JP5824844B2 - 電子ペーパー用背面電極基材および電子ペーパー - Google Patents
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Description
なお、図12(a)は従来の製造方法により製造された電子ペーパー用背面電極基材の一例を示す概略平面図であり、図12(b)は図12(a)のA’−A’線断面図である。また、図12(a)においては、配線電極用絶縁層2”αは点線を用いて示している。
なお、図13(a)は従来の製造方法により製造された電子ペーパー用背面電極基材の他の例を示す概略平面図であり、図13(b)は図13(a)のA”−A”線断面図である。また、図13(a)においては、説明のため、配線電極用ビア層を省略して示している。また、説明していない符号については、図12(a)、(b)で説明した符号と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、上記圧力の差は、上記背面電極基材を電子ペーパーに用いた場合に、電子ペーパーにかかる圧力の差として現れるものである。
なお、図14は従来の製造方法により製造された電子ペーパー用背面電極基材の他の例を示す概略断面図であり、説明していない符号については、図13(a)、(b)で説明した符号と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
したがって、上述の構成を有する背面電極基材を電子ペーパーに用いた場合は、背面電極基材の上記導電接続層を有する部分においては、上記導電接続層を有さない部分に比べて大きな圧力がかかるため、部分的にセルギャップが小さくなることから表示媒体の駆動速度が変化してしまうといった問題や、上記圧力により表示媒体の駆動が妨げられるといった問題があった。また、その結果、電子ペーパーに表示される画像等の表示にムラが発生して視認性が低下してしまうといった問題があった。
また、従来の構成に比べて、導電性ペーストの使用量を少なくすることが可能となることから、製造コストについても削減することが可能となる。
まず、本発明の電子ペーパー用背面電極基材(以下、単に背面電極基材と称して説明する場合がある。)について説明する。
また、本発明において「配線電極層の配線電極が表示電極層の表示電極直上に配置されている」とは、本発明の背面電極基材を配線電極層側から平面視で観察した場合に、配線電極層の配線電極の少なくとも一部が表示電極層の表示電極が配置されている領域に含まれ、表示電極および配線電極を線状のパターンを含まない導電接続層で接続可能な位置に配線電極が配置されていることを指し、上記の配置関係となるように、表面電極層の表面電極上に配線電極層が直接配置されている場合だけではなく、他の層を介して配置されている場合を含む概念である。
図1(a)は本発明の背面電極基材の一例を示す概略平面図であり、図1(b)は図1(a)のB−B線断面図である。図1(a)、(b)に示すように、本発明の背面電極基材10は、表示電極用絶縁層1α、および表示電極用絶縁層1α上に形成された表示電極1βを備え、表示情報に応じたパターン形状を有する表示電極層1と、表示電極層1の表示電極1β上に配置された配線電極用絶縁層2α、および配線電極用絶縁層2α上に形成された配線電極2βを備え、上記表示電極1βに電荷を付与することが可能なパターン形状を有する配線電極層2と、配線電極層2の配線電極2β上に形成された保護フィルム3とを有するものである。
また、本発明の背面電極基材10は、表示電極層1の表示電極1βと表示電極1β直上に配置された配線電極層2の配線電極2βとが、導電性ペーストを含む導電接続層4を用いて接続されているものである。
また、従来の構成に比べて、導電性ペーストの使用量を少なくすることが可能となることから、製造コストについても削減することが可能となる。
本態様においては、なかでも、上記表示電極直上に配置された上記配線電極層がビアホールを有し、上記表示電極層の上記表示電極と上記配線電極層の上記配線電極とが、上記ビアホールを介して上記導電接続層を用いて接続されている構成を有することが好ましい。
図2(a)は本発明の背面電極基材の他の例を示す概略平面図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線断面図である。図2(a)、(b)に示すように、本発明の背面電極基材10の好ましい構成は、表示電極1β直上に配置された配線電極層2がビアホールV1を有し、表示電極層1の表示電極1βと配線電極層2の配線電極2βとが、ビアホールV1を介して導電接続層4を用いて接続されている構成である。
