JP5833038B2 - 化合物薄膜太陽電池とその製造方法 - Google Patents

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Description

実施形態は、化合物薄膜太陽電池の性能向上とその製造方法に関する。
化合物薄膜太陽電池には、光吸収層として、II族、VI族で、II−VI系のCdTe或いは、カルコパイライト構造を有するI族、III族、VI族で、I−III−VI系のCuInSeやCu(In,Ga)Se〔いわゆるCIGS〕が広く用いられている。カルコパイライト型の化合物半導体の構成元素を選択することで、バンドギャップ(Eg)を大きく変調することができる。
例えば、CIGSを光吸収層として用いたCIGS太陽電池における高効率化技術の一つとして、光吸収層中のInやGaの組成比を変化させてバンドギャップを制御することにより、バンドギャップに分布を形成する技術がある。但し、光吸収層中のInやGa等の組成比を変えて、バンドギャップを制御する場合、真空蒸着で製膜する際に、構成元素の供給を厳密に制御することが必須である。また、光吸収層の構成元素や組成比が異なる複数の化合物半導体層を積層することにより、異なるバンドギャップの光吸収層を備えた太陽電池を構成でき、波長感度の広帯域化が可能である。
Cu(In1−xGa)(Se1−y)を光吸収層に用いた化合物薄膜太陽電池は、構成元素として、In及びGaを含んでいる。In及びGaは希少金属で、資源埋蔵量が少ないあるいは経済的に採掘可能な高品位の鉱石を産出することが困難である等の理由から安定供給が難しくなる可能性が高い。また、精錬に非常に高度な技術や大きなエネルギーが必要などの理由により、鉱石からの精錬が容易ではなく、価格が高騰する要因となっている。
高効率なCIGS〔Cu(In1−xGa)Se〕太陽電池は、CIGSが定比から若干III族過剰組成を有するp型半導体の薄膜で得られる。作製法としては、多元蒸着法、特に3段階法が用いられる。3段階法では1層目にIn,Ga,Seを蒸着して(In,Ga)2Se3膜を形成し、次にCuとSeのみを供給して膜全体の組成をCu過剰組成にし、最後に再びIn,Ga,Seフラックスを供給して、膜の最終組成が(In,Ga)過剰組成にする。蒸着法は化学組成を精密に制御でき、高効率なCIGS太陽電池を作製可能であるが、プロセスの制約上、大面積化が困難である。
特許第3244408号
化合物薄膜太陽電池の品質寿命を改善することにより、化合物薄膜太陽電池の性能を向上させる。
第2の実施の形態にかかる化合物薄膜太陽電池は、Cuと、A元素(AはAl,In及びGaからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素)とX元素(XはS,Se及びTeからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素)を含みカルコパイライト型の結晶構造を持つ半導体薄膜を光吸収層として備え、裏面電極と前記光吸収層の界面に界面中間層が形成され、前記界面中間層に含有されている化合物が前記裏面電極の構成元素と前記光吸収層のX元素を含み、(hkl)面からのX線回折ピーク強度をIhklとした時、前記裏面電極の構成元素と前記光吸収層のX元素を含む化合物のX線回折ピーク強度比が5>I002/I110>0.2であり、かつ、前記裏面電極の構成元素と前記X元素を含む化合物は、ランダムに配向した多結晶であり、前記裏面電極の構成元素はMoであることを特徴とする。
第1の実施の形態における化合物薄膜太陽電池の模式図である。 第1の実施の形態における光吸収層のバンドギャップと格子定数aを示すグラフである。 第1の実施の形態におけるバッファー層のバンドギャップと閃亜鉛構造、又はウルツ鉱構造を閃亜鉛鉱型構造に変換した時の格子定数aを示すグラフである。 裏面電極上にスパッタ法で製膜したTe系化合物半導体薄膜太陽電池の断面にかかるTEM画像である。 第2の実施の形態における化合物薄膜太陽電池の模式図である。 第2の実施の形態における化合物薄膜太陽電池の断面におけるTEM−EDX分析の結果である。 第3の実施の形態における化合物薄膜太陽電池の模式図である。 第3の実施の形態における他の化合物薄膜太陽電池の模式図である。
(第1の実施の形態:参考例
カルコパイライト構造(I族−III族−VI族)を有するCIGS化合物薄膜太陽電池ではバッファー層としてCdSを用いて、pn接合界面にバンドオフセットを形成することによりキャリアの再結合を低減し、高い変換効率を得ている。多くのCIGS型太陽電池では光吸収層のVI族元素としてSやSeが用いられ、光吸収層とバッファー層の格子定数が近いという特徴を有する。
一方、VI族元素にSやSeの代わりにTeを用いたカルコパイライト構造を有する光吸収層(Te系光吸収層)の検討はほとんどない。Te系光吸収層の格子定数はVI族元素にS,Seを用いたものに比べ大きい値を有する。従って、Te系のバッファー層として、Te系光吸収層に適した材料を選択する必要があるが、どのような材料が好ましいか知られていない。
そこで、Te系光吸収層とバッファー層の結晶構造と格子定数に着目し、閃亜鉛鉱型構造、ウルツ鉱構造或いは欠陥スピネル型構造のいずれかの結晶構造有し、Te系光吸収層とバッファー層の格子定数の差が小さいバッファー層を有する化合物薄膜太陽電池を発明した。
まず、図1に第1の実施の形態に係る化合物薄膜太陽電池100の一例の断面模式図を示す。化合物薄膜太陽電池100は基板111と、前記基板111上に設けられた裏面電極112と、前記裏面電極112上に設けられた光吸収層113と、前記光吸収層113上に設けられたバッファー層114と、前記バッファー層114上に設けられた半絶縁層115と、前記半絶縁層上に設けられた透明電極層116と、前記透明電極層116上に設けられた反射防止膜117と、前記裏面電極112上に設けられた取り出し電極118aと、前記透明電極層116上に設けられた取り出し電極118bと、を少なくとも備えている。
基板111としては、青板ガラスを用いることが望ましく、ステンレス、Ti又はCr等の金属板あるいはポリイミド等の樹脂を用いることもできる。
裏面電極112としては、MoやW等の金属膜を用いることができる。その中でも、Mo膜を用いることが望ましい。
光吸収層としては、Cuと、A元素(AはAl,In及びGaからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素)とTeを含みカルコパイライト型の結晶構造を持つ半導体薄膜である。Teの一部はO置換された半導体薄膜でもよい。
バッファー層114としては、p型である光吸収層113とpn接合界面を形成する化合物を用いる。具体的には、Cd,Zn,In及びGaからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素と、S,Se及びTeからからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素とを含む閃亜鉛鉱型構造、ウルツ鉱構造或いは欠陥スピネル型構造のいずれかの結晶構造を有する化合物を用いることができ、光吸収層113との格子整合を考慮すると、その中でも、閃亜鉛構造のバッファー層の格子定数a又はウルツ鉱構造或いは欠陥スピネル型構造を閃亜鉛鉱型構造に変換した時に変換したときの格子定数aが0.59nm以上0.62nm以下であることが好ましい。
n型化のために、添加剤としてB,Al,Ga,In及びClの少なくとも1つの元素を微量添加することもできる。添加する量は微量であるため、格子定数には影響しない。
pn接合界面は、光吸収層113とバッファー層114の接合部であってもよいし、Cd,Znが一部光吸収層113に拡散し、光吸収層113内部にpn接合界面を形成してもよい。
半絶縁層115はn型層として機能すると考えられるZnO等を用いることができる。
透明電極層116は太陽光を透過し、尚且つ導電性を有することが必要であり、例えば、アルミナ(Al)を2wt%含有したZnO:Al或いはジボランからのBをドーパントとしたZnO:Bを用いることができる。
太陽光を効率的に取り込むことができるため、反射防止膜117を設けることが望ましい。反射防止膜117としては、例えば、MgFを用いることができる。
