本発明の一実施形態に係るパチンコ機について図1〜図46を用いて説明する。なお、以下の説明では、パチンコ機の各部の左右方向を、パチンコ機の前面視における左右方向としている。
図1に示すように、本実施形態に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に配置される機枠1と、機枠1に開き戸状に開閉自在に取り付けられた前面枠2と、前面枠2の前面に開き戸状に開閉自在に取り付けられたガラス扉4と、前面枠2の下方に配設された前面ボード5と、前面ボード5に取り付けられた発射ハンドル6等を具備しており、前面ボード5には受け皿7が設けられている。
図2に示す遊技盤3は、前出の前面枠2に収納保持されている。この遊技盤3の前面には、ガイドレール8等で囲まれた遊技領域9が形成されている。発射ハンドル6が遊技者によって任意角度に回転操作されると、図示してない発射装置が受け皿7に貯留された遊技球を遊技領域9に向けて連続的に打ち出すようになっている。遊技領域9内の略中央から右側の領域には装飾ユニット10が設けられている。装飾ユニット10の左右両側方は遊技球の流下通路となっている。遊技盤3の略中央には横長の矩形状の窓11が設けられている。
遊技盤3の裏面側には、一方の対辺が長い矩形状の液晶パネルから成る表示部14(図14参照)が、その長手方向を左右方向に一致させた姿勢で配される。前出の窓11の形状寸法は、その表示部14の形状寸法と略同じに設定されており、その表示部14は窓11を通じて目視可能となっている。表示部14は遊技を演出する画面が表示されるよう制御される。
窓11の下辺には、遊技球が転がるステージ15が隣接して設けられている。このステージ15の中央部下方には第1始動入賞口16と第2始動入賞口17が上下縦一列に並んで設けられている。第1始動入賞口16は上面に入賞孔が開口された単純構造の始動入賞口である。第2始動入賞口17は一対の可動片により開閉する電動チューリップ構造の始動入賞口である。パチンコ機Pは、第1始動入賞口16および第2始動入賞口17のいずれか一方に遊技球が入賞すると、その入賞を契機として特別図柄表示の電子抽選を行う。そして、この電子抽選の結果を、図示してないセグメント表示装置により、特別図柄を変動した後に停止するという態様で表示する。また、パチンコ機Pは特別図柄の表示と並行して、前出の表示部14に演出用図柄、例えば左図柄、中図柄、右図柄を表示して遊技を演出する。演出用図柄も変動した後に停止するという態様で特別図柄に同期させて表示する。
装飾ユニット10の左側方の遊技領域9には通過チャッカー18が設けられている。パチンコ機Pは、その通過チャッカー18を遊技球が通過したことを契機に普通図柄表示の電子抽選を行う。そして、その電子抽選の結果が当たりの場合、第2始動入賞口17の可動片を一時的に開放して遊技球の入賞を許可する。普通図柄表示も図示してないセグメント表示装置により、普通図柄が変動した後に停止するという態様で行う。
第2始動入賞口17の真下位置にはアタッカー19が設けられている。このアタッカー19は、図示してない大入賞口を開閉する装置である。パチンコ機Pは、前述の特別図柄表示の電子抽選の結果が当たりとなって大当たり遊技状態(特別遊技モード)に移行した場合に、そのアタッカー19を作動させる。具体的には、特別図柄表示の抽選結果が当たりの場合、表示部14に表示される演出用図柄の変動が例えば「777」のような特定図柄で停止した後、アタッカー19による大入賞口の開放動作を複数回(例えば15回)繰り返した後に大当たり遊技状態が終了する。アタッカー19の1回の開放動作は、例えば作動時点から30秒経過するまで、または、遊技球が大入賞口に例えば10個入球するまで、大入賞口を開放状態に維持するというものである。
遊技領域9には、第1始動入賞口16、第2始動入賞口17、大入賞口の他、遊技球の払い出しのみを行う複数の一般入賞口20も設けられている。第1始動入賞口16、第2始動入賞口17、一般入賞口20、大入賞口のいずれにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域9の最下端部に設けられたアウト口21から遊技盤3の裏面側に排出されるようになっている。
図12に示す3aは遊技盤本体である。この遊技盤本体3aの前面側には、前出の第1始動入賞口16、第2始動入賞口17、アタッカー19、一般入賞口20等が設けられた板部材3bと、前出の装飾ユニット10とが取り付けられている。遊技盤本体3aの略中央には前後方向に貫通した横長の矩形状の透孔3cが形成されている。板部材3bには、遊技盤本体3aの透孔3cの前方の位置に、板部材3bを前後方向に貫通した横長の矩形状の透孔(図示してない)が形成されている。装飾ユニット10は板部材3bの透孔の上下左右4辺の全体を覆って配された状態で、板部材3bおよび遊技盤本体3aに取り付けられている。遊技盤本体3aの透孔3cは、遊技盤本体3aの裏面に取り付けられた透明板3d(図2に示す)により塞がれており、この透明板3dと、装飾ユニット10の内側に形成された開口部10aとによって前出の窓11が構成されている。
パチンコ機Pは図3に示す可動役物装置13を備えている。この可動役物装置13はケース22を備えている。このケース22は、図12に示すように遊技盤本体3aの背面に取り付けられている。ケース22は合成樹脂製の部材であり、背板部22bと、この背板部22bの外縁から前方に突出した壁部22cとが一体に形成されたものである。図14に示すように、背板部22bの略中央には前後方向に貫通した透孔22aが形成されており、この透孔22aは前出の表示部14の前方に配されている。この透孔22aの形状寸法も前出の窓11の形状寸法と同様に、表示部14の前面視における形状寸法と略同じに設定された横長の矩形状であり、この透孔22aを通して表示部14が目視可能となっている。
