JP5818328B2 - 荷上ロープ用落下防止装置及びこの落下防止装置を用いた巻揚装置 - Google Patents

荷上ロープ用落下防止装置及びこの落下防止装置を用いた巻揚装置 Download PDF

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Description

低所と高所間で荷上ロープを用いて、工具や器材等の吊り荷の上下操作を行う作業員の安全性を考慮した落下防止装置及びこの落下防止装置を用いた巻揚装置に関する。
送配電用鉄塔等の工事に際しては、鉄塔に作業者が昇り、碍子等の器材の取外し取付けの作業を行なうのが一般的である。工事の規模にもよるが、その際の器材、工具等の吊り上げ、吊り下げ作業は、鉄塔に荷上ロープを掛けた滑車を取り付けて、人力により行うのが一般的である。以前より、この荷物の吊り上げ、吊り下ろしの作業を行う場合には、吊り荷の上下操作の作業を補助し、器材の墜落破損防止及び作業員の安全性の確保を図るために落下防止装置を備えた手動巻揚装置が用いられている。また、このための各種の落下防止装置を備えた手動巻揚装置が提案されている。
例えば、特許文献1には、枠体にロープを掛ける滑車とロープを挿通するロープ保持体を設けたロープ緊張装置が記載されている。図5はこのロープ緊張装置を用いて荷物の吊り上げ作業を行う場合の説明図であり、図6はこのロープ緊張装置の一部を破断して示す詳細説明図である。
ロープ保持体31は固定リンク16にロープ止爪8を有する回動リンク15が枢着され、回動リンク15はバネ32によりロープ止爪8がロープ11を圧接する方向に付勢されている。また、この固定リンク16の両端のリンク取付け部17がケーシング3に枢着されているが、2箇所の節が一体のケーシング3に取り付けられているので、この固定リンク16とケーシング3との間の自由度はない。
この構造により、ロープ11が緊張する方向にはロープ11が動作できるが、逆方向へはブレーキが掛かり動作できないので、ロープ緊張装置30を高所に設置して、荷物13を吊り下げると、荷物13を上昇させる方向には動作するが、落下方向には動作しないので、安全に荷物13の吊り上げ作業ができる。荷物13を吊り下ろす等で、逆方向に動作させる必要がある場合には、ロープ保持体31を手で握って、バネ32に逆らう方向に回動リンク15を回動させて、ロープ止爪8の制動を開放する。
また、特許文献2には、ブレーキレバーに操作杵を設置し、これを操作することでブレーキを開放する機構では、作動が急で急速落下などの危険があり、過敏抑制のための間欠緩め動作には熟練が必要で取り扱いが難しいとの問題点の指摘があり、制動が自動方式であり、ブレーキの開放は無負荷側ロープの動かし方だけで操作でき、自在な降下速度の達成と中途停止が容易であるとする落下防止装置付きの手動巻揚装置が記載されている。
この落下防止装置付きの手動巻揚装置は、滑車とこの滑車の斜め上方位の取付け枠に枢支された梃子杵からなり、梃子杵の先端にはロープの遊通する受動部と滑車面に掛けた無負荷側ロープの上部をブレーキ制動する圧接部材が備設されている。梃子杵の短杵端側を上フック取付け部とした枢着取付けによる圧接もしくは、圧着バネによる圧接により圧接部材がロープに押し付けられ、ブレーキ制動がなされる。
無負荷側ロープを引くと、受動部を通じて梃子杵のブレーキが緩むので、無負荷側ロープを緊張させた状態で操作することにより、吊り荷を上下させることができる。無負荷側ロープを緩めると、ブレーキが作動するので、吊り荷の落下防止がなされる。
