JP5825414B2 - アミン誘導体及び有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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Description

本発明は、ベンゾフルオレン基が置換した新規なアミン誘導体、並びにその誘導体を利用した有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子に関するものである。本発明における新規なベンゾフルオレン誘導体は、感光材料、有機光導電材料として使用でき、具体的には、平面光源や表示に使用される有機EL素子若しくは電子写真感光体等の正孔輸送材料、正孔注入材料及び発光材料として有用である。
有機EL素子は、次世代の薄型平面ディスプレイとして現在盛んに研究されており、一部では携帯電話のサブディスプレイ等への実用化も始まっている。一般に有機EL素子は、陽極と陰極との間に、正孔輸送材料、発光材料及び電子輸送材料を積層させた構造であるが、現在では上述した低消費電力化、さらには長寿命化を達成させるため、正孔注入材料を陽極と正孔輸送材料との間に、電子注入材料を陰極と電子輸送材料との間に挿入した構造が主流となっている。
正孔輸送材料としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)、N,N,N’,N’−テトラ((1,1’−ビフェニル)−4−イル)ベンジジン(TBDB)等のジアミン構造を有するトリアリールアミン誘導体が報告されている(例えば、非特許文献1,2参照)が、近年では、さらに有機EL素子の高効率化と長寿命化のための新しい材料開発が求められている。
一方、ベンゾフルオレン骨格を有する有機エレクトロルミネッセンス材料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、ベンゾフルオレン基に直接アミノ基が結合した化合物の記載はなく、さらに、特にベンゾフルオレン基を有するポリマー材料が発光材料として有用であるとの記載はあるが、正孔輸送材及び正孔注入材として有用であるとの記載はない。
また、アミン化合物がベンゾフルオレン基を有する化合物として、種々の構造の組合せが例示されてはいる(例えば、特許文献2,3参照)ものの、有機EL素子を真空蒸着法により製造する際に大切な加工特性に関しては何ら言及されていなかった。
国際公開第2004/61048号パンフレット(特許請求の範囲) 特開2008−50337公報(特許請求の範囲) 特開2008−201769公報(特許請求の範囲)
「アドバンスド・マテリアルズ(Advanced Materials)」,(ドイツ国),1998年,第10巻,第14号,p1108−1112(図1、表1) 「ジャーナル・オブ・ルミネッセンス(Journal of Luminescence)」,(オランダ国),1997年,72−74,p985−991(図1)
本発明の目的は、従来材料以上に高い効率と耐久性を有し、真空蒸着法等による成形に有用な新規な有機EL用材料を提供することにある。さらに詳しくは、有機EL素子等の正孔注入材料、正孔輸送材料及び発光材料に適した特定のベンゾフルオレン基が置換した新規アミン誘導体を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、一般式(1)で表される特定のアミン誘導体が、高効率及び長寿命化の面で、従来報告されている化合物よりも非常に優れており、また、有機EL素子作製の際の加工耐久性に優れていることを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち本発明は、一般式(1)で表され、分解温度(℃)−昇華温度(℃)の値が30℃以上であるアミン誘導体及びその用途に関するものである。
Figure 0005825414
(式中、R,Rはそれぞれ同一または異なっていても良く、置換基を有していても良い炭素数6〜40のアリール基、または置換基を有していても良い炭素数5〜40のヘテロアリール基を表す。R,Rはそれぞれ同一または異なっていても良く、水素原子、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルコキシ基、置換基を有していても良い炭素数6〜40のアリール基、または置換基を有していても良い炭素数5〜40のヘテロアリール基を表す。)
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の一般式(1)で表されるアミン誘導体は新規化合物であり、一般式(1)において、R,Rは各々独立して置換基を有していても良い炭素数6〜40のアリール基、または置換基を有していても良い炭素数5〜40のヘテロアリール基を表す。
