JP5825717B2 - 転写印刷用積層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、成形品に印刷層を美麗な状態に転写一体化させることができる転写印刷用積層フィルムに関する。
現在、曲面を有する成形品の表面に転写印刷する方法として、水圧転写印刷、インモールド転写印刷などの転写印刷方法が主に用いられている。
水圧転写印刷に用いられる転写印刷用ベースフィルムとしては、特許文献1に、ポリビニルアルコール系フィルムからなる転写印刷用ベースフィルムであって、前記ポリビニルアルコール系フィルムが所定の条件を満足するフィルムである転写印刷用ベースフィルムが開示されている。
しかしながら、水圧転写印刷は、曲面を有する成形品の表面加飾に好適に用いられるが、ロットが大きい上に歩留まりも悪いために、転写印刷に要するコストが高く、多品種小ロットの転写印刷には適さない。又、水圧転写印刷用の設備も必要であるという問題点も有している。
インモールド転写は、転写される印刷層が印刷されたベースフィルムを射出成形の金型内に予め配設した後、金型内に溶融状態の合成樹脂を射出し、合成樹脂の熱と圧力とによって成形品の表面にベースフィルム上に形成された印刷層を転写一体化させる方法である。
インモールド転写は、上述のように、射出成形の金型内に予め配設した上で金型内に溶融状態の合成樹脂を射出するものであるから、ベースフィルムには、耐熱性が必要であると共にある程度の伸びも必要であることから、ベースフィルムを構成する材料が限られ、しかも、曲面が大きい場合には用いることができず、コストが高くなる要因にもなっている。
水圧転写印刷やインモールド転写には上述の如き問題点が存在し、成形体の曲面に容易に転写印刷することができる方法が所望されている。
特開2011−11540号公報
本発明は、特殊な設備を用いることなく効率的に成形品の表面、特に曲面に容易に転写印刷を施すことができる転写印刷用積層フィルムを提供する。
本発明の転写印刷用積層フィルムAは、図1に示したように、成形品の表面に印刷層を転写一体化させるための転写印刷用積層フィルムであって、基材層1と、この基材層1上に積層一体化されたポリエチレン系樹脂層2と、このポリエチレン系樹脂層2上に剥離可能に積層一体化されたポリウレタン系樹脂層3と、このポリウレタン系樹脂層3上に積層され且つ表面に上記印刷層5を形成可能に構成された離型層4とを含む。
転写印刷用積層フィルムAは、その離型層4上に印刷して印刷層を形成する際に離型層4が変形しないようにするための剛性を有している必要がある。例えば、グラビヤ印刷によって、転写印刷用積層フィルムの離型層上に印刷層を形成する場合、転写印刷用積層フィルムは、その基材層が真空吸引されることによって所定場所に固定される。この際、転写印刷用積層フィルムには吸引力が加わるが、この吸引力によってポリウレタン系樹脂層が変形すると、このポリウレタン系樹脂層上に形成された離型層に印刷を円滑に施すことができない。よって、基材層は、転写印刷用積層フィルムが印刷時に固定される場合には、印刷時に加えられる転写印刷用積層フィルムの固定力に抗してポリウレタン系樹脂層及び離型層を変形させない剛性も必要である。
従って、基材層1は、転写印刷用積層フィルムAの離型層4上に印刷をする際にポリウレタン系樹脂層3及び離型層4が変形しないようにするための剛性を有しておればよく、このような基材層1を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン系樹脂フィルム、ポリプロピレン系樹脂フィルムなどのポリオレフィン系樹脂フィルムなどの合成樹脂フィルム、アルミニウム箔、銅箔などの金属箔などが挙げられ、合成樹脂フィルムが好ましく、ポリエステル系樹脂フィルムがより好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
ポリエチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどが挙げられ、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリプロピレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン成分を50重量%を超えて含有する、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体などが挙げられ、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。又、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体又はランダム共重合体の何れであってもよい。
なお、プロピレンと共重合されるオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オレフィンなどが挙げられる。
