JP5822251B2 - 抗腫瘍剤、カスパーゼ阻害剤、イボタケ属担子菌抽出物およびその製造方法 - Google Patents

抗腫瘍剤、カスパーゼ阻害剤、イボタケ属担子菌抽出物およびその製造方法 Download PDF

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本発明はカスパーゼ阻害剤、イボタケ属担子菌抽出物およびその製造方法に係り、特に、既に食習慣レベルの食用実績のある天然物資源を用いて、がん細胞の生細胞を減少させることによる抗腫瘍効果またはカスパーゼ阻害効果を得ることのできる、カスパーゼ阻害剤等に関する。
正常な細胞から臨床的ながんへと到るには、いくつかの遺伝子の突然変異が数10年という長い期間で積み重なって起こることが報告されている。がん細胞は1人当たり毎日約3000個もの規模で発生していると概算されているが、大多数は生体の免疫監視下で非自己と認識されて、生体内で消去される。しかし、その監視機構を免れて生き延びたがん細胞は、さらに無秩序増殖し、最終的には臨床的ながんとなる。よって、がん細胞の増殖を抑制すること、さらには細胞死を誘導することは、がん対策において有益である。
カスパーゼは、炎症反応を誘発することなく、特定の細胞を排除する働きを有する酵素である。カスパーゼの阻害は、パーキンソン病、虚血性疾患、C型肝炎などの疾患の治療に有用であると考えられる。これまで、カスパーゼ阻害作用を有する化合物として、後掲特許文献1記載のスルホキノボシルジアシルグリセロール、特許文献2記載のアミノイミノキノンなどが知られている。しかし、食経験のある素材由来の成分の報告は少なく、特許文献3記載のクロレラの細胞壁破砕物を含有するカスパーゼ阻害剤などが認められる程度である。
さて、イボタケ科イボタケ属のボタンイボタケ(Thelephora aurantiotincta)には、パラテレファニル誘導体である8種類のテラファンチンA〜H、ガンバジュニンC、ガンバジュニンE、バラヒドロキシ安息香酸などが含まれることが報告されている(非特許文献1)。また、イボタケ科イボタケ属のツブイボタケ(Thelephora vialis)にバイアリニンAが含まれていること、さらにバイアリニンAには合成抗酸化剤であるBHTと同等ないしそれ以上の強い抗酸化物質であることが報告されている(非特許文献2)。また、バイアリニンAには、抗アレルギー作用があることも報告されている(特許文献4)。
特許公開2002−338474号公報「カスパーゼ阻害剤」 特許公表2003−520186号公報「カスパーゼ阻害剤としてのアミノイミノキノンおよびアミノキニンアルカロイド化合物」 特許公開2005−089324号公報「カスパーゼ阻害剤」 特許公開2008−001675号公報「抗アレルギー剤」
Radulovic N., Quang D.N., Hashimoto T., Nukada M., Asakawa Y., Terrestrins A-G:p-Terphenyl derivatives from the inedible Thelephora terrestris.Phytochemistry,66,1052-1059, 2005 Xie C., Koshino H., Esumi Y., Takahashi S., Yoshikawa K., Abe N., Vialinin A,a Novel 2,2-Diphenyl-1-picrylhydrazyl (DPPH) radical scavenger from edible mushroom in China. Biosci. Biotechnol. Biochem., 69(12), 2326-2332, 2005
さて上述のように、カスパーゼ阻害作用を有する化合物としてはスルホキノボシルジアシルグリセロール、アミノイミノキノンなどが知られてはいる。しかしながら、既に食習慣レベルの食用実績がある素材由来のカスパーゼ阻害作用成分の報告は少なく、クロレラの細胞壁破砕物を含有するカスパーゼ阻害剤などがあるのみである。したがって、安全性の高いカスパーゼ阻害剤の開発が望まれている現状である。
一方、ボタンイボタケにテラファンチンA〜H等が含まれていることは上述のとおり公知であるが、何らかの抗腫瘍作用またはカスパーゼ阻害作用を有する物質の探索については、従来報告がない。また、抗アレルギー作用が報告されているバイアリニンAの抗腫瘍作用またはカスパーゼ阻害作用の存在如何についても、従来何らの報告もない。
本発明が解決しようとする課題は、かかる従来技術の状況を踏まえ、既に食習慣レベルの食用実績がある天然物資源を用いて、がん細胞の生細胞を減少させることによる抗腫瘍効果またはカスパーゼ阻害効果を得ることのできる、カスパーゼ阻害剤等を提供することである。
