JP5817889B2 - 配線ボックスの配設構造、配線ボックスを埋設したコンクリート壁体、及びその構築方法 - Google Patents

配線ボックスの配設構造、配線ボックスを埋設したコンクリート壁体、及びその構築方法 Download PDF

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Description

本発明は、コンクリート型枠工法を利用し、容易に各種の配線ボックスを埋設することができる配線ボックスの配設構造、配線ボックスを埋設したコンクリート壁体、及びその構築方法に関する。
従来、例えばコンセント等の配線器具を取り付けるために、コンクリート壁の表面に有底四角箱状の配線ボックスを埋設する工法が知られている。この配線ボックスには、当然のことながら壁中に配された電気配線が連結されるため、コンクリート壁の施工に際して一体的に埋設される。
このような施工法としては、配線ボックスの底面の左右の端部に、上下に延在するバー材を一体的に取り付け、配線ボックスの空間を型枠に押し当てた状態で前記バー材をコンクリート壁内に配設する鉄筋に線材にて結束する方法が特許文献1,2などに提案され、既に上述の構成を備える各種の配線ボックスが市場に供されている。
特許第4216877号公報 特開2008−263780号公報
しかしながら、前述の従来工法(前記特許文献1,2)では、配線ボックスの四隅から延在させたバー材を、コンクリート壁内に配設される鉄筋等に線材等を用いて結束して固定するものであるため、鉄筋の近くに配設箇所が限定されるものであり、また鉄筋が配されていない壁や箇所には適用できないという問題があった。
また、コンクリートの打設時には、打設したコンクリートが鉄筋やボックスに作用してボックスがズレたり、打設したコンクリートの隙間を除くために、バイブレータ(振動機)による振動等を与えるが、その際に鉄筋が動かされるため、この鉄筋に連結した配線ボックスも動かされ、ボックスが斜めになった場合には、ボックス内へのコンクリートの流入は勿論のこと、後から取り付けるカバー等の取付が困難になる恐れもあった。この場合、型枠撤去後に配線ボックスの空間内からコンクリートを取り除く作業が必要となり、その流入量が多いとボックスとしての機能を果たさなくなる虞もあった。
そこで、本発明は、前述のような問題を全く生ずることなく、コンクリート型枠工法を利用し、容易に各種の配線ボックスを埋設することができる配線ボックス埋設方法、及び配線ボックス埋設構造を提供することを目的とする。
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、対向する型枠の間隔を保持する間隔保持部材を用いたコンクリート壁体の表面に配線ボックスを埋設する配線ボックスの配設構造であって、前記間隔保持部材は、コンクリート打設空間内に位置する棒状部材の少なくとも一部が筒状部材で包囲され、コンクリート打設後に棒状部材を抜き取り可能であり、前記配線ボックスは、少なくとも開放状の表面と、前記間隔保持部材が貫通する貫通孔を形成した底面を有する箱状体からなり、略中央に連通孔が、四隅に取付孔が設けられた底面の左右の側面を立ち上げて形成した一方が開放する溝状枠体を、前記配線ボックスの裏面側に、前記貫通孔と前記連通孔が連通するように嵌め付け、前記棒状部材を型枠外側に配置される押さえ部材と締着することで、配線ボックスの裏面側に嵌め付けた溝状枠体が前記筒状部材と、配線ボックスの表面側が型枠表面とを、挟着状に当接させてコンクリート打設空間を形成すると共に、前記溝状枠体の取付孔から連結具で鉄筋又は隣接する間隔保持部材に取り付けて固定することを特徴とする配線ボックスの配設構造に関するものである。
さらに、本発明は、前記配設構造を形成する第1の工程と、形成されたコンクリート打設空間にコンクリートを打設する第2の工程と、型枠を取り外すと共に前記間隔保持部材の棒状部材を抜き出す第3の工程と、を含むことを特徴とする配線ボックスを埋設したコンクリート壁体の構築方法をも提案するものである。
