JP3199417U - 床スリーブ - Google Patents

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Abstract

【課題】スリーブ内にコンクリートが流れ込むことのないコンクリート打設を可能にすると共に作業現場での配管の支持固定作業を簡単且つ容易に行うことを可能とする床スリーブを提供する。【解決手段】建物の床を貫通して設けられ、配管を高さ方向に挿通して支持する床スリーブ10は、円筒上のスリーブ本体12の上部に配管固定機構16を一体に設ける。配管固定機構16は、支持基台18、取付台20、配管固定部材22及びUボルト24で構成する。スリーブ本体12の上部開口には着脱自在に蓋部材26を設け、蓋部材26を配管固定機構16により仮止め固定しており、コンクリート打設が終わって配管を通す場合にスリーブ本体12から蓋部材26を取り外す。【選択図】図1

Description

本考案は、建築物の床を貫通して設けられ、配管を高さ方向に挿通する床スリーブに関する。
従来、ビルやマンション等の建築構造物に設置される水回りの配管設備にあっては、鉄筋構造物に対し床を構築する仮枠を設置して鉄筋を配筋し、仮枠の所定位置に必要な数の床スリーブを固定し、この状態でコンクリートを打設し、コンクリートが固まった後に、床スリーブに配管を通し、床スリーブの床面開口部にアングル材を使用した配管固定部を現場作業により設けて配管を支持固定している。
図10乃至図13は従来の床スリーブの設置工事を示している。まず図10に示すように、例えば隣接する上下階の床工事を例にとると、鉄筋構造物(図示せず)に対し仮枠101を設置すると共に鉄筋102を配筋した後に、水回りとなる所定の位置の仮枠101に床スリーブ100の脚部を釘など固定して配置すると共に鉄筋102に結束線などで固定する。
この状態でコンクリートを打設することで、図11に示すように、床スリーブ10による貫通穴を持つコンクリート床104を構築する。次に、図12に示すように、コンクリート床104における床面の床スリーブ100が開口した位置に、アングル材を利用して配管固定部108を現場作業で設置する。更に、床スリーブ100を高さ方向に挿通する配管を、配管固定部108により固定支持し、床スリーブ100と配管106の間の隙間に不燃材やシール材を充填して隙間を塞ぐようにしている。
図13は従来の配管固定部を拡大して示しており、図13(A)は側面を示し、図13(B)は平面を示す。図13に示すように、配管固定部108は、断面コ字型のアングル材を取付台110として床スリーブ100の開口を挟んで両側2箇所にアンカーボルト等で固定し、続いて、ナット116を螺合したUボルト114を設けた断面L字型のアングル材を配管固定部材112として取付台110の上に載せて溶接等で固定し、Uボルト114により配管106を配管固定部材112に押し当てた状態でナット116の螺合により締め付け固定し、配管106の中心が床スリーブ100の略中心を通るように位置決め固定している。
しかしながら、このような従来の床スリーブにあっては、図12及び図13に示した配管固定部108を、溶接装置を使用した現場作業により組み付けて配管を支持固定しており、アーク溶接装置の場合は電源の確保が必要であり、またガス溶接装置の場合にはガスボンベの搬入を必要とし、スペース的に制約のある場所での作業となり、そのために手間と時間がかかるという問題がある。
この問題を解決するため本願出願人は、配管を挿通する円筒状のスリーブ本体の上部に、スリーブ本体を高さ方向に挿通する配管を支持固定する配管固定機構を一体に設けた構造の床スリーブを提案(特許文献2)しており、コンクリートを打設して床を構築した後に、床スリーブの開口部に配管固定部を設置する現場作業が不要となり、溶接装置を必要とすることなく、作業現場において床スリーブのスリーブ本体を高さ方向に挿通する配管を、スリーブ本体の上部に一体に設けた配管固定機構により支持固定することができ、工事作業の効率を大幅に高めることを可能としている。
特開平6−306976号公報 実用新案登録第3186347号公報
