以下、本発明の実施形態に係るSAW素子およびSAW装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。
第2の実施形態以降において、既に説明された実施形態の構成と同一または類似する構成については、既に説明された実施形態と同一の符号を付し、説明を省略することがある。
<第1の実施形態>
(SAW素子の構成および製造方法)
図1は本発明の第1の実施形態に係るSAW素子1の要部の平面図である。図2(a)は図1の領域IIaの拡大図である。図2(b)は図1のIIb−IIb線における断面図である。
なお、SAW素子1は、いずれの方向が上方または下方とされてもよいものであるが、以下では、便宜的に、直交座標系xyzを定義するとともに、z方向の正側を上方として、上面、下面等の用語を用いるものとする。
SAW素子1は、図1に示すように、基板3と、基板3の上面3aに設けられたIDT電極5および反射器7とを有している。また、SAW素子1は、図2(b)に示すように、IDT電極5および反射器7上に設けられた付加膜9と、上面3aを付加膜9の上から覆う保護層11とを有している。なお、SAW素子1は、この他にも、IDT電極5に信号の入出力を行うための配線等を有していてもよい。
基板3は、圧電基板によって構成されている。具体的には、例えば、基板3は、タンタル酸リチウム(LiTaO3)単結晶,ニオブ酸リチウム(LiNbO3)単結晶等の圧電性を有する単結晶の基板によって構成されている。より好適には、基板3は、128°±10°Y−XカットのLiNbO3基板もしくは0°±10°Y−XカットのLiNbO3基板によって構成されている。基板3の平面形状および各種寸法は適宜に設定されてよい。一例として、基板3の厚み(z方向)は、0.2mm〜0.5mmである。
IDT電極5は、図1に示すように、第1櫛歯電極13Aおよび第2櫛歯電極13Bを有している。なお、以下では、第1櫛歯電極13Aおよび第2櫛歯電極13Bを単に櫛歯電極13といい、これらを区別しないことがある。また、第1櫛歯電極13Aに係る構成等については、「第1バスバー21A」等のように、「第1」および「A」を付すことがあり、第2櫛歯電極13Bに係る構成等については、「第2バスバー21B」等のように、「第2」および「B」を付すことがあり、また、「第1」、「第2」、「A」、および「B」を省略することがある。
各櫛歯電極13は、図1に示すように、互いに対向する2本のバスバー21と、各バスバー21から他のバスバー21側へ延びる複数の電極指23と、複数の電極指23の間において各バスバー21から他のバスバー21側へ延びる複数のダミー電極25と、を有している。そして、1対の櫛歯電極13は、複数の電極指23が互いに噛み合うように(交差するように)配置されている。
なお、図2(a)では、SAWの伝搬方向において互いに隣接する部分を有する電極指23間の、隣接する部分の長さに亘る領域をハッチングして示している。本実施形態では、当該領域を交差領域Rといい、交差領域Rの幅を交差幅ということがある。
バスバー21は、例えば、概ね一定の幅でSAWの伝搬方向(x方向)に直線状に延びる長尺状に形成されている。そして、一対のバスバー21は、SAWの伝搬方向に直交する方向において互いに対向している。
複数の電極指23は、概ね一定の幅でSAWの伝搬方向に直交する方向に直線状に延びる長尺状に形成されており、SAWの伝搬方向に概ね一定の間隔で配列されている。一対の櫛歯電極13の複数の電極指23は、そのピッチ(繰り返し間隔)p(例えば、図2(b)に示す電極指23の中心間距離)が、例えば、共振させたい周波数でのSAWの波長λの半波長と同等となるように設けられている。波長λ(2p)は、例えば、1.5μm〜6μmである。各電極指23の幅w1(図2(b))は、SAW素子1に要求される電気特性等に応じて適宜に設定され、例えば、ピッチpに対して0.4p〜0.7pである。
複数の電極指23の長さ(先端の位置)は、所定量以下の変動量で変動するように設定されている。その変動のパターンは、適宜に設定されてよいが、例えば、複数の第1電極指23Aの先端を結ぶ第1包絡線24A(図1)がジグザグ状になるようなものとされている。第1包絡線24Aは、例えば、第1電極指23Aの1本毎に交互に逆側に屈曲している。また、その振れ幅(図2(a)の長さc)は一定である。第1電極指23Aについて述べたが、第2電極指23B(第2包絡線24B)についても同様である。また、第1包絡線24Aの振れ幅と、第2包絡線24Bの振れ幅とは互いに同一である。
複数の電極指23の長さが変動していることによって、互いに隣接する第1電極指23Aおよび第2電極指23Bの交差幅も変動している。より具体的には、図2(a)に示すように、最大交差幅a、最小交差幅bおよびその中間の交差幅b+cの3種類の交差幅が存在し、SAWの伝搬方向において、a、b+c、b、b+cの順番が繰り返されている。なお、長さcは、電極指23の長さの変動量であり、c=(a−b)/2である。
