JP5824386B2 - 赤外線吸収性組成物および赤外線カットフィルタ - Google Patents

赤外線吸収性組成物および赤外線カットフィルタ Download PDF

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本発明は赤外線吸収性組成物およびこれを用いた赤外線カットフィルタに関する。さらに、かかる赤外線カットフィルタを有するカメラモジュールに関する。
近年、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、カメラ機能付き携帯電話などにはカラー画像の固体撮像素子であるCCDやCMOSイメージセンサが用いられているが、これら固体撮像素子はその受光部において近赤外線に感度を有するシリコンフォトダイオードを使用しているために、視感度補正を行うことが必要であり、赤外線カットフィルタを用いることが多い。
赤外線カットフィルタには、アザフタロシアニン化合物を用いることが知られている(特許文献1)。特許文献1では、特にアザフタロシアニン化合物の溶解性を向上させることを課題としている。
また、アザフタロシアニン化合物は、他の用途にも利用されている。例えば、特許文献2では、アザフタロシアニン化合物をカラーフィルタに用いることが記載されている。そして、特許文献2では、カラーフィルタの分光性および耐久性を向上させている。
米国2006/30701号公報 特開2001−11331号公報
しかしながら、本願発明者が検討したところ、特許文献1および2のいずれに記載のフタロシアニン化合物も、赤外線の遮蔽性が劣ることが分かった。さらに、赤外線カットフィルタには耐光性や耐熱性が要求される。
本発明はかかる問題点を解決することを目的としたものであって、赤外線遮蔽性に優れ、かつ、耐光性および耐熱性に優れた赤外線カットフィルタおよび、かかる赤外線カットフィルタを製造するための赤外線吸収性組成物を提供することを目的とする。
かかる状況のもと、本願発明者が検討を行ったところ、アザフタロシアニン化合物は酸化電位が低下し、耐光性を低下させる傾向にあることが分かった。さらに検討を行った結果、特定のフタロシアニン化合物に、フタロシアニン化合物以外の赤外線吸収剤を添加することにより、高い耐光性を維持しつつ、高い遮蔽率および耐熱性を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、以下の手段<1>により、好ましくは<2>〜<10>により、上記課題は解決された。
<1>一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物と、フタロシアニン化合物以外の赤外線吸収剤と、を含有する赤外線吸収性組成物。
一般式(I)
(一般式(I)中、Q1〜Q4は、それぞれ、アリール基またはヘテロ環基であり、少なくとも一つは含窒素ヘテロ環基である。Mは金属原子を表す。)
<2>フタロシアニン化合物以外の赤外線吸収剤がセシウム酸化タングステンおよびジインモニウム色素から選択される少なくとも1種である<1>に記載の赤外線吸収性組成物。
<3>一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物において、Q1〜Q4のうち、少なくとも1つが含窒素ヘテロ環基であり、残りがベンゼン環基である、<1>または<2>に記載の赤外線吸収性組成物。
<4>一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物の最大吸収波長が680〜720nmである、<1>〜<3>のいずれかに記載の赤外線吸収性組成物。
<5>フタロシアニン化合物以外の赤外線吸収剤の最大吸収波長が1000〜1700nmである、<1>〜<4>のいずれかに記載の赤外線吸収性組成物。
<6>一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物の最大吸収波長とフタロシアニン化合物以外の赤外線吸収剤の最大吸収波長の差が500〜1000nmである、<1>〜<5>のいずれかに記載の赤外線吸収性組成物。
<7>さらに重合性化合物を含有する<1>〜<6>のいずれかに記載の赤外線吸収性組成物。
<8><1>〜<7>のいずれかの赤外線吸収性組成物を用いて作成された赤外線カットフィルタ。
<9>固体撮像素子基板と、前記固体撮像素子基板の受光側に配置された<8>に記載の赤外線カットフィルタとを有するカメラモジュール。
<10>固体撮像素子基板と、前記固体撮像素子基板の受光側に配置された赤外線カットフィルタとを有するカメラモジュールの製造方法であって、固体撮像素子基板の受光側において、<1>〜<7>のいずれかに記載の赤外線吸収性液状組成物をスピン塗布することにより膜を形成する工程を有する、カメラモジュールの製造方法。
本発明により、遮蔽性、耐光性および耐熱性に優れた赤外線吸収性組成物が得られた。
本発明の実施形態に係る固体撮像素子を備えたカメラモジュールの構成を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係る固体撮像素子基板の概略断面図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。また、本発明における有機EL素子とは、有機エレクトロルミネッセンス素子のことをいう。
なお、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。また、本明細書において、粘度値は25℃における値を指す。
なお、本明細書において、“(メタ)アクリレート”はアクリレート及びメタアクリレートを表し、“(メタ)アクリルはアクリル及びメタアクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”は、アクリロイル及びメタクリロイルを表す。また、本明細書中において、“単量体”と“モノマー”とは同義である。本発明における単量体は、オリゴマー及びポリマーと区別され、質量平均分子量が2,000以下の化合物をいう。本明細書中において、重合性化合物とは、重合性基を有する化合物のことをいい、単量体であっても、ポリマーであってもよい。重合性基とは、重合反応に関与する基を言う。
本発明における赤外線とは、波長領域が700〜1000nmのものをいう。
本発明の赤外線吸収性組成物は、一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物と、前記フタロシアニン化合物以外の赤外線吸収剤と、を含有することを特徴とする。
一般式(I)
(一般式(I)中、Q1〜Q4は、それぞれ、アリール基またはヘテロ環基であり、少なくとも一つは含窒素ヘテロ環基である。Mは金属原子を表す。)
このようにフタロシアニン化合物に加え、フタロシアニン化合物以外の赤外線吸収剤を採用することにより、遮蔽性、耐熱性および耐光性に優れた赤外線吸収剤が得られる。
<一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物>
本発明で用いる一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物は、上述のとおりである。
一般式(I)中、Q1〜Q4は、それぞれ、アリール基またはヘテロ環基であり、少なくとも一つは含窒素ヘテロ環基である。Q1〜Q4は、2つまたは3つがアリール基で、残りの1つまたは2が含窒素ヘテロ環基であることが好ましい。
アリール基は、単環であってもよいし、縮合環であってもよいが、単環が好ましい。アリール基は、ベンゼン環基が特に好ましい。
ヘテロ環基は、含窒素ヘテロ環基であることが好ましい。
含窒素ヘテロ環基は、窒素原子以外のヘテロ原子を含んでいてもよい。この場合のヘテロ原子としては、硫黄原子が例示される。しかしながら、含窒素ヘテロ環基は、ヘテロ原子として窒素原子のみを含む方が好ましい。含窒素ヘテロ環基は、5または6員環の含窒素ヘテロ環基が好ましく、6員環の含窒素ヘテロ環基がさらに好ましい。含窒素ヘテロ環基中のヘテロ原子の数は、1〜5が好ましく、2〜4がより好ましく、2または3がさらに好ましい。
アリール基およびヘテロ環基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、直鎖、分枝もしくは環状のアルキル基を含み、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラニル、フェナントリルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、芳香族ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、
芳香族ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子が挙げられ、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。前記一般式(1)中のR2、R3が表す置換基の例が挙げられ、好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜20のヘテロアリールオキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基、炭素数1〜20のヘテロアリールチオ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数6〜20のアニリノ基、炭素数1〜20のヘテリルアミノ基、ハロゲン原子である。これらの中で好ましくは、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルチオ基及びアリールチオ基である。
一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物は、Q1〜Q4のうち、少なくとも1つが含窒素ヘテロ環基であり、残りが下記一般式(I−1)で表されることが好ましい。
一般式(I−1)
(一般式(I−1)中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ、水素原子または置換基を表す:の位置で中央の骨格と結合している。)
1、R2、R3、R4は、これらのうち1つまたは2つがハロゲン原子以外の置換基であり、残りが水素原子またはハロゲン原子であることが好ましく、これらのうち1つが置換基であり、残りが水素原子であることがより好ましい。ハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましい。
1、R2、R3、R4は、それぞれ、該基の質量(該基を1分子と仮定したときの分子量)が30〜400であることが好ましく、30〜200であることがより好ましい。
Mが表す金属原子として、好ましくは、Cu、Zn、Pb、Fe、Ni、Co、AlCl、AlI、InCl、InI、GaCl、GaI、TiCl2、Ti=O、VCl2、V=O、SnCl2またはGeCl2であり、より好ましくはCu、V=O、Mg、Zn、Ti=Oであり、特に好ましくはCu及びV=Oである。
フタロシアニン化合物は、公知の方法によって合成することができる。例えば、フタロシアニン 化学と機能(アイピーシー)の記載に従って合成することができる。また、市販品を用いることもできる。
一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物は、極大吸収を660〜800nmの範囲に持つことが好ましく、680〜720nmの範囲に持つことがより好ましい。
以下に、本発明で用いられる一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物の好ましい例を示すが、本発明がこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。また、下記例示化合物において、中心の金属原子を、Cu、Zn、Pb、Fe、Ni、Co、AlCl、AlI、InCl、InI、GaCl、GaI、TiCl2、Ti=O、VCl2、V=O、SnCl2またはGeCl2に置き換えたものも好ましく用いられる。さらに、下記例示化合物Aでは、一般式(I)のQ1〜Q4に相当する環のうち、1つのみが含窒素環となっているが、2つ以上が含窒素環の場合も好ましい。他の例示化合物についても、同様に考えることができる。
また、本発明におけるフタロシアニン化合物Fは、二種類以上のニトリル化合物を環化して合成するため混合物であるが、便宜上代表的な構造のみを示している。例えば、フタロシアニン化合物Bはニトリル化合物aとニトリル化合物bを1:3のモル比で反応させたものであるが、合成上はニトリル化合物a由来の部分構造:ニトリル化合物b由来の部分構造=0:4〜4:0から構成されるフタロシアニン化合物を含む。また、官能基の配置が異なる異性体構造も含む。
上記において、Mは銅原子である。
本発明の赤外線吸収性組成物は、一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。
本発明の赤外線吸収性液状組成物における、一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物の配合量は、溶剤を除く成分の20〜70質量%であることが好ましい。2種類以上含む場合、その合計量が前記範囲となる。
<フタロシアニン化合物以外の赤外線吸収剤>
本発明の赤外線吸収性液状組成物は、フタロシアニン化合物以外の赤外線吸収剤を含む。ここでいう「フタロシアニン化合物」とは、フタロシアニン骨格を有する化合物をいう。従って、ここでいう「フタロシアニン化合物」は、上記一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物以外のフタロシアニン化合物も含む趣旨である。このように、フタロシアニン化合物以外の赤外線吸収剤を一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物と併用することにより、耐光性を向上させることができる。
フタロシアニン化合物以外の赤外線吸収剤は、赤外線領域に吸収極大波長を有する化合物であればよく、極大吸収を700〜2000nmの範囲に持つことが好ましく、1000〜1700nmの範囲に持つことがより好ましい。
特に、一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物の最大吸収波長とフタロシアニン化合物以外の赤外線吸収剤の最大吸収波長の差が100〜1000nmであることが好ましく、500〜1000nmであることがより好ましい。このような赤外線吸収剤を採用することにより、一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物のみでは、より広い赤外線領域で高い遮蔽率を達成できる。
フタロシアニン化合物以外の有機化合物であっても無機化合物であってもよい。具体的には、フタロシアニン化合物以外の赤外線吸収剤としては、金属酸化物、ジインモニウム色素、シアニン色素、クアテリレン色素が例示され、酸化タングステン系化合物およびジインモニウム色素がより好ましく、酸化タングステン系化合物がさらに好ましい。酸化タングステン系化合物を採用することにより、800nm付近での遮蔽率を向上させることができる。さらに、酸化タングステン系化合物を採用することにより、最終的に得られる膜を硬くすることができ、熱運動を適切に抑制でき、さらに、酸素遮断ができ、高い耐光性と耐熱性をたっせいできる。この効果は、セシウム酸タングステン酸を用いる場合に顕著に効果的に発揮される。
酸化タングステン系化合物としては、下記一般式(組成式)(I)で表される酸化タングステン系化合物であることがより好ましい。
xyz・・・(I)
Mは金属、Wはタングステン、Oは酸素を表す。
0.001≦x/y≦1.1
2.2≦z/y≦3.0
Mの金属としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Sn、Pb、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Biが挙げられるが、アルカリ金属であることが好ましい。Mの金属は1種でも2種以上でも良い。
Mはアルカリ金属であることが好ましく、Rb又はCsであることが好ましく、Csであることがより好ましい。
すなわち、金属酸化物は、セシウム酸化タングステンであることがより好ましい。
