JP5565350B2 - ツイストボール型電子ペーパー付表示装置 - Google Patents
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Description
ここで、上記電子ペーパーは、通常、透明基材および透明電極層を有する透明電極基材と、対向基材および対向電極層を有する対向電極基材と、透明電極基材および対向電極基材の間に形成され、表示媒体を含む表示媒体層とを有するものであり、透明電極層および対向電極層の間に駆動電圧を印加することにより電界を生じさせ、上記電界に応じて表示媒体を駆動させることにより、画像等の所望の情報を表示するものである。
また一般に、上記電子ペーパーは、駆動電圧印加終了後も、上記情報を表示し続けることが可能な表示情報の保持性を有することに大きな特徴を有するものである。
ツイストボールを用いた電子ペーパー(以下、ツイストボール型電子ペーパーと称して説明する場合がある。)においては、透明電極層および対向電極層の間に駆動電圧を印加して生じた電界により、ツイストボールを2色相のいずれか1色の相がツイストボール型電子ペーパーの表示面側に向くように回転させることで情報が表示される。
そこで、本発明者は、上記知見に基づいてさらに鋭意研究を行うことにより、表示情報の保持性を高いものとすることを可能とする新たなツイストボール型電子ペーパーの駆動方法を見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
以下、本発明のツイストボール型電子ペーパー付表示装置(以下、単に表示装置と称して説明する場合がある。)について説明する。
また、本発明においては、ツイストボール層の2色相が有する2色のみで表示を行い、上記2色の中間色を用いた階調表示を含まないことが好ましい。
また、電子ペーパーの駆動電圧印加終了直後のコントラスト比は、例えば、電子ペーパーに任意の駆動電圧の値、および任意の駆動電圧のパルス幅で駆動電圧を印加して2色表示を行った後、駆動電圧の印加を終了し、駆動電圧印加終了直後における各色の表示反射率を測定し、得られた測定値から、各色の表示反射率の比を算出することにより得ることができる。
また、上記電子ペーパーの各色の表示反射率は、例えば、伊原電子工業株式会社の反射濃度計R700を表示部位に接触させて測定した各色の反射濃度から算出することができる。
また、電子ペーパーの初期コントラストの最大値は、具体的には、上述した初期コントラストの測定を、駆動電圧の値または駆動電圧のパルス幅を変化させて行い、初期コントラストが増加する方向に変化しなくなったときの値として求めることができる。
図1は、本発明の表示装置の一例を示す概略断面図である。図1に示すように、本発明の表示装置100は、透明基材11および透明基材11上に形成された透明電極層12を有する透明電極基材1と、対向基材21および対向基材21上に形成された対向電極層22を有する対向電極基材2と、透明電極基材1および対向電極基材2の間に形成され、異なる帯電極性を有する2色相のツイストボール31および低極性溶媒を含む低極性溶媒層32を備えるツイストボール層3とを有し、2色相を用いて2色表示が行われる電子ペーパー10を有するものである。
なお、図1においては、ツイストボール31が正電荷に帯電した黒色相と、負電荷に帯電した白色相を有するものである例について示している。また、図1においては、ツイストボール層3が透明基材11、対向基材21、およびシール剤4により密封されている例について示している。
また、本発明の表示装置100において、制御部20は、電子ペーパー10の初期コントラストがその最大値よりも小さい値となるように、駆動電圧Eの値または駆動電圧Eのパルス幅の少なくとも一方を制御するものである。
以下、この点について説明する。
図2(a)、(b)に示すように、透明電極層12および対向電極層22の間に所定の駆動電圧Eを印加した場合、透明電極層12および対向電極層22の間に形成されたツイストボール層は駆動電圧Eにより生じた電界下に置かれることとなる。また、ツイストボール層3中のツイストボール31は生じた電界に応じて回転し、例えば図2(a)、(b)に示すように電圧を印加した場合は、個々のツイストボール31(図2(a))は、ツイストボール31の黒色相が対向電極基材2側を向き、ツイストボール31の白色相が透明電極基材1側を向くようになる(図2(b))。また、上述したツイストボール31の向きについては、駆動電圧Eの値を大きくしたり、駆動電圧Eのパルス幅を大きくしたりすることにより、より精度高く制御することが可能となるものである。また、ツイストボール31の向きを精度高く制御することにより、ツイストボール31における2色相の色を視認しやすくなることから2色表示の電子ペーパーのコントラスト比を大きなものとすることができる。