複数のダミー電極25は、例えば、概ね一定の幅でSAWの伝搬方向に直交する方向に直線状に延びる長尺状に形成されており、複数の電極指23間の中央に配置されている(複数の電極指23と同一のピッチで配列されている)。そして、一方の櫛歯電極13のダミー電極25の先端は、他方の櫛歯電極13の電極指23の先端とギャップを介して対向している。ダミー電極25の幅(x方向)は、例えば、電極指23と同等である。複数のダミー電極25の長さ(y方向)は、例えば、電極指23の先端とのギャップの大きさが一定となるように、複数の電極指23の長さの変動に応じて変動している。ギャップの大きさ(y方向)は、例えば、0.1λ〜0.6λである。
IDT電極5は、例えば、金属によって形成されている。この金属としては、例えば、AlまたはAlを主成分とする合金(Al合金)が挙げられる。Al合金は、例えば、Al−Cu合金である。なお、IDT電極5は、複数の金属層から構成されてもよい。IDT電極5の各種寸法は、SAW素子1に要求される電気特性等に応じて適宜に設定される。一例として、IDT電極5の厚みe(図2(b))は、50nm〜400nmである。
なお、IDT電極5は、基板3の上面3aに直接配置されていてもよいし、別の部材を介して基板3の上面3aに配置されていてもよい。別の部材は、例えば、Ti、Cr、あるいはこれらの合金等からなる。このようにIDT電極5を別の部材を介して基板3の上面3aに配置する場合は、別の部材の厚みはIDT電極5の電気特性に殆ど影響を与えない程度の厚み(例えば、Tiの場合はIDT電極5の厚みの5%の厚み)に設定される。
IDT電極5によって基板3に電圧が印加されると、基板3の上面3a付近において上面3aに沿ってx方向に伝搬するSAWが誘起される。また、SAWは、電極指23と電極指23の非配置領域(図2(a)の交差領域R参照)との境界において反射する。そして、電極指23のピッチpを半波長とする定在波が形成される。定在波は、当該定在波と同一周波数の電気信号に変換され、電極指23によって取り出される。このようにして、SAW素子1は、共振子もしくはフィルタとして機能する。
反射器7は、格子状に形成されている。すなわち、反射器7は、SAWの伝搬方向に交差する方向において互いに対向する一対のバスバーと、これらバスバー間においてSAWの伝搬方向に直交する方向に延びる複数の電極指とを有している。複数の電極指の幅およびピッチは、例えば、IDT電極5の電極指23の幅およびピッチと概ね同等である。反射器7は、例えば、IDT電極5と同一の材料によって形成されるとともに、IDT電極5と同等の厚みに形成されている。
保護層11は、例えば、基板3の上面3aの概ね全面に亘って設けられており、付加膜9が設けられたIDT電極5および反射器7を覆うとともに、上面3aのうちIDT電極5および反射器7から露出する部分を覆っている。保護層11の上面3aからの厚みT(図2(b))は、IDT電極5および反射器7の厚みeよりも大きく設定されている。例えば、厚みTは、厚みeよりも100nm以上厚く、200nm〜1500nmである。また、例えば、厚みTは、別の観点では、SAWの波長λに対して0.2λ〜0.5λである。
保護層11は、絶縁性を有する材料からなる。好適には、保護層11は、温度が上昇すると弾性波の伝搬速度が速くなるSiO2などの材料によって形成されており、これによってSAW素子1の温度の変化による電気特性の変化を小さく抑えることができる。具体的には、以下のとおりである。
基板3の温度が上昇すると、基板3におけるSAWの伝搬速度が遅くなり、また、基板3の熱膨張によってピッチpが大きくなる。その結果、共振周波数が低くなり、所望の特性が得られないおそれがある。しかし、保護層11が設けられていると、SAWは、基板3だけでなく、保護層11においても伝搬する。そして、保護層11は、温度が上昇すると弾性波の伝搬速度が速くなる材料(SiO2)によって形成されていることから、基板3および保護層11を伝搬するSAW全体としては、温度上昇による速度の変化が抑制されることになる。なお、保護層11は、IDT電極5を腐食等から保護することにも寄与する。
保護層11の表面は、大きな凹凸がないようにしておくことが望ましい。基板3上を伝搬するSAWの伝搬速度は保護層11の表面の凹凸に影響を受けて変化するため、保護層11の表面に大きな凹凸が存在すると、製造された各SAW素子1の共振周波数に大きなばらつきが生じることとなる。したがって、保護層11の表面を平坦にしておけば、各SAW素子の共振周波数が安定化する。具体的には、保護層11の表面の平坦度を、基板3上を伝搬するSAWの波長の1%以下とすることが望ましい。