x/yが0.001以上であることにより、赤外線を十分に遮蔽することができ、1.1以下であることにより、酸化タングステン系化合物中に不純物相が生成されることをより確実に回避することできる。
z/yが2.2以上であることにより、材料としての化学的安定性をより向上させることができ、3.0以下であることにより赤外線を十分に遮蔽することができる。
上記一般式(I)で表される酸化タングステン系化合物の具体例としては、Cs0.33WO3、Rb0.33WO3、K0.33WO3、Ba0.33WO3などを挙げることができ、Cs0.33WO3又はRb0.33WO3であることが好ましく、Cs0.33WO3であることが更に好ましい。
金属酸化物は微粒子であることが好ましい。金属酸化物の平均粒子径は、800nm以下であることが好ましく、400nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることが更に好ましい。平均粒子径がこのような範囲であることによって、金属酸化物が光散乱によって可視光を遮断しにくくなることから、可視光領域における透光性をより確実にすることができる。光酸乱を回避する観点からは、平均粒子径は小さいほど好ましいが、製造時における取り扱い容易性などの理由から、金属酸化物の平均粒子径は、通常、1nm以上である。
金属酸化物は市販品として入手可能であるが、金属酸化物が、例えば酸化タングステン系化合物である場合、酸化タングステン系化合物は、タングステン化合物を不活性ガス雰囲気若しくは還元性ガス雰囲気中で熱処理する方法により得ることができる(特許4096205号参照)。
また、酸化タングステン系化合物は、例えば、住友金属鉱山株式会社製のYMF−02などのタングステン微粒子の分散物としても、入手可能である。
ジインモニウム色素としては、 下記一般式(C)で表される化合物であることが好ましい。
(式中、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38は各々独立に分岐を有しても良い鎖状アルキル基、分岐を有しても良い環状アルキル基、分岐を有しても良いアリールアルキル基または分岐を有しても良いヘテロアリールアルキル基を表し、X31、X32、X33及びX34は各々独立に水素原子または置換基を表す。Yは2個の1価アニオンまたは2価のアニオンを表す。)
前記一般式(C)中、R31〜R38として、好ましくは炭素数1〜30の直鎖、分岐または環状のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数1〜10の直鎖、分岐または環状のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ヘキシル、iso−ヘキシル、オクチル、デシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロヘキシルなどが挙げられる。また、アルキル基は置換基を有しても良く、置換基としては、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラニル、フェナントリルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、芳香族ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、
アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、
芳香族ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子が挙げられ、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。
31〜X34の置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、直鎖、分枝もしくは環状のアルキル基を含み、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、及び、R31〜R38としてのアルキル基が有していてもよい置換基として挙げた基が挙げられ、中でも、好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、シアノ基、スルホニル基、スルフィニル基であり、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、シアノ基であり、さらに好ましくはアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基である。
前記一般式(C)中、Yで表される1価又は2価のアニオンとして好ましくは、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、過ヨウ素酸イオン、硝酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、プロピル硫酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、ヘキサフルオリン酸イオン、ベンゼンスルフィン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酢酸イオン、安息香酸イオン、シュウ酸イオン、コハク酸イオン、マロン酸イオン、オレイン酸イオン、ステアリン酸イオン、クエン酸イオン、一水素二リン酸イオン、二水素一リン酸イオン、ペンタクロロスズ酸イオン、クロロスルホン酸イオン、フルオロスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等のフッ素置換アルキルスルホン酸、ヘキサフルオロヒ酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、モリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、チタン酸イオン、ジルコン酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸イオン等のビス(フッ素置換アルキルスルホニル)イミド酸イオン、ナフチルスルホン酸イオン、ナフチルジスルホン酸イオン等である。
本発明に用いられるジインモニウム色素として特に好ましいのは、アニオンYがビス(フッ素置換アルキルスルホニル)イミド酸イオンであり、かつ、下記一般式(D)で表される陰イオンであるジインモニウム色素である。
(式中、R41及びR42は、各々独立にフッ素原子が置換したアルキル基、フッ素原子が置換したアリール基、またはフッ素原子が置換したヘテロアリール基を表す。R41及びR42は同じであっても異なっても良い。R41及びR42は互いに結合してフルオロアルキレン基を形成しても良い。)
前記一般式(D)中、R41及びR42としては、好ましくは炭素数1〜20のフッ素原子が置換したアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、より好ましくは炭素数1〜15のフッ素原子が置換したアルキル基またはアリール基であり、さらに好ましくは炭素数1〜15のパーフルオロアルキル基である。
前記一般式(C)で表されるジインモニウム色素の具体例としては、特開平01−113482号公報、特開平10−180922号公報、国際公開WO2003−5076号、国際公開WO2004−48480号公報、国際公開WO2005−44782号、国際公開WO2006−120888号公報、特開2007−246464号公報、国際公開WO2007−148595号公報記載の化合物が挙げられ、これらの公報に記載の方法に従って合成することができる。
市販品としては、本願の特徴を満たすものであれば特に限定されるものではないが、例えばEPOLIGHT1178などのEPOLIGHTシリーズ(Epolin社製) 、CIR-1085などのCIR- 108XシリーズおよびCIR-96Xシリーズ(日本カーリット社製)などが好適に用いられる。
ジインモニウム色素は、顔料であることが好ましい。ジインモニウム色素顔料の平均粒子径は、800nm以下であることが好ましく、400nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることが更に好ましい。ここで、平均粒子径とは、透過型電子顕微鏡により顔料粒子の投影面積を求め、これに対応する円相当径の算術平均値いう。
平均粒子径がこのような範囲であることによって、ジインモニウム色素顔料が光散乱によって可視光を遮断しにくくなることから、可視光領域における透光性をより確実にすることができる。光酸乱を回避する観点からは、平均粒子径は小さいほど好ましいが、製造時における取り扱い容易性などの理由から、ジインモニウム色素顔料の平均粒子径は、通常、1nm以上である。
フタロシアニン化合物以外の赤外線吸収剤の含有量は、本発明の組成物の溶剤を除く全成分に対して、20〜85質量%であることが好ましく、30〜80質量%であることがより好ましく、40〜75質量%であることがさらに好ましい。
また、フタロシアニン化合物以外の赤外線吸収剤を使用することが可能である。この場合は、合計量が上記範囲となる。
本発明において、一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物と、フタロシアニン化合物以外の赤外線吸収剤の配合量比(質量比)は、4:1〜1:25であることが好ましく、2:1〜1:5であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される。
<重合性化合物>
本発明の赤外線吸収性組成物は、重合性化合物の少なくとも一種を含有することによって好適に構成することができる。
上記重合性化合物として、具体的には、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られているものであり、本発明においてはこれらを特に限定なく用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの多量体などの化学的形態のいずれであってもよい。本発明における重合性化合物は一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
より具体的には、モノマー及びそのプレポリマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)やそのエステル類、アミド類、並びにこれらの多量体が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、及び不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類、並びにこれらの多量体である。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物や、単官能若しくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更に、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン等のビニルベンゼン誘導体、ビニルエーテル、アリルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
これらの具体的な化合物としては、特開2009−288705号公報の段落番号0095〜段落番号0108に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
また、前記重合性化合物としては、重合性モノマーとして、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物も好ましい。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号各公報に記載されているようなウレタン(メタ)アクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレート及びこれらの混合物を挙げることができる。
多官能カルボン酸にグリシジル(メタ)アクリレート等の環状エーテル基とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させ得られる多官能(メタ)アクリレートなども挙げることができる。
また、その他の好ましい重合性化合物として、特開2010−160418、特開2010−129825、特許4364216等に記載される、フルオレン環を有し、エチレン性重合性基を2官能以上有する化合物、カルド樹脂も使用することが可能である。
また、常圧下で100℃以上の沸点を有し、少なくとも一つの付加重合可能なエチレン性不飽和基を持つ化合物としては、特開2008−292970号公報の段落番号[0254]〜[0257]に記載の化合物も好適である。
上記のほか、下記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される、ラジカル重合性モノマーも好適に用いることができる。なお、式中、Tがオキシアルキレン基の場合には、炭素原子側の末端がRに結合する。
前記一般式において、nは0〜14であり、mは1〜8である。一分子内に複数存在するR、T、は、各々同一であっても、異なっていてもよい。
上記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表されるラジカル重合性モノマーの各々において、複数のRの内の少なくとも1つは、−OC(=O)CH=CH2、又は、−OC(=O)C(CH3)=CH2で表される基を表す。
上記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される、ラジカル重合性モノマーの具体例としては、特開2007−269779号公報の段落番号0248〜段落番号0251に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
また、特開平10−62986号公報において一般式(1)及び(2)としてその具体例と共に記載の、前記多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も、重合性化合物として用いることができる。
中でも、重合性化合物としては、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としては KAYARAD D−330;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては KAYARAD D−320;日本化薬株式会社製)ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD D−310;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD DPHA ;日本化薬株式会社製)、及びこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。
重合性化合物としては、多官能モノマーであって、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等の酸基を有していても良い。従って、エチレン性化合物が、上記のように混合物である場合のように未反応のカルボキシル基を有するものであれば、これをそのまま利用することができるが、必要において、上述のエチレン性化合物のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を導入しても良い。この場合、使用される非芳香族カルボン酸無水物の具体例としては、無水テトラヒドロフタル酸、アルキル化無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、アルキル化無水ヘキサヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸が挙げられる。
本発明において、酸基を有するモノマーとしては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた多官能モノマーが好ましく、特に好ましくは、このエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるものである。市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、アロニックスシリーズのM−305、M−510、M−520などが挙げられる。
