JP6954194B2 - 赤外線吸収組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、赤外線吸収組成物に関する。
ビデオカメラ、デジタルカメラ、カメラ機能付き携帯電話等には、CCD(Charge−Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary MOS)イメージセンサ等の固体撮像素子が搭載されている。これらの固体撮像素子に備わるフォトダイオードの感度は、可視光領域から赤外線領域にわたる。このため、固体撮像素子においては、赤外線を遮蔽するためのフィルタが設けられている。この赤外線遮蔽フィルタにより、固体撮像素子の感度を人間の視感度に近づくように補正することができる。
上記赤外線遮蔽フィルタとしては、赤外線吸収組成物から形成される赤外線吸収膜や、複数の誘電体層の積層体である誘電体多層膜が知られている。上記赤外線吸収組成物としては、セシウム酸化タングステン等の金属酸化物と有機色素とを含むものが開発されている(特許文献1、2参照)。赤外線吸収膜は、例えば上記金属酸化物、有機色素、溶媒等を含む赤外線吸収組成物を塗布し、加熱乾燥することにより形成される。
特開2013−195480号公報 特開2014−197170号公報
上記セシウム酸化タングステンは、特に900nm以上の波長範囲の赤外線遮蔽能力に優れる材料である。上記特許文献1、2においても、上記波長範囲での赤外線遮蔽性能を高めるべく、有機色素と比べて高配合でセシウム酸化タングステンが用いられた赤外線吸収組成物が実施されている。
しかし、本発明者らは、このような赤外線吸収組成物において、セシウム酸化タングステン等の無機酸化物の含有量が高い場合、凝集異物が増加することを知見した。赤外線吸収組成物中の異物は、得られる赤外線吸収膜の赤外線遮蔽性、コントラスト特性、透明性等に影響を与える。なお、コントラスト特性とは、所定条件で光を入射させた際の透過光量の最小値と最大値との比(消光比)に関する特性をいう。この比が大きいほどコントラスト特性に優れ、このコントラスト特性は、異物の存在などによって低下するとされている。また、上記赤外線吸収組成物を用いてパターニングされた赤外線吸収膜を形成する場合もあるが、異物の存在は、パターニング性にも影響を与える。さらに、赤外線吸収組成物において、セシウム酸化タングステン等の無機酸化物の含有量が高い場合、可視光透過性にも影響を与え、素子性能が損なわれることもある。
一方、赤外線遮蔽フィルタとして、赤外線吸収組成物から形成される赤外線吸収膜と誘電体多層膜とを組み合わせた設計とすることも考えられる。しかし、誘電体多層膜は入射角依存性が大きい。このため、固体撮像素子の赤外線遮蔽フィルタにおいては、誘電体多層膜によって可視光領域に近い赤外線を遮蔽する設計とすることは好ましくない。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、凝集異物の発生が抑制されており、また、得られる赤外線吸収膜を誘電体多層膜と組み合わせて用いることで、固体撮像素子の赤外線遮蔽フィルタとして良好な赤外線吸収能を発揮することができる赤外線吸収組成物を提供することである。
上記課題を解決するためになされた発明は、波長650nm以上900nm以下の範囲に最大吸収波長を有する2種以上の有機色素、波長900nm以上2000nm以下の範囲に極大吸収波長を有する無機化合物、バインダー樹脂、及び溶媒を含有し、下記式(I)を満たす赤外線吸収組成物である。
X>Y≧0.80Z ・・・ (I)
(式(I)中、Xは、波長700nm以上800nm以下の範囲における上記赤外線吸収組成物の吸光度の平均値である。Yは、波長800nm以上900nm以下の範囲における上記赤外線吸収組成物の吸光度の平均値である。Zは、波長900nm以上1200nm以下の範囲における上記赤外線吸収組成物の吸光度の平均値である。)
本発明によれば、凝集異物の発生が抑制されており、また、得られる赤外線吸収膜を誘電体多層膜と組み合わせて用いることで、固体撮像素子の赤外線遮蔽フィルタとして良好な赤外線吸収能を発揮することができる赤外線吸収組成物を提供することができる。
図1は、実施例6の赤外線吸収組成物の透過スペクトルである。 図2は、実施例の評価で用いた誘電体多層膜(M1)の透過スペクトルである。 図3は、実施例の評価で用いた誘電体多層膜(M2)の透過スペクトルである。 図4は、実施例6の赤外線吸収組成物から得られた赤外線吸収膜と誘電体多層膜(M2)とを組み合わせ赤外線遮蔽フィルタの透過スペクトルである。 図5は、比較例2の赤外線吸収組成物から得られた赤外線吸収膜と誘電体多層膜(M2)とを組み合わせ赤外線遮蔽フィルタの透過スペクトルである。
以下、本発明の一実施形態に係る赤外線吸収組成物について詳説する。
<赤外線吸収組成物>
本発明の一実施形態に係る赤外線吸収組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)は、
[A]波長650nm以上900nm以下の範囲に最大吸収波長を有する2種以上の有機色素、
[B]波長900nm以上2000nm以下の範囲に極大吸収波長を有する無機化合物、
[C]バインダー樹脂、及び
[D]溶媒
を含有し、
下記式(I)を満たす赤外線吸収組成物である。
X>Y≧0.80Z ・・・ (I)
(式(I)中、Xは、波長700nm以上800nm以下の範囲における上記赤外線吸収組成物の吸光度の平均値である。Yは、波長800nm以上900nm以下の範囲における上記赤外線吸収組成物の吸光度の平均値である。Zは、波長900nm以上1200nm以下の範囲における上記赤外線吸収組成物の吸光度の平均値である。)
上記式(I)は、当該赤外線吸収組成物の光学特性において、比較的波長の長い赤外線の吸収能は低く、比較的波長の短い赤外線の吸収能は高い傾向にあることを示している。当該組成物は、[A]有機色素を含有し、かつ式(I)を満たす光学特性を有するため、[A]有機色素により、波長700nm以上800nm以下の可視光に近い領域の赤外線を十分に遮蔽することができる。また、当該組成物は、[B]無機化合物を含有するため、波長900nm以上の赤外線を吸収することができる。なお、式(I)で表されるように、当該組成物においては、比較的長波長の赤外線の遮蔽性は高くは無い。すなわち[B]無機化合物の含有量は、相対的に少ない。このため、当該組成物においては、[B]無機化合物を原因とする凝集異物の発生が抑制される。一方、このように当該組成物は比較的長波長の赤外線遮蔽性は高くないところ、例えば波長900nm以上の赤外線の吸収能の高い誘電体多層膜と組み合わせて用いることで、比較的長波長の赤外線も十分に遮蔽することができる。また、当該組成物は、上述のように可視光に近い領域の赤外線遮蔽能が高いため、誘電体多層膜と組み合わせて用いた場合の誘電体多層膜による入射角依存性を低減することができる。すなわち、当該組成物は、好適には比較的短波長側の赤外線遮蔽性が低く、かつ比較的長波長側の赤外線遮蔽性の高い誘電体多層膜と組み合わせて用いることで、入射角依存性を低減しつつ、広い波長範囲に渡って良好な赤外線遮蔽能を発揮することができる。
上記XとYとの関係について、X/2>Yであることが好ましく、X/3>Yであることが好ましい。このような関係を満たす場合、より[B]無機化合物の含有量が少なく、凝集異物の発生が抑制される。一方、X/100<Yであることが好ましく、X/10<Yであることがより好ましい。このような関係を満たす場合、誘電体多層膜と組み合わせて用いることによって、広い波長範囲にわたって良好な赤外線吸収能を発揮することができる。なお、上記X、Y及びZは、各成分、特に[A]有機色素と[B]無機化合物との配合比によって調整することができる。
上記XとZとの関係について、X/2>Zであることが好ましく、X/3>Zであることが好ましい。一方、X/100<Zであることが好ましく、X/10<Zであることがより好ましい。このような関係を満たす場合、誘電体多層膜と組み合わせて用いることによって、広い波長範囲にわたって良好な赤外線吸収能を発揮することができる。
当該組成物は、上記[A]〜[D]成分の他、さらにその他の成分を含むことができる。以下、各成分について詳説する。
([A]有機色素)
