JP2010181768A - 電気泳動型表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動基板の撓みによる表示性能の低下を防止する電気泳動型表示装置の提供。
【解決手段】 フレキシブル回路基板110の表面には、画素電極114が形成され、裏面には、出力電極118と画素電極114とを接続する配線電極113と、出力電極118と対向して配設された入力電極117とコネクタ電極116とが形成されている。画素電極114は配線電極113とスルーホールを介して導通している。また、入力電極117と出力電極118との間には駆動用回路であるIC140が実装されている。出力電極118を除くフレキシブル回路基板110の背面には、配線電極113を保護するための保護層115が被覆されている。フレキシブル回路基板110の背面には基材面と配線電極113表面との間に段差があるが、保護層115はこの段差を吸収する厚さと柔軟性を有している樹脂材料で形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、電気泳動により帯電した微粒子が移動することにより動作する表示装置に関する。
近年、電気泳動型の表示技術において、液相分散媒と電気泳動粒子とを含む電気泳動分散液を封入した多数のマイクロカプセルを、電極を有する2枚の樹脂フィルムに挟着した表示装置が開発されている。電気泳動分散液をマイクロカプセルに封入することにより、表示装置の製造工程において、分散液の流出を防止することができるとともに、電気泳動粒子の沈降や凝集を減少させることができるという利点がある。また、この電気泳動型表示装置は、バックライトが必要ないことから低コスト化や薄型化が可能となり、さらに、視野が広くコントラストが高いことに加え、表示がメモリ性を有するために、次世代の表示デバイスとして注目を集めている。
電気泳動型表示装置の製造には、多数のマイクロカプセルを接着層内に敷き詰めた電気泳動により動作する画像表示層を、透明電極を有する透明基板の透明電極上に積層してシート状に形成した電子インクシートと呼ばれるものが活用されている。この電子インクシートを所望のサイズに裁断して、駆動電極として画素電極を有する駆動基板上に接着することにより、表示装置本体を形成することができる。この表示装置の基板には、可撓性や割れ難さ軽量化等の観点からプラスチック等の材料が用いられている。
しかし、プラスチック基板では、空気中の酸素などのガスや水分を十分に遮断することができず、プラスチック基板を透過したガスや水分が、表示装置内に浸入してマイクロカプセルを劣化させ、電気泳動型表示装置の寿命が短くなるという問題があった。そこで、このような問題を解決する手段として、表示装置本体の外周にガスや水分を透過しにくい材料を用いた保護フィルムをラミネートして、この保護フィルムによって表示装置本体を封止して電気泳動型表示装置を完成する方法が広く利用されている。
一方、このようなマイクロカプセルを備えた電気泳動型表示装置では、特に駆動電極として画素電極を採用した場合、この画素電極を形成した駆動基板の背面にこの画素電極を駆動するための配線を銅箔パターンで形成するのが一般的である。すなわち、駆動基板の背面に形成した銅箔パターンからなる配線を、スルーホールを介して画素電極に導通させることにより、画素電極を駆動するようにしている。
しかしながら、前記のように、駆動基板の背面に駆動用の配線パターン(銅箔パターン)を形成した場合、特に一対の基板、即ち透明基板と駆動基板とを、画像表示層を挟着した状態で接合し保護フィルムでラミネートした際に、保護フィルムの外側から圧力がかかる。このとき、駆動基板の背面側に配線パターンが有る箇所と無い箇所との間で駆動基板に撓みが生じ、配線パターンが有る箇所では駆動基板の内面が内側に凸となり、配線パターンが無い箇所では駆動基板の内面が凹となる。したがって、このような駆動基板の凹凸により、表示面の表面にも凸凹が発生し、見る角度により反射して、結果的に表示性能が低下してしまう問題が生じる。
特許文献1は、このような事情に鑑みてなされた発明であり、駆動基板の背面の配線パターンの無い箇所にダミーパターンを形成することにより、パターンの有る箇所と無い箇所との間で生じてしまう駆動基板の撓みを十分に抑えられるというものである。これによって表示性能が低下してしまうことが防止される。
一方、配線パターン(背面電極)を形成した駆動基板の背面に背面電極を保護するための保護層を形成した高密度表示が可能な電気泳動型表示装置が知られている(例えば、特許文献2等参照。)。
特開2007−206424号公報(図1、図2、5頁) 特開2006−113436号公報(図1、7頁)
しかしながら、特許文献1の駆動基板ではダミーパターンを形成するための余分な工程が必要になる点で不利であった。また、特許文献2のように背面電極を保護する保護層を形成しただけでは、駆動基板の撓みを十分に防止することができなかった。さらに、電気泳動型表示装置の本体に保護フィルムをラミネートした場合に、保護フィルムの外面に駆動基板面の凹凸が写って外観品質が低下するという問題もあった。
上記発明は、このような従来の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、駆動基板の撓みによる表示性能の低下を防止する電気泳動型表示装置を提供することである。
