以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図15は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3の前側には、ガラス扉4と前面板5とが上下に配置され、前枠3に開閉自在に枢支されている。前面板5には、その前側に、発射手段(図示省略)に供給するための遊技球を貯留する貯留皿6、発射手段を作動させるための発射ハンドル7等が設けられている。
ガラス扉4の後側には図2に示す遊技盤11が配置され、前枠3に対して着脱自在に装着されている。遊技盤11の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール12が環状に装着されると共に、そのガイドレール12の内側の遊技領域13に、中央表示装置14、普通図柄始動手段15、第1特別図柄始動手段16、第2特別図柄始動手段17、大入賞手段18、普通入賞手段19等の各種遊技部品が配置されている。普通図柄始動手段15は遊技球が通過可能なゲート、第1特別図柄始動手段16及び普通入賞手段19は非開閉式の入賞手段、第2特別図柄始動手段17及び大入賞手段18は開閉式の入賞手段により構成されており、入賞手段16〜19に遊技球が入賞した場合には、それぞれ所定個数の賞球が払い出されるようになっている。
中央表示装置14は、図2,図3等に示すように、遊技盤11に対して前側から着脱自在に装着される前構造体21と、液晶式その他の画像表示手段22を備え且つ前構造体21に対応して遊技盤11の裏側に着脱自在に装着される裏構造体23とを備えている。
前構造体21は、図2に示すように、略中央に画像表示手段22に対応する前表示窓24が形成された表示枠25、この表示枠25の下部側に沿って左右方向に配置され且つ入球口26に入球した遊技球を左右方向に転動させて前側に落下させるステージ27等を備えると共に、普通図柄始動手段15が遊技球を検出することを条件に普通図柄を変動表示する普通図柄表示手段28、第1,第2特別図柄始動手段16,17の何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄を変動表示する特別図柄表示手段29等の各種表示手段が設けられている。なお、普通図柄が変動後に当たり態様で停止した場合には第2特別図柄始動手段17が所定時間開放し、特別図柄が変動後に大当たり態様で停止した場合には大入賞手段18が所定時間開放する。
また裏構造体23は、図3〜図5等に示すように、前側が開放した略箱形に形成され且つその後壁31の略中央に後表示窓32が形成された裏ケース(ベース体)33と、表示画面22aを後表示窓32に略一致させた状態で裏ケース33の背面側に着脱自在に固定される画像表示手段22と、裏ケース33の内側で後壁31の前側に配置される可動装置34とを備えており、前構造体21の後側に対応するように遊技盤11の裏側に位置決めされた状態で、裏ケース33の前端側に複数設けられた固定フランジ35においてねじ止め等により遊技盤11の裏面に固定されている。
可動装置34は、図3〜図8等に示すように、左右一対の可動体36a,36bと、これら可動体36a,36bを左右方向(所定方向の一例)に案内する案内手段37と、可動体36a,36bを所定の原点位置を含む可動範囲内で左右方向に移動させる駆動手段38と、この駆動手段38による駆動力を可動体36a,36bの例えば上端側(一端側の一例)にそれぞれ伝達する駆動伝達手段39a,39bと、可動体36a,36bが原点位置にあることを検出する原点検出スイッチ40と、駆動手段38等を支持する駆動フレーム41とを備えている。また、案内手段37は、可動体36a,36bの上下両端側のうち、駆動手段38による駆動端側、即ち上端側(一端側の一例)を案内する駆動側案内手段42と、駆動手段38による駆動端の反対側、即ち下端側(他端側の一例)を案内する非駆動側案内手段43とで構成されている。