基材層1を構成している合成樹脂フィルムは、印刷時にポリウレタン系樹脂層3及び離型層4が変形しないようにするために、延伸されて剛性を向上させていることが好ましく、二軸延伸されていることがより好ましい。
基材層1上にはポリエチレン系樹脂層2が積層一体化されている。なお、基材層1とポリエチレン系樹脂層2との間に接着剤層が介在していてもよい。ポリエチレン系樹脂層2は、ポリウレタン系樹脂層3を基材層1と積層させるために介在されている。ポリエチレン系樹脂層2は、単層であっても複数層が積層一体化されて構成されていてもよい。
転写印刷用積層フィルムAは、後述するように、使用時に、ポリウレタン系樹脂層3とポリエチレン系樹脂層2との間で剥離されるが、ポリエチレン系樹脂層2は、ポリウレタン系樹脂層3との間において適度な融着力でもって熱融着一体化されており、転写印刷用積層フィルムAの使用前において、ポリウレタン系樹脂層3とポリエチレン系樹脂層2との間で不測に剥離することはないが、人の手によって、ポリウレタン系樹脂層3とポリエチレン系樹脂層2との間において容易に剥離することができる。
上記ポリエチレン系樹脂層2を構成しているポリエチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどが挙げられ、低密度ポリエチレンが好ましい。なお、ポリエチレン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリエチレン系樹脂のメルトフローレイトは、低くても、高くても、ポリエチレン系樹脂層の厚みが不均一となり、離型層の表面平滑性が低下して転写印刷用積層フィルムの印刷特性が低下することがあるので、6〜10g/10分が好ましく、7〜9g/10分がより好ましい。なお、ポリエチレン系樹脂のメルトフローレイトは、JIS K6922−1に準拠して標準メルトインデクサーを用いて測定された値をいう。
ポリエチレン系樹脂の密度は、小さくても、大きくても、ポリエチレン系樹脂層の厚みが不均一となり、離型層の表面平滑性が低下して転写印刷用積層フィルムの印刷特性が低下することがあるので、0.915〜0.925g/cm3が好ましく、0.915〜0.920g/cm3がより好ましい。なお、ポリエチレン系樹脂の密度は、JIS K6922−1に準拠して測定された値をいう。
ポリエチレン系樹脂層2の厚みは、薄いと、ポリエチレン系樹脂層にピンホールが形成され、ポリウレタン系樹脂層の表面性が低下し、この表面性の低下によって離型層の表面平滑性が低下して転写印刷用積層フィルムの印刷特性が低下することがあり、厚いと、ポリエチレン系樹脂層の厚みが不均一となり、離型層の表面平滑性が低下して転写印刷用積層フィルムの印刷特性が低下することがあるので、15〜80μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。
又、基材層1とポリエチレン系樹脂層2との積層一体化に用いられる接着剤としては、特に限定されず、例えば、二液混合型ウレタン系接着剤などが挙げられる。なお、二液混合型ウレタン系接着剤は、三井化学社から市販されている商品名「ラケラックA3210」(ポリオール成分)と商品名「タケネートA3072」(イソシアネート成分)とからなる二液混合型ウレタン系接着剤、日本曹達社から市販されている商品名「チタボンド300」(ポリオール成分)と商品名「チタボンド120」(イソシアネート成分)とからなる二液混合型ウレタン系接着剤を用いることができる。
更に、ポリエチレン系樹脂層2上には剥離可能にポリウレタン系樹脂層3が積層されている。ポリウレタン系樹脂層3を構成しているポリウレタン系樹脂としては、重量平均分子量が500〜4000の二官能性ポリオール(以下、単に「二官能性ポリオール」という)と、ジイソシアネートと、重量平均分子量が500未満の低分子量ジオール(以下「鎖伸長剤」という)とを主原料としてなり、分子構造中にウレタン基を含有する高分子のうち熱可塑性を有するものである。
そして、ポリウレタン系樹脂は、鎖伸長剤とジイソシアネートとの反応によってできたハードセグメントと、二官能性ポリオールとジイソシアネートとの反応によってできたソフトセグメントからなるブロック共重合体である。
更に、ポリウレタン系樹脂は、使用される上記二官能性ポリオールなどの主原料の種類によって区別され、例えば、ポリエーテル系ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系ポリウレタン系樹脂などが挙げられ、ポリウレタン系樹脂の伸びに優れており、成形品の表面への追従性に優れていることから、ポリエーテル系ポリウレタン系樹脂が好ましい。これらのポリウレタン系樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
上記二官能性ポリオールとしては、特に限定されず、例えば、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオールなどが挙げられ、ポリウレタン系樹脂の伸びに優れており、成形品の表面への追従性に優れていることから、ポリエーテル系ポリオールが好ましい。なお、ポリオール成分は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