付加膜9は、IDT電極5および反射器7の電気特性を向上させるためのものである。付加膜9は、例えば、IDT電極5および反射器7の上面の全面に亘って設けられている。付加膜9は、電極指23の長手方向(y方向)に直交する断面形状が、例えば、概ね矩形とされている。ただし、付加膜9の断面形状は、台形状やドーム状とされてもよい。付加膜9の厚さt(図2(b))は、付加膜9が保護層11を露出しない範囲で適宜に設定されてよい。例えば、付加膜9の厚さは、SAWの波長λに対して0.01λ〜0.4λである。
付加膜9を構成する材料は、IDT電極5、反射器7、および保護層11を構成する材料とは音響インピーダンスが異なる材料である。音響インピーダンスの相違は、ある程度以上であることが好ましく、例えば、15MRayl以上、より好ましくは20MRayl以上であることが好ましい。
このような材料としては、例えば、IDT電極5がAl(音響インピーダンス:13.5MRayl)によって構成され、保護層11がSiO2(12.2MRayl)によって構成されている場合には、WC(102.5MRayl)、TiN(56.0MRayl)、TaSiO2(40.6MRayl)、Ta2O5(33.8MRayl)、W5Si2(67.4MRayl)が挙げられる。
IDT電極5がAlによって構成され、保護層11がSiO2によって構成されている場合においては、これらの音響インピーダンスが近いことから、電極指23と電極指23の非配置領域(交差領域R参照)との境界が音響的に曖昧になり、当該境界における反射係数が低下する。その結果、SAWの反射波が十分に得られず、所望の特性が得られないおそれがある。しかし、IDT電極5および保護層11の材料とは音響インピーダンスが異なる材料によって形成された付加膜9がIDT電極5の上面に設けられることにより、電極指23と電極指23の非配置領域との境界における反射係数が高くなり、所望の特性が得られやすくなる。
なお、付加膜9の材料は、IDT電極5、反射器7、および保護層11の材料よりも弾性波の伝搬速度が遅いことが好ましい。伝搬速度が遅いことによって、振動分布が付加膜9に集中しやすく、電極指23と電極指23の非配置位置との境界における反射係数が実効的に高くなる。
このような材料としては、例えば、IDT電極5がAl(伝搬速度:5020m/s)によって構成され、保護層11がSiO2(5560m/s)によって構成されている場合には、TaSiO2(4438m/s)、Ta2O5(4352m/s)、W5Si2(4465m/s)が挙げられる。なお、IDT電極5等の材料よりも弾性波の伝搬速度が遅い材料は、IDT電極5等の材料よりも音響インピーダンスが小さい材料よりも、音響インピーダンスが大きい材料の方が選択の自由度が高いと思われる。
図3(a)〜図3(e)は、SAW素子1の製造方法の概要を説明する、製造工程毎の図2(b)に対応する断面図である。製造工程は、図3(a)から図3(e)まで順に進んでいく。なお、各種の層は、プロセスの進行に伴って形状等が変化するが、変化の前後で共通の符号を用いることがあるものとする。
図3(a)に示すように、まず、基板3の上面3a上には、IDT電極5および反射器7となる導電層15、ならびに付加膜9となる付加層17が形成される。具体的には、まず、スパッタリング法、蒸着法またはCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相堆積)法等の薄膜形成法によって、上面3a上に導電層15が形成される。次に、同様の薄膜形成法によって、付加層17が形成される。
付加層17が形成されると、図3(b)に示すように、付加層17および導電層15をエッチングするためのマスクとしてのレジスト層19が形成される。具体的には、ネガ型もしくはポジ型の感光性樹脂の薄膜が適宜な薄膜形成法によって形成され、フォトリソグラフィー法等によってIDT電極5および反射器7等の非配置位置において薄膜の一部が除去される。
次に、図3(c)に示すように、RIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)等の適宜なエッチング法によって、付加層17および導電層15のエッチングを行う。これによって、付加膜9が設けられたIDT電極5および反射器7が形成される。その後、図3(d)に示すように、適宜な薬液を用いることによって、レジスト層19は除去される。
そして、図3(e)に示すように、スパッタリング法もしくはCVD法等の適宜な薄膜形成法によって保護層11となる薄膜が形成される。この時点においては、保護層11となる薄膜の表面には、IDT電極5等の厚みに起因して凹凸が形成されている。そして、必要に応じて化学機械研磨等によって表面が平坦化され、図2(b)に示すように、保護層11が形成される。なお、保護層11は、平坦化の前もしくは後において、後述するパッド39(図4)等を露出させるために、フォトリソグラフィー法等によって一部が除去されてもよい。