図3に示すように、可動役物装置13はさらに、回転板23と、この回転板23の前面の大部分を覆う装飾カバー38とを備えている。図5に示す90は、回転板23と装飾カバー38の組立品である。ケース22は前面側で開口しており、組立品90はケース22に前方から挿入されて収容されている。
回転板23は合成樹脂製の部材であり、図7に示すように、大径部23aと小径部23bとが一体に形成されたものである。大径部23aには横長の矩形状の透孔33が形成されている。この透孔33も前出の表示部14の前方に配されており、表示部14はその透孔33を通して目視可能である。また、回転板23の前面には全体的にリブが張り巡らされている。具体的には、大径部23aの外周縁に沿って円弧状に並んだ格子状の複数のリブ74、透孔33から外周側に放射状に延びたリブ75、小径部23bと同心に形成されて径方向に並んだ円弧状の複数のリブ76、小径部23bの中央で透孔33側から上方に延びた2条のリブ77、透孔33の下方において形成された矩形枠状の複数のリブ78等が、回転板23の前面に形成されている。
装飾カバー38は合成樹脂製の部材である。図3に示すように、装飾カバー38には回転板23の透孔33と略同じ形状寸法に形成された透孔39が設けられている。装飾カバー38には、その透孔39の上下左右の4辺全体から回転板23の方向(後方向)に突出した前面視矩形状の枠部38a(図6参照)が形成されている。図6における38a1,38a2,38a3はそれぞれ、枠部38aを前面視した場合の上辺、右辺、下辺に当たる部分である。同図6に示すように、枠部38aの回転板23側の端部は、回転板23の透孔33の縁部を形成している回転板23の前面に当接して位置する。装飾カバー38は枠部38aの近傍の複数個所において回転板23にネジ止めされている。それら複数のネジ止め個所には、ネジ止め部79のように枠部38aと一体に形成された個所が含まれている。図7において、80はネジが挿通される挿通孔であり、これらの挿通孔80の位置で回転板23と装飾カバー38とがネジ止めされている。
また、回転板23には多数の嵌入孔81が形成されている。装飾カバー38は、それら多数の嵌入孔81のそれぞれに対向する個所に、枠部38と同寸法だけ回転板23の方向に突出して形成された円柱部(図示してない)を有する。これら円柱部の突端には嵌入孔81に突起(図示してない)が形成されており、この突起が嵌入孔81に嵌め入れられている。
図3に示すように、回転板23はケース22の背板部22bの上部、左下部および右下部の3個所に係合して設けられた下ガイド部34A,34Bおよび上ガイド部34Cにより回転可能に支持されている。大径部23aの外周縁には、下ガイド部34A,34Bによりガイドされる円弧状の第1被ガイド部23eが形成されている。小径部23bの外縁には前出の上ガイド部34Cによりガイドされる円弧状の第2被ガイド部23fが形成されている。第1被ガイド部23eの円弧と第2被ガイド部23fの円弧は同心で、第2被ガイド部23fの円弧は第1被ガイド部23eの円弧よりも小径に設定されている。第1被ガイド部23eと第2被ガイド部23fとの間には、第1被ガイド部23eの左端から左方向に延びた平坦な段差部23cと、第1被ガイド部23eの右端部から右方向に延びた段差部23dとが形成されている。
下ガイド部34A,34Cおよび上ガイド部34Cは、ケース22の背板部22bに略直交する軸周りに回転自在に設けられたガイドローラである。これら下ガイド部34A,34Bおよび上ガイド部34Cの構造は同じであり、その構造は2個のローラ部材を軸方向に並べたダブルローラ構造である。このダブルローラ構造について回転板23の左下部を支持する下ガイド部34Aを例にとって説明する。
図8に示すように、回転板23の左下部を支持する下ガイド部34Aは、ケース22の背板部22bから前方に突起して設けられた支軸35と、この支軸35を中心として回転自在に設けられた前側ローラ部材34aおよび後側ローラ部材34bとを有する。第1被ガイド部23eは肉厚部23e1と、この肉厚部23e1の外周端から外周側に突出した肉薄の鍔部23e2とを有する。鍔部23e2は、この鍔部23e2の外周縁と前側ローラ部材34aの軸受部34a1との間に間隙S1を形成した状態で、前側ローラ部材34aと後側ローラ部材34bとの間に挿入されており、鍔部23e2の前後に位置する肉厚部23e1の外周端は、前側ローラ部材34aおよび後側ローラ部材34bの両方の外周端に当接している。つまり、第1被ガイド部23eは前側ローラ部材34aおよび後側ローラ部材34bに対し、径方向では非接触となっている。
回転板23の右下部をガイドする下ガイド部34Bも下ガイド部34Aと同じ構造である。このようにダブルローラ構造の下ガイド部34A,34Bによって回転板23の左右両下部を支持すると、回転板23を確実に支持した上で、第1被ガイド部23eと下ガイド部34A,34Bとの間に生じる摩擦抵抗を低減して回転板23をスムーズに回転させることが可能になる。なお、回転板23の上部中央を支持する上ガイド部34Cの構造も、前側ローラ部材および後側ローラ部材の径寸法が下ガイド部34Aの前側ローラ部材34aおよび後側ローラ部材34bよりも小さいだけで、下ガイド部34Aと同じダブルローラ構造となっている。ただし、上ガイド部34Cには回転板23の重量が作用しないのでダブルローラ構造でなくても良い。つまり、径方向において鍔部に接触されるローラであってもよい。
図3に示すように、回転板23よりも下方に位置するケース22の個所には落下防止片24が一体形成されている。この落下防止片24は回転板23の回転中心Oを通る垂線L上に位置する。落下防止片24と回転板23の外周縁とは所定間隔をあけて位置しており、落下防止片24が回転板23の回転動作を妨げないようになっている。ただし、回転板23を支持している下ガイド部34A,34Bが破損したり、外部からの衝撃等によって回転板23が下ガイド部34A,34Bから外れた場合、回転板23の外周縁が落下防止片24の上端に当接した時点でそれ以上の動きが規制されるため、回転板23の落下事故を確実に防止することができる。