取り出し電極118としては、例えば、Al、Ag或いはAuを用いることができる。さらに、透明電極層15との密着性を向上させるために、Ni或いはCrを堆積させた後、Al、Ag或いはAuを堆積させてもよい。
図1の化合物薄膜太陽電池100の製造方法としては、以下の方法を例として挙げる。
第1の実施の形態における化合物薄膜太陽電池の製造方法は基板上に裏面電極を製膜する工程と、前記裏面電極上に化合物半導体薄膜を含有する光吸収層を製膜する工程と、前記光吸収層上にバッファー層を製膜する工程と、前記バッファー層上に半絶縁層を製膜する工程と、前記半絶縁層上に透明電極層を製膜する工程と、前記裏面電極上及び前記透明電極層上に取り出し電極を製膜する工程と、前記透明電極層上に反射防止膜を製膜する工程とを備える。
なお、下記の製造方法は一例であり、適宜変更しても構わない。従って、工程の順序を変更してもよいし、複数の工程を併合してもよい。スパッタ法によって製膜した光吸収層を加熱処理する工程は光吸収層113のバンドギャップを調整する際に行うことが好ましい。
[基板に裏面電極を製膜する工程]
基板111上に、裏面電極112を製膜する。製膜方法としてはスパッタ法が挙げられる。
[裏面電極上に光吸収層を製膜する工程]
裏面電極112を堆積後、光吸収層113となる化合物半導体薄膜を堆積する。なお、裏面電極112には光吸収層113と取り出し電極118aを堆積するため、取り出し電極118aを堆積する部位を少なくとも除く裏面電極112上の一部に光吸収層113を堆積する。製膜方法としてはスパッタ法、真空蒸着法などの真空プロセスが挙げられる。スパッタ法においては、光吸収層のすべての構成元素をスパッタターゲットから供給する。供給元のターゲットは1つであってもよいし、複数のターゲットであってもよい。製膜した薄膜が化学量論組成、場合によっては、III族元素が若干過剰になるようにターゲットの構成元素の仕込み組成を調整しておくことが望ましく、不足の元素を他のターゲットから供給してもよい。
[光吸収層を加熱処理する工程]
製膜後、製膜室を真空引きし、超高真空雰囲気にてアニールを行う。スパッタ製膜直後の光吸収層113は、非晶質で粒径も非常に小さい。そこで、高温でのアニールを行うことにより、光吸収層113を結晶化することができる。その結晶平均粒径はアニール温度により異なる。アニール温度は例えば200℃以上500度以下である。
化合物半導体薄膜の結晶化は、製膜後のアニール以外にも、化合物半導体薄膜を製膜中にアニールしてもよい。加熱処理はアニールや赤外線レーザーなど、加熱手段は特に限定されない。
[光吸収層上にバッファー層を製膜する工程]
得られた光吸収層113の上にバッファー層114を堆積する。
バッファー層114の製膜方法としては、真空プロセスのスパッタ法、真空蒸着法或いは有機金属気相成長(MOCVD)法、液相プロセスの化学析出(CBD)法などが挙げられる。
[バッファー層上に半絶縁層を製膜する工程]
得られたバッファー層114の上に半絶縁層115を堆積する。
半絶縁層115の製膜方法としては、真空プロセスのスパッタ法、真空蒸着法或いは有機金属気相成長(MOCVD)法などが挙げられる。
[半絶縁層上に透明電極層を製膜する工程]
続いて、半絶縁層115上に、透明電極層116を堆積する。
製膜方法としては真空プロセスのスパッタ法、真空蒸着法或いは有機金属気相成長(MOCVD)法などが挙げられる。
[裏面電極上と透明電極層上に取り出し電極を製膜する工程]
取り出し電極118aを裏面電極112上の光吸収層113が製膜された部位を少なくとも除く部位に堆積する。
取り出し電極118bを透明電極層116上の反射防止膜117が製膜される部位を少なくとも除く部位に堆積する。
製膜方法としてはスパッタ法、真空蒸着法などが挙げられる。
取り出し電極の製膜は、1工程で行ってもよいし、それぞれ、別の工程として、任意の工程の後に行ってもよい。
[透明電極層上に反射防止膜を製膜する工程]
最後に透明電極層116上の取り出し電極118bが製膜された部位を少なくとも除く部位に反射防止膜117を堆積する。
製膜方法としてはスパッタ法、真空蒸着法などが挙げられる。
上記の工程を経て、図1の概念図に示した化合物薄膜太陽電池を作製する。
化合物薄膜太陽電池のモジュールを作製する場合、基板に裏面電極を製膜する工程の後、レーザーにより裏面電極を分断する工程、さらには光吸収層上にバッファー層を製膜する工程及びバッファー層上に透明電極層を製膜する工程の後、それぞれメカニカルスクライブにより試料を分割する工程を挟むことにより集積化が可能となる。
第1の実施の形態のバッファー層114の格子定数a(nm)は、光吸収層113の格子定数aとの不整合ができるだけ小さい、又は、不整合がないものを用いると高効率な太陽電池が得られるため好ましい。図2にS系、Se系及びTe系カルコパイライト型光吸収層(I族はCu)のバンドギャップと格子定数aの値を示す。CdSの格子定数aは約0.58nmであることから、バンドギャップ(eV)が1.0以上1.5以下のCIGS薄膜光吸収層とCdSとの格子不整合は最大約4%であり、Te系光吸収層においても、格子不整合がCIGSとCdSと同程度以下であれば、同等以上の変換効率向上にかかる効果があると期待される。そこで、第1の実施の形態にかかるバッファー層114の具体的な格子定数a(nm)としては、0.59以上0.62以下であることが好ましい。
閃亜鉛構造の格子定数a又はウルツ鉱構造或いは欠陥スピネル型構造を閃亜鉛鉱型構造に変換した時の格子定数aが0.59以上0.62以下でバッファー層として好ましい化合物は、Cd,Zn,InとGaからなる群から選ばれる1種以上の元素とTe,SeとSからなる群から選ばれる1種以上の元素を含む閃亜鉛鉱型構造、ウルツ鉱構造或いは欠陥スピネル型構造のいずれかの結晶構造を有する化合物である。閃亜鉛構造の格子定数a又はウルツ鉱構造或いは欠陥スピネル型構造を閃亜鉛鉱型構造に変換した時の格子定数a(nm)が0.59以上0.62以下の上記閃亜鉛鉱型構造、ウルツ鉱構造或いは欠陥スピネル型構造のいずれかの結晶構造を有する化合物はCdTe、CdSe、CdS、ZnTe、ZnSe、ZnS、InTe、InSe、In、GaTe、GaSeとGaから適宜、好適な組み合わせを選択すればよい。
閃亜鉛鉱型構造への変換した時の格子定数a(nm)をウルツ鉱構造の場合を例に説明する。ウルツ鉱構造は六方晶系であり、その格子定数をa’(nm)とすると、閃亜鉛鉱型構造への変換した時の格子定数a(nm)は、次式により与えることができる。
a(nm)=√2×a’ (nm)
同様に欠陥スピネル構造の場合にも閃亜鉛鉱型構造への変換した時の格子定数a(nm)を決めることができる。
n型化のために、添加剤としてB,Al,Ga,In及びClの少なくとも1つの元素を微量添加することもできる。添加する量は微量であるため、格子定数には影響しない。
なお、光吸収層113,Cu(Al1−a−bInGa)Teはそのバンドギャップが1.0以上1.5以下であると、変換効率が高いので好ましい。バンドギャップが1.0以上1.5以下となる、Cu(Al1−a−bInGa)Teのa,bは、次のバンドギャップから、下記の式を満たすものである。
CuAlTe:2.25eV、CuInTe:1.23eV、CuGaTe:0.96eV、
Eg(eV)=2.25(1−a−b)+1.23a+0.96b、1.0≦Eg(eV)≦1.5
0≦a≦1,0≦b≦1
また、光吸収層113はアニールすることで、その結晶粒径及びバンドギャップを調節することが可能である。従って、光吸収層113を加熱処理する場合は、光吸収層Cu(Al1−a−bInGa)Teのa及びbは上記の条件に限定されない。
また、Cu(Al1−a−bInGa)(Te1−ααも光吸収層113として用いることができる。
Teを一部酸素で置換することによりギャップ内に中間準位を形成することができる。計算結果から、Cu(Al1−a−bInGa)(Te1−ααの酸素置換量αは0.001以上0.0625以下であると、中間準位が形成され、高い変換効率が望まれる。酸素置換量は、少ない程、中間準位の状態密度は急峻になる。Al,InとGaの比率は、中間準位の形成と加熱処理の加熱条件をも考慮して、適宜好適な値を選択すればよい。光吸収層に中間準位を形成するための母相としてはワイドギャップ半導体が有効であり、それにより太陽光の異なる波長の光を効果的に取り込み、高い変換効率の化合物薄膜太陽電池を作製できる。よって、母相にはワイドギャップ半導体であるCuAlTeがより好ましく、Alを一部或いは全部In或いはGaで置換したものを用いてもよい。