上述した工程は、ダイシングされることにより基板3となる母基板に対して行われる。そして、保護層11の形成後、必要に応じて他の部材(例えば後述するカバー33)が形成され、その後、母基板がダイシングされることにより、SAW素子1が作製される。
(SAW装置の構成)
図4は、上述したSAW素子1を適用したSAW装置51の例を示す断面図である。
SAW装置51は、例えば、フィルタもしくはデュプレクサを構成している。SAW装置51は、SAW素子31と、SAW素子31が実装される回路基板53とを有している。
SAW素子31は、例えば、いわゆるウェハレベルパッケージのSAW素子として構成されている。SAW素子31は、上述したSAW素子1と、基板3のSAW素子1側を覆うカバー33と、カバー33を貫通する端子35と、基板3のSAW素子1とは反対側を覆う裏面部37とを有している。
カバー33は、樹脂等によって構成されており、SAWの伝搬を容易化するための振動空間33aをIDT電極5および反射器7の上方(z方向の正側)に構成している。基板3の上面3a上には、IDT電極5と接続された配線38と、配線38に接続されたパッド39とが形成されている。端子35は、パッド39上において形成され、IDT電極5と電気的に接続されている。裏面部37は、例えば、特に図示しないが、温度変化等によって基板3表面にチャージされた電荷を放電するための裏面電極と当該裏面電極を覆う保護層とを有している。
回路基板53は、例えば、いわゆるリジッド式のプリント配線基板によって構成されている。回路基板53の実装面53aには、実装用パッド55が形成されている。
SAW素子31は、カバー33側を実装面53aに対向させて配置される。そして、端子35と実装用パッド55は、半田57によって接着される。その後、SAW素子31は封止樹脂59によって封止される。
(交差幅の変動の作用)
図5(a)および図5(b)は、SAW素子1における交差幅の変動がもたらす作用を説明する模式図である。
図5(a)は、比較例における作用を説明する図である。この比較例においては、複数の電極指23の長さは互いに同一である。従って、交差幅は一定であり、また、複数の交差領域Rは直線状に配列されている。
この比較例において、電極指23に電圧が印加されると、線Le1、Le3およびLe9によって模式的に例示するように、SAWの伝搬方向に直交する方向(y方向)において、交差領域Rの端部を節とする定在波が生じる。すなわち、1/2波長のn倍(nは正の整数)が交差幅に等しいn次の横モードの振動(エネルギー分布)が生じる。なお、線Le1、Le3およびLe9は、それぞれ、1次、3次および9次の振動を示している。
この横モードの振動は、線Lt1、Lt3およびLt9によって模式的に例示するように、SAWの伝搬方向(x方向)において重ね合わされる(複数の交差領域Rにおける振動が累積される。)。このうち、偶数次の横モードの振動は互いに相殺される。その一方で、奇数次の横モードの振動は、重ね合わされることにより大きくなる。
そして、この奇数次の横モードの振動のうち、1次モードの振動は、SAWのx方向への伝搬を担う。その一方で、3次以上のモードの振動は、SAWのインピーダンス特性においてスプリアスを生じさせる要因となる。
一方、図5(b)に示す本実施形態のSAWにおいては、複数の交差領域Rの位置がy方向において変動している(互いにずれている)。そして、横モードの振動は、交差領域Rの端部を節とするから、複数の交差領域Rにおける横モードの振動の位置も、y方向において互いにずれることになる。その結果、奇数次の横モードの振動は互いに相殺される。
ここで、次数が高いモードの振動ほど、複数の交差領域Rのずれが波長に対して大きくなる。従って、相殺の度合いは、次数が高いモードの振動ほど大きくなる傾向にある。その結果、図5(b)において線Lt1、Lt3およびLt9によって模式的に例示するように、図5(a)に比較して、1次モードの振動はさほど減衰せず、3次モード以上の振動は大きく減衰することになる。すなわち、伝搬損失を抑制しつつ、スプリアスの発生を抑制することができる。
(比較例および実施例)
比較例および実施例に係るSAW素子を試作し、上述の作用が奏されることを確認した。
比較例および実施例に共通の条件は以下のとおりである。
SAWの波長λ:1.82μm
基板3:126°Y−XカットのLiNbO3基板
導電層15(IDT電極・反射器):
材料:Al−Cu合金
ただし、基板3と導電層15との間には6nmのTiからなる下地層あり。
厚さe(Al−Cu合金層):141nm
付加膜:
材料:Ta2O5
厚さt:90nm
保護層:
材料:SiO2
厚さT:600nm
IDT電極の電極指:
ピッチp:0.91μm
幅w1:0.45μm
本数:300本(150対)
比較例は、図5(a)に示したように、電極指23の長さが互いに同一のものである。実施例は、比較例と容量が同一になるように電極指23の長さが変動するものとした。すなわち、実施例の各櫛歯電極13においては、比較例の電極指23の長さに対して、長さc/2(図2(a)参照)だけ長い電極指23と、長さc/2だけ短い電極指とが交互に配列されている。
