JP4965833B2 - 固体高分子電解質膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、固体高分子電解質膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池に係わり、特に、寸法安定性及び機械的強度に優れ、発電時において高い耐久性を有する固体高分子電解質膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池に関する。
燃料電池は発電効率が高く、環境への負荷も小さいことから今後の普及が見込まれている。中でも固体高分子型燃料電池は、出力密度が高く作動温度が低いために小型化が可能なことから、自動車等の移動体用や分散発電システム用、家庭用のコージェネレーションシステム用として広く普及することが期待されている。
従来の燃料電池用の単体セルの断面図を図12に示す。図12において、燃料電池用の単体セル1は、固体高分子電解質膜11を有している。この固体高分子電解質膜11は、その厚さが一般に20〜120μm程度であり、化学的に安定なスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなる陽イオン交換膜が用いられている。
また、固体高分子電解質膜11の両外面11aには、それぞれ金属触媒を含む2つの触媒層27、28が接合されている。この触媒層27、28は、固体高分子電解質膜11の中心部分に形成されており、その周辺には触媒層27、28の接合されない部分が残されている。
そして、これら固体高分子電解質膜11及び触媒層27、28により、膜触媒層接合体31が構成されており、膜触媒層接合体31の触媒層27、28側の両外面31aには、それぞれガス拡散層33、34が配設されている。このガス拡散層33、34は、触媒層27、28から出入りする電子を導電するために固体高分子電解質膜11上に設けられた触媒層27、28と同等以上の大きさを有しており、カーボンペーパーやカーボンクロス等で形成されている。
そして、これら膜触媒層接合体31及びガス拡散層33、34により、膜電極接合体37が構成されており、この膜電極接合体37のガス拡散層33、34側の両外面37aには、セパレータ41、42との間にガス流路47、48が形成されるようになっている。
このとき、セパレータ41、42は、固体高分子電解質膜11全面を覆う大きさを有しており、触媒層27、28と正対する部分には、それぞれ凹状の溝45、46が刻設されている。そして、この溝45、46が、セパレータ41、42及び膜電極接合体37が締め付けられたときに、ガス流路47、48を形成するようになっている。
更に、セパレータ41、42において、膜電極接合体37のうち触媒層27、28が接合されていない部分と正対する部分には、燃料ガスならびに酸化剤ガスが外部に漏れないようにシールするためにガスケット53、54が配置されており、セパレータ41、42及び膜電極接合体37が締め付けられたときに、セパレータ41、42及び固体高分子電解質膜11間に介在され、ガス流路47、48を外部に対して密封するようになっている。
以上により、燃料電池の発電の最小単位となる単体セル1が構成されており、この単体セル1を燃料電池に用いる場合には、実用的な電圧を発生させるため、単体セル1が複数個積層されスタック化されて用いられるようになっている。
かかる構成において、単体セル1のアノード(触媒層28)側には、水素が供給される。一方、そのカソード(触媒層27)側には酸素又は空気が供給される。このとき、水素、酸素及び空気の供給はガス流路47、48を介して行われる。その結果、アノード側ではH2→2H++2e-の反応が起こる。アノード側で生成したH+(プロトン)は固体高分子電解質膜11を通りカソード側へ移動し、またe-(電子)は外部回路を経由してカソード側へと移動する。一方、カソード側では、アノード側から膜を通して移動してきたプロトンと外部回路を通ってきた電子と、供給される酸素が反応し、1/2O2+2H++2e-→H2Oの反応が起こる。
このことにより、単体セル1を有する燃料電池において、化学エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。プロトンが固体高分子電解質膜11を通過するためには固体高分子電解質膜11は水分を保有した状態である必要があり、この反応を効率的に行うためにはアノード及びカソードに供給するガスを加湿して供給する。