さらに、本発明は、前記構築方法により構築されたコンクリート壁体であって、配線ボックスの底面の裏面にコンクリート打設時に用いた間隔保持部材の筒状部材の端部が当接して埋設されていることを特徴とする配線ボックスを埋設したコンクリート壁体をも提案する。
本発明の配線ボックスの配設構造は、少なくとも開放状の表面と、前記間隔保持部材が貫通する貫通孔を形成した底面を有する箱状体である配線ボックスが、裏面側が筒状部材と、表面側が型枠表面とを、挟着状に当接させてコンクリート打設空間を形成しているので、コンクリート打設圧力や打設時に与えられるバイブレータ(振動機)による振動が作用しても配線ボックスがズレ動くことがなく、コンクリートの流入をまねくこともない。また、棒状部材が抜き取り可能であるため、抜き取り後の配線ボックス内は所用の空間を得ることができる。
また、配線ボックスの固定作業は、間隔保持部材の固定に伴って行われるので、実質的に間隔保持部材の一方側の端部に配線ボックスを貫通させて臨ませるだけの簡単な操作でよく、コンクリート壁の施工と同時に配線ボックスを埋設することができ、任意の位置に配線ボックスを埋設することができる。
さらに、本発明では、各種の配線ボックスに予め貫通孔を設けるだけで適用でき、面倒な取付を不要とするという利点がある。
また、配線ボックスを連結具で鉄筋又は隣接する間隔保持部材に取り付けて固定するので、例えば配線ボックスに延出状の鍔片等を設けて該鍔片から連結具を結線してもよいし、例えば一方が開放する溝状枠体を配線ボックスの裏面側に嵌め付けてこの溝状枠体から連結具を結線してもよく、このような連結具による取り付けによって配線ボックスの回転が防止され、適正な位置に配線ボックスを埋設することができる。
また、前記配設構造を形成することを第1の工程として適用した配線ボックスを埋設したコンクリート壁体の構築方法は、コンクリート壁の施工と同時に配線ボックスを埋設することができる。
さらに、本発明の配線ボックスを埋設したコンクリート壁体は、筒状部材が配線ボックスの底面の裏面に当接して埋設されているので、伝熱が寸断され、断熱性能が高いコンクリート壁体である。
(a)本発明の配線ボックスの配設構造の一参考例(第1参考例)を示す側断面図、(b)用いた配線ボックスを示す側断面図、(c)第3工程の後の状態(配線ボックス埋設構造)を示す側断面図、(d)得られたコンクリート壁体の正面図である。 (a)本発明の配線ボックスの配設構造の他の一参考例(第2参考例)を示す側断面図、(b)用いた規制材の配設状態を示す正面図、(c)規制材の正面図、側面図、(d)規制材による配線ボックスの回転を防止する状態を説明する斜視図である。 (a)本発明の配線ボックスの配設構造の一実施例(第3実施例)を示す側断面図、(b)用いた溝状枠材の配設状態を示す正面図、(c)溝状枠材2種の正面図及び展開図である。
本発明の配線ボックスの配設構造は、対向する型枠の間隔を保持する間隔保持部材を用いたコンクリート壁体の表面に配線ボックスを埋設するものであり、間隔保持部材、配線ボックスとして以下の構成のものを用いる。
前記間隔保持部材は、コンクリート型枠工法において、コンクリート打設空間の間隔を保持するセパレータと称される部材であり、言い換えれば施工するコンクリート壁の厚みを確保ずるための保持部材であって、コンクリート打設空間内に位置する棒状部材の少なくとも一部が筒状部材で包囲され、コンクリート打設後に棒状部材を抜き取り可能にした構成ものを用いた。即ち筒状部材で包囲することにより、棒状部材はコンクリートを接触することなく配され、コンクリートの打設、硬化後に容易に抜き出すことができる。
本発明に適用される間隔保持部材としては、その長さ範囲全てで筒状部材で包囲されている構成でもよいし、後述する図示実施例のように分離可能な複数部材で形成され、螺合手段で接続され、一方側に配された一部のみが筒状部材で包囲されている構成でもよい。
