JP6775611B2 - 遠心ファン及び車載用交流発電機 - Google Patents

遠心ファン及び車載用交流発電機 Download PDF

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Description

本発明は、例えば回転子に取付けられて回転電機を冷却する遠心ファン、及びこの遠心ファンを備える車載用交流発電機に関する。
車両に搭載される車載用交流発電機は、車両の走行中にバッテリの補充電を行うとともに車載電装品の電力を賄うものである。従来、車載用交流発電機の小型化、高出力化が要望されている。また、環境的に車外騒音が規制されるようになり、車載用交流発電機の低騒音化の要望がある。
車載用交流発電機の小型化に伴い、車載用交流発電機の回転子と一体に回転される冷却用の遠心ファンは小型化される。遠心ファンが小型化されると冷却風量が減少して車載用交流発電機の冷却能力が低下する。しかし、遠心ファンの羽根の枚数を増やして風量を増加させようとすると、風切り音による騒音が大きくなってしまう。
そこで、遠心ファンの羽根の形状を最適化して径方向と軸方向に流れる空気流を発生させることにより、風量の増加を図るとともに騒音の低減を図るものが開示されている(例えば特許文献1参照)。
特開平9−154256号公報
特許文献1に開示された遠心ファンは、少なくとも一つの羽根前縁の外径側と回転子鉄芯の爪状磁極の側面とを一致させることによって空気流を軸方向に導いている。しかしながら、羽根前縁の外径側と回転子鉄芯の爪状磁極の側面とを一致させていない箇所では、軸方向に空気流を導く効果が小さく、冷却性能が低いという課題がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、騒音を増大させることなく、回転軸方向に流れる空気量を増加させることのできる遠心ファンを得るものである。
本発明に係る遠心ファンは、環状に形成される主板と、主板の外周から径方向外側に延出する複数の腕状板と、複数の腕状板のそれぞれから延出する羽根とを備え、各腕状板及び前記主板のうち、少なくとも1つの板に、軸方向に貫通する開口部が設けられる。
本発明は、遠心ファンの羽根の内側に、軸方向に空気を通過させる開口部を設けることにより、騒音を増大させることなく、軸方向に流れる空気量を増加させることができる。これにより、車載用交流発電機の冷却性能を向上させることができる。
本発明の実施の形態1における遠心ファンが配置される車載用交流発電機の構成を説明する断面図である。 本発明の実施の形態1における遠心ファンを示す斜視図である。 図2のIII−III線に沿う遠心ファンを示す断面図である。 本発明の実施の形態1における遠心ファンの開口部の例を示す図である。 本発明の実施の形態1における遠心ファンの第1の変形例を示す図である。 本発明の実施の形態1における遠心ファンの第2の変形例を示す図である。 本発明の実施の形態1における遠心ファンが取付けられる車載用交流発電機の界磁鉄心の取付面側を示す図である。 本発明の実施の形態1における遠心ファンを車載用交流発電機の界磁鉄心の取付面に取付けた状態を示す図である。 本発明の実施の形態1における遠心ファンの第1の変形例を車載用交流発電機の界磁鉄心の取付面に取付けた状態を示す図である。 遠心ファンが取付けられた車載用交流発電機における、遠心ファンの開口部と、騒音及び出力との関係を説明する図である。
以下、本発明の遠心ファン及び車載用交流発電機の好適な実施の形態につき、図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における遠心ファンが配置される車載用交流発電機を側方からみた断面図である。
図1において、車載用交流発電機は、それぞれ略椀形状のアルミニウム製のフロントハウジング51とリヤハウジング50とからなるケーシング52を有する。また、車載用交流発電機は、ケーシング52に一対のベアリング53を介して回転可能に支持されたシャフト54と、ケーシング52のフロント側に突出するシャフト54の端部に固定されたプーリ7とを有する。フロント側のベアリング53はフロントハウジング51に支持され、リヤ側のベアリング53はリヤハウジング50に支持される。