上記ポリエーテル系ポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールなどが挙げられ、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールなどを縮合重合させたり、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフランなどの環状エーテルの開環重合により得ることができる。
又、上記ポリエステル系ポリオールとしては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸などの二塩基酸と、低分子量ポリオールとの縮合重合により得られるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトングリコールなどが挙げられる。
更に、上記ポリカーボネート系ポリオールとしては、例えば、ジメチルカーボネートやジエチルカーボネートなどのジアルキルカーボネート、ホスゲン、クロロギ酸エステル、ジアリルカーボネート、アルキレンカーボネートなどと、低分子量ポリオールとを縮合重合させて得られるポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。
又、上記ジイソシアネートとしては、例えば、トルエンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックMDI、トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加MDIなどが挙げられる。
そして、上記鎖伸長剤としては、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、ビスヒドロキシエトキシベンゼンなどが挙げられる。
ポリウレタン系樹脂には、一般的に、熱劣化防止のために酸化防止剤、成形性向上のために滑剤、アンチブロッキング剤などの添加剤が添加されている。
滑剤としては、例えば、脂肪酸アミドなどが挙げられる。滑剤は、花王社から商品名「脂肪酸アマイドE」にて市販されている脂肪酸アミド系滑剤が挙げられる。アンチブロッキング剤としては、例えば、シリカ系アンチブロッキング剤などが挙げられる。アンチブロッキング剤としては、水澤化学工業社から商品名「シルトンJC」にて市販されているシリカ系アンチブロッキング剤が挙げられる。
ポリウレタン系樹脂層を構成しているポリウレタン系樹脂中に滑剤やアンチブロッキング剤が添加されていると、ポリウレタン系樹脂層表面の表面張力が小さくなり、ポリウレタン系樹脂層上に離型層を印刷することによって形成しようとした場合に、ポリウレタン系樹脂層上に離型層を均一な厚みでもって形成することができず、又は、乾燥後に離型層を形成する塗布層をポリウレタン系樹脂層上に均一な厚みでもって形成することができず、塗布層を乾燥させて得られた離型層の厚みが不均一となる。その結果、離型層の表面平滑性が低下して転写印刷用積層フィルムの印刷特性が低下することがある。従って、ポリウレタン系樹脂層中において、滑剤及びアンチブロッキング剤が含有されていないか、或いは、滑剤及びアンチブロッキング剤の含有量が少ないことが好ましい。
具体的には、ポリウレタン系樹脂中に含まれている滑剤の量は、ポリウレタン系樹脂100重量部に対して0.5重量部以下が好ましい。ポリウレタン系樹脂層中に含まれているアンチブロッキング剤の量は、ポリウレタン系樹脂100重量部に対して0.5重量部以下が好ましい。
又、ポリウレタン系樹脂層の表面にコロナ放電処理を施すことによってポリウレタン系樹脂層表面の表面張力を大きくすることが好ましい。ポリウレタン系樹脂層表面の表面張力を大きくすることによって、ポリウレタン系樹脂層上に離型層を均一な厚みでもって形成することができ、又は、乾燥後に離型層となる、乾燥前の塗布層をポリウレタン系樹脂層上に均一な厚みでもって形成することができ、離型層の表面平滑性を向上させて転写印刷用積層フィルムの印刷特性を向上させることができる。
ポリウレタン系樹脂層3上には、表面に印刷層5が形成可能な離型層4が積層されている。この離型層4は、後述する印刷層5又はポリウレタン系樹脂層3の少なくとも何れかに対して剥離可能であればよく、ポリウレタン系樹脂層3上に剥離可能に積層されていても、ポリウレタン系樹脂層3上に積層一体化されていてもよい。なお、離型層4がポリウレタン系樹脂層3上に積層一体化されている場合は、印刷層5が離型層4上に離型層4に対して剥離可能に形成される。離型層4がポリウレタン系樹脂層3上に剥離可能に積層されている場合、離型層4は、成形品の表面に転写一体化された印刷層を被覆、保護するため保護層として成形品の表面に転写一体化される。なお、離型層4の厚みは1〜3μmが好ましい。