[A]有機色素は、300〜1200nmの波長範囲において、波長650nm以上900nm以下の範囲に最大吸収波長を有する2種以上の成分からなる。[A]成分を構成する2種以上の各有機色素が、波長650nm以上900nm以下の範囲に最大吸収波長を有する。ここで、本明細書中、「極大吸収波長」とは、波長と吸光度の関係をX軸とY軸との2次元グラフ(但し、X軸を波長とし、Y軸を吸光度とする)で表した場合に、吸光度が増加から減少に転じる頂点を意味する。また、「最大吸収波長」とは、上記極大吸収波長の中で、吸光度が最大のものを意味する。当該組成物が[A]有機色素を含有することで、十分な可視光透過性を備えつつ、特に、可視光に近い領域の赤外線を十分に遮蔽することができる。上記最大吸収波長の下限としては、680nmが好ましい。一方、この最大吸収波長の上限としては、850nmが好ましい。なお、通常、[A]有機色素は、[D]溶媒に溶解している。
[A]有機色素は、2種以上が組み合わせて用いられ、3種以上が組み合わせられて用いられてもよい。複数種の有機色素を組み合わせて用いることで、特に可視光に近い波長の赤外線遮蔽性等をより良好にすることができ、誘電体多層膜と組み合わせて用いた際に、入射角依存性を低減させることが出来る場合がある。なお、[A]有機色素の種類数の上限としては特に限定されず、例えば10種であってもよく、5種であってもよく、3種であってもよく、2種であってもよい。
[A]有機色素は、第1有機色素及び第2有機色素を含み、下記式(II)を満たすことが好ましい。
10≦λ2−λ1≦120 ・・・ (II)
(式(II)中、λ1は、上記第1有機色素の最大吸収波長(nm)である。λ2は、上記第2有機色素の最大吸収波長(nm)である。)
2種の有機色素の最大吸収波長の差が上記範囲内であることにより、より良好な赤外線吸収性や可視光透過性を発揮することができる。なお、最大吸収波長差(λ2−λ1)の下限としては、20nmがより好ましく、40nmがさらに好ましい。また、最大吸収波長差(λ2−λ1)の上限としては、60nmがより好ましい。なお、[A]有機色素が3種以上の有機色素を含む場合、最も小さい最大吸収波長を有する有機色素と最も大きい最大吸収波長を有する有機色素とが、上記式(II)の関係を満たすことが好ましい。
[A]有機色素が、最大吸収波長が小さい順に有機色素(A)、有機色素(B)及び有機色素(C)の3種の有機色素を含む場合、有機色素(A)の最大吸収波長としては、650nm以上720nm未満であることが好ましい。有機色素(B)の最大吸収波長としては、720nm以上750nm未満であることが好ましい。有機色素(C)の最大吸収波長としては、750nm以上850nm未満であることが好ましい。また、有機色素(A)と有機色素(B)との最大吸収波長差、及び有機色素(B)と有機色素(C)との最大吸収波長差は、いずれも10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましい。このような3種の有機色素を組み合わせて用いることで、特に可視光に近い波長の赤外線遮蔽性等をより良好にすることができ、誘電体多層膜と組み合わせて用いた際に、入射角依存性を低減させることが出来る場合がある。
[A]有機色素としては、有機染料又は有機顔料を挙げることができるが、有機染料であることが好ましい。有機染料を用いることで、[D]溶媒に対する溶解性が高まり、凝集異物の発生をより抑制できる。
有機染料としては、ジイミニウム化合物、スクアリリウム化合物、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、クアテリレン化合物、アミニウム化合物、イミニウム化合物、アゾ化合物、アントラキノン化合物、ポルフィリン化合物、ピロロピロール化合物、オキソノール化合物、クロコニウム化合物、ヘキサフィリン化合物又はこれらの組み合わせを用いることができる。有機染料としては、フタロシアニン化合物(フタロシアニン染料)を含むことが好ましい。フタロシアニン染料は、色合い、耐熱性、耐光性等に優れる。[A]有機色素としては、2種以上のフタロシアニン染料を用いてもよく、1種のフタロシアニン染料とフタロシアニン染料以外の有機色素とを組み合わせて用いてもよい。
上記有機染料等[A]有機色素の主溶媒に対する溶解度の下限は、2質量%が好ましく、3質量%がより好ましく、5質量%がさらに好ましい。このように、[A]有機色素の主溶媒に対する溶解度が高いことで、凝集異物の発生がより低減される。なお、主溶媒とは、[D]溶媒中、質量基準で最も含有量の多い溶媒をいう。また、上記溶解度は、20℃、0.1MPaにおける値であり、主溶媒に対して最大量の[A]有機色素が溶解した溶液、すなわち飽和溶液中の[A]有機色素の濃度(質量%)をいう。この[A]有機色素の溶解度は、[A]有機色素と主溶媒との組み合わせによって達成することができる。なお、この溶解度の上限としては特に限定されないが、例えば50質量%であってよい。
当該組成物における[A]有機色素の含有量(WA)の下限としては、[D]溶媒を除く全成分量を100質量%としたとき、5質量%が好ましく、7質量%がより好ましい。[A]有機色素の含有量(固形分中の含有割合)を上記下限以上とすることで、可視光に近い領域(例えば、700nm以上800nm以下)の赤外線の遮蔽性能を高めることができる。一方、この含有量(WA)の上限としては、20質量%が好ましく、15質量%がより好ましい。[A]有機色素の含有量(固形分中の含有割合)を上記上限以下とすることで、凝集異物の発生をより抑えたり、可視光透過性を高めたりすることができる。
([B]無機化合物)
[B]無機化合物は、波長900nm以上2000nm以下の範囲に極大吸収波長を有し、比較的長波長の赤外線を遮蔽する赤外線遮蔽剤として機能する成分である。[B]無機化合物は、いわゆる無機顔料であってよい。[B]無機化合物は、通常、粒子状であり、当該組成物中に分散して存在する。
[B]無機化合物としては、金属又は半金属(ケイ素等)の酸化物であることが好ましい。[B]無機酸化物としては、具体的には、セシウム酸化タングステン、石英、磁鉄鉱、アルミナ、チタニア、ジルコニア、スピネル、錫ドープ酸化インジウム、アンチモンドープ酸化錫又はこれらの組み合わせであることが好ましい。これらの無機化合物は、1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
[B]無機化合物としては、これらの中でも、セシウム酸化タングステンが好ましい。セシウム酸化タングステンは、赤外線(特に波長が約900nm以上2,000nm以下の赤外線)に対しては吸収が高く(すなわち、赤外線に対する遮蔽性が高く)、可視光に対しては吸収が低い赤外線遮蔽剤である。よって、セシウム酸化タングステンを用いることで、得られる赤外線吸収膜の良好な可視光透過性を維持しつつ、赤外線遮蔽性を高めることができる。
セシウム酸化タングステンは、例えば下記式(a)で表すことができる。
CsWO ・・・(a)
式(A)中、0.001≦x≦1.1である。2.2≦y≦3.0である。
上記式(a)中のxが0.001以上であることにより、赤外線を十分に遮蔽することができる。xの下限は、0.01が好ましく、0.1がより好ましい。一方、xが1.1以下であることにより、セシウム酸化タングステン中に不純物相が生成されることをより確実に回避することできる。xの上限は、1が好ましく、0.5がより好ましい。
上記式(a)中のyが2.2以上であることにより、材料としての化学的安定性をより向上させることができる。yの下限は、2.5が好ましい。一方、yが3.0以下であることにより赤外線を十分に遮蔽することができる。
上記式(a)で表されるセシウム酸化タングステンの具体例としては、Cs0.33WO等を挙げることができる。
[B]無機化合物は微粒子であることが好ましい。[B]無機化合物の平均粒子径(D50)の上限としては、500nmが好ましく、200nmがより好ましく、50nmがさらに好ましく、30nmがよりさらに好ましく、20nmがよりさらに好ましい。平均粒子径が上記上限以下であることによって、凝集異物の発生を抑え、また、可視光透過性をより高めることができる。一方、製造時における取り扱い容易性などの理由から、[B]無機化合物の平均粒子径は、通常、1nm以上であり、10nm以上であってもよい。なお、この平均粒子径(D50)は、当該組成物中の二次粒子径である。
[B]無機化合物は、公知の方法によって合成することもできるが、市販品として入手可能である。例えば、セシウム酸化タングステンは、住友金属鉱山社の「YMF−02」等のセシウム酸化タングステン微粒子の分散物としても入手可能である。