さらに、車載用交流発電機は、シャフト54に固定されてケーシング52内に配設され、シャフト54と一体に回転する回転子8と、回転子8を囲繞するようにケーシング52に固定された固定子9とを有する。また、車載用交流発電機は、ケーシング52のリヤ側に突出するシャフト54の突出部に固定され、回転子8に電流を供給する一対のスリップリング10と、ブラシホルダ17に収容されて、各スリップリング10の表面に摺動する一対のブラシ11と、一対のブラシ11に隣接して配設され、固定子9で生じる交流電圧の大きさを調整する電圧調整器12とを有する。
そして、車載用交流発電機は、固定子9で生じる交流電圧を直流電圧に変換する整流装置13と、電圧調整器12と外部装置との間で信号の授受を行うコネクタ20と、電圧調整器12、整流装置13およびブラシホルダ17を覆うようにリヤハウジング50に装着された保護カバー27とを有する。
回転子8はランデル型回転子であり、励磁電流が流れて磁束を発生する界磁巻線81と、軸心位置を貫通するシャフト54に固定されて界磁巻線81を覆うように設けられ、界磁巻線81で発生する磁束によって磁極が形成される界磁鉄心82とを有する。
回転子8のプーリ7側の取付面Sには、本発明の実施の形態1による遠心ファン1が配置される。
固定子9は、回転子8の外周に同軸に配設される。固定子9は、円筒状の固定子鉄心91と、固定子鉄心91に装着され、回転子8の回転に伴い、界磁巻線81からの磁束の変化によって交流が生じる固定子巻線92とを備える。
固定子鉄心91は、フロントハウジング51とリヤハウジング50との間に軸方向両側から挟持される。固定子巻線92のリード線92aは、リヤハウジング50から引き出されてサーキットボード24の端子24aに結線される。これにより、整流装置13と固定子巻線92とが電気的に接続される。整流装置13は、複数の整流素子が実装されたヒートシンク18と、サーキットボード24とを備える。
このように構成された車載用交流発電機は、図示しないエンジンの回転トルクがプーリ7を介してシャフト54に伝達され、回転子8が回転される。このとき、電流がブラシ11およびスリップリング10を介して回転子8の界磁巻線81に供給され、磁束が発生される。
この磁束により、N極とS極とが界磁鉄心82の外周部に配列された複数の爪状磁極に周方向に交互に形成される。これにより、回転磁界が固定子9の固定子巻線92に与えられ、交流の起電力が固定子巻線92に発生する。この交流の起電力が、リード線92aを介して整流装置13に供給され、整流装置13で整流されるとともに、その大きさが電圧調整器12で調整されて、バッテリ及び車載電装品に供給される。
また、回転子8が回転することによって、界磁鉄心82のプーリ7側に固定された遠心ファン1が回転される。遠心ファン1が回転することによって、フロントハウジング51に形成された開口部からケーシング52の内部に外気が取り込まれる。ケーシング52の内部に取り込まれた外気は、フロントハウジング51内を軸方向に流れて界磁鉄心82に至り、界磁巻線81及び固定子巻線92のフロント側コイルエンドが冷却される。
次に、本発明の実施の形態1における遠心ファン1について、図2から図6を用いて説明する。
図2は、本発明の実施の形態1における遠心ファン1を示す斜視図である。また、図3は、図2のIII−III線に沿う遠心ファン1を示す断面図である。
図2に示すように、遠心ファン1は、主板2と、主板2の外周から径方向外側に延出する6つの腕状板3と、各腕状板3から延出する羽根4とを有する。
主板2は、中央部に貫通孔が設けられて環状に形成される。主板2は、この貫通孔を介して、例えば図1に示す車載用交流発電機の回転子8に固定される。貫通孔の外縁には、段部2aが形成される。
