JP2010150451A - 粘着フィルム - Google Patents

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潤一 黒木
Takayuki Ueki
貴之 植木
Izumi Yagi
泉 八木
Kozo Mita
浩三 三田
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Abstract

【課題】
表面が平滑な被着体に対しても、適度な粘着強度と安定した剥離性を有し、粘着強度の経時変化が少なく、使用後には容易に剥離できる粘着フィルムを提供する。
【解決手段】
基材層11が低密度ポリエチレン樹脂からなり、粘着層19がプロピレン成分含有量40〜99.8モル%、エチレン成分含有量0.1〜30モル%及びα−オレフィン成分含有量0.1〜30モル%を含み、かつ、示差走査熱量分析で測定される融点が120℃未満または融点が観測されない軟質プロピレン重合体、並びにメタロセン系触媒の存在下で製造された密度0.88〜0.91のエチレン・α−オレフィン共重合体とからなる粘着フィルムで、軟質プロピレン重合体:エチレン・α−オレフィン共重合体=20〜40:60〜80の質量配合比で、粘着層19の粘着強度が0.05〜0.7N/25mmの範囲内であり、巻き戻し力が0.1N/25mm未満であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、粘着フィルムに関し、さらに詳しくは、金属、ガラス、プラスチックなどの成形品、加工品、塗装物等、特に表面粗度の低い被着面に対しても良好な密着性で粘着させることで、被着面の傷や汚れを防護し、使用時には容易に剥離することができる粘着フィルムに関するものである。
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。また、「EVA」は「エチレン−酢酸ビニル共重合体」及び「LDPE」は「低密度ポリエチレン」の略語、機能的表現、通称、又は業界用語である。
(主なる用途)本発明の粘着フィルムの主なる用途としては、建材、日用品、ステーショナリー、家電製品、自動車、各種ディスプレーなどの製品や部材の表面に粘着させて、、運搬、保管、加工等の塗装面の傷や汚れを防護し、使用時には剥離することができるものである。しかしながら、被着面に対しても良好な密着性で粘着でき、運搬、保管、加工等の塗装面の傷や汚れを防護し、使用後には剥離する用途であれば、特に限定されるものではない。
(背景技術)表面に装飾や艶を有する被着体では、使用時まで表面を防護するために粘着フィルムが仮着され、運搬や保管などの後、粘着フィルムを剥離して使用される。例えば、合成樹脂板、金属板、化粧合板や、各種銘板などの様々な被着体がある。
このために、粘着フィルムには、被着体表面に対する適度の粘着性、表面を傷付けない程度の柔軟性、耐食性および環境に対する抵抗性を必要とする。また、粘着フィルムは大量に消費され、使用後は剥離されて廃棄されるので安価に製造でき、かつ、使用後に焼却処理しても環境負荷の低いことも要求される。さらに、これらの物性が経時や温度によって変化が少なく、被着体の加工時にも伸び、スクラッチ、機械的強度、耐熱性も必要である。さらにまた、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂からなる基材層と、EVAよりなる粘着剤層からなる粘着フィルムや、粘着層をスチレン系ブロック共重合体若しくはその水添物のようなエラストマーとした粘着フィルムが知られている。これらの粘着フィルムは、高温保存下においてその粘着強度が上昇(粘着亢進ともいう)し、剥離が困難となる場合があった。
従来、被着体には、意匠性などが付与された場合や、表面に凹凸がある場合や、また汚れ防止加工処理が施されている場合が多く、プラスチックフィルムに粘着剤を塗布した粘着フィルムを用いるのが一般的である。また、粘着フィルムは通常、数百〜数千mの長さをロール状に巻き上げた巻取状態で製造され、後加工、保管、流通されるる。この粘着フィルムを巻取状からの巻き戻す際の巻き戻し力が大きいと、基材層と隣接する粘着層の間で密着しブロッキング現象を起こし、巻き戻しにくく、甚だしい場合には粘着層が接する基材層側の表面に移行し残存したり、粘着フィルムが破断してしまう。巻き戻し力は使用時の繰り出し性の指標でもあり、容易に繰り出せる巻き戻し力とする必要がある。