しかしながら、このようにして構成した燃料電池において、図12中に点線丸枠で示す電極触媒層端部31bでは、理由は明確ではないが固体高分子電解質膜11に穴があいたり電極の短絡がおきたりするという問題があった。
原因としては、電極接合時の圧力が端部に強くかかり固体高分子電解質膜11が損傷しやすいことや、運転中にも膜電極接合体37の両側から押し付け圧力がかかっているため、電極触媒層端部31bでクリープ現象が起こることなどによって、ガスリークが増大し、局部的に燃焼反応が起こり膜の分解や短絡が発生すると推定される。このため、固体高分子電解質膜11の電極触媒層端部31bにおける触媒層27、28との接合部分は補強した構造とされるのが好ましいと考えられる。
上記問題を解決する方法として、電極触媒層端部と固体高分子電解質膜の間に高分子シートの補強枠を入れた構造の膜電極接合体が提案されている(特許文献1,2)。しかし、この膜電極接合体の場合、電極触媒層端部での膜損傷は抑制できるが、補強枠の内側端部付近で膜損傷が発生する問題が生じる。
そこで、固体高分子電解質膜の通電部の中心付近には実質的に補強材が含まれておらず、通電部とその外周の非通電部の境界付近部分には繊維や布、フィブリル、多孔膜などの補強材が含まれている膜が提案されている(特許文献3,4参照)。しかし、この膜の場合、中心付近は抵抗が低いが強度が不十分であり、また補強部分のガス透過性は抑制されるものの十分ではなく長時間の運転では電極触媒層端部付近で膜の欠陥や短絡が生じていた。
また、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルムに穴の中心点間距離が6mmとなるように3mmφの穴を7行×7列であけ、この穴にパーフルオロスルホン酸ポリマーを含浸、乾燥して通電部分の面積が39mm×39mmの膜を作製し、その両側に50mm×50mmの電極を接合したものが提案されている(特許文献5参照)。しかし、この場合周辺部分のプロトン導電性は低いが、中心付近のプロトン導電性が十分ではなく発電特性が低いという問題があった。
特許3245161号公報 (請求項1) 特許3368907号公報 (請求項1) 特開2000−260443号公報(請求項1、3) 特開平8−259710号公報 (実施例3) 特開2000−215903号公報(実施例3)
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、耐久性に優れ高い発電特性を維持可能な固体高分子電解質膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池を提供することを目的とする。
このため本発明(請求項1)は、複数の貫通孔が形成された多孔シートと該貫通孔に充填されるイオン交換樹脂とからなる充填層を有する固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜の両面に配設される触媒を含む触媒層とを備える固体高分子形燃料電池用の膜電極接合体において、前記多孔シートは、前記貫通孔を介してプロトン導電性を有する第1の領域と、前記貫通孔が形成されておらず、前記第1の領域の外周部に位置する第2の領域とを有し、前記触媒層の外縁は前記第2の領域に位置するように配置されており、前記貫通孔は、1個あたりの平均面積が8×10 -3 〜4mm2で、前記多孔シートの厚さ方向に対してほぼ平行に形成されており、前記多孔シートにおける前記第1の領域は、前記貫通孔による開口率が30〜80%であることを特徴とする。
貫通孔にイオン交換樹脂を充填したことで、本発明の膜電極接合体を構成する固体高分子電解質膜は、多孔シートにより補強される。多孔シートの材質としては、実質的にイオン交換基を有さないものを用いるが、第1の領域では複数の貫通孔が存在し、その中にイオン交換樹脂が充填されているため、加湿雰囲気下ではプロトン導電性を有する。