ところで、このような床スリーブを鉄筋構造物の仮枠に固定してコンクリートを打設する場合、床スリーブの中にコンクリートが入らないように注意をする必要があり、コンクリート打設の作業負担が増加する問題がある。
また、コンクリート打設により床スリーブの中にコンクリートが入らないように、スリーブ本体の上部開口をダンボールや板切れ等の材料で一時的に塞ぐ現場作業を行う場合もあり、コンクリート打設の前に行う準備作業に手間と時間がかかり、また、有り合わせの材料を使用して床スリーブの開口を閉鎖しているが、閉鎖が不完全な場合には床スリーブの中にコンクリートが入って固まり、これを取り除く作業を必要とする問題がある。
本考案は、スリーブ内にコンクリートが流れ込むことのないコンクリート打設を可能にすると共に作業現場での配管の支持固定作業を簡単且つ容易に行うことを可能とする床スリーブを提供することを目的とする。
(床スリーブ)
本考案は、建物の床を貫通して設けられ、配管を挿通する円筒状のスリーブ本体に、スリーブ本体を軸方向に挿通する配管を支持固定する配管固定機構を一体に設けた床スリーブに於いて、スリーブ本体の上部開口に着脱自在に蓋部材を設け、蓋部材を配管固定機構により仮止め固定したことを特徴とする。
(配管固定機構と蓋部材の仮止め)
配管固定機構は、
L字断面をもつ一対のアングル材を、スリーブ本体の側面円筒の外周に一対のアングル面の先端内側を接触した状態で軸方向に固定配置した支持基台と、
L字断面をもつ一対のアングル材を、一方のアングル面がスリーブ本体の上部開口に位置するように他方のアングル面を支持基台の両側に固定配置し、一方のアングル面に一対の第1ボルト通し穴を形成した取付台と、
L字断面をもつアングル材の取付台に載置する一方のアングル面に、第1ボルト通し穴に相対して一対の第2ボルト通し穴を形成すると共に、他方のアングル面に配管の口径に対応した間隔で一対の第3ボルト通し穴を形成し、第2ボルト通し穴から取付台の第1ボルト通し穴に相通したボルトに対するナットの螺合により取付台に固定する配管固定部材と、
配管固定部材の第3ボルト通し穴にU字形の両端部を連結して配管を配管固定部材に締め付け固定するU字締結部材と
を備え、
スリーブ本体の上部開口に設けた蓋部材を、取付台に対する配管固定部材のボルト止めにより挟み込んで仮止め固定する。
(長穴としたボルト通し穴)
取付台の第1ボルト通し穴をスリーブ本体に向う方向に長い第1長穴とし、配管固定部材の第2ボルト通し穴を第1長穴に直交する方向に長い第2長穴とし、
取付台の第1長穴と配管固定部材の第2長穴を位置合せして挿通したボルトにナットを螺合し、スリーブ本体を挿通する配管の中心軸線をスリーブ本体の中心軸線に略一致するように、第1及び第2長穴の範囲で配管固定部材を位置調整する構造とする。
本考案の床スリーブによれば、建物の床を貫通して設けられ、配管を挿通する円筒状のスリーブ本体に、スリーブ本体を軸方向に挿通する配管を支持固定する配管固定機構を一体に設けた床スリーブに於いて、スリーブ本体の上部開口に着脱自在に蓋部材を設け、蓋部材を配管固定機構により仮止め固定するようにしたため、床スリーブを鉄筋構造物の仮枠に固定してコンクリートを打設する場合、スリーブ本体の上部開口は蓋部材の仮止めにより完全に閉鎖されており、打設したコンクリートがスリーブ本体の中に入ることを確実に防止し、配管作業を行う場合に配管固定機構を利用して仮止めしている蓋部材を取り外すことで、コンクリートが中に入っていない状況で効率良く配管を通して支持固定することを可能とする。
また、蓋部材の仮止めは、本体スリーブと一体に設けた配管固定機構を利用しているため、蓋部材を仮止めするために特別な構造を設ける必要がない。
また、コンクリートを打設して床を構築した後に、床スリーブの開口部に配管固定部を設置する現場作業が不要となり、溶接装置を必要とすることなく、作業現場において床スリーブのスリーブ本体を高さ方向に挿通する配管を、スリーブ本体の上部に一体に設けた配管固定機構により支持固定することができる。
(配管固定機構と蓋部材の仮止めによる効果)