駆動フレーム41は、図4,図6等に示すように、裏ケース33の後壁31と平行な横長略板状に形成されると共に、後向き膨出状のラック収容部44が上下方向略中央に沿って横長状に形成されており、裏ケース33内の上部に後表示窓32の上縁に沿って配置され、裏ケース33に対してねじ止め等により着脱自在に固定されている。なお、裏ケース33の後壁31には、駆動フレーム41のラック収容部44を収容するための膨出部45が、画像表示手段22の上縁に沿って設けられている。
駆動フレーム41の前側下部には、駆動側案内手段42を構成する例えば円形断面のガイドシャフト(シャフト)46が、駆動フレーム41との間に前後方向の隙間を挟んで左右方向に配置され、駆動フレーム41の左右両端部に設けられた一対のシャフト端保持部47a,47b、及び駆動フレーム41の左右方向略中央に設けられたシャフト中央保持部48とで保持されている。
駆動手段38は、例えばステッピングモータにより構成されており、駆動フレーム41の左右方向略中央で且つラック収容部44の上側に例えば後向き凹入状に形成されたモータ装着部49内に、駆動軸38aを下側に向けた状態でモータホルダ50を介して装着、固定されている。駆動手段38の駆動軸38aにはピニオンギヤ51が固定されている。
モータホルダ50は、図6等に示すように、駆動手段38がねじ止め等により着脱自在に固定される略水平なモータ支持ベース52、このモータ支持ベース52の前縁側から例えば下向きに延設された前案内板53、この前案内板53の下端部に設けられたシャフト押さえ部54、モータ支持ベース52の後端部から例えば上向きに突設された左右一対の固定フランジ55等を一体に備え、例えば左右の固定フランジ55とシャフト押さえ部54とにおいてねじ止め等により駆動フレーム41に着脱自在に固定されている。
シャフト押さえ部54は、例えば駆動フレーム41の前側に一体に設けられたシャフト受け部56と共にシャフト中央保持部48を構成するもので、例えば前向きに開放する略C字状断面に形成されたシャフト受け部56に嵌め込まれたガイドシャフト46を前側から保持するようになっている。
駆動伝達手段39aは、駆動手段38の駆動力を左可動体36aに伝達するもので、ピニオンギヤ51に例えば前側から噛合する左右方向のラック57aと、ガイドシャフト46上に左右方向移動可能な状態で装着される被案内部58aと、ラック57aの例えば左端側と被案内部58aとを例えば上下に連結する連結部59aとを一体に備えており、被案内部58aに左可動体36aの上端側(一端側)が固定されている。また駆動伝達手段39bは、駆動手段38の駆動力を右可動体36bに伝達するもので、ピニオンギヤ51に例えば後側から噛合する左右方向のラック57bと、ガイドシャフト46上に左右方向移動可能な状態で装着される被案内部58bと、ラック57bの例えば右端側と被案内部58bとを例えば前後に連結する連結部59bとを一体に備えており、被案内部58bに右可動体36bの上端側(一端側)が固定されている。なお、駆動伝達手段39b側のラック57bは駆動フレーム41のラック収容部44内に配置されている。
このように、駆動伝達手段39a側のラック57aと駆動伝達手段39b側のラック57bとは一つのピニオンギヤ51を挟んで前後に対向しており(図6,図9)、ピニオンギヤ51が平面視反時計方向に回転すると、ラック57aを含む駆動伝達手段39aが右向きに、ラック57bを含む駆動伝達手段39bが左向きにそれぞれ同時に移動し、またピニオンギヤ51が平面視時計方向に回転すると、ラック57aを含む駆動伝達手段39aが左向きに、ラック57bを含む駆動伝達手段39bが右向きにそれぞれ同時に移動するようになっている。
被案内部58a,58bは、図7,図12,図14等に示すように、ガイドシャフト46に沿って左右方向に摺動する摺動部60と、可動体36a,36bの上端側が固定される可動体固定部61とを例えば上下に備えており、摺動部60の上部側に連結部59a,59bが一体に連結されている。摺動部60は、ガイドシャフト46に対して後側から摺接する例えば断面コの字型のガイド溝62と、そのガイド溝62の例えば左右両側に設けられ且つガイドシャフト46の前面側に摺接する断面略円弧状の前ガイド63とを備えており、それらガイド溝62と前ガイド63との間にガイドシャフト46が左右方向に挿通している。また可動体固定部61には、前後方向の前挿通孔61aが例えば複数(ここでは左右両端側に2つ)設けられている。
