JP5825240B2 - 航空機用化粧室ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、航空機用化粧室ユニットに関する。
航空機では、機体の限られたスペースに、複数の座席、複数の化粧室、複数のギャレーなどが配置されている。
そして、座席数の増大を図る観点から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1、2には、移動可能な航空機用化粧室ユニットが開示され、レイアウトの変更を行なえる航空機用化粧室ユニットが提案されている。
US 2008/0179456 A1 US 2009/0283636 A1
しかしながら、航空機用化粧室ユニットのレイアウトを変えても、航空機用化粧室ユニットが占める面積は変わらないため、座席数の増大を図る上で限界がある。
一方、航空機用化粧室ユニットは、多くの場合、その内部の化粧室にボウルを有する手洗い器を備えており、ボウルは化粧室を仕切る壁部から突出している。
したがって、壁部に単にボウルを設けた場合、ボウルを設けた箇所の化粧室のスペースの幅が狭くなるため、航空機用化粧室ユニットの幅を短縮するにも限界があり、やはり座席数を増やす上で限界がある。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、座席数を増やす上で有利な航空機用化粧室ユニットを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、2つの化粧室が仕切り壁を介して仕切られ、各化粧室に手洗い用のボウルが設けられた航空機用化粧室ユニットであって、前記各化粧室の前記ボウルは前記仕切り壁にそれぞれ設けられ、前記2つの化粧室のうちの一方の化粧室の前記ボウルは、一部が前記仕切り壁よりも前記2つの化粧室のうちの他方の化粧室側に突出して配置され、前記他方の化粧室の前記ボウルは、一部が前記仕切り壁よりも前記一方の化粧室側に突出して配置されていることを特徴とする。
本発明では、各化粧室のボウルを仕切り壁にそれぞれ設け、各化粧室のボウルの一部を、隣接する化粧室側に突出させることで、手を洗うに足る容積をボウル内に確保しながら、各化粧室において仕切り壁から突出するボウルの寸法を最小限に抑えている。
したがって、航空機用化粧室ユニットの幅を最小限に抑える上で有利となり、機内の座席数を増やす上で有利となる。
航空機の機内のレイアウトを示す説明図である。 第1の実施の形態に係る航空機用化粧室ユニットの正面図である。 手洗い器のボウル部分で切断した航空機用化粧室ユニットの断面正面図である。 (A)は図3のAA線断面図、(B)は図3のBB線断面図である。 図4(A)のC矢視図である。 図4(A)のD矢視図である。 第1化粧室のボウル部分で切断した第2の実施の形態に係る航空機用化粧室ユニットの断面正面図である。 図7のAA線断面図である。 図8のC矢視図である。 図8のD矢視図である。 (A)、(B)はそれぞれ機内に設置された第1の実施の形態に係る航空機用化粧室ユニットと座席群との関係を示す説明図である。 (A)、(B)はそれぞれ機内に設置された第2の実施の形態に係る航空機用化粧室ユニットと座席群との関係を示す説明図である。 機内に設置された従来例に係る航空機用化粧室ユニットと座席群との関係を示す説明図である。
次に本発明の実施の形態に係る航空機用化粧室ユニットについて図面を参照して説明する。
図1に示すように、航空機の機体10には座席群12が設けられ、また、縦通路14と横通路16とが設けられている。
機体10の前部は操縦室1002となっており、後部は圧力隔壁1004となっている。
縦通路14は、機体10の中央で機体10の前後方向に延在している。
座席群12は、縦通路14の左右両側にそれぞれ設けられ、各座席群12は、複数の座席1202が機体10の前方に向けて機体10の幅方向に並べられて構成されている。本実施の形態では、3つの座席1202が左右方向に並べられることで座席列12Aが構成されている。
横通路16は、座席群12の後方で機体10の後部の搭乗口1006から機体10の幅方向に延在し縦通路14に接続している。