特許文献3も特許文献2と類似しているが、ブレーキ機構の配置が異なり、ロープへの逆止爪を逆止レバーの先端に備え、逆止レバーの中間部を鉄塔等の高所への取付け部とし、この逆止レバーが滑車を取付けた枠体に枢着されており、滑車と吊り荷の荷重により負荷側ロープに逆止爪が作用する構造となっている。また、無負荷側ロープで制動を操作する他に、逆止レバーを操作する補助ロープを用いることもできる旨が記載されている。
実開昭51−8699号公報 特開昭58−152796号公報 特開昭64−87497号公報
特許文献1〜3にも例示されるように、以前から、落下防止装置を備えた手動巻揚装置が使用されている。しかしながら、これらの手動巻揚装置は、鉄塔の高所に設置する必要があり、作業の都度、結構重量のある手動巻揚装置を抱えて高所に昇り、設置する作業が必要であった。さらに、荷物の吊り上げ及び吊り下ろし作業を行う場合に、手動巻揚装置におけるロープの手繰り作業のような力作業は、高所ではなく地上で行うことが望ましい。また、地上で作業する場合には、上下作業となるため、地上作業員には落下物等の危険性がある。この落下物等の危険を避けるためには、地上作業員が吊り荷の直下から離れた場所で操作できることが望ましい。
特許文献1の技術の場合は、手動巻揚装置を高所に設置し、引き側のロープを操作して荷物の吊り上げ作業を行う。荷物の吊り下ろし作業の場合には、高所の手動巻揚装置に内蔵されたロープ保持体のブレーキを解除する作業を行う。
ただし、このようなブレーキの解除を行いながらの荷物の吊り下ろし作業の場合には、器材の墜落破損防止及び作業員の安全性確保のために、複数の作業員の協調作業が必要であり煩雑となる。よって、鉄塔での工事のように荷物の吊り上げ作業及び吊り下ろし作業の両方の作業を伴う場合には、この技術は採用し難い。
特許文献2、3の技術の場合は、手動巻揚装置を高所に設置し、引き側ロープを操作して荷物の吊り上げ、吊り下ろしの両方の作業が可能である。
しかしながら、これらの手動巻揚装置は、鉄塔の高所に設置する必要があり、作業の都度、結構重量のある手動巻揚装置を抱えて昇り、設置する作業が必要であった。また、荷物の吊り上げ、吊り下ろしを行う場合に、手動巻揚作業における力仕事は、高所ではなく地上で行うことが望ましいが、さらに、上下作業における落下物の危険を避けるために、地上作業員は吊り荷の直下から離れた場所で操作できることが望ましい。
即ち、本発明の課題は、高所と低所間の荷物の吊り上げ作業及び吊り下ろし作業の操作を地上で行うことが可能な、作業性と安全性に富む荷上ロープ用落下防止装置及び巻揚装置を提供することにある。
本発明は、巻揚装置として使用する場合に、低所側に設置することができる、荷物の落下防止機能付きの荷上ロープ用落下防止装置及びこの落下防止装置を用いた巻揚装置である。
第1の発明は,荷物の吊り上げ、吊り下ろしを行うための巻揚装置に用いられる荷上ロープ用落下防止装置であって、前記落下防止装置は台座と補助ドラムとストッパーからなり、前記台座は前記補助ドラムの傾きを調節するための調節ボルトを備え、前記補助ドラムはケーシングと、該ケーシングと一体化したヒンジと、該ケーシングに取付けられた滑車とローラとからなり、前記ストッパーは4節リンクを構成する、固定リンクと、固定リンクに枢着され先端に止爪を有する2個の回動リンクと、この2個の回動リンクに枢着された荷上ロープを挿通するためのロープ保持部とからなり、前記補助ドラムは前記ヒンジで前記台座に枢着され、前記ストッパーは前記止爪が前記ロープ保持部の内部断面積を狭める方向に移動するときに前記4節リンクの内角が鋭角となる側の前記固定リンクの枢着軸をリンク取付け部として、前記ケーシングの前記滑車と前記ヒンジを挟んで、前記ローラと反対側に枢着されたことを特徴とする荷上ロープ用落下防止装置である。