光吸収層113の化合物薄膜半導体は製膜中又は製膜後に、加熱処理をすることによって結晶粒径(バンドギャップ)が調整される。加熱温度が高いほど化合物薄膜半導体の結晶粒径は成長する。
化合物半導体薄膜の平均結晶粒径を1nm以上100nm以下に調整すると、太陽光の吸収に適したバンドギャップとなることが好ましい。予め、ワイドギャップの化合物半導体を用いると、比較的低温での加熱処理で太陽光の吸収に適したバンドギャップに制御できる。
また、製膜後の加熱処理により結晶粒径を制御するため、平均結晶粒径が10nmを下回る範囲では、結晶性が低く適切なバンドギャップを形成しない可能性があるため、化合物半導体薄膜の平均結晶粒径が10nm以上100nm以下であることが好ましい。
光吸収層113の加熱処理としては超高真空雰囲気下でのアニールが好ましい。アニール温度は、基板温度で、200℃以上500℃以下であることが好ましい。アニール温度がこの範囲であると、バンドギャップが太陽電池の光吸収層113として好適な値となる結晶粒径となることが好ましい。
また、結晶成長はアニールの初期段階において進行し、徐々に定常状態に達するため、アニールの時間は10分以上120分以下であることが好ましい。
また、pn接合界面にバンドオフセットを形成することによりキャリアの再結合を低減することで、変換効率を向上させることができるため好ましい。変換効率向上の観点から、バンドオフセットは0.4eV以下であることが好ましく、0.1以上0.4eV以下がより好ましく、さらに0.1以上0.35eV以下であることが好ましい。
従って、バッファー層のバンドギャップは2.3より大きく2.7eV以下であることが好ましい。
バンドギャップが2.3より大きく2.7eV以下の上記閃亜鉛鉱型構造、ウルツ鉱構造或いは欠陥スピネル型構造のいずれかの結晶構造を有する化合物はCdTe、CdSe、CdS、ZnTe、ZnSe、ZnS、InTe、InSe、In、GaTe、GaSeとGaのバンドギャップから適宜、好適な組み合わせを選択すればよい。n型化のために、添加剤としてB,Al,Ga,In及びClの少なくとも1つの元素を微量添加することもできる。
図3に閃亜鉛構造、又はウルツ鉱構造を閃亜鉛鉱型構造に変換した時のCdTe、CdSe、CdS、ZnTe、ZnSeとZnSのバンドギャップと格子定数a(nm)の関係を示す。図3中に、格子定数a(nm)が0.59以上0.62以下を満たす範囲と、バンドギャップが2.3より大きく2.7eV以下の範囲をそれぞれ太線で囲っている。格子定数a(nm)及びバンドギャップの両方が第1の実施の形態において好適な範囲は、太線で囲まれた重複範囲である。
例えば、ZnTe、ZnSeとZnSの組み合わせで第1の実施の形態において好適なバッファー層となるものはZn(Te1−x)でxは0.8より大きく1以下の化合物、又は、Zn(TeSe1−y)でyは0.55より大きく1以下の化合物が挙げられる。
また、バッファー層にCdを用いた場合、相互拡散により、光吸収層のCuがバッファー層に拡散しやすい。したがって、CIGS型の太陽電池にCdを含むバッファー層を用いると、相互拡散によりバッファー層中にCuを含有する純粋ではないバッファー層が生じるため、純粋なバッファー層を一定厚さ得るためには、バッファー層を厚くする必要がある。一方、バッファー層にZnを用いた場合、Cdに比べて、Cuの相互拡散が少ないため、CIGS型の太陽電池において、純粋なバッファー層を一定厚さ得るためのバッファー層の厚さはCdを用いた場合のバッファー層に比べて薄くすることができる。
また、環境負荷の観点から、CdやSeを用いない化合物薄膜太陽電池がより好ましい。
さらに、バッファー層の格子定数a(nm)が光吸収層の格子定数a(nm)よりも大きい場合には、CuとZnの相互拡散によって、Cu(Al,In,Ga)Te光吸収層の格子定数が増大し、バッファー層の格子定数が縮小することから、もともと格子定数a(nm)の不整合があっても、相互拡散によって、これをほとんど又は完全に格子整合することができる。
なお、この相互拡散はバッファー層114を堆積する際の、熱等によって生じるため、相互拡散のための特別なプロセスは必要ではない。
バッファー層の構成元素は、集光イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)加工により、薄膜太陽電池の一部を切り出し、断面方向からのエネルギー分散型X線(EDX:Energy Dispersive X-ray)ライン分析を行うことで、相互拡散した界面を含めてのバッファー層の厚さ方向での組成分布を知ることができる。
また、バッファー層の格子定数a(nm)は、X線分析(XRD:X‐ray diffraction)による測定からピーク位置を同定することで算出することができる。バッファー層の結晶性にも因るが、バッファー層厚が薄い場合であっても、20nm程度以上の膜厚があれば、XRDによる測定から格子定数を算出することは可能である。ここで、バッファー層上部の透明電極層等をイオンミリングにより除去することで、XRDのピーク強度を向上させることができるため好ましい。得られるピーク強度が低い場合には、放射光を用いたXRD測定を行うことがより好ましい。
(第2の実施の形態)
化合物半導体太陽電池の光吸収層であるCIGS薄膜をMo裏面電極上に蒸着法により製膜すると、CIGS薄膜とMo裏面電極上にMoSeの界面中間層が形成される。界面中間層は蒸着するCu、In、Ga及びSeのフラックス量或いは堆積プロセス手順により、c軸がMo裏面電極表面に対して平行又は垂直となる。Mo裏面電極表面に対して結晶面が平行又は垂直な界面中間層は剥離し易い又は剥離の進展を阻止しにくい特徴を有するため、太陽電池の耐久性に影響を及ぼす恐れと、剥離に伴い変換効率が低下する恐れもある。ただし、CIGS光吸収層とMo裏面電極界面に形成される中間層はオーミック接触をもたらすことが知られている。
そこで、光吸収層と裏面電極界面に形成される中間層に着目し、剥離しにくく、太陽電池の変換効率低下を防ぐ、アモルファス又は多結晶の界面中間層を有する化合物薄膜太陽電池を発明した。
第2の実施の形態の界面中間層はMo裏面電極由来のMoと光吸収層由来のTeから構成された化合物(MoTe)である。裏面電極及び光吸収層はスパッタによって製膜されたものが好ましい。図4に示すように、裏面電極と光吸収層の界面にはMoTe中間層が形成されており、その結晶面はランダム配向していた。なお、図4のa,bは同一のTEM画像で、図4bには界面中間層の結晶面を一部白線で示している。界面中間層(MoTe)は剥離耐性を向上させるためにアモルファス又は多結晶であることが好ましい。アモルファス又は多結晶な界面中間層が形成されると、粒界が多数形成されることとなり、この多数の粒界が層の剥離を抑制する。
まず、図5に第2の実施の形態に係る化合物薄膜太陽電池200の一例の断面模式図を示す。化合物薄膜太陽電池200は基板211と、前記基板211上に設けられた裏面電極212と、前記裏面電極212上に設けられた光吸収層213と、前記光吸収層213上に設けられたバッファー層214と、前記バッファー層214上に設けられた半絶縁層215と、前記半絶縁層上に設けられた透明電極層216と、前記透明電極層216上に設けられた反射防止膜217と、前記裏面電極212上に設けられた取り出し電極218aと、前記透明電極層216上に設けられた取り出し電極218bと、を少なくとも備え、前記裏面電極212と前記光吸収層213の界面には界面中間層219が形成されている。
基板211としては、青板ガラスを用いることが望ましく、ステンレス、Ti又はCr等の金属板あるいはポリイミド等の樹脂を用いることもできる。
裏面電極212としては、MoやW等の金属膜を用いることができる。その中でも、Mo膜を用いることが望ましい。
光吸収層213としては、Cuと、A元素(AはAl,In及びGaからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素)とX元素(S、Se及びTeからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素)を含みカルコパイライト型の結晶構造を持つ化合物半導体薄膜である。Teの一部はOで置換されたものでもよい。