航空機用化粧室ユニット18とギャレー20は、圧力隔壁1004の前方で横通路16の後方に機体10の幅方向に並べられて設けられている。
(第1の実施の形態)
次に、図2〜図6を参照して第1の実施の形態の航空機用化粧室ユニット18Aについて説明する。
航空機用化粧室ユニット18Aは第1化粧室22Aと第2化粧室22Bの2つの化粧室を有している。
航空機用化粧室ユニット18Aの躯体フレーム24は、底壁26と、底壁26から互いに対向して起立する第1側壁28および第2側壁30と、それら側壁28、30の間を2つの空間に仕切る仕切り壁32と、それら側壁28、30および仕切り壁32の一端を接続する背面壁34と、それら側壁28、30および仕切り壁32の他端を接続する正面壁36と、天井壁38とを有している。
仕切り壁32は、底壁26から天井壁38に至る高さと、背面壁34から正面壁36側に向かう長さを有している。
なお、図4に示すように、第2側壁30及び背面壁34は、航空機用化粧室ユニット18Aが設置される機体10の胴体形状および圧力隔壁1004の形状にそれぞれ対応させ湾曲状に形成され、第1側壁28や底壁26、天井壁38は、第2側壁30及び背面壁34に合わせて適宜変形される。
正面壁36には、仕切り壁32の両側の空間に出入りできるように出入り口40が設けられ、出入り口40は、正面壁36に形成された開口40Aと、開口40Aを開閉する扉40Bにより構成されている。
なお、躯体フレーム24は構造的に一体となるように形成されているが、運搬時や設置時の取扱いが簡単になされるように、仕切り壁32の箇所等で分割可能に構成するなど任意である。
そして、仕切り壁32の両側の空間にそれぞれ便器41と手洗い器42が配置されることで第1化粧室22Aと第2化粧室22Bが形成されている。
第1、第2化粧室22A、22Bにおいて、便器41は、背面壁34の前方の箇所に配置されている。
また、第1、第2化粧室22A、22Bにおいて、手洗い器42は、図5、図6に示すように、仕切り壁32の高さ方向の中間部で、仕切り壁32の正面壁36側の長さ方向の端部に設けられている。
手洗い器42は、水栓44Aと石鹸水栓44Bとボウル46とを有し、水栓44Aの上方の水栓用ボタン44Cを操作することで水栓44Aから水が吐出し、石鹸水栓44Bの上方の石鹸水栓用ボタン44Dを操作することで石鹸水栓44Bから石鹸水が吐出する。なお、図中符号4602はボウル46の排水口、符号は排水口4602に連結された排水管4604を示している。
第1、第2化粧室22A、22Bにおいてボウル46は、使用者が立った状態で手洗いを行なえるように、腰の高さの近傍に設けられている。
図4(A)に示すように、第1化粧室22Aのボウル46Aは、一部が仕切り壁32よりも第2化粧室22B側に突出して配置されている。具体的には、第1化粧室22Aのボウル46Aは、第2化粧室22B側に位置する部分が仕切り壁32よりも第2化粧室22B側に突出して配置されている。
ボウル46Aは幅W1と奥行D1とを有し、本実施の形態では、奥行D1方向の半分の部分が第2化粧室22Bに突出している。
この場合、ボウル46Aの奥行D1とは、図4(A)が図3のAA線断面図であることから、ボウル46Aの直上箇所を、躯体フレーム24の底壁26に平行する平面で切断し、その平面から下方を見たとき、ボウル46Aの奥側で第1化粧室22Aと第2化粧室22Bを仕切る壁部70Aの厚さを含んだボウル46A部分の航空機用化粧室ユニット18Aの幅W方向に沿った外形の寸法である。なお、航空機用化粧室ユニット18Aの幅W方向は、仕切り壁32に直交する方向でもある。
また、図4(B)に示すように、第2化粧室22Bのボウル46Bは、一部が仕切り壁32よりも第1化粧室22A側に突出して配置されている。具体的には、第2化粧室22Bのボウル46Bは、第1化粧室22A側に位置する部分が仕切り壁32よりも第1化粧室22A側に突出して配置されている。
ボウル46Bは幅W1と奥行D1とを有し、本実施の形態では、奥行D1方向の半分の部分が第1化粧室22Aに突出している。