具体的には、比較例の交差幅および実施例の長さcは以下のとおりである。
比較例の交差幅:54.6μm
実施例の長さc:1μm、2μmもしくは3μm
図6(a)は、比較例および実施例のインピーダンス特性を示す図である。
図6(a)において、横軸は周波数fを示し、縦軸はインピーダンスの絶対値|Z|および位相αを示している。また、各線種に対応する「0μm」、「1μm」、「2μm」および「3μm」は、長さcである。すなわち、「0μm」は比較例であり、「1μm」、「2μm」および「3μm」は実施例である。また、曲線Lb1で囲って示される線種は絶対値|Z|を示し、曲線Lb2で囲って示される線種は位相αを示している。
一般に知られているように、SAW素子においては、インピーダンスの絶対値|Z|が極小となる共振点と、インピーダンスの絶対値|Z|が極大となる反共振点とが現れる。また、共振点と反共振点との間においては、インピーダンスの位相αが最大位相αmaxとなる。
図6(b)は、図6(a)の領域VIbの拡大図である。なお、線Lcは、スプリアスがない理想的な位相特性を示している。
比較例(「0μm」)においては、線Lcに対するくぼみ、すなわち、スプリアスが生じている。これに対して、実施例(「1μm」、「2μm」および「3μm」)は、スプリアスが大幅に改善している。
領域S3、S5、S7、S9およびS11におけるくぼみはそれぞれ、3次、5次、7次、9次および11次の横モードのスプリアスである。長さcを1〜3μmの範囲内で変化させた場合、低次のスプリアスには大きな差異は見られない。その一方で、高次のスプリアスにおいては、長さcを大きくするほど、スプリアスが抑制されている。これは、図5を参照して説明したように、高次のモードほど周期(波長)が短く、周期に対する長さcの比率が大きくなることから、振動の相殺が好適に行われたためと考えられる。
図6(c)は、図6(a)および図6(b)に示した比較例および実施例の最大位相αmaxを示す図である。
横軸は、長さc/2の波長λに対する比を示し、縦軸は最大位相αmaxを示している。また、実験は、比較例および実施例のそれぞれについて5個のサンプルを試作して行ったことから、最大位相αmaxの大きさにはばらつきがある。そこで、各プロットにおいては、平均値を菱形により示すとともに、その最小値から最大値までの範囲をI字により示している。
この図に示されるように、長さcが大きくなると最大位相αmaxが大きくなる傾向がある。これは、図6(b)に示したように、くぼみ(スプリアス)が小さくなることからである。ここで、最大位相αmaxが大きくなるほど伝搬損失は小さくなることがわかっている。従って、スプリアスを好適に抑制することにより、伝搬損失も抑制されていることになる。
図7(a)および図7(b)は、スプリアスの抑制の効果を示すスミスチャートである。
図7(a)において、点線Ldは、共振子として理想的な軌跡を示している。この軌跡は、真円となっている。これに対して、比較例(「0μm」)の軌跡は、スプリアスが生じており、真円となっていない。
図7(b)においては、比較例(「0μm」)および実施例(「1μm」、「2μm」および「3μm」)の軌跡が示されている。実施例の軌跡は、比較例の軌跡よりも真円に近付いている。
図7(c)は、スミスチャートにおける、比較例および実施例の軌跡の長さと、真円の軌跡の長さとの差を示す図である。横軸は、図6(c)と同様である。縦軸は、上記の軌跡の長さの差を示している。この図においても、スプリアスが抑制されていることが確認される。
(交差幅の変動量の好適な範囲)
図5を参照して説明したように、本実施形態の効果は、主として、横モードの振動の位置がずらされることにより奏される。従って、本実施形態のIDT電極5の形状の特徴を数値で示すならば、当該数値としては、振動の起点となる位置のずれ量、すなわち、電極指23の先端の位置の振れ幅(長さc)が抽出されることが好ましい。
また、図5および図6(b)を参照して説明したように、振動の位置のずれの影響は、横モードの振動の波長によって異なり、また、当該振動の波長は交差幅によって規定される。従って、上記の長さcは、交差幅によって除されて正規化されて、好適な数値範囲が求められることが好ましい。
ここで、c=(a−b)/2と算出することができ、また、交差幅の平均は、最大交差幅aおよび最小交差幅bを用いて、(a+b)/2と算出することができる。従って、正規化された振れ幅は、(a−b)/(a+b)により表わされ、当該数値の好適な範囲が求められることが好ましい。なお、この式から明らかなように、本実施形態の特徴は、交差幅の変動量(2c=a−b)によって規定されると考えることもできる。
そこで、上述した比較例および実施例と同様の条件下で、(a−b)/(a+b)を種々変化させてシミュレーションを行い、(a−b)/(a+b)の好適な範囲を検討した。
