたものである。比較例3(C3)は、SAWの伝搬方向に平行な補助電極が設けられたものである。実施例2(E2)は、図5(d)に示した変形例と同様に、先端側ほど交差範囲R1とは反対側に位置する補助電極227がダミー電極の側方一方側に設けられたものである。実施例3(E3)は、図5(c)に示した変形例と同様に、ダミー電極の先端を結ぶ線に沿って、ダミー電極の側方両側に補助電極27および227が設けられたものである。
この図から、実施例1〜3のいずれにおいても、比較例1に比較して、SAWの伝搬損失の低下が抑制されることが確認された。また、実施例1は、いずれの比較例および実施例よりも、SAWの伝搬損失の低下抑制の効果が大きい。実施例3は、比較例2と同等のSAWの伝搬損失の低下抑制効果を得つつ、比較例2に比較して、異なる電位となるべき電極指とダミー電極との短絡が抑制される。
なお、電極の出来映えのばらつきを考慮すると、最大位相θmaxには0.3°程度の測定ばらつきが生じると考えられる。一方、補助電極27の最大位相は、補助電極27を有するダミー電極の本数に比例して改善されると考えられる。これら2つのことと、すべてのダミー電極に対して補助電極27を設けた実施例1の結果とを考慮すると、少なくとも全ダミー電極の10%以上に補助電極27を設ければ、測定ばらつきによる値以上の効果が得られるものと考えられる。
(補助電極の寸法の影響)
実施形態と同様に、先端側ほど交差範囲R1側に位置する補助電極27がダミー電極の側方両側に設けられた共振子について、各種寸法を変化させて、SAWの伝搬損失の評価を行った。
図9(a)は、補助電極27のSAWの伝搬方向に直交する方向に対する角度α(図1(b))を変化させたときの最大位相θmaxの変化を示している。横軸は角度α(deg.)を示し、縦軸は最大位相θmax(deg.)を示している。なお、角度αは、補助電極27の中心線を基準としている。
なお、他の条件は以下のとおりである。
補助電極27の幅w2(図1(b)):0.5μm
補助電極27の接続位置(距離d、図1(b)):0.75μm
この図より、角度αを小さくするほど、換言すれば、先端をより交差範囲R1に近づけるほど、SAWの伝搬損失が抑制されていることが窺える。これは、角度αが小さくなるほど、SAWの伝搬方向に見て間隙s1が塞がれやすく、もしくは間隙s1の近傍における電極面積が増加しやすいことからと考えられる。また、この実施例においては、角度αが45°のときに、異なる電位となるべき補助電極27と電極指23との短絡が生じないことも確認された。
角度αは、90°よりも少しでも大きくなれば、伝搬損失抑制の利益が得られる。また、実施例においては、角度αが60°のときに、角度αが90°のときと比較して有意な差(効果)が確認されている。
一方、角度αを小さくし過ぎると、異なる電位となるべき補助電極27と電極指23との距離s2(図1(b))が短くなり、これらが短絡するおそれがある。異なる電位となるべき補助電極27と電極指23との距離s2は、例えば、補助電極27の縁部27aがダミー電極25の先端縁部と一致すると仮定すると、s1×sinαによって表される。s1が0.2λ程度であると想定すると、経験的にs2が0.1λ程度までは、短絡が生じる可能性は低いことから、sinθは0.5以上とされてよい。すなわち、αは30°以上とされてよい。
以上のことから、角度αは、好ましくは30°以上60°以下であり、また、s1、d、w2等の条件が変化することも想定すると、より好ましくは、その中央付近の45°程度である。
図9(b)は、補助電極27の幅w2を変化させたときの最大位相θmaxの変化を示している。横軸は幅w2(μm)を示し、縦軸は最大位相θmax(deg.)を示している。
なお、他の条件は以下のとおりである。
補助電極27の角度α:45°
補助電極27の接続位置(距離d):0.75μm
この図より、幅w2を大きくしていくとSAWの伝搬損失が抑制され、さらに幅w2を大きくしていくと伝搬損失の抑制効果は頭打ちとなることが窺える。これは、幅w2が小さいと、補助電極27の面積が小さいために間隙s1を実質的に埋める効果が十分でないこと、補助電極27において間隙s1からのSAWの発散を抑制するに十分な面積が確保された上で生じる伝搬損失は、SAW素子1全体における損失の問題であって、間隙s1における損失の問題ではないことからと考えられる。実施例において、伝搬損失の抑制効果が頭打ちとなるのは、0.50μm(0.25λ)付近であった。