当該組成物における[B]無機化合物の含有量(WB)の下限としては、[D]溶媒を除く全成分量を100質量%としたとき、1質量%が好ましく、3質量%がより好ましい。[B]無機化合物の含有量(固形分中の含有割合)を上記下限以上とすることで、誘電体多層膜と組み合わせて用いることで、比較的長波長(例えば、900nm以上)の赤外線の遮蔽性能をより高めることができる。一方、この含有量(WB)の上限としては、20質量%が好ましく、10質量%がより好ましい。[B]無機化合物の含有量(固形分中の含有割合)を上記上限以下とすることで、凝集異物の発生をより抑えることができる。
[A]有機色素の含有量(WA)と[B]無機化合物の含有量(WB)との比率(WA/WB)の下限としては、0.2が好ましく、0.3がより好ましく、0.5がさらに好ましく、1.0がよりさらに好ましく、1.5がよりさらに好ましいこともある。一方、この比率(WA/WB)の上限としては、10が好ましく、8がより好ましく、5がさらに好ましく、3がよりさらに好ましいこともあり、1.5がよりさらに好ましいこともある。上記比率(WA/WB)を上記範囲内とすることで、[A]有機色素の含有量(WA)と[B]無機化合物の含有量(WB)とのバランスがより好適になり、本発明の効果がより十分に発揮される。具体的には、比率(WA/WB)を上記下限以上とすることで、可視光透過性が高まる傾向にある。一方、比率(WA/WB)を上記上限以下とすることで、可視光領域に近い赤外線の遮蔽性が高まる傾向にある。
特に、[A]有機色素の含有量(WA)が、5質量%以上20質量%以下であり、[A]有機色素の含有量(WA)と[B]無機化合物の含有量(WB)との比率(WA/WB)が、0.2以上10以下であることが好ましい。このような場合、十分な量の[A]有機色素によって可視光に近い領域の赤外線がより十分に遮蔽され、かつ、[B]無機化合物の含有量が適度に抑えられているため、凝集異物の発生がより低減される。また、誘電体多層膜と組み合わせて用いた場合の固体撮像素子の赤外線遮蔽フィルタとしての赤外線吸収能がより高まる。なお、[A]有機色素の含有量(WA)及び比率(WA/WB)のより好適な範囲は上記したとおりである。
([C]バインダー樹脂)
[C]バインダー樹脂は、形成される赤外線吸収膜におけるマトリックスとなる成分である。[C]バインダー樹脂としては、特に限定されるものではないが、カルボキシ基、フェノール性水酸基等の酸性官能基を有する樹脂であることが好ましい。中でも、カルボキシ基を有する重合体(以下、「カルボキシ基含有重合体」とも称する。)が好ましい。カルボキシ基含有重合体としては、例えば、1個以上のカルボキシ基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(1)」とも称する。)と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(2)」とも称する。)との共重合体を挙げることができる。
上記不飽和単量体(1)としては、例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、p−ビニル安息香酸等を挙げることができる。
上記不飽和単量体(2)としては、例えば
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド化合物、
スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、アセナフチレン等の芳香族ビニル化合物、
メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(重合度2〜10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度2〜10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(重合度2〜10)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度2〜10)モノ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕オキセタン、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕−3−エチルオキセタン等の(メタ)アクリル酸エステル、
シクロヘキシルビニルエーテル、イソボルニルビニルエーテル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルビニルエーテル、ペンタシクロペンタデカニルビニルエーテル、3−(ビニルオキシメチル)−3−エチルオキセタン等のビニルエーテル、
ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサン等の重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー等を挙げることができる。
上記不飽和単量体(2)としては、重合性不飽和結合を有する構造単位を与える単量体も好ましい。このような単量体を用いることで、重合性不飽和結合を有する重合体を得ることができる。
重合性不飽和結合を有する構造単位を与える単量体としては、例えば
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレンジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート等のジ(メタ)アクリレート化合物;
トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート化合物;
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート化合物;
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のペンタ(メタ)アクリレート化合物等を挙げることができる。
重合性不飽和結合を有する構造単位は、重合体中の構造単位が有する特定の基に、上記特定の基と反応する基及び(メタ)アクリロイル基又はビニル基を有する化合物を反応させることによって得ることもできる。例えば、(1)カルボキシ基を有する重合体にエポキシ基含有不飽和化合物等を反応させる方法、(2)エポキシ基を有する重合体に(メタ)アクリル酸等を反応させる方法、(3)ヒドロキシ基を有する重合体にイソシアネート基を有する(メタ)アクリル酸エステルやビニル化合物を反応させる方法、(4)酸無水物部位を有する重合体に(メタ)アクリル酸等を反応させる方法等により、重合性不飽和結合を有する構造単位を導入することができる。
上記不飽和単量体(2)としては、環構造を含む構造単位を与える単量体も好ましい。このような環構造を含む構造単位を与える単量体としては、上記にて例示した不飽和単量体中、マレイミド化合物、芳香族ビニル化合物、シクロアルキルビニルエーテル、シクロアルキル(メタ)アクリル酸エステル等を挙げることができ、マレイミド化合物が好ましい。
その他、[C]バインダー樹脂としては、ポリシロキサン等も用いることができる。
[C]バインダー樹脂のガラス転移点(Tg)の下限としては、−10℃が好ましく、30℃がさらに好ましい。一方、このガラス転移点の上限としては、250℃が好ましく、200℃がさらに好ましい。[C]バインダー樹脂のガラス転移点が上記範囲であることで、凝集異物の発生をより低減することなどができる。
[C]バインダー樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)の下限としては、500が好ましく、1,000がより好ましい。一方、このポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)の上限としては、50,000が好ましく、30,000がより好ましい。[C]バインダー樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が上記範囲であることで、凝集異物の発生をより低減することなどができる。
[C]バインダー樹脂としては、[B]無機化合物の分散剤として機能する樹脂(以下、「分散剤」とも称する)を用いることも好ましい。分散媒を用いる場合、[B]無機化合物等の分散性が高まり、凝集異物の発生がより低減される。
分散剤のアミン価の下限としては、100mgKOH/gが好ましく、110mgKOH/gがより好ましい。一方、このアミン価の上限は、200mgKOH/gが好ましく、150mgKOH/gがより好ましい。このようなアミン価を有する分散剤を用いることで、[B]無機化合物の分散性が向上し、凝集異物の発生がより低減され、得られる赤外線吸収膜の可視光透過性や赤外線遮蔽性がより高まる。なお、「アミン価」とは、分散剤固形分1gを中和するのに必要なHClと当量のKOHのmg数である。複数種の分散剤を用いる場合、アミン価は、加重平均値とする。