回転板23よりも下方に位置するケース22の個所には、回転駆動モータ29が取り付けられている。回転板23の表面側の下部外周縁にはリングギア36が設けられている。このリングギア36と回転駆動モータ29の間には減速ギア列30が介在している。減速ギア列30は、回転駆動モータ29の出力軸に固着された最初段ギア30aと、ケース22の背板部22bに平行な面内で回転自在に設けられた複数のギアによって構成されている。減速ギア列30の最終段ギア30bは落下防止片24の近傍に位置している。この最終段ギア30bは、回転板23の回転中心Oを通る垂線Lの近傍で、リングギア36と噛み合っている。つまり、回転駆動モータ29の回転が減速ギア列30およびリングギア36を介して回転板23に伝達されるようになっている。
本実施形態の場合、回転板23は、図9に示す回転板23の姿勢を回転角度0°の初期姿勢として時計方向と反時計方向のそれぞれの方向に45°を上限角度として制御される。
ケース22と回転板23との間には、回転板23の時計方向の回転および反時計方向の回転のそれぞれについて、回転板23の回転の限界角度を規定するストッパ構造が設けられている。図9に示すように、時計方向の回転に対するストッパ構造は、ケース22の背板部22bの上部中央の左側近傍で前方に突出して設けられたストッパ部27と、前出の段差部23cとから構成されている。反時計方向の回転に対するストッパ構造は、ケース22の背板22cの上部中央の右側近傍で前方に突出して設けられたストッパ部28と、前出の段差部23dとから構成されている。ストッパ部27,28は、回転板23の回転中心Oの上側においてその回転中心Oから第1被ガイド部23eの半径と同じ距離までの範囲内の位置に設定されているとともに、回転板23の回転中心Oを通る垂線Lを挟んで対向して位置する。つまり、図10に示すように、回転板23の時計方向の回転の限界角度は、ストッパ部27に対して段差部23cが当接する角度である。また、図11に示すように、回転板23の反時計方向の回転動作の限界角度は、ストッパ部28に対して段差部23dが当接する角度である。
前出の両ストッパ構造は、回転板23の回転の限界角度を、制御上の上限角度45°よりも若干大きく設定されている。つまり、ストッパ部27と段差部23cは、回転板23が時計方向に上限角度45°を超えて過剰に回転することを防止し、ストッパ部28と段差部23dは、回転板23が反時計方向に上限角度45°を超えて過剰に回転することを防止する。
図14,図15に示すように、ケース22の壁部22cは、ストッパ部27,28に近接して位置する。ストッパ部27は、図13,図15,図16を参照して分かるように、背板部22bから突出して形成された略円錐台状の基台部27aと、この基台部27aから遊技盤3の方向(前方向)に突出して設けられた本体部27bとを有する。本体部27bは回転板23の回転を阻止する際の段差部23cとの当接部位である。本体部27bは基台部27aの頂部に一体形成された心棒部27c(図15に示す)と、この心棒部27cの外周面を覆って装着された円筒状のゴム部材27dとから構成されている。
ストッパ部28もストッパ部27と同様に、背板部22bから突出して形成された略円錐台状の基台部28aと、この基台部28aから遊技盤3の方向に突出して設けられた本体部28bとを有する。本体部28bは回転板23の回転を阻止する際の段差部23dとの当接部位であり、基台部28aに一体に形成された心棒部28cと、この心棒部28cの外周面を覆って装着された円筒状のゴム部材28dとから構成されている。
図15に示すように、基台部27a,28aはいずれも、ケース22の内方側の壁部22cの面に結合するよう壁部22cと一体に形成されている。具体的には、基台部27aでは、この基台部27aの外周面の上部が壁部22cと一体に形成されている。また、基台部28aでは、この基台部28aの外周面の上部が連結部28eを介して壁部22cと一体に連結されている。さらに、ストッパ部27,28に近接して位置する壁部22cと、この壁部22cの前端面に対向する遊技盤本体3aとの間には、嵌合構造が設けられている。この嵌合構造は、図16,図17を参照して分かるように、壁部22cの前端面に形成された嵌合突起部82,83と、遊技盤本体3aに形成されて嵌合突起部82,83がそれぞれ嵌合する嵌合孔84,85とから構成されている。
図14に示すように、落下防止片24の左斜め上方にはフォトインタラプタ25,26が実装されている。図18に示すように、回転板23の裏面の外周縁には円弧状の遮光板37が取り付けられている。この遮光板37には短尺な遮光壁37aと長尺な遮光壁37bが、ケース22の背板部22b側に突出して設けられている。これら遮光壁37a,37bのそれぞれの回転軌道上に、フォトインタラプタ25,26がそれぞれ位置する。つまり、フォトインタラプタ25,26のそれぞれのオン信号とオフ信号の組合せに基づいて回転板23の初期姿勢と回転方向を検知できるようになっている。具体的には、回転板23が図9に示す初期姿勢にあるとき、短尺な遮光壁37aは一方のフォトインタラプタ25の光路を横切って位置し、長尺な遮光壁37bは他方のフォトインタラプタ26の光路を横切って位置し、これらによって両フォトインタラプタ25,26からオフ信号が出力される。また、回転板23が初期姿勢から時計方向へ回転すると、短尺な遮光壁37aは一方のフォトインタラプタ25の光路から外れる位置へ移動し、長尺な遮光壁37bも他方のフォトインタラプタ26の光路から外れる位置へ移動し、これらによって両フォトインタラプタ25,26からオン信号が出力される。逆に、回転板23が初期姿勢から反時計方向へ回転すると、短尺な遮光壁37aは一方のフォトインタラプタ25の光路から外れる位置へ移動し、長尺な遮光壁37bは他方のフォトインタラプタ26の光路内を移動し、これらによって一方のフォトインタラプタ25からオン信号が出力されるとともに他方のフォトインタラプタ26からオフ信号が出力される。