炭素数6〜40のアリール基としては、具体的には、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、フルオレニル基、フェナントリル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ピセニル基、べンゾ[a]フルオレニル基、べンゾ[b]フルオレニル基、べンゾ[c]フルオレニル基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。なお、これらアリール基は置換基を有していても良い。また、真空蒸着法による成形安定性を考慮すると炭素数6〜18のアリール基が好ましい。
また、炭素数5〜40のヘテロアリール基は、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも一つのヘテロ原子を含有する芳香環基であり、例えば、キノリル基、ピリジル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイミダゾリル基等の複素環基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。なお、これらヘテロアリール基についても、前述したアリール基と同様に置換基を有していても良い。また、真空蒸着法による成形安定性を考慮すると炭素数5〜18のヘテロアリール基が好ましい。
上記一般式(1)で表されるアミン誘導体中のR,Rは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルコキシ基、置換基を有していても良い炭素数6〜40のアリール基、または置換基を有していても良い炭素数5〜40のヘテロアリール基を表す。
炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、1,3−シクロヘキサジエニル基、2−シクロペンテン−1−イル基等を挙げることができる。なお、真空蒸着法による成形安定性を考慮すると炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルコキシ基としては、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ステアリルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等を挙げることができる。なお、真空蒸着法による成形安定性を考慮すると炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。
また、炭素数6〜40のアリール基、または炭素数5〜40のヘテロアリール基としては、前述したR,R基と同じ基から選択することができる。なお、真空蒸着法による成形安定性を考慮すると炭素数6〜18のアリール基または炭素数5〜18のヘテロアリール基が好ましい。
以下に好ましい化合物を例示するが、これらの化合物に限定されるものではない。
Figure 0005825414
Figure 0005825414
本発明の一般式(1)で表されるアミン誘導体は、例えば、公知の方法によって合成することができる(例えば、非特許文献3参照)。
Tetrahedron Letters(テトラヘドロンレターズ),1998年,第39巻,2367頁(アミノ化反応) より詳細な合成方法としては、一般式(2)で表されるハロベンゾフルオレン誘導体(式中、Xはハロゲン原子を表す。)と、一般式(3)で表される2級アミンをアミノ化反応させる方法が例示される。
Figure 0005825414
合成したアミン誘導体は、クロマトグラフィー、再結晶及び昇華精製等の精製操作を行うことによって、純度99.9%以上で得ることができる。特に高純度品が要求される場合には、昇華精製を用いることが好ましいが、化合物の昇華温度と分解温度が近いと昇華精製中に化合物自体の分解も進んでしまうため、高純度品を得ることが困難になる。また、化合物を真空蒸着法により有機EL素子の薄膜層として形成させる場合にも、化合物の分解を抑えるためには、ある程度昇華温度と分解温度とが離れている必要があり、分解温度(℃)−昇華温度(℃)の値が30℃以上であることが好ましく、安定な昇華精製を行えることから50℃以上であることがさらに好ましい。
本発明のアミン誘導体は、LUMO(eV)−HOMO(eV)の値が3.0以上であることが好ましい。ここで、HOMO及びLUMOとは、フロンティア軌道理論において、電子によって占有されている分子軌道のうち最もエネルギー準位の高い軌道(最高被占軌道、Highest Occupied Molecular Orbital、HOMOと略す)と、電子によって占有されていない分子軌道のうち最もエネルギー準位の低い軌道(最低空軌道、Lowest Unoccupied Molecular Orbital、LUMOと略す)におけるエネルギー準位の値を示す。有機EL素子の性能は、この値だけで決まるものではないが、この値が大きいほど色々な色の素子や蛍光のみならずりん光用の材料ともなり得る可能性が高くなる。