各腕状板3は、主板2の外周端から径方向外側に延出される。各腕状板3と主板2とは、表裏とも段差なく繋がっている。図2に示すように、6つの腕状板3は、主板2の周方向に不等間隔に配置される。各腕状板3の径方向の幅は、回転方向RDの前方側が狭く、回転方向RDの後方側が広く形成される。
各羽根4は、各腕状板3の外周側から軸方向の同じ側にほぼ直角に延出される。各羽根4は、回転方向RDの後側に位置する後縁4bと、回転方向RDの前方側に位置する前縁4aとを有する。遠心ファン1の回転中心Cから各羽根4の後縁4bまでの距離は、回転中心Cから各羽根4の前縁4aまでの距離よりも長い。すなわち、各羽根4は、前縁4aが回転中心Cに向かう方向に傾斜して形成される。
このように各羽根4を傾斜させることによって、遠心ファン1を回転させたときに、各前縁4aが空気に衝突することによる衝撃を小さくすることができる。これにより、各羽根4による風切音を低減させることができる。
また、各羽根4は、回転軸に垂直な面に投影される形状が、前縁4aと後縁4bとを結ぶ線に対して、回転中心C側に凸となる緩やかな円弧状に形成される。
このように主板2、各腕状板3、各羽根4が配置される遠心ファン1は、各羽根4に沿って径方向外側に流れる空気流を発生させる。これにより、遠心ファン1は、主板2の中央部に向かう空気流を、径方向外側に向かう空気流へと変換する。
なお、主板2の形状は、環状に限るものではなく、また段部2aがなくてもよい。さらに、主板2の中央部は、お椀状に盛り上がった形状であってもよい。
また、腕状板3の数は、6つに限るものではない。例えば腕状板3の数は、8つ以上であってもよいし、奇数であってもよい。さらに、各腕状板3の配置は等間隔であってもよいし、各腕状板3に補強用のリブを設けてもよい。
そして、各羽根4の回転軸に垂直な面に投影される形状は直線状またはS字状であってもよいし、各羽根4の形状を異ならせてもよい。さらに、各羽根4は、各腕状板3の中間位置から延出させてもよい。また、各羽根4の径方向外側に、円環状のシュラウドを配置してもよい。
図2に示すように、遠心ファン1が有する6つの腕状板3のうちの一つである腕状板32には、羽根4の径方向内側に軸方向に貫通する開口部5が設けられる。開口部5は、羽根4に沿って、羽根4の周方向の長さの50%〜95%の範囲で形成される。
図3に示すように、開口部5を構成する外縁には、ラウンドまたは面取りRが形成される。これにより、開口部5を通過する空気流に加わる抵抗を低減させることができ、軸方向に流れる空気の流速の低下を抑制することができる。
遠心ファン1が径方向外側に向かう空気流を発生させると、各羽根4の径方向外側は正圧となり、各羽根4の径方向内側は負圧となる。よって、遠心ファン1の中央部から径方向外側に流れる空気流の一部は、羽根4の径方向内側に形成される負圧によって開口部5に吸い寄せられ、開口部5を通過して軸方向に流される。
以上のように、実施の形態1の遠心ファン1によれば、遠心ファン1の腕状板3に開口部5が設けられる。そして、遠心ファン1の中央部から径方向外側に流れる空気流の一部に開口部5を通過させる。これにより、騒音を増大させることなく、遠心ファン1の軸方向に流れる空気の流量を増加させることができる。よって、遠心ファン1による、界磁鉄心82の界磁巻線81及び固定子巻線92のフロント側コイルエンドを冷却する能力が向上する。
なお、開口部5は、隣り合う二つの腕状板3の回転方向前方側の各外縁と、主板2の回転中心Cとを結ぶ二つの直線がなす角度θが最も小さくなる二つの腕状板3の一方に設けられるようにしてもよい。
例えば図2に示すように、隣り合う二つの腕状板31,32は、6つの腕状板3の中で最も近接している。よって、腕状板31の回転方向前方側の外縁31aと主板2の回転中心Cとを結ぶ直線と、腕状板32の回転方向前方側の外縁32aと主板2の回転中心Cとを結ぶ直線とがなす角度θは、他の腕状板3の組合せによって形成される角度θよりも小さくなる。従って、開口部5は、二つの腕状板31,32の一方に設けられる。ここでは、腕状板32に開口部5を設けている。