なお、後述する図示実施例では、一方側の型枠は、コンクリートの打設後に取り外すものであるが、他方側の型枠は断熱材を兼ねる捨て型枠であって、その内部にはコンクリートの打設後もアンカー材として機能する棒状部材が配されている。
即ち図示実施例の間隔保持部材は、一方側に配された棒状部材(他方側の棒状部材と区別するため「(一)」を付記する)が筒状部材で包囲され、他方側の断熱材を兼ねる型枠内に一体的に棒状部材(「他」を付記する)が配され、棒状部材(一)と棒状部材(他)とは螺合手段で接続されている。
前記間隔保持部材の後述する図示実施例のように、間隔保持部材が分離可能な複数部材で形成されている態様において、各棒状部材が螺合手段で接続される場合には、何れか一方の端部に雌螺子部を形成し、他方の端部に雄螺子部を形成すればよい。雌螺子部としては、例えば六角ナット、高ナット、異径ナット等のナット類、ボルト等の棒状部材の頭部に雌ねじを切った特殊ボルトなどを使用してもよく、例えば雄螺子部としては、前記雌螺子部に螺合するボルトの先端を使用すればよい。
前記型枠は、一方側の型枠として、合板(木質)、FRP等の強化プラスチックボードなどが用いられることが多く、コンクリート打設後に取り外して再利用してもよい。それに対し、他方側の型枠としては、前記以外に、断熱材や外装仕上材を捨て型枠として利用するものでもよく、その場合、施工の手間が著しく省け、時間的にも極めて無駄が少ない施工となる。
前記配線ボックスは、少なくとも開放状の表面と、前記間隔保持部材が貫通する貫通孔を形成した底面を有する箱状体からなり、表面を閉塞する蓋材がビス等にて取り付けられる構成でもよく、既に各種の構成、形状のものが市販されているが、前記間隔保持部材が貫通する貫通孔を底面に設けることで適用できる。後述する図示実施例では、その空間に通じる円管状の導入管を設けているが、このような導入管は、円管状に限らず、上下左右の何れに設けてもよく、また2箇所以上に設けてもよい。
なお、後述する図示実施例では、間隔保持部材1つに対して1つの配線ボックスを固定する態様を示しているが、この配線ボックスが大きい場合には、1つの配線ボックスが複数の間隔保持部材に跨るものでもよい。この場合、後述する回転防止手段(図示実施例では図2及び図3に示す)が不要となるという利点がある。
そして、本発明の配線ボックスの配設構造は、前記棒状部材を型枠外側に配置される押さえ部材と締着することで、配線ボックスの裏面側が筒状部材と、表面側が型枠表面とを、挟着状に当接させてコンクリート打設空間を形成することを特徴とするものである。
そして、棒状部材を型枠外側に配置される押さえ部材と締着することで、配線ボックスの裏面側が筒状部材と、表面側が型枠表面とを、挟着状に当接させるということは、筒状部材と配線ボックスと型枠が挟着によって接続された(三つの部材が押しつけられた)状態となることを意味しており、配線ボックスの表面(開放端面)を型枠表面に押し付けることになるため、コンクリート打設時の圧力やバイブレータの振動などに際しても配線ボックスのズレが防止されてコンクリートの流入を生じない。
なお、上記説明は、間隔保持部材を構成する筒状部材と、配線ボックス、型枠がそれぞれ独立した部材として説明したが、例えば筒状部材と配線ボックス(の底面)とは、予め接着等にて一体化しておいてもよい。
このように、本発明の配設構造にて形成されるコンクリート打設空間は、前記棒状部材(一)の端縁を配線ボックスに形成した貫通孔から突出させ、更に型枠外側に配置される押さえ部材と締着することが重要であって、型枠外側に配置されたフォームタイ(登録商標)と称される押さえ部材と締着し、型枠外面には縦バタ,横バタ等を配し、この状態で押さえ部材を締め付け固定すればよい。
それ以外の構成、例えば他方側の型枠やコンクリート壁の構築後に壁体内に埋設される電気配線類は、特に施工手順を限定することなく、適宜に配してコンクリート打設空間を形成すればよい。
