JP5817547B2 - 燃料電池の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、燃料電池に関する。
燃料電池は、通常、電解質膜の両面に、燃料電池反応を促進するための触媒を担持させた電極(以下、「触媒電極」とも呼ぶ)が配置された発電体である膜電極接合体を備える(下記特許文献1等)。膜電極接合体の両面には、反応ガスを拡散させて触媒電極の全体に行き渡らせるためのガス拡散層が配置される。一般に、膜電極接合体の外周端部は、ガス拡散層の外周端部より突出されており、その膜電極接合体の外周端部には、反応ガスの漏洩(いわゆるクロスリーク)や、触媒電極同士の電気的短絡が抑制されるようにシール部が一体的に形成される。
ところで、そのシール部を形成する際には、ガス拡散層から突出した膜電極接合体の端部部位を十分に支持することができず、シール部を形成するための加熱や、シール部を形成するための材料の流動によって、当該部位に撓みなどの変形を生じさせてしまう場合があった。そうした膜電極接合体の変形は、膜電極接合体を貫通する裂傷や、シール部の欠陥部位を生じさる原因となっていた。
特開2010−140682号公報
本発明は、燃料電池の製造工程において、膜電極接合体を保護しつつシール部を形成する技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
燃料電池の製造方法であって、
(a)膜電極接合体の両面に、反応ガスを拡散するための第1と第2のガス拡散層が配置されている膜電極拡散層接合体であって、前記膜電極接合体の外周端部が、少なくとも前記第1のガス拡散層の外周端部より突出している膜電極拡散層接合体を準備する工程と、
(b)前記第1のガス拡散層の外周端部より突出している前記膜電極接合体の外周端部上に、樹脂部材を配置し、前記膜電極拡散層接合体および前記樹脂部材を、第1と第2のセパレータによって狭持する工程と、
(c)前記第1と第2のセパレータを狭持方向に押圧しつつ加熱することにより、前記樹脂部材を熱溶融させて、前記第1と第2のセパレータを一体的に接着するとともに、前記膜電極拡散層接合体の外周をシールする接着シール部を形成する工程と、
を備える、製造方法。
この製造方法によれば、接着シール部を形成するための樹脂部材の熱溶融工程において、第1のガス拡散層から突出した膜電極接合体の外周端部を、当該樹脂部材によって固定しておくことができる。従って、膜電極接合体の外周端部が加熱や樹脂部材の流動により変形してしまうことが抑制され、膜電極接合体の変形によって接着シール部のシール性が低下してしまうことが抑制される。
[適用例2]
適用例1記載の製造方法であって、前記工程(b)は、前記第1のガス拡散層の外周端部と接触するように、前記樹脂部材を配置する工程を含む、製造方法。
この製造工程によれば、第1のガス拡散層の外周端部が確実にシールされるように接着シール部を形成することができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2記載の製造方法であって、前記工程(b)は、前記第1のセパレータと前記第1のガス拡散層との間に、反応ガスの流路として機能するガス流路部材を配置する工程を含み、前記第1のガス拡散層には、前記ガス流路部材の外周において熱溶融した前記樹脂部材が流入するための凹部が、前記樹脂部材を配置する前に予め設けられている、製造方法。
この製造方法によれば、工程(c)において熱溶融した樹脂部材の余剰分が、ガス流路部材と第1のセパレータとの間や、ガス流路部材の内部などの予定外の部位へと侵入してしまうことを、樹脂部材の逃げ部として機能する凹部によって抑制することができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池の製造方法および製造装置、それらの方法または装置の機能を実現するための制御方法および制御装置、コンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。また、本発明は、例えば、上記の製造方法で製造された燃料電池、その燃料電池を備えた燃料電池システム、その燃料電池システムを搭載した車両等の形態で実現することができる。