また、ツイストボール層3は、通常、ツイストボール31と低極性溶媒層32との間に空間aを有しており、駆動電圧Eを印加した場合は、ツイストボール31は空間a内において偏って存在するようになるものである。
しかしながら、上述した電子ペーパーの駆動方法が採用された表示装置においては、駆動電圧印加終了直後における表示情報については良好に視認することができるものの、表示情報の視認性が経時的に大きく低下する場合があり、表示情報の保持性については十分ではない場合があるといった問題があった。
まず、駆動電圧の値および駆動電圧のパルス幅を任意の値に設定して、電子ペーパーで2色表示を行う。次に、駆動電圧の印加を終了し、終了後の電子ペーパーのコントラスト比を一定時間毎に測定する。このような測定を行い、電子ペーパーのコントラスト比が減少する方向に変化しなくなったときのコントラスト比を表示コントラストとすることができる。
また、電子ペーパーのコントラスト比の測定方法については上述の方法と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
ここで、初期コントラストは、2色表示が行われている電子ペーパーの駆動電圧印加終了直後のコントラスト比であることから、電圧印加時における電子ペーパーのコントラスト比が高いほど高くなるものと考えられる。
本発明における制御部について説明する。
本発明における制御部は、透明電極層および対向電極層の間に印加される駆動電圧の値または駆動電圧のパルス幅の少なくとも一方を制御して、電子ペーパーを駆動させるものであり、電子ペーパーの初期コントラストがその最大値よりも小さい値となるように、駆動電圧の値または駆動電圧のパルス幅の少なくとも一方を制御するものである。
上記制御部において適用される電子ペーパーの駆動方法は、電子ペーパーの初期コントラストがその最大値よりも小さい値となるように、駆動電圧の値または駆動電圧のパルス幅の少なくとも一方を制御する方法である。
また、上記比率の下限値としては、60%程度である。上記下限値を下回る場合は、経時的な変化に関係なく、電子ペーパー自体の視認性が低下するおそれがあるからである。
例えば、駆動電圧のパルス幅を任意の値に固定し、駆動電圧の値を変化させながら電子ペーパーで2色表示を行い、変化させた駆動電圧の値毎にコントラスト比を測定する。このような測定を繰り返し行い、電子ペーパーのコントラスト比が増加する方向に変化しなくなった値を初期コントラストの最大値として得ることができる。
また、例えば、駆動電圧の値の任意の値に固定し、駆動電圧のパルス幅を変化させながら電子ペーパーに2色表示を行い、変化させた駆動電圧のパルス幅毎にコントラスト比を測定する。このような測定を繰り返し行い、電子ペーパーのコントラスト比が増加する方向に変化しなくなった値を、初期コントラストの最大値として得ることができる。
このようなコントラスト保持率としては、電子ペーパーにおける表示情報の保持性を良好なものとすることが可能であれば特に限定されないが、70%以上、なかでも80%以上であることが好ましい。上記コントラスト保持率が上記範囲に満たない場合は、表示情報の視認性の経時的な低下を認識しやすくなることから、電子ペーパーにおける表示情報の保持性が低下する可能性があるからである。
以下、各態様について説明する。
本発明に用いられる電子ペーパーの駆動方法の第1態様は、電子ペーパーの初期コントラストがその最大値よりも小さい値となるように、駆動電圧の値を制御する方法である。なお、本態様の電子ペーパーの駆動方法においては、通常、駆動電圧のパルス幅は任意の値に固定される。
また、上記比率の下限値としては、20%程度である。上記比率が上記下限値を下回る場合は、電子ペーパー自体を駆動させることが困難となる可能性があるからである。
本態様においては、なかでも矩形波であることが好ましい。駆動電圧の波形が矩形波であることにより、駆動電圧の値を精度高く制御することが可能となるからである。
本発明に用いられる電子ペーパーの駆動方法の第2態様は、電子ペーパーの初期コントラストがその最大値よりも小さい値となるように、駆動電圧のパルス幅を制御する方法である。なお、本態様の電子ペーパーの駆動方法においては、通常、駆動電圧の値は任意の値に固定される。