分散剤は、ブロック共重合体であることが好ましい。ブロック共重合体としては、窒素原子を含む官能基を有するAブロックと、親溶媒性を有するBブロックとを有するブロック共重合体が好ましい。Aブロックの窒素原子を含む官能基は、[B]無機化合物に対する良好な吸着性を示す。従って、AブロックとBブロックとを有するブロック共重合体を用いることで、[B]無機化合物の分散性をより高めることなどができる。
Aブロックは、例えば下記式(1)で表わされる構造単位を有することが好ましい。
Figure 0006954194
式(1)中、Xは、2価の連結基である。Rは、水素原子又はメチル基である。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、又は置換基を有していてもよい鎖状若しくは環状の炭化水素基であるか、RとRとは、互いに結合して、これらが結合する窒素原子と共に環構造を形成する。
上記Xとしては、メチレン基、炭素数2〜10のアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R−(*)で表される基、−COO−R−(*)で表わされる基等を挙げることができる。R及びRは、それぞれ独立して、メチレン基、炭素数2〜10のアルキレン基、又は炭素数2〜10のアルキレンオキシアルキレン基である。(*)は、Nとの結合部位を示す。Xとしては、−COO−R−で表される基が好ましく、Rとしては、炭素数2〜6のアルキレン基が好ましい。
及びRとしては、鎖状の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜5の鎖状の炭化水素基がより好ましく、メチル基、エチル基及びプロピル基がさらに好ましい。
上記式(1)で表される構造単位を与える単量体としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
Aブロックは、上記式(1)で表される構造単位以外の構造単位を含んでいてもよい。ブロック共重合体におけるAブロックの含有割合としては、例えば30質量%以上70質量%以下が好ましい。
Bブロックは、例えば下記式(2)で表わされる構造単位を有することが好ましい。
Figure 0006954194
式(2)中、Rは、それぞれ独立して、炭素数2〜4のアルキレン基である。Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。Rは、水素原子又はメチル基である。nは、1〜150の整数である。
としては、エチレン基及びメチルエチレン基が好ましい。Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基が好ましい。nの上限は、20が好ましく、10がより好ましく、5がさらに好ましい。
上記式(2)で表される構造単位を与える単量体としては、ポリエチレングリコール(n=1〜5)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=1〜5)エチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=1〜5)プロピルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=1〜5)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=1〜5)エチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=1〜5)プロピルエーテル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
Bブロックは、上記式(2)で表される構造単位以外の構造単位を含んでいてもよい。Bブロックが含んでいてもよい他の構造単位としては、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を挙げることができる。具体的に他の構造単位を与える単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
ブロック共重合体におけるBブロックの含有割合としては、例えば30質量%以上70質量%以下が好ましい。
ブロック共重合体の平均分子量の下限としては、例えば3,000であり、6,000が好ましい。一方、この上限としては、例えば30,000であり、20,000が好ましい。
ブロック共重合体は、従来公知の方法によって合成することができる。また、ブロック共重合体及びその他の分散剤は、市販品を使用することもできる。
当該組成物における[C]バインダー樹脂の含有量としては、[D]溶媒を除く全成分量を100質量%としたとき、例えば10質量%以上50質量%以下が好ましい。
([D]溶媒)
[D]溶媒としては、他の成分を分散又は溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。[D]溶媒は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。[D]溶媒が1種の溶媒からなる場合、その溶媒が主溶媒である。また、2種以上の溶媒を混合して用いる場合、質量基準で最も含有量が多い溶媒が主溶媒である。
[D]溶媒としては、例えば
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類、
乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸アルキルエステル類、
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、イソブタノール、t−ブタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール等の(シクロ)アルキルアルコール類、
ジアセトンアルコール等のケトアルコール類、
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類、
メチルエチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等の鎖状ケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の環状ケトン等のケトン類、
プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート等のジアセテート類、
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート等のアルコキシカルボン酸エステル類、
酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、蟻酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド又はラクタム類
等を挙げることができる。
これらの中でも、ケトン類が好ましく、環状ケトンがより好ましい。
当該赤外線吸収組成物における[D]溶媒の含有量は、特に限定されるものではない。当該赤外線吸収組成物における固形分濃度([D]溶媒を除いた各成分の合計濃度)の下限としては、5質量%が好ましく、10質量%がより好ましい。一方、この固形分濃度の上限としては、50質量%が好ましく、40質量%がより好ましい。固形分濃度を上記範囲とすることにより、分散性、安定性、塗布性等がより良好なものとなる。
(重合性化合物)