バッファー層214としては、p型である光吸収層213とpn接合界面を形成する化合物を用いる。具体的には、Cd,Zn,In及びGaからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素と、S,Se及びTeからからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素とを含む閃亜鉛鉱型構造、ウルツ鉱構造或いは欠陥スピネル型構造のいずれかの結晶構造を有する化合物を用いることが好ましい。n型化のために、添加剤としてB,Al,Ga,In及びClの少なくとも1つの元素を微量添加することもできる。
pn接合界面は、光吸収層213とバッファー層214の接合部であってもよいし、Cd,Znが一部光吸収層213に拡散し、光吸収層213内部にpn接合界面を形成してもよい。
半絶縁層215はn型層として機能すると考えられるZnO等を用いることができる。
透明電極層216は太陽光を透過し、尚且つ導電性を有することが必要であり、例えば、アルミナ(Al)を2wt%含有したZnO:Al或いはジボランからのBをドーパントとしたZnO:Bを用いることができる。
太陽光を効率的に取り込むことができるため、反射防止膜217を設けることが望ましい。反射防止膜217としては、例えば、MgFを用いることができる。
取り出し電極218としては、例えば、Al、Ag或いはAuを用いることができる。さらに、透明電極層15との密着性を向上させるために、Ni或いはCrを堆積させた後、Al、Ag或いはAuを堆積させてもよい。
界面中間層219は裏面電極212と光吸収層213の構成元素のTeを含有する化合物である。例えば、裏面電極がMoであればMoTeが界面中間層として形成される。
図5の化合物薄膜太陽電池200の製造方法としては、以下の方法を例として挙げる。
第2の実施の形態における化合物薄膜太陽電池の製造方法は基板上に裏面電極を製膜する工程と、裏面電極上に化合物半導体薄膜を含有する光吸収層を製膜する工程と、光吸収層上にバッファー層を製膜する工程と、バッファー層上に半絶縁層を製膜する工程と、半絶縁層上に透明電極層を製膜する工程と、裏面電極上及び透明電極層上に取り出し電極を製膜する工程と、透明電極層上に反射防止膜を製膜する工程と、裏面電極と光吸収層の界面に界面中間層を形成する工程と、を備える。
なお、下記の製造方法は一例であり、適宜変更しても構わない。従って、工程の順序を変更してもよいし、複数の工程を併合してもよい。
[基板に裏面電極を製膜する工程]
基板211上に、裏面電極212を製膜する。製膜方法としてはスパッタ法が挙げられる。
[裏面電極上に光吸収層を製膜する工程]
裏面電極212を堆積後、光吸収層213となる化合物半導体薄膜を堆積する。なお、裏面電極212には光吸収層214と取り出し電極218aを堆積するため、取り出し電極218aを堆積する部位を少なくとも除く裏面電極212上の一部に光吸収層213を堆積する。製膜方法としてはスパッタ法、真空蒸着法などの真空プロセスが挙げられる。その中でも、光吸収層213の耐剥離特性の観点から、アモルファスな光吸収層213が製膜されるスパッタ法が特に好ましい。スパッタ法においては、光吸収層213のすべての構成元素をスパッタターゲットから供給する。供給元のターゲットは1つであってもよいし、複数のターゲットであってもよい。製膜した薄膜が化学量論組成、場合によっては、III族元素が若干過剰になるようにターゲットの構成元素の仕込み組成を調整しておくことが望ましく、不足の元素を他のターゲットから供給してもよい。
なお、光吸収層213の粒成長を促進するために堆積速度及び成長温度を制御することが有効である。
[光吸収層を加熱処理する工程]
製膜後、製膜室を真空引きし、超高真空雰囲気にてアニールを行う。スパッタ製膜直後の光吸収層213は、非晶質で粒径も非常に小さい。そこで、高温でのアニールを行うことにより、光吸収層213を結晶化することができる。その結晶平均粒径はアニール温度により異なる。また、アニールによって、裏面電極212と光吸収層213の界面に界面中間層219が形成される。アニール温度は例えば200℃以上500度以下である。アニール後は例えば冷却率が1℃/min以下で室温まで冷却することが好ましい。
界面中間層219の形成及び化合物半導体薄膜の結晶化は、製膜後のアニール以外にも、化合物半導体薄膜を製膜中にアニールしてもよい。加熱処理はアニールや赤外線レーザーなど、加熱手段は特に限定されない。
[光吸収層上にバッファー層を製膜する工程]
得られた光吸収層213の上にバッファー層214を堆積する。
バッファー層214の製膜方法としては、真空プロセスのスパッタ法、真空蒸着法或いは有機金属気相成長(MOCVD)法、液相プロセスの化学析出(CBD)法などが挙げられる。
[バッファー層上に半絶縁層を製膜する工程]
得られたバッファー層214の上に半絶縁層215を堆積する。
半絶縁層215の製膜方法としては、真空プロセスのスパッタ法、真空蒸着法或いは有機金属気相成長(MOCVD)法などが挙げられる。
[半絶縁層上に透明電極層を製膜する工程]
続いて、半絶縁層215上に、透明電極層216を堆積する。
製膜方法としては真空プロセスのスパッタ法、真空蒸着法或いは有機金属気相成長(MOCVD)法などが挙げられる。
[裏面電極上と透明電極層上に取り出し電極を製膜する工程]
取り出し電極218aを裏面電極212上の光吸収層213が製膜された部位を少なくとも除く部位に堆積する。
取り出し電極218bを透明電極層216上の反射防止膜217が製膜される部位を少なくとも除く部位に堆積する。
製膜方法としてはスパッタ法、真空蒸着法などが挙げられる。
取り出し電極218の製膜は、1工程で行ってもよいし、それぞれ、別の工程として、任意の工程の後に行ってもよい。
[透明電極層上に反射防止膜を製膜する工程]
最後に透明電極層216上の取り出し電極218bが製膜された部位を少なくとも除く部位に反射防止膜217を堆積する。
製膜方法としてはスパッタ法、真空蒸着法などが挙げられる。
上記の工程を経て、図5の概念図に示した化合物薄膜太陽電池を作製する。
化合物薄膜太陽電池のモジュールを作製する場合、基板211に裏面電極212を製膜する工程の後、レーザーにより裏面電極212を分断する工程、さらには光吸収層213上にバッファー層214を製膜する工程及びバッファー層上に透明電極層216を製膜する工程の後、それぞれメカニカルスクライブにより試料を分割する工程を挟むことにより集積化が可能となる。
以下、第2の実施の形態における光吸収層213と界面中間層219について説明する。
まず、第2の実施の形態において用いる光吸収層213のうち、Cu(Al1−a−bInGa)Teについて説明する。
Cu(Al1−a−bInGa)Teはそのバンドギャップ(eV)が1.0以上1.5以下であると、変換効率が高いので好ましい。バンドギャップ(eV)が1.0以上1.5以下となる、Cu(Al1−a−bInGa)Teはa,bの値及び加熱処理の加熱条件を適宜好適な値を選択したものであればよい。
次に、Cu(Al1−a−bInGa)(Te1−ααについて説明する。
Teを一部酸素で置換することによりギャップ内に中間準位を形成することができる。計算結果から、Cu(Al1−a−bInGa)(Te1−ααの酸素置換量αは0.001以上0.2以下であると、中間準位が形成され、高い変換効率が望まれる。酸素置換量は、少ない程、中間準位の状態密度は急峻になる。Al,InとGaの比率は、中間電位の形成と加熱処理の加熱条件をも考慮して、適宜好適な値を選択すればよい。光吸収層に中間準位を形成するための母相としてはワイドギャップ半導体が有効であり、それにより太陽光の異なる波長の光を効果的に取り込み、高い変換効率の化合物薄膜太陽電池を作製できる。よって、母相にはワイドギャップ半導体であるCuAlTeがより好ましく、Alを一部或いは全部In或いはGaで置換したものを用いてもよい。
光吸収層213の化合物薄膜半導体は製膜中又は製膜後に、加熱処理をすることによって結晶粒径(バンドギャップ)が調整され、界面中間層219が形成される。加熱温度が高いほど化合物薄膜半導体の結晶粒径は成長する。
化合物半導体薄膜の平均結晶粒径を1nm以上100nm以下に調整すると、太陽光の吸収に適したバンドギャップとなることが好ましい。予め、ワイドギャップの化合物半導体を用いると、比較的低温での加熱処理で太陽光の吸収に適したバンドギャップに制御できる。
