JP5832507B2 - 交流発電機 - Google Patents
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Description
その結果、ファン先端側に空間を設け、ファンの出口側の圧力損失を低減させても、ファンよりも上流側の風路の圧力損失がある程度の大きさがある場合、冷却空気の風量の増加量が低下するなどの問題があった。
図1は、この発明の実施の形態1に係る車両用の交流発電機を示す断面図である。また図2は、この発明の実施の形態1に係る車両用の交流発電機における保護カバー未装着状態を示すリヤ側端面図である。
以下、図面を参照しながら、実施の形態1における交流発電機の構成と動作について詳細に説明する。図1及び図2において、車両用の交流発電機1は、それぞれ椀形状のアルミニウム製のフロントブラケット2とリヤブラケット3とからなるケーシング4を備えている。
さらにまた、交流発電機1は、回転子8の軸方向6aの両端面に固定されたファン11と、回転子8を囲繞するようにケーシング4に固定された固定子12と、ケーシング4のリヤ側に延出するシャフト6の延出部に固定され、回転子8に電流を供給する一対のスリップリング15と、各スリップリング15の表面に摺動する一対のブラシ16と、これらのブラシ16を収容するブラシホルダ17とを備えている。
また、固定子12は、円筒状の固定子鉄心13と、固定子鉄心13に巻装され回転子8の回転に伴い界磁巻線9からの磁束の変化で交流が生じる固定子巻線14とを備えている。さらに固定子12は、固定子鉄心13をフロントブラケット2およびリヤブラケット3の開口端に軸方向両側から挟持されて回転子8を取り囲むように配設されている。
そして、正極側整流素子30と負極側整流素子32とがサーキットボード33にインサート成形されている電気導体を介して所定のブリッジ回路を構成するように接続される。
一方、エンジンの回転トルクがエンジンの出力軸からベルトおよびプーリ7を介してシャフト6に伝達され、回転子8が回転される。そこで、回転磁界が固定子12の固定子巻線14に与えられ、起電力が固定子巻線14に発生する。この起電力で発生する交流電流が整流装置28で整流されて、バッテリを充電し、あるいは電気負荷に供給される。
リヤ側では、冷却空気が保護カバー50に設けられた複数の吸気口53から保護カバー50内に吸気され、正極側ヒートシンク29および負極側ヒートシンク31に設けられた放熱フィンの間を通ってリヤブラケット3まで流れる。次に、冷却空気は、リヤ側吸気口3aからリヤブラケット3内に吸気され、軸方向に回転子8近傍まで流れる。そして、冷却空気は、回転子8近傍においてファン11により遠心方向に曲げられ、リヤ側排気口3bから排出される。
また一部の固定子12の熱は、フロントブラケット2およびリヤブラケット3に伝導し、フロント側排気口2bの複数のフロント側リブ51、およびリヤ側リブ52から冷却空気に放熱され、固定子12が冷却される。また、正極側整流素子30および負極側整流素子32は、正極側ヒートシンク29および負極側ヒートシンク31に設けられた放熱フィン間を流通する冷却空気によって冷却される。
隙間60の漏れ流れの量を低減させるため、リヤブラケット3とファン11の先端部11aを平行に対面させ、隙間60を極力小さくなるようにしている。このようにすると、漏れ流れの量を低減できることはあるが、回転するファン11の翼面には圧力が高い側と低い側が形成されており、それらの圧力がリヤブラケット3側に伝播し、リヤブラケット3の表面で圧力の変動が生じ、大きな騒音を発生してしまうという問題がある。
図3はこの発明の実施の形態1に係る車両用の交流発電機におけるファンの斜視図である。図3において、ファン11は、ファン本体83とファン本体に設けられた複数の翼(羽根)84を備えている。複数の翼84は、それぞれファン本体83の内周80から外周82の間において、翼の高さが最も高い部分81を有している。また、翼の高さが最も高い部分81から外周82までの翼は、同一の高さを有している。