一方、触媒層の外縁が多孔シートに貫通孔が形成されていない第2の領域に位置するように配置したので、電極接合時に電極触媒層端に圧力が強くかかったり、運転中のクリープによって固体高分子電解質膜が一部損傷を受けてもガスリークの増大が抑制され、局部的な燃焼反応などによる固体高分子電解質膜の劣化や電極の短絡を防ぐことが可能となる。このことにより、長寿命の燃料電池用の膜電極接合体を提供することができる。
貫通孔の1個あたりの平均断面積が小さすぎると、開口率を一定範囲に維持しようとすれば単位面積あたりの貫通孔の数が非常に多くなるために生産性が低くなったり、イオン交換樹脂の充填が困難になるおそれがある。一方、貫通孔の1個あたりの平均断面積が大きすぎると、得られる固体高分子電解質膜を均一に補強することができず、結果としてその強度が不十分となるおそれがある。このため、貫通孔の1個あたりの平均断面積は1×10-3〜20mm2であることが好ましい。
多孔シートの開口率は30%未満であると、最終的に得られる固体高分子電解質膜の抵抗が高くなるおそれがあり、多孔シートの開口率が80%より大きいと固体高分子電解質膜の強度が著しく低下するおそれがあるため、多孔シートの開口率は30〜80%であることが好ましい。
また、本発明(請求項2)は、複数の貫通孔が形成された多孔シートと該貫通孔に充填されるイオン交換樹脂とからなる充填層を有する固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜の両面に配設される触媒を含む触媒層とを備える固体高分子形燃料電池用の膜電極接合体において、前記多孔シートは、前記貫通孔を介してプロトン導電性を有する第1の領域と、前記貫通孔が形成されておらず、前記第1の領域の外周部に位置する第2の領域と、該第2の領域の更に外周部に前記貫通孔が形成され該貫通孔を介してプロトン導電性を有する第3の領域を有し、前記触媒層の外縁は前記第2の領域に位置するように配置されており、前記貫通孔は、1個あたりの平均面積が1×10-3〜20mm2で、前記多孔シートの厚さ方向に対してほぼ平行に形成されており、前記多孔シートにおける前記第1の領域は、前記貫通孔による開口率が30〜80%であることを特徴とする。
このように、貫通孔の形成された第3の領域を設けることにより、膜周辺部においても多孔シートの貫通孔を介して両表面のイオン交換樹脂がつながり、多孔シートとイオン交換樹脂との剥がれを予防することができる。
ここで、第1および第3の領域のプロトン導電性は、本発明の効果が得られる範囲であれば特には限定しないが、実用的には0.01〜0.5S/cm程度のものが用いられ、第2の領域のプロトン導電性としては、第1および第3の領域より十分に低い0.001S/cm以下のものが用いられる。
更に、本発明(請求項3)は、前記固体高分子電解質膜が、前記充填層と、前記充填層の少なくとも片面に形成された、イオン交換樹脂のみからなる樹脂層とを有することを特徴とする。
固体高分子電解質膜は各貫通孔がイオン交換樹脂により充填された多孔シートのみからなっても良いが、その少なくとも片面にイオン交換樹脂のみからなる層が形成されてなると、導電性が高まり好ましい。ここで貫通孔を充填するイオン交換樹脂と多孔シートの面に形成された層のイオン交換樹脂とは同じでも異なっていても良い。
しかしながら、多孔シートの面に形成された層は多孔シートにより補強されていないので、この層を構成するイオン交換樹脂は貫通孔に充填されるイオン交換樹脂よりも強度が高い樹脂、例えばイオン交換容量の低い樹脂を使用する等、異なるものを使用することも有効である。
なお、イオン交換樹脂により貫通孔が充填されてなる層は、多孔シートにより補強されるためイオン交換樹脂自体の強度はあまり高くなくても良い。したがって、得られる固体高分子電解質膜の導電性を高めるためにイオン交換容量が高くて強度が高くないイオン交換樹脂を使用することもできる。
更に、本発明(請求項4)は、前記各領域の接する境界部であって、該境界部のうちのいずれか少なくとも一つは、前記第2の領域に近づくにつれて貫通孔の1個あたりの平均面積が徐々に小さくなっているか、又は単位面積あたりの貫通孔の数が徐々に減少していることを特徴とする。
このことにより、各領域の接する境界部における応力の集中を防ぐことができる。
更に、本発明(請求項5)は、前記多孔シートが、90℃の熱水に浸漬後の含水率が5%以下の材質で形成されたことを特徴とする。