また、駆動伝達手段39a,39bのラック57a,57bは、ピニオンギヤ51との噛合部近傍に設けられた噛合案内部64a,64bにより、ピニオンギヤ51との噛合状態が保持された状態で左右方向に案内されている。即ち、駆動フレーム41上には、図6,図13等に示すように、例えば駆動軸38aの下側に対応して前後方向に設けられ且つラック57a,57bに対して下側から当接又は近接するようにラック収容部44の底面側から上向きに突出する下突条部65と、その下突条部65の後端側から上向きに延設され且つラック57bに対して後側から当接又は近接するようにラック収容部44の背面側から前向きに突出する縦突条部66と、その縦突条部66の上端側から前向きに延設され且つラック57bに対して上側から当接又は近接するようにラック収容部44の上面側から下向きに突出する上突条部67とが例えば一体に設けられている。また、モータホルダ50のモータ支持ベース52は、その下面側がラック57aの上側に当接又は近接しており、更にモータホルダ50の前案内板53は、その背面側がラック57aの前側に当接又は近接している。
即ち図13に示すように、ラック57aを案内する噛合案内部64aは、上突条部67の前部、モータホルダ50の前案内板53及びモータ支持ベース52により後向きに開放する断面略コの字型に形成され、ラック57bを案内する噛合案内部64bは、上突条部67の後部、縦突条部66及び上突条部67により前向きに開放する断面略コの字型に形成されている。これら噛合案内部64a,64bについても、ガイドシャフト46と同様、可動体36a,36bの上端側を左右方向に案内する駆動側案内手段42を構成している。
また、駆動伝達手段39a,39bは、それぞれ原点位置側ストッパー68a,68bと、動作位置側ストッパー69a,69bとの間が可動領域となっている。即ち、原点位置側ストッパー68a,68bと動作位置側ストッパー69a,69bは、駆動伝達手段39a,39bの可動領域を所定の原点位置と最大動作位置との間に制限することにより、間接的に可動体36a,36bの可動領域を所定範囲に制限している。なお、駆動伝達手段39a,39bと可動体36a,36bとは一体的に動作するため、駆動伝達手段39a,39bが原点位置にあるときには可動体36a,36bも原点位置にあり、駆動伝達手段39a,39bが最大動作位置にあるときには可動体36a,36bも最大動作位置にある。
原点位置側ストッパー68a,68bは、図4,図6等に示すように、それぞれガイドシャフト46の左右両端部近傍に対応して例えば駆動フレーム41の前側に一体に設けられており、駆動伝達手段39a,39bがそれぞれガイドシャフト46の端部側の原点位置にきたとき、例えば被案内部58a,58bの左右一端側に当接してその移動を阻止するようになっている。なお、駆動伝達手段39a,39bが原点位置にあるとき、駆動伝達手段39a,39bの何れか一方、例えば駆動伝達手段39aに設けられた被検出部40aが原点検出スイッチ40により検出されるようになっている。原点検出スイッチ40は、例えば透過型フォトセンサにより構成され、例えばガイドシャフト46の一端側に対応して駆動フレーム41の前側に装着されている。
また、動作位置側ストッパー69a,69bは、図4,図6,図12等に示すようにそれぞれ原点位置側ストッパー68a,68bよりもガイドシャフト46の中央側に配置されており、駆動伝達手段39a,39bがそれぞれ原点位置よりも左右方向中央寄りの最大動作位置にきたとき、例えば被案内部58a,58bの左右他端側に当接してその移動を阻止するようになっている。動作位置側ストッパー69a,69bは、例えば駆動フレーム41ではなく裏ケース(ベース体)33に一体に設けられている。即ち、動作位置側ストッパー69a,69bは、裏ケース33の後壁31から前向きに突設され、その先端側が駆動フレーム41に形成された開口部70a,70bを経てガイドシャフト46の後部に当接又は近接している。