燃料電池の構成を示す概略図。 燃料電池の製造工程のうちの単セルの製造工程を工程順に示す模式図。 本実施例の比較例としての単セルの製造工程を説明するための模式図。 本発明の第2実施例としての単セルの製造工程の一部を工程順に示す模式図。 第2実施例の他の構成例を説明するための模式図。 第2実施例の他の構成例を説明するための模式図。 第3実施例としての単セルの製造工程の一部を工程順に示す模式図。
A.第1実施例:
図1は本発明の一実施例としての燃料電池スタックの構成を示す概略図である。この燃料電池スタック100は、反応ガスとして水素と酸素の供給を受けて発電する固体高分子形燃料電池である。燃料電池スタック100は、発電モジュールである単セル110が複数積層されたスタック構造を有する。単セル110は、膜電極接合体11の両面にそれぞれガス拡散層12,13が配置された膜電極拡散層接合体10と、膜電極拡散層接合体10を狭持する2枚のセパレータ20,30と、を備える。
膜電極接合体11は、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す固体高分子薄膜である電解質膜の両面に触媒電極(図示せず)が配置された発電体である。電解質膜は、例えば、フッ素樹脂系のイオン交換膜によって構成することができる。
触媒電極は、燃料電池反応を促進するための触媒(例えば白金(Pt)など)を担持させた電極であり、電解質膜に触媒インクを塗布することにより形成することができる。ここで、「触媒インク」とは、溶媒に触媒を担持した導電性粒子(例えば触媒担持カーボン)と、電解質膜と同種の化合物であるアイオノマーと、を分散させた混合溶液を意味する。なお、触媒電極は、フィルム基材などに、触媒インクを塗布・乾燥させて形成した薄膜を、電解質膜に転写することにより形成することも可能である。
ガス拡散層12,13は、反応ガスを拡散させて、触媒電極全体に行き渡らせるための層である。ガス拡散層12,13は、炭素繊維や黒鉛繊維など、導電性およびガス透過性・ガス拡散性を有する多孔質の繊維基材により構成することができる。なお、膜電極拡散層接合体10では、触媒電極と、ガス拡散層12,13とで、電極が構成されているものと解釈することもできる。
ここで、本実施例の膜電極拡散層接合体10では、膜電極接合体11のサイズとアノード側のガス拡散層13のサイズとをほぼ同じとし、カソード側のガス拡散層12のサイズを膜電極接合体11のサイズより小さく構成してある。そして、膜電極接合体11の全外周端部の位置と、アノード側のガス拡散層13の全外周端部の位置とをほぼ揃え、カソード側のガス拡散層12の全外周端部の位置が、膜電極接合体11の外周端部より内側となるように積層してある。
このように、本実施例の膜電極拡散層接合体10では、膜電極接合体11の外周端部をカソード側のガス拡散層12の外周端部より突出させることにより、カソード側のガス拡散層12の外周端部とアノード側のガス拡散層13の外周端部とを離間させてある。これによって、接着シール部40が形成されたときに、2つのガス拡散層12,13の外周端部同士の接触による電気的短絡の発生が抑制される。また、カソード側とアノード側との間での反応ガスの漏洩、即ち、反応ガスが燃料電池反応に用いられることなく、供給された側とは反対側の電極へと移動してしまう、いわゆるクロスリークの発生が抑制される。
2枚のセパレータ20,30はそれぞれ、膜電極拡散層接合体10のカソード側と、アノード側とに配置される。以下、カソード側のセパレータ20を「カソードセパレータ20」とも呼び、アノード側のセパレータ30を「アノードセパレータ30」とも呼ぶ。各セパレータ20,30は、導電性を有するガス不透過の板状部材(例えば金属板)によって構成することができる。なお、カソードセパレータ20またはアノードセパレータ30の外側の面には、冷媒のための流路が設けられるが、その図示及び説明は省略する。