これらのモノマーは1種を単独で用いても良いが、製造上、単一の化合物を用いることは難しいことから、2種以上を混合して用いても良い。また、必要に応じてモノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用しても良い。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mg−KOH/gであり、特に好ましくは5〜30mg−KOH/gである。多官能モノマーの酸価が低すぎると現像溶解特性が落ち、高すぎると製造や取扱いが困難になり光重合性能が落ち、画素の表面平滑性等の硬化性が劣るものとなる。従って、異なる酸基の多官能モノマーを2種以上併用する場合、或いは酸基を有しない多官能モノマーを併用する場合、全体の多官能モノマーとしての酸価が上記範囲に入るように調整することが必須である。
また、重合性モノマーとして、カプロラクトン構造を有する多官能性単量体を含有することが好ましい。
カプロラクトン構造を有する多官能性単量体としては、その分子内にカプロラクトン構造を有する限り特に限定されるものではないが、例えば、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、トリメチロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸およびε−カプロラクトンをエステル化することにより得られる、ε−カプロラクトン変性多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。なかでも下記式(1)で表されるカプロラクトン構造を有する多官能性単量体が好ましい。
(式中、6個のRは全てが下記式(2)で表される基であるか、または6個のRのうち1〜5個が下記式(2)で表される基であり、残余が下記式(3)で表される基である。)
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、mは1または2の数を示し、「*」は結
合手であることを示す。)
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、「*」は結合手であることを示す。)
このようなカプロラクトン構造を有する多官能性単量体は、例えば、日本化薬(株)からKAYARAD DPCAシリーズとして市販されており、DPCA−20(上記式(
1)〜(3)においてm=1、式(2)で表される基の数=2、R1が全て水素原子であ
る化合物)、DPCA−30(同式、m=1、式(2)で表される基の数=3、R1が全
て水素原子である化合物)、DPCA−60(同式、m=1、式(2)で表される基の数=6、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA−120(同式においてm=2、式
(2)で表される基の数=6、R1が全て水素原子である化合物)等を挙げることができ
る。
本発明において、カプロラクトン構造を有する多官能性単量体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、本発明における重合性化合物としては、下記一般式(i)又は(ii)で表される化合物の群から選択される少なくとも1種であることも好ましい。
前記一般式(i)及び(ii)中、Eは、各々独立に、−((CH2)yCH2O)−、又は−((CH2yCH(CH3)O)−を表し、yは、各々独立に0〜10の整数を表し、Xは、各々独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、水素原子、又はカルボキシル基を表す。
前記一般式(i)中、アクリロイル基及びメタクリロイル基の合計は3個又は4個であり、mは各々独立に0〜10の整数を表し、各mの合計は0〜40の整数である。但し、各mの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
前記一般式(ii)中、アクリロイル基及びメタクリロイル基の合計は5個又は6個であり、nは各々独立に0〜10の整数を表し、各nの合計は0〜60の整数である。但し、各nの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
前記一般式(i)中、mは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。また、各mの合計は、2〜40の整数が好ましく、2〜16の整数がより好ましく、4〜8の整数が特に好ましい。
前記一般式(ii)中、nは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。また、各nの合計は、3〜60の整数が好ましく、3〜24の整数がより好ましく、6〜12の整数が特に好ましい。
また、一般式(i)又は一般式(ii)中の−((CH2yCH2O)−又は−((CH2yCH(CH3)O)−は、酸素原子側の末端がXに結合する形態が好ましい。
前記一般式(i)又は(ii)で表される化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。特に、一般式(ii)において、6個のX全てがアクリロイル基である形態が好ましい。
また、一般式(i)又は(ii)で表される化合物の重合性化合物中における全含有量としては、20質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。
前記一般式(i)又は(ii)で表される化合物は、従来公知の工程である、ペンタエリスリト−ル又はジペンタエリスリト−ルにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを開環付加反応により開環骨格を結合する工程と、開環骨格の末端水酸基に、例えば(メタ)アクリロイルクロライドを反応させて(メタ)アクリロイル基を導入する工程と、から合成することができる。各工程は良く知られた工程であり、当業者は容易に一般式(i)又は(ii)で表される化合物を合成することができる。
前記一般式(i)又は(ii)で表される化合物の中でも、ペンタエリスリトール誘導体及び/又はジペンタエリスリトール誘導体がより好ましい。
具体的には、下記式(a)〜(f)で表される化合物(以下、「例示化合物(a)〜(f)」ともいう。)が挙げられ、中でも、例示化合物(a)、(b)、(e)、(f)が好ましい。
一般式(i)、(ii)で表される重合性化合物の市販品としては、例えばサートマー社製のエチレンオキシ鎖を4個有する4官能アクリレートであるSR−494、日本化薬株式会社製のペンチレンオキシ鎖を6個有する6官能アクリレートであるDPCA−60、イソブチレンオキシ鎖を3個有する3官能アクリレートであるTPA−330などが挙げられる。
また、重合性化合物としては、特公昭48−41708号、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、重合性化合物として、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによって、非常に感光スピードに優れた硬化性組成物を得ることができる。
重合性化合物の市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200」(新中村化学社製、DPHA−40H(日本化
薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)などが挙げられる。
重合性化合物としては、同一分子内に2個以上のメルカプト(SH)基を有する多官能チオール化合物も好適である。特に、下記一般式(I)で表すものが好ましい。
(式中、R1はアルキル基、R2は炭素以外の原子を含んでもよいn価の脂肪族基、R0はHではないアルキル基、nは2〜4を表す。)
上記一般式(I)で表される多官能チオール化合物を具体的に例示するならば、下記の構造式を有する1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン〔式(II)〕、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジアン−2,4,6(1H,3H5H)−トリオン〔式(III)〕、及びペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)〔式(IV)〕等が挙げられる。これらの多官能チオールは1種または複数組み合わせて使用することが可能である。
赤外線吸収性組成物中の多官能チオールの配合量については、溶剤を除いた全固形分に対して0.3〜8.9重量%、より好ましくは0.8〜6.4重量%の範囲で添加するのが望ましい。多官能チオールの添加によって、赤外線吸収性組成物の安定性、臭気、感度、密着性等を良化させることが出来る。
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、赤外線吸収性組成物の最終的な性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、感度の観点では、1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合は2官能以上が好ましい。また、赤外線カットフィルタの強度を高める観点では、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。また、赤外線吸収性組成物に含有される他の成分(例えば、金属酸化物、色素、重合開始剤、バインダー等)との相溶性、分散性に対しても、重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、支持体などの硬質表面との密着性を向上させる観点で特定の構造を選択することもあり得る。
本発明の赤外線吸収性組成物中における重合性化合物の含有量は、該赤外線吸収性組成物中の固形分に対して0.1質量%〜90質量%が好ましく、1.0質量%〜80質量%がさらに好ましく、2.0質量%〜70質量%が特に好ましい。
<重合開始剤>
本発明の赤外線吸収性組成物は、重合開始剤を含有しても良く、重合開始剤としては、光、熱のいずれか或いはその双方により重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、光重合性化合物であることが好ましい。光で重合を開始させる場合、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましい。
また、熱で重合を開始させる場合には、150℃〜250℃で分解する開始剤が好ましい。
本発明に用いうる重合開始剤としては、少なくとも芳香族基を有する化合物であることが好ましく、例えば、アシルホスフィン化合物、アセトフェノン系化合物、α−アミノケトン化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ケタール誘導体化合物、チオキサントン化合物、オキシム化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、トリハロメチル化合物、アゾ化合物、有機過酸化物、ジアゾニウム化合物、ヨードニウム化合物、スルホニウム化合物、アジニウム化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ケタール誘導体化合物、メタロセン化合物等のオニウム塩化合物、有機硼素塩化合物、ジスルホン化合物などが挙げられる。
感度の観点から、オキシム化合物、アセトフェノン系化合物、α−アミノケトン化合物、トリハロメチル化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、及び、チオール化合物が好ましい。
以下、本発明に好適な重合開始剤の例を挙げるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
アセトフェノン系化合物としては、具体的には、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−トリル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、及び、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンなどが挙げられる。
トリハロメチル化合物として、より好適には、すくなくとも一つのモノ、ジ、又はトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体、具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2―n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−ナトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
オキシム化合物としては、J.C.S. Perkin II (1979)1653−1660、J.C.S. Perkin II (1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報記載の化合物、BASFジャパン社製 IRGACURE OXE 01(1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])、IRGACURE OXE 02(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)),2−(アセチルオキシイミノメチル)チオキサンテン−9−オン等が挙げられる。
好ましくは更に、特開2007−231000公報、及び、特開2007−322744公報に記載される環状オキシム化合物に対しても好適に用いることができる。
最も好ましくは、特開2007−269779公報に示される特定置換基を有するオキシム化合物や、特開2009−191061公報に示されるチオアリール基を有するオキシム化合物が挙げられる。
具体的には、オキシム化合物としては、下記式(1)で表される化合物が好ましい。なお、オキシムのN−O結合が(E)体のオキシム化合物であっても、(Z)体のオキシム化合物であっても、(E)体と(Z)体との混合物であってもよい。
(式(1)中、R及びBは各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。)
前記Rで表される一価の置換基としては、一価の非金属原子団であることが好ましい。前記一価の非金属原子団としては、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環基、アルキルチオカルボニル基、アリールチオカルボニル基等が挙げられる。また、これらの基は、1以上の置換基を有していてもよい。また、前述した置換基は、更に他の置換基で置換されていてもよい。