第2の発明は,前記ロープ保持部と前記ケーシングに荷上ロープを挿通するための開閉機構を設けたことを特徴とする第1の発明に記載の荷上ロープ用落下防止装置である。
第3の発明は,第1の発明又は第2の発明に記載の荷上ロープ用落下防止装置を用いた巻揚げ装置である。
本発明の荷上ロープ用の落下防止装置及び巻揚装置を用いる場合は、軽荷重から許容される最大荷重までの使用荷重範囲における、荷物の吊り上げ作業及び吊り下ろし作業を荷上ロープの操作によって行うことができる。しかも、本発明の荷上ロープ用の落下防止装置を用いることにより、所定の荷重以上の荷物の場合には、荷物の吊り上げ作業及び吊り下ろし作業時に、荷上ロープを開放すると荷物の落下防止機能が発揮されるので、器材の墜落破損防止及び作業員の安全性確保が可能である。
また、本発明の荷上ロープ用の落下防止装置を低所側に設けても、吊り荷の直下から離れた場所で、荷上ロープを操作することができるので、上下作業となるのを避けることができる。従って、本発明は、労力を要する荷上ロープの手繰り作業を、低所の安全な場所で、荷物の落下防止機能を利用しながら行うことができるので、作業安全性に優れている。
また、本発明の荷上ロープ用の落下防止装置及び巻揚装置は既存のブレーキ付の手動巻揚装置と比較して、大きさ・重量ともに同等以下とすることも可能であり、しかも低所側に設置して荷物の吊り上げ作業及び吊り下ろし作業ができるので、高所に重量のある手動巻揚装置を運びあげなくとも良い。しかも、落下防止装置は鉄塔地際にボルト穴があれば簡単に取付け可能なので、取付け時の作業性が良好である。さらに、落下防止装置に荷上ロープをセットするための開閉口を設けておくと、より作業性が向上する。
本発明の手動巻揚装置の断面を示す説明図である。 本発明の落下防止装置の断面を示す説明図である。 本発明のストッパーの説明図である。 本発明の開閉装置の説明図である。 従来の手動巻揚装置の説明図である。 従来のロープ緊縮装置の一部を破断して示す説明図である。
本発明は、高所側に滑車を設け、低所側に制動装置付の落下防止装置を設けて、人力等により、吊り荷を上げ下げする巻揚装置に関する技術である。図1に本発明の落下防止装置を用いた手動巻揚装置の例を示す。図3に本発明のストッパーの詳細、図4に本発明の落下防止装置の開閉機構を示す。
図1に示すように、鉄塔等で荷物の吊り上げ作業及び吊り下ろし作業を行う場合、鉄塔の上方に滑車12を設置し、鉄塔の下部に落下防止装置1を取付ける。荷上ロープ11を滑車12にセットし、引き側の荷上ロープ11を、落下防止装置1のストッパー7を通し、補助ドラム2の滑車4とローラ5に掛けてセットする。荷重側の荷上ロープ11に荷物13を取り付け、作業員が落下防止装置1の先の引き側の荷上ロープ11を操作する。
先ず、高所に取り付ける滑車12は荷物13の荷重に見合ったものであれば、形式等は問わないが、高所に搬入しての取付け作業が必要なため、なるべく軽量の滑車が望ましい。
本発明の落下防止装置1は、台座9と、台座9に枢着された補助ドラム2と、補助ドラム2に枢着されたストッパー7とからなる。補助ドラム2はケーシング3と、ケーシング3と一体化したヒンジ6と、ケーシング3に取付けられた滑車4と、荷上ロープ11を引いた場合に補助ドラム2を起き上がらせるためのローラ5とからなり、台座9にヒンジ6で枢着されている。
補助ドラム2のケーシング3に取付けられた滑車4は、引き側の荷上ロープ11の操作方向を上下方向から横方向へと変更するためのもので、荷物の荷重に見合ったものであれば形式等は問わない。また、ローラ5はヒンジ6を支点として補助ドラム2を起き上がらせるために、滑車4よりも引き手側で、且つ、下方に配置され、さらに、荷物の吊り上げ、吊り下ろしのロープ11の操作時に抵抗とならないようにケーシング3に枢着されている。