さらに、本実施例の単セル110では、カソード側のガス拡散層12とカソードセパレータ20との間に、反応ガスの流路として機能するガス流路部材25が配置されている。ガス流路部材25は、例えば、エキスパンドメタルなど、導電性を有する板状部材(金属板など)を多孔質に加工した部材や、発泡金属材料などの通気性を有する多孔質導電性部材によって構成することができる。
また、本実施例の単セル110では、2枚のセパレータ20,30に挟まれた、膜電極拡散層接合体10とガス流路部材25の外周の領域に、接着シール部40が設けられている。接着シール部40は、膜電極拡散層接合体10と、2枚のセパレータ20,30と、ガス流路部材25とをそれぞれ接着して一体化する接着層として機能する。また、接着シール部40は、膜電極拡散層接合体10の外周端部と、ガス流路部材25の外周端部とを被覆して、膜電極拡散層接合体10に供給された反応ガスが外部に漏洩してしまうことを防止するシール層として機能する。
ここで、燃料電池スタック100には、反応ガスおよび排ガスのためのマニホールド51〜54が設けられている。具体的には、燃料電池スタック100には、酸素の供給用マニホールド51と、水素の供給用マニホールド52と、カソード排ガスの排出用マニホールド53と、アノード排ガスの排出用マニホールド54とが設けられている。
各マニホールド51〜54は、膜電極拡散層接合体10の外周の領域において、各単セル110のセパレータ20,30と、接着シール部40とを、単セル110の積層方向に沿って貫通する、互いに平行な貫通孔として形成されている。各供給用マニホールド51,52と、対応する各排出用マニホールド53,54とは膜電極拡散層接合体10を挟んで互いに反対側に設けられている。また、水素供給用マニホールド51と、酸素供給用マニホールド52とは膜電極拡散層接合体10を挟んで互いに反対側に設けられている。
なお、燃料電池スタック100では、各単セル110の接着シール部40の内部に、各マニホールド51〜54と、ガス拡散層12,13との間のガス流路を形成するための流路部材が配置されるが、その図示や詳細な説明は省略する。また、燃料電池スタック100では、冷媒のためのマニホールドが、反応ガスのための各マニホールド51〜54と並列に設けられているが、その図示および説明は省略する。
図2(A)〜(D)は、燃料電池スタック100の製造工程のうちの、単セル110の製造工程を工程順に示す模式図である。第1工程では、膜電極拡散層接合体10と、2枚のセパレータ20,30と、ガス流路部材25とを準備し、それらを所定の位置に配置する(図2(A),(B))。なお、このとき、前記したような、ガス拡散層12,13と、対応するマニホールド51〜54とを接続する反応ガスのための流路部材も配置されるが、その図示および説明は省略する。
第1工程では、さらに、膜電極拡散層接合体10の外周に、接着シール部40を形成するための樹脂部材41を配置する。樹脂部材41としては、熱溶融して固化した後に、接着性およびシール性を発揮する、ゴムなどの樹脂部材を用いることができる。樹脂部材41は、カソード側のガス拡散層12の外周端部から突出した膜電極接合体11の外周端部上に配置される。より具体的には、樹脂部材41は、カソード側のガス拡散層12の外周端部から突出した膜電極接合体11の露出面を被覆するように、カソード側のガス拡散層12の外周端面と接する位置に配置される。なお、この段階では、カソードセパレータ20とガス流路部材25とは、樹脂部材41の厚みにより離間した状態となる。