置換基としてはハロゲン原子、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、アルキル基、アリール基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクダデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1−エチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−エチルヘキシル基、フェナシル基、1−ナフトイルメチル基、2−ナフトイルメチル基、4−メチルスルファニルフェナシル基、4−フェニルスルファニルフェナシル基、4−ジメチルアミノフェナシル基、4−シアノフェナシル基、4−メチルフェナシル基、2−メチルフェナシル基、3−フルオロフェナシル基、3−トリフルオロメチルフェナシル基、及び、3−ニトロフェナシル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、並びに、オバレニル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアシル基としては、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、具体的には、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタノイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、4−メチルスルファニルベンゾイル基、4−フェニルスルファニルベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、4−ジエチルアミノベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、2−ブトキシベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、3−トリフルオロメチルベンゾイル基、3−シアノベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基、及び、4−メトキシベンゾイル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、及び、トリフルオロメチルオキシカルボニル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基として具体的には、フェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−クロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3−シアノフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−シアノフェニルオキシカルボニル基、及び、4−メトキシフェニルオキシカルボニル基が例示できる。
置換基を有していてもよい複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子若しくはリン原子を含む、芳香族又は脂肪族の複素環が好ましい。
具体的には、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、及び、チオキサントリル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアルキルチオカルボニル基として具体的には、メチルチオカルボニル基、プロピルチオカルボニル基、ブチルチオカルボニル基、ヘキシルチオカルボニル基、オクチルチオカルボニル基、デシルチオカルボニル基、オクタデシルチオカルボニル基、及び、トリフルオロメチルチオカルボニル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアリールチオカルボニル基として具体的には、1−ナフチルチオカルボニル基、2−ナフチルチオカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルチオカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルチオカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルチオカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルチオカルボニル基、2−クロロフェニルチオカルボニル基、2−メチルフェニルチオカルボニル基、2−メトキシフェニルチオカルボニル基、2−ブトキシフェニルチオカルボニル基、3−クロロフェニルチオカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルチオカルボニル基、3−シアノフェニルチオカルボニル基、3−ニトロフェニルチオカルボニル基、4−フルオロフェニルチオカルボニル基、4−シアノフェニルチオカルボニル基、及び、4−メトキシフェニルチオカルボニル基が挙げられる。
前記Bで表される一価の置換基としては、アリール基、複素環基、アリールカルボニル基、又は、複素環カルボニル基を表す。また、これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が例示できる。また、前述した置換基は、更に他の置換基で置換されていてもよい。
中でも、特に好ましくは以下に示す構造である。
下記の構造中、Y、X、及び、nは、それぞれ、後述する式(2)におけるY、X、及び、nと同義であり、好ましい例も同様である。
前記Aで表される二価の有機基としては、炭素数1〜12のアルキレン基、シクロヘキシレン基、アルキニレン基が挙げられる。また、これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が例示できる。また、前述した置換基は、更に他の置換基で置換されていてもよい。
中でも、Aとしては、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、無置換のアルキレン基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基)で置換されたアルキレン基、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基)で置換されたアルキレン基、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、スチリル基)で置換されたアルキレン基が好ましい。
前記Arで表されるアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、また、置換基を有していてもよい。置換基としては、先に置換基を有していてもよいアリール基の具体例として挙げた置換アリール基に導入された置換基と同様のものが例示できる。
中でも、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、置換又は無置換のフェニル基が好ましい。
式(1)においては、前記Arと隣接するSとで形成される「SAr」の構造が、以下に示す構造であることが感度の点で好ましい。なお、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。
オキシム化合物は、下記式(2)で表される化合物であることが好ましい。
(式(2)中、R及びXは各々独立に一価の置換基を表し、A及びYは各々独立に二価の有機基を表し、Arはアリール基を表し、nは0〜5の整数である。)
式(2)におけるR、A、及びArは、前記式(1)におけるR、A、及びArと同義であり、好ましい例も同様である。
前記Xで表される一価の置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、複素環基、ハロゲン原子が挙げられる。また、これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が例示できる。また、前述した置換基は、更に他の置換基で置換されていてもよい。
これらの中でも、Xとしては、溶剤溶解性と長波長領域の吸収効率向上の点から、アルキル基が好ましい。
また、式(2)におけるnは、0〜5の整数を表し、0〜2の整数が好ましい。
前記Yで表される二価の有機基としては、以下に示す構造が挙げられる。なお、以下に示される基において、*は、前記式(2)において、Yと隣接する炭素原子との結合位置を示す。
中でも、高感度化の観点から、下記に示す構造が好ましい。
更にオキシム化合物は、下記式(3)で表される化合物であることが好ましい。
式(3)におけるR、X、A、Ar、及び、nは、前記式(2)におけるR、X、A、Ar、及び、nとそれぞれ同義であり、好ましい例も同様である。
以下、好適に用いられるオキシム化合物の具体例(C−4)〜(C−13)を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
オキシム化合物は、350nm〜500nmの波長領域に極大吸収波長を有するものでることが好ましく、360nm〜480nmの波長領域に吸収波長を有するものであることがより好ましく、365nm及び455nmの吸光度が高いものが特に好ましい。
オキシム化合物は、365nm又は405nmにおけるモル吸光係数が、感度の観点から、3,000〜300,000であることが好ましく、5,000〜300,000であることがより好ましく、10,000〜200,000であることが特に好ましい。
化合物のモル吸光係数は、公知の方法を用いることができるが、具体的には、例えば、紫外可視分光光度計(Varian社製Carry−5 spctrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
光重合開始剤としては、オキシム化合物、アセトフェノン系化合物、及び、アシルホスフィン化合物からなる群より選択される化合物が更に好ましい。より具体的には、例えば、特開平10−291969号公報に記載のアミノアセトフェノン系開始剤、特許第4225898号公報に記載のアシルホスフィンオキシド系開始剤、及び、既述のオキシム系開始剤、更にオキシム系開始剤として、特開2001−233842号記載の化合物も用いることができる。
アセトフェノン系開始剤としては、市販品であるIRGACURE−907、IRGACURE−369、及び、IRGACURE−379(商品名:いずれもBASFジャパン社製)を用いることができる。またアシルホスフィン系開始剤としては市販品であるIRGACURE−819やDAROCUR−TPO(商品名:いずれもBASFジャパン社製)を用いることができる。
重合開始剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の重合性組成物の全固形分質量に対する重合開始剤の含有量は、0.01質量%〜30質量%が好ましく、0.1質量%〜20質量%がより好ましく、0.1質量%〜15質量%が特に好ましい。
<バインダー>
本発明の赤外線吸収性組成物は、バインダーを含有することが好ましい。
バインダーは特に限定されないが、バインダーは、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
アルカリ可溶性を促進する基(以下、酸基ともいう)としては、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、フェノール性水酸基などが挙げられるが、(メタ)アクリル酸が特に好ましいものとして挙げられる。これら酸基は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記重合後に酸基を付与しうるモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するモノマー、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するモノマー、2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基を有するモノマー等が挙げられる。これら酸基を導入するための単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。アルカリ可溶性バインダーに酸基を導入するには、例えば、酸基を有するモノマーおよび/または重合後に酸基を付与しうるモノマー(以下「酸基を導入するための単量体」と称することもある。)を、単量体成分として重合するようにすればよい。
なお、重合後に酸基を付与しうるモノマーを単量体成分として酸基を導入する場合には、重合後に酸基を付与するための処理が必要となる。
アルカリ可溶性樹脂の製造には、例えば、公知のラジカル重合法による方法を適用することができる。ラジカル重合法でアルカリ可溶性樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類及びその量、溶媒の種類等々の重合条件は、当業者において容易に設定可能であり、実験的に条件を定めるようにすることもできる。
アルカリ可溶性樹脂として用いられる線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマーが好ましく、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、ノボラック型樹脂などのアルカリ可溶性フェノール樹脂等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの挙げられる。特に、(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体が、アルカリ可溶性樹脂として好適である。(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等、ビニル化合物としては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N-ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー等、特開平10−300922号公報に記載のN位置換マレイミドモノマーとして、N―フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等を挙げることができる。なお、これらの(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
アルカリ可溶性樹脂としては、下記一般式(ED)で示される化合物(以下「エーテルダイマー」と称することもある。)を必須とする単量体成分を重合してなるポリマー(a)を、必須成分であるポリマー成分(A)として含むことも好ましい。これにより、本発明の赤外線吸収性組成物は、耐熱性とともに透明性にも極めて優れた硬化塗膜を形成しうる。
(式(ED)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。)
前記一般式(ED)中、R1およびR2で表される置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基としては、特に制限はないが、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、t−アミル、ステアリル、ラウリル、2−エチルヘキシル等の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル等のアリール基;シクロヘキシル、t−ブチルシクロヘキシル、ジシクロペンタジエニル、トリシクロデカニル、イソボルニル、アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル等の脂環式基;1−メトキシエチル、1−エトキシエチル等のアルコキシで置換されたアルキル基;ベンジル等のアリール基で置換されたアルキル基;等が挙げられる。これらの中でも特に、メチル、エチル、シクロヘキシル、ベンジル等のような酸や熱で脱離しにくい1級または2級炭素の置換基が耐熱性の点で好ましい。
前記エーテルダイマーの具体例としては、例えば、特開2012−032754号公報の段落番号0171に記載のものが好ましい。これらエーテルダイマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。前記一般式(ED)で示される化合物由来の構造体は、その他の単量体を共重合させてもよい。
アルカリ可溶性フェノール樹脂としては、例えば、ノボラック樹脂、又はビニル重合体等が挙げられる。
上記ノボラック樹脂としては、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを酸触媒の存在下に縮合させて得られるものが挙げられる。上記フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、キシレノール、フェニルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、ナフトール、又はビスフェノールA等が挙げられる。
上記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、又はベンズアルデヒド等が挙げられる。上記フェノール類及びアルデヒド類は、単独若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ノボラック樹脂の具体例としては、例えば、メタクレゾール、パラクレゾール又はこれらの混合物とホルマリンとの縮合生成物が挙げられる。