また、電位が同一となるべき電極指23、ダミー電極25、および補助電極27によって囲まれる領域を全て電極によって埋めると(ダミー電極25および補助電極27を設けずにバスバー21を太くすると)、電気特性は却って低下する。この態様は、補助電極27の幅w2を極限まで大きくした態様に近似的であり、幅w2に上限値があることが窺える。また、接続位置を示す距離dにもよるが、幅w2が大きくなると、異なる電位となるべき補助電極27と電極指23との距離s2が短くなり、これらが短絡するおそれがある。一方、実施例においては、幅w2が1μm(0.5λ)のときに、伝搬損失の抑制の効果が得られること、また、異なる電位となるべき補助電極27と電極指23との短絡が生じないことが確認されている。
以上のことから、幅w2は、好ましくは0.25λ以上0.5λ以下であり、別の観点では、0.50μm以上1μm以下である。
図9(c)は、補助電極27の接続位置(距離d)を変化させたときの最大位相θmaxの変化を示している。横軸は距離d(μm)を示し、縦軸は最大位相θmax(deg.)を示している。
なお、他の条件は以下のとおりである。
補助電極27の角度α:45°
補助電極27の幅w2:0.5μm
この図より、補助電極27を交差範囲R1側へ近づけるほどSAWの伝搬損失が抑制されていることが窺える。これは、補助電極27が交差範囲R1に近づくほど、SAWの伝搬方向に見て間隙s1が塞がれやすく、もしくは間隙s1の近傍における電極面積が増加しやすいことからと考えられる。
この実施例においては、距離dが0.50μm(0.25λ)以上0.75μm(0.38λ)以下において、最大位相θmaxが83°を超える十分な伝搬損失抑制効果が得られるとともに、異なる電位となるべき補助電極27と電極指23との短絡が生じないことが確認された。従って、距離dの好ましい範囲は、0.25λ以上0.38λ以下、別の観点では、0.50μm以上0.75μm以下である。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
弾性波素子は、(狭義の)SAW素子に限定されない。例えば、保護層(11)の厚さが比較的大きい(例えば0.5λ〜2λ)、いわゆる弾性境界波素子(ただし、広義のSAW素子に含まれる。)であってもよい。なお、弾性境界波素子においては、振動空間(33a)の形成は不要であり、ひいては、カバー33等も不要である。
弾性波素子は、ウェハレベルパッケージのものに限定されない。例えば、SAW素子は、カバー33および端子35等を有さず、基板3の上面3a上のパッド39と、回路基板53の実装用パッド55とが半田57によって直接接着されてもよい。そして、SAW素子1(保護層11)と回路基板53の実装面53aとの隙間によって振動空間が形成されてよい。また、ウェハレベルパッケージの弾性波素子も、端子が設けられず、実装用パッド55に配置された半田ボールにパッド39が当接する構成とされるなど、種々の構成とされてよい。
IDT電極は、交差幅が弾性波の伝搬方向において変化するアポダイズ電極に限定されず、交差幅が一定のものであってもよい。この場合であっても、SAWが間隔s1において発散することによる伝搬損失を抑制することができる。第1電極指および第2電極指は、弾性波の伝搬方向の全体に亘って交互に配置されていなくてもよく、一部において、第1電極指同士もしくは第2電極指同士が弾性波の半波長程度で隣接していてもよい。
補助電極の形状は、実施形態や変形例において例示したものに限定されない。
例えば、実施形態の補助電極のように、交差範囲(R1)側の縁部(27a)が、先端側ほど交差範囲側に位置する補助電極においては、交差範囲とは反対側の縁部(27b)は、先端側ほど交差範囲側に位置している必要はない。
例えば、図10(a)に例示するように、補助電極427は、交差範囲側(第1電極指23A側)の縁部427aが先端側ほど交差範囲側に位置している一方で、その反対側の縁部427bはSAWの伝搬方向に平行であってもよい。