これにより、例えば動作位置側ストッパー69a,69bを設けない裏ケース33を用いるだけで、可動装置34側は何ら変更することなく、動作位置側ストッパー69a,69bを設けない仕様に変更することが可能である。また、例えば動作位置側ストッパー69a,69bの位置が異なる裏ケース33に変更することで可動装置34側を変更することなく動作位置側ストッパー69a,69bの位置を変更することも可能であるが、この場合には、駆動フレーム41側の開口部70a,70bの大きさを動作位置側ストッパー69a,69bの位置変更が可能な長孔状に形成するなどの対応が必要である。もちろん、動作位置側ストッパー69a,69bを駆動フレーム41上に設けてもよい。
なお、原点位置側ストッパー68a,68bを裏ケース33側に設ければ、可動装置34側は何ら変更することなく、裏ケース33を変更するだけで、原点位置側ストッパー68a,68bを設けない仕様に変更することが可能であり、更に原点検出スイッチ40も裏ケース33側に設ければ、可動装置34側は何ら変更することなく、裏ケース33を変更するだけで原点位置を変更することが可能となる。
可動体36a,36bは、図7,図8等に示すように、それぞれ可動本体部71と、その可動本体部71の後部側に配置されるLED基板72と、可動本体部71とLED基板72との間に配置される区画部材73と、可動本体部71の下端側に例えば一体に設けられたケーブルガイド74と、そのケーブルガイド74に装着されるケーブル押さえ部材75とを備え、その上端部が、可動体連結部材76を介して駆動伝達手段39a,39bに固定されることにより、駆動手段38の駆動により駆動伝達手段39a,39bと共に左右方向に移動可能となっている。
可動本体部71は、例えば表示画面22aと略平行に形成され且つ任意の装飾が施された前装飾板77と、その前装飾板77の外縁に沿って設けられた後向き一定幅の外周板78とを一体に備え、その上端部近傍に、可動体連結部材76を介して駆動伝達手段39a,39bに固定するための後挿通孔79が、可動体固定部61の前挿通孔61aに対応して例えば複数(ここでは左右両端側に2つ)形成されている。
ここで、可動体連結部材76は、図7,図14等に示すように、可動体固定部61を前側から略覆う大きさに形成された例えば板状の連結カバー80と、この連結カバー80の背面側から後向きに突設された複数(ここでは左右一対)の連結ボス部81とを一体に備えている。そして、その連結ボス部81を前挿通孔61aと後挿通孔79とに前側から挿通させ、連結カバー80と可動本体部71とで可動体固定部61を前後に挟み込んだ状態で、連結ボス部81を可動本体部71の背面側にねじ止めすることにより、可動体36a,36bは可動本体部71の上端部側でそれぞれ駆動伝達手段39a,39bに連結されている。
なお、可動体36a側の可動本体部71と右可動体36b側の可動本体部71とは例えば正面視略左右対称で、例えば左右方向外側に膨らむ太幅略円弧状となっており、図3に二点鎖線で示す原点位置ではそれぞれ表示画面22aの左右両側に退避し、図2,図3に実線で示す最大動作位置では表示画面22aの前側でその表示画面22aの少なくとも一部に対する遊技者の視線を遮るようになっている。なお、本実施形態では、可動体36a,36bが最大動作位置にきたとき、可動本体部71,71の上端部側が互いに当接又は近接し、表示画面22aの中央部分を残してその外側の略全体を前側から覆うようになっている。
LED基板72は、例えば可動本体部71に略対応する形状に形成されると共に、その前面側に多数のLED(電子部品の一例)72aが配置されており、可動本体部71内の後部側にねじ止め等により着脱自在に装着されている。なお、フラットケーブル(ケーブル)82を接続するための基板側コネクタ83は、図8に示すようにLED基板72の下端側の裏面に沿って例えば下向きに設けられている。