なお、図2(a)、(b)において説明していない符号については、図1(a)、(b)と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明における配線電極層は、上記表示電極層の上記表示電極上に配置された配線電極用絶縁層、および上記配線電極用絶縁層上に形成された配線電極を備え、上記表示電極に電荷を付与することが可能なパターン形状を有するものである。
また、本発明においては、表示電極上に配置された上記配線電極層がビアホールを有する。
本発明においては、上記ビアホールを介して、表示電極層の表示電極上および配線電極の配線電極上に、導電接続層が配置される。
具体的に、上記ビアホールの大きさとしては、0.5mm〜20.0mmの範囲内、なかでも1.0mm〜10.0mmの範囲内、特に2.0mm〜5.0mmの範囲内であることが好ましい。上記大きさが上記範囲を超える場合は、導電接続層に用いられる導電性ペースト等の材料が多量に必要となることから製造コストが高くなる場合があるからである。また、上記大きさが上記範囲に満たない場合は、導電接続層を用いて十分に表示電極および配線電極を接続させることが困難となる場合があるからである。
なお、「ビアホールの大きさ」とは、ビアホールの形状において、最も大きい幅を指す。
本発明における配線電極層は上述したビアホールを有するものである。
このような配線電極層のパターン形状としては、通常、図2(a)等に示すように、線状のパターン形状を好適に用いることができる。
本発明においては、なかでも、図3(b)に示すように、ビアホールV1が形成されている部分がビアホールV1の形状に沿ったパターン形状を有することが好ましい。このようなパターン形状とすることにより、ビアホールが形成されていない部分における配線電極層の線幅については小さくすることが可能となるため、本発明の背面電極基材を用いた電子ペーパーを小型化する場合や、本発明の背面電極基材に用いられる表示電極層のパターン形状が微細な場合においても、好適に配線電極層を配置することが可能となるからである。
なお、図3(a)、(b)は本発明の背面電極基材に用いられる配線電極層のパターン形状の例を示すパターン図であり、説明していない符号については、図2(a)等と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、上記線幅が上記範囲を超える場合は、本発明の背面電極基材を用いた電子ペーパーを小型化することが困難となる可能性や、対応する表示電極層のパターン形状を微細化することが困難であることから、上記電子ペーパーにおいて高精細な情報表示を行うことが困難となる可能性があるからである。
本発明における配線電極層は、配線電極用絶縁層および配線電極を有するものである。
このような配線電極層としては、配線電極用絶縁層として樹脂製基材を有し、かつ配線電極として導電層を有する態様(以下、Aの態様とする。)と、配線電極用絶縁層として絶縁性を有する粘着層を有し、かつ配線電極として金属基材を有する態様(以下、Bの態様とする。)とを挙げることができる。
以下、各態様について説明する。
本態様の配線電極層は、配線電極用絶縁層として樹脂製基材を有し、かつ配線電極として導電層を有するものである。
本態様における配線電極絶縁層としては、樹脂性基材が用いられる。
上記樹脂製基材としては、透明性を有するものであってもよく、透明性を有さないものであってもよい。
本態様における配線電極としては、導電層が用いられる。また、上記導電層は上記配線電極用絶縁層上に形成されるものである。また、表示電極層の表示電極に電荷を付与するために用いられるものである。
本態様の配線電極層は、配線電極用絶縁層として絶縁性を有する粘着層を有し、かつ配線電極として金属基材を有するものである。
本態様における配線電極用絶縁層としては、絶縁性を有する粘着層が用いられる。
本態様における配線電極としては、金属基材が用いられる。
本発明における配線電極層の形成方法としては、上述したパターン形状を有するように配線電極層を形成することが可能な方法であれば特に限定されない。
本発明においては、例えば、配線電極層に用いられる樹脂製基材上全面に配線電極を形成した配線電極層用基材を準備し、配線電極層用基材を所望の形状にカッティングすることにより配線電極層を形成する方法を好適に用いることができる。
また、金属基材を準備し、金属基材を所望のパターン形状にカッティングして配線電極を形成し、配線電極の一方の表面に粘着層からなる配線電極用絶縁層を形成することにより、配線電極層を形成することができる。