本発明の補助ドラム2は、荷上ロープ11を滑車4及びローラ5とヒンジ6の間に通して使用する。図4に示すように、ケーシング3の一部が蝶番19とロック20等で開閉できるようにしておくと、ロープ11のセットが容易になり、作業性が向上する。
また、台座9には補助ドラム2の傾斜量を規制するための調節ボルト18と台座9を所定の箇所に固定するためのボルト穴が設けられている。台座9は鉄塔下脚のように、荷重に対して充分な耐力を有する箇所に固定する。鉄塔の下部の柱材にボルト穴が設けられている場合はそのボルト穴を利用して、取付けボルト10で固定すればよいが、ボルト穴がない場合は万力等の他の適切な手段を用いて台座9が動かないように固定する。
図3はストッパーの説明図である。また、図3中には、後述する実施例で使用した際の寸法も記入している。括弧内の数値が寸法を表し、単位はmmである。ストッパー7は固定リンク16と、固定リンク16に枢着され先端に止爪8を有する2個の回動リンク15と、この2個の回動リンク15に枢着された荷上ロープ11を挿通するためのロープ保持部14とからなり、ストッパー7は固定リンク16と回動リンク15の枢着軸の一箇所がリンク取付け部17として、ケーシング3に枢着されている。
このストッパー7は固定リンク16と回動リンク15とロープ保持部14により、4節リンクを構成しており、この4節リンクの節はストッパー7の自重で回転するように枢着されている。また、止爪8の先端がロープ保持部14の内部の断面積を狭める方向に、この4節リンクが回転した場合に、ロープ11に止爪8が食い込みブレーキが掛かる。このブレーキが掛かる際に4節リンクの構成する四角形の内角が鋭角となる箇所の固定リンク16と回動リンク15の枢着軸をリンク取付け部17としてケーシング3に枢着する。
また、ストッパー7はケーシング3の滑車4とヒンジ6を挟んでローラ5と反対側の位置に枢着する。
このストッパー7は市販されているロープの伸縮調節器とほぼ同じ構造であるが、市販のロープの伸縮調節器の場合は止爪8がロープ11に食い込む方向に付勢するバネ32が用いられているのに対し、本発明のストッパー7ではこのバネ32が用いられていない。従って、ストッパー7の自重と、ロープ11の張力等の影響を受けて、リンク取付け部17を枢軸として、本発明のストッパー7は自在に動くようになっている。
また、図3に示すストッパー7では止爪8が一方の回動リンク15の先端にのみ設けられているが、図6に示すロープ保持体31のように、止爪8を両方の回動リンク15の先端に設けても良い。
また、荷上ロープ11をストッパー7のロープ保持部14に挿通して使用する。図4に示すように、ロープ保持部14の一部が蝶番19とロック20等で開閉できるようにしておくと、ロープ11のセットが容易になり、作業性が向上する。
荷上ロープ11は、高所に設置した滑車12に掛け、引き側の荷上ロープ11が落下防止装置1のストッパー7を通してケーシング3内の滑車4とローラ5に掛け渡される。荷物13は滑車12の先の荷重側の荷上ロープ11に取付け、作業員は落下防止装置1のストッパー7側でない方の引き側の荷上ロープ11を操作する。
このような構成とすることで、作業員は、低所側の吊り荷の直下から充分離れた安全な箇所から引き側の荷上ロープ11を操作して、荷物13の上げ下げを行うことができる。
次に、本発明の手動巻揚装置の動作を説明する。図1は吊り上げ、吊り下げ動作時の落下防止装置、図2はブレーキが作動する状態の落下防止装置を示す。