リヤブラケットのファン11側の端部70は、シャフト6の軸方向6aと平行であり、ファン11に最も近接している。突起は、端部70から半径方向6bに向かって、ファン11から離れるように傾斜している。以上のような構成により、ファンの先端部11aとリヤブラケット3が対向する面のリヤブラケット3の吸気口3aの外周に隣接する位置に、断面形状が直角三角形の突起が形成される。
これによりリード14aやコイルエンド12aによって閉塞されていた冷却空気の風路の面積を拡大できるため、圧力損失が低減し、ファン11によって発生する風量が増加し、正極側整流素子30や負極側整流素子32などの温度を低減することができる。
また、フロントブラケット2の吸気口2aの外周の直径は、ファン11の外周の直径より小さく形成されている。吸気口2aの外周の半径方向6bの位置におけるファン11の翼の高さは、最も翼の高い部分を有している。
これによりコイルエンド12aによって閉塞されていた冷却空気の風路の面積を拡大できるため、圧力損失が低減し、ファン11によって発生する風量が増加し、軸受5や固定子12などの温度を低減することができる。
それにより、コイルエンド12の先端が軸方向6a方向に伸びファン先端11cと同等の位置にある場合や、吸気口2aに複数のリブがあり吸気口2aの面積が縮小した場合でも、ファン11によって圧力上昇をさせることができ、軸受5や固定子12などの温度を低減することができる。
図5は、実施の形態2における交流発電機を示す要部断面図である。図5において、実施の形態1と同じ符号については、実施の形態1と同一であるので説明を省略する。また、矢印は吸気口3aから排気口3bまでの空気の流れを示す。
リヤ側において、正極側整流素子30や負極側整流素子32の冷却のためのヒートシンクの圧力損失が大きい場合、ファンで発生させる圧力が大きくなり、ファンの中心付近と出口付近の圧力差が大きくなる。その圧力差が大きくなると、隙間60付近のリヤブラケット3の排出口3b側から吸気口3aに向かう漏れ流れが増加し、冷却空気の風量が低減することがある。
また、吸気口3aの外周の半径方向6bの位置におけるファン11の翼高さは、最も翼の高い部分を有している。リヤブラケット3の吸気口3aの外周側面は、シャフト6の軸方向6aと平行である。よって吸気口3aの外周面におけるファン11側の端部70はファン11に最も近接している。端部70から半径方向6bに向かっては、ファン11の先端11aと平行な部分と、ファン11から離れるように傾斜している部分とを有している。以上のような構成により、断面形状が台形の突起が吸気口3aに隣接するようにリヤブラケット3の外周上に形成される。
隙間60の最も小さくなる範囲が実施の形態1よりも半径方向6bに拡大することで、ファン11の出口の圧力の高い領域から、リヤブラケット3の吸い込み口3a圧力の低い領域に向かって、隙間60を通って逆流する流れに対して抵抗を増加し、逆流する流量を抑制できる。
その結果、冷却空気の風量が増加し、正極側整流素子30や負極側整流素子32などの温度を低減できる。
これによりリード14aやコイルエンド12aによって閉塞されていた冷却空気の風路の面積を拡大できるため、圧力損失が低減される。そして、ファン11によって発生する風量が増加し、正極側整流素子30や負極側整流素子32などの温度を低減することができる。
それにより正極側整流素子30や負極側整流素子32の冷却のためのヒートシンクの圧力損失が大きい場合でも、ファン11によって圧力上昇をさせることができ、正極側整流素子30や負極側整流素子32などの温度を低減することができる。
図6は、この発明の実施の形態3における交流発電機を示す要部断面図である。実施の形態1と同じ符号については、実施の形態1と同一であるので説明を省略する。また、矢印は吸気口2aから排気口2bまでの空気の流れを示す。
実施の形態2では、リヤ側に高い圧力が必要な場合について説明した。一方、フロント側では、吸気口2aや排気口2bの強度を高めるため及び放熱のために、フィン(図示せず)が設けられている。フロント側では、フィンの本数や長さが小さいときはリヤ側ほど圧力を必要としない。以下、図6を用いてフロント側の冷却空気を増加させる構成について説明する。