また、界面中間層219はその層の厚さが厚くなり過ぎると、裏面電極212が裏面電極として機能しにくくなる。界面中間層219の厚さが1μm以下となることが、裏面電極212の機能の観点から好ましい。界面中間層の厚さは、製膜後の加熱処理温度及び加熱時間により調整できる。高い加熱処理温度或いは長い加熱時間で界面中間層は厚くなる。
また、製膜後の加熱処理により光吸収層213の化合物薄膜の結晶粒径も変化する。平均結晶粒径が10nmを下回る範囲では、結晶性が低く適切なバンドギャップを形成しない可能性があるため、化合物半導体薄膜の平均結晶粒径が10nm以上100nm以下であることが好ましい。
光吸収層213の加熱処理としては超高真空雰囲気下でのアニールが好ましい。アニール温度は、基板温度で、200℃以上500℃以下であることが好ましい。アニール温度がこの範囲であると、バンドギャップが太陽電池の光吸収層213として好適な値となる結晶粒径となることが好ましい。
また、結晶成長はアニールの初期段階において進行し、徐々に定常状態に達するため、アニールの時間は10分以上120分以下であることが好ましい。
次に、界面中間層219とその結晶配向性について説明する。
第2の実施の形態における界面中間層219は、裏面電極212表面に対し、整列していない結晶格子面が好ましく、具体的には多結晶構造であると、耐剥離性に優れることが好ましい。このような界面中間層219は上記加熱処理によって形成される。第2の実施の形態にかかる化合物薄膜太陽電池の断面をTEM−EDX(過電子顕微鏡-エネルギー分散X線分光分析:Transmission Electron Microscope−Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)で分析した結果を図6に示す。なお、図6の化合物薄膜太陽電池は実施例4に示す条件で作製したものである。図6から、界面中間層219の形成と界面中間層219の元素組成を確認することができる。図6から明らかなように界面中間層219は裏面電極212由来のMoと光吸収層213由来のTeからなる化合物を含む層である。
界面中間層219の結晶構造はXRDの回折ピーク(ピーク強度:I)を基に判断できる。(hkl)面からのX線回折ピーク強度をIhklとした時、界面中間層219の結晶面は、具体的には、界面中間層219の結晶格子面(002)のピークが観測され、(110)のピークが観測されなければ、界面中間層219の結晶面は裏面電極212表面に平行であり、界面中間層219の結晶格子面(110)のピークが観測され、(002)のピークが観測されなければ、界面中間層219の結晶面は裏面電極212表面に垂直である。従って、界面中間層219の結晶格子面(110)と(002)両方のピークがあれば、界面中間層219は多結晶である。なお、ブロードなピークは結晶格子面のピークに含まない。また、界面中間層219がアモルファスであると、ピークがブロードになり、結晶格子面(110)と(002)のピークはどちらも観測されない。
以上のことから、第2の実施の形態における界面中間層は結晶格子面(110)と(002)のピーク強度比が5>I002/I110>0.2の範囲である時、多結晶となる。ピーク強度比がI002/I110>5の時には、裏面電極212表面に平行な界面中間層219の結晶面が多くなり、剥離耐性が低下しやすい。また、I002/I110<0.2の時には、裏面電極212表面に垂直な界面中間層219の結晶面が多くなり、剥離耐性が低下しやすい。
カルコパイライト型化合物半導体薄膜と青板ガラスは、熱膨張係数が近いことが知られているが、化合物薄膜太陽電池作製のために積層化するにあたり、本発明の界面中間層を形成することで、より剥離耐性を向上することができる。
(第3の実施の形態:参考例
化合物薄膜太陽電池の中でも特にCIGS太陽電池では結晶粒界が、キャリアの再結合中心になりにくいことが知られているが、さらなる変換効率の向上のために、光吸収層の大粒径化が求められている。蒸着法においては3段階法を用いて、(In,Ga)Seを堆積した後、CuとSeを供給することによる、光吸収層の大粒径化が知られている。しかしながら、3段階法による大粒径化は、工程数が多く、簡便なスパッタ法による光吸収層の製膜には適用しにくいという短所を有する。
そこで、光吸収層製膜後に加熱処理することに着目し、光吸収層の製膜前に、裏面電極上に光吸収層の粒成長を促進する結晶成長核又は結晶成長層を形成し、スパッタ法において簡便な方法で光吸収層の大粒径化を可能にした。
まず、図7に第3の実施の形態に係る化合物薄膜太陽電池300の断面模式図を示す。化合物薄膜太陽電池300は基板311と、前記基板311上に設けられた裏面電極312と、前記裏面電極312上に設けられた界面結晶層320と前記界面結晶層320上に設けられた光吸収層313と、前記光吸収層313上に設けられたバッファー層314と、前記バッファー層314上に設けられた半絶縁層315と、前記半絶縁層上に設けられた透明電極層316と、前記透明電極層316上に設けられた反射防止膜317と、前記裏面電極312上に設けられた取り出し電極318aと、前記透明電極層316上に設けられた取り出し電極318bと、を少なくとも備えている。
図8に第3の実施の形態に係る化合物薄膜太陽電池400の断面模式図を示す。化合物薄膜太陽電池400は化合物薄膜太陽電池300と比較すると界面結晶層320のかわりに界面結晶核421が設けられていること以外は、化合物薄膜太陽電池300と同じである。化合物薄膜太陽電池300と化合物薄膜太陽電池400は界面結晶層320と界面結晶核421のどちらが形成されている以外は同じである。従って、化合物薄膜太陽電池400の界面結晶核421以外は化合物薄膜太陽電池300と重複するため、以下、その重複する記載を省略する。
基板311としては、青板ガラスを用いることが望ましく、ステンレス、Ti又はCr等の金属板あるいはポリイミド等の樹脂を用いることもできる。
裏面電極312としては、MoやW等の金属膜を用いることができる。その中でも、Mo膜を用いることが望ましい。
裏面電極312,412と光吸収層313,413の界面に存在する結晶成長層320又は結晶成長核421には結晶相Cu1−c−dが形成されている。AはAl,In及びGaからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素であり、XはS,Se及びTeからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素である。
光吸収層313としては、Cuと、A元素(AはAl,In及びGaからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素)とX元素(XはS,Se及びTeからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素)を含みカルコパイライト型の結晶構造を持つ化合物半導体薄膜である。X元素の一部はOで置換されたものでもよい。
バッファー層314としては、p型である光吸収層313とpn接合界面を形成する化合物を用いる。具体的には、Cd,Zn,In及びGaからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素と、S,Se及びTeからからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素とを含む閃亜鉛鉱型構造、ウルツ鉱構造或いは欠陥スピネル型構造のいずれかの結晶構造を有する化合物を用いることが好ましい。n型化のために、添加剤としてB,Al,Ga,In及びClの少なくとも1つの元素を微量添加することもできる。
pn接合界面は、光吸収層313とバッファー層314の接合部であってもよいし、Cd,Znが一部光吸収層313に拡散し、光吸収層313内部にpn接合界面を形成してもよい。
半絶縁層315はn型層として機能すると考えられるZnO等を用いることができる。
透明電極層316は太陽光を透過し、尚且つ導電性を有することが必要であり、例えば、アルミナ(Al)を2wt%含有したZnO:Al或いはジボランからのBをドーパントとしたZnO:Bを用いることができる。