本発明に用いられる導電接続層は、ビアホールを介して表示電極層の表示電極と配線電極層の配線電極とを接続させるために用いられるものである。また、上記導電接続層はビアホールを介して表示電極および配線電極上に配置されるものである。
上記導電性ペーストとしては、導電性を有し、上記ビアホールを介して各電極に導電性層を配置することにより、各電極を接続させることができるものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、導電性高分子化合物や、樹脂材料に導電性を有する無機材料を分散させたもの等を用いることができる。
本発明における表示電極層は、表示電極用絶縁層、および上記表示電極用絶縁層上に形成された表示電極を備え、表示情報に応じたパターン形状を有するものである。
なお、上記表示電極層は、通常、表示電極用絶縁層上全面に表示電極が形成されているものである。
本発明においては、例えば、表示電極用絶縁層に用いられる樹脂製基材上全面に表示電極を形成し、これを所望の形状にカッティングすることにより、表示電極層を形成する方法を好適に用いることができる。また、上述した配線電極層の項で説明したように、金属基材および粘着層を用いても形成することができる。
本発明における保護フィルムは、配線電極層の配線電極上に配置されるものである。
上記保護フィルムがラミネート加工が可能なフィルムであることにより、配線電極上に容易に保護フィルムを配置することが可能となるからである。
具体的には、ラミネート加工可能なベースフィルム材料としては、ラミネート加工時の加熱圧着による耐熱性の観点からポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
また、シーラントフィルム材料としては無延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム等が挙げられる。また、ポリウレタン、ポリアクリル、エポキシ樹脂、シリコーン等の熱シール性のある材料からなる塗膜等を用いることも可能である。
なお、保護フィルムを配線電極上に配置する場合は、ベースフィルム材料とシーラントフィルム材料とのうち、シーラントフィルム材料側が対向するように配置されて接着される。
本発明の背面電極基材は、上記表示電極層、配線電極層、保護フィルム、および導電接続層を有するものであれば特に限定されず、他にも必要な構成を適宜選択して追加することが可能である。以下、このような構成について説明する。
本発明においては、配線電極用スペーサ層を有することが好ましい。
本発明における配線電極用スペーサ層5は、図4(a)〜(c)に示すように、配線電極層2と保護フィルム3との間に配置され、絶縁性を有するものである。また、配線電極用スペーサ層5は、ビアホールV1直上に配線電極用ビアホールV2を有するものである。さらに、配線電極用スペーサ層5は、その厚みtが、図4(b)に示すように、配線電極用ビアホールV2の端部に形成された導電接続層4の厚みsと同一、または図示はしないが導電接続層4の厚みsよりも大きいものである。また、図4(c)に示すように、配線電極用スペーサ層5は、通常、保護フィルム3と同様の形状を有するものである。
なお、図4(a)〜(c)において説明していない符号については図1(b)等と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
具体的には、上記配線電極用スペーサ層と上記配線電極用ビアホール内に形成されている導電接続層との厚みの差が、50μm以下、なかでも30μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。上記厚みの差が上記範囲を超える場合は、本発明の背面電極基材を用いた電子ペーパーに表示不良が発生する可能性があるからである。
なお、配線電極用スペーサ層に用いられる樹脂製基材については、上述した配線電極用絶縁層に用いられる樹脂製基材と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明においては、図7に示すように、表示電極層1と配線電極層2との間に配置された絶縁性を有する表示電極用スペーサ層7を有していることが好ましい。また、表示電極用スペーサ層7は、通常、上記ビアホールV1直下に表示電極用ビアホールV2を有するものである。
そこで、本発明においては、表示電極用スペーサ層を設けることにより、上述した配線電極の表示媒体層への影響を十分に阻害することができるとともに、所望の形状を有する配線電極層を所望の形状で形成することが可能となる。
なお、具体的な表示電極用ビアホールの大きさについては、通常、配線電極層に形成されるビアホールの大きさに応じて適宜選択される。