そして、本発明の配線ボックスの配設構造では、配線ボックスは、従来技術のようにコンクリート壁内に配設される鉄筋等に連結具等を用いて取り付けるものではないので、その配設箇所を限定されることもなく、また鉄筋を配さないコンクリート壁にも埋設することができる。
さらに、本発明では、各種の配線ボックスに予め貫通孔を設けるだけで適用でき、複雑な取付を不要とするという利点がある。
コンクリートの打設、硬化後には、型枠外側に配置される押さえ部材と共に棒状部材(一)を抜き出すため、伝熱が寸断され、断熱性能が高いコンクリート壁体を構築することができる。また、他方側の棒状部材(他)が型枠兼用パネルを保持するため、コンクリートが打設、硬化(養生)した時点で外壁が構築されるものとなる。この他方の棒状部材(他)がそのまま外装材等を保持するので作業性がよい。
なお、配線ボックスの一方面が開放する空間内に打設時にコンクリートが浸入しないように、一方側の型枠との間に弾性を有するシール材を介して当接(圧接)させるようにしてもよい。このような弾性シール材は、間隔保持部材にて配線ボックスを強く押し付けて固定する際に、配線ボックスの開放部分の枠面の破損を防止する役割をも果たす。更に、この弾性シール材は、配線ボックスの開放部分の枠面が弾性シール材に食い込むように圧接される場合には、配線ボックスの回転防止にも寄与する。
また、本発明における配線ボックスは、隣接する間隔保持部材に跨る連結部と配線ボックスの側方の枠面に沿う支持部とを備える規制具を用いることにより、回転を防止することが望ましい。この場合、規制具の支持部が配線ボックスの回転を防止し、適正な位置に配線ボックスを埋設することができる。
前記規制具は、前記構成の連結部と支持部とを備えるものであれば、その具体的構成を限定するものではなく、例えば後述する図示実施例に示すように帯状の金属板をL字状に折曲して容易に作成してもよい。この場合、帯状の金属板に、隣接する2つの間隔保持部材が貫通する通孔を予め2箇所に形成し、更に配線ボックスの側方の枠面に沿うように支持部を折り曲げればよく、各種形状の配線ボックスに対して容易に対応でき、実用的価値が高いものである。
また、回転を防止する別の手法として、本発明における配線ボックスを連結具で鉄筋又は隣接する間隔保持部材に取り付けて固定するようにしてもよい。
この場合、配線ボックスに延出状の鍔片等を設けて該鍔片から連結具を結線する方法と、一方が開放する溝状枠体を配線ボックスの裏面側に嵌め付けてこの溝状枠体から連結具を結線する方法とがある。
前者の方法では、前述のように配線ボックスに延出状の鍔片等を設けることが可能であれば適宜に鍔片等を設ければよいし、前記従来のバーを備える配線ボックスに前記間隔保持部材が貫通する貫通孔を形成して流用してもよい。
後者の方法では、例えば金属製の溝状枠体に孔等を付帯構成として適宜に設けて連結具を取り付ければよい。この場合、金属板を配線ボックスの横幅より僅かに広いコ字状に折曲し、適宜に連結具を取り付ける孔などを設ければよく、各種形状の配線ボックスに対して容易に対応でき、実用的価値が高いものである。
また、本発明の配線ボックスを埋設したコンクリート壁体の構築方法では、第1の工程として、前記配設構造を形成し、第2の工程として、形成されたコンクリート打設空間にコンクリートを打設し、第3の工程として、型枠を取り外すと共に前記間隔保持部材の棒状部材を抜き出す。
前記第2の工程では、前記第1の工程にて説明したように間隔保持部材にて配線ボックスを固定しているため、コンクリートの打設圧力などにより、ズレ動くことがなく、所定の位置に保持されるものとなる。
そして、第3の工程では、前記構成の間隔保持部材がコンクリートに埋設されるが、そのうちの棒状部材(一)は、筒状部材に包囲されてコンクリートと接触することなく配されているため、これを抜き出す工程には特別な治具や特に強い力を必要とすることなく容易に抜き出すことができる。具体的には、型枠の外面側に配したバタ(縦、横)、型枠をそれぞれ取り外す(撤去する)と共に、押さえ部材及び棒状部材(一)を抜き出す。他方側の棒状部材(他)は、同様の構成を採用してもよいし、断熱材を兼ねる型枠を保持した状態で、そのままコンクリート内に埋設するようにしてもよい。