さらに、交差範囲とは反対側の縁部(427b等)は、先端側ほど交差範囲とは反対側に位置していてもよい。また、別の観点では、交差範囲側の縁部(427a等)とその反対側の縁部(427b等)とは互いに平行でなくてもよい。すなわち、これら縁部は、先端側ほど互いの距離が長くなってもよいし、先端側ほど互いの距離が短くなってもよいし、根元と先端との双方において互いの距離が長くもしくは短くなってもよい。
また、実施形態では、電極指23等の先端が角部を有する矩形状に形成されたが、角部は丸められてもよい。
例えば、図10(b)に例示するように、電極指523の先端の角部は丸められて(曲線によって面取りされて)いてもよい。なお、面取りが大きい場合には、電極指523の先端の縁部全体が突状の曲線状となる(図10(b)の例)。
同様に、補助電極527の交差範囲側(第1電極指523A側)の縁部527aとダミー電極525の先端縁部とが交差する角部、および縁部527aと電極指523の補助電極527側の縁部とが交差する角部も丸められていてもよい。この面取りによって、縁部527aは、電極指523側を凹とする凹状に延びている。なお、面取りが大きい場合には、補助電極527の縁部527aおよびダミー電極525の先端縁部全体が電極指523の先端側を凹とする曲線状となる。
このような形状とすることにより、角部が丸められていない場合に比較して、電極指523の先端と縁部527aとの距離を確保しやすくなり(さらには距離を一定にでき)、かつ間隙s1の近傍における電極面積を大きくすることができる。
なお、図10(b)に示すような曲線を含む形状は、当初から曲線を形成することを意図してフォトマスクに曲線を含むパターンが形成されてもよいし、フォトマスクには直線の組み合わせからなる(角部を含む)パターンが形成され、エッチングの条件を調整することにより、角部を丸めたり、角部近傍の直線を曲線にしたりしてもよい。
また、ダミー電極の先端縁部と、当該ダミー電極から突出する補助電極の交差範囲側の縁部とは、SAWの伝搬方向に直交する方向の位置が一致していなくてもよい。
例えば、図11に示すように、補助電極27の縁部27aは、ダミー電極25の先端縁部に対して当該ダミー電極25の根元側にずれていてもよい。換言すれば、ダミー電極25の先端が補助電極27の縁部27aから突出していてもよい。
この場合であっても、間隙s1近傍において電極面積が確保されることによって、より好ましくは、SAWの伝搬方向に見て補助電極27の縁部27aが間隙s1の少なくとも一部を塞ぐことによって、実施形態と同様の効果が奏される。
実施形態および変形例は、適宜に組み合わされてもよい。例えば、図5(b)および図5(d)に示した変形例は、一のIDT電極内において混在していてもよいし、図10(b)に示した面取りは、図5(a)〜図5(d)の変形例に適用されてもよい。
弾性波素子において、保護層11および付加膜9は必須の要件ではなく、また、保護層は、腐食防止のみを目的として設けられ、電極指の厚みよりも薄くされてもよい。
保護層11の上面は、電極指の位置において凸となるように、凹凸を有していてもよい。この場合、電極指とその非配置位置における反射係数を高くすることができる。当該凹凸は、図3(e)を参照して説明したように、保護層の成膜時に電極指の厚みに起因して形成されるものであってもよいし、保護層の表面を電極指の間の領域においてエッチングして形成されるものであってもよい。
付加膜は、電極の全面に亘って設けられることが好ましい。ただし、付加膜は、電極指のみに設けられるなど、電極の一部にのみ設けられてもよい。さらに、付加膜は、電極指の長手方向に見て中央側の一部のみに設けられるなどしてもよい。また、付加膜は、電極の上面だけでなく、側面にも設けられてもよい。付加膜の材料は、導電材料であってもよいし、絶縁材料であってもよい。具体的には、タングステン(W)、イリジウム(Ir)、タンタル(Ta)、銅(Cu)などの導電材料、BaSr1−x、PbZn1−x、ZnOなどの絶縁材料を付加膜の材料として挙げることができる。