この場合、ボウル46Bの奥行D1とは、図4(B)が図3のBB線断面図であることから、ボウル46Bの直上箇所を、躯体フレーム24の底壁26に平行する平面で切断し、その平面から下方を見たとき、ボウル46Bの奥側で第1化粧室22Aと第2化粧室22Bを仕切る壁部58Aの厚さを含んだボウル46B部分の航空機用化粧室ユニット18Aの幅W方向に沿った外形の寸法である。
このようにボウル46A、46Bの一部を、隣接する化粧室22A、22B側に突出させることで、手を洗うに足る面積をボウル46A、46B内に確保すると共に、手を洗うに足る空間をボウル46A、46Bの上方に確保しつつ、第1、第2化粧室22A、22Bにおいて仕切り壁32から突出するボウル46A、46Bの寸法を最小限に抑え、航空機用化粧室ユニット18Aの幅W(図4(A)参照)を最小限に抑えるようにしている。
本実施の形態では、第1、第2化粧室22A、22Bのボウル46A、46Bは、仕切り壁32の長さ方向に沿った位置が同一の箇所で、仕切り壁32の高さ方向に沿った位置が異なった箇所に設けられ、ボウル46Aの幅W1とボウル46Bの幅W1の寸法は同一となっていて、ボウル46Aの奥行D1とボウル46Bの奥行D1の寸法も同一となっている。
より詳細には、第1化粧室22Aのボウル46Aは、第2化粧室22Bのボウル46Bよりも高い箇所に設けられ、手を洗うに足る容積がボウル46A内に確保されると共に、手を洗うに足る空間がボウル46Aの上方に確保されるようにしている。
また、第2化粧室22Bのボウル46Bは、第1化粧室22Aのボウル46Aよりも低い箇所に設けられ、手を洗うに足る容積がボウル46B内に確保されると共に、手を洗うに足る空間がボウル46Bの上方に確保されるように、すなわち、第1化粧室22Aのボウル46Aの下方に手を洗うに足る空間が確保されるようにしている。
このように第1、第2化粧室22A、22Bのボウル46A、46Bを仕切り壁32の長さ方向に沿った位置が同一の箇所で上下に並べると、第1、第2化粧室22A、22B内に突出するボウル46A、46Bの部分が上下に並べられるため、第1、第2化粧室22A、22Bのボウル46A、46Bを仕切り壁32の長さ方向の異なった箇所に並べる場合に比べて、化粧室ユニットの奥行D(図4(A)参照)を短縮する上で有利となる。
また、図3に示すように、2つの化粧室22A、22Bのボウル46A、46Bは、そのボウル46A、46Bが使用される化粧室22A、22Bからその奥行Dの1/2の部分が仕切り壁32から隣の化粧室22A、22Bに突出している。そのため、化粧室22A、22Bにおいて仕切り壁32から突出するボウル46A、46Bの寸法が同一となり、ボウル46A、46Bが上下に並べられた箇所に上下方向に沿って凹凸がなくなり、化粧室22A、22Bのデザイン性を高める上で有利となる。
図3に示すように、第1、第2化粧室22A、22Bにおいて、第1化粧室22Aのボウル46の上方の箇所に、仕切り壁32の部分3202が位置しており、仕切り壁32の部分3202の下端に底板5202が取着されている。
そして、第1、第2化粧室22A、22Bにおいて、底板5202と天井壁38との間で仕切り壁32の部分3202に対向して上部化粧板50が設けられ、仕切り壁32の部分3202と上部化粧板50とによりペーパータオルやティッシュペーパーの収納棚52が設けられ、図5、図6に示すように、この収納棚52は正面壁36に接続されている。
上部化粧板50の幅方向の中央部に上下に細長の鏡54が取着され、この鏡54が取着された上部化粧板50の部分は開閉可能に設けられている。
図3に示すように、底板5202の下部には、ボウル46Aの上方に離れた箇所でボウル46Aに対向するスカート部56が設けられ、このスカート部56は第1、第2化粧室22A、22Bに跨って設けられている。このスカート部56には、図5、図6に示すように、水栓用ボタン44Cと石鹸水栓用ボタン44Dが設けられている。
また、図3に示すように、第2化粧室22Bのボウル46の下方に、下部化粧板58で覆われた単一の収納室60が第1、第2化粧室22A、22Bに跨って設けられている。
