JPH10224177A - 横多重モードフィルタ - Google Patents

横多重モードフィルタ

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JPH10224177A
JPH10224177A JP2568897A JP2568897A JPH10224177A JP H10224177 A JPH10224177 A JP H10224177A JP 2568897 A JP2568897 A JP 2568897A JP 2568897 A JP2568897 A JP 2568897A JP H10224177 A JPH10224177 A JP H10224177A
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mode
resonator
filter
transverse
saw
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JP2568897A
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Michiaki Takagi
道明 高木
Takashi Yamazaki
隆 山崎
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Seiko Epson Corp
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  • Surface Acoustic Wave Elements And Circuit Networks Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、水晶基板を用いた横多重モードフ
ィルタの広帯域幅化を実現して、PHS等の携帯電話用
途の中間周波数フィルタを提供することにある。 【解決手段】第1と第2のSAW共振子の間に結合共振
子を相互に平行となるように横に配置した上で、全体の
共振周波数を計算して、3個の固有モードを得た上で、
さらに3個の共振周波数を等間隔に配置して、横多重モ
ードフィルタの通過比帯域幅を1000ppm程に広帯
域化し、さらに素子の長手方向(X方向)が短く、面積
を有効に使用できる横多重モードフィルタを用いて設計
できるため、素子面積を小さくでき従来より小型なフィ
ルタしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は弾性表面波を利用し
て構成される共振型フィルタにおいて、SAW共振子を
横に平行配置して得られる複数個の横モードを利用し
て、フィルタの広帯域化を実現した横多重モードフィル
タの分野に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の共振子型の多重モードフィルタと
しては、横に2個の共振子を平行配置した、いわゆる横
2重モードフィルタが有名である(特許出願公告 平2
−16613号公報)。この方式を用いて周波数温度特
性が優れた、約30度から45度の回転Yカットである
水晶STカットX伝搬基板にてフィルタを構成すると、
2段従属接続フィルタの3dB帯域幅が、比帯域幅で表
現して700ppmが得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし前述の横2重モ
ードフィルタの従来技術では、近年著しい発展を見せて
いるGSM方式とかPHS方式の携帯電話に用いられる
中間周波フィルタ(IFフィルタ)の帯域幅が、900
から1000ppmの比帯域幅が要求されるために、前
記STカットでは作製できなかった。
【0004】そこで本発明はこのような問題点を解決す
るもので、その目的は、水晶STカットのような周波数
温度特性が優れ、かつ材料のQ値が優れた基板を用い
て、従来に無く通過帯域幅の広帯域化をはかり、周波数
安定度に優れかつS/Nが良く、小型なIFフィルタを
市場に提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の横多重モードフィルタは、圧電体平板上
に、入力端子側となる第1のSAW共振子と出力端子側
となる第2のSAW共振子を相互に横に平行配置して構
成し、前記両共振子間に平行配置して第3の結合共振子
を形成したことを特徴とする。
【0006】(2)前記(1)において、前記結合共振
子は、弾性表面波の位相伝搬方向に直交して周期的に配