従って、粘着フィルムは、製造や後加工では巻き戻し易く、使用時には容易に繰り出せる巻き戻し力で、被着体へ貼着されての屋外暴露や高温保存下においては、その粘着強度が経時変化によって上昇し、剥離が困難となる場合があった。特に、表面が平滑な被着体に対して適度な粘着強度と安定した剥離性を有し、強度の経時変化の少なく、使用後には容易に剥離できる粘着フィルムが求められている。
(先行技術)従来、適度な粘着強度(剥離強度)と剥離時に剥離速度を変えても安定した剥離強度を有し(剥離速度依存性が少ない)、粘着強度の経時変化の少ない粘着フィルムとしては、非晶性オレフィン共重合体(a);20〜80質量部、結晶性オレフィン系重合体(b);3〜30質量部およびスチレン系ブロックまたは結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体(c);10〜50質量部〔(a)(b)および(c)の合計で100質量部とする〕からなる粘着層を有し、当該粘着層の表面がRa=4.5μmのメタクリル樹脂の製樹脂板からなる被着面に対する粘着強度が450〜800N/50mmであるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、初期接着性および屋外暴露後や高温保存後における経時においても剥離性を満足しうる良好な接着性を有し、屋外暴露後や高温保存後における剥離性にも優れ、かつ良好な応力緩和性を有する粘着剤層を形成しうる粘着剤からなる粘着剤層が、基材の少なくとも片面に形成されている粘着シートとしては、(A)プロピレン、炭素数4〜12のα−オレフィンおよびエチレンを共重合成分として含むプロピレン系共重合体、ならびに、(B)エチレン−酢酸ビニル共重合体、結晶性オレフィンブロックを有するC−B−C型熱可塑性エラストマーの水素添加物、ホモポリプロピレン、エチレン/α−オレフィン二元共重合体、プロピレン/α−オレフィン二元共重合体、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンおよび線状(リニア)低密度ポリエチレンから選択されるいずれか少なくとも1種以上の樹脂、を含有してなる粘着剤を用いることが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、高剛性で耐熱性が高く、このため高温使用時のフィルムのしわや縮みがなく、かつ巻戻時のブロッキング力が小さく、しかも初期粘着力が高く貼付後の粘着強度の経時変化が小さい低コストの表面保護フィルムとしては、基材層の片側に表面層、反対側に粘着層が積層されたフィルムとしてロール状に巻かれて製品とされ、使用に際して巻戻し、粘着層の粘着力により被着体に貼着され、かつ剥離が可能な表面保護フィルムであって、基材層がポリプロピレンを主成分とする樹脂からなり、表面層がポリエチレンを主成分とする樹脂からなり、粘着層が炭素数2〜12のα−オレフィンの共重合体を主成分とする粘着材からなるフィルムの巻戻力が200g/25mm以下である表面保護フィルムが知られている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、特許文献1〜3の基材層及び粘着層の組成と本願発明は異なり、また、特許文献1〜3でも、屋内屋外暴露や高温保存下においる粘着強度の経時変化による上昇があり、剥離が困難となる恐れがあるという問題点がある。
特開2007−76127号公報 特開2002−226814号公報 特開平11−21519号公報
そこで、本発明は上記のような問題点を解消するために、本発明者らは鋭意研究を進め、本発明の完成に至ったものである。その目的は、製造や後加工では巻き戻し易く、使用時には容易に繰り出せる巻き戻し力で、表面が平滑な被着体に対しても密着性よく貼着されて、屋外暴露や高温保存下においても、適度な粘着強度と安定した剥離性を有し、粘着強度の経時変化の少なく、使用後には容易に剥離できる粘着フィルムを提供することである。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係わる粘着フィルムは、基材層及び粘着層からなる粘着フィルムにおいて、前記基材層が低密度ポリエチレンであり、前記粘着層がプロピレン成分含有量40〜99.8モル%、エチレン成分含有量0.1〜30モル%及びα−オレフィン成分含有量0.1〜30モル%を含み、かつ、示差走査熱量分析で測定される融点が120℃未満または融点が観測されない軟質プロピレン重合体、並びにメタロセン系触媒の存在下で製造された密度0.88〜0.91のエチレン・α−オレフィン共重合体とからなり、前記軟質プロピレン重合体と前記エチレン・α−オレフィン共重合体の質量基準での配合比が、前記軟質プロピレン重合体:前記エチレン・α−オレフィン共重合体=20〜40:60〜80であり、前記粘着層の厚みが前記粘着フィルム総厚みの10〜30%であり、前記粘着層のメタクリル樹脂板に対する粘着強度が0.05〜0.7N/25mmの範囲内であり、巻き戻し力が0.1N/25mm未満であるように、したものである。