ポリウレタン系樹脂層3上に剥離可能に離型層4が積層されている場合、離型層4を構成している化合物としては、ポリウレタン系樹脂層から剥離可能であれば、特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、非架橋型熱可塑性アクリル樹脂、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックスなどが挙げられ、ポリエチレングリコールが好ましく、重量平均分子量が5000〜7000のポリエチレングリコールがより好ましい。
離型層4の表面の耐摩擦性を向上させる目的で非架橋型熱可塑性アクリル樹脂中にポリエチレンワックスやカルナバワックスなどのワックスを添加してもよい。非架橋型熱可塑性アクリル樹脂としては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−n−アミル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸−2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸−3−クロロプロピルなどの(メタ)アクリル酸ハロゲン化アルキル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピルなどのOH基を持つ(メタ)アクリル酸エステル、α−クロロ(メタ)アクリル酸メチル、α−クロロ(メタ)アクリル酸エチルなどのハロゲン化(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸−1−クロロ−2−ヒドロキシエチルなどのOH基を持つα−アルキル(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどの(メタ)アクリル系モノマーの1種又は2種以上からなる単独重合体又は共重合体であり、且つ、ガラス転移温度が50〜130℃、好ましくは、ガラス転移温度が80〜110℃であるものが挙げられる。
ポリウレタン系樹脂層3上に離型層4が積層一体化されている場合、離型層4を構成している化合物としては、硬化剤を添加して用いられるアクリルメラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂、アルキド樹脂、シリコーンワックスを含有する熱硬化性アクリル系樹脂、熱硬化性メラミン樹脂などが挙げられ、シリコーンワックスを含有する熱硬化性アクリル系樹脂が好ましい。なお、硬化剤としては、例えば、ジエチルフォスフェイトなどが挙げられる。
熱硬化性メラミン樹脂とは、メラミンとホルムアルデヒドの初期縮合物であり、メチロールメラミン、又は、メチロールメラミンをメタノールやブタノールなどのアルコールでアルコキシ化したメチロールメラミンを主成分としており、触媒の不存在下又は酸触媒の存在下で加熱することにより硬質の被膜を形成する。熱硬化性メラミン樹脂は塗料分野、接着剤分野、繊維処理分野で汎用されており、本発明においても使用することができる。
次に、転写印刷用積層フィルムの製造方法について説明する。ポリウレタン系樹脂層を構成するポリウレタン系樹脂を第一押出機に供給して溶融混練すると共に、ポリエチレン系樹脂層を構成するポリエチレン系樹脂を第二押出機に供給して溶融混練し、第一、第二押出機を共に接続させている共押出ダイに供給して共押出し、ポリエチレン系樹脂層上にポリウレタン系樹脂層が剥離可能に積層されてなる第一積層フィルムを製造する。
ここで、第二押出機中におけるポリエチレン系樹脂の溶融温度は、低いと、ポリエチレン系樹脂層の表面を酸化させることができず、ポリウレタン系樹脂層との熱融着性が低下することがあり、高いと、ポリエチレン系樹脂層の厚みが不均一となったり或いはポリエチレン系樹脂層にピンホールが発生することがあるので、200〜300℃が好ましく、220〜260℃がより好ましい。
一方、基材層となる合成樹脂フィルム又は金属箔(以下、総称して「基材フィルム」ということがある)などを用意する。そして、基材フィルムの一面に必要に応じて接着剤を塗布する。
次に、第三押出機を用意し、この第三押出機にポリエチレン系樹脂を供給して溶融混練し、第三押出機からポリエチレン系樹脂フィルムを押出す一方、基材フィルムと第一積層フィルムとを第一積層フィルムのポリエチレン系樹脂層が基材フィルムに対向した状態となるように重ね合わせ、基材フィルムと第一積層フィルムとの間に第三押出機から押出された溶融状態のポリエチレン系樹脂フィルムを供給して、基材フィルムと第一積層フィルムとをポリエチレン系樹脂フィルムを介して積層一体化して第二積層フィルムを製造する(押出ラミネーション)。なお、基材フィルムの一面に接着剤を塗布している場合には、接着剤を塗布した面が第一積層フィルム側となるように調製する。
第三押出機中におけるポリエチレン系樹脂の溶融温度は、低いと、ポリエチレン系樹脂フィルムの表面を酸化させることができず、基材フィルムとの熱融着性が低下することがあり、高いと、ポリエチレン系樹脂層の厚みが不均一となったり或いはポリエチレン系樹脂層にピンホールが発生することがあるので、280〜325℃が好ましく、306〜320℃がより好ましい。