そして、第1化粧室22Aに位置する下部化粧板58の箇所と第2化粧室22Bに位置する下部化粧板58の箇所に、図5、図6に示すように、それぞれゴミ投入口62が設けられ、収納室60に第1、第2化粧室22A、22Bに共通の単一のゴミ箱装置64が設けられている。
ゴミ箱装置64は、単一のゴミ箱66と単一の消火器68とを有している。
ゴミ箱66は、収納室60に収納され、ゴミ投入口62から投入されるごみが収容されるものである。
消火器68は、設定された温度以上でゴミ箱66の内部に向けて噴射ノズルから消火剤を噴射する。消火剤としては、フロンガスやハロンガスなど従来公知の不活性ガスが使用可能であり、このような消火器68として市販品が使用可能である。
ゴミ箱66の収納室60への出し入れは、正面壁36に設けられた不図示の開口から、あるいは、下部化粧板58に設けられた不図示の開口から行われ、それら開口は蓋板により閉塞される。
このように第1化粧室22Aと第2化粧室22Bの2つの化粧室において、単一のゴミ箱装置64を共通して用いると、航空機用化粧室ユニット18Aの幅を短縮する上で有利となり、また、利便性を確保しつつ部品点数の削減化、組み立ての簡易化、コストダウンを図る上でも有利となる。
なお、図3に示すように、第1化粧室22Aのボウル46Aの側方および下方は化粧板70で覆われ、この化粧板70の第2化粧室22B側の端部から壁部70Aが立ち上がり、この壁部70Aの上部は第2化粧室22B側においてスカート部56の下端に接続されている。
また、図4(A)、図5、図6に示すように、ボウル46Aの上端面と同一面上に位置する化粧板70の上面と、スカート部56の下面との間で、第1化粧室22Aのボウル46の正面壁36側の端部と正面壁36との間に仕切り壁32の部分3204が位置している。
そして、化粧板70の上面で仕切り壁32の部分3204の両側に小物置き用のスペースS1、S2が第1、第2化粧室22A、22Bにそれぞれ設けられている。
また、図3に示すように、第2化粧室22Bのボウル46の側方は下部化粧板58で覆われ、第2化粧室22Bのボウル46Bの第1化粧室22A側の端部に位置する下部化粧板58の箇所から壁部58Aが立ち上がり、この壁部58Aの上部は第1化粧室22A側において、第1化粧室22Aのボウル46の側方を覆う化粧板70に接続されている。
また、図4(B)、図5、図6に示すように、第2化粧室22Bのボウル46Bの上端面と同一面に位置する下部化粧板58の上面と、下部化粧板58の下面との間で、第2化粧室22Bのボウル46の正面壁36側の端部と正面壁36との間に仕切り壁32の部分3206が位置している。
そして、下部化粧板58の上面で仕切り壁32の部分3206の両側に小物置き用のスペースS3、S4が第1、第2化粧室22A、22Bにそれぞれ設けられている。
また、図5に示すように、第1化粧室22Aには、正面壁36から離れた下部化粧板58の端部に、トイレットペーパーが掛止されたトイレットペーパー収容部72Aが設けられている。
また、図3、図4(A)、(B)に示すように、第2化粧室22Bには、第2側壁30の便器41寄りの箇所に、トイレットペーパーが掛止されたトイレットペーパー収容部72Bが設けられている。
また、本実施の形態では、図4(A)に示すように、各化粧室22A、22Bにおいて、便器41の幅方向の中心を通る中心線Lが、便器41の前方に至るにつれて仕切り壁32から離れるように便器41が仕切り壁32に対して角度θ傾斜して配置されている。この角度θは、例えば、3度〜5度の範囲である。
本実施の形態では、航空機用化粧室ユニット18Aの幅Wを最小限に短縮していることから、各化粧室22A、22Bの幅も短縮化され、便器41の幅方向の中心を通る中心線Lを仕切り壁32に平行させて便器41を配置した場合には、便座に座った際に、背の高い人では膝が、ボウル46A、46Bの下方に位置する下部化粧板58の背面壁34側の端部に当たる可能性がある。
そこで、本実施の形態のように、便器41の幅方向の中心を通る中心線Lが、便器41の前方に至るにつれて仕切り壁32から離れるように便器41が仕切り壁32に対して角度θ傾斜して配置すると、化粧室22A、22Bの幅を大きくせずに、背の高い人が便座に座った場合でも、膝が下部化粧板58の背面壁34側の端部に当たることを回避することができる。