また、配管固定機構は、L字断面をもつ一対のアングル材を、スリーブ本体の側面円筒の外周に一対のアングル面の先端内側を接触した状態で軸方向に固定配置した支持基台と、L字断面をもつ一対のアングル材を、一方のアングル面がスリーブ本体の上部開口に位置するように他方のアングル面を支持基台の両側に固定配置し、一方のアングル面に一対の第1ボルト通し穴を形成した取付台と、L字断面をもつアングル材の取付台に載置する一方のアングル面に、第1ボルト通し穴に相対して一対の第2ボルト通し穴を形成すると共に、他方のアングル面に配管の口径に対応した間隔で一対の第3ボルト通し穴を形成し、第2ボルト通し穴から取付台の第1ボルト通し穴に相通したボルトに対するナットの螺合により取付台に固定する配管固定部材と、 配管固定部材の第3ボルト通し穴にU字形の両端部を連結して配管を配管固定部材に締め付け固定するU字締結部材(Uボルト又はUバンド)を備え、スリーブ本体の上部開口に設けた蓋部材を、取付台に対する配管固定部材のボルト止めにより挟み込んで仮止め固定するようにしたため、スリーブ本体の上部開口を蓋部材で閉鎖した状態で配管固定機構の取付台による挟み込みで確実に仮止めし、また、コンクリート打設後に蓋部材を外してスリーブ本体を高さ方向に配管を挿通して支持固定する作業を簡単且つ容易に行うことを可能とする。更に、支持基台、取付台及び配管固定部材は、いずれも市販のLアングル材を利用していることから、製造が容易でコストを必要最小限に抑えることを可能とする。
(長穴としたボルト通し穴による効果)
また、取付台の第1ボルト通し穴をスリーブ本体に向う方向に長い第1長穴とし、配管固定部材の第2ボルト通し穴を第1長穴に直交する方向に長い第2長穴とし、取付台の第1長穴と配管固定部材の第2長穴を位置合せして挿通したボルトにナットを螺合し、スリーブ本体を挿通する配管の中心軸線をスリーブ本体の中心軸線に略一致するように、第1及び第2長穴の範囲で配管固定部材を位置調整する構造としたことで、スリーブ本体を挿通する配管を支持固定した場合に、スリーブ本体と配管の間に均一な隙間を確保することができ、隙間に対する不燃材やシール材の充填をより適切に行うことを可能とする。
本考案による床スリーブの実施形態を示した斜視図 図1の床スリーブを正面及び平面から示した説明図 図1の床スリーブを側面から示した説明図 図1の床スリーブの組立分解状態を正面から示した説明図 図1の床スリーブの組立分解状態を平面から示した説明図 図1の床スリーブの組立分解状態を側面から示した説明図 本考案による床スリーブの蓋部材を取り外した状態で示した斜視図 床工事における床スリーブの組付け配置を示した説明図 本考案の床スリーブによる配管の支持固定を示した説明図 床工事における従来の床スリーブの組付け配置を示した説明図 コンクリート打設により埋め込まれた従来の床スリーブを示した説明図 現場作業による床スリーブを挿通した配管の支持固定を示した説明図 図12の従来の配管固定部を拡大して示した説明図
[床スリーブの構成]
図1は本考案による床スリーブの実施形態を示した斜視図、図2は図1の床スリーブを正面及び平面から示した説明図、図3は図1の床スリーブを側面から示した説明図、図4は図1の床スリーブの組立分解状態を正面から示した説明図、図5は図1の床スリーブの組立分解状態を平面から示した説明図、図6は図1の床スリーブの組立分解状態を側面から示した説明図、図7は本考案による床スリーブの蓋部材を取り外した状態で示した斜視図である。
図1乃至図6に示すように、本実施形態の床スリーブ10は、配管を挿通する円筒状のスリーブ本体12と、スリーブ本体12の上部に一体に設けられ、スリーブ本体12を高さ方向に挿通する配管を支持固定する配管固定機構16と、スリーブ本体12の上部開口に着脱自在に設けた蓋部材26で構成し、蓋部材26を配管固定機構16により仮止め固定している。
スリーブ本体12は例えばステンレス板を円筒形に加工して継ぎ目を溶接固定した管体であり、例えば肉厚は1.2mm、外形は150mm、高さは350mmであり、外形及び高さについては、様々な寸法を準備している。また、スリーブ本体12の下部外側の3箇所には、L字形の脚部14を放射状に配置し、脚部14には通し孔14aを設け、床工事の際に仮設する仮枠の所定位置に配置するスリーブ本体12を釘打ち等で仮止め可能としている。
本体スリーブ12の上部に一体に設けた配管固定機構16は、支持基台18、取付台20、配管固定部材22及びUボルト24を備える。