第2工程では、膜電極拡散層接合体10と、ガス流路部材25と、樹脂部材41とを狭持した2枚のセパレータ20,30を、その狭持方向に、所定の圧力で押圧しつつ加熱する(図2(C))。これにより、樹脂部材41が熱溶融するとともに、2枚のセパレータ20,30の面に沿った方向に押し出されて流動し始める。そして、カソードセパレータ20とガス流路部材25とが互いに接触する程度に、2枚のセパレータ20,30が押圧されると、膜電極拡散層接合体10およびガス流路部材25のそれぞれの外周端面が、溶融した樹脂部材41によって被覆される。
その後、樹脂部材41が固化することにより接着シール部40が形成される。第3工程(図2(D))では、膜電極拡散層接合体10の外周の所定の部位に、マニホールド51〜54を構成するための貫通孔を、打ち抜き工程によって形成する。これによって、単セル110が完成する。
図3(A)〜(C)は、本実施例の比較例としての単セル110の製造工程を説明するための模式図である。図3(A)は、樹脂部材41を熱溶融させて接着シール部40を形成する工程を示す模式図であり、樹脂部材41の配置位置が異なる点以外は、図2(B)とほぼ同じである。
この比較例の製造工程では、樹脂部材41を、膜電極拡散層接合体10の外側に配置して、2枚のセパレータ20,30によって直接的に狭持させる。そして、この状態で、2枚のセパレータ20,30を狭持方向に加圧しつつ加熱する。しかし、このように接着シール部40を形成した場合には、図3(B)や、図3(C)に示したような不具合が生じてしまう可能性がある。
図3(B)は、カソード側のガス拡散層12の外周端部から突出した膜電極接合体11の端部が撓み、その撓んだ部位に、亀裂CRが発生した状態を模式的に示している。ここで、カソード12の外周端部から突出した膜電極接合体11の突出部位は、樹脂部材41を熱溶融するための加熱により、変形しやすい状態となっている。その状態のときに、膜電極接合体11の端部側から、熱溶融した樹脂部材41が流動してくると、樹脂部材41と直接的に接する膜電極接合体11の端部には、せん断力が働き、当該端部に撓みが生じてしまう場合がある。
膜電極接合体11の露出した端部が撓むと、その撓んだ部位が樹脂部材41の流動を阻害し、カソード側のガス拡散層12の端部まで十分に樹脂部材41を到達させることができなくなってしまう可能性がある。また、撓みの度合いが著しい場合には、その撓んだ部位に亀裂CRが生じてしまう可能性が高くなる。膜電極接合体11の亀裂CRは、完成した単セル110において、反応ガスのクロスリークが発生する原因となる。
図3(C)は、カソード12の外周端部から突出した膜電極接合体11の端部がアノード側のガス拡散層13の外表面からめくれ上がってしまった状態を模式的に示している。前記したように、この工程では、膜電極接合体11は加熱され、撓みなどの変形を生じやすい。また、膜電極接合体11の外周端部は、熱溶融した樹脂部材41によって、カソード側のガス拡散層12に向かう方向のせん断力を付与される。
そのため、膜電極接合体11とアノード側のガス拡散層13との間の接合力が十分でない場合には、膜電極接合体11の突出端部は、アノード側のガス拡散層13から乖離してしまい、めくれあがってしまう可能性がある。膜電極接合体11がめくれ上がると、そのめくれ上がった部位によって、樹脂部材41の流動が阻害されてしまい、完成後の単セル110において、反応ガスがリークする経路が形成されてしてしまう可能性がある。
これに対して、本実施例の単セル110の製造工程であれば、カソード側のガス拡散層12の外周端部から突出した膜電極接合体11の端部が、加熱前から、樹脂部材41によって押さえられ、保持された状態である(図2(B))。また、樹脂部材41が熱溶融した後も、樹脂部材41は、その膜電極接合体11の端部を起点として流動するため、膜電極接合体11が樹脂部材41から受けるせん断力は、上記の比較例の場合よりも低減されている。そのため、樹脂部材41の熱溶融工程において、膜電極接合体11の変形が抑制される。
以上のように、本実施例の燃料電池スタック100の製造方法であれば、単セル110の製造工程において、膜電極接合体11の変形が抑制され、膜電極接合体11の変形に起因する接着シール部40のシール性の低下などの不具合の発生が抑制される。