このように開口部5を配置することにより、遠心ファン1における、隣り合う腕状板3が接近している部分の重量を軽くすることができる。これにより、遠心ファン1の周方向の重量配分が偏ることによって、遠心ファン1を回転させたときに車載用交流発電機に回転方向の負荷が加わることを抑制することができる。
図4は、開口部5の形状の例を示す図である。図4において、開口部5の外縁と、腕状板3における回転方向RDの後方側の端部3aとの間の最短部の距離t2は1mm以上にするとよい。また、開口部5の外縁と羽根4の根元との間の最短部の距離t3も1mm以上にするとよい。これにより、腕状板3及び羽根4の強度の低下を低減することができる。
なお、開口部5の形状は、図4に示すものに限られない。例えば開口部5の形状は、円形状、楕円形状、多角形状であってもよい。
また、実施の形態1では、開口部5を腕状板3に設けていたが、開口部5の位置は、これに限るものではない。例えば開口部5は、主板2にまたがって形成されてもよいし、主板2のみに形成されてもよい。隣り合う腕状板3が接近している場合には、隣り合う二つの腕状板3を一体化して、一体化された腕状板3に開口部5を形成してもよい。
さらに、実施の形態1では、一つの腕状板32のみに開口部5を設けていたが、開口部5の数は、一つに限るものではない。例えば開口部5は、各腕状板3に一つずつ設けてもよいし、周上に配置される各腕状板3に対して一つおきに配置してもよい。また、一つの腕状板3に開口部5を複数設けてもよい。そして、各開口部5の形状を異ならせてもよい。これにより、遠心ファン1を軽量化することができる。
このように開口部5を増やすことによって、遠心ファン1の重心を回転中心Cに近づけることができる。これにより、遠心ファン1の回転を安定させることができる。なお、この場合には、遠心ファン1の周方向の重量バランスを考慮して、各腕状板3に設けられる開口部5の大きさを決定する。
また、開口部5は、図5に示す第1変形例の遠心ファン1Aのように、回転方向RDの後方側に開口する切欠き6としてもよい。さらに、開口部5は、図6に示す第2変形例の遠心ファン1Bのように、回転方向RDの前方側に開口する切欠き6Bとしてもよい。第1変形例の遠心ファン1A及び第2変形例の遠心ファン1Bにおいても、実施の形態1の遠心ファン1と同様の効果が得られる。
なお、第1変形例の遠心ファン1A及び第2変形例の遠心ファン1Bの形状は、腕状板3A,3Bと羽根4A,4Bとの接続部分の周方向の幅が狭くなっている。このため、腕状板3A,3Bと羽根4A,4Bとの接続部分の強度が低下する。よって、切欠き6及び切欠き6Bの、羽根4A,4Bに沿う方向の長さ、すなわち切欠き6及び切欠き6Bの奥行きは、羽根4A,4Bの長さの50%程度にするとよい。
次に、本発明の実施の形態1による遠心ファン1が搭載される車載用交流発電機について、図7〜図10を用いて説明する。
図7は、車載用交流発電機の界磁鉄心82における、遠心ファン1の取付面S側を示す図である。遠心ファン1の取付面Sは、界磁鉄心82に設けられる8つの爪状磁極が延出する側と逆側に設けられる。
図7に斜線で示す領域84は、界磁鉄心82の界磁巻線81を効果的に冷却することのできる範囲を示す。従って、遠心ファン1を取付面Sに取り付けて、取付面Sに開口部5を投影したときの投影領域とこの領域84とが重なる部分が多いほど、遠心ファン1の冷却性能は高い。
領域84は、隣り合う二つの爪状磁極821,822の間を結ぶ外縁83を中心として、外縁83に沿う幅t1の範囲に形成される。回転方向RDの後方側の爪状磁極821における領域84は、回転中心Cから径方向外側に距離Rj1までの範囲である。一方、回転方向RDの前方側の爪状磁極822における領域84は、回転中心Cから径方向外側に距離Rj2までの範囲である。
ここで、領域84の幅t1は、20mm以下に設定される。また、領域84は、界磁鉄心82の外径をR0、爪状磁極821,822の根元側における取付面Sの最小半径をR1、爪状磁極821,822の先端側における取付面Sの最大半径をR2、R0×0.9の値とR2の値とのうち大きい方の値をR2mとしたとき、
Rj1≦(R0+R1)/2