先ず、図1のように、荷物13を荷重側の荷上ロープ11に取り付け、引き側の荷上ロープ11を引く。荷上ロープ11を引くと、ヒンジ6を軸に補助ドラム2が起き上がり、荷上ロープ11が緊張した状態でストッパー7が下がると、ストッパー7の回動リンク15が回動して止爪8が荷上ロープ11を把持しているのを開放するので、ブレーキが解除される。引き側の荷上ロープ11を引く場合は、荷上ロープ11と止爪8間に摩擦力が働いても、ストッパー2の止爪8は荷上ロープ11に食い込まない方向に動作するので、ブレーキは掛からない。
この引き側の荷上ロープ11の緊張を保ったままの状態では、ブレーキが解除された状態が保たれるので、この状態で引き側の荷上ロープ11を引けば、荷物13を吊り上げることができる。また、引き側の荷上ロープ11の緊張を保ったまま荷上ロープ11を送りだすと、荷物13を吊り下ろすことができる。ロープ11を送り出す場合は、荷上ロープ11と止爪8間に働く摩擦力はこの止爪8が荷上ロープ11に食い込む方向に働くのでブレーキが掛かるように動作するが、緩やかにロープ11を送り出す場合には、ブレーキを解除したままで荷物を吊り下ろす操作が可能である。
また、図2のように、荷物13を吊り上げた状態で、引き側の荷上ロープ11を徐々に緩めると、ヒンジ6を軸に補助ドラム2が自重で傾くが、荷物13の重量により荷上ロープ11に張力が掛かった状態であると、ストッパー7が上方に引かれる格好で元の位置に留まり、ストッパー7の回動リンク15が回動して止爪8が荷上ロープ11を圧迫してブレーキが掛かる。一旦圧迫されると、引き側の荷上ロープ11を引かない限り、止爪8と荷上ロープ11間の摩擦力が強まることで、さらに止爪8が荷上ロープ11を圧迫する力が強まるといった相乗効果により、ストッパー7が荷上ロープ11を強固に把持するブレーキの機能が発揮され、荷物13を所定の位置に吊り上げた状態で停止させることができる。
また、荷物13を吊り上げた状態で、引き側の荷上ロープ11を放すと、ヒンジ6を軸に補助ドラム2が自重で傾く。ストッパー7が荷上ロープ11の張力で上方に引かれて元の位置に留まるとブレーキが掛かるが、そうでなくとも、荷上ロープ11が荷物13により引かれて動くと、ストッパー7の止爪8と荷上ロープ11間に働く摩擦力により、止爪8が荷上ロープ11に食い込む方向に動作し、ストッパー7が荷上ロープ11を把持してブレーキが掛かり、一旦ブレーキが掛かると、ストッパー7が荷上ロープ11をより強固に把持する方向に動作する。従って、引き側の荷上ロープ11を開放した場合には、荷物13は若干の落下があっても、ブレーキが掛かって瞬時に停止する。
さらに、上記のように、補助ドラム2の姿勢が起き上がったままの状態を保つことにより、ブレーキが解除されるが、もし、補助ドラム2の姿勢が起き上がったままの状態を維持できない場合には、止爪8が荷上ロープ11を把持してしまうので、ブレーキを解除することができない。
補助ドラム2の姿勢が起き上がったままの状態を保つためには、荷上ロープ11にある程度の張力が働いている必要があるが、荷物13が軽量である(補助ドラム重量より軽い)場合には、補助ドラム2の起き上がり姿勢を維持できるだけのロープ張力が得られないため、ブレーキを解除することができないので、特に軽荷重の荷物13を吊り下ろしすることができなくなる。
しかしながら、本発明の落下防止装置1の場合は、台座9と調節ボルト18により、補助ドラム2の最大の傾斜量を規制している。