また、上記比率の下限値としては、5%程度である。上記比率が上記下限値を下回る場合は、電子ペーパー自体を駆動させることが困難となる可能性があるからである。
また、本態様において印加される駆動電圧のパルスの回数については、パルス幅が上述した最大駆動電圧のパルス幅よりも小さい値であれば特に限定されず、1回でも複数回でもよい。複数回の場合には、全てのパルス幅の総和が上述した最大駆動電圧のパルス幅よりも小さい値であればよい。
本発明に用いられる電子ペーパーの駆動方法の第3態様は、電子ペーパーの初期コントラストがその最大値よりも小さい値となるように、駆動電圧の値および駆動電圧のパルス幅を制御する方法である。
本態様については、具体的には上述した第1態様の電子ペーパーの駆動方法と第2態様の電子ペーパーの駆動方法とを併用することにより、駆動電圧の値および駆動電圧のパルス幅を制御する方法である。なお、駆動電圧の値の制御方法、駆動電圧のパルス幅の制御方法については、それぞれの態様で記載した方法と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明における制御部の構成としては、駆動電圧の値または駆動電圧のパルス幅を制御することが可能であり、かつ上述した電子ペーパーの駆動方法を適用することが可能な構成であれば特に限定されず、一般的な表示装置の制御部に用いられる構成と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
次に、本発明における電子ペーパーについて説明する。
本発明における電子ペーパーは、透明基材および上記透明基材上に形成された透明電極層を有する透明電極基材と、対向基材および上記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基材と、上記透明電極基材および上記対向電極基材の間に形成され、異なる帯電極性を有する2色相のツイストボールおよび低極性溶媒を含む低極性溶媒層を備えるツイストボール層とを有するものである。また、本発明における電子ペーパーにおいては、ツイストボールの2色相を用いて2色表示が行われる。
以下、本発明における電子ペーパーの各部材について説明する。
本発明における透明電極基材は、透明基材と、透明基材上に形成された透明電極層とを有するものである。
また、本発明における電子ペーパーにおいては、通常、透明電極基材側が表示面側として用いられる。
本発明に用いられる透明基材は、透明電極層を支持するものである。
ここで、透明基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
上記樹脂製フィルム基材としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂等を挙げることができる。
なお、図3は本発明の表示装置の他の例を示す概略断面図であり、説明していない符号については図1と同様とすることができる。
また、シーラントフィルム材料としては無延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム等が挙げられる。また、ポリウレタン、ポリアクリル、エポキシ樹脂、シリコーン等の熱シール性のある材料からなる塗膜等を用いることも可能である。
なお、ラミネート加工時には、透明基材と対向基材とは積層したベースフィルム材料とシーラントフィルム材料とのうち、シーラントフィルム材料側が対向するように配置されて接着される。
本発明における透明電極層は、透明基材上に形成されるものである。ここで、本発明における電子ペーパーが所定のパターン表示を行うセグメント用途に用いられるセグメント用電子ペーパーである場合、上記透明電極層は共通電極として用いられるものとする。また、本発明における電子ペーパーがパッシブ駆動型の電子ペーパーである場合は、透明電極層および後述する対向電極層のいずれか一方を走査(行)電極、他方を信号(列)電極として用いるものとする。
一方、上記透明電極層が、パッシブ駆動型の電子ペーパーに用いられる電極である場合は、対向電極が有するパターンに対応したパターンを有するように形成されるものである。このような透明電極層のパターンとしては、一般的なパッシブ駆動型の表示装置に用いられる透明電極層が有するパターンと同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