図3に示すように、回転板23には、透孔33の後方において両開きの引き戸状に動作可能に1対の第1扉部材40および第2扉部材41が設けられている。これら第1扉部材40と第2扉部材41は扉を模した可動体である。これら第1扉部材40および第2扉部材41は、図4に示すように、回転板23の裏面側に位置する。また、回転板23には、第1扉部材40の駆動手段を構成している第1モータ42および第1スクリューシャフト43等と、第2扉部材41の駆動手段を構成している第2モータ44および第2スクリューシャフト45等とが取り付けられている。つまり、回転板23は、可動体である第1扉部材40および第2扉部材41と、これら第1扉部材40および第2扉部材41のそれぞれの駆動手段とが取り付けられたベース部材である。
図19に示すように、第1モータ42と第2モータ44は互いの出力軸が同軸上に位置するよう左右方向に並び、互いの反出力軸側の端部を向かい合わせて、回転板23の回転中心Oを通る垂線Lを対称軸として左右方向に線対称を成して位置する。第1スクリューシャフト43と第2スクリューシャフト45は、図示してないが装飾カバー38の透孔39の下辺に平行に配置されているとともに、図19,図20を参照して分かるように垂線Lに直交する同一平面上で前後方向へ位置ずれしている。第1スクリューシャフト43が第2スクリューシャフト42よりも前方に位置する。第1スクリューシャフト43の右側部分と第2スクリューシャフト45の左側部分とは前後方向にオーバーラップしている。
第1モータ42のモータケース42aと第2モータ44のモータケース44aは、第1スクリューシャフト43と第2スクリューシャフト45とがオーバーラップしている左右方向の範囲内に位置し、かつ、第1スクリューシャフト43と第2スクリューシャフト45とが位置する前後方向の範囲内に位置する。つまり、第1スクリューシャフト43は第1モータ42の出力軸側から第2モータ44側(左側)に向かって延出しており、第2スクリューシャフト45は第2モータ44の出力軸から第1モータ42側(右側)に向かって延出している。
第1モータ42の出力軸にはピニオン46が固着されており、第1スクリューシャフト43の右端部にはピニオン48が固着されている。これらピニオン46,48が中継ギア49を介して伝動可能に接続されていることにより、第1モータ42の回転が第1スクリューシャフト43に伝達されるようになっている。第2モータ44の出力軸にはピニオン47が固着されており、第2スクリューシャフト45の左端部にはピニオン50が固着されている。これらピニオン47,50が中継ギア51を介して伝動可能に接続されていることにより、第2モータ44の回転が第2スクリューシャフト45に伝達されるようになっている。
第1扉部材40の下端部にはガイド筒体52が取り付けられており、このガイド筒体52は第1スクリューシャフト43に嵌挿されている。ガイド筒体52の内周面には第1スクリューシャフト43の螺旋状溝と係合する突部(図示してない)が形成されている。第1モータ42の回転に伴って第1扉部材40は第1スクリューシャフト43の軸線方向(X1−X2方向)へ往復移動する。
また、図7に示すように、小径部23aと透孔33の間の位置にはガイド孔23gが形成されており、これらガイド孔23gは透孔33の上辺に沿って左右方向へ延びている。図21等に示すように、第1扉部材40の上端部には、L字状に折り曲げられた、すなわち、後方に突出してその先端が上方に折れ曲がった突起40aが一体形成されており、この突起40aは回転板23に形成された一方のガイド孔23gの上縁の前面に摺動可能に係合している(図6参照)。つまり、第1扉部材40の上端部の後方向への移動が突起40aにより規制されつつ、同上端部の左右方向の移動が一方のガイド孔23gにより許容されている。
同様に、第2扉部材41の下端部にはガイド筒体54が取り付けられており、このガイド筒体54は第2スクリューシャフト45に嵌挿されている。ガイド筒体54の内周面には第2スクリューシャフト45の螺旋状溝と係合する突部(図示してない)が形成されている。つまり、第2モータ44の回転に伴って第2扉部材41は第2スクリューシャフト45の軸線方向(X1−X2方向)へ往復移動する。
また、第2扉部材41の上端部には第1扉部材40の突起40aと同様に、L字状に折り曲げられた突起41aが一体形成されており、この突起40aは回転板23に形成された他方のガイド孔23gの上縁の前面に摺動可能に係合している。つまり、第2扉部材41の上端部の後方向への移動が突起41aにより規制されつつ、同上端部の左右方向の移動が他方のガイド孔23gにより許容されている。
回転板23が初期姿勢を成した状態において、図19,図21に示すように第1扉部材40と第2扉部材41が最も離隔した退避位置に位置するとき、第1扉部材40および第2扉部材41は、装飾カバー38の透孔39を全開状態にする。この全開状態で第1モータ42と第2モータ44が同期して一方向に回転すると、図22に示すように、第1扉部材40が第1スクリューシャフト43の軸線に沿って矢印X1方向へ移動するとともに、第2扉部材41が第2スクリューシャフト45の軸線に沿って矢印X2方向へ移動し、第1扉部材40と第2扉部材41の間隔が次第に狭まっていく。さらに第1モータ42と第2モータ44の回転が継続すると、図23に示すように、第1扉部材40と第2扉部材41が互いの対向面を当接させた位置まで移動する。このとき、図3に示すように、装飾カバー38の透孔39の中央部を含む大部分が第1扉部材40と第2扉部材41によって遮蔽された状態となる。
