JP5849855B2 - 航空機用化粧室ユニットおよびその配置構造 - Google Patents
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Description
そして、座席数の増大を図る観点から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1、2には、移動可能な航空機用化粧室ユニットが開示され、レイアウトの変更を行なえる航空機用化粧室ユニットが提案されている。
一方、航空機用化粧室ユニットでは、一般住宅用のトイレや、事務所ビルのトイレなどと異なり圧力水が航空機用化粧室ユニットまで配管により導かれており、水洗用のレバーの操作によりバルブが開かれて圧力水が便器内に流出され、便器の後方に、便器専用の水タンクを備えていない。
また、航空機用化粧室ユニットは、多くの場合、手洗い器を含んで構成されるが、手洗い器を単に配置すると、その分、航空機用化粧室ユニットの幅が大きくなり、座席数を増やす上で不利となる。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、座席数を増やす上で有利な航空機用化粧室ユニットおよびその配置構造を提供することにある。
また、本発明の航空機用化粧室ユニットの配置構造は、航空機の機体は、前記機体の前後方向に延在する縦通路と、前記縦通路の左右両側にそれぞれ、複数の座席が機体の前方に向けて前記機体の左右方向に並べられた座席列が前記機体の前後方向に複数並べられて構成された座席群と、前記座席群の後方で搭乗口から前記左右方向に延在し前記縦通路に接続する横通路とを備え、前記航空機用化粧室ユニットは、前記縦通路の左右両側の座席群のうちの少なくとも一方の座席群の最も後方に位置する後端座席列の各座席の背もたれに前記第2側壁を近接させ、前記横通路に前記第1側壁を対向させ、前記縦通路に前記正面壁を対向させて配置されていることを特徴とする。
そのため、出入口から便器に至る躯体フレームの幅を、手洗い器の幅を考慮せず、人が行き来でき便器に着座できる幅が空間部に確保されるに足る寸法で形成できる。
したがって、航空機用化粧室ユニットを平面視した場合、少なくとも航空機用座席の起立状態とされた背もたれよりも高い高さまで、均一の幅で直線状に延在する長方形に形成でき、機内のフロア上において航空機用化粧室ユニットが占める面積を減少させ、機内の座席数を増やす上で有利となる。
また、本発明の航空機用化粧室ユニットの配置構造では、航空機用化粧室ユニットは、後端座席列の各座席の背もたれに第2側壁を近接させ、横通路に第1側壁を対向させ、縦通路に正面壁を対向させて配置されている。
したがって、機体の前後方向において、躯体フレームの外側に露出する第2側壁が位置する躯体フレームの幅が、人が行き来でき便器に着座できる幅が空間部に確保されるに足る寸法で形成されていることから、後端座席列の後方において航空機用化粧室ユニットが占める機体の前後方向のスペースは極めて小さい。
したがって、機体の前後における座席列の間隔を、数インチ程度、例えば1〜2インチ詰めることで、縦通路の側方で第2側壁の前方に座席列を増やすことが可能となる。
次に本発明の実施の形態に係る航空機用化粧室ユニットとその配置構造について図面を参照して説明する。
図1に示すように、航空機の機体10は、座席群12と、縦通路14と、横通路16と、航空機用化粧室ユニット18Aとを備えている。
航空機の機体10の前部は操縦室1002となっており、後部は圧力隔壁1004となっており、それら前部と後部との間に、座席群12と、縦通路14と、横通路16と、航空機用化粧室ユニット18Aが設けられ、図中符号1006は後部の搭乗口、符号1008はギャレーを示している。
縦通路14は、機体10の中央で機体10の前後方向に延在している。
各座席群12は、複数の座席20が機体10の前方に向けて機体10の左右方向に並べられた座席列22が機体10の前後方向に複数並べられて構成されている。本実施の形態では、3つの座席20が左右方向に並べられることで座席列22が構成されている。
各座席20は、リクライニング機能を備えており、背もたれ2002(図7参照)が起立状態と倒伏状態とに調整可能に構成されている。
横通路16は、座席群12の後方で機体10の搭乗口1006から左右方向に延在し縦通路14に接続している。
次に、図3〜図7を参照して航空機用化粧室ユニット18Aの構成について説明する。
航空機用化粧室ユニット18Aの躯体フレーム24は、底壁26と、第1側壁28と、第2側壁30と、背面壁32と、正面壁34と、天井壁36とを有している。
第1側壁28は、底壁26の一方の長辺から起立し天井壁36に接続されている。