付加膜を絶縁材料で形成することによって、付加膜を金属材料によって形成したものに比べて、電極の腐食を抑制し弾性波素子の電気特性を安定化させることができる。なぜならば、SiOからなる保護層にはピンホールが形成されることがあり、このピンホールが形成されると、これを介して電極部分まで水分が浸入することとなるが、電極上に電極材料と異なる材料からなる金属膜が配置されていると、浸入した水分によって、異種金属間の電池効果による腐食が発生するからである。よって、付加膜をTaなどの絶縁材料で形成すれば、電極と付加膜との間において電池効果は殆ど発生しないため、電極の腐食が抑制された信頼性の高い弾性波素子とすることができる。
基板は、128°±10°Y−XカットのLiNbO基板の他にも、例えば、38.7°±Y−XカットのLiTaOなどを用いることができる。電極(電極指)の材料は、AlおよびAlを主成分とする合金に限定されず、例えば、Cu、Ag、Au、Pt、W、Ta、Mo、Ni、Co、Cr、Fe、Mn、Zn、Tiであってもよい。保護層の材料は、SiOに限定されず、例えば、SiO以外の酸化珪素であってもよい。
1,31…SAW素子(弾性波素子)、3…基板(圧電基板)、3a…上面、5…IDT電極(電極)、9…付加膜、11…保護層、21…バスバー、23…電極指、25…ダミー電極、27…補助電極、51…SAW装置(弾性表面波装置)、53…回路基板

Claims (11)

  1. 圧電基板と、
    該圧電基板の上面に位置するIDT電極と、
    を備え、
    該IDT電極は、
    弾性波の伝搬方向に直交する方向において互いに対向する第1バスバーおよび第2バスバーと、
    前記第1バスバーから前記第2バスバーに向かって延び、前記伝搬方向に配列された複数の第1電極指と、
    前記第2バスバーから前記第1バスバーに向かって延び、前記伝搬方向に配列された、前記複数の第1電極指と互いに交差する複数の第2電極指と、
    前記第1バスバーから前記第2バスバーに向かって延び、前記伝搬方向に配列された、先端が前記複数の第2電極指の先端と間隙を介して対向する複数の第1ダミー電極と、
    前記第2バスバーから前記第1バスバーに向かって延び、前記伝搬方向に配列された、先端が前記複数の第1電極指の先端と間隙を介して対向する複数の第2ダミー電極と、
    前記複数の第1ダミー電極の先端側部分からその側方へ突出する複数の第1補助電極と、
    前記複数の第2ダミー電極の先端側部分からその側方へ突出する複数の第2補助電極と、
    を有し、
    前記複数の第1補助電極の少なくとも一部の第1補助電極は、前記第2バスバー側の縁部が先端側ほど前記第2バスバー側に位置し、
    前記複数の第2補助電極の少なくとも一部の第2補助電極は、前記第1バスバー側の縁部が先端側ほど前記第1バスバー側に位置する
    弾性波素子。
  2. 前記IDT電極は、前記複数の第1電極指と前記複数の第2電極指との交差幅が前記伝搬方向において変化するアポダイズ電極である
    請求項1に記載の弾性波素子。
  3. 前記複数の第1ダミー電極の少なくとも一部の第1ダミー電極は、両隣に前記第1電極指が位置し、先端側部分からその側方両側に1対の前記第1補助電極が突出し、
    該1対の第1補助電極は、いずれも前記第2バスバー側の縁部が先端側ほど前記第2バスバー側に位置し、
    前記複数の第2ダミー電極の少なくとも一部の第2ダミー電極は、両隣に前記第2電極指が位置し、先端側部分からその側方両側に1対の前記第2補助電極が突出し、
    該1対の第2補助電極は、いずれも前記第1バスバー側の縁部が先端側ほど前記第1バスバー側に位置している
    請求項1または2に記載の弾性波素子。
  4. 前記複数の第1ダミー電極の少なくとも一部の第1ダミー電極は、両隣に前記第1電極指が位置し、先端側部分からその側方両側に1対の前記第1補助電極が突出し、
    該1対の第1補助電極は、いずれも前記第2バスバー側の縁部が前記伝搬方向に対して前記複数の第1ダミー電極の先端を結んだ線に沿う側に傾斜して延び、
    前記複数の第2ダミー電極の少なくとも一部の第2ダミー電極は、両隣に前記第2電極指が位置し、先端側部分からその側方両側に1対の前記第2補助電極が突出し、