支持基台18は、図5の組立分解の平面に示すように、L字断面をもつ一対のアングル材を、スリーブ本体12の側面円筒の外周に一対のアングル面18a,18bの先端内側を接触した状態で軸方向に溶接等により固定配置している。なお、支持基台18は一対のアングル材に代えて、断面コ字形の単一部材としても良い。また、図6の配管固定部材22は、取付台20に対する横方向(図示上方向)にスライドして分解した状態を示している。
取付台20は、図2(A)及び図4の正面に示すように、L字断面をもつ一対のアングル材であり、各アングル材の一方のアングル面20aをスリーブ本体12の上部開口に位置するようにし、他方のアングル面20bを支持基台18の両側に溶接等により固定配置している。また、図5の組立分解の平面に示すように、取付台20は、水平となる一方のアングル面20aに一対の第1ボルト通し穴28を形成している。
配管固定部材22は、L字断面をもつアングル材であり、図5の平面に示すように、取付台20に載置する水平な一方のアングル面22aに、取付台20の第1ボルト通し穴28に相対して一対の第2ボルト通し穴30を形成し、図4の組立分解の正面に示すように、第2ボルト通し穴30から取付台20の第1ボルト通し穴28にワッシャ35を介して挿通したボルト34に対するナット36の螺合により取付台20に固定している。
ここで、図5の平面の組立分解に示した取付台20の第1ボルト通し穴28は、スリーブ本体12に向う方向(図示で上下方向)に長い第1長穴とし、配管固定部材22の第2ボルト通し穴30を第1ボルト通し穴28となる第1長穴に直交する方向(図示で横方向)に長い第2長穴としている。
このため、図2(B)の平面に示すように、取付台20の第1ボルト通し穴28と配管固定部材22の第2ボルト通し穴30を位置合せして挿通したボルト34にナット36を螺合し、スリーブ本体12を挿通する配管40の中心軸線をスリーブ本体12の中心軸線に略一致するように、第1ボルト通し穴28となる第1長穴と第2ボルト通し穴30となる第2長穴の範囲で配管固定部材22を位置調整する構造としている。
また、配管固定部材22の垂直なアングル面22bには、図4の組立分解の正面に示すように、配管支持部材22にUボルト24のネジ部24aを通す一対の第3ボルト通し穴32を形成している。ここで、第3ボルト通し穴32は、横方向に長い長穴としており、第3ボルト通し穴32に嵌め入れたUボルト24を長穴の範囲で横方向に調整自在としている。
Uボルト24はU字締結部材として機能し、図4の組立分解の正面に示した配管固定部材22における垂直なアングル面22bに形成した第3ボルト通し穴32に、図2(B)及び図3に示すように、U字端部のネジ部24aを挿通し、当該ネジ部24aに対するナット38の螺合により配管を配管固定部材22に締め付け固定可能としている。なお、Uボルト24の代わりに、U字端部にボルトを装着したUバンドをU字締結部材として使用しても良い。
蓋部材26は、図4及び図6の組立分解の正面及び側面に示すように、円盤状に窪み形成した蓋本体26aと、蓋本体26の周囲に一体に形成した鍔部26bで構成しており、スリーブ本体12の上部開口に蓋本体26aを鍔部26bがスリーブ開口に当る位置まで押し込んで、スリーブ本体12の上部開口を閉鎖している。
また、スリーブ本体12の上部開口に装着した蓋部材26は、配管固定機構16を利用して仮止め固定している。即ち、スリーブ本体12の上部開口に蓋部材26を装着する場合には、配管固定部材22のボルト34を緩めることで、固定台20に対し配管固定部材22を浮かせて十分な隙間を形成可能としておき、配管固定部材22の固定台20との隙間に蓋部材26の一部を差し入れるようにしてスリーブ本体12の上部開口に嵌め入れて閉鎖する。
続いてボルト34に対するナット36の螺合により、取付台20に配管固定部材22を固定することで、その間に蓋部材26の鍔部26aを部分的に挟み付けて仮止め固定する。
床スリーブ10を鉄筋の仮枠等に仮止め固定した状態でコンクリートを打設してコンクリート床を形成した場合には、図7に示すように、スリーブ本体12の上部開口に装着して仮止め固定していた蓋部材26を、ボルト36を緩めて配管固定部材22を取付台20から浮かせることで取り外し、上下に開口した床スリーブ10に配管を通して固定支持する作業を行うことになる。