図6に示すように、回転板23の前面と装飾カバー38の背面との間には、枠部38aにより空間S2が形成されている。図7に示すように、回転板23の透孔33の下方には、前後方向に貫通した矩形状の第1挿入孔72および第2挿入孔73が左右に並んで形成されている。図4,図7を参照して分かるように、第1挿入孔72内には第1モータ42が位置し、第2挿入孔73内には第2モータ44が位置する。図24に示すように、第1モータ42は回転板23の裏側から、モータケース42aを略半分だけ第1挿入孔72に挿入されている。第2モータ44は回転板23の裏側から、モータケース44aを略半分だけ第2挿入孔73に挿入されている。第1スクリューシャフト43および第2スクリューシャフト45のうち前側の第1スクリューシャフト43は空間S2内に位置し、後側の第2スクリューシャフト45は回転板23の後方に位置する。第1モータ42の出力軸に固定されたピニオン46の径方向の略半分、第1スクリューシャフト43に固定されたピニオン48の全体、中継ギア49の全体も、空間S2内に収容されている。つまり、空間S2に、第1扉部材40および第2扉部材41のそれぞれの駆動手段の少なくとも一部が収容されている。なお、図24における回転板23はリブを省略して描いたものである。
第1モータ42、第1スクリューシャフト43、ピニオン46,48および中継ギア49は、ブラケット70を介して回転板23に取り付けられている。第2モータ44、第2スクリューシャフト45、ピニオン47,50および中継ギア51は、ブラケット71を介して回転板23に取り付けられている。
図3に示すように、回転板23よりも右方に位置するケース22の背板部22bの個所には、ケーブルガイド31がネジ止め等によって固定されている。このケーブルガイド31には、図示してない回路基板が収容されている。この回路基板は、遊技盤3の裏面側に設けられた図示してない制御基板に電気的に接続されている。回路基板にはフラットケーブル32の一端部が電気的に接続されており、ケーブルガイド31に形成された図示してない導出口から導出されている。回転板23の外周部にはコネクタ58が取り付けられており、このコネクタ58にフラットケーブル32の他端が電気的に接続されている。コネクタ58は、回転板23に設けられた図示してない回路基板および電気ケーブルを介して、回転板23に搭載された第1モータ42、第2モータ44に対して電気的に接続されている。つまり、制御基板から第1モータ42、第2モータ44への制御信号がフラットケーブル32を介して伝送されるようになっている。
ケーブルガイド31の回転板23側の面と回転板23の外周縁との間には弧状空間S3が形成されている。フラットケーブル32はその弧状空間S3内に、垂線Lに直交する方向とフラットケーブル32の幅方向が一致した状態で、また、U字状の反転部32aを有した状態で配されている。反転部32aは、フラットケーブル32がケーブルガイド31から下方向に導出された後に、上方向に湾曲して形成されたものである。反転部32aは、回転板23の初期姿勢からの時計方向に45°回転したとき、図10に示す位置まで移動し、逆に、反時計方向に45°回転したときには図11に示す位置まで移動する。
第1扉部材40および第2扉部材41の電飾のための構成について第1扉部材40を例に挙げて説明する。
図25と図27を参照して分かるように、第1扉部材40は、この第1扉部材40の前面を形成している前板部201を有する装飾ケース200と、前板部201の後方に配され装飾ケース200に取り付けられた回路基板202と、前板部201と回路基板202との間隔を保持するスペーサ203とを備えている。
図28に示すように、可動体回路基板202には前方に向かって発光する多数の発光素子(LED)が取り付けられている。具体的には、回路基板202の右側(図28の右下側)の縁部中央から左下方向に直線状に並んだ7個の発光素子(LED)から成る発光素子列221と、同縁部中央から左上方向に並んだ7個の発光素子(LED)から成る発光素子列231と、右側の縁部に沿って直線状に並んで取り付けられた17個の発光素子(LED)から成る発光素子列241とが設けられている。また、十字状に配列された5個の発光素子から成る発光素子群250が、回路基板202の上部の2個所、中央部、下部の2個所に設けられている。
図29に示すように、スペーサ203は装飾ケース200の前板部201と回路基板202との間に、発光素子列221、発光素子列231、発光素子列241、発光素子群250を配する間隔を保持するものである。このスペーサ203には、発光素子列221を構成する発光素子が配される切欠き203aまたは丸孔203cと、発光素子列231を構成する発光素子が配される切欠き203bまたは丸孔203dと、発光素子群250が配される丸孔203eが形成されている。発光素子列241はスペーサ203の右側方に配される。
図30に示すように、装飾ケース200の前板部201には、発光素子列221に対向して位置し発光素子列221の光を前方に導く下側傾斜導光部222と、発光素子列231に対向して位置し発光素子列231の光を前方に導く上側傾斜導光部232と、発光素子列241の中央の発光素子に対向して位置し発光素子列241の中央の光を前方に導く中央導光部243と、同じく発光素子列241の中央よりも上側部分に対向して位置し発光素子列241の上側の光を前方に導く上側縦導光部242と、同じく発光素子列241の中央よりも下側部分に対向して位置し発光素子列241の下側の光を前方に導く下側縦導光部244とが設けられている。これら下側傾斜導光部222、上側傾斜導光部232、上側縦導光部242、中央導光部243、下側縦導光部244を除く装飾ケース200の前板部201の領域には、光がぼやけて前方に透過するよう微細な斑のある塗装が施されている。
第2扉部材41の電飾のための構成も第1扉部材40と同様に構成されている。ただし、第2扉部材41において、第1扉部材40の発光素子列221、下側傾斜導光部222、発光素子列231、上側傾斜導光部232、発光素子列241、上側縦導光部242、中央導光部243、下側縦導光部244のそれぞれに相当するものらは、第1扉部材40におけるそれらと略左右対称に位置するよう設けられている。