上記ノボラック樹脂は分別等の手段を用いて分子量分布を調節してもよい。又、ビスフェノールCやビスフェノールA等のフェノール系水酸基を有する低分子量成分を上記ノボラック樹脂に混合してもよい。
また、本発明における赤外線吸収性組成物から得られる赤外線カットフィルタの架橋効率を向上させるために、重合性基を有したアルカリ可溶性樹脂を使用してもよい。重合性基を有したアルカリ可溶性樹脂としては、アリル基、(メタ)アクリル基、アリルオキシアルキル基等を側鎖に含有したアルカリ可溶性樹脂等が有用である。上述の重合性基を含有するポリマーの例としては、ダイヤナ−ルNRシリーズ(三菱レイヨン株式会社製)、Photomer6173(COOH含有 polyurethane acrylic oligomer. Diamond Shamrock Co.Ltd.,製)、ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業株式会社製)、サイクロマーP ACA230AA等のサイクロマーPシリーズ、プラクセル CF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業株式会社製)、Ebecryl3800(ダイセルユーシービー株式会社製)などが挙げられる。これら重合性基を含有するアルカリ可溶性樹脂としては、予めイソシアネート基とOH基を反応させ、未反応のイソシアネート基を1つ残し、かつ(メタ)アクリロイル基を含む化合物とカルボキシル基を含むアクリル樹脂との反応によって得られるウレタン変性した重合性二重結合含有アクリル樹脂、カルボキシル基を含むアクリル樹脂と分子内にエポキシ基及び重合性二重結合を共に有する化合物との反応によって得られる不飽和基含有アクリル樹脂、酸ペンダント型エポキシアクリレート樹脂、OH基を含むアクリル樹脂と重合性二重結合を有する2塩基酸無水物を反応させた重合性二重結合含有アクリル樹脂、OH基を含むアクリル樹脂とイソシアネートと重合性基を有する化合物を反応させた樹脂、特開2002−229207号公報及び特開2003−335814号公報に記載されるα位又はβ位にハロゲン原子或いはスルホネート基などの脱離基を有するエステル基を側鎖に有する樹脂に塩基性処理を行うことで得られる樹脂などが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、特に、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他ノモノマーからなる多元共重合体が好適である。この他、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを共重合したもの、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクレート/メタクリル酸共重合体などが挙げられる。市販品としては、例えばアクリベースFF−187、FF−426(藤倉化成社製)などが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂の酸価としては好ましくは30mgKOH/g〜200mgKOH/g、より好ましくは50mgKOH/g〜150mgKOH/gであることが好ましく、70〜120mgKOH/gであることが最も好ましい。
また、アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、2,000〜50,000が好ましく、5,000〜40,000がさらに好ましく、7,000〜35,000が最も好ましい。
バインダーの赤外線吸収性組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分に対して、1〜20質量%が好ましく、より好ましくは、2〜15質量%であり、特に好ましくは、3〜12質量%である。
<分散剤>
本発明の赤外線吸収性組成物は、上記金属酸化物や上記色素の分散性、分散安定性向上を目的として、公知の分散剤により分散して用いてもよい。
本発明に用いうる分散剤としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、及び、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン等の界面活性剤等を挙げることができる。
高分子分散剤は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子としては、例えば、特開平3−112992号公報、特表2003−533455号公報等に記載の末端にりん酸基を有する高分子、特開2002−273191号公報等に記載の末端にスルホン酸基を有する高分子、特開平9−77994号公報等に記載の有機色素の部分骨格や複素環を有する高分子、特開2008−29901号公報等に記載の片末端に水酸基又はアミノ基を有するオリゴマー又はポリマーと酸無水物で変性して製造される高分子などが挙げられる。また、特開2007−277514号公報に記載の高分子末端に2個以上の赤外線遮蔽材表面へのアンカー部位(酸基、塩基性基、有機色素の部分骨格やヘテロ環等)を導入した高分子も分散安定性に優れ好ましい。
表面へのアンカー部位を有するグラフト型高分子としては、例えば、特開昭54ー37082号公報、特表平8−507960号公報、特開2009−258668公報等に記載のポリ(低級アルキレンイミン)とポリエステルの反応生成物、特開平9−169821号公報等に記載のポリアリルアミンとポリエステルの反応生成物、特開2009−203462号公報に記載の塩基性基と酸性基を有する両性分散樹脂、特開平10−339949号、特開2004−37986号公報等に記載のマクロモノマーと、窒素原子モノマーとの共重合体、特開2003−238837号公報、特開2008−9426号公報、特開2008−81732号公報等に記載の有機色素の部分骨格や複素環を有するグラフト型高分子、特開2010−106268号公報等に記載のマクロモノマーと酸基含有モノマーの共重合体等が挙げられる。
表面へのアンカー部位を有するグラフト型高分子をラジカル重合で製造する際に用いるマクロモノマーとしては、公知のマクロモノマーを用いることができ、東亜合成(株)製のマクロモノマーAA−6(末端基がメタクリロイル基であるポリメタクリル酸メチル)、AS−6(末端基がメタクリロイル基であるポリスチレン)、AN−6S(末端基がメタクリロイル基であるスチレンとアクリロニトリルの共重合体)、AB−6(末端基がメタクリロイル基であるポリアクリル酸ブチル)、ダイセル化学工業(株)製のプラクセルFM5(メタクリル酸2−ヒドロキシエチルのε−カプロラクトン5モル当量付加品)、FA10L(アクリル酸2−ヒドロキシエチルのε−カプロラクトン10モル当量付加品)、及び特開平2−272009号公報に記載のポリエステル系マクロモノマー等が挙げられる。これらの中でも、特に柔軟性かつ親溶剤性に優れるポリエステル系マクロモノマーが、組成物における赤外線遮蔽材の分散性、及び分散安定性の観点から特に好ましく、更に、特開平2−272009号公報に記載のポリエステル系マクロモノマーで表されるポリエステル系マクロモノマーが最も好ましい。
表面へのアンカー部位を有するブロック型高分子としては、特開2003−49110号公報、特開2009−52010号公報等に記載のブロック型高分子が好ましい。
分散剤としては、例えば、公知の分散剤や界面活性剤を適宜選択して用いることができる。
そのような具体例としては、BYKChemie社製「Disperbyk−101(ポリアミドアミン燐酸塩)、107(カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸)、EFKA社製「EFKA4047、4050〜4010〜4165(ポリウレタン系)、EFKA4330〜4340(ブロック共重合体)、4400〜4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、5765(高分子量ポリカルボン酸塩)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)」、味の素ファンテクノ社製「アジスパーPB821、PB822、PB880、PB881」、共栄社化学(株)製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)」、「ホモゲノールL−18(高分子ポリカルボン酸)」、「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、日本ルーブリゾール(株)製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカル者製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」、川研ファインケミカル(株)製ヒノアクトT−8000E等、信越化学工業(株)製、オルガノシロキサンポリマーKP341、裕商(株)製「W001:カチオン系界面活性剤」、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤、「W004、W005、W017」等のアニオン系界面活性剤、森下産業(株)製「EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450」、サンノプコ(株)製「ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100」等の高分子分散剤、(株)ADEKA製「アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123」、及び三洋化成(株)製「イオネット(商品名)S−20」等が挙げられる。
これらの分散剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、本発明の分散剤は、前記赤外線遮蔽材表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子と伴に、アルカリ可溶性樹脂を併用して用いても良い。アルカリ可溶性樹脂としては、(メタ)アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を変性した樹脂が挙げられるが、特に(メタ)アクリル酸共重合体が好ましい。また、特開平10−300922号公報に記載のN位置換マレイミドモノマー共重合体、特開2004−300204号公報に記載のエーテルダイマー共重合体、特開平7−319161号公報に記載の重合性基を含有するアルカリ可溶性樹脂も好ましい。
分散性及び沈降性の観点から、好ましくは、特開2010−106268号公報に記載の以下に示す樹脂が好ましく、特に、分散性の観点から、側鎖にポリエステル鎖を有する高分子分散剤が好ましく、酸基とポリエステル鎖とを有する樹脂も好適に挙げることができる。分散剤における好ましい酸基としては、吸着性の観点から、pKaが6以下の酸基が好ましく、特にカルボン酸、スルホン酸、リン酸が好ましい。
以下に、本発明において好ましく用いられる特開2010−106268号公報に記載される分散樹脂について説明する。
好ましい分散剤は、分子内に、水素原子を除いた原子数が40〜10000の範囲であり、ポリエステル構造、ポリエーテル構造、及びポリアクリレート構造から選択されるグラフト鎖を有するグラフト共重合体であり、少なくとも下記式(1)〜式(4)のいずれかで表される構造単位を含むことが好ましく、少なくとも、下記式(1A)、下記式(2A)、下記式(3A)、下記式(3B)、及び、下記式(4)のいずれかで表される構造単位を含むことがより好ましい。
式(1)〜式(4)において、X1、X2、X3、X4、及び、X5はそれぞれ独立に水素原子或いは1価の有機基を表す。合成上の制約の観点から、好ましくは水素原子、或いは炭素数1から12のアルキル基であり、水素原子或いはメチル基であることがより好ましく、メチル基が特に好ましい。
式(1)〜式(4)において、W1、W2、W3、及び、W4はそれぞれ独立に酸素原子或いはNHを表し、特に酸素原子が好ましい。
式(1)〜式(4)において、Y1、Y2、Y3、及び、Y4はそれぞれ独立に2価の連結基であり、特に構造上制約されない。具体的には、下記の(Y−1)から(Y−21)の連結基などが挙げられる。下記構造でA、Bはそれぞれ、式(1)〜式(4)における左末端基、右末端基との結合を意味する。下記に示した構造のうち、合成の簡便性から、(Y−2)、(Y−13)であることがより好ましい。
式(1)〜式(4)において、Z1、Z2、Z3、及び、Z4、それぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基であり、置換基の構造は特に限定されないが、具体的には、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、或いはヘテロアリールオキシ基、アルキルチオエーテル基、アリールチオエーテル基、或いはヘテロアリールチオエーテル基、アミノ基などが挙げられる。この中でも、特に分散性向上の観点から、立体反発効果を有することが好ましく、Z1〜Z3で表される1価の置換基としては、各々独立に炭素数5〜24のアルキル基又は炭素数5〜24のアルコキシ基が好ましく、その中でも、特に各々独立に炭素数5〜24の分岐アルキル基を有するアルコキシ基或いは炭素数5〜24の環状アルキル基を有するアルコキシ基が好ましい。また、Z4で表される1価の置換基としては、炭素数5〜24のアルキル基が好ましく、その中でも、各々独立に炭素数5〜24の分岐アルキル基或いは炭素数5〜24の環状アルキル基が好ましい。
式(1)〜式(4)において、n、m、p、及び、qはそれぞれ1から500の整数である。
式(1)及び式(2)において、j及びkは、それぞれ独立に、2〜8の整数を表す。式(1)及び式(2)におけるj及びkは、分散安定性の観点から、4〜6の整数が好ましく、5が最も好ましい。
式(3)中、R’は、分岐若しくは直鎖のアルキレン基を表す。式(3)中のR’は、炭素数1〜10のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2又は3のアルキレン基であることがより好ましい。
また、式(3)中のR’としては分散樹脂中に構造の異なるR’を2種以上混合して用いても良い。
式(4)中、Rは水素原子又は1価の有機基を表し、特に構造上限定はされないが、好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基であり、更に好ましくは、水素原子、アルキル基である。該Rがアルキル基である場合、該アルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の分岐状アルキル基、又は炭素数5〜20の環状アルキル基が好ましく、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基がより好ましく、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基が特に好ましい。
また、式(4)中のRとしては特定樹脂中に構造の異なるRを2種以上混合して用いても良い。
前記式(1)で表される構造単位としては、分散安定性の観点から、下記式(1A)で表される構造単位であることがより好ましい。
また、前記式(2)で表される構造単位としては、分散安定性の観点から、下記式(2A)で表される構造単位であることがより好ましい。
式(1A)中、X1、Y1、Z1及びnは、式(1)におけるX1、Y1、Z1及びnと同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(2A)中、X2、Y2、Z2及びmは、式(2)におけるX2、Y2、Z2及びmと同義であり、好ましい範囲も同様である。
また、前記式(3)で表される構造単位としては、分散安定性の観点から、下記式(3A)又は下記式(3B)で表される構造単位であることがより好ましい。
式(3A)又は(3B)中、X3、Y3、Z3及びpは、前記式(3)におけるX3、Y3、Z3及びpと同義であり、好ましい範囲も同様である。
具体例として、特開2012−032556号公報の段落番号0241〜0257に記載されている化合物が挙げられる。
本発明の赤外線吸収性組成物が、重合性化合物及び分散剤を含有する場合、まず、上記金属酸化物、上記色素及び分散剤を、適切な溶剤により分散組成物を調製した後、重合性組成物を配合することが分散性向上の観点から好ましい。