本発明においては、図8に示すように、本発明の背面電極基材10に用いられる各層は粘着層8を介して接着されていてもよい。粘着層を用いた場合は、本発明の背面電極基材の各層間の密着性を高いものとすることが可能となり、その結果、本発明の背面電極基材の強度を高いものとすることができるからである。また、背面電極基材を製造する際に、簡便に各層間を貼り合せることが可能となるからである。
また、図8に示すように、表面電極層1の表面電極用絶縁層1α側の表面に粘着層8が形成されていてもよい。これにより、本発明の背面電極用基材を電子ペーパーの表示媒体層に容易に配置することが可能となるからである。
本発明において、図8に示すように、表示電極層1の表示電極用絶縁層1α側に粘着層8が形成されている場合は、剥離層9を有することが好ましい。上記剥離層を有することにより、本発明の背面電極基材を取り扱い易いものとすることができる。
上記の説明においては、表示電極層の表示電極および配線電極層の配線電極の接続安定性の観点から、本発明の背面電極基材において好ましい構成、すなわち、図2(a)、(b)等に示すように、配線電極層2が表示電極1β直上にビアホールV1を有し、表示電極層1の表示電極1βと配線電極層2の配線電極2βとが、ビアホールV1を介して導電性ペーストを含む導電接続層4を用いて接続されている構成を有するものを例に挙げて説明しているが、これに限定されるものではなく、表示電極層の表示電極と表示電極直上に配置された配線電極層の配線電極とが、導電性ペーストを含む導電接続層を用いて接続されている構成を有するものであれば、本発明の作用効果を奏することが可能である。
本発明の背面電極基材は、種々の表示媒体層を有する電子ペーパーに用いることができる。本発明においては、なかでも、表示媒体としてツイストボールを用いた表示媒体層を有する電子ペーパーに用いることが好ましい。表示媒体としてツイストボールを有する表示媒体層は、背面電極基材の保護フィルム側表面の凹凸に起因する表示不良が発生しやすいことから、本発明の背面電極基材の効果を高く発揮することが可能となるからである。
本発明の背面電極基材の製造方法としては、上述した構成を有する背面電極基材を製造することが可能な方法であれば特に限定されない。例えば後述する「B.電子ペーパー」の項で説明する方法を用いることができる。
次に、本発明の電子ペーパーについて説明する。
本発明の電子ペーパーは、上述した「A.電子ペーパー用背面電極基材」の項で説明した背面電極基材と、透明基材および上記透明基材上に形成された透明電極を有する対向電極基材と、上記背面電極基材と上記対向電極基材との間に配置され、表示媒体を含む表示媒体層とを有することを特徴とするものである。
図9は、本発明の電子ペーパーの一例を示す概略断面図である。図9に示すように、本発明の電子ペーパー100は、背面電極基材10と、透明基材21および透明電極22を有する対向電極基材20と、背面電極基材10と対向電極基材20との間に配置され、表示媒体31を含む表示媒体層30とを有するものである。ここで、背面電極基材10については、図2で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、図9においては、表示媒体層30は、ツイストボール31と低極性溶媒層32とを有するものである。また、本発明においては表示媒体層用基材33を有していてもよい。
本発明における背面電極基材については、上述した「A.電子ペーパー用背面電極基材」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明における対向電極基材は、透明基材と、上記透明基材上に形成された透明電極を有するものである。
まず、上記対向電極基材に用いられる透明基材について説明する。
本発明における対向電極基材に用いられる透明基材としては、所望の透明性を有するものであれば特に限定されるものではなく、一般的な電子ペーパーに用いられている透明基材と同様のものを用いることができる。中でも、本発明に用いられる透明基材は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。透過率が上記範囲であることにより、本発明の電子ペーパーの表示輝度が低下すること等を防止することができるからである。
ここで、透明基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
次に、上記対向電極基材に用いられる透明電極について説明する。