第1扉部材40の発光素子列221と下側傾斜導光部222は、図31に黒く塗り潰して示すように、第1扉部材40の前面から前方に向かって発光する線状の可動発光部としての第1小発光部301を構成している。第2扉部材41において第1扉部材40の発光素子列231および上側傾斜導光部232に相当するものらは、第2扉部材41の前面から前方に向かって発光する線状の可動発光部としての第2小発光部401を構成している。これら第1小発光部301と第2小発光部401は、図32に示すように、第1扉部材40と第2扉部材41の当接状態において線状に並び、全体として第1扉部材40の左下縁部から第2扉部材41の右上縁部に亘って延びた線状を成すよう配されている。
第1扉部材40の発光素子列231と上側傾斜導光部232は、図33に黒く塗り潰して示すように、第1扉部材40の前面から前方に向かって発光する線状の可動発光部としての、前出の第1小発光部301とは別の第1小発光部302を構成している。第2扉部材41において第1扉部材40の発光素子列221および下側傾斜導光部222に相当するものらは、第2扉部材41の前面から前方に向かって発光する線状の可動発光部としての、前出の第2小発光部401とは別の第2小発光部402を構成している。これら第1小発光部302と第2小発光部402は、図34に示すように、第1扉部材40と第2扉部材41の当接状態において線状に並び、全体として第1扉部材40の左上縁部から第2扉部材41の右下縁部に亘って延びた線状を成すよう配されている。
第1扉部材40の発光素子列241、上側縦導光部242、中央導光部243および下側縦導光部244は、図35に黒く塗り潰して示すように、第1扉部材40の第2扉部材41側の縁部に沿って位置する第1縁発光部303を構成している。この第1縁発光部303も、第1扉部材40の前面から前方に向かって発光する線状の可動発光部である。第2扉部材41において第1扉部材40の発光素子列241、上側縦導光部242、中央導光部243および下側縦導光部244に相当するものらは、第2扉部材41の第1扉部材40側の縁部に沿って位置する第2縁発光部403を構成している。この第2縁発光部403も、第2扉部材41の前面から前方に向かって発光する線状の可動発光部である。これら第1縁発光部303と第2縁発光部403は、図36に示すように、第1扉部材40と第2扉部材41の当接状態において近接して並列するよう配されている。
図2に示すように、遊技盤3の前面には、前方に向かって発光する固定発光部501〜509が設けられている。これら固定発光部501〜509は同様の構成であり、例えば固定発光部508は、装飾ユニット10の開口部10aの縁部側から板部材3bに亘って線状に並んだ複数の発光素子(LED)から成る発光素子列600と、この発光素子列600を覆う複数の導光板601とから構成されている。導光板601は、装飾ユニット10または板部材3bに固着されている。板部材3bに対し導光板601は遊技球の流下の障害にならないよう埋設されている。これら固定発光部501〜509は、回転板23の回転中心O側から広がる放射状に設けられている。固定発光部501は垂線Lと平行な方向に延びており、固定発光部505は垂線Lに直交する方向に延びている。固定発光部501〜508は等角度間隔をあけて位置する。固定発光部508,509間の角度間隔は他の角度間隔の2倍に設定されている。
図4に示すように、第1扉部材40および第2扉部材41の上端部のそれぞれからは、フラットケーブル271,272のそれぞれが導出されている。フラットケーブル271は、このフラットケーブル271の幅方向が第1扉部材40の動作方向に略直交し、かつ左側(図4では右側)に膨らんだU字状の反転部271aを有した状態で、電源に間接的に接続された電気部品であるコネクタ274aに電気的に接続されている。コネクタ274aは回転板23に固定された回路基板274に設けられおり、第1扉部材40はコネクタ274aに対し移動可能である。フラットケーブル272は、このフラットケーブル272の幅方向が第2扉部材41の動作方向に略直交し、かつ右側(図4では左側)に膨らんだU字状の反転部272aを有した状態で、コネクタ274bに電気的に接続されている。このコネクタ274bも回路基板274に設けられたものである。回路基板274は、前出のフラットケーブル32およびコネクタ58等を介して前出の制御基板に電気的に接続されている。
フラットケーブル271の装飾ケース200側における配線構造について次に説明する。
図25に示すように、装飾ケース200の上部には前板部201の縁部から後方に突出して形成された壁部200aを有する。この壁部200aの右側には、切欠き状の導出部200bが設けられている。フラットケーブル271は、装飾ケース200の内部からその導出部200bを通じて装飾ケース200の上方に導出され、回路基板274上のコネクタ274aに接続されている。
図37に示すように、回路基板202と装飾ケース200の前板部201との間隔内にはコネクタ202aが配されている。このコネクタ202aは回路基板202の前面(図37の下側の面)に取り付けられており、発光素子列221,231,241および発光素子群250のそれぞれを構成する発光素子のすべてに電気的に接続されている。図38に示すように、コネクタ202aに対しフラットケーブル271の端部は、このフラットケーブル271の幅方向が装飾ケース200の前板部201に平行な状態で電気的に接続されている。スペーサ203は前出の壁部200aに対向して位置する端部203fを有し、これら壁部200aおよび端部203fによりフラットケーブル271を挟持する挟持部275が構成されている。この挟持部275には、回路基板274とコネクタ202aとの間に位置するフラットケーブル271の中間部が配される。