前述した目的を達成するための本発明の手段は、透明電極を備える第1の基板と、画素電極を備える第2の基板と、前記透明電極と前記画素電極との間に電気泳動により動作する画像表示層とを備え、前記第2の基板には、前記画像表示層を駆動するための駆動用回路を搭載し、さらに前記第2の基板の背面には、前記画素電極と前記駆動用回路とを接続する配線電極を形成し、かつ前記第2の基板の背面を保護層で覆った電気泳動型表示装置において、前記保護層は前記第2の基板の基材面と前記配線電極との段差を吸収する厚さと柔軟性を有している樹脂材料で形成されていることを特徴とする。
また、前記第2の基板はフレキシブルな樹脂基板であることを特徴とする。また、前記樹脂材料はアクリル系樹脂であることを特徴とする。
本発明によれば、透明電極を備える第1の基板と、画素電極を備える第2の基板と、前記透明電極と前記画素電極との間に電気泳動により動作する画像表示層とを備え、該第2の基板には、前記画像表示層を駆動するための駆動用回路を搭載し、さらに前記第2の基板の背面には、前記画素電極と前記駆動用回路とを接続する配線電極を形成し、かつ前記第2の基板の背面を保護層で覆った電気泳動型表示装置において、前記保護層は前記第2の基板の基材面と前記配線電極との段差を吸収する厚さと柔軟性を有している樹脂材料で形成されているので、前記第2の基板の撓みが無くなって、表示性能の低下を防止することができ、保護フィルムをラミネートした後の外観品質も向上した。
本発明の実施の形態である電気泳動型表示装置を示す平面図である。 図1のA−A´断面を示す断面図である。 図1のB−B´断面を示す断面図である。 本発明の実施の形態である電気泳動型表示装置の駆動基板を視認側から見た平面図である。 本発明の実施の形態である電気泳動型表示装置の駆動基板の背面を示す平面図である。
以下、本発明の最良の実施形態である電気泳動型表示装置について図面を参照して詳細に説明する。まず、本発明の実施の形態である電気泳動型表示装置の構成について説明する。図1は、本発明の電気泳動型表示装置を示す平面図である。図2は、図1のA−A´断面図であり、図3は、図1のB−B´断面図である。また、図4は本発明の電気泳動型表示装置の第2の基板を視認側から見た平面図である。図5は、本発明の電気泳動型表示装置の第2の基板における背面を示す平面図である。図1〜図5に示すように、平面視略長方形の電気泳動型表示装置100は、表示装置本体101が第2の基板であるフレキシブル回路基板110の先端部111を除いて、表示装置本体101の視認側の面を覆う上面保護フィルム131と背後側の面を覆う下面保護フィルム132とによって内包されている。表示装置本体101は、透明電極123を備えた第1の基板である透明基板124と、銅箔からなる画素電極114を備えたフレキシブル回路基板110と、透明電極123と画素電極114との間に電気泳動により動作する画像表示層120とを備えている。画像表示層120は多数のマイクロカプセル122を接着層121内に敷き詰めて形成されている。
フレキシブル回路基板110は、厚さ25μmのポリイミドフィルムの基材の両面に厚さ10μmの銅箔を張ったものを用いている。その表面には、図4に示すように、長方形又は正方形の画素電極114が形成されている。そして、裏面には、図5に示すように、出力電極118と画素電極114とを接続する配線電極113、並びに、出力電極118と対向して配設された入力電極117と、入力電極117と接続するコネクタ電極116とが形成されている。以上の各電極には、それぞれ厚さ3μmのニッケルメッキと厚さ0.05μmの金メッキが施されている。配線電極113は画素電極114の開口部(画素部ビア)の底を埋めるように配置され画素電極114と導通している。また、駆動用回路であるIC140が突起電極を介して入力電極117と出力電極118とに接続されている。ここで、駆動用回路としてIC140を例に示したが、外部回路と接続するフレキシブル回路基板を出力電力118と接続しても構わない。
フレキシブル回路基板110の背面には、コネクタ電極116、入力電極117及び出力電極118を除いて配線電極113を保護するための厚さ25μmの感光性のアクリル系樹脂から成る保護層115が被覆されている。フレキシブル回路基板110の背面には基材面と配線電極113表面との間に段差があるが、保護層115はこの段差を吸収する厚さと柔軟性を有している樹脂材料で形成されている。したがって、下面保護フィルム132で覆われる部分のフレキシブル回路基板110の背面側の表面は、保護層115に覆われて段差のない平面となっている。
画像表示層120は、厚さ0.05μmのITOから成る透明電極123を有する厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂から成る可撓性の透明基板124の透明電極123側に、接着層121の中に直径30〜50μmの多数のマイクロカプセル122を敷き詰めた画像表示層120を積層することによって形成されている。上面保護フィルム131にはシリカやアルミナ等の無機酸化膜の蒸着膜をPET樹脂でサンドイッチ状に挟み込んだ湿度遮断性能に優れた厚さ100μmの透明なフィルムを用い、下面保護フィルム132には透明である必要がないのでアルミ箔をPET樹脂でサンドイッチ状に挟み込んだ多層膜を用いた。上面保護フィルム131と下面保護フィルム132との対向する内面には図示しない接着層を有している。上面保護フィルム131と下面保護フィルム132との端部は、図1のハッチング部で示すように、熱過疎性の接着剤を介して圧着された封止部133が形成されている。