第2側壁30は、底壁26の他方の長辺から少なくとも航空機用座席20の起立状態とされた背もたれ2002よりも高い高さで起立しており、本実施の形態では、底壁26から天井壁36まで延在している。
第1側壁28と第2側壁30は、それぞれ平坦面で形成され、互いに平行している。
背面壁32は、底壁26の一方の短辺から起立し第1側壁28と第2側壁30の一端を接続している。背面壁32は、航空機用化粧室ユニット18Aを機内の側壁に寄せて配置するため、背面壁32は、機体の側壁に対応させて湾曲面で形成され、この形状は航空機用化粧室ユニットが設置される機体の側壁に対応して決定される。
正面壁34は、底壁26の他方の短辺から起立し第1側壁28と第2側壁30の他端を接続している。正面壁34には出入口38が設けられている。出入口38は、正面壁34に設けられた開口3802と、この開口3802を開閉する扉3804とを有している。
本実施の形態では、背面壁32と正面壁34とを結ぶ方向における躯体フレーム24の長さL(図4参照)は、図1、図2に示すように、3つの座席20の各幅を加えた寸法とおなじかあるいはそれ以下となっており、言い換えると、座席列22の長さに対応した長さ以下となっている。なお、この長さLは、座席数、座席20の大きさ、座席20の配置によっても異なるが、長さLは、機内の空間を大きく確保する観点からすると、小さい方が好ましい。
そして、空間部SAに便器40と手洗い器42と収納ボックス44が配置されることで化粧室が形成されている。
収納ボックス44は、便器40と背面壁32との間で便器40の上方に配置されている。
収納ボックス44は、第1側壁28と第2側壁30との間の全長にわたって延在しており、収納ボックス44には、ダストボックスと、便座のシートカバーのディスペンサが収納されている。
収納ボックス44は、正面壁34に対向する正面を有し、便座のシートカバーの取り出し口4402は、起立状態となった蓋4004の側方に位置する正面の箇所に設けられている。
収納ボックス44の上面は、起立状態となった蓋4004よりも上方の箇所に位置し、この収納ボックス44の上面に手洗い器42と、ダストボックスへのごみの投入口4404とが設けられている。
すなわち、便器40と、幅を取る手洗い器42とが、空間部SAの延在方向の端部で、空間部SAの延在方向に並べて配置されている。手洗い器42は、水栓4202とボウル部4204を有している。
さらに、本実施の形態では、化粧室内に位置する第2側壁30の内面に、各種の化粧室用の予備品が収納された収納ボックス46や鏡48が配置されている。
そして、図7に示すように、躯体フレーム24の外側に露出する第2側壁30が位置する躯体フレーム24の幅Wは、出入口38と便器40との間で人が行き来でき便器40の便座4002に着座できる幅が空間部SAに確保されるに足る最小限の寸法で形成されている。
具体的には、幅Wは、600mm〜750mmである。
そのため、出入口38から便器40に至る躯体フレーム24の幅Wを、手洗い器42の幅を考慮することなく、人が行き来でき便器40に着座できる幅が空間部SAに確保されるに足る最小限の寸法で形成できる。
したがって、図4に示すように、航空機用化粧室ユニット18Aを平面視した場合、少なくとも航空機用座席20の起立状態とされた背もたれ2002よりも高い高さまで、小さい均一の幅Wで直線状に長さL延在する長方形にでき、航空機用化粧室ユニット18Aをスリム化し、小型化することが可能となり、機内のフロア上において航空機用化粧室ユニット18Aが占める面積を減少させ、機内の座席数を増やす上で有利となる。
航空機用化粧室ユニット18Aは、図2、図7に示すように、後端座席列22Aの各座席20の背もたれ2002に第2側壁30を近接させ、横通路16に第1側壁28を対向させ、縦通路14に正面壁34を対向させて配置されている。
詳細に説明すると、航空機用化粧室ユニット18Aは、図7に示すように、各後端座席列22Aの座席20の背もたれ2002の後方に、乗客が座席20のリクライニング機能を満喫できるに足る最小限のスペースを確保し、各後端座席列22Aの座席20の倒伏状態となった背もたれ2002に第2側壁30を近接させて配置されている。
したがって、機体10の前後における座席列22の間隔を、数インチ程度、例えば、1〜2インチ詰めることで、縦通路14の両側で第2側壁30の前方に座席列22を増やすことができ、図12に示すように、両側の側壁間に手洗い器を配置して平面視矩形状とした航空機用化粧室ユニット100を後端座席列22Aの後方に配置した比較例に比べ、合計6つの座席20を増やすことが可能となる。