このような透明電極層の形成方法としては、上記透明電極層を上記透明基材上に直接形成する場合は、上述した透明導電体を用いてスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、塗布法等により上記透明基材上に薄膜を形成する方法を挙げることができる。
また、上記透明電極層を透明性を有するフィルム上に形成し、上記透明電極層が形成された透明性を有するフィルムを上記透明基材上に配置する場合は、上記透明電極層を上記透明基材上に直接形成する場合と同様の方法で、透明性を有するフィルム上に透明電極層を形成し、これを接着剤等を用いて透明基材上に貼りつける方法、上記透明電極層が形成された透明性を有するフィルムおよび上記透明基材をラミネート加工する方法等が挙げられる。なお、上記透明性を有するフィルムとしては、具体的には、上述した透明基材と同様の材料からなるものを用いることができる。また、透明性を有する接着剤等についても、一般的な樹脂基材どうしを貼り合わせる際に用いられるものと同様とすることができるのでここでの記載は省略する。
本発明に用いられる透明電極基材の配置としては、本発明における電子ペーパーを用いて所望する表示を行うことができる配置であれば特に限定されるものではない。例えば、本発明における電子ペーパーにおいて、透明電極層が後述するツイストボール層側になるように上記透明電極基材を配置してもよいし、また例えば、上記透明電極層が上記ツイストボール層とは反対側になるように上記透明電極基材を配置してもよい。本発明における電子ペーパーにおいては、上記透明電極層が上記ツイストボール層とは反対側になるように上記透明電極基材が配置されていることがより好ましい。このような配置とすることにより、透明電極層がツイストボール層と直接接触しないため、透明電極層の材料がツイストボール層の低極性溶媒中に溶出しないことから、本発明における電子ペーパーの表示品質の低下を防止することが可能となる。
また上記透明電極層の材料として、低極性溶媒に溶出しにくい材料が用いられている場合は、上記透明電極層が後述するツイストボール層側になるように上記透明電極基材を配置してもよい。
本発明における対向電極基材は、対向基材と、対向基材上に形成された対向電極層とを有するものである。
本発明における対向基材は、対向電極層を支持するものである。
また、本発明における対向基材は通常、絶縁性を有するものである。
また、本発明においては、必要に応じて対向基材を、後述するツイストボールの一方の色と同色に着色してもよい。
本発明に用いられる対向電極層は、対向基材上に形成されるものである。
対向電極層の形状としては、例えば三角形、四角形等の多角形、円、楕円等の幾何学形状の他、文字、数字、符号、標章等の記号等、絵柄等を挙げることができる。また、対向電極層の形状としては、デジタル表示に用いられる7セグメントを構成する形状を挙げることができる。
本発明においては、上記対向電極層に用いられる材料としては、なかでも、導電性とフィルム基材上に形成することを考慮して基材の伸縮に耐えうる柔軟性のある導電性材料、特にAu、Cu、Al、Ag等の金属、カーボンやAg微粉末等を合成樹脂バインダに混合した導電性ペースト等が好ましい。
一方、後述する対向基材上に接着剤等を介して対向電極層を形成する場合は、上記金属からなる金属箔を所定の形状に切り取り、これを対向基材上に接着剤等によって貼りつける方法等が挙げられる。
また、上記対向電極層を対向基材とは別のフィルムを介して上記対向基材上に配置する場合は、上記フィルムに対向電極層をパターン状に形成し、これを接着剤等を介して対向基材上に配置する方法、上述した金属および透明導電体等が全面に蒸着されたフィルムを所定の形状に切り取り、これを対向基材上に接着剤等によって貼りつける方法が挙げられる。なお、上記対向電極層が形成されるフィルムとしては、対向基材と同様の材料からなるものとすることができる。また、上記接着剤等については、一般的な電極部材において樹脂基材上に電極を貼りつける際に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
本発明に用いられる対向電極基材の配置としては、本発明における電子ペーパーを用いて所望する表示を行うことができる配置であれば特に限定されるものではない。例えば、本発明における電子ペーパーにおいて、対向電極層が後述するツイストボール層側になるように上記対向電極基材を配置してもよいし、また例えば、上記対向電極層が上記ツイストボール層とは反対側になるように上記対向電極基材を配置してもよい。本発明における電子ペーパーにおいては、上記対向電極層が上記ツイストボール層とは反対側になるように上記対向電極基材が配置されていることがより好ましい。このような配置とすることにより、対向電極層がツイストボール層と直接接触しないため、対向電極層の材料がツイストボール層の低極性溶媒中に溶出しないことから、本発明における電子ペーパーの表示品質の低下を防止することが可能となる。