Rj2≦R2m
の関係を満たす範囲に設定される。
なお、図7において、界磁鉄心82の爪状磁極821の根元と爪状磁極822の根元の間に生じる負圧は最も低くなる。よって、領域84のうち、回転中心Cに近い側を通過する空気流の方が、回転中心Cから遠い側を通過する空気流よりも冷却効果が高い。従って、領域84を、さらに、
Rj2≦(R0+R1)/2
の関係を満たすように設定して、この領域84に重なるように遠心ファン1の開口部5を形成してもよい。
図8は、実施の形態1の遠心ファン1を、遠心ファン1の開口部5が界磁鉄心82の領域84に重なるように取付けた状態を示す図である。また、図9は、第1変形例の遠心ファン1Aを、遠心ファン1Aの切欠き6が界磁鉄心82の領域84に重なるように取付けた状態を示す図である。
このように遠心ファン1及び遠心ファン1Aを界磁鉄心82に取付けることにより、遠心ファン1及び遠心ファン1Aによって発生する風切音を増加させることなく、軸方向に流れる空気の流量を増加させることができる。よって、界磁鉄心82の界磁巻線81及び固定子巻線92のフロント側コイルエンドの冷却能力を向上させることができる。これにより、車載用交流発電機の発電出力を増加させることができる。
次に、本発明の実施の形態1による遠心ファン1による効果確認の結果について説明する。
図10のグラフは、同一の車載用交流発電機に2種類の遠心ファンを取付けて、騒音と発電出力を測定した結果を示す図である。グラフの横軸は騒音Nの値を示しており、横軸の右に向かうほど騒音の値が大きくなることを示している。グラフの縦軸は発電出力Pの値を示しており、縦軸の上に向かうほど発電出力の値が大きくなることを示している。
図10のグラフにおいて、開口部5が設けられていない遠心ファンの測定値を四角印、本発明の実施の形態1による遠心ファン1の測定値を三角印及び丸印で示している。なお、丸印で示す遠心ファン1の開口部5は、三角印で示す遠心ファン1の開口部5よりも大きい。
また、点線で接続される測定値群F1の遠心ファンと、破線で接続される測定値群F2の遠心ファンとは羽根4の形状などが異なり、F1の遠心ファンは、F2の遠心ファンよりも最大風量が多い。
図10のグラフにおいて、測定値群F1の四角印で示される、開口部5が設けられていない遠心ファンの騒音の測定値及び発電出力の測定値を、それぞれの基準「0」としている。
図10の結果を参照すると、測定値群F1及び測定値群F2のいずれにおいても、開口部5が設けられていない遠心ファンの測定値(四角印)に対して、開口部5が設けられた実施の形態1の遠心ファン1の測定値(三角印、丸印)の方が、騒音Nの値が小さく、発電出力Pの値が大きくなっていることがわかる。さらに、測定値群F1及び測定値群F2のいずれにおいても、開口部5の大きさの大きい遠心ファン1の測定値(丸印)の方が、開口部5の大きさの小さい遠心ファン1の測定値(三角印)よりも、騒音Nの値が小さく、発電出力Pの値が大きくなっていることがわかる。
以上より、本発明の実施の形態1による遠心ファン1が取付けられた車載用交流発電機は、開口部5が設けられていない遠心ファンが取付けられた車載用交流発電機に対して、騒音を低減させる効果及び発電出力を向上させる効果が得られることが確認された。また、実施の形態1による遠心ファン1が取付けられた車載用交流発電機において、遠心ファン1に設けられる開口部5の大きさが大きいほど、騒音を低減させる効果及び発電出力を向上させる効果が大きいことが確認された。
1,1A,1B 遠心ファン、2,2A,2B 主板、2a 段部、3,3A,3B 腕状板、3a 端部、4,4A,4B 羽根、4a 前縁、4b 後縁、5 開口部、6,6B 切欠き、7 プーリ、8 回転子、9 固定子、10 スリップリング、11 ブラシ、12 電圧調整器、13 整流装置、17 ブラシホルダ、18 ヒートシンク、20 コネクタ、24 サーキットボード、24a 端子、27 保護カバー、31,32 腕状板、31a、32a 外縁、50 リヤハウジング、51 フロントハウジング、52 ケーシング、53 ベアリング、54 シャフト、81 界磁巻線、82 界磁鉄心、83 外縁、84 領域、91 固定子鉄心、92 固定子巻線、92a リード線、821,822 爪状磁極。