列した多数の導体ストリップからなり、前記導体ストリ
ップの間隔周期は、前記第1と第2のSAW共振子の電
極間隔とほぼ等しいことを特徴とする。
【0007】(3)前記(1)において、前記結合共振
子の導体ストリップの長さWc3が、前記第1と第2の
SAW共振子のIDTの交差指幅より等しいか小さいこ
とを特徴とする。
【0008】(4)前記(1)において、前記結合共振
子の周波数ポテンシャル−P3が、前記第1と第2のS
AW共振子の周波数ポテンシャル−P1,−P2より低
い(−P1,−P2≧−P3)ことを特徴とする。
【0009】(5)前記(1)において、前記横多重モ
ードフィルタの伝送特性が、基本波対称モードS0と基
本波斜対称モードA0の2重モードから合成されること
を特徴とする。
【0010】(6)前記(1)において、前記横多重モ
ードフィルタの伝送特性が、基本波対称モードS0と基
本波斜対称モードA0と、1次高次対称モードS1の3
重モードから合成されることを特徴とする。
【0011】(7)前記(1)において、前記圧電体平
板が水晶STカットX伝搬方位であることを特徴とす
る。
【0012】(8)前記(2)において、前記結合共振
子の導体ストリップを相互に任意形状の導体または、対
角導体にて接続したことを特徴とする。
【0013】(9)前記(1)において、前記横多重モ
ードフィルタを二段縦属接続したことを特徴とする。
【0014】(10)前記(7)において、前記横多重
モードフィルタにおいて、第1と第2のSAW共振子が
持つIDT交差指幅(Wc1=Wc2)が、10.5波
長、第3の結合共振子の導体ストリップ長さWc3が
6.5波長、共振子間のギャップGcが0.45波長、
周波数ポテンシャルの差εが500から800ppmであ
ることを特徴とする。
【0015】(11)前記(2)において、前記横多重
モードフィルタにおいて、第1と第2のSAW共振子の
IDTギャップGiが約2波長であることを特徴とす
る。
【0016】(12)前記(4)において、 前記結合
共振子の周波数ポテンシャル差εを前記導体ストリップ
のライン対スペース比(L3/S3)を1以上として設
定したことを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明の横多重モードフィルタにおける技術課
題を解決するに当たっては以下に述べる理論を用いて、
いわゆる横モードとよばれるモードの振動変位とその共
振周波数を算出し、フィルタの設計を行ったのでこの内
容を順に説明する。
【0018】まず最初に、本発明の詳細な説明中に現れ
るSAW共振子について説明することにする。SAW共
振子とは、水晶とかタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチ
ウム、四ホウ酸リチウム等の圧電体材料から特定方位で
切り出された通称ウェハーと呼ばれる圧電体平板の表面
に、アルミニウム等の金属導体薄膜を形成した後、フォ
トリソグラフィー技術により特定の機能を果たす微細パ
ターンを形成して構成される。SAW共振子には、大別
して1ポート型と2ポート型があるが、1ポート型は、
1個のすだれ状電極とその両側に位置して弾性表面波の
反射機能を有する一対の反射器をもつものであり、本発
明の対象となるものである。すでにこれらについては、
多数の公知資料があるので詳細な説明を行わないことと
する。また、すだれ状電極の電極指の交差幅Wcとは、
正極性と負極性の電極指が相互に重なる配置となるSA
W共振子の幅方向の寸法である。
【0019】次に、前記のSAW共振子において、弾性
表面波の伝搬方向(X軸とする)に対して直交する幅方
向(Y軸とする)について、SAW共振子の振動変位を
簡便に計算するための方法として、筆者等はすでにこれ
ら横モードを支配する微分方程式を導いて公開している
(高木,桃崎,他:”常温に動的及び静的零温度係数を
もつKカット水晶SAW共振子”,電気学会 電子回路
技術委員会 第25回EMシンポジウム,pp79−8
0,(1996))。あらためて、この方程式を記述す
ると式(1)となる。
【0020】
【数1】
【0021】ここで、ωは角周波数、ω0(Y)は該当
する領域の素子角周波数、aは幅方向の実効的せん断剛
性定数、V(Y)は幅方向の弾性表面波変位の振幅、Y
は弾性表面波の波長で規格化したY座標である。また、
ω0(Y)は座標Yにおける弾性表面波の速度を角周波
数に換算した量であり、周波数ポテンシャル関数と呼ぶ
ことにする。この周波数ポテンシャル関数はSAW共振