当該樹脂組成物は、重合性化合物をさらに含んでいてもよい。当該組成物が重合性化合物を含有する場合、良好な硬化性や得られる赤外線吸収膜の良好な耐熱性等を発揮することができる。重合性化合物とは、2個以上の重合可能な基を有する化合物をいう。但し、この重合性化合物には、[C]バインダー樹脂は含まれない。重合可能な基としては、例えばエチレン性不飽和基、オキシラニル基、オキセタニル基、N−アルコキシメチルアミノ基等を挙げることができる。重合性化合物としては、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、及び2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物が好ましく、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物がより好ましい。重合性化合物は、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応物等である多官能(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートとの反応物等である多官能ウレタン(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物等であるカルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
ここで、上記脂肪族ポリヒドロキシ化合物としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の2価の脂肪族ポリヒドロキシ化合物や、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物を挙げることができる。上記水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールジメタクリレート等を挙げることができる。上記多官能イソシアネートとしては、例えばトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。上記酸無水物としては、例えば無水こはく酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の二塩基酸の無水物や、無水ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の四塩基酸二無水物を挙げることができる。
2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の具体例としては、例えばω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピルメタクリレート、2−(2’−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)フォスフェート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、こはく酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート化合物等を挙げることができる。
2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の中でも、多官能(メタ)アクリレートが好ましく、3個以上10個以下の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートがより好ましい。具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。
2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物としては、例えばメラミン構造、ベンゾグアナミン構造、ウレア構造を有する化合物等を挙げることができる。2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物の具体例としては、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(アルコキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’−テトラ(アルコキシメチル)ベンゾグアナミン、N,N,N’,N’−テトラ(アルコキシメチル)グリコールウリル等を挙げることができる。
当該組成物における重合性化合物の含有量の下限としては、[D]溶媒を除く全成分量を100質量%としたとき、5質量%が好ましく、10質量%がより好ましく、20質量%がさらに好ましい。一方、この含有量の上限としては、60質量%が好ましく、50質量%がより好ましい。
(重合開始剤)
当該組成物は、重合開始剤をさらに含むことができる。重合開始剤は、重合性化合物の重合反応を開始させる成分である。重合開始剤としては、光重合開始剤、熱重合開始剤等を挙げることができるが、光重合開始剤が好ましい。これにより、当該組成物に感光性(感放射線性)を付与することができる。光重合開始剤とは、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の露光により、重合性化合物の重合を開始しうる活性種を発生する化合物をいう。重合開始剤は、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
重合開始剤としては、例えばチオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物、オニウム塩系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、ジアゾ系化合物、イミドスルホナート系化合物、オニウム塩系化合物等を挙げることができる。これらの中でも、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物及びO−アシルオキシム系化合物が好ましく、O−アシルオキシム系化合物がより好ましい。
チオキサントン系化合物としては、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等を挙げることができる。
アセトフェノン系化合物としては、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン等を挙げることができる。
ビイミダゾール系化合物としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等を挙げることができる。
なお、ビイミダゾール系化合物を用いる場合、水素供与体を併用することが、感度を改良することができる点で好ましい。ここでいう「水素供与体」とは、露光によりビイミダゾール系化合物から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物を意味する。水素供与体としては、例えば2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール等のメルカプタン系水素供与体;4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン系水素供与体を挙げることができる。
トリアジン系化合物としては、例えば特公昭57−6096号公報、特開2003−238898号公報の段落[0063]〜[0065]に記載の化合物を挙げることができる。
O−アシルオキシム系化合物としては、1,2−オクタンジオン−1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)等を挙げることができる。O−アシルオキシム系化合物の市販品としては、NCI−831、NCI−930(以上、株式会社ADEKA社製))、OXE−03、OXE−04(以上、BASF社製)等を使用することもできる。
光重合開始剤を用いる場合には、増感剤を併用することもできる。このような増感剤としては、例えば4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等を挙げることができる。
重合開始剤の含有量の下限は、重合性化合物100質量部に対して、1質量部が好ましく、5質量部がより好ましい。一方、この含有量の上限としては、100質量部が好ましく、40質量部がより好ましい。
(添加剤)
当該組成物は、必要に応じてその他の種々の添加剤を含有することもできる。
添加剤としては、例えば界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、残渣改善剤、現像性改善剤、チオール系化合物、樹脂以外の分散剤等を挙げることができる。
界面活性剤としては、フッ素界面活性剤、シリコーン界面活性剤等を挙げることができる。当該組成物における界面活性剤の含有量としては、[D]溶媒を除く全成分量を100質量%としたとき、例えば0.01質量%以上5質量%以下とすることができる。
密着促進剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