区画部材73は、可動本体部71内を複数の発光室84に区画するためのもので、図7等に示すように可動本体部71の前装飾板77とLED基板72との間に配置されており、例えば前後方向所定幅の区画壁73aが、前装飾板77の前側の装飾等に合わせて複数の発光室84をそれぞれ取り囲むように前装飾板77の背面側に沿って配置されている。なお、区画部材73は例えば透光性を有しない(又は透光性が極めて低い)合成樹脂により形成されており、またLED基板72上のLED72aは各発光室84に対してそれぞれ1又は複数配置されている。
ケーブルガイド74は、LED基板72に接続されたフラットケーブル82をケーブル引き出し部85まで案内するもので、図7,図8等に示すように、例えば基板側コネクタ83の下側に対応して可動本体部71の下端部から例えば下向きに突設されている。このケーブルガイド74は、前装飾板77と略平行な縦長板状に形成された前壁部86と、この前壁部86の左右両縁部に沿って配置される後向き一定幅の側壁部87と、前壁部86の下縁部に沿って配置される底壁部88とを一体に備えている。
左右の側壁部87間の距離はフラットケーブル82の幅と略同じで、またそれら一対の側壁部87のうちの一方、例えば左右方向の外側(左可動体36aのケーブルガイド74では左側、右可動体36bのケーブルガイド74では右側)の側壁部87の例えば下端部には、フラットケーブル82の幅と同程度の上下方向幅に形成された切り欠き状のケーブル引き出し部85が形成されている。また、底壁部88上には例えばその左右方向略中央に前後方向の係合溝88aが形成されている。
基板側コネクタ83に接続されたフラットケーブル82は、図8に二点鎖線で示すようにケーブルガイド74の裏側に沿って下向きに配設され、そのケーブルガイド74の下端部で直角に折り曲げられてケーブル引き出し部85から横向きに引き出されるようになっている。
ケーブル押さえ部材75は、フラットケーブル82をケーブルガイド74上に固定するためのもので、図7,図8,図11,図15等に示すように、例えばケーブルガイド74側の前壁部86の後側に対向する後壁部89と、この後壁部89の外縁に沿って配置される前向き一定幅の周壁部90と、後壁部89の前面側に上下方向に設けられた前向き突出状の突条部91と、後壁部89の左右両側に沿って前後方向に突設された一対の被案内部92と、周壁部90の下部側からケーブルガイド74側の係合溝88aに対応して前向き突出状に形成された係合爪93と、後壁部89の上部側に形成された例えば左右一対の固定部94とを一体に備えており、係合溝88aに沿って係合爪93をケーブルガイド74の下端部前側に係合させ、固定部94を可動本体部71側のボス部95にねじ止めすることによりケーブルガイド74の後側に着脱自在に固定されている。
ケーブル押さえ部材75がケーブルガイド74に装着されたとき、フラットケーブル82はケーブル押さえ部材75側の突条部91とケーブルガイド74側の前壁部86とで前後に挟持されて固定される(図15参照)。また、一対の被案内部92は、例えばケーブルガイド74側の側壁部87の外面側に沿う前後方向の板状に形成され、例えばケーブル引き出し部85の上側に配置されており、図11等に示すようにその前縁側はケーブルガイド74の前面側よりも前側に突出して前部被案内部96を構成し、また後縁側はケーブル押さえ部材75の背面側よりも後側に突出して後部被案内部97を構成している。
また、裏ケース33内には、可動体36a,36bの下端側に対応してそれぞれ配線カバー(装着部材)101a,101bが着脱自在に装着されている。この配線カバー101a,101bは、図5,図10,図11,図15等に示すように、可動体36a,36bの各ケーブルガイド74の移動軌跡に沿ってその前側に配置された横長状の前面板102と、この前面板102の下縁部から前向きに延設され且つケーブルガイド74の移動軌跡に沿ってその下側に配置された底面板103と、前面板102の左右方向両縁部から底面板103の縁部に沿って後向きに延設された一対の側面板104と、例えば側面板104の左右方向外側に配置された固定フランジ105とを一体に備え、裏ケース33の後壁31に設けられたボス部106に固定フランジ105をねじ止めすることにより後壁31の前側に着脱自在に装着されている。