また、第一積層フィルムと基材フィルムとを第一積層フィルムのポリエチレン系樹脂が基材フィルムに対向した状態に積層一体化させる方法としては、上述した押出ラミネーション以外の方法を採用してもよく、第一積層フィルムと基材フィルムとを接着剤を用いて積層一体化させてもよい。
得られた第二積層フィルムのポリウレタン系樹脂層上に離型層を形成する化合物を汎用の印刷方法を用いて塗布して必要に応じて乾燥させて離型層を形成して転写印刷用積層フィルムAを製造することができる。なお、離型層を形成するための印刷方法としては、特に限定されず、例えば、ダイレクトグラビヤ印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷などが挙げられる。
次に、転写印刷用積層フィルムAの使用要領について説明する。先ず、転写印刷用積層フィルムAの離型層4上に印刷層5を形成する。転写印刷用積層フィルムAの離型層4上に印刷層5を形成する要領としては、特に限定されず、例えば、ダイレクトグラビヤ印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷などの汎用の印刷方法を用いて転写印刷用積層フィルムAの離型層4上に印刷層5を形成する方法が挙げられる。
印刷層5の形成に用いられるインキとしては、特に限定されず、例えば、グラビヤ印刷用の硝化綿系インキ(例えば、DIC社から商品名「ブライトップ」で市販されているインキ)、ウレタンポリアミド系インキ(例えば、DICグラフィックス社から商品名「ユニビア」で市販されているインキ)、アクリル系インキなどが挙げられる。なお、印刷層5は、離型層4に対して一体的に形成されても、剥離可能に形成されていてもよく、印刷層5を形成するインキは、離型層4を構成する化合物及び成形品を構成している材料に応じて適宜、選択すればよい。
転写印刷用積層フィルムAの離型層4上に汎用の印刷方法を用いて印刷するにあたって、転写印刷用積層フィルムAは、その基材層1によって剛性が付与されており、ポリウレタン系樹脂層3及び離型層4は印刷時に変形することはなく、離型層4上に美麗な状態に印刷層5を形成することができる。
又、グラビヤ印刷においては、転写印刷用積層フィルムAはその基材層1が真空吸引されることによって所定箇所に固定され、この固定された転写印刷用積層フィルムの離型層4上に印刷層が形成される。基材層1は、真空吸引などの吸引力によって変形することはなく離型層4が不測に変形することを防止する。よって、転写印刷用積層フィルムAの離型層4上に印刷層5を美麗な状態に形成することができる。
印刷層5は、この印刷層5を転写させる成形品に対して、転写時及びその後において接着性を持続している必要がある。転写時及び転写後に印刷層5に成形品に対して接着性を付与するための方法としては、例えば、(1)印刷層5を形成するインキに接着剤を含有させる方法、(2)印刷層5の表面に接着層を形成する方法などが挙げられる。
インキに含有させる接着剤としては、特に限定されず、例えば、エチレン−酢酸ビニル系接着剤などが挙げられる。なお、接着剤としては、例えば、DIC社から商品名「TE10Bニス」にて市販されているエチレン−酢酸ビニル系接着剤が挙げられる。
又、印刷層5の表面に形成される接着層を構成する接着剤としては、印刷層を転写一体化させる成形品の材質に応じて適宜、選択すればよい。例えば、成形品がABS樹脂から形成されている場合には、接着剤としては、酢酸ビニル系の接着剤、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体系の接着剤、スチレン−エチレン−スチレン共重合体系の接着剤などが挙げられる。成形品がポリプロピレン系樹脂から形成されている場合には、接着剤としては、塩素化ポリプロピレン系の接着剤などが挙げられる。接着層は、印刷層を成形品の表面に転写するために加熱したときに成形品に対して接着性を発現し、成形品に接着後はその接着性を維持する一方、加熱前においては接着性を発現しないようにすることが好ましく、そのために、接着層中にアンチブロッキング剤又はシリカパウダーを含有させておくことが好ましい。なお、アンチブロッキング剤は上述と同様であるのでその説明を省略する。
印刷層5の表面に接着層を形成する方法としては、特に限定されず、例えば、グラビヤ印刷、リーバースコート印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷などが挙げられる。
次に、転写印刷用積層フィルムAの離型層4上に形成された印刷層5を成形品の表面に転写一体化させる。具体的には、転写印刷用積層フィルムAのポリエチレン系樹脂層2及び基材層1を剥離、除去し、ポリウレタン系樹脂層3、離型層4及び印刷層5がこの順序で積層されてなる転写フィルムを得る。