また上記対向電極層の材料として、低極性溶媒に溶出しにくい材料が用いられている場合は、上記対向電極層が後述するツイストボール層側になるように上記対向電極基材を配置してもよい。
本発明における電子ペーパーは、透明電極基材および対向電極基材の間に形成され、異なる帯電極性を有する2色相のツイストボール、および低極性溶媒を含む低極性溶媒層を備えるものである。
本発明に用いられるツイストボールは、異なる帯電極性を有する2色相を有するものである。また、本発明における電子ペーパーにおいて表示媒体として働くものである。
本発明における低極性溶媒層は、ツイストボールとともにツイストボール層を構成するものである。
本発明に用いられる低極性溶媒層は、低極性溶媒を含むものであれば特に限定されるものではない。上記低極性溶媒層としては、通常、低極性溶媒と、上記低極性溶媒を膨潤させる、エラストマー材料からなるエラストマーシートとから構成されるものである。
以下、上記低極性溶媒層に用いられる低極性溶媒、およびエラストマーシートについてそれぞれ説明する。
本発明に用いられる低極性溶媒は、上述したツイストボールの回転が円滑となるようにするために用いられるものである。また、通常は後述するエラストマーシートを膨潤させて用いられるものである。
本発明に用いられるエラストマーシートは、上記低極性溶媒で膨潤させることができるエラストマー材料からなるものである。また、上記エラストマーシートは、上記ツイストボールが分散されたシート状部材であり、これに上記低極性溶媒で膨潤させることによって用いられるものである。
このようなエラストマーシートの材料としては、シリコーン樹脂、(微架橋した)アクリル樹脂、(微架橋した)スチレン樹脂、およびポリオレフィン樹脂等を挙げることができる。
また、本発明におけるツイストボール層は、上記ツイストボールと、上記低極性溶媒層とを有するものであれば特に限定されず、他にも必要な部材を追加することができる。
以下、このような部材について説明する。
本発明においては、図4に示すように、ツイストボール層3を支持するためのツイストボール層用基材33を有していてもよい。なお、図4においては、ツイストボール層用基材33はツイストボール層3の透明電極基材1側および対向電極基材2側の両方に配置される例について示しているが、図示はしないが、透明電極基材側または対向電極基材側のいずか一方にのみ配置されていてもよい。
ツイストボール層用基材33を有することによりツイストボール層3の強度を向上させることができるため、電子ペーパー10の耐久性を向上させることができる。
また、図4に示すように、ツイストボール層用基材としては、ラミネート加工が可能な材料からなるものであることが好ましい。ツイストボール層用基材を用いてツイストボール層を密封することが可能となるからである。
本発明において、図4に示すように、ツイストボール層3がツイストボール層用基材33を有する場合は、通常、ツイストボール層用基材33と隣接する電極基材(図4においては、透明電極基材1および対向電極基材2)との間に接着剤層5が形成される。
シール剤はツイストボール層を密封する際に用いられるものであり、通常、ツイストボール層に隣接する基材の端部に配置されるものである。
このようなシール剤については、ツイストボール層中の低極性溶媒の漏れ等を防止することができるようにツイストボール層に隣接する基材とともにツイストボール層を密封することが可能であれば特に限定されない。具体的には、一般的な電子ペーパーに用いられるシール剤と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明に用いられるツイストボール層の膜厚としては、本発明における電子ペーパーにおいてツイストボールを回転させることにより画像表示を行うことが可能であれば特に限定されるものではないが、50μm〜1000μmの範囲内、なかでも100μm〜700μmの範囲内、特に200μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。上記ツイストボール層の膜厚が上記範囲に満たない場合は、上記ツイストボールおよび各基材間の距離が小さいことから、ツイストボールが所望する方向へ回転するのが困難である可能性があるからであり、上記ツイストボール層の膜厚が上記範囲を超える場合は、上記透明電極および対向電極間に電界を印加したとしても、上記ツイストボールおよび各基材間の距離が大きすぎることにより、本発明における電子ペーパーにおいて、ツイストボールを用いて画像表示を行うことが困難であるからである。