本発明のアミン誘導体は、有機EL素子の正孔注入材料、正孔輸送材料または発光材料として利用可能であるが、特に正孔輸送材料として使用した際に、従来の材料以上に駆動電圧の改善と高い電力効率が期待できる。
従って、有機EL素子若しくは電子写真感光体等の正孔注入材料、正孔輸送材料または発光材料としてのみならず、光電変換素子、太陽電池、イメージセンサー等の有機光導電材料への分野にも応用可能である。
また、有機EL素子を自動車等の車載パネルとして用いる場合には、夏日の車内温度の上昇等を考慮し、素子の耐熱性が課題となる。それに伴い材料(化合物)の耐熱性も必要となることから、ガラス転移温度は120℃以上であることが好ましい。
本発明による一般式(1)で表されるアミン誘導体は、従来の材料以上に低電圧駆動と高い電力効率を示すため、有機EL素子若しくは電子写真感光体等の正孔注入材料、正孔輸送材料または発光材料として利用できる。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
なお、本実施例で用いた分析機器及び測定方法を以下に列記する。
[元素分析]
元素分析計:パーキンエルマー全自動元素分析装置 2400II
酸素フラスコ燃焼−IC測定法:東ソー製 イオンクロマトグラフ IC−2001
[質量分析]
質量分析装置:日立製作所製 M−80B
測定方法:FD−MS分析
[HOMO測定]
HOMOの測定(サイクリックボルタンメトリー)は、以下のように行った。
測定装置:北斗電工社製 HA−501、HB−104
測定方法:作用電極 グラッシーカーボン電極
カウンター電極 白金電極、
参照電極 Ag/Ag
支持電解質 過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム
溶媒 ジクロロメタン
[LUMO測定]
測定装置:日立製作所製 紫外可視分光分析計 U−2010
測定方法:溶媒 テトラヒドロフラン(10−5mol/l溶液)
[ガラス転移温度測定]
測定装置:マックサイエンス製 DSC−3100
測定方法:標準試料=Al 5.0mg、昇温速度=10℃/分(窒素雰囲気)
[HPLC分析]
測定装置:東ソー製 マルチステーション LC−8020
測定方法:カラム Inertsil ODS−3V(4.6mmΦ×250mm)
検出器 UV検出(波長 254nm)
溶離液 メタノール/テトラヒドロフラン=9/1(v/v比)
[分解温度測定]
測定装置:リガク製 system8100
測定方法:標準試料=Al 5.0mg、昇温速度=10℃/分(窒素雰囲気)
[昇華温度測定]
測定装置:ALSテクノロジー製 有機材料昇華精製装置 P−150
測定方法:昇華圧力 <10−3Pa、昇華温度を目視で測定
合成例1 化合物Aの合成
Figure 0005825414
300mlナス型フラスコに、2’−ヒドロキシ−1’−アセトナフトン[和光純薬品] 18.6g(100mmol)、ジクロロメタン[関東化学品] 100ml、ピリジン[キシダ化学品] 39.6g(500mmol)を加え、反応液を5℃以下に冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物[和光純薬品] 31.0g(110mmol)を反応温度が5℃を超えないように滴下した後、室温下一晩攪拌した。反応液に水を加えて分層した。有機層は、3.5%塩酸水溶液及び水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、濃縮して1’−アセトナフトン−2’−トリフルオロメタンスルホネート 32.7gを微黄色油状物として単離した。なお、生成物は精製せずに、そのまま次の反応に用いた。
次に、500mlナス型フラスコに、得られた1’−アセトナフトン−2’−トリフルオロメタンスルホネート 15.1g(47.5mmol)、4−クロロフェニルボロン酸[東京化成品] 7.8g(50.0mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[アルドリッチ品] 549mg(0.475mmol)、20重量%の炭酸ナトリウム水溶液 100.7g及びテトラヒドロフラン[関東化学品] 250mlを加え、60℃で一晩加熱攪拌した。室温まで冷却後、分層した。得られた有機層は、水による洗浄、無水硫酸マグネシウムによる乾燥処理の後、濃縮して淡黄色の結晶12.4gが得られた。H−NMR測定により目的物の2’−(4−クロロフェニル)−1’−アセトナフトンであることを確認し、生成物は精製せずに、そのまま次の反応に用いた。