本発明に用いられる透明電極の材料としては、透明電極を形成することができる導電性材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アルミニウム亜鉛(AZO)等の導電性酸化物、Au、Ni等の金属、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアルキルチオフェン誘導体、ポリシラン誘導体のような導電性高分子等を用いることができ、中でも、ITOが好適に用いられる。
本発明における対向電極基材は、上述した透明電極、および透明基材を有するものであれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して追加することができる。
以下、このような構成としては例えば補助電極を挙げることができる。
なお、補助電極については、一般的な電子ペーパーの対向電極基材に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
次に、表示媒体層について説明する。
上記表示媒体層は、背面電極基材と、対向電極基材との間に配置されるものである。
電子ペーパーの表示方式としては、公知のものを適用することができ、例えば、電気泳動方式、ツイストボール方式、粉体移動方式(電子粉流体方式、帯電トナー型方式)、液晶表示方式、サーマル方式(発色方式、光散乱方式)、エレクトロクロミック方式、エレクトロウェッティング方式、磁気泳動方式などが挙げられる。本発明においては、中でも、ツイストボール方式が好適に用いられる。表示媒体としてツイストボールを有する表示媒体層は、背面電極基材の保護フィルム側表面の凹凸に起因する表示不良が発生しやすいことから、上述した背面電極基材の効果を高く発揮することが可能となるからである。
本発明に用いられるツイストボールは、異なる帯電特性を有する2色相を有するものである。また、本発明における電子ペーパーにおいて表示媒体として働くものである。
本発明における低極性溶媒層は、ツイストボールとともに表示媒体層を構成するものである。
本発明に用いられる低極性溶媒層は、低極性溶媒を含むものであれば特に限定されるものではない。上記低極性溶媒層としては、通常、低極性溶媒と、上記低極性溶媒を膨潤させる、エラストマー材料からなるエラストマーシートとから構成されるものである。
以下、上記低極性溶媒層に用いられる低極性溶媒、およびエラストマーシートについてそれぞれ説明する。
本発明に用いられる低極性溶媒は、上述したツイストボールの回転が円滑となるようにするために用いられるものである。また、通常は後述するエラストマーシートを膨潤させて用いられるものである。
本発明に用いられるエラストマーシートは、上記低極性溶媒で膨潤させることができるエラストマー材料からなるものである。また、上記エラストマーシートは、上記ツイストボールが分散されたシート状部材であり、これに上記低極性溶媒で膨潤させることによって用いられるものである。
このようなエラストマーシートの材料としては、シリコーン樹脂、微架橋したアクリル樹脂、微架橋したスチレン樹脂、およびポリオレフィン樹脂等を挙げることができる。
また、本発明における表示媒体層は、上記ツイストボールと、上記低極性溶媒層とを有するものであれば特に限定されず、他にも必要な部材を追加することができる。
以下、このような部材について説明する。
本発明においては、図9に示すように、表示媒体層30を支持するための表示媒体層用基材33を有していてもよい。なお、図9においては、表示媒体層用基材33は表示媒体層30の背面電極基材10および対向電極基材20側の両方に配置される例について示しているが、図示はしないが、背面電極基材側または対向電極基材側のいずか一方にのみ配置されていてもよい。
表示媒体層用基材33を有することにより表示媒体層30の強度を向上させることができるため、電子ペーパー100の耐久性を向上させることができる。
また、図9に示すように、表示媒体層用基材33としては、ラミネート加工が可能な基材であることが好ましい。表示媒体層用基材を用いて表示媒体層を密封することが可能となるからである。ラミネート加工が可能な基材については、上述した「A.電子ペーパー用背面電極基材」の保護フィルムの項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
シール剤は表示媒体層を密封する際に用いられるものであり、通常、表示媒体層に隣接する基材の端部に配置されるものである。