このように、本発明の配線ボックスを埋設したコンクリート壁体の構築方法では、コンクリート打設後には、開放状の表面と、貫通孔を形成した底面を有する箱状体である配線ボックスが、裏面側が筒状部材と、表面側が型枠表面とを、挟着状に当接させてコンクリート打設空間を形成しているので、コンクリート壁の施工と同時に配線ボックスを埋設することができる。
図1に示す本発明の第1参考例は、複数の間隔保持部材2により一定間隔に保持された一方側(図では右側)の型枠3Aと他方側(図では左側)の断熱材を兼ねる型枠3Bとの間にコンクリート打設空間5が形成され、該コンクリート打設空間5内には、開放状の表面、即ち一方側が開放する空間11を備える配線ボックス1が一方側の型枠(型枠パネル)3Aに当接して配設されている。
前記間隔保持部材2は、コンクリート打設空間5内に位置する棒状部材の少なくとも一部(2B)が筒状部材(2C)で包囲され、コンクリート(5")打設後に棒状部材(2B)を抜き取り可能にした構成である。
そして、前記配線ボックス1は、前記間隔保持部材2の棒状部材(−)2Bを型枠3A外側に配置される押さえ部材7と締着することで、配線ボックス1の裏面(13)側が筒状部材2Cと、表面側が型枠3A表面とを、挟着状に当接させて固定されている。
前記配線ボックス1は、図1(b)に示すように縦長の箱状であって、一方面(図では右側)が開放する空間11に通じる円管状の導入管12が上部に設けられ、空間11を囲む枠面のうち、他方側(図では左側)の枠面(底面)13には前記間隔保持部材2が貫通する貫通孔131が形成されている。
また、この第1参考例における前記間隔保持部材2は、図1(a)に示すように分離可能な複数部材(2A〜2E)からなり、他方側の型枠3B内に一体的に棒状部材(他)2Aが配され、一方側に配された棒状部材(一)2Bは筒状部材2Cで包囲され、これら棒状部材(他)2Aと棒状部材(一)2Bを螺合手段(異径ナット2D)で接続した構成である。
また、他方側に配する型枠(型枠兼用パネル)3Bは、一定厚みのボード状の断熱材を貫通させて保持した特殊ボルトである棒状部材(他)2Aの他方側の突出部分(雄螺子部)に、ナット2Eが取り付けられ、その外側に図示しない押さえ部材を配置させてコンクリートの打設応力に抗するように配置されている。
前記棒状部材(他)2Aの一方側の端部には異径ナット2Dが固定され、該異径ナット2Dの一方側の端部に、筒状部材2Cで包囲され棒状部材(一)2Bを螺合して接続し、間隔保持部材2が形成されている。
なお、前記筒状部材2Cで包囲された棒状部材(一)2Bの一方側の端部を、前記配線ボックス1の貫通孔に貫通させ、更に一方側の型枠3Aの外側に配された押さえ具7と連結して締め付けることにより、筒状部材2Cが配線ボックス1の他方側の枠面13に圧接し、配線ボックス1を一方側の型枠3Aに圧接させた状態でコンクリート打設空間5が形成される。
そして、これらの各部材を用いた第1参考例の第1の工程として、一方側の型枠3Aに一方面が開放する空間11が臨む(=開放端面が当接する)ように配線ボックス1を配置し、前記棒状部材(一)2Bが貫通孔131を貫通し、前記筒状部材2Cの一方側の端部が他方側の枠面13に圧接するように間隔保持部材2を架け渡して配置し、前記棒状部材(一)2Bの端縁を、更に一方側の型枠3Aの外面側に臨ませた押さえ具7にて固定し、締め付け固定してコンクリート打設空間5を形成する。筒状部材2Cの一方側の端部を配線ボックス1の他方側の枠面13に圧接させるということは、筒状部材2Cと配線ボックス1と一方側の型枠3Aが挟着によって接続された(三つの部材2C,1,3Aが押しつけられた)状態となることを意味し、配線ボックス1の開放端面を一方側の型枠3Aに押し付けることになる。