H−NMR(200MHz、CDCl):2.12(3H,s)、7.33−7.65(7H,m)、7.78−8.01(3H,m)
13C−NMR(50MHz、CDCl):32.9, 124.7, 126.5,127.1, 127.6, 128.3, 128.8, 128.9,129.5, 130.6, 132.6, 134.3, 134.4, 138.4, 138.7, 207.1
次に、300mlナス型フラスコに、先に得られた2’−(4−クロロフェニル)−1’−アセトナフトン 9.8g(35mmol)、テトラヒドロフラン[関東化学品] 70ml、エタノール[関東化学品] 70mlを加えた。溶解した後、水素化ホウ素ナトリウム[キシダ化学品] 6.6g(175mmol)を加え、室温にて8時間攪拌した。
10%塩化アンモニウム水溶液 100gを発泡に注意しつつ添加した後、減圧濃縮した。残渣をトルエン 200mlで抽出し、水による洗浄、無水硫酸マグネシウムによる乾燥処理の後、濃縮して淡黄色の結晶9.4gが得られた。H−NMR測定により目的物の1−(1−ヒドロキシ)エチル−2−(4−クロロフェニル)ナフタレンであることを確認し、生成物は精製せずに、そのまま次の反応に用いた。
H−NMR(200MHz、CDCl):1.71(3H,d,J=7.0Hz)、2.05(1H,br−s)、5.35(1H,q,J=7.0Hz)、7.16−7.63(7H,m)、7.69−7.95(2H,m)、8.76−8.93(1H,br−d)
13C−NMR(50MHz、CDCl):23.9, 68.9, 125.8, 125.9, 127.0, 127.8, 127.9, 128.4, 128.8, 130.4, 130.8, 133.2, 134.2, 136.9, 137.1, 140.6
次に、100mlナス型フラスコに、先に得られた1−(1−ヒドロキシ)エチル−2−(4−クロロフェニル)ナフタレン 2.8g(10mmol)、クロロホルム[関東化学品] 20mlを加えた。0℃に冷却した後、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテラート[関東化学品] 1.85g(13mmol)を滴下し、室温にて1時間攪拌した。
水 20gを添加して反応を終了した後、有機層を水による洗浄、無水硫酸マグネシウムによる乾燥処理の後、濃縮して淡黄色の固体2.7gが得られた。H−NMR測定により目的物の9−クロロ−11−メチル−11H−ベンゾ[a]フルオレンであることを確認し、生成物は精製せずに、そのまま次の反応に用いた。
H−NMR(200MHz、CDCl):1.66(3H,d,J=7.2Hz)、4.33(1H,q,J=7.2Hz)、7.32−7.65(5H,m)、7.70(1H,d,J=8.1Hz)、7.80−8.01(3H,m)、8.06(1H,d,J=8.0Hz)
得られた9−クロロ−11−メチル−11H−ベンゾ[a]フルオレン 2.7g(10mmol)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド[キシダ化学品] 2.3g(10mmol)、ヨウ化メチル[関東化学品] 4.3g(30mmol)をジメチルスルホキシド[和光純薬品] 20mlに溶解し、0℃に冷却後、48%水酸化ナトリウム水溶液 1.2g(30mmol)を攪拌しながら滴下した。室温にて1時間攪拌後、トルエン[関東化学品] 50mlを加えてから、有機層を水にて洗浄した。硫酸マグネシウムによる乾燥の後、抽出液を濃縮して淡黄色の結晶を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン)に付し、9−クロロ−11,11−ジメチル−11H−ベンゾ[a]フルオレン(化合物A)を白色結晶として2.0g単離した(収率72%)。
H−NMR(200MHz、CDCl):1.73(6H,s)、7.21−7.66(5H,m)、7.69(1H,d,J=7.8Hz)、7.80−7.99(3H,m)、8.19(1H,d,J=8.3Hz)
13C−NMR(50MHz、CDCl):26.3, 48.8, 118.6, 120.6, 122.8, 124.0, 125.0, 126.2, 127.2, 128.7, 130.0, 132.7, 134.0, 135.6, 137.8, 147.1, 157.0