しかる後、転写フィルムをその印刷層5が成形品に対向した状態にして成形品の表面に沿って重ね合わせる。この時、転写フィルムを構成しているポリウレタン系樹脂層3は、柔軟性に富んでいると共に伸縮性にも優れているので、転写フィルムを成形品の表面に沿って皺なく美麗な状態に重ね合わせることができる。なお、離型層4及び印刷層5は、厚みがポリウレタン系樹脂層3に比して薄い層であり、柔軟性を有しているので、成形品の表面に沿って円滑に追従する。
続いて、成形品の表面に重ね合わせた転写フィルムを必要に応じて加熱しながら成形品の表面に押圧して、印刷層5自身又は印刷層5の表面に形成した接着層の接着力によって成形品表面に印刷層5を転写一体化する。なお、印刷層5自身の接着力又は印刷層5の表面に形成した接着層の接着力が常温において発現しておらず、加熱によって接着力が発現するように構成されている場合には、印刷層5自身の接着力又は印刷層5の表面に形成した接着層の接着力が発現する温度となるように、転写フィルムを加熱する必要がある。
次に、転写フィルムからポリウレタン系樹脂層3と、必要に応じて離型層4とを成形品表面から剥離、除去することによって、成形品の表面に印刷層5を転写一体化して成形品の表面を印刷層によって装飾することができる。
離型層4は、用途に応じて成形品の表面に一体化させて印刷層5を保護する保護層としてよい。このように離型層4を印刷層5の保護層とすることによって成形品表面の印刷層を長期間に亘って美麗な状態に維持することができる。離型層4を印刷層5の保護層として用いる場合には、離型層4をポリウレタン系樹脂層3に対して剥離可能に積層させておき、印刷層5を成形品の表面に転写一体化させた後の状態において、離型層4の成形品表面に対する接着力が、離型層4のポリウレタン系樹脂層3に対する熱融着力よりも強くなるように調整する必要がある。この調整は、離型層4を構成している化合物と、ポリウレタン系樹脂層を構成しているポリウレタン系樹脂との組合せ、又は、離型層を構成している化合物と、成形品を構成している材質との組合せの何れか一方或いは双方を調整することによって行うことができる。
離型層4をポリウレタン系樹脂層3と共に成形品の表面から剥離、除去する場合には、離型層4はポリウレタン系樹脂層3上に積層一体化させておくか、又は、離型層4をポリウレタン系樹脂層3に対して剥離可能に積層させておき、印刷層5を成形品の表面に転写一体化させた後の状態において、離型層4の成形品表面に対する接着力が、離型層4のポリウレタン系樹脂層3に対する熱融着力よりも弱くなるように調整する必要がある。この調整は、離型層4を構成している化合物と、ポリウレタン系樹脂層を構成しているポリウレタン系樹脂との組合せ、又は、離型層を構成している化合物と、成形品を構成している材質との組合せの何れか一方或いは双方を調整することによって行うことができる。
本発明の転写印刷用積層フィルムは、上述の如き構成を有していることから、離型層上に汎用の印刷方法を用いて容易に印刷層を形成することができ、この印刷層を簡単な要領でもって成形品の表面に美麗な状態に転写一体化させて成形品の表面を容易に装飾することができる。
上記転写印刷用積層フィルムにおいて、ポリエチレン系樹脂層が低密度ポリエチレン層である場合には、低密度ポリエチレン層はポリウレタン系樹脂層とより適度な融着力でもって熱融着一体化されており、転写印刷用積層フィルムの使用前において、ポリウレタン系樹脂層と低密度ポリエチレン層とが不測に剥離するようなことがないと共に、使用時には、人の手によって、ポリウレタン系樹脂層と低密度ポリエチレン層との間においてより容易に剥離して分離することができ、転写印刷用積層フィルムは、よりすぐれた取扱い性を有している。
本発明の転写印刷用積層フィルムの一例を示した縦断面図である。 本発明の転写印刷用積層フィルムの離型層上に印刷層を形成した状態を示した縦断面図である。
次に本発明の実施例を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
エーテル系ポリウレタン系樹脂(DICバイエルポリマー社製 商品名「パンデックスT8185N」)を第一押出機に供給して溶融混練する一方、低密度ポリエチレン(東ソー社製 商品名「ペトロセン212」)を第二押出機に供給して220℃にて溶融混練し、第一押出機及び第二押出機を共に接続させている共押出ダイにエーテル系ポリウレタン系樹脂及び低密度ポリエチレンを供給して共押出して、厚みが60μmのエーテル系ポリウレタン系樹脂層の片面に、厚みが30μmの低密度ポリエチレン層が剥離可能に積層されてなる第一積層フィルムを得た。エーテル系ポリウレタン系樹脂層の表面張力は32dyneであった。なお、エーテル系ポリウレタン系樹脂には、添加剤としてポリアミド系滑剤及びアンチブロッキング剤が添加されていた。ポリアミド系滑剤は、エーテル系ポリウレタン系樹脂100重量部に対して0.5重量部含有されていた。アンチブロッキング剤は、エーテル系ポリウレタン系樹脂100重量部に対して0.5重量部含有されていた。
基材層として厚みが50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製 商品名「ポリエステルフィルムE5100」)を用意した。