請求項2の発明に係わる粘着フィルムは、上記基材層が中間層と背面層からなり、前記中間層が上記基材層総厚みの50%以上の厚みを占め、かつ、中間層に着色剤が添加され、インフレーション法による作成されるように、したものである。
請求項1の本発明によれば、製造や後加工では巻き戻し易く、使用時には容易に繰り出せる巻き戻し力で、表面が平滑な被着体に対しても密着性よく貼着されて、屋外暴露や高温保存下においても、適度な粘着強度と安定した剥離性を有し、粘着強度の経時変化の少なく、使用後には容易に剥離できる粘着フィルムが提供される。
請求項2の本発明によれば、請求項1の効果に加えて、より低温度で成膜できるので、材料の架橋や酸化が抑制されて、フィッシュアイなどを少なくより外観のよい。また、成膜と同時に着色できるので、製造コストが抑えられ、中間層を着色することで、他への色移りがなく、かつ、被着体への貼り忘れや、使用時の剥離忘れを防止することができる粘着フィルムが提供される。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施例を示す粘着フィルムの断面図である。
図2は、本発明の1実施例を示す粘着フィルムの断面図である。
(粘着フィルム)本発明の粘着フィルム10は、図1に示すように、粘着層19及び基材層11からなる。粘着層19はプロピレン成分含有量40〜99.8モル%、エチレン成分含有量0.1〜30モル%、α−オレフィン成分含有量0.1〜30モル%を含み、かつ、示差走査熱量分析で測定される融点が120℃未満または融点が観測されない軟質プロピレン重合体、及びメタロセン系触媒の存在下で製造された密度0.88〜0.91のエチレン・α−オレフィン共重合体とからなる。粘着層19の軟質プロピレン重合体とエチレン・α−オレフィン共重合体の質量基準での配合比を、軟質プロピレン重合体:エチレン・α−オレフィン共重合体=20〜40:60〜80とする。粘着層19の厚みは粘着フィルム10総厚みの10〜30%とし、粘着層19のメタクリル樹脂板に対する粘着強度が0.05〜0.7N/25mmの範囲内とし、かつ、巻き戻し力が0.1N/25mm未満とする。
(基材層)基材層11としてはLDPE(低密度ポリエチレン樹脂)を用いる。また、基材層11としては、図2に示すように、複数層としてもよく、例えば、背面層21と中間層23の2層としてもよい。好ましくは、中間層23の厚みを基材層11厚さの50%以上を占めさせ、該中間層23に着色剤が添加することで、成膜と同時に着色できるので、一石二鳥である。また、中間層を着色することで、粘着フィルム10の貼り忘れや、剥離を忘れるのを防止することができる。背面層21はLDPEで、中間層23はLDPEを主成分とし、着色剤などを添加すればよい。
(粘着層)粘着層19はプロピレン成分含有量40〜99.8モル%、エチレン成分含有量0.1〜30モル%、α−オレフィン成分含有量0.1〜30モル%を含み、かつ、示差走査熱量分析で測定される融点が120℃未満または融点が観測されない軟質プロピレン重合体、及びメタロセン系触媒の存在下で製造された密度0.88〜0.91のエチレン・α−オレフィン共重合体とからなる。
(軟質プロピレン重合体)軟質プロピレン重合体としては、示差走査熱量分析で測定される融点が120℃未満または融点が観測されない。ここで融点が観測されないとは、−40℃〜200℃の範囲において、結晶融解熱量が1J/g以上の結晶融解ピークが観測されないことをいう。また軟質プロピレン重合体は、プロピレン由来の構成単位を40〜99.8モル%、エチレン由来の構成単位を0.1〜30モル%、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位を0.1〜30モル%の量で含むことができる(ここでプロピレンとエチレンと炭素数4〜20のαオレフィンの合計を100モル%とする)。
より好ましくは、プロピレン由来の構成単位が60〜80モル%、エチレン由来の構成単位が12〜23モル%、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位が0.1〜20モル%の範囲である。このように、プロピレン、エチレン、炭素数4〜20のα−オレフィン成分の成分含有量とすることで、軟質プロピレン重合体は柔軟性、耐圧縮歪性、及び耐熱性が良好で、高温保存下における粘着亢進の防止に寄与すると考えられる。なお、軟質プロピレン重合体は、アイソタクティックポリプロピレン製造用のメタロセン触媒を用いて製造することができ、例として三井化学社のノティオが上梓されており、グレードを適宜選択して1種又はブレンドして用いることができる。