太陽光を効率的に取り込むことができるため、反射防止膜317を設けることが望ましい。反射防止膜317としては、例えば、MgFを用いることができる。
取り出し電極318としては、例えば、Al、Ag或いはAuを用いることができる。さらに、透明電極層15との密着性を向上させるために、Ni或いはCrを堆積させた後、Al、Ag或いはAuを堆積させてもよい。
図7及び8の化合物薄膜太陽電池300、400の製造方法としては、以下の方法を例として挙げる。
第3の実施の形態における化合物薄膜太陽電池の製造方法は基板上に裏面電極を製膜する工程と、裏面電極上に結晶成長層を製膜する工程又は結晶成長核形成する工程と、前記結晶成長層又は前記裏面電極及び前記結晶成長核上に化合物半導体薄膜を含有する光吸収層を製膜する工程と、前記光吸収層を加熱処理する工程と、光吸収層上にバッファー層を製膜する工程と、バッファー層上に半絶縁層を製膜する工程と、半絶縁層上に透明電極層を製膜する工程と、裏面電極上及び透明電極層上に取り出し電極を製膜する工程と、透明電極層上に反射防止膜を製膜する工程と、を備える。
なお、下記の製造方法は一例であり、適宜変更しても構わない。従って、工程の順序を変更してもよいし、複数の工程を併合してもよい。
[基板に裏面電極を製膜する工程]
基板311上に、裏面電極312を製膜する。製膜方法としてはスパッタ法が挙げられる。
[裏面電極上に結晶成長層を製膜又は結晶成長核を形成する工程]
裏面電極312を堆積後、結晶成長層320を製膜又は結晶成長核421を形成する。結晶成長層320又は結晶成長核421は、スパッタ法により堆積する。結晶成長層320又は結晶成長核421を堆積後、製膜室を真空引きし、超高真空雰囲気でアニールを行う。裏面電極312上の結晶成長層320の表面被覆率が100%ならば、結晶成長層320を形成し、100%未満ならば、裏面電極312上を原子が表面拡散及び核形成して結晶成長核421を形成する。アニール温度は例えば200℃以上500度以下である。化合物半導体薄膜の結晶化は、加熱処理はアニールや赤外線レーザーなど、加熱手段は特に限定されない。
[裏面電極上(結晶成長層、結晶成長核)に光吸収層を製膜する工程]
光吸収層313となる化合物半導体薄膜を堆積する。なお、結晶成長層320又は結晶成長核421が製膜又は形成された裏面電極312には光吸収層314と取り出し電極318aを堆積するため、取り出し電極318aを堆積する部位を少なくとも除く部位に光吸収層313を堆積する。製膜方法としては簡便なスパッタ法を採用する。スパッタ法においては、光吸収層のすべての構成元素をスパッタターゲットから供給する。供給元のターゲットは1つであってもよいし、複数のターゲットであってもよい。製膜した薄膜が化学量論組成、場合によっては、III族元素が若干過剰になるようにターゲットの構成元素の仕込み組成を調整しておくことが望ましく、不足の元素を他のターゲットから供給してもよい。
なお、光吸収層の粒成長を促進するために堆積速度及び成長温度を制御することが有効である。
[光吸収層を加熱処理する工程]
製膜後、製膜室を真空引きし、超高真空雰囲気にてアニールを行う。スパッタ製膜直後の光吸収層313は、非晶質で粒径も非常に小さい。そこで、高温でのアニールを行うことにより、光吸収層313を結晶化することができる。第3の実施の形態においては、結晶性成長層320又は結晶成長核421が裏面電極312、412上に形成されているため、加熱処理による結晶成長が促進される。その結晶平均粒径はアニール温度によって異なる。アニール温度は例えば200℃以上500度以下である。
化合物半導体薄膜の結晶化は、加熱処理はアニールや赤外線レーザーなど、加熱手段は特に限定されない。
[光吸収層上にバッファー層を製膜する工程]
得られた光吸収層313の上にバッファー層314を堆積する。
バッファー層314の製膜方法としては、真空プロセスのスパッタ法、真空蒸着法或いは有機金属気相成長(MOCVD)法、液相プロセスの化学析出(CBD)法などが挙げられる。
[バッファー層上に半絶縁層を製膜する工程]
得られたバッファー層314の上に半絶縁層315を堆積する。
半絶縁層315の製膜方法としては、真空プロセスのスパッタ法、真空蒸着法或いは有機金属気相成長(MOCVD)法などが挙げられる。
[半絶縁層上に透明電極層を製膜する工程]
続いて、半絶縁層315上に、透明電極層316を堆積する。
製膜方法としては真空プロセスのスパッタ法、真空蒸着法或いは有機金属気相成長(MOCVD)法などが挙げられる。
[裏面電極上と透明電極層上に取り出し電極を製膜する工程]
取り出し電極318aを裏面電極312上の光吸収層313が製膜された部位を少なくとも除く部位に堆積する。
取り出し電極318bを透明電極層316上の反射防止膜317が製膜される部位を少なくとも除く部位に堆積する。
製膜方法としてはスパッタ法、真空蒸着法などが挙げられる。
取り出し電極318の製膜は、1工程で行ってもよいし、それぞれ、別の工程として、任意の工程の後に行ってもよい。
[透明電極層上に反射防止膜を製膜する工程]
最後に透明電極層316上の取り出し電極318bが製膜された部位を少なくとも除く部位に反射防止膜317を堆積する。
製膜方法としてはスパッタ法、真空蒸着法などが挙げられる。
上記の工程を経て、図7,8の概念図に示した化合物薄膜太陽電池を作製する。
化合物薄膜太陽電池のモジュールを作製する場合、基板311に裏面電極312を製膜する工程の後、レーザーにより裏面電極312を分断する工程、さらには光吸収層313上にバッファー層314を製膜する工程及びバッファー層314上に透明電極層315を製膜する工程の後、それぞれメカニカルスクライブにより試料を分割する工程を挟むことにより集積化が可能となる。
以下、第3の実施の形態における光吸収層313,413の結晶成長層320と結晶成長核421について説明する。
まず、第3の実施の形態において用いる結晶成長層320と結晶成長核421について説明する。
結晶成長層320と結晶成長核421は光吸収層313,413の結晶を成長させる核であり、結晶成長層320と結晶成長核421には結晶相Cu1−c−dが含まれる。結晶相のA元素は、光吸収層313,413に用いられているAl,InとGaの中から選ばれる少なくとも1種の元素であると結晶成長の観点から好ましく、さらに、同一であるとより好ましい。結晶相のX元素は、光吸収層313,413に用いられているS,SeとTeの中から選ばれる少なくとも1種の元素であると結晶成長の観点から好ましく、さらに、同一であるとより好ましい。c+dは0.9以上1以下が好ましい。光吸収層313,413の結晶を成長させる核はA元素及びX元素が主成分であることが好ましい。具体的にはcが0以上0.1以下であり、dが0.1以上が好ましい。多元蒸着法(3段階法)の製膜プロセスからも分かるように、上記A−Xで構成される化合物を結晶核とすることにより、そこにCuが拡散すると、結晶核表面に形成されるCu−X液相を介して大粒径化が促進される。
結晶成長層の厚さは1nm以上、10nm以下であることが、光吸収層の結晶成長の観点から好ましい。また、結晶成長核421の裏面電極上での平均粒径が10nm以下であること、光吸収層413を堆積する裏面電極上の部位(光吸収層に相当する面積)の0.1%以上を結晶成長核421が被覆していることが好ましい。結晶成長核421の被覆率は、断面SEM観察で得られた結晶断面長さの合計の2乗とする。同じ被覆率であるなら、結晶成長核421はより細かい粒子で、粒子数が多く、より均一に分散していることが好ましい。結晶成長核421の粒子が細かく均一に分散していると、裏面電極表面上の数多くの位置から結晶成長が促進されるため好ましい。
次に、第3の実施の形態において用いる光吸収層313のうち、Cu(Al1−a−bInGa)Teについて説明する。
Cu(Al1−a−bInGa)Teはそのバンドギャップ(eV)が1.0以上1.5以下であると、変換効率が高いので好ましい。バンドギャップ(eV)が1.0以上1.5以下となる、Cu(Al1−a−bInGa)Teはa,bの値及び加熱処理の加熱条件を適宜好適な値を選択したものであればよい。
次に、Cu(Al1−a−bInGa)(Te1−ααをについて説明する。