本願発明者は、上記課題解決を達成すべく38種類の食習慣のある天然物、およびヒト肝がん細胞(HepG2細胞)を用い、がん細胞の生細胞数に及ぼす生理活性を指標としてスクリーニング試験を行なったところ、ボタンイボタケ(Thelephora aurantiotincta)が強い抗腫瘍活性を有することを、初めて明らかにした。そして、その有効成分を精製してNMR分析により化学構造の同定を行ったところ、同定された物質はバイアリニンAであった。
つまり、バイアリニンAが強い抗腫瘍活性を有することを、初めて明らかにすることができた。さらに、バイアリニンAのHepG2細胞に及ぼす生理作用の解明を進めたところ、バイアリニンAのカスパーゼ阻害活性をも見出すことができ、本発明の完成に至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
〔1〕 下記式に示されるバイアリニンAまたは薬理学的に許容されるその塩を有効成分とすることを特徴とする、カスパーゼ阻害剤。

〔2〕 イボタケ科イボタケ属の担子菌からの抽出物であって、カスパーゼ阻害剤の有効成分として利用するための、カスパーゼ阻害剤用イボタケ属担子菌抽出物。
〔3〕 イボタケ科イボタケ属の担子菌から有機溶媒を用いて抽出物を得る抽出工程と、該抽出工程で得られた抽出物を精製する精製工程とからなり、カスパーゼ阻害剤の有効成分として利用するための、カスパーゼ阻害剤用イボタケ属担子菌抽出物の製造方法。
本発明のカスパーゼ阻害剤、イボタケ属担子菌抽出物およびその製造方法は上述のように構成されるため、これによれば、イボタケ科イボタケ属担子菌という既に食習慣レベルの食用実績のある天然物資源を用いて、がん細胞の生細胞を減少させることによる抗腫瘍効果、およびカスパーゼ阻害効果を得ることができる。つまり、本発明によれば、食経験のあるイボタケ科イボタケ属の抽出物および化学合成が可能であるバイアリニンAを用いて、抗腫瘍活性、カスパーゼ阻害活性を有する安全な素材を提供することが可能となる。
各濃度で溶出したボタンイボタケメタノール抽出物を添加した細胞培養液で本培養を行った時のHepG2細胞の生細胞数測定結果を示したグラフである。 ボタンイボタケ60%メタノール抽出物の順相系カラムクロマトグラフィーにより得られた各フラクションを添加した細胞培養液で本培養を行った時のHepG2細胞の生細胞数測定結果を示したグラフである。 各濃度のFr.Cを添加した細胞培養液で本培養を行った時のHepG2細胞のカスパーゼ活性測定結果を示したグラフである。
本発明について、詳細に説明する。
本発明の抗腫瘍剤およびカスパーゼ阻害剤は、バイアリニンAもしくはその誘導体、あるいはまた薬理学的に許容されるこれらの塩を有効成分とするものであることを、主たる構成とする。従来バイアリニンAは、イボタケ科イボタケ属のツブイボタケに含まれていることが報告されているが(非特許文献2)、その他の天然物資源におけるバイアリニンAの存在如何については、これまで報告されていなかった。上述のとおり、本発明によって初めてイボタケ科イボタケ属のボタンイボタケにバイアリニンAが含まれていることが明らかとなった。つまり、本発明により初めて、バイアリニンAがイボタケ科イボタケ属の担子菌に特徴的に含まれる化学物質であることが明らかにされたものである。
したがって本発明の抗腫瘍剤およびカスパーゼ阻害剤は、イボタケ科イボタケ属の担子菌の抽出物を用い、これを有効成分として構成することができる。特に、近年実用化されている担子菌の培地培養物を用いることによって、より安価で品質が均一な抗腫瘍剤、カスパーゼ阻害剤を提供することができるため、本発明の有用性は一層高いものとなっている。
また、バイアリニンAの化学合成法が既に報告されており(参考文献1)、化学的合成品であるバイアリニンAを用いて抗腫瘍剤、カスパーゼ阻害剤を供することもできる。この点でも、本発明の有用性は高い。
〔参考文献1〕 Ye Y.Q, Koshino H., Onose J., Yoshikawa K., Abe N., Takahashi S., First total synthesis of vialinin A, a novel and extremely potent inhibitor of TNF-a production. Org. Lett., 9(21), 4131-4134, 2007
本発明抗腫瘍剤およびカスパーゼ阻害剤の有効成分としては、バイアリニンAの他に、その誘導体、さらにまた薬理学的に許容されるバイアリニンAもしくはその誘導体の塩を、用いることができる。バイアリニンA誘導体としてはたとえば、下式(化2)において、R1〜R2を同時にまたは各々独立に、水素原子、アルキル基、アシル基、フェニル基、ベンジル基のいずれかに置換した置換体がある。さらに、R1およびR2がフェニル基およびベンジル基の場合には、これらのエステル体またはアルキル体でもよく、あるいはまた1〜5個のヒドロキシル基が置換した構造が形成されているものでもよい。