イソシアネート系接着剤(日本曹達社製 商品名「チタボンド120」)とポリエステルポリオール系接着剤(日本曹達社製 商品名「チタボンド300」)を重量比8:1の比率で配合し、酢酸エチルで固形分7重量%まで希釈し押出ラミネート用接着剤を作製した。押出ラミネート用接着剤をポリエチレンテレフタレートフィルムの表面全面に塗布した。
第三押出機を用意し、この第三押出機に低密度ポリエチレンを供給して320℃にて溶融混練して、第三押出機からポリエチレン系樹脂フィルムを押出す一方、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと第一積層フィルムとを第一積層フィルムの低密度ポリエチレン層が二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの押出ラミネート用接着剤の塗布面に対向した状態となるように重ね合わせ、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと第一積層フィルムとの間に第三押出機から押出された溶融状態の低密度ポリエチレンフィルムを供給して、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと第一積層フィルムとを低密度ポリエチレンフィルムを介して積層一体化して第二積層フィルムを得た。
得られた第二積層フィルムのエーテル系ポリウレタン系樹脂層上にグラビヤ印刷によって離型剤(DICグラフィックス社製 商品名「TR79ニス」)を全面的に塗布して、エーテル系ポリウレタン系樹脂層上に離型層を積層一体化して転写印刷用積層フィルムを得た。なお、離型剤をエーテル系ポリウレタン系樹脂層上に塗布する際に、離型剤の塗布ムラが若干、生じたが、問題のない程度であった。
転写印刷用積層フィルムを所定大きさに裁断し、転写印刷用積層フィルムの基材層を吸引することによって転写印刷用積層フィルムを固定した後、転写印刷用積層フィルムの離型層上にスクリーンインキ(東洋インキ社製 商品名「SS」)を用いてスクリーン印刷によって4色柄印刷加工を施して印刷層を剥離可能に形成した。更に、加熱時に接着性を発現する酢酸ビニル系の接着剤(DICグラフィックス社製 商品名「TS90マットニス」)を印刷層上に塗布して接着層を積層一体化した。
次に、転写印刷用積層フィルムから、低密度ポリエチレン層及び基材層をエーテル系ポリウレタン系樹脂層と低密度ポリエチレン層との界面から剥離することによって除去して転写フィルムを得た。そして、曲面を有するABS樹脂製の成形品を用意し、この成形品の曲面に転写フィルムをその接着層が成形品に対向した状態となるように重ね合わせ、転写フィルムを曲面に沿って隙間なく沿わせた状態とした。
しかる後、転写フィルムを150℃に1分間に亘って加熱すると共に転写フィルムを成形品の表面に押圧し、更に、印刷層上の接着層の接着性を発現させ、接着層の接着力によって印刷層を成形品の表面に沿って接着一体化させた。転写フィルムを冷却した後に、エーテル系ポリウレタン系樹脂層及び離型層を印刷層から剥離除去して、成形品の表面に印刷層を転写一体化させた。
成形品の表面に転写一体化された印刷層を目視観察したところ、印刷層に若干の光沢ムラが生じていたものの、全体として優れた外観を呈していた。
(実施例2)
第一積層フィルムのエーテル系ポリウレタン系樹脂層の表面にコロナ放電処理を施したこと以外は実施例1と同様にして転写印刷用積層フィルムを得た。なお、コロナ放電処理を施した後のエーテル系ポリウレタン系樹脂層の表面張力は42dyneであった。第一積層フィルムのエーテル系ポリウレタン系樹脂層の表面に離型剤をムラなく塗布することができた。
実施例1と同様の要領で、転写印刷用積層フィルムの離型層上に印刷層を形成して成形品の表面に転写印刷用積層フィルムの印刷層を転写一体化させた。成形品の表面に転写一体化された印刷層を目視観察したところ、印刷層に光沢ムラは生じておらず、全体として優れた外観を呈していた。
(実施例3)
エーテル系ポリウレタン系樹脂(DICバイエルポリマー社製 商品名「パンデックスT8185N」)の代わりに、エーテル系ポリウレタン系樹脂(DICバイエルポリマー製 商品名「パンデックスT8185NV」)を用いたこと以外は実施例1と同様にして転写印刷用積層フィルムを得た。なお、第一積層フィルムのエーテル系ポリウレタン系樹脂層の表面張力は42dyneであった。エーテル系ポリウレタン系樹脂には、添加剤として滑剤及びアンチブロッキング剤は添加されていなかった。
実施例1と同様の要領で、転写印刷用積層フィルムの離型層上に印刷層を形成して成形品の表面に転写印刷用積層フィルムの印刷層を転写一体化させた。成形品の表面に転写一体化された印刷層を目視観察したところ、印刷層に光沢ムラは生じておらず、全体として優れた外観を呈していた。
(実施例4)