実施例1 化合物1−4の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置を備えた500mlフラスコ中に、アニリン[キシダ化学品] 27.9g(0.30mol)、4−ブロモビフェビル[和光純薬品] 23.3g(0.10mol)、ナトリウム−tert−ブトキシド[関東化学品] 14.4g(0.15mol)、酢酸パラジウム[キシダ化学品] 450mg(2.0mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィン[アルドリッチ品] 1.6g(8.0mmol)、o−キシレン[キシダ化学品] 300.0gを加え、130℃で10時間攪拌した。反応終了後、蒸留水 50mlを添加し、室温にて0.5時間攪拌して静置した後、水層を分離した。飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄分液した後、減圧濃縮に付してo−キシレン溶媒を留去した。さらに、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマログラフィーに付し、白色固体23.1gを得た(収率 94%、純度 99.9%)。質量分析及び元素分析の結果より、得られた白色固体はN−フェニル−N−4−ビフェニリルアミンであることを確認した。
質量分析(FDMS):245(M
元素分析(計算値):C=88.1, H=6.2, N=5.7
元素分析(実測値):C=88.0, H=6.2, N=5.8
次に、窒素雰囲気下、攪拌装置を備えた500mlフラスコ中に、得られたN−フェニル−N−4−ビフェニリルアミン 12.2g(50mmol)、合成例1で得られた化合物A 14.0g(50mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド[関東化学品] 5.8g(60mmol)、酢酸パラジウム[キシダ化学品] 225mg(1.0mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィン[アルドリッチ品] 0.8g(4.0mmol)、o−キシレン[キシダ化学品] 100.0gを加え、140℃で10時間攪拌した。反応終了後、蒸留水 50mlを添加し、室温にて0.5時間攪拌して静置した後、水層を分離した。飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄分液した後、減圧濃縮に付してo−キシレン溶媒を留去した。さらに、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマログラフィーに付し、淡黄色固体21.7gを得た(収率 89%、純度 99.9%)。質量分析及び元素分析の結果より、得られた淡黄色固体は目的の化合物1−4であることを確認した。
質量分析(FDMS):487(M
元素分析(計算値):C=91.1, H=6.0, N=2.9
元素分析(実測値):C=81.1, H=6.1, N=2.8
実施例2 化合物1−14の合成
窒素雰囲気下、攪拌装置を備えた300mlフラスコ中に、合成例1で得られた化合物A 11.1g(40mmol)、アニリン[和光純薬品] 1.9g(20mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド[キシダ化学品] 4.8g(50mmol)、酢酸パラジウム[キシダ化学品] 225mg(1.0mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィン[アルドリッチ品] 0.8g(4.0mmol)、o−キシレン[キシダ化学品] 100.0gを加え、140℃で15時間攪拌した。反応終了後、蒸留水 30mlを添加し、室温にて0.5時間攪拌して静置した後、水層を分離した。飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄分液した後、減圧濃縮に付してo−キシレン溶媒を留去した。さらに、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマログラフィーに付し、淡黄色固体10.2gを得た(収率 88%、純度 99.9%)。質量分析及び元素分析の結果より、得られた淡黄色固体は目的の化合物1−14であることを確認した。
質量分析(FDMS):577(M
元素分析(計算値):C=91.5, H=6.1, N=2.4
元素分析(実測値):C=91.5, H=6.0, N=2.5
実施例3 化合物1−16の合成
アニリン[和光純薬品] 1.9g(20mmol)に代えて、p−アミノトルエン[和光純薬品] 2.1g(20mmol)を用いた以外は、実施例2の方法に準じて行った結果、淡黄色固体10.1gを得た(収率 85%、純度 99.9%)。質量分析及び元素分析の結果より、得られた淡黄色固体は目的の化合物1−16であることを確認した。
質量分析(FDMS):591(M
元素分析(計算値):C=91.3, H=6.3, N=2.4
元素分析(実測値):C=91.4, H=6.2, N=2.4
実施例4 化合物1−18の合成