なお、配管固定部材22に対するUボルト24の組付けは、床スリーブ10をコンクリート打設により床面に埋込設置した後の配管固定作業の際に使用することから、コンクリート打設前には、Uボルト24は外しておいても良い。
[床スリーブを用いた床工事]
図8は床工事における床スリーブの組付け配置を示した説明図である。図8に示すように、床工事に際しては、図示しない建物の鉄骨構造物に対し床面下部(下の階の天上裏面)に仮枠44を構築し、仮枠44における水回りとなる所定位置に、スリーブ本体12の上部開口に蓋部材26を装着して閉鎖した床スリーブ10を配置し、スリーブ本体12の下部の脚部14を釘打ちして仮止めする。続いて鉄筋46を配筋し、床スリーブ10に当接している鉄筋46に対し針金などの結束線を使用して固定する。
ここで、スリーブ本体12の上部に一体に設けている配管固定機構16については、スリーブ本体12に通す配管50の外径が予め決まっていることから、図2(B)に示すように、平面から見て、Uボルト24により配管固定部材22に配管40を支持固定した状態で、スリーブ本体12の中心軸線に配管40の中心軸線が一致するように、取付台20に対し配管固定部材22を位置調整し、ボルト34とナット36により配管固定部材22を取付台20に締め付け固定しておくようにする。
これは床スリーブ10をコンクリート打設により床に埋設した状態では、配管固定部材22の位置調整ができないことから、コンクリート打設前の段階で位置決め調整して固定しておくようにする。
一方、Uボルト24については、ナット38を螺合して脱落しないようにしておけばよい。なお、Uボルト24は配管固定を行うまでは使用しないことから、床スリーブ10から外しておき、配管固定作業の際に取り付けるようにしても良い。
このように床スリーブ10を仮枠44及び鉄筋46に固定した状態でコンクリートの打設作業を行うが、このとき床スリーブ10のスリーブ本体12の上部開口は蓋部材26の装着により閉鎖されているため、スリーブ本体12の中に打設したコンクリートは入ることはない。
図9は床スリーブに一体に設けた配管固定機構による配管の支持固定を示した説明図である。図9に示すように、コンクリート打設によりコンクリート床42が構築されると、床スリーブ10のスリーブ本体12がコンクリート床48に埋設され、スリーブ本体12の上部開口を閉鎖している蓋部材26及び配管固定機構16はコンクリート床面のスリーブ開口の外側に位置しており、配管の固定支持作業に際し、ボルト34を緩めることで配管固定部材22を固定台20から浮かせて蓋部材26を取り外す。
ここで、本実施形態にあっては、固定台20の下側にナット36を配置し、配管固定部材22が位置する上側からボルト34を通してナット36に螺合しているが、逆に、固定台20の下側からボルト34を上向きに通して配管固定部材22の上部に配置したナット36に螺合して固定するようにしても良い。この場合には、ボルト34の頭部がコンクリート内に埋込固定されており、外に出ているナット36を緩めることで、確実に取付台20に対し配管固定部材22を浮かせて蓋部材26を取外し、再びナット36を締め付けて取付台20に配管固定部材22を締め付け固定する作業がより確実にできる。
続いて、床スリーブ10のスリーブ本体12に対し配管40を通して固定支持する場合、Uボルト24のナット38を緩めて広げておき、Uボルト24及びスリーブ本体12を通して配管40を配置し、配管40の位置決め等が済んだ場合、Uボルト24のネジ部24aに螺合しているナット38を締め込み、Uボルト24により配管40を配管固定部材22に締め付け固定する。
この場合、配管固定部材22は配管40の当接位置で、配管40の中心軸線がスリーブ本体12の中心軸線に略一致するように、コンクリート打設前の段階で位置調整して固定しており、このためUボルト24による配管固定部材228に対する締め付け固定で、配管20の中心軸線がスリーブ本体12の中心軸線に略一致するように支持固定され、スリーブ本体12と配管40との間に均一な隙間が形成される。