エーテル系ポリウレタン系樹脂(DICバイエルポリマー社製 商品名「パンデックスT8185N」)の代わりに、エーテル系ポリウレタン系樹脂(DICバイエルポリマー製 商品名「パンデックスT8185NV」)を用いたこと以外は実施例1と同様にして第二積層フィルムを得た。なお、第一積層フィルムのエーテル系ポリウレタン系樹脂層の表面張力は42dyneであった。エーテル系ポリウレタン系樹脂には、添加剤として滑剤及びアンチブロッキング剤は添加されていなかった。
離型剤(非架橋型熱可塑性アクリル樹脂、三菱レイヨン社製 商品名「ダイヤナールBR80」)を酢酸エチルで希釈して25重量%の離型剤溶液を作製した。上記第二積層フィルムのエーテル系ポリウレタン系樹脂層の全面にグラビヤ印刷によって離型剤溶液を乾燥後の固形分が2.0g/m2となるように塗布、乾燥させて、エーテル系ポリウレタン系樹脂層上に離型層を剥離可能に積層して転写印刷用積層フィルムを得た。
転写印刷用積層フィルムの離型層上にグラビヤインキ(DICグラフィックス社製 商品名「ユニビア」)を用いてグラビヤ印刷によって4色柄印刷加工を施して印刷層を形成した。更に、加熱時に接着性を発現する酢酸ビニル系の接着剤(DICグラフィックス社製 商品名「TS90マットニス」)を印刷層上に塗布して接着層を積層一体化した。
次に、転写印刷用積層フィルムから、低密度ポリエチレン層及び基材層をエーテル系ポリウレタン系樹脂層と低密度ポリエチレン層との界面から剥離することによって除去して転写フィルムを得た。そして、曲面を有するABS樹脂製の成形品を用意し、この成形品の曲面に転写フィルムをその接着層が成形品に対向した状態となるように重ね合わせ、転写フィルムを曲面に沿って隙間なく沿わせた状態とした。
しかる後、転写フィルムを150℃に1分間に亘って加熱すると共に転写フィルムを成形品の表面に押圧し、更に、印刷層上の接着層の接着性を発現させ、接着層の接着力によって印刷層を成形品の表面に沿って接着一体化させた。転写フィルムを冷却した後に、エーテル系ポリウレタン系樹脂層のみを印刷層から剥離除去して、成形品の表面に印刷層及び離型層を転写一体化させた。離型層は、印刷層の保護層であった。
成形品の表面に転写一体化された印刷層を目視観察したところ、印刷層に若干の光沢ムラが生じていたものの、全体として優れた外観を呈していた。
(比較例1)
エーテル系ポリウレタン系樹脂(DICバイエルポリマー社製 商品名「パンデックスT8185N」)を第一押出機に供給して溶融混練する一方、低密度ポリエチレン(東ソー社製 商品名「ペトロセン212」)を第二押出機に供給して溶融混練し、第一押出機及び第二押出機を共に接続させている共押出ダイにエーテル系ポリウレタン系樹脂及び低密度ポリエチレンを供給して共押出して、厚みが60μmのエーテル系ポリウレタン系樹脂層の片面に、厚みが30μmの低密度ポリエチレン層が剥離可能に積層されてなる第一積層フィルムを得た。第一積層フィルムのエーテル系ポリウレタン系樹脂層の表面張力は32dyneであった。なお、エーテル系ポリウレタン系樹脂には、添加剤としてポリアミド系滑剤が添加されていた。
得られた第一積層フィルムのエーテル系ポリウレタン系樹脂層上にグラビヤ印刷によって離型剤(DICグラフィックス社製 商品名「TR79ニス」)を塗布して、エーテル系ポリウレタン系樹脂層上に離型層を積層一体化して転写印刷用積層フィルムを得た。なお、離型剤をエーテル系ポリウレタン系樹脂層上に塗布する際に、離型剤の塗布ムラが若干、生じたが、問題のない程度であった。
転写印刷用積層フィルムを所定大きさに裁断し、転写印刷用積層フィルムの離型層上にスクリーン印刷によって印刷層を形成するために、転写印刷用積層フィルムのエーテル系ポリウレタン系樹脂層を吸引することによって転写印刷用積層フィルムを固定しようとしたが、転写印刷用積層フィルムが吸引力によって変形してしまい、転写印刷用積層フィルムの離型層上にスクリーン印刷によって印刷層を形成することができなかった。
又、転写印刷用積層フィルムの離型層上に転写印刷用積層フィルムの変形にかかわらずスクリーン印刷によって印刷層を形成したが、転写印刷用積層フィルムのエーテル系ポリウレタン系樹脂層の吸引を停止すると、転写印刷用積層フィルムが湾曲(カール)してしまい、転写印刷用積層フィルムを用いて成形品の表面に印刷層を転写させることはできなかった。
1 基材層
2 ポリエチレン系樹脂層
3 ポリウレタン系樹脂層
4 離型層
5 印刷層
A 転写印刷用積層フィルム

Claims (2)

  1. 成形品の表面に印刷層を転写一体化させるための転写印刷用積層フィルムであって、基材層と、この基材層上に積層一体化されたポリエチレン系樹脂層と、このポリエチレン系樹脂層上に剥離可能に積層一体化されたエーテル系ポリウレタン系樹脂層と、このエーテル系ポリウレタン系樹脂層上に積層され且つ表面に上記印刷層が印刷によって形成されている離型層とを含むことを特徴とする転写印刷用積層フィルム。
  2. ポリエチレン系樹脂層が低密度ポリエチレン層であることを特徴とする請求項1に記載の転写印刷用積層フィルム。
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