    該1対の第2補助電極は、いずれも前記第1バスバー側の縁部が前記伝搬方向に対して前記複数の第2ダミー電極の先端を結んだ線に沿う側に傾斜して延びている
    請求項2に記載の弾性波素子。
  5. 前記複数の第1補助電極は、先端が前記複数の第1電極指に接続されているとともに、前記複数の第1補助電極の第2バスバー側の縁部と前記第1ダミー電極の先端縁部とが交差する角部および前記複数の第1補助電極の第2バスバー側の縁部と該第1補助電極に隣接する第1電極指の縁部とが交差する角部は、それぞれ丸みを帯びるように面取りされており、
    前記複数の第2補助電極は、先端が前記複数の第2電極指に接続されているとともに、
    前記複数の第2補助電極の第1バスバー側の縁部と前記第2ダミー電極の先端縁部とが交差する角部および前記複数の第2補助電極の第1バスバー側の縁部と該第2補助電極に隣接する第2電極指の縁部とが交差する角部は、それぞれ丸みを帯びるように面取りされている
    請求項3または4に記載の弾性波素子。
  6. 前記複数の第1補助電極は、先端が前記複数の第1電極指に接続され、
    前記複数の第2補助電極は、先端が前記複数の第2電極指に接続されている
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の弾性波素子。
  7. 前記IDT電極および前記圧電基板の上面を覆っている、前記圧電基板の上面からの厚みが前記IDT電極の厚みよりも大きいSiO2からなる保護層をさらに備え、
    前記IDT電極は、Alを主成分とする材料からなる
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の弾性波素子。
  8. 前記IDT電極の上面に位置し、前記保護層に覆われた、前記IDT電極の材料および前記保護層の材料に比較して音響インピーダンスが大きくかつ弾性波の伝搬速度が遅い材料を主成分とする付加膜をさらに備える
    請求項7に記載の弾性波素子。
  9. 圧電基板と、
    該圧電基板の上面に位置するIDT電極と、
    を備え、
    該IDT電極は、
    弾性波の伝搬方向に直交する方向において互いに対向する第1バスバーおよび第2バスバーと、
    前記第1バスバーから前記第2バスバーに向かって延び、前記伝搬方向に配列された複数の第1電極指と、
    前記第2バスバーから前記第1バスバーに向かって延び、前記伝搬方向に配列された、前記複数の第1電極指と互いに交差する複数の第2電極指と、
    前記第1バスバーから前記第2バスバーに向かって延び、前記伝搬方向に配列された、先端が前記複数の第2電極指の先端と間隙を介して対向する複数の第1ダミー電極と、
    前記第2バスバーから前記第1バスバーに向かって延び、前記伝搬方向に配列された、先端が前記複数の第1電極指の先端と間隙を介して対向する複数の第2ダミー電極と、
    前記複数の第1ダミー電極の先端側部分から前記伝搬方向に対して斜めに突出する複数の第1補助電極と、
    前記複数の第2ダミー電極の先端側部分から前記伝搬方向に対して斜めに突出する複数の第2補助電極と、
    を有し、
    前記複数の第1補助電極の少なくとも一部の第1補助電極それぞれにおいて、前記第1バスバー側の縁部と前記第2バスバー側の縁部とは前記伝搬方向に対して互いに同一側へ傾斜しており、
    前記複数の第2補助電極の少なくとも一部の第2補助電極それぞれにおいて、前記第1バスバー側の縁部と前記第2バスバー側の縁部とは前記伝搬方向に対して互いに同一側へ傾斜している
    弾性波素子。
  10. 前記複数の第1補助電極の少なくとも一部の第1補助電極は、先端が前記複数の第1電極指に接続され、
    前記複数の第2補助電極の少なくとも一部の第2補助電極は、先端が前記複数の第2電極指に接続されている
    請求項9に記載の弾性波素子。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の弾性波素子と、
    該弾性波素子が実装される回路基板と、
    を備える弾性波装置。
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