酸化防止剤としては、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサ−スピロ[5.5]ウンデカン、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等を挙げることができる。当該組成物における酸化防止剤の含有量としては、[D]溶媒を除く全成分量を100質量%としたとき、例えば0.01質量%以上5質量%以下とすることができる。
紫外線吸収剤としては、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン類等を挙げることができる。
凝集防止剤としては、ポリアクリル酸ナトリウム等を挙げることができる。
残渣改善剤としては、マロン酸、アジピン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、メサコン酸、2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、5−アミノ−1−ペンタノール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−1,2−ブタンジオール等を挙げることができる。
現像性改善剤としては、こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等剤等を挙げることができる。
チオール系化合物は、チオール基(メルカプト基)を有する化合物である。チオール系化合物としては、1分子中に2個以上のメルカプト基を有する化合物が好ましい。当該組成物におけるチオール系化合物の含有量としては、[D]溶媒を除く全成分量を100質量%としたとき、例えば0.1質量%以上5質量%以下とすることができる。チオール系化合物の含有量を上記範囲とすることで、硬化性をより高めることなどができる。
(調製方法)
当該組成物の調製方法としては、特に限定されず、各成分を混合することによって調製調整することができる。当該組成物は、必要に応じろ過処理を施し、凝集物を除去することができる。
(用途)
当該赤外線吸収組成物は、赤外線吸収膜の形成材料として好適に用いられる。特に、当該赤外線吸収組成物は、固体撮像素子の赤外線遮蔽フィルタ(より好適には近赤外線遮蔽フィルタ)としての赤外線吸収膜の形成材料としてより好適である。
(赤外線吸収膜の形成方法)
当該赤外線吸収組成物を用いた赤外線吸収膜の形成方法の一例は、
基板の一方の面側に塗膜を形成する工程(工程1)、
上記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程(工程2)、及び
放射線照射後の上記塗膜を現像する工程(工程3)
を備え、
上記塗膜を当該赤外線吸収組成物により形成する方法である。
(工程1)
工程1においては、当該組成物を用い、基板(支持体)の一方の面側に塗膜を形成する。上記基板としては、ガラス基板、合成樹脂基板等が挙げられる。なお、基板の形状は、板状に限定されるものではない。なお、後述する固体撮像素子中に赤外線吸収膜を組み込む場合、固体撮像素子の構成要素である透明基板、マイクロレンズ、カラーフィルタ等が、上記基板に相当し得る。
塗膜の形成は、通常、当該組成物の塗布により行うことができる。上記塗布は、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法(スリット塗布法)、バー塗布法等の適宜の塗布法を採用することができる。
塗布の後、プレベークを行って溶媒を蒸発させることで、塗膜が形成される。上記プレベークにおける加熱乾燥の条件としては、例えば70℃以上110℃以下、1分以上10分以下程度である。
(工程2)
工程2においては、上記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する。塗膜の露光に用いる放射線の光源としては、例えばキセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯等のランプ光源やアルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、XeClエキシマーレーザー、窒素レーザー等のレーザー光源等を挙げることができる。露光光源として、紫外線LEDを使用することもできる。波長は、190nm以上450nm以下の範囲にある放射線が好ましい。放射線の露光量は、一般的には10J/m以上50,000J/m以下程度である。
(工程3)
工程3においては、放射線照射後の上記塗膜を現像する。上記現像液としては、アルカリ現像液又は有機溶媒現像液が一般的である。なお、現像後は、通常、水洗する。
アルカリ現像液としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の水溶液が好ましい。アルカリ現像液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤等を適量添加することもできる。
有機溶媒現像液としては、アセトン、メチルエチルケトン、2−オクタノン、2ーノナノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、メチルアセトフェノン等のケトン類、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸ブテニル、酢酸イソアミル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、蟻酸イソブチル、蟻酸アミル、蟻酸イソアミル、吉草酸メチル、ペンテン酸メチル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸イソブチル、乳酸アミル、乳酸イソアミル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、2−ヒドロキシイソ酪酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸フェニル、酢酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、蟻酸ベンジル、蟻酸フェニルエチル、3−フェニルプロピオン酸メチル、プロピオン酸ベンジル、フェニル酢酸エチル、酢酸2−フェニルエチル等のエステル類を好ましく用いることができる。
現像処理法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。現像条件は、常温で5秒以上300秒以下程度である。
上記現像により、塗膜の非露光部が溶解除去される。その後、必要に応じポストベークすることにより、所定形状にパターニングされた赤外線遮蔽膜が得られる。ポストベークの条件としては、通常180℃以上280℃以下、1分以上60分以下程度である。
なお、当該組成物が、重合性化合物及び重合開始剤を含有しない場合などは、上記形成方法と異なり、露光等の硬化処理を行わなくてもよい。また、現像処理を行わなくてもよく、この場合、パターニングされていない赤外線吸収膜を形成することができる。
(赤外線吸収膜)
上記赤外線吸収膜の用途は特に限定されないが、固体撮像素子の赤外線遮蔽フィルタとして好適に用いられる。特に、上記赤外線吸収膜は、誘電体多層膜と共に固体撮像素子に組み込まれることで、より好適に赤外線遮蔽フィルタとしての機能が発揮される。
上記赤外線吸収膜は、透明基板の表面に積層されて用いられてもよい。上記透明基板としては、ガラスや透明樹脂等が採用される。上記透明樹脂としては、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。また、後述するように、上記赤外線吸収膜は、固体撮像素子の構成部材に直接積層されてもよい。
上記赤外線吸収膜が固体撮像素子に用いられる場合、この赤外線吸収膜の下限としては、通常0.5μmであり、1μmが好ましい。一方、この平均膜厚の上限としては、通常5μmであり、3μmが好ましい。赤外線吸収膜の平均膜厚が上記範囲であることによって、可視光透過性と赤外線遮蔽性とのバランスがより良好なものとなる。
当該赤外線吸収組成物から形成される上記赤外線吸収膜は、上述のように、比較的短波長側の赤外線遮蔽性が高く、一方、比較的長波長側の赤外線遮蔽性は低い。すなわち、赤外線吸収膜も上記式(I)を満たす。