Claims (10)

  1. 環状に形成される主板と、
    前記主板の外周から径方向外側に延出する複数の腕状板と、
    前記複数の腕状板のそれぞれから延出する羽根とを備えた遠心ファンであって、
    各腕状板及び前記主板のうち、少なくとも1つの板に、軸方向に貫通して空気が通過する開口部が設けられ、
    前記複数の腕状板は、前記主板の周方向にそれぞれ不等間隔に配置され、
    前記開口部は、隣り合う二つの前記腕状板の回転方向前方側の各外縁と、前記主板の回転中心とを結ぶ二つの直線がなす角度が最も小さくなる二つの前記腕状板の一方のみに設けられる、遠心ファン。
  2. 前記開口部は、前記羽根よりも径方向内側に設けられる、
    請求項1に記載の遠心ファン。
  3. 前記開口部の外縁には、ラウンドまたは面取りが施される、
    請求項1または2のいずれか一項に記載の遠心ファン。
  4. 前記開口部の外縁と前記羽根の根元との間の最短部の距離は1mm以上である、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の遠心ファン。
  5. 前記開口部の外縁と前記腕状板の回転方向後方側の外縁との間の最
    短部の距離は1mm以上である、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の遠心ファン。
  6. 前記開口部は、回転方向後方に向かって開口する切り欠きである、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の遠心ファン。
  7. 前記開口部は、回転方向前方に向かって開口する切り欠きである、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の遠心ファン。
  8. 環状に形成される主板と、
    前記主板の外周から径方向外側に延出する複数の腕状板と、
    前記複数の腕状板のそれぞれから延出する羽根とを備えた遠心ファンであって、
    各腕状板及び前記主板のうち、少なくとも1つの板に、軸方向に貫通して空気が通過する開口部が設けられる遠心ファンを有する車載用交流発電機であって、
    周方向に複数の爪状磁極が配置される界磁鉄心を備え、
    前記遠心ファンは、前記界磁鉄心の前記複数の爪状磁極が延出する側と反対側に設けられる取付面に取り付けられ、
    前記開口部は、
    前記取付面に前記開口部を投影したときの投影領域が、隣り合う二つの爪状磁極の間を結ぶ外縁を中心とする前記外縁に沿う領域に重なる形状に形成され、
    前記領域は、
    前記界磁鉄心の回転方向前方側の前記爪状磁極における前記領域が、前記界磁鉄心の回転中心から径方向外側に距離Rj2までの範囲であり、
    前記界磁鉄心の回転方向後方側の前記爪状磁極における前記領域が、前記回転中心から径方向外側に距離Rj1までの範囲であり、
    前記界磁鉄心の外径をR0とし、
    前記複数の爪状磁極の根元側における前記取付面の最小半径をR1とし、
    前記複数の爪状磁極の先端側における前記取付面の最大半径をR2とし、
    R0×0.9の値とR2の値とのうち大きい方の値をR2mとしたときに、
    Rj1≦(R0+R1)/2
    Rj2≦R2m
    の関係を満たす、
    車載用交流発電機。
  9. 前記領域が、さらに、
    Rj2≦(R0+R1)/2
    の関係を満たす、
    請求項8に記載の車載用交流発電機。
  10. 前記領域の、前記隣り合う二つの爪状磁極の間を結ぶ外縁に直交する方向の幅は、20mm以下である、
    請求項8または9に記載の車載用交流発電機。
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