したがって、航空機用化粧室ユニット18Aの使い勝手を損なうことなく航空機用化粧室ユニット18Aの幅Wを短縮する上で有利となる。
(第2の実施の形態)
次に、図7〜図10を参照して第2の実施の形態の航空機用化粧室ユニット18Bについて説明する。
第2の実施の形態では、航空機用化粧室ユニット18Bの奥行Dに余裕がある場合であり、ボウル46A、46Bの高さを最も使用し易い高さにそろえることを優先し、ボウル46A、46Bを上下ではなく左右に並べて配置したものである。
なお、第1の実施の形態と同様な箇所、部材に同一の符号を付してその説明を省略し、第1の実施の形態と異なっている箇所を重点的に説明する。
図8に示すように、第1、第2化粧室22A、22Bのボウル46A、46Bは、第1の実施の形態と異なり、仕切り壁32の高さ方向に沿った位置が同一の箇所で、仕切り壁32の長さ方向に沿った位置が異なった箇所に設けられている。
図7、図9、図10に示すように、第1、第2化粧室22A、22Bのボウル46A、46Bの上方に収納棚52が設けられ、収納棚52の下部にスカート部56が第1、第2化粧室22A、22Bに跨って設けられている。
また、第1、第2化粧室22A、22Bのボウル46A、46Bの下方に、下部化粧板58で覆われた単一の収納室60が第1、第2化粧室22A、22Bに跨って設けられている。
そして、スカート部56とボウル46A、46Bとの間に、ボウル46Aの第2化粧室22B側の縁に沿って延在すると共にボウル46Bの第1化粧室22A側の縁に沿って延在する壁部74が、仕切り壁32の端部から正面壁36とにわたって連続状に設けられ、この壁部74によりボウル46A、46Bの上方において第1、第2化粧室22A、22Bを仕切っている。
収納棚52は、仕切り壁32の部分3202、上部化粧板50、底板5202、天井壁38、正面壁36で仕切られている。
上部化粧板50の幅方向の中央部に上下に細長の鏡54が取着され、この鏡54が取着された上部化粧板50の部分は開閉可能に設けられている。
スカート部56は、底板5202の下部に設けられ、ボウル46A、46Bの上方に離れた箇所でボウル46Aに対向しており、第1、第2化粧室22A、22Bにおいて、スカート部56の下方でボウル46A、46Bの上方には、手洗いするに足る空間が確保されている。
スカート部56には、水栓用ボタン44Cと石鹸水栓用ボタン44Dが設けられている。
第1化粧室22Aに位置する下部化粧板58の箇所と第2化粧室22Bに位置する下部化粧板58の箇所に、それぞれゴミ投入口62が設けられ、収納室60に第1、第2化粧室22A、22Bに共通の単一のゴミ箱装置64が設けられている。
ゴミ箱装置64は、単一のゴミ箱66と単一の消火器68とを有している。
ゴミ箱66の収納室60への出し入れは、正面壁36に設けられた不図示の開口から、あるいは、下部化粧板58に設けられた不図示の開口から行われ、それら開口は蓋板により閉塞される。
また、第1の実施の形態と同様に、各化粧室22A、22Bにおいて、便器41の幅方向の中心を通る中心線Lが、便器41の前方に至るにつれて仕切り壁32から離れるように便器41が仕切り壁32に対して角度θ傾斜して配置されている。
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、ボウル46A、46Bの一部を、隣接する化粧室22A、22B側に突出させることで、手を洗うに足る面積をボウル46A、46B内に確保すると共に、手を洗うに足る空間をボウル46A、46Bの上方に確保しつつ、第1、第2化粧室22A、22Bにおいて仕切り壁32から突出するボウル46A、46Bの寸法を最小限に抑え、航空機用化粧室ユニット18Aの幅Wを最小限に抑える上で有利となる。
また、第2の実施の形態では、図8に示すように、第1、第2化粧室22A、22Bのボウル46A、46Bは、仕切り壁32の長さ方向に隣接させ並べられて配置され、平面視した場合、第1化粧室22Aのボウル46Aは正面壁36に隣接して配置され、第2化粧室22Bのボウル46Bは第1化粧室22Aのボウル46Aの背面壁34側に隣接して配置されている。