子の動作点近傍においては、弾性表面波の伝搬路に存在
するアルミニウム金属導体膜の厚みH(Y)の関数によ
り変化する。もっと一般的には、アルミニウム金属の質
量m(Y)の関数で変化することが確認されている。従
って、SAW共振子の主要部を構成するすだれ状電極部
においては、すだれ状電極のもつ質量m(Y)によりω
0(Y)は決定される。すなはち、ω0(m(Y))であ
る。前記の水晶ST−カットの場合には、膜厚みが薄い
ために、前記のω0(Y)はmに対してほぼ直線的に降
下する。ここで計算を簡単にするために式(1)におい
て、基準となる周波数ω002で割ると、
【0022】
【数2】
【0023】ここで、Ω=ω/ω00は規格化周波数、Q
(m(Y))は規格化ポテンシャル関数となる。
【0024】変位振幅V(Y)求める方法は、たとえ
ば、次の様に逐次積分にて計算することができる。
【0025】
【数3】
【0026】式(3)のV(Y,Ω)は規格化周波数の
関数であるが、現実に起きる変位振幅は、エネルギーの
最小原理である次式により与えられるΩにおいて得られ
る。
【0027】
【数4】
【0028】以上の式(2)から(4)が本発明に用い
た計算の基本式であり、これらを用いて、後述の具体的
実施例になる横多重モードフィルタの設計を行い、試作
品を測定してみたので、これらを順に説明する。
【0029】
【発明の実施の形態】
(実施例1)以下、本発明の実施の形態を図1から順を
追って説明する。図1は本発明の横多重モードフィルタ
に使用される電極パターンを平面図で表した一実施の形
態である。図1中の各部位の名称は、100は圧電体平
板、101は励振用信号源、102は信号源の等価内部
抵抗、103と104と1011と1012と1013
等は、横多重モードフィルタ素子GND(外部回路の接
地と区別してGND(接地の意味)と呼ぶ)を外部回路
の接地端子へ接続するためのワイヤーボンデング線、1
05と106と107と108と109と1010等は
横多重モードフィルタ素子のGND、1014は素子終
端抵抗である。細かい破線で囲まれた1015は第1の
SAW共振子、1016は結合共振子、1017は第2
のSAW共振子である。第1のSAW共振子を構成して
いる、粗い破線で囲まれた1018と1020はグレー
テング反射器(以降略して反射器と呼ぶ)。1019は
すだれ状電極(以降略してIDTと呼ぶ)である。10
0の圧電体平板は、水晶、タンタル酸リチウム等の圧電
性を有する単結晶およびZnO等の圧電性薄膜を形成し
た基板等からなる。前記の100上に形成された前記の
第1と第2のSAW共振子1015、1017を構成す
るIDTと反射器等は、アルミニウムおよび金等の導電
性を有する金属膜を蒸着、スパッタ等の手段により薄膜
形成した後、フォトリソグラフィ技術によりパターン形
成して作られる。前記IDTは利用する弾性表面波(レ
ーリー波及びリーキー波等)の位相進行方向(長手方向
X)に対して直交して、平行かつ周期的に多数配置され
る。前記第1と第2のSAW共振子は、ほぼ同一の寸法
と特性を具備させる。前記第1と第2のSAW共振子と
結合共振子は、前記の位相進行方向を長手方向として、
横に各々平行に配置している。第1と第2のSAW共振
子間に挟まれて配置された結合共振子の詳細な構成は図
3(a)から図3(c)に示すが、従来のSAW共振子
の特徴である、弾性表面波の励振を行うIDTを有して
いない。
【0030】(実施例2)次に図2は、前述の図1の横
多重モードフィルタを2段縦従属接続した一実施例であ
る。図中の各部位の名称は、200が圧電体平板、細か
い破線で囲まれた201は第1のSAW共振子、202
は第1の結合共振子、203は第2のSAW共振子であ
る。前記201と202と203で第1の横多重モード
フィルタを構成している。つぎに、細かい破線で囲まれ
た204は第3のSAW共振子、205は第2の結合共
振子、206は第4のSAW共振子である。204と2
05と206で第2の横多重モードフィルタを構成す
る。2個の横多重モードフィルタの縦属接続にあたって
は、第1の横多重モードフィルタの第2のSAW共振子
203の反射器2010と2012を、また第2の横多
重モードフィルタの第3のSAW共振子204の反射器
である2013と2015に導体パターン207と20
9にて相互に接続する。さらに、第1の横多重モードフ
ィルタの第2のSAW共振子のIDTである粗い破線で
囲まれた2011と、第2の横多重モードフィルタの第
3のSAW共振子のIDTである粗い破線で囲まれた2