このコンクリート打設空間5には、厚み方向のほぼ中間に、縦(垂直)方向及び横(水平)方向に適宜間隔にて鉄筋6が配されている。
なお、図示しないが、電気配線類は、適宜にコンクリート打設空間5内に導入管12を介して配線ボックス1に連結する。
次に、第2の工程として、前記コンクリート打設空間5にコンクリートを打設する。その際、前述のように間隔保持部材2の筒状部材2Cと配線ボックス1と一方側の型枠3Aが挟着によって接続され、配線ボックス1の開放端面を一方側の型枠3Aに押し付けた状態でコンクリートが打設させるため、コンクリート打設時の振動に際しても、配線ボックス1のズレが防止されてその空間11へのコンクリートの流入を生ずることがなく、所定の位置に保持される。
そして、第3の工程として、バタ(縦、横)を取り外し(撤去する)、押さえ部材(ボルト材)7を取り外し、一方側の型枠3Aを取り外した後、前記間隔保持部材2の棒状部材(−)2Bを抜き出し、図1(c)に示すコンクリート壁5"を得る。前記構成の棒状部材(他)2A、ナット2E、異径ナット2D、及び筒状部材2Cは、コンクリート5"に埋設される。
このように、本発明は、開放状の表面(一方側が開放する空間11)を備える配線ボックス1が、裏面(13)側に筒状部材2Cが、表面側に型枠3A表面が、挟着状に当接する状態でコンクリート打設空間5を形成しており、筒状部材2Cと配線ボックス1と型枠3Aが挟着によって接続され、配線ボックス1の開放端面を型枠3Aに押し付けた(圧接した)状態でコンクリート5"を打設するため、コンクリート打設圧力や打設時に与えられるバイブレータ(振動機)による振動が作用しても配線ボックス1がズレ動くことがなく、コンクリート5"の流入をまねくこともない。また、棒状部材(一)2Bが抜き取り可能であるため、抜き取り後の配線ボックス1内は所用の空間を得ることができる。
また、配線ボックス1の固定作業は、間隔保持部材2の固定に伴って行われるので、実質的に間隔保持部材2の一方側の端部に配線ボックス1を貫通させて臨ませるだけの簡単な操作でよく、コンクリート壁5"の施工と同時に配線ボックス1を埋設することができ、任意の位置に配線ボックス1を埋設することができる。しかも、従来技術のようにコンクリート壁内に配設される鉄筋6等にバー材を線材にて結束するなどの面倒な操作を全く必要とせず、その配設箇所を限定されることもない。
また、一方側に配される棒状部材(一)2Bは、筒状部材2Cで包囲したので、コンクリート5"と接触することなく配され、コンクリート5"の打設、硬化後に容易に抜き出すことができる。
さらに、得られた配線ボックス埋設構造は、一方側に配された棒状部材(一)2Bを抜き出すため、他方側の間隔保持部材2Aをつたって冷熱が他方側へ伝熱されても、それ以上の冷熱の伝わり(冷熱橋)が遮断されて断熱性能が高い。
そして、配線ボックス1は、予め貫通孔131を設けるだけで適用できるため、各種の構成のものを、複雑な取付を不要として用いることができる。
図2に示す本発明の第2参考例は、配線ボックス1'が、隣接する間隔保持部材2,2に跨る連結部41と配線ボックス1の側方の枠面に沿う支持部42とを備える規制具4を用いて固定されている例である。
この参考例における配線ボックス1'は、空間11を塞ぐ蓋材を取り付けるための取付孔を備える取付片14,14が上下に設けられている。なお、図2(a),(b)では、導入管12を省略して示した。
前記規制具4は、図2(c)に示すように帯状の金属板をL字状に折曲して作成したものであり、帯状の金属板に、隣接する2つの間隔保持部材2,2が貫通する通孔411,411を予め2箇所に形成し、更に配線ボックス1'の側方の枠面に沿うように略垂直状に支持部42を折り曲げたものであり、極めて容易に作成できる。
この第2参考例では、前記第1参考例と同様の効果に加え、規制具4を配したので、規制具4の支持部42が配線ボックス1'の回転を防止し、適正な位置に配線ボックス1'を埋設することができる。