以上のような構成により、ファン11側におけるフロントブラケット2の吸気口2aに隣接するフロントブラケット2の外周上に、断面形状が台形の突起が形成される。
2b フロント側排気口、2c フロント側吸気口端部、3 リヤブラケット、
3a リヤ側吸気口、3b リヤ側排気口、3c リヤ側吸気口端部、4 ケーシング、
5 軸受、6 シャフト、7 プーリ、8 回転子、9 界磁巻線、10 ポールコア、
11 ファン、11a ファンの先端部、11b ファンの底面部、12 固定子、
12a コイルエンド、13 固定子鉄心、14 固定子巻線、14a リード、
15 スリップリング、16 ブラシ、17 ブラシホルダ、22 電圧調整器、
24 コネクタ、28 整流装置、29 正極側ヒートシンク、30 正極側整流素子、
31 負極側ヒートシンク、32 負極側整流素子、33 サーキットボード、
50 保護カバー、51 フロント側リブ、52 リヤ側リブ、
53 保護カバーの吸気口、60 隙間、80 ファンの内周、
81 翼の高さが最も高い部分、82 ファンの外周、83 ファン本体、
84 翼(羽根)、85 通気口の外周の直径。
Claims (10)
- 外周に排気口を、軸方向の端部に吸気口を有するケーシング、
前記ケーシング内に配置された固定子、
前記固定子内に軸により回転自在に支持された回転子、
前記ケーシング内の前記吸気口に対向して配置されており、前記回転子と一体に回転される遠心ファンとを備え、
前記遠心ファンにより前記吸気口から吸引された空気が、前記ケーシング内を流通した状態で前記排気口から排気されており、
前記遠心ファンの先端部と前記ケーシングが対向する面であって、前記ケーシングの前記吸気口の外周に隣接する位置に空気の流通側に突出した状態で形成された突起、を備えたことを特徴とする交流発電機。 - 前記突起の前記遠心ファン側の端部は、前記回転子の前記軸方向と平行でかつ前記遠心ファンに近接しており、前記突起の前記遠心ファン側の端部から径方向に向かって前記遠心ファンから離れるように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の交流発電機。
- 前記突起は、三角形の断面形状を有していることを特徴とする請求項2に記載の交流発電機。
- 前記突起の前記遠心ファン側の端部は、前記回転子の前記軸方向と平行であり、前記端部から径方向に向かって前記遠心ファンの先端部と平行な部分と、前記遠心ファンから離れるように傾斜している部分とを有していることを特徴とする請求項1に記載の交流発電機。
- 前記突起は、台形の断面形状を有していることを特徴とする請求項4に記載の交流発電機。
- 前記突起は四角形の断面形状を有し、前記吸気口の側面と平行となる面を有していることを特徴とする請求項1に記載の交流発電機。
- 前記遠心ファンは、遠心ファン本体と前記遠心ファン本体に設けられた複数の翼とを有し、前記複数の翼は、それぞれ前記遠心ファン本体の内周から外周の間において翼の高さが最も高い部分を有し、前記翼の高さが最も高い部分から外周までの前記翼は同一の高さを有していることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の交流発電機。
- 前記ケーシングは複数の前記吸気口を有しており、前記ケーシングの前記吸気口の外周の直径は、前記遠心ファンの前記翼の高さが最も高い部分となる周の直径よりも大きいことを特徴とする請求項7に記載の交流発電機。
- 前記ケーシングはリヤブラケットであり、前記リヤブラケットの前記吸気口の外周の直径は、前記遠心ファンの前記外周の直径より小さいことを特徴とする請求項8に記載の交流発電機。
- 前記ケーシングはフロントブラケットであり、前記フロントブラケットの前記吸気口の外周の直径は、前記遠心ファンの前記外周の直径より大きいことを特徴とする請求項8に記載の交流発電機。
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