JP5822446B2 - ホログラムシート材の製造方法 - Google Patents
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Description
さらに、金属蒸着は真空室内で行うので、熱可塑性樹脂の場合には残留している溶剤が真空室内に蒸発して樹脂が収縮する樹脂やせが発生することも前記したダレの一因であると推測できる。また、真空室内に溶剤が蒸発すると、溶剤分子が蒸着の邪魔になり、仕上がりにムラを生じ易い。
前記した光硬化樹脂層上に、表面にホログラムの微細凹凸が形成された透光性の版フィルムを該微細凹凸が光硬化樹脂層に加圧して密着する状態で被せ、この状態で版フィルムを通して光照射することにより前記ホログラムの微細凹凸を前記光硬化樹脂層の表面に転写するとともに当該光硬化樹脂層を硬化させるホログラム微細凹凸転写工程と、
該ホログラム微細凹凸転写工程の後、版フィルムを剥離する剥離工程と、
前記基材の光硬化樹脂層側の面に光輝性を有する物質を少なくともホログラム微細凹凸の部分に蒸着させて光輝層を微細凹凸の凹凸に沿って形成する光輝層形成工程と、
を経て処理することを特徴とする。
また、本発明は、いわゆる反応タイプといわれる光硬化樹脂を使用するので、熱可塑性樹脂と比較して輝度の経年低下が少ない。さらに、光硬化樹脂は、熱可塑性ではないので、耐熱性があり、例えば、準レトルト食品用の包装袋に使用した場合に、熱湯に入れてもホログラムが消えることがなく、熱湯に入れるとホログラムが消えたり薄くなってしまう熱可塑性樹脂上のホログラムの場合とは大きく異なる点である。
図1は、基材1に光硬化樹脂を塗布して光硬化樹脂層2を形成した状態を示す光硬化樹脂層形成工程の概略説明図である。
基材1は、ホログラムシート材3の用途に適したもの、例えば、枚葉紙、フィルムなどを適宜選択することができる。なお、図面に示す実施形態では所定の大きさに裁断した枚葉紙を示すが、ロール紙や長尺フィルムなどの長尺なシート材でもよい。
そして、この紫外線硬化樹脂を基材1の表面に塗布するには、図示しないが、フレキソコーター、ロールコーター、グラビアコーター、スクリーンコーターなど適宜な塗布装置を用いて常温で塗布することができ、加熱する必要はない。また、基材1の全面に塗布するばかりでなく、部分的に塗布することもできる。例えば、塗布する部分のみ凸に形成した版ロールをバックアップロールの周囲にセットしたロールコーターを使用し、基材1の一部にのみ紫外線硬化樹脂を塗布することもできる(図1)。また、紫外線硬化樹脂を塗布する量については、厚さ1〜10ミクロン程度塗布すれば良い。この紫外線硬化樹脂の塗布量は、熱可塑性樹脂の場合には数十ミクロンの厚さが必要であることと比較すると、少量であってもホログラムを形成する上での支障はない。具体的には、フラットな光輝タイプであれば1〜2ミクロン程度塗布すれば良く、ホログラム凹凸の場合にはこれよりも少し厚く数ミクロンでよい。そして、塗布する樹脂の量が少ないと、廃棄する際に燃えるゴミとして処理し易い。
なお、ホログラム微細凹凸4´と光輝層7との密着性を高めるために、光輝層形成工程の前に、コロナ処理を行うことが望ましい。
光輝性を有する前記物質としては、前記光硬化樹脂よりも屈折率の高い物質、例えばガラスを挙げることができる。また、空気との境界面における垂直方向の反射率が前記光硬化樹脂よりも高い物質、例えば、アルミニウム、ニッケル、金、銀、亜鉛などの金属を用いることもできる。なお、媒質(光硬化性樹脂)の屈折率n0、反射する面(光輝層)の屈折率n1とすると、光がその面に対して垂直に入射するときの反射率Rは次式で表される。
R=(n0−n1)2 /(n0+n1)2
前記したいずれの光輝性物質を蒸着しても、この物質の分子の大きさは、ホログラム微細凹凸4の大きさに比較すれば遥かに小さなものである。したがって、図6に示すように、光硬化樹脂層2の表面に蒸着により形成された光輝層7は、ホログラムの微細凹凸4の凹凸に沿って形成される。このため、光の反射率が高く、明るいホログラムができる。また、前記したように、微細凹凸4の転写精度が高いので、設計した通りの方向に光が反射することとなり、混濁が少なく鮮明なホログラムとなる。さらに、反射率が高いので、封筒や葉書の内容物や記載事項を外部から見えなくする遮蔽シートとしても使用することができる。
この様に、印刷を施すと、ホログラムと印刷がいっしょになった特異な美観を生じさせることができ、これにより装飾性が向上して、ポスターなどにも使用することができ、基材1のホログラム微細凹凸4´とは反対側の面に印刷してもそれぞれ反対側の面が透けて見えることが防止できる(裏映りがなくなる)。
2 光硬化樹脂層
3 ホログラムシート材
4 版フィルムに形成されたホログラムの微細凹凸
4´ 光硬化樹脂層の表面に転写されたホログラムの微細凹凸
5 版フィルム
6 光照射装置
7 光輝層
8,8´ 印刷のインク
Claims (4)
- シート状基材上に、厚さが1〜10ミクロンとなる量の光硬化樹脂を塗布して光硬化樹脂層を形成する光硬化樹脂層形成工程と、
前記した光硬化樹脂層上に、表面にホログラムの微細凹凸が形成された透光性の版フィルムを該微細凹凸が光硬化樹脂層に加圧して密着する状態で被せ、この状態で版フィルムを通して光照射することにより前記ホログラムの微細凹凸を前記光硬化樹脂層の表面に転写するとともに当該光硬化樹脂層を硬化させるホログラム微細凹凸転写工程と、
該ホログラム微細凹凸転写工程の後、版フィルムを剥離する剥離工程と、
前記基材の光硬化樹脂層側の面に光輝性を有する物質を少なくともホログラム微細凹凸の部分に蒸着させて光輝層を微細凹凸の凹凸に沿って形成する光輝層形成工程と、
を経て処理することを特徴とするホログラムシート材の製造方法。 - 光輝性を有する前記物質が、前記光硬化樹脂よりも屈折率の高い物質であることを特徴とする請求項1に記載のホログラムシート材の製造方法。
- 光輝性を有する前記物質が、空気との境界面における垂直方向の反射率が前記光硬化樹脂よりも高い物質であることを特徴とする請求項1に記載のホログラムシート材の製造方法。
- 前記基材が紙であって、前記光輝層形成工程の前に前記紙を乾燥して湿度を低下させる除湿工程を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のホログラムシート材の製造方法。
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