赤外線吸収性組成物は、分散剤を含有してもしなくても良いが、含有する場合、組成物中における分散剤の含有量としては、組成物中の上記金属酸化物の質量と上記色素の質量との和に対して、1質量%〜90質量%が好ましく、3質量%〜70質量%がより好ましい。
<増感剤>
本発明の赤外線吸収性組成物は、重合開始剤のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、増感剤を含有してもよい。本発明に用いることができる増感剤としては、前記した光重合開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。本発明に用いることができる増感剤としては、以下に列挙する化合物類に属しており、かつ300nm〜450nmの波長領域に吸収波長を有するものが挙げられる。
好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ330nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
例えば、多核芳香族類(例えば、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、9,10−ジアルコキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、チオキサントン類(2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、クロロチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、フタロシアニン類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリジンオレンジ、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)、ケトクマリン、フェノチアジン類、フェナジン類、スチリルベンゼン類、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン類、カルバゾール類、ポルフィリン、スピロ化合物、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーズケトンなどの芳香族ケトン化合物、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物などが挙げられる。
更に欧州特許第568,993号明細書、米国特許第4,508,811号明細書、同5,227,227号明細書、特開2001−125255号公報、特開平11−271969号公報等に記載の化合物等などが挙げられる。
赤外線吸収性組成物は、増感剤を含んでも含まなくてもよいが、含む場合、増感剤の含有量は、本発明の赤外線吸収性組成物の全固形分質量に対して、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上2質量%以下であることがより好ましい。
<架橋剤>
本発明の赤外線吸収性組成物は、赤外線カットフィルタの強度を向上させる目的で、更に、架橋剤を含有していても良い。
架橋剤は、架橋性基を有する化合物であることが好ましく、架橋性基を2個以上で有する化合物であることがより好ましい。架橋性基の具体例としては、オキセタン基、シアネート基、及び、アルカリ可溶性バインダーが有していてもよい架橋性基について挙げたものと同様の基を好適に挙げることができ、中でも、エポキシ基、オキセタン基又はシアネート基であることが好ましい。すなわち、架橋剤は、特にエポキシ化合物、オキセタン化合物又はシアネート化合物が好ましい。
本発明において架橋剤として好適に用いうるエポキシ化合物としては、例えば、1分子中に少なくとも2つのオキシラン基を有するエポキシ化合物、β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも1分子中に2つ含むエポキシ化合物などが挙げられる。
前記1分子中に少なくとも2つのオキシラン基を有するエポキシ化合物としては、例えば、特開2012−032556号公報の段落番号0263〜0264に記載の化合物が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、1分子中に少なくとも2つのオキシラン基を有する前記エポキシ化合物以外にβ位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも1分子中に2つ含むエポキシ化合物を用いることができ、β位がアルキル基で置換されたエポキシ基(より具体的には、β−アルキル置換グリシジル基など)を含む化合物が特に好ましい。
前記β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも含むエポキシ化合物は、1分子中に含まれる2個以上のエポキシ基のすべてがβ−アルキル置換グリシジル基であってもよく、少なくとも1個のエポキシ基がβ−アルキル置換グリシジル基であってもよい。
前記オキセタン化合物としては、例えば、1分子内に少なくとも2つのオキセタニル基を有するオキセタン樹脂が挙げられる。
具体的には、例えば、例えば、特開2012−032556号公報の段落番号0266に記載の化合物が挙げられる。 前記ビスマレイミド化合物としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、ビス−(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、2,2’−ビス−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、などが挙げられる。
前記シアネート化合物としては、例えば、ビスA型シアネート化合物、ビスF型シアネート化合物、クレゾールノボラック型シアネート化合物、フェノールノボラック型シアネート化合物、などが挙げられる。
また、前記架橋剤として、メラミン又はメラミン誘導体を用いることができる。
該メラミン誘導体としては、例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン(メチロール基を、メチル、エチル、ブチルなどでエーテル化した化合物)などが挙げられる。
架橋剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。架橋剤は、保存安定性が良好で、硬化膜(光ないしは熱等のエネルギーによって架橋剤による架橋反応が実施された後における膜)の表面硬度あるいは膜強度自体の向上に有効である点で、メラミン若しくはアルキル化メチロールメラミンが好ましく、ヘキサメチル化メチロールメラミンが特に好ましい。
赤外線吸収性組成物は、架橋剤を含んでも含まなくてもよいが、含む場合、架橋剤の含有量は、本発明の赤外線吸収性組成物の全固形分質量に対して、1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、3質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
<硬化促進剤>
本発明の赤外線吸収性組成物は、前記エポキシ化合物や前記オキセタン化合物等の架橋剤の熱硬化を促進することを目的に、更に、硬化促進剤を含有してもよい。
硬化促進剤としては、例えば、特開2012−032556号公報の段落番号0269に記載の化合物が挙げられる。硬化促進剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
赤外線吸収性組成物は、硬化促進剤を含有してもしなくても良いが、含有する場合、硬化促進剤の前記組成物の全固形分に対する含有量は、通常0.01〜15質量%である。
<フィラー>
本発明の赤外線吸収性組成物は、更にフィラーを含んでもよい。本発明に用い得るフィラーとしては、シランカップリング剤で表面処理された球状のシリカが挙げられる。
本発明の重合性組成物がフィラーを含有することにより、耐久性の高い赤外線カットフィルタが得られる点で好ましい。
なお、球状フィラーにおける「球状」とは、粒子形状が、針状、柱状、不定形ではなく、丸みを帯びていればよく、必ずしも「真球状」である必要はないが、代表的な「球状」の携帯としては「真球状」が挙げられる。
前記フィラーが球状であることは、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより、確認することができる。
前記フィラーの一次粒子の体積平均粒径には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05μm〜3μmが好ましく、0.1μm〜1μmがより好ましい。前記フィラーの一次粒子の体積平均粒径が上記範囲において、チクソトロピー性の発現による加工性の低下が抑制され、かつ、最大粒子径が大きくなることもないために、得られる赤外線カットフィルタにおける異物の付着や塗膜の不均一に起因する欠陥の発生が抑制されることから有利である。
前記フィラーの一次粒子の体積平均粒径は、動的光散乱法粒子径分布測定装置により測定することができる。
前記フィラーは前述の分散剤、バインダーを用いることにより分散することができる。前記したように、硬化性の観点から、側鎖に架橋性基を有するアルカリ可溶性バインダーポリマーが特に好ましい。
−表面処理−
次に、フィラーの表面処理について説明する。フィラーの表面処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、シランカップリング剤によりシリカを被覆する処理が好ましい。
−シランカップリング剤−
フィラーの表面処理に用いられるシランカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アルコキシシリル基、クロロシリル基、及びアセトキシシリル基から選択される少なくとも1種の官能基(以下、「「第1官能基」とも称する。」と、(メタ)アクリロイル基、アミノ基及びエポキシ基から選択される少なくとも1種の官能基(以下、「第2官能基」とも称する。)が好ましく、第2官能基が(メタ)アクリロイル基、又はアミノ基がより好ましく、第2官能基が(メタ)アクリロイル基がより好ましい。前記第2官能基が(メタ)アクリロイル基であると、保存安定性の点で、有利である。
また、特公平7−68256号公報に記載される、第1官能基として、アルコキシシリル基、クロロシリル基、及びアセトキシシリル基から選択される少なくとも1種と、第2官能基として、イミダゾール基、アルキルイミダゾール基、及びビニルイミダゾール基から選択される少なくとも1種とを有するものも同様に好ましく用いることができる。
前記シランカップリング剤としては、特に制限はないが、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、特公平7−68256号公報に記載されるα−[[3−(トリメトキシシリル)プロポキシ]メチル]−イミダゾール−1−エタノール、2−エチル−4−メチル−α−[[3−(トリメトキシシリル)プロポキシ]メチル]−イミダゾール−1−エタノール、4−ビニル−α−[[3−(トリメトキシシリル)プロポキシ]メチル]−イミダゾール−1−エタノール、2−エチル−4−メチルイミダゾプロピルトリメトキシシラン、及びこれらの塩、分子内縮合物、分子間縮合物等が好適に挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記シランカップリング剤による球状のシリカの表面処理は、該球状のシリカのみに対して予め行なってもよいし(この場合を以下「前処理」とも称す。)、赤外線吸収性組成物に含まれる他のフィラーの一部又は全部と合わせて行ってもよい。
前処理を行う方法としては、特に制限はなく、例えば、乾式法、水溶液法、有機溶媒法、スプレー法等の方法が挙げられる。前処理を行なう温度は、特に制限はないが、常温〜200℃が好ましい。
前処理を行なう際には触媒を加えることも好ましい。この触媒としては、特に制限はなく、例えば、酸、塩基、金属化合物、有機金属化合物等が挙げられる。
前処理を行なう場合のシランカップリング剤の添加量は、特に制限はないが、球状のシリカ100質量部に対し、0.01質量部〜50質量部の範囲が好ましく、0.05質量部〜50質量部の範囲がより好ましい。前記添加量が上記範囲において、効果を発現するに十分な表面処理が行われ、かつ、処理後の球状のシリカの凝集に起因する取り扱い性の低下が抑制される。
前記シランカップリング剤は、前記第1官能基が、基材表面、球状のシリカ表面、及びバインダーの活性基と反応し、更に前記第2官能基が、バインダーのカルボキシル基及びエチレン性不飽和基と反応するために、基材と赤外線カットフィルタとの密着性を向上させる作用がある。一方、前記シランカップリング剤は反応性が高いため、そのものを重合性組成物中に添加した場合には、拡散作用により、保存中に主に第2官能基が反応乃至失活してしまい、シェルフライフやポットライフが短くなることがある。
しかし、上述したように前記球状のシリカをシランカップリング剤で前処理したものを用いれば、拡散作用が抑制されることにより、シェルフライフやポットライフの問題が大幅に改善され、一液型とすることも可能になる。更に、球状のシリカに対して前処理を施す場合には、攪拌条件、温度条件、及び触媒の使用といった条件が自由に選べるため、前処理を行わずに添加する場合に比べてシランカップリング剤の第1官能基と球状のシリカ中の活性基との反応率を著しく高めることができる。したがって、特に無電解金メッキ、無電解半田メッキ、耐湿負荷試験といった苛酷な要求特性において非常に良好な結果が得られる。また、前記前処理を行うことでシランカップリング剤の使用量を少なくすることができ、シェルフライフ及びポットライフを更に改善できる。
本発明で用いることができるシランカップリング剤で表面処理された球状のシリカとしては、例えば、電気化学工業:FB、SFPシリーズ、龍森:1−FX、東亜合成:HSPシリーズ、扶桑化学工業:SPシリーズなどが挙げられる。
赤外線吸収性組成物は、フィラーを含有してもしなくても良いが、含有する場合、赤外線吸収性組成物の全固形分質量に対するフィラーの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%〜60質量%が好ましい。添加量が上記範囲において、十分な線膨張係数の低下が達成され、かつ、形成された赤外線カットフィルタの脆化が抑制され、赤外線カットフィルタとしての機能が十分に発現される。
<エラストマー>
本発明の赤外線吸収性組成物には、更に、エラストマーを含んでいてもよい。
エラストマーを含有させることにより、基材と赤外線カットフィルタとの密着性をより向上させることができるとともに、赤外線カットフィルタの耐熱性、耐熱衝撃性、柔軟性及び強靭性をより向上させることができる。
本発明に用いうるエラストマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、アクリル系エラストマー、シリコーン系エラストマー等が挙げられる。これらのエラストマーは、ハードセグメント成分とソフトセグメント成分から成り立っており、一般に前者が耐熱性、強度に、後者が柔軟性、強靭性に寄与している。これらの中でも、ポリエステル系エラストマーが、その他素材との相溶性の点で、有利である。
エラストマーとしては、例えば、特開2012−032556号公報の段落番号0284〜0292に記載の化合物が挙げられる。
エラストマーの中でも、せん断密着性及び耐熱衝撃性の観点から、両末端カルボキシル基変性ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリエステル系エラストマーである水酸基を有するエスペル(エスペル1612、1620、日立化成工業社製)、エポキシ化ポブタジエンが好ましい。
本発明の赤外線吸収性組成物は、エラストマーを含有してもしなくてもよいが、含有する場合、赤外線吸収性組成物の全固形分質量に対するエラストマーの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、固形分中の0.5質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜10質量%がより好ましく、3質量%〜8質量%が特に好ましい。前記含有量が好ましい範囲内であると、せん断接着性及び耐熱衝撃性を更に向上させることが可能となる点で、有利である。