アニリン[和光純薬品] 1.9g(20mmol)に代えて、4−アミノピリジン[和光純薬品] 1.9g(20mmol)を用いた以外は、実施例2の方法に準じて行った結果、淡黄色固体10.0gを得た(収率 87%、純度 99.9%)。質量分析及び元素分析の結果より、得られた淡黄色固体は目的の化合物1−18であることを確認した。
質量分析(FDMS):578(M
元素分析(計算値):C=89.2, H=5.9, N=4.8
元素分析(実測値):C=89.0, H=6.0, N=4.9
参考例1 比較化合物M1の合成
アニリン[和光純薬品] 1.9g(20mmol)に代えて、N,N’−ジフェニルベンジジン[アルドリッチ品] 6.7g(20mmol)を用いた以外は、実施例2の方法に準じて行った結果、淡黄色固体14.0gを得た(収率 85%、純度 99.9%)。質量分析及び元素分析の結果より、得られた淡黄色固体は目的の比較化合物M1であることを確認した。
質量分析(FDMS):820(M
元素分析(計算値):C=90.7, H=5.9, N=3.4
元素分析(実測値):C=90.7, H=6.0, N=3.3
Figure 0005825414
Figure 0005825414
実施例5 有機EL素子の作製
基板には2mm幅の酸化インジウム−スズ(ITO)膜がストライプ状にパターンされたITO透明電極付きガラス基板を用いた。この基板をアセトン、イソプロピルアルコールで順次超音波洗浄し、次いでイソプロピルアルコールで煮沸洗浄した後、乾燥した。さらに、本基板をUV/オゾン処理したものを透明導電性支持基板として使用した。まず、真空蒸着槽内に前記ガラス基板を導入し1.0×10−4Paまで減圧した。その後、本ITO透明電極上に、銅フタロシアニンを真空蒸着法により25nmの膜厚で成膜し、正孔注入層を形成した。次に、実施例2で合成した化合物(1−14)を真空蒸着法により45nmの膜厚で成膜し、正孔輸送層を形成した。次に、アルミニウムトリスキノリノール錯体を真空蒸着法により60nmの膜厚で成膜し、発光層兼電子輸送層を形成した。次に、陰極としてLiFを0.5nm、Alを100nm成膜して金属電極を形成した。それぞれの膜厚は触針式膜厚測定計(DEKTAK)で測定した。さらに、この素子を酸素及び水分濃度1ppm以下の窒素雰囲気グローブボックス内で封止した。封止は、ガラス製の封止キャップと前記成膜基板エポキシ型紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス社製)を用いた。作製した有機EL素子に、ITO電極を正極、LiF−Al電極を負極にして直流電流を印加し、TOPCON社製のLUMINANCE METER(BM−9)の輝度計を用いて発光特性を評価した。発光特性として、電流密度20mA/cmを流した時の駆動電圧(V)、輝度(cd/m)、電流効率(cd/A)、電力効率(lm/W)を測定した。結果を表2に示す。
実施例6 有機EL素子の作製
正孔輸送層として、実施例2で合成した化合物(1−14)の代わりに、実施例3で合成した化合物(1−16)を用いた以外は、実施例5に準じて同様に有機EL素子を作製した。20mA/cmの定電流密度条件下で駆動させた際の駆動電圧、輝度、電流効率及び電力効率を測定した結果を併せて表2に示す。
比較例1 有機EL素子の作製
正孔輸送層として、実施例2で合成した化合物(1−14)の代わりに、α−NPDを用いた以外は、実施例5に準じて同様に有機EL素子を作製した。20mA/cmの定電流密度条件下で駆動させた際の駆動電圧、輝度、電流効率及び電力効率を測定した結果を併せて表2に示す。
比較例2 有機EL素子の作製
正孔輸送層として、実施例2で合成した化合物(1−14)の代わりに、参考例1で合成した化合物(M1)を用いた以外は、実施例5に準じて同様に有機EL素子を作製した。20mA/cmの定電流密度条件下で駆動させた際の駆動電圧、輝度、電流効率及び電力効率を測定した結果を併せて表2に示す。
Figure 0005825414

Claims (3)

  1. 下記式(1−4)、(1−14)、(1−16)、及び(1−18)のいずれかで表されアミン誘導体。
    Figure 0005825414
  2. 請求項1に記載のアミン誘導体を、発光層、正孔輸送層及び正孔注入層のいずれか一層以上に用いることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 請求項1に記載のアミン誘導体を真空蒸着法により薄膜とし、発光層、正孔輸送層及び正孔注入層のいずれか一層以上を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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