B.第2実施例:
図4(A)〜(C)は本発明の第2実施例としての単セル110の製造工程の一部を工程順に示す模式図である。図4(A)〜(C)は、膜電極拡散層接合体10Aのカソード側のガス拡散層12Aの外表面に溝部12dが設けられている点と、樹脂部材41の形状や流動していく様子が異なる点以外は、図2(B)〜(D)とほぼ同じである。第2実施例の単セル110の製造工程は、以下に説明する点以外は、第1実施例で説明した製造工程と同様である。
第2実施例の膜電極拡散層接合体10Aでは、カソード側のガス拡散層12Aの外側の表面(カソードセパレータ20と対向する側の面)に、溝部12dが設けられている(図4(A))。溝部12dは、ガス流路部材25の外周端と、カソード側のガス拡散層12Aの外周端との間において、ガス流路部材25を囲むように周状に形成されていることが好ましい。溝部12dは、予めプレス加工によって形成されるものとしても良いし、切削加工によって形成されるものとしても良い。
また、第2実施例では、樹脂部材41が、カソード側のガス拡散層12Aの外周端から突出した膜電極接合体11の外周端部上と、ガス流路部材25Aの外周端より突出したカソード側のガス拡散層12Aの端部の表面上とにわたって配置される。なお、樹脂部材41は、その端部が、ガス流路部材25の外周端と接するように配置されることが好ましい。さらに、樹脂部材41は、カソードセパレータ20と接する側の端部が、ガス流路部材25の外周端部より外側に位置しているが好ましい。
この状態で、2枚のセパレータ20,30を、その狭持方向に、所定の圧力で押圧しつつ加熱し、樹脂部材41を熱溶融させて流動させる(図4(B))。樹脂部材41は、その流動前から、その端部がカソード側のガス拡散層12やガス流路部材25の外周端と近接して配置されている。そのため、熱溶融した樹脂部材41をガス流路部材25の外周端部まで十分に到達させることができ、ガス流路部材25の外周端面と、膜電極拡散層接合体10の外周端面とを、樹脂部材41によって確実に被覆させることができる(図4(C))。
また、樹脂部材41と、ガス流路部材25の間には、カソード側のガス拡散層12Aの溝部12dが配置されている。そのため、樹脂部材41の一部を、カソード側のガス拡散層12Aの溝部12dに流入させることができ、ガス流路部材25の内部や、カソードセパレータ20とガス流路部材25との境界に、樹脂部材41が余分に侵入してしまうことを抑制できる。即ち、カソード12の溝部12dは、樹脂部材41が予定外の部位に流動してしまうことを抑制するための、樹脂部材41の余剰分が流入する逃げ部として機能する。
さらに、第2実施例では、樹脂部材41の端部のうちのカソードセパレータ20と接する端部が、ガス流路部材25の外周端部から離間された位置に配置されている。そのため、カソードセパレータ20の面に沿って押し出された樹脂部材41が、カソードセパレータ20とガス流路部材25との境界に侵入してしまうことが抑制される。
以上のように、第2実施例の構成によれば、第1実施例と同様に、膜電極接合体11の外周端部が樹脂部材41によって押さえられているため、樹脂部材41の熱溶融工程において膜電極接合体11が変形してしまうことが抑制される。また、樹脂部材41の逃げ部として機能する溝部12dが設けられていることにより、余分な樹脂部材41が予定外の部位へと流動してしまうことが抑制され、熱溶融前の樹脂部材41を、予めガス流路部材25に近接して配置させておくことが可能となる。従って、ガス流路部材25の外周端部がより確実にシールされるように、接着シール部40を形成することが容易となる。
B1.第2実施例の他の構成例:
上記第2実施例では、カソード側のガス拡散層12Aの外表面に、ガス流路部材25を囲むように、樹脂部材41の逃げ部としての溝部12dが設けられていた。しかし、樹脂部材41の逃げ部は、カソード側のガス拡散層12Aの溝部12d以外の構成によって設けることが可能である。例えば、樹脂部材41の逃げ部は、以下のように設けることも可能である。