図39において、271cは挟持部275よりもコネクタ202a側のフラットケーブル271の部分であり、271dは挟持部275よりも反転部271a側のフラットケーブル271の部分である。フラットケーブル271の中間部には、略直角(矢印M方向)に折り返された部分である折返し部271bが設けられ、この折返し部271bが挟持部275に配されることによって、フラットケーブル271はこのフラットケーブル271の幅方向が前板部201に略直交する状態で、すなわち、第1扉部材40の動作方向に略直交する状態で、導出部200bから装飾ケース200の外部に導出されている。
図40に示すように、スペーサ203には、回路基板202側の面から装飾ケース200の前板部201の面に貫通した通し孔276が形成されている。さらに、その通し孔276よりも上方で前板部201に対向するスペーサ203の前面の個所には、保持溝277が形成されている。図41に示すように、前板部201には保持溝277に挿入される突出部278が形成されている。回路基板202と前板部201との間に位置するフラットケーブル271の個所は、通し孔276および保持溝277に挿通された状態に配線されている。これら通し孔276は、挟持部275とコネクタ202aの間の位置するフラットケーブル271の幅方向(左右方向)の移動を規制する位置決め部である。また、保持溝277と突出部278はフラットケーブル271を挟持する、前出の挟持部275とは別の挟持部を構成している。
第1扉部材40側のフラットケーブル271の配線構造と同様の配線構造によりフラットケーブル272も第2扉部材41に対して配線されている。
本実施形態に係る可動役物装置13、第1小発光部301,302、第2小発光部401,402、第1縁発光部303、第2縁発光部403、固定発光部501〜509の制御に係る構成について図42を用いて説明する。
前出の第1始動入賞口16には、遊技球の入賞に伴い検知信号(電気信号)を出力する第1始動入賞口検知センサ100が設けられている。また、前出の第2始動入賞口17には、遊技球の入賞に伴い検知信号(電気信号)を検知する第2始動入賞口検知センサ101が設けられている。これら第1始動入賞口検知センサ100および第2始動入賞口検知センサ101のそれぞれにより出力された検知信号は、主制御装置102に入力されるようになっている。
主制御装置102は前出の図示してない制御基板に設けられている。この主制御装置102は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムおよびデータを格納するROM(Read Only Memory)、CPUにより生成された処理情報の一時記憶および記憶した処理情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等を備え、ROMに記憶された制御プログラムおよびデータにより、パチンコ遊技に関する処理を実行するものである。この主制御装置102は、ROMに格納された制御プログラムおよびデータにより、前出の特別図柄表示の電子抽選を行うよう、また、前出の普通図柄表示の電子抽選を行うよう設定されている以外に、特別図柄表示の電子抽選のために抽出された特別図柄用乱数の情報を、役物制御装置103に与えるようにも設定されている。
役物制御装置103は、遊技盤3の裏側において前出の制御基板とは異なる制御基板に設けられたものである。この役物制御装置103はCPU、ROM、RAM等を備え、ROMに記憶された制御プログラムおよびデータにより、回転駆動モータ29、第1モータ42、第2モータ44、第1小発光部301,302、第1縁発光部303、第2小発光部401,402、第2縁発光部403、固定発光部501〜509の制御に係る処理を、主制御装置102からの特別図柄用乱数の情報、および、前出のフォトインタラプタ25,26のオン/オフ状態に基づいて実行するものである。この役物制御装置103は、ROMに記憶された制御プログラムおよびデータにより設定された手段として、可動役物装置13、第1小発光部301,302、第1縁発光部303、第2小発光部401,402、第1縁発光部303、第2縁発光部403、固定発光部501〜509による演出パターンを抽選する演出パターン抽選手段104を有する。この演出パターン抽選手段104は、回転駆動モータ29、第1モータ42、第2モータ44、発光素子列221,231,241のそれぞれの制御パターンの組合せに対応付けられた数値を役物制御装置103のROMに予め記憶しており、主制御装置102から与えられた特別図柄用乱数の情報と、その数値を照合して合致するものがあった場合に、その合致した数値に対応する制御パターンで回転駆動モータ29、第1モータ42、第2モータ44、発光素子列221,231,241の制御を行う。
回転駆動モータ29の制御は、フォトインタラプタ25,26からのオン信号の有無と、回転駆動モータ29の制御信号のパルス数に基づいて行われる。回転板23の動作パターンとしては、例えば、回転板23が初期姿勢から時計方向に45°回転した後、反時計方向に回転して初期姿勢に戻る動作パターンや、これとは逆に初期姿勢から反時計方向に45°回転した後、時計方向に回転して初期姿勢に戻ったりする動作パターン、さらに、時計方向45°傾斜した姿勢と反時計方向45°傾斜した姿勢とに繰り返し姿勢を変化させる動作パターンなどがある。
第1モータ42および第2モータ44のそれぞれの制御は、制御信号のパルス数に基づいて行われる。第1扉部材40および第2扉部材41の動作パターンとしては、例えば、第1扉部材40と第2扉部材41とがいずれも退避位置(図21に示す)から互いに近接する方向に同期して移動し、第1扉部材40と第2扉部材41が互いに当接した状態(図23に示す状態)で一時停止した後、互いに同期して退避位置に戻る動作パターン、第1扉部材40および第2扉部材41の一方のみが退避位置から図23に示す位置まで移動して一時停止した後に退避位置に戻る動作パターン、第1扉部材40と第2扉部材41が図23に示すように当接して一時停止した後、第1扉部材40および第2扉部材41の一方が先に退避位置に戻る動作パターン、第1扉部材40と第2扉部材41の両方が装飾カバー38の透孔39を通じて見える位置で離隔した半開状態で一時停止した後、すなわち表示部14の画面のうち中央部のみが見える状態を一時的に維持した後、当接または退避する動作パターンなどがある。