このようなシール剤については、表示媒体層中の低極性溶媒の漏れ等を防止することができるように表示媒体層に隣接する基材とともに表示媒体層を密封することが可能であれば特に限定されない。具体的には、一般的な電子ペーパーに用いられるシール剤と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明に用いられる表示媒体層の膜厚としては、本発明における電子ペーパーにおいてツイストボールを回転させることにより情報表示を行うことが可能であれば特に限定されるものではないが、50μm〜1000μmの範囲内、なかでも100μm〜700μmの範囲内、特に200μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。上記表示媒体層の膜厚が上記範囲に満たない場合は、上記ツイストボールおよび各基材間の距離が小さいことから、ツイストボールが所望する方向へ回転するのが困難である可能性があるからであり、上記表示媒体層の膜厚が上記範囲を超える場合は、上記表示電極および対向電極間に電界を印加したとしても、上記ツイストボールおよび各基材間の距離が大きすぎることにより、本発明における電子ペーパーにおいて、ツイストボールを用いて情報表示を行うことが困難であるからである。
本発明においては、ラミネート加工により表示媒体層を密封することが好ましい。シール剤を用いた密封方法に比べて、より好適に表示媒体層からの低極性溶媒の液漏れ等を防止することが可能となり、また、表示領域についても広範囲なものとすることが可能となる。
本発明の電子ペーパーは上述した背面電極基材、対向電極基材、および表示媒体層を有するものであれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して追加することができる。
このような構成としては、例えば本発明の電子ペーパーを用いてカラー表示を行うことを可能とするカラーフィルタ層、電子ペーパーの表面に反射防止機能、低反射機能、防眩機能、のぞき見防止機能等の光学的機能を付与することが可能な光学機能層、電子ペーパー表面の傷および汚れを防止する表面保護機能を付与することが可能な表面保護層、電子ペーパーの画面に触れることにより情報の入力が可能な利便性を付与するタッチパネル層等を挙げることができる。
なお、通常、これらの構成は、電子ペーパーの表示面側、すなわち対向電極基材側に設けられる。また、これらの構成についてはいずれも公知の構成と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明の電子ペーパーの用途としては、デジタル機器のディスプレイ、電子ブック、デジタル・サイネージ(電子看板)等に用いられる。
本発明における電子ペーパーの製造方法としては、上記構成を有する電子ペーパーを製造することが可能な方法であれば特に限定されず、一般的な電子ペーパーの製造方法と同様とすることができる。
このような電子ペーパーの製造方法としては、例えば、表示電極用絶縁層、および上記表示電極用絶縁層上に形成された表示電極を備え、表示情報に応じたパターン形状を有する表示電極層を形成する表示電極層形成工程、配線電極用絶縁層、および上記配線電極用絶縁層上に形成された配線電極を備え、上記表示電極に電荷を付与することが可能なパターン形状を有する配線電極層を形成する配線電極層形成工程、上記表示電極層の上記表示電極直上に上記配線電極層を配置し、電極上に導電性ペーストを含む導電接続層を配置することにより、表面電極層の表面電極および配線電極層の配線電極を接続させる接続工程、ならびに上記配線電極層の配線電極上に保護フィルムを配置する保護フィルム配置工程を有する背面電極基材形成工程と、透明電極基材上に透明電極を有する対向電極基材を準備する対向電極基材準備工程と、表示媒体を有する表示媒体層を準備する表示媒体層準備工程と、上記背面電極基材と上記対向電極基材との間に表示媒体層を配置することにより、電子ペーパーを形成する配置工程とを有する製造方法を挙げることができる。
上記背面電極基材形成工程においては、表示電極用絶縁層1α、および表示電極用絶縁層1α上に形成された表示電極1βを備えた表示電極層用基材1’を準備し、表示電極用基板1’を表示情報に応じたパターン形状にカッティングすることにより表示電極層1を形成する表示電極層形成工程(図10(a)、(b))と、配線電極用絶縁層2α、および配線電極用絶縁層2α上に形成された配線電極2βを備えた配線電極層用基材2’を準備し、配線電極層用基材2’を、表示電極2βに電荷を付与することが可能なパターン形状にカッティングし、かつ所定の位置にビアホールV1を形成することにより配線電極層2を形成する配線電極層形成工程(図10(c)、(d))と、表示電極層1の表示電極1β直上にビアホールV1が配置されるように配線電極層2を配置し、ビアホールV1を介して各電極1β、および2β上に導電性ペーストを含む導電接続層4を配置することにより、表面電極層1の表面電極1βおよび配線電極層2の配線電極2βを接続させる接続工程(図10(e))と、配線電極層2の配線電極2β上に保護フィルムを配置する保護フィルム配置工程(図10(f))とを行うことにより、背面電極基材10を形成する。