また、上記赤外線吸収膜の波長430nm以上580nm以下における平均透過率の下限としては、75%が好ましく、80%がより好ましい。この平均透過率の上限は例えば95%であってよく、90%であってもよい。上記赤外線吸収膜の波長700nm以上800nm以下における平均透過率は、15%未満が好ましく、12%未満がより好ましく、10%未満がさらに好ましい。この平均透過率の下限は例えば1%であってよく、5%であってもよい。上記赤外線吸収膜の波長801nm以上1200nm以下における平均透過率は、80%未満が好ましく、50%未満がより好ましい。この平均透過率の下限は例えば10%であってよく、30%であってもよい。
(固体撮像素子)
以下、上記赤外線吸収膜と誘電体多層膜とを備える固体撮像素子について説明する。上記赤外線吸収膜と誘電体多層膜とは、これら双方の赤外線吸収能によって、赤外線遮蔽フィルタとして良好に機能する。
固体撮像素子は、一般的に、複数のフォトダイオードが配置される層、カラーフィルタ、及びマイクロレンズがこの順に積層されてなる構造を有する。また、これらの層間には、平坦化層が設けられていてもよい。固体撮像素子においては、マイクロレンズ側から光が入射する。入射光は、マイクロレンズ及びカラーフィルタを透過し、フォトダイオードに到達する。なお、カラーフィルタについては、例えばR(赤)、G(緑)及びB(青)のフィルタのそれぞれにおいて、特定の波長範囲の光のみが透過するよう構成されている。
当該赤外線吸収組成物から形成される上記赤外線吸収膜は、比較的短波長側の赤外線遮蔽性が高く、一方、比較的長波長側の赤外線遮蔽性は低い。このような赤外線吸収膜に対し、誘電体多層膜としては、比較的短波長側の赤外線遮蔽性が低く、かつ比較的長波長側の赤外線遮蔽性の高い光学特性を有するものが好適に用いられる。誘電体多層膜は、下記式(i)を満たすことが好ましい。
x<y≦z/0.95 ・・・ (i)
(式(i)中、xは、波長700nm以上800nm以下の範囲における誘電体多層膜の吸光度の平均値である。yは、波長800nm以上900nm以下の範囲における誘電体多層膜の吸光度の平均値である。zは、波長900nm以上1200nm以下の範囲における誘電体多層膜の吸光度の平均値である。)
なお、誘電体多層膜は、例えば特開2016−146619号公報等に記載の方法により製造することができる。
このような誘電体多層膜と上記赤外線吸収膜とを組み合わせて用いることで、誘電体多層膜に生じうる入射角依存性を低減しつつ、広い波長範囲にわたって良好な赤外線吸収能を発揮することができる。上記xとyとの関係について、x<y/2であることが好ましく、x<y/3であることが好ましい。また、x>y/100であることが好ましく、x>y/10であることが好ましい。上記xとzとの関係について、x<z/2であることが好ましく、x<z/3であることが好ましい。また、x>z/100であることが好ましく、x>z/10であることが好ましい。
また、上記x(波長700nm以上800nm以下の範囲における誘電体多層膜の吸光度の平均値)の上限としては、1.2が好ましく、1.15がより好ましい。また、誘電体多層膜の可視光領域(波長430nm以上630nm以下)における吸光度の平均値の上限としては、0.03が好ましく、0.02がより好ましい。このような場合、誘電体多層膜において、可視光透過性が高まり、入射角依存性をより十分に低減することができる。
上記赤外線吸収膜と誘電体多層膜とは、一体となって固体撮像素子に組み込まれていてもよいし、それぞれが別々に固体撮像素子に組み込まれていてもよい。上記赤外線吸収膜と誘電体多層膜とが別々に固体撮像素子に組み込まれている場合、設計の自由度の拡大、多重反射の抑制、薄型化といった利点がある。一方、赤外線吸収膜と誘電多層膜とが一体である場合、固体撮像素子を組み立てる際の生産性が高まるといった利点がある。
上記赤外線吸収膜及び誘電体多層膜は、例えば固体撮像素子のマイクロレンズの外面側、マイクロレンズとカラーフィルタとの間、カラーフィルタとフォトダイオードとの間などに配することができる。なお、例えば上記赤外線吸収膜と、マイクロレンズ、カラーフィルタ、フォトダイオード等との間には、さらに別の層(平坦化層等)が設けられていてもよい。
固体撮像素子は、デジタルスチルカメラ、携帯電話用カメラ、デジタルビデオカメラ、PCカメラ、監視カメラ、自動車用カメラ、携帯情報端末、パソコン、ビデオゲーム、医療機器等に有用である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<合成例1>
下記Scheme1に沿って、下記式で表されるフタロシアニン染料である有機色素(A−1)(最大吸収波長735nm)を合成した。出発原料としては、1,2−ジシアノ−3,6−ジ(4−メトキシブチル)ベンゼン(R=メチル基、X=水素原子、n=4)を用いた。「1.base」としては、リチウムペントキシド(固体リチウム及びペンタン−1−オール)を用い、「2.acid」としては、氷酢酸を用いた。また、M2+を与える塩としては、バナジル塩を用いた。
Figure 0006954194
Figure 0006954194
<合成例2>
特開平05−25177の段落[0020]〜[0025](実施例1)に記載の方法を用いて、下記式で表されるフタロシアニン染料である有機色素(A−2)(最大吸収波長700nm)を合成した。
Figure 0006954194
<合成例3>
特許第4096205号公報の段落[0113]に記載の方法を用いて、セシウム酸化タングステン(Cs0.33WO)粉末である無機化合物(B−1)を合成した。
<合成例4>
ベンジルメタクリレート/スチレン/N−フェニルマレイミド/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート/メタクリル酸=14/10/12/15/29/20(質量比)の共重合体(酸価130mgKOH/g)であるバインダー樹脂(C−2)を合成し、このバインダー樹脂(C−2)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート33.9質量%溶液を得た。
用いた各成分は以下のとおりである。
A:有機色素
A−1:合成例1で得られた有機色素(A−1)(フタロシアニン染料:最大吸収波長735nm:シクロペンタノンに対する溶解度10質量%)
A−2:合成例2で得られた有機色素(A−2)(フタロシアニン染料:最大吸収波長700nm:シクロペンタノンに対する溶解度10質量%)
A−3:山田化学工業社の「FDN−001」(フタロシアニン染料:最大吸収波長760nm:シクロペンタノンに対する溶解度2質量%以上)
A−4:山田化学工業社の「FDN−002」(フタロシアニン染料:最大吸収波長810nm:シクロペンタノンに対する溶解度2質量%以上)
B:無機化合物
B−1:合成例3で得られた無機化合物(B−1)
C:バインダー樹脂
C−1:ビックケミー社の「BTK−LPN6919」(分散剤、固形分量=61質量%、アミン価120mgKOH/g)
C−2:合成例4で得られたバインダー樹脂(C−2)
D:溶媒
D−1:シクロペンタノン
E:重合性化合物
E−1:日本化薬社の「KAYARAD DPHA」
F:重合開始剤
F−1:ADEKA社の「NCI−930」(O−アシルオキシム系化合物)
G:界面活性剤
G−1:ネオス社の「FTX−218D」(フッ素系界面活性剤)
H:酸化防止剤
H−1:BASF社の「irganox1010」
I:添加剤
昭和電工社の「カレンズMT PE1」(ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)
[実施例1]
無機化合物(B−1)を25.00質量部、分散剤としてのバインダー樹脂(C−1)を13.11質量部(固形分量=61質量%)、溶媒(D−1)を61.89質量部、及び0.1mm径のジルコニアビーズ2000質量部を容器に充填し、ペイントシェーカーで分散を行うことで、平均粒子径(D50)が19nmの無機化合物(B−1)の分散液を得た。なお、粒子径は、光散乱測定装置(ドイツALV社の「ALV−5000」)を用いてDLS法により測定した。この分散液に表1に記載の組成となるように各成分を添加し、実施例1の赤外線吸収組成物を得た。
[実施例2〜6、比較例1〜5]
表1に記載の組成となるように各成分を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2〜6及び比較例1〜5の各赤外線吸収組成物を得た。