<界面活性剤>
本発明の赤外線吸収性組成物には、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
特に、本発明の赤外線吸収性組成物は、フッ素系界面活性剤を含有することで、塗布液として調製したときの液特性(特に、流動性)がより向上することから、塗布厚の均一性や省液性をより改善することができる。
即ち、フッ素系界面活性剤を含有する赤外線吸収性組成物を適用した塗布液を用いて膜形成する場合においては、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させることにより、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行える点で有効である。
フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3質量%〜40質量%が好適であり、より好ましくは5質量%〜30質量%であり、特に好ましくは7質量%〜25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であるフッ素系界面活性剤は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、赤外線吸収性組成物中における溶解性も良好である。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F475、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(OMNOVA社製)等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤として具体的には、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン並びにそれらのエトキシレート及びプロポキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート、グリセリンエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル(BASF社製のプルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2、テトロニック304、701、704、901、904、150R1、ソルスパース20000(日本ルーブリゾール(株)製)等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤として具体的には、フタロシアニン誘導体(商品名:EFKA−745、森下産業(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学(株)製)、W001(裕商(株)製)等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤として具体的には、W004、W005、W017(裕商(株)社製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製「トーレシリコーンDC3PA」、「トーレシリコーンSH7PA」、「トーレシリコーンDC11PA」,「トーレシリコーンSH21PA」,「トーレシリコーンSH28PA」、「トーレシリコーンSH29PA」、「トーレシリコーンSH30PA」、「トーレシリコーンSH8400」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「TSF−4440」、「TSF−4300」、「TSF−4445」、「TSF−4460」、「TSF−4452」、信越シリコーン株式会社製「KP341」、「KF6001」、「KF6002」、ビックケミー社製「BYK307」、「BYK323」、「BYK330」等が挙げられる。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
界面活性剤の添加量は、着色感光性組成物の全質量に対して、0.001質量%〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005質量%〜1.0質量%であり、さらに好ましくは、0.01〜0.1質量%以下である。
<その他の成分>
本発明の赤外線吸収性組成物には、前記必須成分や前記好ましい添加剤に加え、本発明の効果を損なわない限りにおいて、目的に応じてその他の成分を適宜選択して用いてもよい。
併用可能なその他の成分としては、例えば、熱硬化促進剤、熱重合禁止剤、可塑剤などが挙げられ、更に基材表面への密着促進剤及びその他の助剤類(例えば、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)を併用してもよい。
これらの成分を適宜含有させることにより、目的とする赤外線吸収フィルタの安定性、膜物性などの性質を調整することができる。
前記熱重合禁止剤については、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0101〕〜〔0102〕に詳細に記載されている。
前記可塑剤については、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0103〕〜〔0104〕に詳細に記載されている。
前記密着促進剤については、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0107〕〜〔0109〕に詳細に記載されている。
これら公報に記載の添加剤は、いずれも本発明の赤外線吸収性組成物に使用可能である。
<溶剤>
本発明の赤外線吸収性組成物は溶剤を含有することが好ましい。
溶剤は、特に制限はなく、前記本発明の赤外線吸収性組成物の各成分を均一に溶解或いは分散しうるものであれば、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、ノルマル−プロパノール、イソプロパノール、ノルマル−ブタノール、セカンダリーブタノール、ノルマル−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−ノルマル−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及びメトキシプロピルアセテート等のエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホラン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、公知の界面活性剤を添加してもよい。
このようにして得られた本発明の赤外線吸収性組成物は、固形分濃度は5〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは7〜80質量%、最も好ましくは10〜60質量%である。
本発明の赤外線吸収性組成物は、液状であることが好ましい。組成物に溶剤を含有させて液状組成物とすれば、この液状組成物を、例えばスピン塗布することにより膜を形成するという簡単な工程によって、赤外線カットフィルタを容易に製造できるため、上記した従来の赤外線カットフィルタにおける不充分な製造適性を改善することができる。
本発明の赤外線吸収性組成物の用途は、特に限定されないが、固体撮像素子基板の受光側における赤外線カットフィルタ用(例えば、ウエハーレベルレンズに対する赤外線カットフィルタ用など)、固体撮像素子基板の裏面側(受光側とは反対側)における赤外線カットフィルタ用などを挙げることができ、固体撮像素子基板の受光側における遮光膜用であることが好ましい。
また、本発明の赤外線吸収性組成物の粘度は、1mPa・s以上3000mPa・s以下の範囲にあることが好ましく、より好ましくは、10mPa・s以上2000mPa・s以下の範囲であり、最も好ましくは、100mPa・s以上1500mPa・s以下の範囲である。
本発明の赤外線吸収性組成物が、固体撮像素子基板の受光側における赤外線カットフィルタ用である場合、厚膜形成性と均一塗布性の観点から、10mPa・s以上3000mPa・s以下の範囲にあることが好ましく、より好ましくは、500mPa・s以上1500mPa・s以下の範囲であり、最も好ましくは、700mPa・s以上1400mPa・s以下の範囲である。
本発明は、上記した本発明の赤外線吸収性組成物を用いて得られる赤外線カットフィルタにも関する。このような赤外線カットフィルタは、本発明の赤外線吸収性組成物より形成されているので、赤外領域(波長700nm付近の近赤外領域も含む)における遮光性(赤外線遮蔽性)が高く、可視光領域における透光性(可視光線透過性)が高く、かつ、耐光性及び耐湿性等の耐候性に優れる赤外線カットフィルタである。
更に、本発明は、固体撮像素子基板の受光側において、本発明の赤外線吸収性組成物をスピン塗布することにより膜を形成する工程を有する、赤外線カットフィルタの製造方法にも関する。
赤外線カットフィルタを形成するには、まず、前記本発明の赤外線吸収性組成物により膜を形成する。膜は、前記赤外線吸収性組成物を含んで形成される膜であれば、特に制限はなく、膜厚、積層構造などについては、目的に応じて適宜選択することができる。
前記膜の形成方法としては、支持体上に、本発明の赤外線吸収性組成物(組成物における固形分が上記溶剤に溶解、乳化又は分散させてなる塗布液)を直接適用(好ましくは塗布)し、乾燥させることにより形成する方法が挙げられる。
支持体は、固体撮像素子基板であっても、固体撮像素子基板の受光側に設けられた別の基板(例えば後述のガラス基板30)であっても、固体撮像素子基板の受光側に設けられた平坦化層等の層であっても良い。
赤外線吸収性組成物(塗布液)を支持体上にスピン塗布する方法は、例えば、スピンコーター、スリットスピンコーター等を用いることにより実施できる。
また、塗膜の乾燥条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60℃〜150℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
前記膜の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1μm〜100μmが好ましく、1μm〜50μmがより好ましく、1.0μm〜4.0μmが特に好ましい。
本発明の赤外線吸収性組成物を用いて赤外線カットフィルタを形成する方法は、その他の工程を含んでいても良い。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、基材の表面処理工程、前加熱工程(プリベーク工程)、硬化処理工程、後加熱工程(ポストベーク工程)などが挙げられる。
<前加熱工程・後加熱工程>
前加熱工程及び後加熱工程における加熱温度は、通常、80℃〜200℃であり、90℃〜150℃であることが好ましい。
前加熱工程及び後加熱工程における加熱時間は、通常、30秒〜240秒であり、60秒〜180秒であることが好ましい。
<硬化処理工程>
硬化処理工程は、必要に応じ、形成された前記膜に対して硬化処理を行う工程であり、この処理を行うことにより、赤外線カットフィルタの機械的強度が向上する。
前記硬化処理工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、全面露光処理、全面加熱処理などが好適に挙げられる。ここで、本発明において「露光」とは、各種波長の光のみならず、電子線、X線などの放射線照射をも包含する意味で用いられる。
露光は放射線の照射により行うことが好ましく、露光に際して用いることができる放射線としては、特に、電子線、KrF、ArF、g線、h線、i線等の紫外線や可視光が好ましく用いられる。好ましくは、KrF、g線、h線、i線が好ましい。
露光方式としては。ステッパー露光や、高圧水銀灯による露光などが挙げられる。
露光量は5mJ/cm2〜3000mJ/cm2が好ましく10mJ/cm2〜2000mJ/cm2がより好ましく、50mJ/cm2〜1000mJ/cm2が最も好ましい。
全面露光処理の方法としては、例えば、形成された前記膜の全面を露光する方法が挙げられる。赤外線吸収性組成物が重合性化合物を含有する場合、全面露光により、上記組成物より形成される膜中の重合成分の硬化が促進され、前記膜の硬化が更に進行し、機械的強度、耐久性が改良される。
前記全面露光を行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、超高圧水銀灯などのUV露光機が好適に挙げられる。
また、全面加熱処理の方法としては、形成された前記膜の全面を加熱する方法が挙げられる。全面加熱により、パターンの膜強度が高められる。
全面加熱における加熱温度は、120℃〜250℃が好ましく、120℃〜250℃がより好ましい。該加熱温度が120℃以上であれば、加熱処理によって膜強度が向上し、250℃以下であれば、前記膜中の成分の分解が生じ、膜質が弱く脆くなることを防止できる。
全面加熱における加熱時間は、3分〜180分が好ましく、5分〜120分がより好ましい。
全面加熱を行う装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、IRヒーターなどが挙げられる。
また、本発明は、固体撮像素子基板と、前記固体撮像素子基板の受光側に配置された赤外線カットフィルタとを有するカメラモジュールであって、前記赤外線カットフィルタが本発明の赤外線カットフィルタである、カメラモジュールにも関する。
以下、本発明の実施形態に係るカメラモジュールを、図1及び図2を参照しながら説明するが、本発明は以下の具体例によって限定されることはない。
なお、図1及び図2にわたり、共通する部分には共通する符号を付す。
また、説明に際し、「上」、「上方」及び「上側」は、シリコン基板10から見て遠い側を指し、「下」、「下方」及び「下側」は、はシリコン基板10に近い側を指す。
図1は、固体撮像素子を備えたカメラモジュールの構成を示す概略断面図である。
図1に示すカメラモジュール200は、実装基板である回路基板70に接続部材であるハンダボール60を介して接続されている。
詳細には、カメラモジュール200は、シリコン基板の第1の主面に撮像素子部を備えた固体撮像素子基板100と、固体撮像素子基板100の第1の主面側(受光側)に設けられた平坦化層46(図1には不図示)と、平坦化層46の上に設けられた赤外線カットフィルタ42と、赤外線カットフィルタ42の上方に配置されるガラス基板30(光透過性基板)と、ガラス基板30の上方に配置され内部空間に撮像レンズ40を有するレンズホルダー50と、固体撮像素子基板100及びガラス基板30の周囲を囲うように配置された遮光兼電磁シールド44と、を備えて構成されている。各部材は、接着剤20(図1には不図示)、45により接着されている。
本発明は、固体撮像素子基板と、前記固体撮像素子基板の受光側に配置された赤外線カットフィルタとを有するカメラモジュールの製造方法であって、固体撮像素子基板の受光側において、上記本発明の赤外線吸収性組成物をスピン塗布することにより膜を形成する工程にも関する。
よって、本実施形態に係るカメラモジュールにおいては、例えば、平坦化層46の上に、本発明の赤外線吸収性組成物をスピン塗布することにより膜を形成して、赤外線カットフィルタ42を形成する。スピン塗布することにより膜を形成し、赤外線カットフィルタを製造する方法は前記した通りである。
カメラモジュール200では、外部からの入射光hνが、撮像レンズ40、ガラス基板30、赤外線カットフィルタ42、平坦化層46を順次透過した後、固体撮像素子基板100の撮像素子部に到達するようになっている。
また、カメラモジュール200は、固体撮像素子基板100の第2の主面側で、ハンダボール60(接続材料)を介して回路基板70に接続されている。
図2は、図1中の固体撮像素子基板100を拡大した断面図である。
固体撮像素子基板100は、基体であるシリコン基板10、撮像素子12、層間絶縁膜13、ベース層14、赤色のカラーフィルタ15R、緑色のカラーフィルタ15G、青色のカラーフィルタ15B、オーバーコート16、マイクロレンズ17、遮光膜18、絶縁膜22、金属電極23、ソルダレジスト層24、内部電極26、及び素子面電極27を備えて構成されている。
但し、ソルダレジスト層24は省略されていてもよい。
まず、固体撮像素子基板100の第1の主面側の構成を中心に説明する。