(エチレン・α−オレフィン共重合体)本発明に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体としては、メタロセン触媒の存在下で製造されたエチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンとの共重合体で、密度0.88〜0.91の範囲のものを好適に利用できる。
密度が0.88を下回ると巻き戻し力が強くなり、密度が0.91を超えると粘着力が不足するので好ましくない。このようなエチレン・α−オレフィン共重合体としては、ダウ・ケミカル社のアフニティ、日本ポリエチレン社のカーネル、宇部興産のユメリット等が市販されており、それらを単独で、又はブレンドして用いることができる。
本発明においては、軟質ポリプロピレン重合体20〜40重量%をエチレン−αオレフィン共重合体60〜80重量%に添加した粘着層とし、当該粘着層と低密度ポリエチレンよりなる基材層を積層することで、平滑なメタクリル樹脂面に対する粘着強度を0.1〜0.6Nの範囲内で安定化させることができ、巻き戻し力も0.1N/25mm未満の粘着フィルムを得ることができる。また、このような粘着層組成とすることで、高温保存下における粘着亢進を防止することができる。
(厚さ)本発明の粘着フィルム10は、基本的には粘着層19/基材層11の2層構成からなるフィルムで、厚みは40μm〜80μmの範囲が好適である。40μ未満では、貼合時及び剥離時の剛性が不足し、80μmを超えるとコスト高となり好ましくない。粘着層の厚みとしては、全体厚みの10〜30%の範囲内が好ましい。粘着層19の厚みが全体厚みの10%未満の場合、粘着層19の厚みのばらつきにより部分的に粘着強度の強弱を生じる可能性があり、好ましくない。また、全体の30%を超えると、フィルムの剛性が不足するため好ましくない。
(製造)なお、本発明の粘着フィルム10は、インフレーション法による製膜が好ましい。一般的にTダイ法はインフレーション法よりも製膜温度が高めとなるため、粘着層及び基材層に用いる軟質プロピレン重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、及び低密度ポリエチレンの分解が促進される場合があり、フィッシュアイの原因となり、好ましくない。
(粘着力)初期粘着力、及び高温保存下における粘着亢進の程度を測定する保存後の粘着力について説明する。
(初期粘着力)厚み3mmのアクリル板(メタクリル板)及び180μのポリエステルシート(東洋紡A4100、PET)に、粘着フィルム10をJIS−Z−0237に規定されたゴムロール(重さ2kg、幅45mm、ロール径95mm、ゴム硬度80±5Hs)を用い、1往復圧着し、1時間後の剥離強度を300mm/minの引張り速度で測定し、初期粘着力とする。初期粘着力としては、表面が平滑な被着体に対しても密着性よく貼着するために、粘着層19のメタクリル樹脂板に対する粘着強度で0.05〜0.7N/25mmの範囲内とする。
(粘着力の経時変化)従来の粘着層がEVA、スチレン系ブロック共重合体若しくはその水添物のようなエラストマーからなる粘着フィルムでは、高温下や長期間の保存において経時変化し、粘着力が上昇する粘着亢進が発生して、剥離する際に被着体からの剥離が困難となったり、剥離後の被着体の表面に粘着剤が残ったりすることが多かった。このために、初期粘着力、及び高温下や長期間の保存においても、粘着力の経時変化が少なく、平滑なメタクリル樹脂板に対する粘着強度が0.05〜0.7N/25mmの範囲内とすることが好ましい。
(保存後の粘着力)初期粘着力の測定と同様に圧着し、アクリル板(メタクリル板)及びPETシートに貼り付けた状態で、23℃×7日間及び50℃×7日間保存し、保存後の剥離強度を測定した。なお、50℃×7日保存のものは、23℃で1時間冷却した後、剥離強度を300mm/minの引張り速度で測定した。保存後の粘着力としては、屋外暴露や高温保存下においても、適度な粘着強度と安定した剥離性を担保し、粘着強度の経時変化の少なく、使用後には容易に剥離できるように、メタクリル樹脂板に対する粘着強度で0.05〜0.7N/25mmの範囲内が好ましい。