014を、導体パターン208で接続している。さらに
また、第1のSAW共振子と第2のSAW共振子間の素
子GND(接地)をとるために、接続導体パターン20
16にて導通をとっている。同様に、第3のSAW共振
子と第4のSAW共振子間の素子GNDを取るために、
接続導体2017にて導通をとっている。
【0031】(実施例3)次に、前述の結合共振子の具
体的構成を図3(a)と図3(b)と図3(c)を用い
て詳述する。まず図3(a)は、最も基本的な結合共振
子の導体パターンの配置である。結合共振子は、特定の
長さに設定された導体ストリップ304a、305a、
306a等を多数平行配置して構成する。前記導体スト
リップは、弾性表面波の位相伝搬方向(図中のX軸方
向)に対してほぼ直交して配置される。結合共振子はお
おむね3つの主要部分から構成されると考えられる。破
線に囲まれた301aと306aは反射器に対応する部
位、302aはIDTに対応する部位である。反射器に
対応する部位301aと303aの導体ストリップの配
置周期PRと、IDTに対応する部位302aの導体ス
トリップの配置周期はPTは、前述の図1のSAW共振
子1015、1017のものとほぼ同一である。より具
体的には、図12に前記PTとPRの関係を、前述の作
用の節で説明した周波数ポテンシャルを用いて図示し
た。図12において、結合共振子の各部位1000、1
001、1002に対応する周波数ポテンシャルを10
03、1004、1005の直線とした。図中の横軸1
06はは結合共振子のX軸方向座標、縦軸107は周波
数軸である。ω00は前記1000と1002の周期長
PRで決まる周波数であり、ほぼ結合共振子の共振周波
数fcに相当する。反射器に相当する部位の弾性表面波
の速度をVcとすると、前記PRとfcの関係は、PR
=Vc/(2fc)である。また、PT<PRの関係を
設定して、PT=Vc/(2fT)の関係式から決まる
fTをfcよりζ=3000から7000ppm程上昇
させている。
【0032】次に、図3(b)に他の結合共振子の実施
例を示す。図3(a)と異なる点は、307と308に
示した、導体ストリップ群(304b、306b)を接
続して短絡する導体を付加したことである。このように
することにより、前記導体ストリップ群に発生する静電
気を短絡して動作を安定化する作用がある。
【0033】次に、図3(c)はさらに、IDTに相当
する部位302cの導体ストリップ群を短絡するための
接続導体309を図3(b)の例に付加した実施例であ
る。
【0034】つぎに、図1の横多重モードフィルタの動
作と特性および具体的設計例につき、図4から図11を
用いて順に説明する。
【0035】図4と図5、図6は図1の横多重モードフ
ィルタの横方向であるY軸方向に関する、周波数ポテン
シャル曲線400と振動変位V(Y)401の一例を図
示したものである。図4と図5と図6の周波数ポテンシ
ャル曲線400と402と404は全て同一の値を取っ
ているものとする。このときの図4の振動変位401が
基本波対称横モードS0であり、図5の振動変位403
は、基本波斜対称横モードA0であり、図6の振動変位
404は1次高次対称横モードS1を図示したものであ
る。周波数ポテンシャル曲線を図4の400について説
明すると、まず横軸Yは弾性表面波の波長λを単位とし
て記述し、縦軸は周波数を自由表面での周波数ff=V
s/λを基準とした周波数変化率(ω0=(f−ff)
/ff)で表している。ω0=0は、前記のffであ
る。記号B.Bで表される部分はバスバー導体部(図1
のB.B部)に対応し、全面が導体膜で被覆されている
ために最も低い周波数ポテンシャル値−2pをとる。S
AWR#1とSAWR#2で表した部分は、前述の第1
と第2のSAW共振子(図1の1015と1017)に
対応しており、−P1と−P2は、IDT電極指の交差
幅Wc部分(図1のWc1とWc2)に対応する。この
場合においては、−P=−P1=−P2である。結合共
振子で示される領域は、周波数ポテンシャル−P3が設
定される。−P3≦−P1,−P2の関係にある。
【0036】また、ε=−P3−(−P1)である。4
01の振動変位V(Y)は、前述の作用の節で説明した
式(2)から式(4)の規格化ポテンシャル関数Q
(Y)に、Q(Y)=1+ω0(Y)を与えて計算した
ものである。また、計算により同時に各振動モードの固
有周波数が得られるが、モードS0の固有周波数をfs
0、A0の固有周波数をfa0、S1のそれをfs1と
すれば、fs0<fa1<fs1の関係があることがわ