また、薬理学的に許容されるバイアリニンAもしくはその誘導体のうち、たとえば薬理学的に許容される塩としては、ナトリウム、カリウムなどの1価の無機塩および、鉄、カルシウム、マグネシウム、マンガンなどの2価の無機塩などを用いることができる。なお以下の説明では、本発明に係る「バイアリニンAもしくはその誘導体または薬理学的に許容されるこれらの塩」を総括して、「バイアリニンA等」と称することがある。
また、本発明抗腫瘍剤およびカスパーゼ阻害剤にイボタケ科イボタケ属の担子菌抽出物を用いる場合、該担子菌としては、ボタンイボタケおよびツブイボタケを初めとして、その他にもモミジタケ(Thelephora palmata)、イボタケ(Thelephora japonica)などのイボタケ科イボタケ属の担子菌である限り、特に限定されずに原料として用いることができる。また、これらの担子菌を液体培地で培養したものを原料として用いることもできる。
本発明のイボタケ属担子菌抽出物の製造方法は、イボタケ属の担子菌から有機溶媒を用いて抽出物を得る抽出工程と、そこで得られた抽出物を精製する精製工程とを備えて構成される。精製工程で精製された抽出物は、上述のとおり抗腫瘍剤やカスパーゼ阻害剤に用いることができる。担子菌の培地培養を使用できることも、上述のとおりである。
バイアリニンA等、またはイボタケ科イボタケ属の担子菌の抽出物を用いた本発明の抗腫瘍剤、カスパーゼ阻害剤においては、剤形や投与方法は特に制限されない。たとえば錠剤・丸剤・カプセル剤・散剤・顆粒剤等の固形剤、あるいは溶液・懸濁液・乳剤などの液状製剤を、経口的に、あるいはまた静脈内・筋肉内・皮下などの注射剤や、坐剤、貼付剤などを非経口的に使用することができる。
また、本発明の抗腫瘍剤、カスパーゼ阻害剤の剤形については、種々の形態を形成する上で、各種賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤、可塑剤等を適宜用いることができる。このうち賦形剤の例としては、糖類(乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニトール)、デンプン(バレイショ、コムギ、トウモロコシ)、無機物(炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム)、結晶セルロース、植物末(カンゾウ末、ゲンチアナ末)等を挙げることができる。
また結合剤の例としては、デンプンのり液、アラビアゴム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルポキシメチルセルロース(CMC)等を挙げることができる。
また崩壊剤の例としては、デンプン、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、CMC・Na、CMC・Ca、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、アルギン酸ナトリウム等を挙げることができる。
また滑沢剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、タルク(微粉砕粉末化した滑石)、水素添加植物油、マクロゴール(ポリエチレングリコール)、シリコーン油等を挙げることができる。
またコーティング剤の例としては、糖衣(白糖、HPC、セラック)、膠衣(ゼラチン、グリセリン、ソルビトール)、フイルムコーティング〔ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、EC、HPC、PVP〕、腸溶性コーティング〔ヒドロキシプロビルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、セルロースアセテートフタレート(CAP)〕等を挙げることができる。
また着色剤の例としては、水溶性食用色素、レーキ色素等を挙げることができる。矯味剤の例としては、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニトール等を挙げることができる。矯臭剤の例としては、芳香性精油類、光線遮断剤(酸化チタン)等を挙げることができる。可塑剤の例としては、フタル酸エステル類、植物油、ポリエチレングリコール等を挙げることができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明がかかる実施例に限定されるものではない。
<1 製造例>