したがって、本実施の形態によれば、座席数を増やす上で有利な航空機用化粧室ユニットおよびその配置構造が得られる。
次に、図8、図9を参照して第2の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態では、第1の実施の形態と異なる箇所のみを説明し、第1の実施の形態と同様な箇所の説明は省略している。
第2の実施の形態の航空機用化粧室ユニット18Bでは、第2側壁30が天井壁36まで延在しておらず、航空機用座席20の起立状態とされた背もたれ2002よりも高い高さHまで起立している。
この場合、航空機用座席20の起立状態とされた背もたれ2002よりも高い高さHとは、機体10のフロア、あるいは、航空機用化粧室ユニット18Bの底壁26の下面からの高さである。
図9に示すように、この高さHは、この高さHに突出物があっても、背もたれ2002が起立状態とされた航空機用座席20に乗客が着座したとき、頭の上方に位置して頭が突出物に当たらず、また、航空機用座席20に着座する際、あるいは、航空機用座席20から起立する際に、頭が突出物に当たらない高さである。
この高さHは、具体的には、150〜170cmの範囲内の高さである。
この高Hさを、図9に示すように、機体10の側壁の上部に設けられる手荷物収納庫50の底面5002と同じ寸法とすると、機内のデザイン性を高める上で有利となる。
突出壁部52は、第2側壁30の上端から第1側壁28から離れる方向に起立する底面部5202と、底面部5202から屈曲して第1側壁28と平行して延在する側面部5204とを有し、正面壁34には、突出壁部5202に対応して突出部3402が設けられている。
そして、突出壁部52の内側の箇所は、化粧室の備品が収納される化粧室の収納棚54として形成されている。なお、図9において想像線5402は、化粧室と収納棚54とを仕切る壁面を示している。
突出壁部52の底面部5202の高さHは、第2側壁30の高さHと同様であり、具体的には、150〜170cmの範囲内の高さであり、図9に示すように、機体10の側壁の上部に設けられる手荷物収納庫50の底面5002と同じ寸法とすると、機内のデザイン性を高める上で有利となる。
すなわち、第2の実施の形態の航空機用化粧室ユニット18Bによっても、航空機用座席20の起立状態とされた背もたれ2002よりも高い高さHまで、躯体フレーム24を小さい寸法の均一の幅Wで直線状に長さL延在する長方形にでき、航空機用化粧室ユニット18Bをスリム化し、小型化することが可能となり、機内のフロア上において航空機用化粧室ユニット18Bが占める面積を減少させ、機内の座席数を増やす上で有利となる。
また、第2の実施の形態の航空機用化粧室ユニット18Bの配置構造によっても、図9に示すように、躯体フレーム24の外側に露出する第2側壁30が位置する躯体フレーム24の幅Wは、出入口38と便器40との間で人が行き来でき便器40に着座できる幅が空間部SAに確保されるに足る最小限の寸法で設定されていることから、後端座席列22Aの座席20の背もたれ2002に近接させて第2側壁30を位置させて航空機用化粧室ユニット18Bを配置した場合、後端座席列22Aの後方において航空機用化粧室ユニット18Bが占める機体の前後方向のスペースは極めて小さく、座席数を増やす上で有利となる。
さらに、第2の実施の形態によれば、航空機用化粧室ユニット18Bが化粧室の収納棚54を備えることから、化粧室の利便性を高める上でより有利となる。
次に、図10、図11を参照して第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態の航空機用化粧室ユニット18Cでは、第2側壁30は、第1の実施の形態と同様に、底壁26から天井壁36まで延在している。
第3の実施の形態では、第2側壁30の上部で空間部SAと反対に位置する外面で、航空機用座席20の起立状態とされた背もたれ2002よりも高い高さHの箇所に、客室側から手荷物の収納を行なうための手荷物収納庫56が設けられている。
正面壁34には、手荷物収納庫56に対応して突出部3412が設けられている。
手荷物収納庫56は、機体10の側壁の上部に設けられる手荷物収納庫50と同じ高さHで、また、手荷物収納庫50と同じ形状で形成され、機内のデザイン性を高める上で有利となっている。手荷物収納庫56の高さHの定義については、第2の実施の形態の第2側壁30の高さおよび手荷物収納庫50の底面5002の高さHと同様である。
すなわち、第3の実施の形態の航空機用化粧室ユニット18Cによっても、航空機用座席20の起立状態とされた背もたれ2002よりも高い高さHまで、躯体フレーム24を小さい寸法の均一の幅Wで直線状に長さL延在する長方形にでき、航空機用化粧室ユニット18Cをスリム化し、小型化することが可能となり、機内のフロア上において航空機用化粧室ユニット18Cが占める面積を減少させ、機内の座席数を増やす上で有利となる。