次に、この電気泳動型表示装置100の製造方法について説明する。まず、フレキシブル回路基板110の製造方法について説明する。両面に銅箔を有するポリイミドフィルムの所定箇所にスルーホールを形成した後、電解銅メッキを施してスルーホールの上下の銅箔を接続する。表面には画素電極114になる銅箔パターンを、裏面には各々コネクタ電極116、入力電極117、出力電極118及び配線電極113になる銅箔パターンをフォトエッチング加工により形成する。
次に、保護層115の形成方法について説明する。配線電極113を形成してあるフレキシブル回路基板110の背面に、感光性のアクリル系樹脂材料から成るフィルムを被覆して加圧式真空ラミネート装置に投入し、80℃で30秒間加圧した後、感度安定化のために45分以上放置する。その後、露光条件120mj/cm2 でフォトマスクを用いて所望のパターンを露光後、感度安定化のために15分以上放置する。次に、液温30℃、濃度1.0%の炭酸ナトリウム溶液の現像液を用いて、50〜60秒間現像して、IC140を配置するための開口部を形成する。その後水洗し、85℃で乾燥する。その後、3j/cm2 のUV照射をして、最後に熱風循環式オーブンに投入し、160℃、1時間以上放置して前記フィルムを熱硬化させることにより保護層115が形成し、その後、ニッケルメッキと金メッキを行うことで、フレキシブル回路基板110が完成する。
なお、保護層115の樹脂材料としては、アクリル系樹脂の他に、ポリイミド樹脂、フッ素系フォトレジスト、フェノール樹脂なども利用できる。また、保護層115の形成方法には、以上の方法の他に、感光性樹脂をロールコータで塗布し、その後硬化させる方法もある。いずれの方法によっても、硬化前の樹脂は、配線電極113の有る箇所と無い箇所との段差を吸収するのに十分な厚さと柔軟性があるので、保護層115の表面は平面となり、凹凸は現れない。
次に、透明基板124の透明電極123に接着された画像表示層120の接着層121を、画素電極114を形成したフレキシブル回路基板110の画素電極114上に接着して表示装置本体101を形成する。その後、表示装置本体101の視認側に上面保護フィルム131を配置し、次いで、表示装置本体101の背面側に下面保護フィルム132を配置する。その後、上面保護フィルム131、下面保護フィルム132の外側から加熱ローラーにより熱と圧力をかけることによって、上面保護フィルムの内側全面及び下面保護フィルムの内側全面に塗布した熱可塑性の接着剤(図示せず)を介して表示装置本体101の周囲を圧着し封止部133を形成することによって、電気泳動型表示装置100が完成する。
次に、この電気泳動型表示装置100の作用について説明する。フレキシブル回路基板110の配線電極113を介して所定の表示用の制御電圧を、画素電極114と透明電極123との間に印加することにより、透明電極123側に白色又は黒色の電気泳動粒子を移動させて、所望の図形、文字等を含む画像を表示装置本体101の視認側へ表示させることができる。
次に、本発明の実施の形態の効果について説明する。表示装置本体101は上下保護フィルム131、132によりガスや水蒸気の進入を防止でき、また、画像表示層120に与えるガスや水蒸気の影響を最小限に抑えることができた。また、保護層115はフレキシブル回路基板110の基材面と配線電極113の表面との段差を吸収する厚さと柔軟性を有している樹脂材料で形成されているので、上下保護フィルム131、132で表示装置本体101を内包したときにフレキシブル回路基板110の撓みを生じることが無くなって、表示性能の低下を防止することができ、保護フィルムをラミネートした後の外観品質も向上した。
100 電気泳動型表示装置
110 フレキシブル回路基板
113 配線電極
114 画素電極
115 保護層
120 画像表示層
123 透明電極
124 透明基板
140 IC

Claims (3)

  1. 透明電極を備える第1の基板と、画素電極を備える第2の基板と、前記透明電極と前記画素電極との間に電気泳動により動作する画像表示層とを備え、前記第2の基板には、前記画像表示層を駆動するための駆動用回路を搭載し、さらに前記第2の基板の背面には、前記画素電極と前記駆動用回路とを接続する配線電極を形成し、かつ前記第2の基板の背面を保護層で覆った電気泳動型表示装置において、前記保護層は前記第2の基板の基材面と前記配線電極との段差を吸収する厚さと柔軟性を有している樹脂材料で形成されていることを特徴とする電気泳動型表示装置。
  2. 前記第2の基板はフレキシブルな樹脂基板であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動型表示装置。
  3. 前記樹脂材料はアクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気泳動型表示装置。
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