含水率が5%より大きいと触媒層を接合する際や、燃料電池運転時の押し付け圧力に対してクリープしやすくなり固体高分子電解質膜が損傷し、また気体透過性も高くなるので好ましくない。
更に、本発明(請求項6)は、前記多孔シートの材質(構成材料)が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリフォスファゼン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、及び、ポリベンズイミダゾールからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする。
この多孔シートは材質によっては接着性が小さいため、表面処理されているとイオン交換樹脂との接着性が高くなり好ましい。
更に、本発明(請求項7)は、請求項1〜6のいずれかに記載の固体高分子電解質膜電極接合体の両側にセパレータが配置されたセルが積層されてなることを特徴とする。
このことにより、寸法安定性及び機械的強度に優れ、発電時において高い耐久性を有する固体高分子電解質膜電極接合体を搭載した固体高分子形燃料電池が提供される。
以上説明したように本発明によれば、貫通孔にイオン交換樹脂が充填された多孔シートを備え、触媒層の外縁が貫通孔の形成されていない第2の領域に位置するように配置したので、電極接合時に電極触媒層端に圧力が強くかかったり、運転中のクリープによって固体高分子電解質膜が一部損傷を受けてもガスリークの増大が抑制され、局部的な燃焼反応などによる固体高分子電解質膜の劣化や電極の短絡を防ぐことが可能となる。結果として、長寿命の固体高分子電解質膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態である燃料電池用単体セルの断面図を図1に示す。図1において、単体セル100を構成する多孔シート113の中心領域121(以下、領域1という)には、貫通孔117が多数個形成されている。この領域1を取り巻く周囲には貫通孔117が形成されていない領域2が配設されている。ここに、領域1と領域2とを区画する仕切り線118を仮想的に定義する。この多孔シート113の平面図を図2に示す。
そして、この貫通孔117には、イオン交換樹脂が充填されることで、充填層114が形成されている。また、この多孔シート113の両外面には同一のイオン交換樹脂からなる樹脂層125が連設されることで固体高分子電解質膜111が形成されている。この固体高分子電解質膜111の縦断面図を図4に示す。
また、固体高分子電解質膜111の両外面には、それぞれ触媒層127、128が接合されている。この触媒層127、128は、固体高分子電解質膜111の中心部分に形成されており、その周辺には触媒層127、128の接合されない部分が残されている。また、触媒層127、128の外縁が領域2に位置するように配置されている。
そして、これら固体高分子電解質膜111及び触媒層127、128により、膜触媒層接合体131が構成されており、膜触媒層接合体131の触媒層127、128側の両外面には、それぞれガス拡散層133、134が配設されている。このガス拡散層133、134は、触媒層127、128から出入りする電子を効率よく集電するために触媒層127、128と同等か若しくはそれ以上の大きさを有している。
そして、これら膜触媒層接合体131及びガス拡散層133、134により、膜電極接合体137が構成されており、この膜電極接合体137のガス拡散層133、134側の両外面には、セパレータ141、142との間にガス流路147、148が形成されるようになっている。このとき、セパレータ141、142は、固体高分子電解質膜111全面と同じ大きさを有しており、触媒層127、128と正対する部分には、それぞれ凹状の溝145、146が刻設されている。
そして、この溝145、146は、セパレータ141、142及び膜電極接合体137が締め付けられたときに、ガス流路147、148を形成するようになっている。更に、膜触媒層接合体131のうち触媒層127、128が接合されていない部分には、燃料ガスならびに酸化剤ガスを外部に漏れないようにシールするためにガスケット153、154が配置されており、ガス流路147、148を外部に対して密封するようになっている。なお、図1中のA−A矢視図を図3に示す。