また、上記対向電極基材準備工程においては、図11(a)に示すように、透明基材21、および透明基材21上に形成された透明電極22を有する対向電極基材20を準備する。
また、表示媒体層準備工程においては、図11(b)に示すように、ツイストボール31および低極性溶媒層32を有する表示媒体層30を準備する。
また、配置工程においては、図11(c)、(d)に示すように、背面電極基材10の表示電極層用絶縁層1α側に表示媒体層用基材33を配置し、対向電極基材20の透明基材21側に表示媒体層用基材33を配置し、各々の表示媒体層用基材33との間に表示媒体層30を配置して、表示媒体層用基材33にラミネート加工を施すことにより、電子ペーパー100を形成する。
厚さ12μmの蒸着アルミニウム/PET(東レフィルム加工(株)製 #12 VM-PET1510)のPET面に厚さ12μmのポリエステルフィルム両面粘着テープ(東京フィルムサービス(株)製 No.705)の片方の面の剥離紙(ポリエステルフィルム)を剥がし、貼り合わせた。
これにより背面電極基材を得た。
厚さ125μmの透明電極ITO/PET(東京中井商事(株) RT-1T)のITO面に厚さ12μmのポリエステルフィルム両面粘着テープ(東京フィルムサービス(株)製 No.705)の片方の面の剥離紙(ポリエステルフィルム)を剥がし、貼り合わせた。この際、ITO面が粘着面から5mm以上出るように貼合した。
上述の背面電極基材と上述の対向電極基材とのお互いのCPP面を重ね合わせ、3辺をヒートシールし、袋を作製する。
次に、表示媒体層として、シリコーンオイルで膨潤済みの厚さ330μmの*ツイストボールシート(綜研化学(株)製 ツイストボールシート(黒白) *電子ペーパーの一種)を上述した電極基材同士を重ね合わせた袋に挿入する。
また、導電接続層の割れ、配線電極層の断線等も発生しなかった。
1α …表示電極用絶縁層
1β …表示電極
2 …配線電極層
2α …配線電極用絶縁層
2β …配線電極
3 …保護フィルム
4 …導電接続層
10 …背面電極基材
20 …対向電極基材
21 …透明基材
22 …透明電極
30 …表示媒体層
31 …表示媒体
100 …電子ペーパー
V1 …ビアホール
Claims (3)
- 表示電極用絶縁層、および前記表示電極用絶縁層上に形成された表示電極を備え、表示情報に応じたパターン形状を有する表示電極層と、
前記表示電極層の前記表示電極上に配置された配線電極用絶縁層、および前記配線電極用絶縁層上に形成された配線電極を備え、前記表示電極に電荷を付与することが可能なパターン形状を有する配線電極層と、
前記配線電極層の前記配線電極上に形成された保護フィルムと、を有し、
前記表示電極層の前記表示電極と前記表示電極直上に配置された前記配線電極層の前記配線電極とが、導電性ペーストを含む導電接続層を用いて接続されており、
前記表示電極直上に配置された前記配線電極層がビアホールを有し、前記表示電極層の前記表示電極と前記配線電極層の前記配線電極とが、前記ビアホールを介して前記導電接続層を用いて接続されており、
前記表示電極層と前記配線電極層との間に配置された絶縁性を有する表示電極用スペーサ層を有し、前記表示電極用スペーサ層が、前記ビアホール直下に表示電極用ビアホールを有しており、
前記配線電極用絶縁層が絶縁性を有する粘着層であり、前記配線電極が金属基材であることを特徴とする電子ペーパー用背面電極基材。 - 前記配線電極層と前記保護フィルムとの間に配置された絶縁性を有する配線電極用スペーサ層を有し、前記配線電極用スペーサ層が、前記ビアホール直上に配線電極用ビアホールを有し、かつ前記配線電極用スペーサ層の厚みが、配線電極用ビアホールの端部に形成された導電接続層の厚みと同一、または前記導電接続層の厚みよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の電子ペーパー用背面電極基材。
- 請求項1または請求項2に記載の電子ペーパー用背面電極基材と、
透明基材および前記透明基材上に形成された透明電極を有する対向電極基材と、
前記電子ペーパー用背面電極基材と前記対向電極基材との間に配置され、表示媒体を含む表示媒体層と、を有することを特徴とする電子ペーパー。
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