配線カバー101a,101bの前面板102上には、例えばその上縁部に沿って、可動体36a,36bが移動する際にその前部被案内部96、即ち被案内部92の前縁側が略摺接する前部摺動レール(摺動レール,第2案内部)107が後向き突出状に一体形成されている。また、裏ケース33の後壁31上には、前部摺動レール107に対向するように、可動体36a,36bが移動する際にその後部被案内部97、即ち被案内部92の後縁側が略摺接する後部摺動レール(摺動レール,第1案内部)108が前向き突出状に一体形成されている。このように、裏ケース(ベース体)33上の後部摺動レール(第1案内部)108と、配線カバー101a,101b上の前部摺動レール(第2案内部)107とは、可動体36a,36b上の被案内部92の移動経路を挟んで対向しており、これら後部摺動レール108と前部摺動レール107とが、可動体36a,36bの下端側を左右方向に案内する非駆動側案内手段43を構成している。
また、裏ケース33の後壁31の前側で且つ配線カバー101a,101b内の領域はケーブル収容部109となっており、ケーブル引き出し部85から左右方向に引き出されたフラットケーブル82は、図10に示すように可動体36a,36bの動作に追従可能となるようにケーブル収容部109内で平面視略U字状に弛ませたあと、例えば後壁31上に設けられた配線孔110から後向きに引き出されている。なお、ケーブル収容部109は、例えば後部摺動レール108の下側で後向き膨出状に形成されている。
このように、可動体36a,36bのケーブル引き出し部85を、駆動手段38に駆動される上端側ではなくその反対側の下端側に設けていることにより、駆動系と配線系の各スペースを可動体36a,36bの上下両端側に分散させることができ、可動体36a,36bの周辺部分におけるスペース上の制約を小さくできるという利点がある。
以上のような可動装置34の動作について簡単に説明する。可動体36a,36bは、通常状態では原点検出スイッチ40がONとなる原点位置(図3に二点鎖線で示す)に保持されている。このとき、可動体36a,36bは表示画面22aの左右両側に退避し、表示画面22aの略全体が前側から視認可能な状態となっている。
遊技中の所定のタイミングで例えば主制御基板から演出制御基板に対して可動演出コマンド等が送信されると、演出制御基板側の駆動制御手段が、可動体36a,36bを所定の動作パターンに従って動作させて再び原点位置まで戻すように駆動手段38の駆動制御を行い、また発光制御手段が、その動作パターンに対応する発光パターンで可動体36a,36b上のLED72aの点灯制御を行う。
駆動制御手段の制御により駆動手段38が正転方向に作動し、例えばピニオンギヤ51が平面視反時計方向に回転すると、ラック57aを含む駆動伝達手段39aが右向きに、ラック57bを含む駆動伝達手段39bが左向きにそれぞれ同時に移動すると共に、原点検出スイッチ40がOFFとなる。このとき、ラック57a,57bは、駆動側案内手段42を構成する断面略コの字型の噛合案内部64a,64bにより、ピニオンギヤ51との噛合状態が保持された状態で左右方向に案内される(図13等)。
そして、それら駆動伝達手段39a,39bにそれぞれ上端側が固定されている可動体36a,36bも、駆動伝達手段39a,39bと共に原点位置から表示画面22aの中央側に向けて移動する。このとき、可動体36a,36bの上端側は、駆動側案内手段42を構成するガイドシャフト46に沿って、駆動伝達手段39a,39bの被案内部58a,58bを介して左右方向に摺動し、可動体36a,36bの下端側は、ケーブル引き出し部85の近傍に設けられた前後一対の被案内部96,97が、非駆動側案内手段43を構成する前後一対の摺動レール107,108に沿って左右方向に摺動する。