役物制御装置103は、遊技演出の際、回転板23の動作パターンと、第1扉部材40および第2扉部材41の動作パターンとが組み合わさった動作を可動役物装置13に行わせる。
また、役物制御装置103は、回転板23の回転角度が所定角度になり、かつ第1扉部材40および第2扉部材41の少なくとも一方が回転板23の所定位置に位置するときに、第1小発光部301、第2小発光部401、第1小発光部302、第2小発光部402、第1縁発光部303、第2縁発光部403のいずれかと、固定発光部501〜509のいずれかとが線状に並んで発光した状態になるよう第1小発光部301、第2小発光部401、第1小発光部302、第2小発光部402、第1縁発光部303、第2縁発光部403、固定発光部501〜509の制御を行う。
例えば図43に示すように、回転板23を初期姿勢にし、かつ第1扉部材40と第2扉部材41を当接状態にすることによって、第1縁発光部303および第2縁発光部403と固定発光部501とを線状に並ばせ発光させる。図43において第1縁発光部303、第2縁発光部403および固定発光部501の発光状態を黒く塗り潰して示してある。また例えば図44に示すように、回転板23を初期姿勢から時計方向に45°回転させ、かつ第1扉部材40と第2扉部材41を当接状態にすることによって、第1小発光部301、第2小発光部401、固定発光部505を線状に並ばせ発光させる。また例えば図45に示すように、回転板23を初期姿勢から反時計方向に45°回転させ、かつ第1扉部材40と第2扉部材41を当接状態にすることによって、第1小発光部302、第2小発光部402、固定発光部505を線状に並ばせ発光させる。また例えば図46に示すように、回転板23を初期姿勢にし、かつ第1扉部材40と第2扉部材41を当接状態にすることによって、第1縁発光部303、第2縁発光部および固定発光部501を線状に並ばせ、かつ第1小発光部301、第2小発光部401および固定発光部507を線状に並ばせ、かつ第1小発光部302、第2小発光部402および固定発光部503を線状に並ばせ、第1縁発光部303、第2縁発光部、固定発光部501、第1小発光部301、第2小発光部401、固定発光部507、第1小発光部302、第2小発光部402、固定発光部503を発光させる。また例えば、図示しないが、図46に示す状態から固定発光部501、第1縁発光部303、第2縁発光部403を消灯した状態、すなわち当接状態の第1扉部材40と第2扉部材41の前面をX形状に発光させるとともに、固定発光部503,507のそれぞれの発光によってX形状の左側部分が左上方向および左下方向に延長された状態にしてもよい。
図43〜図46は、第1扉部材40と第2扉部材41が当接状態である場合の例であったが、第1扉部材40のみが当接状態と同位置にある状態で、第1小発光部301と固定発光部505〜507のいずれか1とが線状に並んで発光した状態、第1小発光部302と固定発光部501〜505のいずれか1と線状に並んで発光した状態、第1縁発光部303と固定発光部501〜503のいずれか1または507〜509のいずれか1とが線状に並んで発光した状態としてもよい。また、これと同様の制御を第2扉部材41のみが当接状態と同位置にある場合に行ってもよい。
なお、通常の遊技状態では、回転板23が初期姿勢に保持され、かつ第1扉部材40と第2扉部材41は退避位置に保持され、第1小発光部301,302、第1縁発光部303、第2小発光部401,402、第2縁発光部403、固定発光部501〜509はいずれも消灯された状態、つまり、図2に示す状態に制御される。
本実施形態に係る遊技機Pによれば次の効果を得られる。
本実施形態に係る遊技機Pにおいて、フラットケーブル271の配線構造は挟持部275を有し、この挟持部275がフラットケーブル271の中間部を挟持することによって、第1扉部材40(可動体)の動作がコネクタ202a側のフラットケーブル271の端部に伝達することを抑えることができる。その挟持部275は装飾ケース200の壁部200aとスペーサ203の端部203fにより構成されているので、第1扉部材40の周囲のスペースや第1扉部材40内部のスペースを犠牲にすることなく、フラットケーブル271のコネクタ202a側の端部への第1扉部材40の動作の伝達を抑えることができる。
本実施形態に係る遊技機Pにおいて、回路基板202と回路基板274とを接続するケーブルはフラットケーブル271であり、このフラットケーブル271の幅方向は第1扉部材40の外部において前板部201に略直交する状態で、すなわち第1扉部材40の動作方向に略直交する状態で、装飾ケース200の外部に導出されている。これにより、第1扉部材40の動作に伴うフラットケーブル271の変形の方向を、第1扉部材40の動作方向に規制することができる。
本実施形態に係る遊技機Pにおいて、フラットケーブル271の配線構造はフラットケーブル271の折返し部271aを挟持部275に配するものであるので、フラットケーブル271の弾性により折返し部271bが展開すること、すなわちフラットケーブル271の部分271dが図39の矢印M方向とは逆方向に復元することを阻止することができる。
本実施形態に係る遊技機Pにおいて、フラットケーブル271の配線構造は通し孔276と保持溝277とを有し、フラットケーブル271は通し孔276通じてスペーサ203の前面側に導出された状態で保持溝277に配されている。これにより、スペーサ203および回路基板202を装飾ケース200に嵌め入れる際、フラットケーブル271の左右方向の位置ずれを防止でき、壁部200aとスペーサ203の端部203fとの間に折返し部271bを配しやすくすることができる。
第2扉部材41側のフラットケーブル272についても、第1扉部材40側のフラットケーブル272と同様の効果を得られる。