(巻き戻し力) 粘着フィルム10は、通常、ロール状に巻き取っておき、再度巻き戻して使用する。巻き戻する時に、巻き戻し力がが増加してしまうと、使用時に巻き戻ししにくく、即ち、使用時の繰り出にくく、取扱い性が悪く、著しい場合には粘着フィルムが破断してしまう。粘着フィルム10から25mm幅で2枚ずつ切り出して、該2枚の1枚目の背面層11と2枚目の粘着層19とを重ねて、JIS−Z−0237粘着テープ・粘着シート試験方法に準拠した試験方法にて、180°剥離の剥離強度を300mm/分の引張り速度で測定して、背面層11と粘着層19との巻き戻し力とした。巻き戻し力は使用時の繰り出し性の指標である。容易に繰り出せる巻き戻し力としては、0.1N/25mm未満とする。ただし、上記の方法を用いなくても、巻き取りからフィルムが10枚以上重なった状態で切り出し、25mm幅の短冊状にカットして、粘着フィルムの粘着力層面と隣接する粘着フィルムの基材層との剥離強度を300mm/minの引張り速度で測定することで、巻き戻し力とすることができる。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。なお、溶媒を除き、各層の各組成物は固形分換算の質量部である。
(実施例1)65mmφ押出機、90mmφ押出機、65mmφ押出機を用いて、下記の粘着層19、中間層23及び背面層21を押出し、多層インフレーション法により、粘着層19、中間層23及び背面層21の厚さを下記のようにして、全体厚みが50μの実施例1の粘着フィルム10を得た。
・粘着層10μ(65mmφ押出機)
三井化学 ノティオPN2060 30部
宇部興産 ユメリット0540F(密度0.904) 70部
・中間層30μ(90mmφ押出機)
住友化学 F425P(LDPE) 100部
・背面層10μ(65mmφ押出機)
住友化学 F425P 100部
(実施例2)下記の粘着層19、中間層23及び背面層21を用い、それぞれ下記の厚さとする以外は、実施例1と同様にして、実施例2の粘着フィルム10を得た。
・粘着層7μ(65mmφ押出機)
三井化学 ノティオPN2060 30部
宇部興産 ユメリット0540F(密度0.904) 70部
・中間層30μ(90mmφ押出機)
住友化学 F425P 100部
・背面層13μ(65mmφ押出機)
住友化学 F425P 100部
(実施例3)下記の粘着層19、中間層23及び背面層21を用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例3の粘着フィルム10を得た。
・粘着層10μ(65mmφ押出機)
三井化学 ノティオPN0040 30部
日本ポリエチレン カーネルKF360T(密度0.898) 70部
・中間層30μ(90mmφ押出機)
三菱化学 LF547(LDPE) 100部
・背面層10μ(65mmφ押出機)
三菱化学 LF547 100部
(実施例4)下記の粘着層19、中間層23及び背面層21を用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例4の粘着フィルム10を得た。
・粘着層10μ(65mmφ押出機)
三井化学 ノティオPN2060 30部
宇部興産 ユメリット0540F(密度0.904) 70部
・中間層30μ(90mmφ押出機)
住友化学 F425P 97部
大日精化 PE−M E7608(ライトブルー着色剤) 3部
・背面層10μ(65mmφ押出機)
住友化学 F425P 100部
(比較例1)下記の粘着層19、中間層23及び背面層21を用いる以外は、実施例1と同様にして、比較例1の粘着フィルム10を得た。
・粘着層10μ(65mmφ押出機)
三井デュポン V5714(VA16%のEVA) 100部
・中間層30μ(90mmφ押出機)
住友化学 F425P 100部
・背面層10μ(65mmφ押出機)
住友化学 F425P 100部
(比較例2)下記の粘着層19、中間層23及び背面層21を用い、それぞれ下記の厚さとする以外は、実施例1と同様にして、比較例2の粘着フィルム10を得た。
・粘着層7μ(65mmφ押出機)
日本ポリエチレン カーネルKF360T(密度0.898) 90部
クレイトンポリマー クレイトンMD6649 10部
・中間層30μ(90mmφ押出機)
住友化学 F425P 100部
・背面層13μ(65mmφ押出機)
住友化学 F425P 100部
(比較例3)下記の粘着層19、中間層23及び背面層21を用い、それぞれ下記の 厚さとする以外は、実施例1と同様にして、比較例3の粘着フィルム10を得た。
・粘着層10μ(65mmφ押出機)
宇部興産 ユメリット1540F(密度0.913) 100部
・中間層30μ(90mmφ押出機)