また、第3の実施の形態の航空機用化粧室ユニット18Cの配置構造によっても、図11に示すように、躯体フレーム24の外側に露出する第2側壁30が位置する躯体フレーム24の幅Wは、出入口38と便器40との間で人が行き来でき便器40に着座できる幅が空間部SAに確保されるに足る最小限の寸法で設定されていることから、後端座席列22Aの座席20の背もたれ2002に近接させて第2側壁30を位置させて航空機用化粧室ユニット18Cを配置した場合、後端座席列22Aの後方において航空機用化粧室ユニット18Cが占める機体の前後方向のスペースは極めて小さく、座席数を増やす上で有利となる。
さらに、第3の実施の形態によれば、航空機用化粧室ユニット18Cを利用することで、手荷物収納庫56を簡単に増設でき、乗客の手荷物を簡単に整理する上で有利となる。
また、縦通路14が2つの場合にも本発明は無論適用可能であり、その場合には座席群12は3つとなり、少なくとも1つの座席群12の後端座席列22Aと横通路16との間に航空機用化粧室ユニット18A〜18Cを設ければよい。
Claims (6)
- 平面視長方形の底壁と、前記底壁の長辺から互いに対向し平行して起立する第1側壁および第2側壁と、前記底壁の一方の短辺から起立しそれら側壁の一端を接続する背面壁と、前記底壁の他方の短辺から起立しそれら側壁の他端を接続する正面壁を有する躯体フレームを備え、
前記第2側壁は、少なくとも航空機用座席の起立状態とされた背もたれよりも高い高さで起立し、
前記第1側壁と前記第2側壁との間で前記背面壁と前記正面壁とにわたって均一の幅で直線状に延在する空間部が形成され、
前記空間部に便器と手洗い器が配置されることで化粧室が形成され、
前記正面壁に出入口が配置され、
前記背面壁側の前記空間部の延在方向の端部寄りに前記便器が配置され、
前記便器と前記背面壁との間で前記便器の上方に収納ボックスが配置され、
前記収納ボックスの上部に前記手洗い器が配置され、
前記躯体フレームの外側に露出する前記第2側壁が位置する前記躯体フレームの幅は、前記出入口と前記便器との間で人が行き来でき前記便器に着座できる幅が前記空間部に確保されるに足る寸法で形成されている、
ことを特徴とする航空機用化粧室ユニット。 - 前記収納ボックスに、ダストボックスと、便座のシートカバーのディスペンサが収納され、
前記収納ボックスに、前記ダストボックスへのゴミ投入口と、前記シートカバーの取り出し口が設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載の航空機用化粧室ユニット。 - 前記躯体フレームはさらに、前記化粧室の天井を構成する天井壁を有し、
前記第2側壁は、前記底壁から前記天井壁まで延在している、
ことを特徴とする請求項1または2記載の航空機用化粧室ユニット。 - 前記第2側壁の上部で前記空間部と反対に位置する外面で、航空機用座席の起立状態とされた背もたれよりも高い高さの箇所に、前記第1側壁から離れる方向に突出する客室用の手荷物収納庫が設けられている、
ことを特徴とする請求項3記載の航空機用化粧室ユニット。 - 前記躯体フレームはさらに、前記化粧室の天井を構成する天井壁を有し、
前記第2側壁は、航空機用座席の起立状態とされた背もたれよりも高い高さで起立し、
前記第2側壁の上端に、前記第1側壁から離れる方向に突出し前記天井壁、前記背面壁、前記正面壁に接続する突出壁部が設けられ、
前記突出壁部の内側は、前記化粧室の収納棚として形成されている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の航空機用化粧室ユニット。 - 請求項1〜5の何れか1項記載の航空機用化粧室ユニットの配置構造であって、
航空機の機体は、
前記機体の前後方向に延在する縦通路と、
前記縦通路の左右両側にそれぞれ、複数の座席が機体の前方に向けて前記機体の左右方向に並べられた座席列が前記機体の前後方向に複数並べられて構成された座席群と、
前記座席群の後方で搭乗口から前記左右方向に延在し前記縦通路に接続する横通路とを備え、
前記航空機用化粧室ユニットは、前記縦通路の左右両側の座席群のうちの少なくとも一方の座席群の最も後方に位置する後端座席列の各座席の背もたれに前記第2側壁を近接させ、前記横通路に前記第1側壁を対向させ、前記縦通路に前記正面壁を対向させて配置されている、
ことを特徴とする航空機用化粧室ユニットの配置構造。
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