かかる構成において、触媒層127及び触媒層128の大きさは、一般には、製造上多少異なっている。このため、図1中に示す触媒層127と触媒層128の端縁も現実には多少ずれが生じている。そして、この触媒層127の端縁と触媒層128の端縁のうち、より領域1に近い方を触媒層端縁130と定義する(図1の例では、触媒層128の端縁の方が触媒層127の端縁よりも領域1に近いので、触媒層128の端縁を触媒層端縁130とする)。
触媒層端縁130が、多孔シート113に貫通孔117が形成されていない領域2に位置するように配置したので、電極接合時に触媒層端縁130に圧力が強くかかったり、運転中のクリープによって固体高分子電解質膜111が一部損傷を受けてもガスリークの増大が抑制され、局部的な燃焼反応などによる固体高分子電解質膜111の劣化や電極の短絡を防ぐことが可能となる。このことにより、長寿命の燃料電池用の膜電極接合体131を提供することができる。
このとき、仕切り線118と触媒層端縁130との距離は、1〜12mm程度が良く、より好ましくは1〜6mm程度であり、更に好ましくは2〜4mm程度である。1mmより小さいと気体が領域2を迂回して領域1を透過するため、膜の劣化抑制効果が十分に発揮されず、12mmより大きいと有効利用されない触媒層部分が増え発電効率が低下して好ましくない。
なお、領域2のガス透過性は、用いるシートの材質と厚み、イオン交換樹脂層の厚み、ガスの種類によって変わるが、領域1のガス透過性の1/2以下であることが好ましく、より好ましくは1/10以下である。領域2のガス透過性が、領域1のガス透過性の1/2より大きいと、領域2におけるガスリーク抑制の効果が十分に発揮されなくなるので好ましくない。
また、多孔シート113の材質としては、実質的にイオン交換基を有しておらず、90℃の熱水に浸漬後の含水率が5%以下のものを用いることが好ましい。5%より大きいと触媒層127、128を接合する際や、燃料電池運転時の押し付け圧力に対してクリープしやすくなり固体高分子電解質膜111が損傷し、また気体透過性も高くなるので好ましくない。
多孔シート113の貫通孔117の1個あたりの平均面積は1×10-3〜20mm2が好ましく、更には8×10-3〜4mm2程度、特に1.5×10-2〜1mm2程度であることが好ましい。例えば、貫通孔117の1個あたりの平均面積が小さすぎると、開口率を一定範囲に維持しようとすれば単位面積あたりの貫通孔117の数が非常に多くなるために生産性が低くなったり、イオン交換樹脂の充填が困難になるおそれがある。
一方、貫通孔117の1個あたりの平均面積が大きすぎると、得られる固体高分子電解質膜111を均一に補強することができず、結果としてその強度が不十分となるおそれがある。そのため、貫通孔117の1個あたりの平均面積を1×10-3〜20mm2程度とすれば、固体高分子電解質膜111に実用上均一で十分な強度を持たせることができ、更に生産性も高く、十分なイオン伝導性を持たせることができる。
また、このような貫通孔117が形成された多孔シート113の中心領域121における開口率は30〜80%であることが好ましく、更には50〜75%、特には62〜70%が好ましい。例えば、開口率が低すぎると、イオン伝導性が妨げられるおそれがあるからである。一方、開口率が高すぎると、得られる固体高分子電解質膜111を十分に補強することができず、その強度が不十分となるおそれがあるからである。
そして、このような貫通孔117の大きさや形状は全て均一とするようにしても良いが、2種以上の大きさや形状を有する孔が混在しても良い。また、貫通孔117の形状は、特に制限されないが、角があるとそれが切りかけとなり補強体としての強度が低下するおそれがあるため、円形あるいは角がない形状であることが好ましい。
貫通孔117の形成に際しては、多孔シート113を機械的に穴あけ加工する方法や、レーザー光線を用いて多孔シート113を形成する方法等があるが、機械的に穴あけ加工する方法は量産性に優れており好ましい方法である。例えば、機械的に打ち抜く方法では、多孔シート113を数十枚から数千枚重ねて、これらに対し数百から数万の貫通孔117を一度に形成できる抜き型を用いることで、短時間で多数の貫通孔117を加工することが可能となる。
また、ドリル加工も適しており、多孔シート113を数十枚から数千枚重ねて、これらに対し多軸NCドリル機を用いて孔あけすることにより、短時間で多数の貫通孔117を加工することができ、低コストで生産することができる。