可動体36a,36bが最大動作位置(図2,図3に実線で示す)まで移動して停止すると、表示画面22aは少なくとも一部が可動体36a,36bによって前側から覆われ、例えば表示画面22aの中央部分のみが前側から視認可能な状態となる。この状態から駆動手段38が反転方向に作動し、例えばピニオンギヤ51が平面視時計方向に回転すると、ラック57aを含む駆動伝達手段39aが左向きに、ラック57bを含む駆動伝達手段39bが右向きにそれぞれ同時に移動し、それに伴って可動体36a,36bは最大動作位置から原点位置に向けて移動する。そして、可動体36a,36bがそれぞれ原点位置に達したとき、原点検出スイッチ40が再びONになると共に、駆動手段38による駆動が終了して可動体36a,36bは停止する。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機は、駆動手段38の駆動力を可動体36a,36bの一端側に伝達する駆動伝達手段39a,39bを備え、可動体36a,36bの他端側に、LED基板72からのフラットケーブル82を引き出すケーブル引き出し部85を設けているため、駆動系と配線系の各スペースを可動体36a,36bの上下両端側に分散させることができ、可動体36a,36bの周辺部分におけるスペース上の制約を小さくできる。
また、可動体36a,36bの下端側(他端側)を左右方向(所定方向)に案内する非駆動側案内手段43を、可動体36a,36bの移動経路を挟んで対向する後部摺動レール(第1案内部)108と前部摺動レール(第2案内部)107とで構成し、後部摺動レール108を裏ケース(ベース体)33に一体に設けているため、可動体36a,36bの周辺部分におけるスペース上の制約を更に小さくできる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では左右方向に移動可能な可動体36a,36bの上端側を駆動手段38により駆動し、下端側にケーブル引き出し部85を設けた例を示したが、例えば可動体の下端側を駆動し、上端側にケーブル引き出し部を設けてもよいし、上下方向に動作する可動体の左右方向一端側を駆動し、左右方向他端側にケーブル引き出し部を設けてもよい。即ち、可動体の一端側を駆動し、他端側にケーブル引き出し部を設けた構成であればよい。なお、可動体は所定方向に平行移動するものに限らず、例えばその一端側を中心に回転又は揺動するものであってもよい。
実施形態では一つの駆動手段38によって二つの可動体36a,36bを同時に駆動するように構成したが、一つの駆動手段によって三つ以上の可動体を同時に駆動するように構成してもよいし、一又は複数の可動体を一又は複数の駆動手段によって個別に駆動するように構成してもよい。
可動体上には、LED72aの他、非接触センサ等の検出手段、電磁ソレノイド等の駆動手段等の任意の電子部品を搭載可能である。また駆動手段は可動体の一端側を駆動するように構成すればよく、可動体を駆動するステッピングモータ等の駆動手段を可動体上に配置してもよい。
ケーブル引き出し部85からのケーブル82の引き出し方向は任意であり、例えばケーブル引き出し部85をケーブルガイド74の下端部に下向きに設け、フラットケーブル82をその幅方向が前後に向くようにケーブル引き出し部85から下向きに引き出すと共に、正面視U字状に弛ませた状態でケーブル収容部109内に収容してもよい。
可動体側の被案内部、及びその被案内部を所定方向に案内する案内手段の構成は任意であり、例えば被案内部又は案内手段をコロにより構成し、案内手段又は被案内部を、コロが転動可能な転動案内部により構成してもよい。
また本発明は、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機はもちろん、スロットマシン等の各種遊技機において同様に実施することが可能である。