図8は、シミュレーション結果を示す図である。
横軸は、(a−b)/(a+b)を示し、縦軸は、n次の横モードの振動における正規化された振幅の2乗A2を示している。なお、A2の正規化は、比較例((a−b)/(a+b)=0)の振幅の2乗によって除されることによって行われている。
線Lg1、Lg3、Lg5、Lg7、Lg9およびLg11はそれぞれ、1次、3次、5次、7次、9次および11次の横モードに対応している。また、線Lgaは、3次、5次、7次、9次および11次の横モード(スプリアスの要因となる横モード)の平均に対応している。
このシミュレーション結果によれば、(a−b)/(a+b)が僅かでも0よりも大きくなれば、高次のモードの振幅が減少しており、本実施形態の効果が奏されている。すなわち、(a−b)/(a+b)は、0よりも大きければよいということになる。
ただし、実際には、製造誤差によって、比較例においても(a−b)/(a+b)は厳密には0とはならないから、現実的かつ意図的に(a−b)/(a+b)を0より大きくしているといえる下限値の一例として、0.01を挙げることとする。当該数値は、IDT電極5は0.1μm以下の精度で形成可能であること、および一般的な超小型のSAW素子における電極指の長さに照らして妥当である。
(a−b)/(a+b)を大きくしていくと、より高次のモード(11次等)においては、振幅が0に達した後に上昇する。これは、ずれ量が半波長に達して振幅が最小となり、その後、さらにずれ量を大きくすると、ずれ量が1波長に近づいていくためと考えられる。
一方、スプリアスは、概ね3次〜11次程度の横モードの振動によって生じると考えられる。従って、その平均(線Lga)が上昇し始める、0.066を、(a−b)/(a+b)の好適な範囲の上限の一例として挙げることができる。
なお、(a−b)/(a+b)が図8において最大となる0.10においても、比較例((a−b)/(a+b)=0)に比較して、3次以上のモードの振幅の平均は大幅に減少している。また、図5を参照して説明した理論からすれば、(a−b)/(a+b)をいかに大きくしたとしても、比較例に比較してスプリアスが大きくなるということはない。従って、0.066という数値は、本実施形態の効果を十分に発揮できる範囲内に含まれており、必ずしも臨界的意義が要求されものではなく、また、13次以上の横モードを考慮したとしても、(a−b)/(a+b)が0.066のときに本実施形態の効果が奏されることは明らかである。
また、特許文献1は、本実施形態とは異なる思想に基づくものであるので、(a−b)/(a+b)またはこれに類する数値の例示はないが、その図面から(a−b)/(a+b)を求めると、小さく見積もっても0.1超である。
以上に述べたように、本実施形態によれば、互いに隣接する第1電極指23Aと第2電極指23Bとの交差幅に関して、全ての交差幅の中での最大交差幅をa、最小交差幅をbとしたときに、
0.01≦(a−b)/(a+b)≦0.066
が満たされることから、スプリアスを抑制しつつ、種々の効果を得ることができる。
例えば、交差幅の変動量(2c)が小さいことから、一対のバスバー21間の距離に対して最小交差幅bを相対的に大きくすることができる。その結果、容量を確保しつつIDT電極5の小型化を図ることができる。
また、例えば、振れ幅cが小さいことから、振れ幅cが波長に対して相対的に大きくなる高次の横モードの振動を好適に減衰させつつ、振れ幅cが波長に対して相対的に小さい1次モードの横モードの振動の減衰は抑制し、SN比を向上させることができる。
また、本実施形態では、複数の第1電極指23Aの先端を結ぶ第1包絡線24Aはジグザグ状である。これは、例えば、最大交差幅aもしくは最小交差幅b、またはこれに近い大きさの交差幅が、複数個所において現れることを意味する。換言すれば、複数の交差幅の平均からの変動量が大きい交差幅が多数存在することになる。従って、複数の交差幅全体として、交差幅の変動量が大きくなり、スプリアス抑制の効果が増大する。
特に、第1包絡線24Aが第1電極指23Aの1本毎に交互に逆側へ屈曲するジグザグ状である場合においては、変動量が大きい交差幅の数は最大となり、スプリアス抑制の効果が最大限に発揮される。
なお、ジグザグ状といえるには、一般的なジグザグの概念に照らして、図1に例示したように、互いに逆方向に屈曲する屈曲点が2つあればよい。また、この場合、ジグザグの一端および一の屈曲点は、内側(交差幅が小さくなる側)に位置し、他端および他の屈曲点は外側(交差幅が大きくなる側)に位置するから、当該ジグザグの定義は、上述の小さい交差幅もしくは大きい交差幅が複数存在するという効果に照らしても妥当である。