Teを一部酸素で置換することによりギャップ内に中間準位を形成することができる。計算結果から、Cu(Al1−a−bInGa)(Te1−ααの酸素置換量αは0.001以上0.2以下であると、中間準位が形成され、高い変換効率が望まれる。酸素置換量は、少ない程、中間準位の状態密度は急峻になる。Al,InとGaの比率は、中間電位の形成と加熱処理の加熱条件をも考慮して、適宜好適な値を選択すればよい。光吸収層に中間準位を形成するための母相としてはワイドギャップ半導体が有効であり、それにより太陽光の異なる波長の光を効果的に取り込み、高い変換効率の化合物薄膜太陽電池を作製できる。よって、母相にはワイドギャップ半導体であるCuAlTeがより好ましく、Alを一部或いは全部In或いはGaで置換したものを用いてもよい。
光吸収層313の化合物薄膜半導体は製膜後に、加熱処理をすることによって結晶粒径(バンドギャップ)が調整される。加熱温度が高いほど化合物薄膜半導体の結晶粒径は成長する。第3の実施の形態では結晶成長層320又は結晶成長核421が裏面電極312、421と光吸収層313,413の間に形成されているため、結晶成長が促進される。
第3の実施の形態では、光吸収層を加熱処理した際の、結晶成長が促進されるため、結晶成長層又は結晶成長核が無い形態に比べ、低温プロセスで同等に結晶を成長させることができる。
また、カルコパイライト型化合物半導体薄膜と青板ガラスは、熱膨張係数が近いことが知られているが、本発明の結晶成長核は、光吸収層を堆積する前のアンカーとしても機能する可能性があり、まず結晶成長核を堆積することで、剥離耐性を向上させることができる。
参考例1)
基板として青板ガラス基板を用い、スパッタ法により裏面電極となるMo薄膜を700nm程度堆積する。スパッタは、Moをターゲットとし、Arガス雰囲気中でRF200W印加することにより行う。
裏面電極となるMo薄膜堆積後、光吸収層となるCu(Al1−a−bInGa)Te薄膜を同じくRFスパッタにより2μm程度堆積する。a及びbは0より大きく1より小さい数値である。製膜はArガス雰囲気中でRF200W印加することにより行う。製膜後、製膜室を真空引きし、超高真空雰囲気500℃にてアニールを行う。スパッタ製膜直後のCu((Al1−a−bInGa)Te薄膜は、非晶質で粒径も非常に小さい。そこで、高温でのアニールを行うことにより、Cu(Al1−a−bInGa)Te薄膜は結晶化し、大粒径化する。その時のCu(Al1−a−bInGa)Te薄膜の格子定数aは0.59nmから0.62nmの範囲にあり、光吸収層として好適なバンドギャップ値である1.0eVから1.5eVに調整する。
得られた光吸収層の上にバッファー層としてZnTe薄膜を真空蒸着法により50nm程度堆積する。ZnTe薄膜の製膜は真空蒸着法の他、溶液成長法或いはスパッタ法を用いることもできる。スパッタ法を用いる場合は、界面でのプラズマダメージを考慮して、低出力で行う。また、ZnTe薄膜は、通常の製膜では、p型半導体となるが、低真空での製膜で、Znの欠損が補償されn型半導体となる。また、n型化のために、添加剤としてB,Al,Ga,In及びClの少なくとも1つの元素を微量添加することもできる。
このバッファー層上に半絶縁層として、ZnO薄膜を堆積し、続いて、透明電極層となるアルミナ(Al)を2wt%含有するZnO:Alを1μm程度堆積する。ZnO:Alの他にZnO:Bを用いることもできる。取り出し電極として、Al、或いはNiCr及びAuを蒸着法にて堆積する。膜厚は300nm程度となるように堆積する。最後に反射防止膜としてMgFをスパッタ法により堆積することにより、化合物薄膜太陽電池を作製する。
参考例2)
バッファー層となるZn(Te1−x)を真空蒸着法によって製膜すること以外は参考例1と同じ方法で化合物薄膜太陽電池を製造する。Zn(Te1−x)の製膜は真空蒸着法の他、溶液成長法或いはスパッタ法を用いることもできる。xは0.8より大きく1より小さい数値である。また、Zn(Te1−x)薄膜は、上記のxの範囲では、p型半導体となるが、低真空での製膜で、Znの欠損が補償されn型半導体となる。また、n型化のために、添加剤としてB,Al,Ga,In及びClの少なくとも1つの元素を微量添加することもできる。
バッファー層としてZn(Te1−x)を用いた場合も、光吸収層となるTe系カルコパイライト型化合物半導体薄膜との格子整合がよく、格子欠陥を抑制でき、高効率の化合物薄膜太陽電池が得られる。
参考例3)
バッファー層となるZn(TeSe1−y)を真空蒸着法によって製膜すること以外は参考例1と同じ方法で化合物薄膜太陽電池を製造する。Zn(TeSe1−y)の製膜は真空蒸着法の他、溶液成長法或いはスパッタ法を用いることもできる。yは0.55より大きく1より小さい数値である。また、Zn(TeSe1−y)薄膜は、上記のyの範囲では、p型半導体となるが、低真空での製膜で、Znの欠損が補償されn型半導体となる。また、n型化のために、添加剤としてB,Al,Ga,In及びClの少なくとも1つの元素を微量添加することもできる。
バッファー層としてZn(TeSe1−y)を用いた場合も、光吸収層となるTe系カルコパイライト型化合物半導体薄膜との格子整合がよく、格子欠陥を抑制でき、高効率の化合物薄膜太陽電池が得られる。
(比較例1)
バッファー層となるCdSを溶液成長法によって製膜すること以外は参考例1と同じ方法で化合物薄膜太陽電池を製造する。
バッファー層として用いたCdSは、光吸収層となるTe系カルコパイライト型化合物半導体薄膜との格子不整合が大きく、pn接合界面での格子欠陥が多く発生し、化合物薄膜太陽電池の変換効率が低下する。
(実施例
基板として青板ガラス基板を用い、スパッタ法により裏面電極となるMo薄膜を700nm程度堆積する。スパッタは、Moをターゲットとし、Arガス雰囲気中でRF200W印加することにより行う。
裏面電極となるMo薄膜堆積後、光吸収層となるCu(Al1−a−bInGa)Te薄膜を同じくRFスパッタにより2μm程度堆積する。a及びbは0より大きく1より小さい数値である。製膜はArガス雰囲気中でRF200W印加することにより行う。製膜後、製膜室を真空引きし、超高真空雰囲気500℃にてアニールを行う。スパッタ製膜直後のCu(Al1−a−bInGa)Te薄膜は、非晶質で粒径も非常に小さく、光吸収層と裏面電極界面にはMo−Te中間層は存在しない。そこで、高温でのアニールを行うことにより、Cu(Al1−a−bInGa)Te薄膜は結晶化し、大粒径化するとともに光吸収層と裏面電極界面にMo−Te中間層を形成する。ここで、Mo−Te中間層中の結晶はランダムに配向し、剥離耐性が向上する。
得られた光吸収層の上にバッファー層としてMgを添加したZnO薄膜を50nm程度堆積した。製膜はRFスパッタを用いたが、界面でのプラズマダメージを考慮して、50Wの出力で行うことが好ましい。また、バッファー層には、Te系カルコパイライト型化合物半導体膜との格子不整合は大きいがCdSを用いることもできる。このバッファー層上に半絶縁層として、ZnO薄膜を堆積し、続いて、透明電極層となるアルミナ(Al)を2wt%含有するZnO:Alを1μm程度堆積する。ZnO:Alの他にZnO:Bを用いることもできる。取り出し電極として、Al、或いはNiCr及びAuを蒸着法にて堆積する。膜厚は300nm程度となるように堆積する。最後に反射防止膜としてMgFをスパッタ法により堆積することにより、化合物薄膜太陽電池を作製する。
(実施例
光吸収層となるCu(Al1−a−bInGa)SeをRFスパッタによって製膜すること以外は実施例と同じ方法で化合物薄膜太陽電池を製造する。
a及びbは0より大きく1より小さい数値である。
光吸収層としてCu(Al1−a−bInGa)Seを用いた場合は、光吸収層と裏面電極界面にランダム配向したMo−Se中間層が形成し、剥離耐性が向上する。
(実施例
光吸収層となるCu(Al1−a−bInGa)SをRFスパッタによって製膜すること以外は実施例と同じ方法で化合物薄膜太陽電池を製造する。
a及びbは0より大きく1より小さい数値である。
光吸収層としてCu(Al1−a−bInGa)Sを用いた場合は、光吸収層と裏面電極界面にランダム配向したMo−Se中間層が形成し、剥離耐性が向上する。
(比較例2−4)
光吸収層の製膜に真空蒸着法を用いること以外は実施例1〜3と同じ方法で化合物薄膜太陽電池を製造する。
真空蒸着法を用いた場合は、光吸収層と裏面電極界面に形成される中間層の結晶面が薄膜表面と平行となり、界面での剥離が危惧される。