かった。前述の振動変位と固有周波数は近似値とみなさ
れるが、実用的には充分な精度と考えている。厳密に
は、3次元の振動変位解析がなされるべきであるが極め
て大変で現時点では技術的にみて不可能である。
【0037】前記のS0とA0とS1モードの複数のモ
ード群を用いてフィルタを構成しものが、本発明の横多
重モードフィルタである。
【0038】次に、図7に本発明の図1が示す横多重モ
ードフィルタの伝送特性(振幅特性)図を示す。ただ
し、フィルタの入力と出力端は、フィルタの影像インピ
ーダンスZ0でマッチングを取った場合である。図中、
横軸は周波数変化率、縦軸は動作伝送量Sb(dB)で
ある。特性曲線500は、前記3個のモードS0とA0
とS1を使用した場合であり、特性曲線501は2個の
モードのみを発生できるようにした場合である。図中に
各モードの固有周波数fs0、fa0、fs1もあわせ
て記した。図7から明らかにわかる通り、3個のモード
を使用する場合においては、3dB通過帯域幅BWが約
2倍に広がり、広帯域化が実現できることがわかる(B
W2≒2BW1)。前記3個の固有周波数の配置は、伝
送特性において、フィルタの中心周波数をfa0とした
場合に、fa0と下端と上端の周波数fs0,fs1間
隔が等しい程、通過帯域の伝送特性が平坦となり好まし
い。さらに、図8は図7と同様な横多重モードフィルタ
の伝送特性図を周波数範囲を広げて示すものである。図
中の600が図1に対応する特性、601は図2の二段
縦属接続した場合に対応する特性である。図2の例にお
いては、−3000ppmにおいて約40dBの通過帯
域外特性が充分な減衰量を示していることがわかる。
【0039】次に、本発明の図1の横多重モードフィル
タを使ってのPHS用IFフィルタを例にとり、その具
体的設計の一例を水晶STカットX伝搬方位について図
9と図10と図11に示す。図9は横軸に結合共振子の
周波数ポテンシャルP3を、P1を単位として表し、縦
軸に各モードの固有周波数(共振周波数)を示した。ま
た、図中のGi=λまたは2λは図1の第1と第2のS
AW共振子のIDTの電極指交差幅部とバスバー部位間
の距離であり、各曲線のパラメータとしている。Giは
2λの方が、モードS0とS1間の周波数間隔が大きく
なりよりフィルタの広帯域化がはかれる。そこでGi=
2λを選定する。つぎにP3としては、モードS0とA
0とS1間の周波数間隔がより等しくなるように、1.
05P1から1.08P1あたりに設定する。この値は
P1として、約10000ppmに設定した場合には、
図4のε=500から計算により800ppmに相当す
る。しかる後、結合共振子の導体ストリップ長Wc3を
可変して、前記の固有周波数fs0,fa0,fs1が
等間隔となる値を設定する。図10はこの関係を示し
た。図10からわかる通り、Wc3=6.5λにおいて
等しくなることがわかる。最後に、前述の結合共振子の
周波数ポテンシャル−P3=−(P1+ε)の設計法に
つき図11を用いて示す。図11の横軸は結合共振子の
導体ストリップ幅L3(図3(a))をμmを単位とし
て表してあり、縦軸は結合共振子の共振周波数を設計中
心となるL3=3.197μmの周波数f00で規格化
して周波数変化率で表示したものである。L3を3.3
4μmと、設計中心値より太くすれば、−757ppm
の−εが得られることがわかる。このとき、よく使用さ
れるライン対スペース比L3/S3は1以上の値をと
る。ただし、f00として、PHSの周波数である24
4MHzを用いた。
【0040】以上が本発明の横多重モードフィルタの構
成とその特性および具体的設計例である。設計例は水晶
STカットで示したが、他のカットであるLSTカット
とかKカットでも良く、さらにまた水晶以外の圧電気材
料であっても良い事は容易にわかることである。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、周波
数安定度に優れ、従ってS/Nに優れた水晶基板を用い
て、第1と第2のSAW共振子の間に結合共振子を相互
に平行となるように配置した上で、全体の共振周波数を
計算して、3個の固有モードを得た上で、さらに3個の
共振周波数を等間隔に配置して、横多重モードフィルタ
の通過帯比域幅を1000ppm程に広帯域化できるた
めに、PHS等のチャンネル間の周波数幅が大きい通信
装置の中間周波数フィルタを市場に提供できる。さらに
また、素子の長手方向(X方向)が短く、面積を有効に
使用できる横多重モードフィルタを用いて設計できるた
め、素子面積を小さくでき従来より小型なフィルタが実