三菱化学 LF547 100部
・背面層10μ(65mmφ押出機)
三菱化学 LF547 100部
(評価方法)評価は、初期粘着力、保存後の粘着力、巻き戻し力で行った。
(初期粘着力;試験方法)厚み3mmのアクリル板(メタクリル板)及び180μのポリエステルシート(東洋紡A4100、PET)に、実施例1〜4及び比較例1〜3の粘着フィルム10をJIS−Z−0237に規定されたゴムロール(重さ2kg、幅45mm、ロール径95mm、ゴム硬度80±5Hs)を用い、1往復圧着し、1時間後の剥離強度を300mm/minの引張り速度で測定し、初期粘着力とした。
(保存後の粘着力;試験方法)上記の初期粘着力;試験方法で得られた実施例1〜4及び比較例1〜3の粘着フィルム10を、アクリル板(メタクリル板)及びPETシートに貼り付けた状態で、23℃×7日間及び50℃×7日間保存し、保存後の剥離強度を測定した。なお、50℃×7日保存のものは、23℃で1時間冷却した後、剥離強度を300mm/minの引張り速度で測定した。ここで、下記のA、B、C値のいずれかが0.25N/25mmを超える場合は、粘着安定性が悪いと判断し、すべて0.25N/25mm以下の場合は粘着安定性良好と判断した。
A=(23℃×7日間保存後の粘着力−初期粘着力)の絶対値
B=(50℃×7日間保存後の粘着力−初期粘着力)の絶対値
C=(50℃×7日間保存後の粘着力−23℃×7日間保存後の粘着力)の絶対値
(巻き戻し力)実施例1〜4及び比較例1〜3の粘着フィルム10のそれぞれの巻き取りをフィルムが10枚以上重なった状態で切り出し、25mm幅の短冊状にカットして、粘着フィルムの粘着力層面と隣接する粘着フィルムの基材層との剥離強度を300mm/minの引張り速度で測定し、巻き戻し力とした。初期粘着力、保存後の粘着力、巻き戻し力のそれぞれの結果を表1に示す。
Figure 2010150451
(評価結果)実施例1〜4では、初期粘着力も範囲内であり、23℃及び50℃での7日間の保存後でも、初期粘着力からの増減は、対アクリル板及びPETシートにおいても少なく範囲内である。巻き戻し力は0.03〜0.04と良好に作業することができた。なお、実施例4では、淡いブルー色に着色されていた。
比較例1では、23℃での7日間の保存後では、初期粘着力からの増加が小さいが、50℃での7日間の保存後では増加が大きく、保管条件により剥離が困難となる場合があると考えられた。巻き戻し力は0.04と作業することができる範囲であった。
比較例2では、初期粘着力も大きく、また、23℃での7日間の保存後では、初期粘着力からのやや増加し、50℃での7日間の保存後では大きく増加した。巻き戻し力は0.18と作業はできるが、機械への負荷や効率が著しく低下する。
比較例3では、初期粘着力、及び保存ごの粘着力も低く、アクリル板及びPETシートへ粘着しにくく、粘着フィルムとして機能しなかった。
以上の結果より明らかなように、本発明の粘着フィルム10は、剥離性、巻き戻し性、保存性ともに良好であり、産業上寄与すること大である。
本発明の1実施例を示す粘着フィルムの断面図である。 本発明の1実施例を示す粘着フィルムの断面図である。
符号の説明
10:粘着フィルム
11:基材層
19:粘着層
21:背面層
23:中間層

Claims (2)

  1. 基材層及び粘着層からなる粘着フィルムにおいて、前記基材層が低密度ポリエチレンであり、前記粘着層がプロピレン成分含有量40〜99.8モル%、エチレン成分含有量0.1〜30モル%及びα−オレフィン成分含有量0.1〜30モル%を含み、かつ、示差走査熱量分析で測定される融点が120℃未満または融点が観測されない軟質プロピレン重合体、並びにメタロセン系触媒の存在下で製造された密度0.88〜0.91のエチレン・α−オレフィン共重合体とからなり、前記軟質プロピレン重合体と前記エチレン・α−オレフィン共重合体の質量基準での配合比が、前記軟質プロピレン重合体:前記エチレン・α−オレフィン共重合体=20〜40:60〜80であり、前記粘着層の厚みが前記粘着フィルム総厚みの10〜30%であり、前記粘着層のメタクリル樹脂板に対する粘着強度が0.05〜0.7N/25mmの範囲内であり、巻き戻し力が0.1N/25mm未満であることを特徴とする粘着フィルム。
  2. 上記基材層が中間層と背面層からなり、前記中間層が上記基材層総厚みの50%以上の厚みを占め、かつ、中間層に着色剤が添加され、インフレーション法による作成されることを特徴とする請求項1に記載の粘着フィルム。
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