図2に示すように、固体撮像素子基板100の基体であるシリコン基板10の第1の主面側に、CCDやCMOS等の撮像素子12が2次元に複数配列された撮像素子部が設けられている。
撮像素子部における撮像素子12上には層間絶縁膜13が形成されており、層間絶縁膜13上にはベース層14が形成されている。更にベース層14上には、撮像素子12に対応するように、赤色のカラーフィルタ15R、緑色のカラーフィルタ15G、青色のカラーフィルタ15B(以下、これらをまとめて「カラーフィルタ15」ということがある)がそれぞれ配置されている。
赤色のカラーフィルタ15R、緑色のカラーフィルタ15G、青色のカラーフィルタ15Bの境界部、及び撮像素子部の周辺には、図示しない遮光膜が設けられていてもよい。この遮光膜は、例えば、公知のブラックのカラーレジストを用いて作製できる。
カラーフィルタ15上にはオーバーコート16が形成され、オーバーコート16上には撮像素子12(カラーフィルタ15)に対応するようにマイクロレンズ17が形成されている。
そして、マイクロレンズ17の上には、前記平坦化層46が設けられている。
また、第1の主面側の撮像素子部の周辺は、周辺回路(不図示)及び内部電極26が設けられており、内部電極26は、周辺回路を介して撮像素子12と電気的に接続されている。
更に、内部電極26上には、層間絶縁膜13を介して素子面電極27が形成されている。内部電極26と素子面電極27間の層間絶縁膜13内には、これら電極間を電気的に接続するコンタクトプラグ(不図示)が形成されている。素子面電極27は、コンタクトプラグ、内部電極26を介して電圧の印加及び信号の読み出しなどに使用される。
素子面電極27上には、ベース層14が形成されている。ベース層14上にはオーバーコート16が形成されている。素子面電極27上に形成されたベース層14及びオーバーコート16が開口されて、パッド開口部が形成され、素子面電極27の一部が露出している。
以上が固体撮像素子基板100の第1の主面側の構成であるが、平坦化層46の上に赤外線カットフィルタ42が設けられる代わりに、ベース層14とカラーフィルタ15との間、あるいは、カラーフィルタ15とオーバーコート16との間に、赤外線カットフィルタが設けられる形態であってもよい。
固体撮像素子基板100の第1の主面側において、撮像素子部の周辺には接着剤20が設けられ、この接着剤20を介し、固体撮像素子基板100とガラス基板30とが接着される。
また、シリコン基板10は、該シリコン基板10を貫通する貫通孔を有しており、貫通孔内には、金属電極23の一部である貫通電極が備えられている。この貫通電極により、撮像素子部と回路基板70とが電気的に接続されている。
次に、固体撮像素子基板100の第2の主面側の構成を中心に説明する。
該第2の主面側には、第2の主面上から貫通孔の内壁にわたり絶縁膜22が形成されている。
絶縁膜22上には、シリコン基板10の第2の主面上の領域から貫通孔の内部に至るようにパターニングされた金属電極23が設けられている。金属電極23は、固体撮像素子基板100中の撮像素子部と回路基板70との接続用の電極である。
前記貫通電極は、この金属電極23のうち、貫通孔の内部に形成された部分である。貫通電極は、シリコン基板10及び層間絶縁膜の一部を貫通して内部電極26の下側に至り、該内部電極26に電気的に接続されている。
更に、第2の主面側には、金属電極23が形成された第2の主面上を覆い、かつ、該金属電極23上の1部を露出する開口部を有するソルダレジスト層24(保護絶縁膜)が設けられている。
更に、第2の主面側には、ソルダレジスト層24が形成された第2の主面上を覆い、かつ、該金属電極23上の1部が露出する開口部を有する遮光膜18が設けられている。
なお、図2では、遮光膜18は、金属電極23の1部を覆い、残りの部分を露出させるようにパターニングされているが、金属電極23の全部を露出させるようにパターニングされていてもよい(ソルダレジスト層24のパターニングについても同様である)。
また、ソルダレジスト層24は省略されていてもよく、金属電極23が形成された第2の主面上に、遮光膜18が直接形成されていてもよい。
露出された金属電極23上には、接続部材としてのハンダボール60が設けられ、このハンダボール60を介し、固体撮像素子基板100の金属電極23と、回路基板70の不図示の接続用電極と、が電気的に接続される。
以上、固体撮像素子基板100の構成について説明したが、特開2009−158863号公報中段落0033〜0068に記載の方法や、特開2009−99591号公報中段落0036〜0065に記載の方法など、公知の方法により形成できる。
層間絶縁膜13は、例えば、スパッタやCVD(Chemical vapor deposition)等によりSiO2膜又はSiN膜として形成する。
カラーフィルタ15は、例えば、公知のカラーレジストを用い、フォトリソグラフィーにより形成する。
オーバーコート16及びベース層14は、例えば、公知の有機層間膜形成用レジストを用い、フォトリソグラフィーにより形成する。
マイクロレンズ17は、例えば、スチレン系樹脂等を用い、フォトリソグラフィー等により形成する。
ソルダレジスト層24は、例えばフェノール系樹脂、あるいはポリイミド系樹脂、アミン系樹脂を含む公知のソルダレジストを用い、フォトリソグラフィーにより形成されることが好ましい。
ハンダボール60は、例えば、Sn−Pb(共晶)、95Pb−Sn(高鉛高融点半田)、Pbフリー半田として、Sn−Ag、Sn−Cu、Sn−Ag−Cuなどを用いて形成する。ハンダボール60は、例えば、直径100μm〜1000μm(好ましくは直径150μm〜700μm)の球状に形成する。
内部電極26及び素子面電極27は、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)、又はフォトリソグラフィー及びエッチングにより、Cu等の金属電極として形成する。
金属電極23は、例えば、スパッタ、フォトリソグラフィー、エッチング、及び電解めっきにより、Cu、Au、Al、Ni、W、Pt、Mo、Cu化合物、W化合物、Mo化合物等の金属電極として形成する。金属電極23は、単層構成でも2層以上からなる積層構成であってもよい。金属電極23の膜厚は、例えば、0.1μm〜20μm(好ましくは0.1μm〜10μm)とする。シリコン基板10としては特に限定されないが、基板裏面を削ることによって薄くしたシリコン基板を用いることができる。基板の厚さは限定されないが、例えば、厚み20μm〜200μm(好ましくは30〜150μm)のシリコンウエハーを用いる。
シリコン基板10の貫通孔は、例えば、フォトリソグラフィー及びRIE(Reactive Ion Etching)により形成する。
以上、カメラモジュールの一実施形態について図1及び図2を参照して説明したが、前記一実施形態は図1及び図2の形態に限られるものではない。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
<赤外線吸収性組成物の調製>
(実施例1)
下記組成成分を攪拌機で混合し、実施例1の赤外線吸収性組成物を調製した。
・YMF−02(住友金属鉱山(株)製 セシウム酸化タングステン(Cs0.33WO3(平均分散粒径800nm以下;極大吸収波長(λmax)=1550〜1650nm(膜))の18.5質量%分散液) 108.3質量部
・フタロシアニン化合物 5.0質量部
・KAYARAD DPHA(日本化薬株式会社製)(重合性化合物) 5.8質量部
・アクリベースFF−187(藤倉化成社製のベンジルメタクリレートとメタクリル酸との共重合体(繰り返し単位のモル比=70:30;酸価=110mgKOH/g))(バインダー) 5.8質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA) 48.3質量部
・メガファックF−781(DIC株式会社製)(界面活性剤) 0.3質量部
(他の実施例および比較例)
上記実施例1において、フタロシアニン化合物またはセシウム酸化タングステンを下記表に示す通り変更し、他は同様に行った。
<フタロシアニン化合物B及びFの合成例>
1−ペンタノール100gに1mol/Lイソプロピルマグネシウムブロミドテトラヒドロフラン溶液80mLを20℃で滴下し攪拌した。次に、a1.29g(0.01mol)及びb6.00g(0.03mol)を1−ペンタノール20mLに溶解させた溶液を滴下し、120℃で5時間加熱攪拌した。冷却後、メタノール500mLに添加し、ろ過、乾燥後、フタロシアニン化合物Fを6.2g得た。
フタロシアニン化合物F5.0gを1−ペンタノール50gに加え、硫酸20mLを添加し、100℃で5時間加熱攪拌した。冷却後、メタノール500mLに添加し、得られた固体をメタノール500mLで洗浄後、乾燥させ5.2gのB−Hを得た。得られたB−H3.7g(5.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド30mLに添加し、塩化第二銅二水和物1.70g(10mmol)加え120℃で10時間加熱した。冷却後、メタノール500mLに添加し、析出した固体をろ過した。その後、水/メタノール=250mL/250mLの混合溶媒で洗浄し、乾燥してBを2.8g得た。
フタロシアニン化合物A、C、D、I、J、K、L、M、N、O及びPは、合成例1の原料であるニトリルを各フタロニトリル化合物に対応するニトリル化合物に変更した以外は合成例1と同様にして合成した。
フタロシアニン化合物E、G及びHは、合成例1で用いた塩化第二銅に水和物をそれぞれVO(アセチルアセトン)、酢酸亜鉛及びテトラブトキシチタンに変更した以外は同様に操作を行い合成した。
比較化合物Q
<フタロシアニン化合物以外の赤外線吸収剤>
R:下記化合物
S:下記化合物(昭和電工製、IR−T)
<赤外線吸収性液状の評価>
(赤外線カットフィルタの作成)
得られた実施例および比較例の赤外線吸収性組成物の各々から、スピン塗布法(MIKASA Co.,LTD製のMIKASA SPINCOATER 1H−D7を使用;340rpm)を用いて塗布膜を形成し、100℃,120秒間の前加熱(プリベーク)を行った後、i線ステッパーを用い、2000mJ/cm2で全面露光を行った。次いで、200℃、5分間の後加熱(ポストベーク)を行い、膜厚が約2μmの赤外線カットフィルタを得た。
いえる。
(耐光性評価)
スガ試験機株式会社製のSuper Xenon Fade Meter SX75を用い、実施例及び比較例の赤外線カットフィルタに、キセノンランプ光源にて20時間照射する耐光性試験を行った。
耐光性試験後における赤外線カットフィルタの可視光線透過性(波長550nm)を上記方法に準じて測定し、|(試験前における可視光線透過性(%)−試験後における可視光線透過性(%))/試験前における可視光線透過性×100|(%)で表される可視光線透過性変化率を下記表に示した。
(耐熱性評価)
上記の赤外線カットフィルタを具備したガラス基盤を230℃のホットプレート上で10分加熱し、耐熱試験後における赤外線カットフィルタの可視光線透過性(波長550nm)を上記方法に準じて測定し、|(試験前における可視光線透過性(%)−試験後における可視光線透過性(%))/試験前における可視光線透過性×100|(%)で表される可視光線透過性変化率を下記表に示した。
(赤外線遮蔽性評価)
上記のようにして得た赤外線カットフィルタにおける波長800nmの透過率を分光光度計U−4100(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて測定した。数値が低いほど赤外線遮蔽性に優れると評価する。透過性が4%以下で実用上良好な赤外線遮蔽性を示すといえる。
上記表から明らかなとおり、一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物とフタロシアニン化合物以外の赤外線吸収剤を併用した場合、耐熱性、耐光性および800nmの遮蔽率のいずれにも優れたものであった。さらに、フタロシアニン化合物以外の赤外線吸収剤としてセシウム酸化タングステンを用いた場合、耐熱性および耐光性が特に効果的であった。
さらに、一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物として、上述の一般式(III)で表されるフタロシアニン化合物を用いた場合、耐熱性および耐光性が特に効果的であった。
これに対し、フタロシアニン化合物であっても、一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物以外のフタロシアニン化合物を用いた場合(比較例1)、耐熱性、耐光性が著しく劣ることが分かった。
以上より、本発明の赤外線吸収性組成物によれば、赤外線遮蔽性、耐光性及び耐熱性の全てに優れる赤外線カットフィルタを作成することができることが分かった。
また、本発明の赤外線吸収性組成物は液状であるため、例えばスピン塗布することにより膜を形成するという簡単な工程によって、赤外線カットフィルタを容易に製造できるため、上記した従来の赤外線カットフィルタにおける不充分な製造適性を改善することができる。
このように、本発明の赤外線吸収性組成物は、固体撮像素子基板と、前記固体撮像素子基板の受光側に配置された赤外線カットフィルタとを有するカメラモジュールを作製するのに適した赤外線吸収性組成物である。
10 シリコン基板
12 撮像素子
13 層間絶縁膜
14 ベース層
15 カラーフィルタ
16 オーバーコート
17 マイクロレンズ
18 遮光膜
20 接着剤
22 絶縁膜
23 金属電極
24 ソルダレジスト層
26 内部電極
27 素子面電極
30 ガラス基板
40 撮像レンズ
42 赤外線カットフィルタ
44 遮光兼電磁シールド
45 接着剤
46 平坦化層
50 レンズホルダー
60 ハンダボール
70 回路基板
100 固体撮像素子基板

Claims (12)

  1. 一般式(I−1)、一般式(I−2)または一般式(I−3)で表される骨格を有するフタロシアニン化合物と、前記フタロシアニン化合物以外の赤外線吸収剤と、を含有する赤外線吸収性組成物。
    式中、Mは金属原子を表す。
  2. 前記一般式(I−1)において、Mが、Ti=Oである、請求項1に記載の赤外線吸収性組成物。
  3. フタロシアニン化合物以外の赤外線吸収剤がセシウム酸化タングステンおよびジインモニウム色素から選択される少なくとも1種である請求項1または2に記載の赤外線吸収性組成物。
  4. フタロシアニン化合物以外の赤外線吸収剤が、下記一般式(I)で表される酸化タングステン系化合物である、請求項1または2に記載の赤外線吸収性組成物。
    xyz・・・(I)
    Mは金属、Wはタングステン、Oは酸素を表す。
    0.001≦x/y≦1.1
    2.2≦z/y≦3.0
  5. 前記フタロシアニン化合物以外の赤外線吸収剤が、セシウム酸化タングステンであり、
    前記フタロシアニン化合物とセシウム酸化タングステンとの質量比が、4:1〜1:25である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の赤外線吸収性組成物。
  6. 前記フタロシアニン化合物の最大吸収波長が680〜720nmである、請求項1〜のいずれか1項に記載の赤外線吸収性組成物。
  7. 前記フタロシアニン化合物以外の赤外線吸収剤の最大吸収波長が1000〜1700nmである、請求項1〜のいずれか1項に記載の赤外線吸収性組成物。
  8. 前記フタロシアニン化合物の最大吸収波長と、前記フタロシアニン化合物以外の赤外線吸収剤の最大吸収波長の差が500〜1000nmである、請求項1〜のいずれか1項に記載の赤外線吸収性組成物。
  9. さらに重合性化合物を含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の赤外線吸収性組成物。
  10. 請求項1〜のいずれか1項の赤外線吸収性組成物を用いて作成された赤外線カットフィルタ。
  11. 固体撮像素子基板と、前記固体撮像素子基板の受光側に配置された請求項10に記載の赤外線カットフィルタとを有するカメラモジュール。
  12. 固体撮像素子基板と、前記固体撮像素子基板の受光側に配置された赤外線カットフィルタとを有するカメラモジュールの製造方法であって、固体撮像素子基板の受光側において、請求項1〜のいずれか1項に記載の赤外線吸収性組成物をスピン塗布することにより膜を形成する工程を有する、カメラモジュールの製造方法。
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