本発明においては、ラミネート加工によりツイストボール層を密封することが好ましい。シール剤を用いた密封方法に比べて、より好適にツイストボール層からの低極性溶媒の液漏れ等を防止することが可能となり、また、表示領域についても広範囲なものとすることが可能となる。
本発明の電子ペーパーは上述した透明電極基材、対向電極基材、およびツイストボール層を有するものであれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して追加することができる。
このような構成としては、例えば本発明の電子ペーパーを用いてカラー表示を行うことを可能とするカラーフィルタ層、電子ペーパーの表面に反射防止機能、低反射機能、防眩機能、のぞき見防止機能等の光学的機能を付与することが可能な光学機能層、電子ペーパー表面の傷および汚れを防止する表面保護機能を付与することが可能な表面保護層、電子ペーパーの画面に触れることにより情報の入力が可能な利便性を付与するタッチパネル層等を挙げることができる。
なお、通常、これらの構成は、電子ペーパーの表示面側、すなわち透明電極基材側に設けられる。また、これらの構成についてはいずれも公知の構成と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明における表示装置は、上述した制御部および電子ペーパーを有するものである。
また、本発明の表示装置は、上記電子ペーパーを表示画面に用いるものである。本発明における電子ペーパーの配置としては、上記電子ペーパーを用いて所望の情報を表示することが可能であれば特に限定されず、図2(a)、(b)に示すように電子ペーパー10の表示面側(透明電極基材1側)が地面に対して水平方向に配置されてもよく、図5に示すように、電子ペーパー10の表示面側(透明電極基材1側)が地面に対して垂直方向に配置されてもよいが、電子ペーパー10の表示面側(透明電極基材1側)が地面に対して垂直方向に配置されることが好ましい。水平方向に配置された場合に比べて、重力の影響による表示情報の保持性の低下や表示コントラストの低下を少なくすることができるからである。
本発明の表示装置の用途としては、デジタル機器のディスプレイ、電子ブック、デジタル・サイネージ(電子看板)等に用いられる。
また、本発明の表示装置は、例えばデジタル時計等のように1つの表示画面において書き換え頻度を異ならせて情報表示を行うものに好適に用いることができる。
本発明の表示装置の製造方法については、一般的な表示装置の製造方法と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
次に本発明の電子ペーパーの駆動方法について説明する。
本発明の電子ペーパーの駆動方法は、透明基材および上記透明基材上に形成された透明電極層を有する透明電極基材と、対向基材および上記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基材と、上記透明電極基材および上記対向電極基材の間に形成され、異なる帯電極性を有する2色相のツイストボールおよび低極性溶媒を含む低極性溶媒層を備えるツイストボール層とを有し、上記2色相を用いて2色表示が行われる電子ペーパーを駆動させる駆動方法であって、上記電子ペーパーの初期コントラストがその最大値よりも小さい値となるように、上記透明電極層および上記対向電極層の間に印加される駆動電圧の値または上記駆動電圧のパルス幅の少なくとも一方を制御することを特徴とする駆動方法である。
また、本発明の駆動方法が適用される電子ペーパーについても、「A.ツイストボール型電子ペーパー付表示装置」の項で説明した電子ペーパーと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
黒色でプラスに帯電した黒色相および白色でマイナスに帯電した白色相を有する粒子径約100μmのツイストボールを準備した。これを、熱硬化型シリコーン樹脂中に分散し、コーターにより、ガラス基板上に塗布し、熱処理することで、ツイストボールが分散された厚さ300μmのシートを作成した。次いで、ツイストボール分散シートをシリコーンオイル中に24時間浸漬し、膨潤させた(ツイストボール層)。