荷物13が軽い場合は、引き側の荷上ロープ11を引いても、補助ドラム2を起こすことができないが、補助ドラム2が最大傾斜の状態でも、荷上ロープ11の張力が小さいので、ストッパー7が持ち上げられずに下方に位置する。ストッパー7が下方に位置した状態では回動リンク15が下がって、止爪8が荷上ロープ11を圧迫していない状態なので、ブレーキが解除されており、荷上ロープ11を引くことで荷物13を吊り上げることができ、荷上ロープ11を送ることで荷物13を吊り下ろすことができる。
ただし、これはブレーキが解除された状態であり、荷上ロープ11を手放せば、荷物13は落下する。しかしながら、この状況は、例えば空の工具入れ袋といった軽荷重の荷物を想定した場合であり、荷物の吊り上げ及び吊り下ろしの作業にも大きな労力が不要なため、荷物の落下による器物の損壊や作業員の安全性の面での問題は小さく、作業性の面での優位性が大きい。
なお、このような状況においても、荷物の地面への落下衝突等の防止を図る必要がある場合には、ブレーキ解除状態は軽量の荷物の場合なので、引き側の荷上ロープ11にカウンターとなる重りを取り付けるとか、荷上ロープ側の所定の長さの箇所を鉄塔等の下脚柱等に係止するとかの、対策を施せばよい。
ある程度以上の荷重を持つ荷物13の場合には、補助ドラム2の傾斜量が規制されていても、荷物13の荷重によって働く荷上ロープ11の張力で、ストッパー7が上方に持ち上げられ、ストッパー7が持ち上げられることで、回動リンク15が上がって、止爪8が荷上ロープ11を圧迫しブレーキが機能する。ある程度以上の荷重の荷物の場合の動作は既に上述したとおりである。
本発明の手動巻揚装置の試作装置において、上記のある程度の荷重を2.5kgに調整することができた。この調整後の手動巻揚装置では、荷物の荷重が2.5kg以下ではストッパー7のブレーキ機能が働かないが、荷物の吊り上げ、吊り下ろしが可能であり、2.5kg以上ではストッパー7のブレーキ機能が働くと共に、荷物の吊り上げ、吊り下ろしが可能であった。
以上、図1に示す手動巻揚装置を主例として説明してきたが、例えば滑車4とローラ5の大小関係などは、ローラ5の直径のほうが滑車4の直径より大きくても、本発明の主要な動作が可能である。また必ずしも人力による手繰り作業とせずにウインチを利用することも可能であり、上記の説明により、その他のバリエーションも可能であって、本発明が必ずしも図1に限定されるものではないことは当業者であれば明白である。
工場内の試験鉄塔の高所、地上10mの位置に高所設置用の滑車12を取付け、この試験鉄塔の地面際の主脚柱に本発明の落下防止装置1を取付け、荷物の吊り上げ、吊り下ろしの試験を行った。
高所設置用の滑車12は径75mmφ×厚さ25mmのフック付の滑車を使用し、付属のフックを鉄塔の腹材に引っ掛けて設置した。また、荷上ロープ11は12mmφの麻ロープを用いた。
落下防止装置1は、補助ドラム2の滑車4の寸法を径100mmφ×厚さ25mm、ローラ5の寸法を径45mmφ×厚さ25mmとし、ヒンジ6と滑車4の軸間の寸法を160mm、滑車4とストッパー7の枢軸間の寸法を100mmとして、厚さ2mmの鉄板から切り出したケーシング3に枢着した。また、2枚のケーシング3は間に27mmのピンを挟んでボルトナットで締め付けて固定した。補助ドラム2の重量は2.5kgであった。
ストッパー7の寸法は、図3に示すように、全長80mmでロープ保持部14は14mm×20mmとし、固定リンク16の節間の長さ57mm、回動リンク15の節間の長さ30mmと27mm、止爪8は長さ30mmで回動リンク15の節から止爪8までの長さ5mmに設定した。ストッパー7は、市販の伸縮調節器とは異なり、付勢バネを用いていない。
荷物13は布製の手提げ用の紐の付いた工具袋を利用し、工具袋に別に用意した重りを加減して投入し、荷重を調節した。