第1化粧室22Aのボウル46Aの幅W1と第2化粧室22Bのボウル46Bの幅W2は異なった寸法で形成されている。
また、第1化粧室22Aのボウル46Aの奥行D1と第2化粧室22Bのボウル46Bの奥行D2は同一の寸法で形成されている。
この場合、ボウル46Aの奥行D1とは、図8が図7のAA線断面図であることから、ボウル46Aの直上箇所を、躯体フレーム24の底壁26に平行する平面で切断し、その平面から下方を見たとき、ボウル46Aの奥側で第1化粧室22Aと第2化粧室22Bを仕切る壁部74の厚さを含んだボウル46A部分の航空機用化粧室ユニット18Aの幅W方向に沿った外形の寸法である。なお、航空機用化粧室ユニット18Aの幅W方向は、仕切り壁32に直交する方向でもある。
同様に、ボウル46Bの奥行D2とは、ボウル46Bの直上箇所を、躯体フレーム24の底壁26に平行する平面で切断し、その平面から下方を見たとき、ボウル46Bの奥側で第1化粧室22Aと第2化粧室22Bを仕切る壁部74の厚さを含んだボウル46B部分の航空機用化粧室ユニット18Aの幅W方向に沿った外形の寸法である。
図7に示すように、2つの化粧室22A、22Bのボウル46A、46Bは、そのボウル46A、46Bが使用される化粧室22A、22Bからその奥行D1とD2の1/2の部分が仕切り壁32から隣の化粧室22A、22Bに突出している。
これにより化粧室22A、22Bにおいて仕切り壁32から突出するボウル46A、46Bの寸法が同一となり、航空機用化粧室ユニット18Aの奥行D方向に沿ってボウル46A、46Bが並べられた箇所に奥行D方向に沿って凹凸がなくなり、化粧室22A、22Bのデザイン性を高める上で有利となっている。
第1、第2の実施の形態の航空機用化粧室ユニット18A、18Bは、図11(A)、図12(A)に示すように、例えば、横通路16の後方で圧力隔壁1004の前方に、第1、第2化粧室22A、22Bを機体10の幅方向に並べ、複数のギャレー20と共に配置される。
したがって、図13に示すように、従来例のトイレユニット80を、縦通路14の両側で座席群12の後端に位置する座席列12Aの後方にそれぞれ配置した従来の配置構造に比べ、ギャレー20のスペースが航空機用化粧室ユニット18A、18Bの幅分縮小されるものの、航空機用化粧室ユニット18A、18Bの幅Wは最小限に短縮化されているため、ギャレー20のスペースの縮小を最小限に抑えながら2つの化粧室22A、22Bを設けることができる。そして、従来例のトイレユニット80が配置されていた箇所にそれぞれ3つの座席1202からなる座席列12Aを配置している。
したがって、ある程度のギャレー20のスペースを確保しつつ、また、化粧室の数を2つに維持しつつ座席1202を6つ多く設けることができ、座席数を増やす上で有利な航空機用化粧室ユニット18A、18Bが得られる。
なお、図11〜図13において符号82はアテンダントシートを示している。
また、第1、第2の実施の形態の航空機用化粧室ユニット18A、18Bは、図11(B)、図12(B)に示すように、例えば、縦通路14の一方に位置する座席群12の後端の座席列12Aに第1側壁28を近接させ、横通路16に、第1側壁28に平行させた第2側壁30を対向させ、縦通路14に正面壁36を対向させて配置することも可能であり、その場合は、背面壁34が航空機用化粧室ユニット18A、18Bが設置される機体10の胴体形状に沿って湾曲状に形成され、その他の壁は背面壁34に合わせて適宜変形される。
航空機用化粧室ユニット18A、18Bの幅Wは最小限に短縮化されているため、2つの化粧室22A、22Bを設けても、一方の座席群12の座席列12Aの前後間隔を数インチ程度、例えば、1〜2インチ詰めることで、図13の従来例の縦通路14の一方に位置する座席群12の座席列12Aと同数の座席列12Aを配置できる。
そして、縦通路14の他方の座席群12の後端に配置されていた従来例のトイレユニット80の箇所に、3つの座席1202からなる座席列12Aを一つ追加できることから、座席1202を3つ多く設けることができる。