実施例1〜3及び比較例5では光吸収層の結晶成長を促進する結晶層のA元素及びX元素は光吸収層に含有されている対応するAまたはX元素を少なくとも含有する。
参考例4
基板として青板ガラス基板を用い、スパッタ法により裏面電極となるMo薄膜を700nm程度堆積する。スパッタは、Moをターゲットとし、Arガス雰囲気中でRF200W印加することにより行う。
裏面電極となるMo薄膜堆積後、CuTe1−c−d(ただし、AはAl、In及びGaからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素)(c≦0.1、d≦0.1又はc+d≧0.9)をRFスパッタにより、被覆率が0.1%以上となる量だけ堆積し、基板温度500℃程度、超真空中で加熱処理を行うことで、CuTe1−c−dの結晶相が形成される。その後、光吸収層となるCu(Al1−a−bInGa)Te薄膜を同じくRFスパッタにより2μm程度堆積する。x及びyは0より大きく1より小さい数値である。製膜はArガス雰囲気中でRF200W印加することにより行う。製膜後、製膜室を真空引きし、超高真空雰囲気500℃にてアニールを行う。スパッタ製膜直後のCu(Al1−a−bInGa)Te薄膜は、非晶質で粒径も非常に小さいが、高温でのアニールを行うことにより、Cu(Al1−a−bInGa)Te薄膜はCuTe1−c−d結晶相を結晶核として、大粒径化する。
得られた光吸収層の上にバッファー層としてMgを添加したZnO薄膜を50nm程度堆積した。製膜はRFスパッタを用いたが、界面でのプラズマダメージを考慮して、50Wの出力で行うことが好ましい。また、バッファー層には、Te系カルコパイライト型化合物半導体膜との格子不整合は比較的大きいがCdSを用いることもできる。このバッファー層上に半絶縁層として、ZnO薄膜を堆積し、続いて、透明電極層となるアルミナ(Al)を2wt%含有するZnO:Alを1μm程度堆積する。ZnO:Alの他にZnO:Bを用いることもできる。取り出し電極として、Al、或いはNiCr及びAuを蒸着法にて堆積する。膜厚は300nm程度となるように堆積する。最後に反射防止膜としてMgFをスパッタ法により堆積することにより、化合物薄膜太陽電池を作製する。
参考例5
光吸収層を堆積する前の結晶成長核となる化合物としてCuSe1−c−d(ただし、AはAl、In及びGaからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素、c≦0.1、d≦0.1又はc+d≧0.9)をRFスパッタによって製膜すること以外は参考例4と同じ方法で化合物薄膜太陽電池を製造する。
光吸収層を堆積する前にCuSe1−c−dを堆積及びアニールした場合は、CuSe1−c−dを結晶成長核として大粒径化が促進され、高効率の化合物薄膜太陽電池が得られる。
参考例6
光吸収層を堆積する前の結晶成長核となる化合物としてCu1−c−d(ただし、AはAl、In及びGaからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素、y≦0.1、z≦0.1又はy+z≧0.9)をRFスパッタによって製膜すること以外は参考例4と同じ方法で化合物薄膜太陽電池を製造する。
光吸収層を堆積する前にCu1−c−dを堆積及びアニールした場合は、Cu1−c−dを結晶成長核として大粒径化が促進され、高効率の化合物薄膜太陽電池が得られる。
参考例7
光吸収層を堆積する前の結晶成長核となる化合物としてATe1−c(ただし、AはAl、In及びGaからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素、c≦0.1)をRFスパッタによって製膜すること以外は参考例4と同じ方法で化合物薄膜太陽電池を製造する。
光吸収層を堆積する前にATe1−cを堆積及びアニールした場合は、ATe1−cを結晶成長核として大粒径化が促進され、高効率の化合物薄膜太陽電池が得られる。
参考例8
光吸収層を堆積する前の結晶成長核となる化合物としてASe1−c(ただし、AはAl、In及びGaからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素、c≦0.1)をRFスパッタによって製膜すること以外は参考例4と同じ方法で化合物薄膜太陽電池を製造する。
光吸収層を堆積する前にASe1−cを堆積及びアニールした場合は、ASe1−cを結晶成長核として大粒径化が促進され、高効率の化合物薄膜太陽電池が得られる。
参考例9
光吸収層を堆積する前の結晶成長核となる化合物としてA1−c(ただし、AはAl、In及びGaからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素、c≦0.1)をRFスパッタによって製膜すること以外は参考例4と同じ方法で化合物薄膜太陽電池を製造する。
光吸収層を堆積する前にA1−cを堆積及びアニールした場合は、A1−cを結晶成長核として大粒径化が促進され、高効率の化合物薄膜太陽電池が得られる。
(比較例5)
光吸収層を堆積する前の結晶成長核となる化合物を堆積しないこと以外は参考例4と同じ方法で化合物薄膜太陽電池を製造する。
結晶核を用いない場合、光吸収層の結晶成長が促進されないため、大粒径化せずに、化合物薄膜太陽電池の高効率化を阻害する。

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

Claims (4)

  1. Cuと、A元素(AはAl,In及びGaからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素)とX元素(XはS,Se及びTeからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素)を含みカルコパイライト型の結晶構造を持つ半導体薄膜を光吸収層として備え、
    裏面電極と前記光吸収層の界面に界面中間層が形成され、
    前記界面中間層に含有されている化合物が前記裏面電極の構成元素と前記光吸収層のX元素を含み、
    (hkl)面からのX線回折ピーク強度をIhklとした時、前記裏面電極の構成元素と前記光吸収層のX元素を含む化合物のX線回折ピーク強度比が5>I002/I110>0.2であり、
    前記裏面電極の構成元素と前記光吸収層のX元素を含む化合物は、ランダムに配向した多結晶であり、
    前記裏面電極の構成元素はMoであることを特徴とする化合物薄膜太陽電池。
  2. 前記光吸収層は、カルコパイライト型の結晶構造をもつCu(Al1−a−bInGa)(Te1−ααの化合物半導体膜を含み、
    前記化合物半導体膜バンドギャップは1.0以上1.5eV以下であることを特徴とする請求項1に記載の化合物薄膜太陽電池。
  3. 前記界面中間層に含有されている化合物は、前記裏面電極の構成元素と前記光吸収層のX元素を含み、前記界面中間層の厚さは1μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の化合物薄膜太陽電池。
  4. 裏面電極上に化合物半導体薄膜を含有する光吸収層を製膜する工程と、
    前記裏面電極と光吸収層の界面に界面中間層を形成する工程とを少なくとも備え、
    前記光吸収層が、Cuと、A元素(AはAl,In及びGaからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素)とX元素(XはS,Se及びTeからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素)を含みカルコパイライト型の結晶構造を持つ半導体薄膜であり、
    前記光吸収層を製膜する工程において、前記光吸収層を製膜する方法はスパッタ法であり、
    前記界面中間層を形成する工程において、加熱処理することにより(hkl)面からのX線回折ピーク強度をIhklとした時、前記裏面電極の構成元素と前記光吸収層のX元素を含む化合物のX線回折ピーク強度比が5>I002/I110>0.2であり、かつ、前記裏面電極の構成元素と前記X元素を含む化合物は、ランダムに配向した多結晶である前記界面中間層を形成し
    前記裏面電極の構成元素はMoであることを特徴とする化合物薄膜太陽電池の製造方法。
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