そして、前記規制具4は、帯状の金属板をL字状に折曲して容易に作成できるので、各種形状の配線ボックス1'に対して容易に対応でき、実用的価値が高いものである。
図3に示す本発明の実施例は、配線ボックス1'が左右の側面82,82を立ち上げた溝状枠体8に嵌め付けられた状態で配され、この溝状枠体8の上下に設けられた孔812に針金等からなる連結具9を取り付けて周囲の鉄筋6に固定した例である。
この実施例における配線ボックス1'は、前記第2参考例と同様であり、図3(a),(b)では導入管12を省略して示した。
前記溝状枠体8は、一方が開放する溝状の成形体であり、配線ボックス1'と略同一の横幅を有する底面81の左右の側面82,82を略鉛直状に立ち上げただけの簡易な構成であり、金属板に簡単な折曲加工を施して容易に作成することができる。
図3(c)は、前記溝状枠体8の正面図及び折曲加工前の展開図を示した。また、より広幅の配線ボックスに対応する溝状枠体8'の正面図及び折曲加工前の展開図を併せて示した。底面81,81'の略中央には、配線ボックス1'の貫通孔131と連通する孔811,811'が形成され、底面81,81'の四隅には、連結具9を取り付ける孔812
,812'が設けられている。
この実施例では、前記第1参考例と同様の効果に加え、溝状枠体8に嵌め付けた状態で配線ボックス1'配したので、孔等を付帯構成を溝状枠体8に適宜に設けて針金等の連結具9を鉄筋6などへ適宜に取り付ければ配線ボックス1'の回転が防止され、適正な位置に配線ボックス1'を埋設することができる。
そして、前記溝状枠体8は、図3(c)に示すように金属板を断面コ字状に折曲して容易に作成できるので、各種形状の配線ボックス1'に対して容易に対応でき、実用的価値が高いものである。
1,1' 配線ボックス
11 空間
12 導入管
13 底面(他方側の枠面)
131 貫通孔
2 間隔保持部材
2A 棒状部材(他)
2B 棒状部材(一)
2C 筒状部材
2D 異径ナット
2E ナット
3A (一方側の)型枠
3B (他方側の)型枠
4 規制具
41 連結部
42 支持部
5 コンクリート打設空間
5" コンクリート
6 鉄筋
7 押さえ具
8 溝状枠体
9 連結具

Claims (3)

  1. 対向する型枠の間隔を保持する間隔保持部材を用いたコンクリート壁体の表面に配線ボックスを埋設する配線ボックスの配設構造であって、
    前記間隔保持部材は、コンクリート打設空間内に位置する棒状部材の少なくとも一部が筒状部材で包囲され、コンクリート打設後に棒状部材を抜き取り可能であり、
    前記配線ボックスは、少なくとも開放状の表面と、前記間隔保持部材が貫通する貫通孔を形成した底面を有する箱状体からなり、略中央に連通孔が、四隅に取付孔が設けられた底面の左右の側面を立ち上げて形成した一方が開放する溝状枠体を、前記配線ボックスの裏面側に、前記貫通孔と前記連通孔が連通するように嵌め付け、
    前記棒状部材を型枠外側に配置される押さえ部材と締着することで、配線ボックスの裏面側に嵌め付けた溝状枠体が前記筒状部材と、配線ボックスの表面側が型枠表面とを、挟着状に当接させてコンクリート打設空間を形成すると共に、前記溝状枠体の取付孔から連結具で鉄筋又は隣接する間隔保持部材に取り付けて固定することを特徴とする配線ボックスの配設構造。
  2. 請求項1に記載の配設構造を形成する第1の工程と、形成されたコンクリート打設空間にコンクリートを打設する第2の工程と、型枠を取り外すと共に前記間隔保持部材の棒状部材を抜き出す第3の工程と、を含むことを特徴とする配線ボックスを埋設したコンクリート壁体の構築方法。
  3. 請求項2に記載の構築方法により構築されたコンクリート壁体であって、配線ボックスの底面の裏面にコンクリート打設時に用いた間隔保持部材の筒状部材の端部が当接して埋設されていることを特徴とする配線ボックスを埋設したコンクリート壁体。
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