上述のとおり原料の担子菌としては、イボタケ科イボタケ属の担子菌およびその培養物を好適に用いることができるが、ここではボタンイボタケを用いた抽出物、粗精製物、分離抽出物を得る製造工程例を示す。
(抽出物の製造工程)
ボタンイボタケ(Thelephora aurantiotincta)の乾燥物にエタノールを加え、ホモジナイザーにより粉砕した後、浸漬抽出によってボタンイボタケエタノール抽出液を得た。この抽出液を、ろ紙ろ過に供した後、減圧濃縮によりボタンイボタケエタノール抽出物を得た。なお、この製造工程においては、担子菌の粉砕を有機溶媒中で行い、さらに12時間以上浸漬抽出することが、抽出効率を高めることができるため、好ましい。
また、抽出に用いる有機溶媒には、バイアリニンAを抽出できる溶媒、たとえば酢酸エチル、メタノール、イソプロパノール、アセトンおよびこれらの混合溶媒を用いることができるが、経口摂取による安全性の高いエタノールを単独で、もしくは水との混合溶媒として用いることが好ましい。このイボタケ科イボタケ属の担子菌抽出物を有効成分として、抗腫瘍剤やカスパーゼ阻害剤とすることができる。
(粗精製物の製造工程)
以上のように、イボタケ属の担子菌抽出物自体を用いて抗腫瘍剤等とすることはできるが、担子菌抽出物の有効成分を分離・精製し、それにより得た粗精製物を抗腫瘍剤またはカスパーゼ阻害剤として用いることが、より好ましい。粗精製は、たとえば、ボタンイボタケエタノール抽出物をSep−Pak Vac C18 5g(Waters社)などの逆相系カラムに添加し、所定濃度の水−有機溶媒による混合溶媒を用いて溶出させることによって、行うことができる。有機溶媒としてはメタノールが好ましく、またその混合溶媒中の有機溶媒の濃度は、体積%で40%を超え100%未満が好ましく、60%〜80%がさらに好ましい。得られた溶出液を減圧下で乾燥することにより、粗精製物を得ることができる。
(バイアリニンA精製物の製造工程)
なお、抗腫瘍剤、カスパーゼ阻害剤として、粗精製物は抽出物に比べればより好ましいが、粗精製物の有効成分をさらに分離・精製したバイアリニンA精製物を抗腫瘍剤等として用いることは、さらに好ましい。精製は、たとえば、粗精製物を順相系カラムに添加し、所定濃度の酢酸エチル−ヘキサン有機溶媒による混合溶媒を用いて溶出させることによって、行うことができる。また、混合溶媒に含まれるヘキサンの濃度は、体積%で10%〜50%が望ましい。得られた溶出液を減圧下で乾燥することにより、バイアリニンA精製物を得ることができる。
イボタケ科イボタケ属のボタンイボタケ抽出物の製造例、およびバイアリニンAの製造例について、詳細を説明する。ボタンイボタケ(Thelephora aurantiotincta)の乾燥物10gにエタノール50gを加えた後、ホモジナイザーによる粉砕し、ボタンイボタケエタノール抽出液を得た。これを減圧乾固し、ボタンイボタケエタノール抽出物940mgを得た。
抽出物から有効成分を分離・精製をするために、ボタンイボタケエタノール抽出物150mgを、Sep−Pak Vac C18 5g(Waters社)に添加し、水とメタノール(MeOH)の混合溶媒で、MeOHの混合割合(v/v)を20%、40%、60%、80%、100%と段階的に増加させて溶出を行い、これらを減圧乾固し、ボタンイボタケ20%メタノール抽出物(41.4mg)、40%メタノール抽出物(0.9mg)、60%メタノール抽出物(42mg)、80%メタノール抽出物(16.5mg)および100%メタノール抽出物(18mg)を得た。
抗腫瘍活性の有効成分を明らかにするため、収量が最も多く、かつ最も強い活性を示した60%メタノール抽出物100mgを初期移動相(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)に溶解後、順相系カラムに添加した。カラム(φ21mm×240mm)に、37gのシリカゲル60(メルク社)を上記の初期移動相に懸濁させたものを充填し、540mlの初期移動相で溶出後、240mlのヘキサン:酢酸エチル=1:9の移動相で溶出することで、フラクション(Fr.)A(9.3mg)、Fr.B(4.9mg)、Fr.C(23.0mg)、Fr.D(14.7mg)、Fr.E(3.2mg)、Fr.F(11.9mg)、Fr.G(14.2mg)を得た。
<2 試験例1 がん細胞の生存細胞数の測定(Neutral Red法)>
ボタンイボタケ抽出物をサンプルとして、以下の要領でがん細胞の生存細胞数の測定を行った。ヒト肝がん細胞(HepG2細胞)を、4×10個/φ35mm dishとなるように細胞培養液(10% FBSを含むDMEM培地)に播き、37℃、5%CO存在下で24時間の前培養を行った。前培養終了後、サンプルを添加した細胞培養液に培地交換後、48時間の本培養を行った。