したがって、図13の従来の配置構造に比べ、ギャレー20のスペースを狭めることなく、また、化粧室の数を2つに維持しつつ座席1202を3つ多く設けることができ、座席数を増やす上で有利な航空機用化粧室ユニット18A、18Bが得られる。
10……機体、12……座席群、12A……座席列、1202……座席、14……縦通路、16……横通路、18,18A、18B……航空機用化粧室ユニット、20……ギャレー、22A……第1化粧室、22B……第2化粧室、24……躯体フレーム、26……底壁、28……第1側壁、30……第2側壁、32……仕切り壁、34……背面壁、36……正面壁、38……天井壁、40……出入口、41……便器、42……手洗い器、46,46A、46B……ボウル、60……収納室、62……ゴミ投入口、64……ゴミ箱装置、66……ゴミ箱、68……消火器。

Claims (8)

  1. 2つの化粧室が仕切り壁を介して仕切られ、各化粧室に手洗い用のボウルが設けられた航空機用化粧室ユニットであって、
    前記各化粧室の前記ボウルは前記仕切り壁にそれぞれ設けられ、
    前記2つの化粧室のうちの一方の化粧室の前記ボウルは、一部が前記仕切り壁よりも前記2つの化粧室のうちの他方の化粧室側に突出して配置され、
    前記他方の化粧室の前記ボウルは、一部が前記仕切り壁よりも前記一方の化粧室側に突出して配置されている、
    ことを特徴とする航空機用化粧室ユニット。
  2. 前記仕切り壁は高さと、この高さに直交する方向の長さを有し、
    前記2つの化粧室の前記ボウルは、前記仕切り壁の長さ方向に沿った位置が同一の箇所で、前記仕切り壁の高さ方向に沿った位置が異なった箇所に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1記載の航空機用化粧室ユニット。
  3. 前記仕切り壁の高さ方向に沿った位置が異なった箇所に配置された2つのボウルのうち下側に配置されたボウルの下方に、化粧板で覆われた単一の収納室が前記2つの化粧室に跨って設けられ、
    前記収納室に前記2つの化粧室に共通の単一のゴミ箱と単一の消火器からなるゴミ箱装置が設けられている、
    ことを特徴とする請求項2記載の航空機の航空機用化粧室ユニット。
  4. 前記仕切り壁は高さと、この高さに直交する方向の長さを有し、
    前記2つの化粧室の前記ボウルは、前記仕切り壁の高さ方向に沿った位置が同一の箇所で、前記仕切り壁の長さ方向に沿った位置が異なった箇所に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1記載の航空機用化粧室ユニット。
  5. 前記2つの化粧室の前記ボウルは、前記仕切り壁の長さ方向に隣接させ並べられて配置されている、
    ことを特徴とする請求項4記載の航空機用化粧室ユニット。
  6. 前記2つの化粧室の隣接し並べられた2つのボウルの下方に、化粧板で覆われた単一の収納室が前記2つの化粧室に跨って設けられ、
    前記収納室に前記2つの化粧室に共通の単一のゴミ箱と単一の消火器からなるゴミ箱装置が設けられている、
    ことを特徴とする請求項5記載の航空機の航空機用化粧室ユニット。
  7. 前記2つの化粧室の前記ボウルは、前記仕切り壁に直交する方向の寸法である奥行が同一の値で形成され、
    前記2つの化粧室の前記ボウルは、そのボウルが使用される化粧室からその奥行の1/2の部分が前記仕切り壁から隣の化粧室に突出している、
    ことを特徴とする請求項1乃至6に何れか1項記載の航空機用化粧室ユニット。
  8. 前記2つの化粧室にそれぞれ便器が配置され、
    前記便器の左右幅方向の中心を通る中心線が、前記便器の前方に至るにつれて前記仕切り壁から離れるように前記便器が前記仕切り壁に対して傾斜して配置されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至7に何れか1項記載の航空機用化粧室ユニット。
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