本実施形態では、複数の第2電極指23Bの先端を結ぶ第2包絡線24Bも第2電極指23Bの1本毎に交互に逆側へ屈曲するジグザグ状である。従って、横モードの振動の節となる電極指23の先端は、1対のバスバーの双方において変動する。また、図2(a)に示す、交差幅がa+cの2つの交差領域Rから理解されるように、交差幅が互いに同一でその位置が互いに逆方向にずれた交差領域Rが生じる。従って、全体として、交差領域Rの面積に対して交差領域Rのずれ量を大きくし、容量を確保しつつスプリアスを抑制することができる。
当該効果は、特に、第1包絡線24Aの振れ幅(c)および第2包絡線24Bの振れ幅(c)が一定かつ互いに同一である場合に顕著となる。また、振れ幅をランダムにした場合に比較して、高次の横モードの波長に対するずれ量の相対的な大きさを制御して意図した効果を得ることが容易である。
<第2の実施形態>
図9は、第2の実施形態のSAW素子201を示す図1と同様の平面図である。
SAW素子201は、第1櫛歯電極213Aのみにおいて複数の第1電極指23Aの長さが変動しており、第2櫛歯電極213Bの複数の第2電極指23Bの長さは変動していない点が第1の実施形態のSAW素子1と相違する。なお、第2櫛歯電極213Bの複数の第2ダミー電極25Bは、複数の第1電極指23Aの長さの変動に応じてその長さが変動している。
第2の実施形態においても、全ての交差幅の中での最大交差幅をa、最小交差幅をbとしたときに、
0.01≦(a−b)/(a+b)≦0.066
が満たされている。
従って、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が奏される。すなわち、スプリアスを抑制しつつ、容量の確保もしくは1次モードの振動の減衰抑制の効果が奏される。
<第3の実施形態>
図10は、第3の実施形態のSAW素子301を示す図1と同様の平面図である。
SAW素子301は、ダミー電極25が設けられていない点のみが第1の実施形態のSAW素子1と相違する。
第3の実施形態においても、全ての交差幅の中での最大交差幅をa、最小交差幅をbとしたときに、
0.01≦(a−b)/(a+b)≦0.066
が満たされている。
従って、第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が奏される。すなわち、スプリアスを抑制しつつ、容量の確保もしくは1次モードの振動の減衰抑制の効果が奏される。
<第4の実施形態>
図11は、第4の実施形態のSAW素子401を示す図1と同様の平面図である。
SAW素子401は、複数の電極指23のうち、一部の電極指23(第2櫛歯電極413Bにおいて、図11の紙面左から2番目の第2電極指23B)のみにおいて長さが変動している。当該一部の電極指23の数、配置および大きさは適宜に設定されてよい。図11では、1本の第2電極指23Bが他の全ての第2電極指23Bよりも短くされた場合を例示している。なお、第1櫛歯電極413Aの複数の第1ダミー電極25Aにおいては、複数の第2電極指23Bの一部のみにおいて長さが変動していることに対応して、一部のみ長さが変動している。
第4の実施形態においても、全ての交差幅の中での最大交差幅をa、最小交差幅をbとしたときに、
0.01≦(a−b)/(a+b)≦0.066
が満たされている。
従って、第4の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が奏される。すなわち、スプリアスを抑制しつつ、容量の確保もしくは1次モードの振動の減衰抑制の効果が奏される。
<第5の実施形態>
図12は、第5の実施形態のSAW素子501を示す図1と同様の平面図である。
SAW素子501は、第1櫛歯電極513Aおよび第2櫛歯電極513Bの少なくとも一方の複数の電極指23の長さがランダムに変動している点が第1の実施形態のSAW素子1と相違する。なお、複数のダミー電極25の長さは、複数の電極指23の長さの変動に応じて変動している。また、SAW素子501は、複数の電極指23の長さがランダムに変動する例であるから、電極指23の先端を結ぶ包絡線(不図示)の形状は適宜に設定されてよいが、図12では、包絡線は、概ね、SAWの伝搬方向の中央側において交差幅が大きく、SAWの伝搬方向の両端側において交差幅が狭くなるような形状とされている。
第5の実施形態においても、全ての交差幅の中での最大交差幅をa、最小交差幅をbとしたときに、
0.01≦(a−b)/(a+b)≦0.066
が満たされている。
従って、第5の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が奏される。すなわち、スプリアスを抑制しつつ、容量の確保もしくは1次モードの振動の減衰抑制の効果が奏される。
<第6の実施形態>
図13は、第6の実施形態のSAW素子601を示す図1と同様の平面図である。
SAW素子601は、複数のIDT電極5が伝搬方向に配列された2重モード型SAWフィルタとして構成されている。なお、IDT電極5の数は適宜に設定されてよいし、入力信号または出力信号は、平衡信号であってもよいし、不平衡信号であってもよい。