次いで、透明電極基材(共通電極側基材)としてITOがPET面に形成されたラミネートフィルム(CPP/PET)を準備した。次いで、銀ナノ粒子(約50μm径)が溶媒中に分散されたインクを準備し、インクジェット法にて、ラミネートフィルム(CPP/PET)のPET面に表示絵柄に応じてパターニングして対向電極基材(表示電極側基材)を準備した。
次いで、ITO面を外側にした共通電極側基材と銀面を外側にした表示電極側基材とを用いて、ツイストボール層を挟み、ラミネート加工してツイストボール層を密封してセグメント用画像表示パネルを得た。その後、表示絵柄に応じて導電テープ及びリード線を用いて配線した。
リード線を介して表示電極に、幅2.5secのパルスを正負交互に計20パルス印加した。その際の電圧を±80V、±120Vとして、それぞれの電圧における初期コントラストを測定したところ、10、11となった。また、電圧の値(絶対値)を±120Vから大きくしたところ初期コントラストは変化しなかった。
リード線を介して表示電極に、幅0.5secのパルスを電圧±120Vで正負交互に計20パルス印加した。印加終了直後の初期コントラストは10であった。また、5分後のコントラスト保持率は90%であった。なお、印加終了直後から5分以上経過した後も、電子ペーパーのコントラスト比に変化はなかった。また、以下の実施例2〜3、および比較例においても同様に、印加終了直後から5分以上経過した後も、電子ペーパーのコントラスト比に変化はなかった。
実施例1における電圧を±150V、パルス幅を0.33secとした。印加終了直後の初期コントラストは10であった。また、5分後のコントラスト保持率は80%であった。
実施例1におけるパルス幅を0.33secとした。印加終了直後の初期コントラストは8であった。また、5分後のコントラスト保持率は100%であった。
実施例1における電圧を±150V、パルス幅を0.5secとした。印加終了直後の初期コントラストは11であった。また、5分後のコントラスト保持率は64%であった。
2 … 対向電極基材
3 … ツイストボール層
10 … 電子ペーパー
11 … 透明基材
12 … 透明電極層
20 … 制御部
21 … 対向基材
22 … 対向電極層
31 … ツイストボール
32 … 低極性溶媒層
100 … 表示装置
Claims (2)
- 透明基材および前記透明基材上に形成された透明電極層を有する透明電極基材、対向基材および前記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基材、並びに、前記透明電極基材および前記対向電極基材の間に形成され、異なる帯電極性を有する2色相のツイストボールおよび低極性溶媒を含む低極性溶媒層を備えるツイストボール層を有し、前記2色相を用いて2色表示が行われるツイストボール型電子ペーパーと、
前記透明電極層および前記対向電極層の間に印加される駆動電圧の値または前記駆動電圧のパルス幅の少なくとも一方を制御して、前記ツイストボール型電子ペーパーを駆動させる制御部と
を有するツイストボール型電子ペーパー付表示装置であって、
前記制御部は、前記ツイストボール型電子ペーパーの初期コントラストがその最大値よりも小さい値となるように、前記駆動電圧の値または前記駆動電圧のパルス幅の少なくとも一方を制御するものであることを特徴とするツイストボール型電子ペーパー付表示装置。 - 透明基材および前記透明基材上に形成された透明電極層を有する透明電極基材と、
対向基材および前記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基材と、
前記透明電極基材および前記対向電極基材の間に形成され、異なる帯電極性を有する2色相のツイストボールおよび低極性溶媒を含む低極性溶媒層を備えるツイストボール層とを有し、
前記2色相を用いて2色表示が行われるツイストボール型電子ペーパーを駆動させるツイストボール型電子ペーパーの駆動方法であって、
前記ツイストボール型電子ペーパーの初期コントラストがその最大値よりも小さい値となるように、前記透明電極層および前記対向電極層の間に印加される駆動電圧の値または前記駆動電圧のパルス幅の少なくとも一方を制御することを特徴とするツイストボール型電子ペーパーの駆動方法。
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