続いて、スリーブ本体12と配管40との間の隙間に、不燃材やシール材を圧入して隙間を塞ぐ。
このようにコンクリートを打設して床を構築した後に、床スリーブ10の開口部に配管固定部を設置する現場作業が不要となり、溶接装置を必要とすることなく、作業現場において床スリーブ10のスリーブ本体を高さ方向に挿通する配管を、スリーブ本体の上部に一体に設けた配管固定機構15により支持固定することができ、工事作業の効率を大幅に高めることができる。
[本考案の変形例]
上記の実施形態は、建物の高さ方向に配管を挿通する床スリーブを例にとるものであったが、建物の横方向や斜め方向に配管を挿通するスリーブについて適用しても良い。
また、本考案は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:床スリーブ
12:スリーブ本体
14:脚部
16:配管固定機構
18:支持基台
18a,8b,20a,20b,22a,22b:アングル面
20:取付台
22:配管固定部材
24:Uボルト
26:蓋部材
26a:蓋本体
26b:鍔部
28:第1ボルト通し穴
30:第2ボルト通し穴
32:第3ボルト通し穴
34:ボルト
36,38:ナット
40:配管
42:コンクリート床

Claims (3)

  1. 建物の床を貫通して設けられ、配管を挿通する円筒状のスリーブ本体に、前記スリーブ本体を軸方向に挿通する配管を支持固定する配管固定機構を一体に設けた床スリーブに於いて、
    前記スリーブ本体の上部開口に着脱自在に蓋部材を設け、前記蓋部材を前記配管固定機構により仮止め固定したことを特徴とする床スリーブ。
  2. 請求項1記載の床スリーブに於いて、前記配管固定機構は、
    L字断面をもつ一対のアングル材を、前記スリーブ本体の側面円筒の外周に一対のアングル面の先端内側を接触した状態で軸方向に固定配置した支持基台と、
    L字断面をもつ一対のアングル材を、一方のアングル面が前記スリーブ本体の上部開口に位置するように他方のアングル面を前記支持基台の両側に固定配置し、前記一方のアングル面に一対の第1ボルト通し穴を形成した取付台と、
    L字断面をもつアングル材の前記取付台に載置する一方のアングル面に、前記第1ボルト通し穴に相対して一対の第2ボルト通し穴を形成すると共に、他方のアングル面に前記配管の口径に対応した間隔で一対の第3ボルト通し穴を形成し、前記第2ボルト通し穴から前記取付台の第1ボルト通し穴に相通したボルトに対するナットの螺合により前記取付台に固定する配管固定部材と、
    前記配管固定部材の前記第3ボルト通し穴にU字形の両端部を連結して前記配管を前記配管固定部材に締め付け固定するU字締結部材と、
    を備え、
    前記スリーブ本体の上部開口に設けた前記蓋部材を、前記取付台に対する前記配管固定部材のボルト止めにより挟み込んで仮止め固定することを特徴とする床スリーブ。
  3. 請求項2記載の床スリーブに於いて、
    前記取付台の第1ボルト通し穴を前記スリーブ本体に向う方向に長い第1長穴とし、前記配管固定部材の第2ボルト通し穴を前記第1長穴に直交する方向に長い第2長穴とし、
    前記取付台の第1長穴と前記配管固定部材の第2長穴を位置合せして挿通したボルトにナットを螺合し、前記スリーブ本体を挿通する前記配管の中心軸線を前記スリーブ本体の中心軸線に略一致するように、前記第1及び第2長穴の範囲で前記配管固定部材を位置調整する構造としたことを特徴とする床スリーブ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113107203A (zh) * 2021-04-27 2021-07-13 张绍强 一种用于建筑楼层预留孔洞的套管组件及其安装使用方法

Cited By (1)

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CN113107203A (zh) * 2021-04-27 2021-07-13 张绍强 一种用于建筑楼层预留孔洞的套管组件及其安装使用方法

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