本培養終了後、1mlのNeutral Red溶液(150mg/ml PBS)を加えて90分間培養を行った後、1.5mlの固定液(1%塩化カルシウム含有1%ホルマリン溶液)で細胞を固定し、1.5mlの抽出液(1%酢酸含有50%エタノール溶液)で細胞に取り込まれたNeutral Red抽出液を回収し、540nmの吸光度を測定した。吸光度測定値から、コントロールに対する百分率で、各サンプルのHepG2細胞の生細胞数に及ぼす生理作用を評価した。なお、Neutral Red法とは生細胞がNeutral Redをリソゾームに取り込む性質を利用した方法である。上記の製造例のサンプルを用い、HepG2細胞の生細胞数を測定した。
図1は、各濃度で溶出したボタンイボタケメタノール抽出物(終濃度20μg/ml)を添加した細胞培養液で、48時間の本培養を行った時のHepG2細胞の生細胞数測定結果を、コントロールに対する百分率およびその標準偏差で示したグラフである。また、
図2は、ボタンイボタケ60%メタノール抽出物の順相系カラムクロマトグラフィーにより得られた各フラクション(終濃度10μg/ml)を添加した細胞培養液で、48時間の本培養を行った時のHepG2細胞の生細胞数測定結果を、コントロールに対する百分率およびその標準偏差で示したグラフである。図示するように、ボタンイボタケメタノール抽出物の中では60%メタノール抽出物を用いた場合において生細胞数が最も低く、とりわけ、Fr.Cを用いた場合において、生細胞数が低かった。
<3 試験例2 化学物質の同定方法>
収量が最も多く、さらに最も強い活性を示したFr.Cの同定を目的として、ポジディブモードの質量分析を行った。その結果、m/z563.1(M+H)に親ピークが、m/z445.0にフラグメントピークが認められ、Fr.CのExact Massは562.1の物質であることが明らかとなった。さらに、Fr.Cを重メタノールに溶解後、67.9MHzでの13C−NMRスペクトル(表1)、および270MHzでのH−NMRスペクトル(表2)測定を行ったところ、ボタンイボタケの抗腫瘍活性の有効成分はバイアリニンA(下記、化2)であることを見出した。表1、2にそれぞれ、13C−NMRスペクトル、およびH−NMRスペクトルの測定結果を示す。















<4 試験例3 カスパーゼ活性の測定方法>
活性最強かつ収量最多のFr.Cをサンプルとして、Caspase 3/7 Assay Kit,Homogeneous,Rh110,SensoLyte(ANA SPEC社製)を用いて、以下の要領でカスパーゼ活性の測定を行った。ヒト肝がん細胞(HepG2細胞)を、96wellプレートに5×10個/wellとなるように細胞培養液(10% FBSを含むDMEM培地)に播き、37℃、5%CO存在下で48時間の前培養を行った。前培養終了後、Fr.C(5〜15μg/ml)を添加した細胞培養液に培地交換して、6時間の本培養を行った。
本培養終了後、各wellに50μlのCaspase−3/7 substrate solutionを加えて、37℃で6時間の酵素反応を行った。反応終了後、蛍光量をEx/Em=492nm/535nmで測定した。蛍光量の測定値から、コントロールに対する百分率で、カスパーゼ活性に及ぼす各濃度のFr.Cの生理作用を評価した。
図3は、各濃度のFr.Cを添加した細胞培養液で、6時間の本培養を行った時のHepG2細胞のカスパーゼ活性測定結果を、コントロールに対する百分率およびその標準偏差で示したグラフである。図示するように、Fr.Cを5μg/ml添加することでコントロールの30%程度にまでカスパーゼ活性を低下させることができた。さらに10、15μg/mlのように高濃度に添加することによって、カスパーゼ活性は数%程度にまで低下させることができた。
本発明のカスパーゼ阻害剤、イボタケ属担子菌抽出物およびその製造方法によれば、既に食習慣レベルの食用実績のある安全な天然物資源を用いて抗腫瘍効果およびカスパーゼ阻害効果を得ることができる。したがって、特に医療関連産業上、利用性の高い発明である。

Claims (3)

  1. 下記式に示されるバイアリニンAまたは薬理学的に許容されるその塩を有効成分とすることを特徴とする、カスパーゼ阻害剤。
  2. イボタケ科イボタケ属の担子菌からの抽出物であって、カスパーゼ阻害剤の有効成分として利用するための、カスパーゼ阻害剤用イボタケ属担子菌抽出物。
  3. イボタケ科イボタケ属の担子菌から有機溶媒を用いて抽出物を得る抽出工程と、該抽出工程で得られた抽出物を精製する精製工程とからなり、カスパーゼ阻害剤の有効成分として利用するための、カスパーゼ阻害剤用イボタケ属担子菌抽出物の製造方法。
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