試験用鉄塔の上部、地上から約10mの位置に高所設置用の滑車12を取付け、鉄塔の下部の主柱材の地面際のボルト穴に台座を取付け、荷上ロープ11をセットし、荷物13を荷重側の荷上ロープの先端に結びつけて、引き側の荷上ロープ11を試験員が操作した。荷物13の荷重を0.5kg単位で変えて、荷物の吊り上げ、吊り下ろし、引き側の荷上ロープ11開放を数回繰り返し、ストッパー7の動作と荷物の中空での停止の状況を観察した。
ここで、調節ボルト18により、補助ドラム2の最大傾斜量を調節して試験を行った。以下、ヒンジ6と滑車4の軸を結ぶ線が地面となす角度で傾斜量を表すことにする。
最大傾斜量が30度と引き側のロープを緩めた場合に大きく傾斜するように設定した場合は、荷重が0.1kg〜20kgの試験荷重範囲では、荷上ロープ11を開放するとブレーキが作動し、荷物が落下することはなかった。しかしながら、試験荷重範囲の全範囲で荷物を吊り上げることが可能であったが、低荷重側の0.1kg〜2.5kgの範囲では、荷物を吊り下ろすことができなかった。
最大傾斜量が45度となるように傾斜量を調節ボルト18で調整した場合は、荷重が0.1kg〜20kgの試験荷重範囲で荷物の吊り上げ、吊り下ろしを行うことができた。ただし、試験荷重を2.5kgに設定した場合は、引き側のロープを緩めた試験では、試行を繰り返すと、ブレーキが掛かる場合と掛からない場合が生じた。ブレーキが掛かった場合には荷物はブレーキが掛かった位置で空中に留まり、それ以上は落下しなかったが、ブレーキが掛からない場合は、荷物は地面まで落下した。また、これより低荷重側の0.1kg〜2.0kgの範囲では、全試行において、引き側のロープを開放した場合にもブレーキが作動せずに、荷物は地面まで落下した。試験荷重が3.0kg以上の場合は、全試行において、ブレーキが作動し、荷物は落下せずに空中に留まった。
1 (本発明の)落下防止装置
2 補助ドラム
3 ケーシング
4 (補助ドラムの)滑車
5 ローラ
6 ヒンジ
7 ストッパー
8 止爪
9 台座
10 取付けボルト
11 荷上ロープ
12 (高所設置用の)滑車
13 荷物
14 ロープ保持部
15 回動リンク
16 固定リンク
17 リンク取付け部
18 調節ボルト
19 蝶番
20 ロック
30 (従来の)ロープ緊張装置
31 ロープ保持体
32 バネ

Claims (3)

  1. 荷物の吊り上げ、吊り下ろしを行うための巻揚装置に用いられる荷上ロープ用落下防止装置であって、前記落下防止装置は台座と補助ドラムとストッパーからなり、前記台座は前記補助ドラムの傾きを調節するための調節ボルトを備え、前記補助ドラムはケーシングと、該ケーシングと一体化したヒンジと、該ケーシングに取付けられた滑車とローラとからなり、前記ストッパーは4節リンクを構成する、固定リンクと、固定リンクに枢着され先端に止爪を有する2個の回動リンクと、この2個の回動リンクに枢着された荷上ロープを挿通するためのロープ保持部とからなり、前記補助ドラムは前記ヒンジで前記台座に枢着され、前記ストッパーは前記止爪が前記ロープ保持部の内部断面積を狭める方向に移動するときに前記4節リンクの内角が鋭角となる側の前記固定リンクの枢着軸をリンク取付け部として、前記ケーシングの前記滑車と前記ヒンジを挟んで、前記ローラと反対側に枢着されたことを特徴とする荷上ロープ用落下防止装置。
  2. 前記ロープ保持部と前記ケーシングに荷上ロープを挿通するための開閉機構を設けたことを特徴とする請求項1項に記載の荷上ロープ用落下防止装置。
  3. 請求項1又は2に記載の荷上ロープ用落下防止装置を用いた巻揚げ装置。
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