得られた各赤外線吸収組成物をガラス基板上に所定の膜厚になるようにスピンコート法にて塗布した。その後、100℃で120秒間加熱し、i線ステッパにて1000mJ/cmとなるように露光を行った。次いで220℃で300秒間加熱することで、ガラス基板上に厚さ2.0μmの赤外線吸収膜を作製した。なお、膜厚は触針式段差計(ヤマト科学社の「アルファステップIQ」)にて測定した。
次に、上記ガラス基板上に作製した赤外線吸収膜の各波長領域における透過率を、分光光度計(日本分光社の「V−7300」)を用いて、ガラス基板対比で測定した。得られた透過スペクトルから、X(波長700nm以上800nm以下の範囲における吸光度の平均値)、Y(波長800nm以上900nm以下の範囲における吸光度の平均値)、及びZ(波長900nm以上1200nm以下の範囲における吸光度の平均値)を求めた。これらの値を表1に示す。また、実施例6の赤外線吸収組成物の透過スペクトルを図1に示す。
[評価]
以下の方法にて、各赤外線吸収組成物の評価を行った。結果を表1に示す。
(透過率評価)
上記した各赤外線吸収組成物から得られた透過スペクトルに基づいて、以下の評価基準により透過率評価を行った。
(可視光透過性)
430−580nmの平均透過率を算出し、以下の基準で評価した。平均透過率が70%以下の場合は赤外線遮蔽フィルタとして使用した際の感度が低下する。
○:80%以上
△:75%以上80%未満
×:75%未満
(赤外線遮蔽性1)
700−800nmの平均透過率を算出し、以下の基準で評価した。平均透過率が15%以上の場合は、赤外線遮蔽フィルタとして使用した際に、ノイズ成分をカットする効果が低下し、感度が低下する。
○:10%未満
△:10%以上15%未満
×:15%以上
(赤外線遮蔽性2)
801−1200nmの平均透過率を算出し、以下の基準で評価した。平均透過率が80%以上の場合は、赤外線遮蔽フィルタとして使用した際に、ノイズ成分をカットする効果が低下し、感度が低下する。
○:50%未満
△:50%以上80%未満
×:80%以上
(入射角依存性)
特開2016−146619号公報の段落[0177]〜[0178]に記載の方法により、各層の厚さが最適化された、シリカ層及びチタニア層が交互に積層された18層の誘電体多層膜(M1)、並びにシリカ層及びチタニア層が交互に積層された28層の誘電体多層膜(M2)を得た。図2に誘電体多層膜(M1)の入射角0°の場合の透過スペクトル及び入射角30°の場合の透過スペクトルを示す。図3に誘電体多層膜(M2)の入射角0°の場合の透過スペクトル及び入射角30°の場合の透過スペクトルを示す。
各実施例及び比較例の赤外線吸収性組成物を用い上記透過率評価と同様の方法にて作成した赤外線吸収膜と、上記誘電体多層膜(M1)又は(M2)とを積層した赤外線遮蔽フィルタにおいて、入射角0°で入射する光の透過率が波長600−900nmの範囲で50%になる波長(半値波長)と、入射角30°で入射する光の半値波長との差を計算し、以下の基準に基づき評価した。誘電体多層膜(M1)との組み合わせの場合を入射角依存性1、誘電体多層膜(M2)との組み合わせの場合を入射角依存性2とした。それぞれ半値波長の差が16nm以上であった場合、色シェーディングや感度の低下が生じる可能性がある。
○:5nm未満
△:5nm以上16nm未満
×:16nm以上
なお、図4に実施例6の赤外線吸収組成物から得られた赤外線吸収膜と、誘電体多層膜(M2)とを組み合わせた赤外線遮蔽フィルタにおける、入射角0°の場合の透過スペクトル及び入射角30°の場合の波長350〜750nmの範囲での透過スペクトルを示す。また、図5に比較例2の赤外線吸収組成物から得られた赤外線吸収膜と、誘電体多層膜(M2)とを組み合わせた赤外線遮蔽フィルタにおける、入射角0°の場合の透過スペクトル及び入射角30°の場合の波長350〜750nmの範囲での透過スペクトルを示す。
(コントラスト:異物評価)
赤外線吸収性組成物をガラス基板上に所定の膜厚になるようにスピンコート法にて塗布した。その後、100℃で120秒間加熱し、i線ステッパにて1000mJ/cmとなるように露光を行った。次いで220℃で300秒間加熱することで、ガラス基板上に厚さ1.0μmの赤外線吸収膜を作製した。この赤外線吸収膜に対して、コントラスト計(TUBOSAKA社製の「CT−1BA」)を用いてコントラスト値を測定し、以下の基準で評価した。
○:10000超
△:5000超10000以下
×:5000以下又は測定不可
Figure 0006954194
表1に示されるように、実施例1〜6の赤外線吸収組成物から得られた赤外線吸収膜は、可視光透過性及びコントラスト評価が高い。これは、凝集異物が少ないことによると考えられる。また、実施例1〜6の赤外線吸収組成物から得られた赤外線吸収膜は、700〜800nmの波長の赤外線遮蔽性1及び801〜1200nmの波長の赤外線遮蔽性2も良好である。特に実施例1〜6の赤外線吸収組成物から得られた赤外線吸収膜は、可視光に近い700〜800nmの波長の赤外線遮蔽性1が十分であるため、誘電体多層膜(M1)及び(M2)のいずれと組み合わせた場合も、入射角依存性が小さい。
一方、比較例1、2の赤外線吸収組成物から得られた赤外線吸収膜においては可視光に近い700〜800nmの波長の赤外線遮蔽性1が低い。このため、700〜800nmの波長の遮蔽性が高い誘電体多層膜(M1)を用いて700〜800nmの波長をカットしようとした場合、誘電体多層膜(M1)は特に600〜700nmあたりの波長透過性の入射角依存性が大きいため、これによって入射角依存性が大きくなる。この差は、図4及び5の透過スペクトルにおいても示されており、比較例2(図5)の場合は入射角依存性が大きいのに対し、実施例6(図4)の場合は入射角依存性が小さいことがわかる。なお、比較例1、2の赤外線吸収組成物から得られた赤外線吸収膜と、誘電体多層膜(M2)と組み合わせた場合は、700〜800nmの波長を十分に遮蔽することができない。
また、比較例3〜5に関しては、得られた赤外線吸収膜の異物が多く、可視光透過性やコントラストが低いことがわかる。
本発明の赤外線吸収組成物は、固体撮像素子の赤外線遮蔽フィルタなどの形成材料として好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. 波長650nm以上900nm以下の範囲に最大吸収波長を有する2種以上の有機色素、
    波長900nm以上2000nm以下の範囲に極大吸収波長を有する無機化合物、
    バインダー樹脂、及び
    溶媒
    を含有し、
    下記式(I)を満たし、
    上記溶媒を除く全成分量を100質量%としたとき、
    上記有機色素の含有量(WA)が、5質量%以上20質量%以下であり、
    上記有機色素の含有量(WA)と上記無機化合物の含有量(WB)との比率(WA/WB)が、0.3以上10以下である赤外線吸収組成物。
    X>Y≧0.80Z ・・・ (I)
    (式(I)中、Xは、波長700nm以上800nm以下の範囲における上記赤外線吸収組成物の吸光度の平均値である。Yは、波長800nm以上900nm以下の範囲における上記赤外線吸収組成物の吸光度の平均値である。Zは、波長900nm以上1200nm以下の範囲における上記赤外線吸収組成物の吸光度の平均値である。)
  2. 上記溶媒を除く全成分量を100質量%としたとき、
    上記無機化合物の含有量(WB)が、1質量%以上20質量%以下である請求項1に記載の赤外線吸収組成物。
  3. 上記有機色素が、第1有機色素及び第2有機色素を含み、
    下記式(II)を満たす請求項1又は請求項2に記載の赤外線吸収組成物。
    10≦λ2−λ1≦120 ・・・ (II)
    (式(II)中、λ1は、上記第1有機色素の最大吸収波長(nm)である。λ2は、上記第2有機色素の最大吸収波長(nm)である。)
  4. 上記溶媒が主溶媒を含有し、
    上記有機色素が有機染料であり、
    上記主溶媒に対する上記有機染料の溶解度が2質量%以上である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の赤外線吸収組成物。
  5. 上記有機色素が、フタロシアニン染料を含む請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の赤外線吸収組成物。
  6. 固体撮像素子に用いられる赤外線吸収膜形成用である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の赤外線吸収組成物。
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