第6の実施形態においても、各IDT電極5においては、全ての交差幅の中での最大交差幅をa、最小交差幅をbとしたときに、
0.01≦(a−b)/(a+b)≦0.066
が満たされている。
従って、第6の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が奏される。すなわち、スプリアスを抑制しつつ、容量の確保もしくは1次モードの振動の減衰抑制の効果が奏される。
複数の交差領域Rの全体としての形状(第1包絡線および第2包絡線がなす形状)が菱形等になる一般的なアポダイズ電極においては、電極指23のピッチを考慮して電極指23の長さの変動を設定しなければならない。一方、2重モード型SAWフィルタは、ピッチの長さが変動する割合が比較的多い。従って、一般的なアポダイズは、2重モードSAWフィルタへの適用が困難である。一方、本実施形態は、0.01≦(a−b)/(a+b)≦0.066の条件が満たされれば、その変動のパターンに関わらず、一定の効果が期待される。従って、本実施形態の交差幅の変動は、2重モード型SAWフィルタへの適用が容易である。
なお、IDT電極5間における交差幅については、上記の条件が満たされていてもよいし、満たされていなくてもよい。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
以上の実施形態は、適宜に組み合わされてよい。例えば、第2の実施形態のように1対の櫛歯電極の一方のみにおいて電極指の長さが変動する態様は、第3〜第6の実施形態に適用されてもよい。また、例えば、第3の実施形態のようにダミー電極が設けられない態様は、第4〜第6の実施形態に適用されてもよい。また、例えば、第4の実施形態のようにIDT電極の一部において交差幅が変動する態様は第5および第6の実施形態に適用されてもよい。また、例えば、第5の実施形態の交差幅がランダムに変動する態様は第6の実施形態に適用されてもよい。
弾性波素子は、(狭義の)SAW素子に限定されない。例えば、保護層(11)の厚さが比較的大きい(例えば0.5λ〜2λ)、いわゆる弾性境界波素子(ただし、広義のSAW素子に含まれる。)であってもよい。なお、弾性境界波素子においては、振動空間(33a)の形成は不要であり、ひいては、カバー33等も不要である。
弾性波素子は、ウェハレベルパッケージのものに限定されない。例えば、SAW素子は、カバー33および端子35等を有さず、基板3の上面3a上のパッド39と、回路基板53の実装用パッド55とが半田57によって直接接着されてもよい。そして、SAW素子1(保護層11)と回路基板53の実装面53aとの隙間によって振動空間が形成されてよい。また、ウェハレベルパッケージの弾性波素子も、端子が設けられず、実装用パッド55に配置された半田ボールにパッド39が当接する構成とされるなど、種々の構成とされてよい。
弾性波素子は、IDT電極を適宜な数で含んでよい。また、複数のIDT電極は、直列接続または並列接続等の方式で接続されてラダー型SAWフィルタ等を構成してもよい。2以上の2重モード型SAWフィルタがカスケード接続されたりしてもよい。また、これらフィルタが組み合わされてデュプレクサ等が構成されてもよい。
SAW素子が複数のIDT電極を含む場合において、全てのIDT電極において、(a−b)/(a+b)に係る条件が満たされる必要はない。例えば、図13に示したSAW素子601において、一のIDT電極5についてのみ、(a−b)/(a+b)に係る条件が満たされてもよい。
弾性波素子において、保護層11および付加膜9は必須の要件ではない。また、保護層は、腐食防止のみを目的として設けられ、電極指の厚みよりも薄くされてもよい。
電極(電極指)の材料は、AlおよびAlを主成分とする合金に限定されず、例えば、Cu、Ag、Au、Pt、W、Ta、Mo、Ni、Co、Cr、Fe、Mn、Zn、Tiであってもよい。保護層の材料は、SiO2に限定されず、例えば、SiO2以外の酸化珪素であってもよい。
なお、本願からは、以下の発明を抽出可能である。
圧電基板と、
該圧電基板の上面に位置するIDT電極と、
を有し、
前記IDT電極は、
互いに対向する第1バスバーおよび第2バスバーと、
前記第1バスバーから前記第2バスバー側へ延びる複数の第1電極指と、
前記第2バスバーから前記第1バスバー側へ延び、前記複数の第1電極指と交差する複数の第2電極指と、
を有し、
前記複数の第1電極指の先端を結ぶ第1包絡線は前記第1電極指1本毎に交互に逆側へ屈曲するジグザグ状である
弾性波素子。
当該発明においては、(a−b)/(a+b)に係る条件は満たされなくてもよい。また、当該発明においても、複数の第2電極指の先端を結ぶ第2包絡線が第2電極指1本毎に交互に逆側へ屈曲するジグザグ状とされたり、第1包絡線の振れ幅および第2包絡線の振れ幅が一定かつ互いに同一とされたりしてよい。