B1-1.第2実施例の他の構成例1:
図5は、第2実施例の他の構成例1としての単セル110における樹脂部材41の逃げ部を説明するための模式図である。図5は、溝部12dが設けられたカソード側のガス拡散層12Aに換えて、第1実施例で説明したのと同様なカソード側のガス拡散層12が設けられている点と、カソードセパレータ20に換えて、溝部21が設けられたカソードセパレータ20Aが設けられている点以外は、図4(A)とほぼ同じである。
この構成例1では、カソードセパレータ20Aの、膜電極拡散層接合体10側の面に溝部21が設けられている。溝部21は、ガス流路部材25の外周端部と、カソード側のガス拡散層12の外周端部との間に位置するように設けられており、樹脂部材41の逃げ部として機能する。なおこの構成例1では、カソードセパレータ20Aの外側の面には、溝部21をプレス加工により設けたことによって生じた凸部が存在しているが、この凸部を、冷媒の流路壁の一部として利用することも可能である。
B1-2.第2実施例の他の構成例2:
図6は、第2実施例の他の構成例2としての単セル110における樹脂部材41の逃げ部を説明するための模式図である。図6は、単セル110において、膜電極拡散層接合体10のカソード側のガス拡散層12の上に配置された状態のガス流路部材25Aを、積層方向に沿って見たときの概略図である。この構成例2のガス流路部材25Aには、その外周側面に、複数の凹部25dが、その全外周にわたって設けられている。単セル110を製造する際には、これらの凹部25dを、第2実施例で説明した溝部12dと同様な樹脂部材41の逃げ部として機能させることが可能である。
C.第3実施例:
図7(A),(B)は、本発明の第3実施例としての燃料電池の製造工程の一部を工程順に示す模式図である。図7(A)は、膜電極拡散層接合体10に換えて膜電極拡散層接合体10Bが設けられている点と、樹脂部材41に換えて2つの樹脂部材42,43が設けられている点以外は、図2(B)とほぼ同じである。図7(B)は、膜電極拡散層接合体10に換えて膜電極拡散層接合体10Bが設けられている点以外は、図2(D)とほぼ同じである。
第3実施例の膜電極拡散層接合体10Bでは、アノード側のガス拡散層13Bが、カソード側のガス拡散層12とほぼ同じサイズで構成されている。また、アノード側のガス拡散層13Bの外周端部が、カソード側のガス拡散層12の外周端部とほぼ同じ位置に配置されている。この構成によって、第3実施例の膜電極拡散層接合体10Bでは、膜電極接合体11の外周端部が2つのガス拡散層12,13Bの外周端部から突出した状態となっている(図7(A))。
第3実施例における単セル110の製造工程では、膜電極拡散層接合体10Bを2枚のセパレータ20,30で狭持する際に、2つのガス拡散層12,13Bから突出した膜電極接合体11の端部部位を、2つの樹脂部材42,43によって狭持して保持させる。この状態で、2枚のセパレータ20,30を狭持方向に押圧しつつ加熱することにより、2つの樹脂部材42,43を熱溶融させて流動させるとともに一体化させて、接着シール部40を形成することができる(図7(B))。
以上のように、第3実施例の構成であっても、樹脂部材42,43の熱溶融工程において、樹脂部材42,43によって膜電極接合体11の外周端部が保持されるため、樹脂部材42,43の熱溶融工程における膜電極接合体11の変形が抑制される。従って、膜電極接合体11や接着シール部40における欠陥部位の発生を抑制することができる。
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
D1.変形例1:
上記第1実施例では、カソード側のガス拡散層12の外周端部より、膜電極接合体11の外周端部と、アノード側のガス拡散層13の外周端部とを突出させていた。しかし、上記第1実施例では、カソード側のガス拡散層12とアノード側のガス拡散層13とが入れ換えられるものとしても良い。即ち、アノード側のガス拡散層13の外周端部より、膜電極接合体11の外周端部およびカソード側のガス拡散層12の外周端部を突出させるものとしても良い。また、上記第3実施例では、2つのガス拡散層12,13のサイズをほぼ同じとして、それらの外周端部の位置を揃えていた。しかし、2つのガス拡散層12,13は互いに異なるサイズであっても良く、それらの外周端部の位置は揃っていなくとも良い。
D2.変形例2:
上記実施例では、カソード側にガス流路部材25が配置されていた。しかし、ガス流路部材25は省略されるものとしても良いし、カソード側とアノード側の両方に設けられるものとしても良い。
D3.変形例3:
上記第2実施例では、カソード側のガス拡散層12Aに、樹脂部材41の逃げ部として、溝部12dが設けられていた。しかし、カソード側のガス拡散層12Aには、溝部12dに換えて、他の構成の樹脂部材41の逃げ部が設けられるものとしても良い。例えば、カソード側のガス拡散層12Aには、樹脂部材41の逃げ部として、いわゆるディンプル状の複数の凹部が設けられるものとしても良い。
D4.変形例4:
上記第2実施例やその他の構成例1,2では、カソード側のガス拡散層12Aと、カソードセパレータ20Aと、ガス流路部材25Aのいずれかに、樹脂部材41の逃げ部が設けられていた。しかし、上記第2実施例やその他の構成例1,2の構成は適宜組み合わせることが可能であり、例えば、単セル110は、溝部12dを有するカソード側のガス拡散層12Aと、溝部21を有するカソードセパレータ20Aとを用いて製造されるものとしても良い。樹脂部材41の逃げ部は、ガス拡散層と、セパレータと、ガス流路部材とのうちの少なくとも1つに設けられた凹部として設けられていれば良い。
10,10A,10B…膜電極拡散層接合体
11…膜電極接合体
12,12A…カソード側のガス拡散層
12d…溝部
13,13B…アノード側のガス拡散層
20,20A…カソードセパレータ
21…溝部
25,25A…ガス流路部材
25d…凹部
30…アノードセパレータ
40…接着シール部
41〜43…樹脂部材
51…水素供給用マニホールド
52…酸素供給用マニホールド
53…排出用マニホールド
54…排出用マニホールド
100…燃料電池スタック
110…単セル
CR…亀裂

Claims (3)

  1. 燃料電池の製造方法であって、
    (a)膜電極接合体の両面に、反応ガスを拡散するための第1と第2のガス拡散層が配置されている膜電極拡散層接合体であって、前記膜電極接合体の外周端部が、少なくとも前記第1のガス拡散層の外周端部より突出している膜電極拡散層接合体を準備する工程と、
    (b)前記第1のガス拡散層の外周端部より突出している前記膜電極接合体の外周端部上に、樹脂部材を配置し、前記膜電極拡散層接合体および前記樹脂部材を、第1と第2のセパレータによって狭持する工程と、
    (c)前記第1と第2のセパレータを狭持方向に押圧しつつ加熱することにより、前記樹脂部材を熱溶融させて、前記第1と第2のセパレータを一体的に接着するとともに、前記膜電極拡散層接合体の外周をシールする接着シール部を形成する工程と、
    を備える、製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法であって、
    前記工程(b)は、前記第1のガス拡散層の外周端部と接触するように、前記樹脂部材を配置する工程を含む、製造方法。
  3. 請求項1または請求項2記載の製造方法であって、
    前記工程(b)は、前記第1のセパレータと前記第1のガス拡散層との間に、反応ガスの流路として機能するガス流路部材を配置する工程を含み、
    前記第1のガス拡散層には、前記ガス流路部材の外周において熱溶融した前記樹脂部材が流入するための凹部が、前記樹脂部材を配置する前に予め設けられている、製造方法。
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