現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の横多重モードフィルタの一実施例が
有する導体パターンを示す平面図。
【図2】 本発明の二段縦属接続をした横多重モードフ
ィルタの実施例が示す図。
【図3】(a) 本発明の結合共振子の一実施例が示す
平面図。 (b) 本発明の結合共振子の他の実施例が示す平面
図。 (c) 本発明の結合共振子のさらに他の実施例が示す
平面図。
【図4】 本発明の図1が示すS0モードの振動変位
図。
【図5】 本発明の図1が示すA0モードの振動変位
図。
【図6】 本発明の図1が示すS1モードの振動変位
図。
【図7】 本発明の図1が示す伝送特性図。
【図8】 本発明の図2が示す伝送特性図。
【図9】 本発明の図1がが示す特性図。
【図10】 本発明の図1が示す他の特性図。
【図11】 本発明の図1が示すさらに他の特性図。
【図12】 本発明の図3(a)、(b)、(c)が有
する特性図。
【符号の説明】
100 圧電体平板 1015 第1のSAW共振子 1016 結合共振子 1017 第2のSAW共振子

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電体平板上に、入力端子側となる第1
    のSAW共振子と出力端子側となる第2のSAW共振子
    を相互に横に平行配置して構成し、前記両共振子間に平
    行配置して第3の結合共振子を形成したことを特徴とす
    る横多重モードフィルタ。
  2. 【請求項2】 前記結合共振子は、弾性表面波の位相伝
    搬方向に直交して周期的に配列した多数の導体ストリッ
    プからなり、前記導体ストリップの間隔周期は、前記第
    1と第2のSAW共振子の電極間隔とほぼ等しいことを
    特徴とする請求項1記載の横多重モードフィルタ。
  3. 【請求項3】 前記結合共振子の導体ストリップの長さ
    Wc3が、前記第1と第2のSAW共振子のIDTの交
    差指幅より等しいか小さいことを特徴とする請求項1記
    載の横多重モードフィルタ。
  4. 【請求項4】 前記結合共振子の周波数ポテンシャル−
    P3が、前記第1と第2のSAW共振子の周波数ポテン
    シャル−P1,−P2より低い(−P1,−P2≧−P
    3)ことを特徴とする請求項1記載の横多重モードフィ
    ルタ。
  5. 【請求項5】 前記横多重モードフィルタの伝送特性
    が、基本波対称モードS0と基本波斜対称モードA0の
    2重モードから合成されることを特徴とする請求項1記
    載の横多重モードフィルタ。
  6. 【請求項6】 前記横多重モードフィルタの伝送特性
    が、基本波対称モードS0と基本波斜対称モードA0
    と、1次高次対称モードS1の3重モードから合成され
    ることを特徴とする請求項1記載の横多重モードフィル
    タ。
  7. 【請求項7】 前記圧電体平板が水晶STカットX伝搬
    方位であることを特徴とする請求項1記載の横多重モー
    ドフィルタ。
  8. 【請求項8】 前記結合共振子の導体ストリップを相互
    に任意形状の導体または、対角導体にて接続したことを
    特徴とする請求項2記載の横多重モードフィルタ。
  9. 【請求項9】 前記横多重モードフィルタを二段縦属接
    続したことを特徴とする請求項1記載の横多重モードフ
    ィルタ。
  10. 【請求項10】 前記横多重モードフィルタにおいて、
    第1と第2のSAW共振子が持つIDT交差指幅(Wc
    1=Wc2)が、10.5波長、第3の結合共振子の導
    体ストリップ長さWc3が6.5波長、共振子間のギャ
    ップGcが0.45波長、周波数ポテンシャルの差εが
    500から800ppmであることを特徴とする請求項7
    記載の横多重モードフィルタ。
  11. 【請求項11】 前記横多重モードフィルタにおいて、
    第1と第2のSAW共振子のIDTギャップGiが約2
    波長であることを特徴とする請求項2記載の横多重モー
    ドフィルタ。
  12. 【請求項12】 前記結合共振子の周波数ポテンシャル
    差εを前記導体ストリップのライン対スペース比(L3
    /S3)を1以上として設定したことを特徴とする請求
    項4記載の横多重モードフィルタ。
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