そして、このような多孔シート113の厚さは、これを有する固体高分子電解質膜111を固体高分子型燃料電池に適用する場合には、3〜50μmであることが好ましく、特に5〜30μmであることが好ましい。
例えば、多孔シート113が薄すぎると、得られる固体高分子電解質膜111を十分に補強できないおそれがあり、また領域2で触媒層端部でのガスリーク遮断性を十分に確保できないおそれがあるからである。一方、多孔シート113が厚すぎると、得られる固体高分子電解質膜111も厚くなりすぎてしまい、イオン伝導抵抗が高くなり抵抗損失が大きくなって十分な性能が得られないおそれがあるからである。
また、特に限定されるものではないが、得られる固体高分子電解質膜111を均一に補強できるようにするために、多孔シート113の膜厚は均一であることが望ましい。このような多孔シート113の貫通孔117には、イオン交換樹脂が充填されるようになっており、これにより、多孔シート113に充填層114が形成されるようになっている。
ここで、充填層114を構成するイオン交換樹脂としては、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなる陽イオン交換樹脂が好ましいが、陽イオン交換樹脂であれば、炭化水素系重合体や部分フッ素化された炭化水素系重合体からなる陽イオン交換樹脂等も使用できる。また、イオン交換樹脂は単一でも2種以上のイオン交換樹脂を混合したものでも良い。
なお、この充填層114は、多孔シート113により補強されるため、充填層114自体の強度はあまり高くなくても良い。そのため、充填層114を構成するイオン交換樹脂は、得られる固体高分子電解質膜111の導電性を高めるために、強度が高くなくてもイオン交換容量が高いイオン交換樹脂を使用することが好ましい。
そして、多孔シート113にイオン交換樹脂を充填する方法としては、特に限定されないが、例えばイオン交換樹脂が分散媒(溶媒)に分散(溶解)した液(以下、イオン交換樹脂含有液という)からキャスト法等により形成したキャスト膜を多孔シート113の両外面に熱圧着する方法や、イオン交換樹脂含有液を多孔シート113の一外面又は両外面に塗工する方法や、イオン交換樹脂含有液に多孔シート113を含浸させた後乾燥する方法等がある。
更に、このような多孔シート113は、充填層114が形成された状態のままでも良いが、固体高分子電解質膜111の導電性を向上させるために、更に多孔シート113の少なくとも片面好ましくは両面にイオン交換樹脂のみからなる樹脂層125が形成されても良い。
そして、この場合、樹脂層125を構成するイオン交換樹脂は、充填層114を構成するイオン交換樹脂と同じ材料でも良いが、異なる材料でも良い。そして、異なる材料を用いる場合には、充填層114を構成するイオン交換樹脂よりも例えばイオン交換容量が低くても強度の高いイオン交換樹脂を使用することで、樹脂層125自体の強度を高めることができる。
なお、樹脂層125は、図4に示すように、多孔シート113の両外面の全領域を覆うように形成されても良い。ただし、これに限られず、図5に示すように、多孔シート113の周辺部分115を一部残して中心領域121を全て覆うように中心領域121の面積より大きく形成されても良い。
そして、この樹脂層125の形成に際しては、多孔シート113に充填層114を形成する際の塗工により形成しても良いし、別途樹脂層125を作製しておいてホットプレス等により多孔シート113上に接合しても良い。また、塗工により形成された樹脂層125と、別途作製した樹脂層125との両方で構成されても良い。
更に、多孔シート113上にイオン交換樹脂含有液を塗布して樹脂層125を形成しても良いし、また、別途キャスト法等により樹脂からなる層を作製しておき、この層を多孔シート113の両面に配置し、ホットプレスすることにより充填層114と樹脂層125を同時に形成しても良い。また、これらの方法を繰り返し行ったり、組み合わせて行ったりすることで、樹脂層125を形成しても良い。
そして、以上のようにして充填層114や樹脂層125が形成された多孔シート113は、図1に示した固体高分子電解質膜111を構成するようになっている。固体高分子電解質膜111は複数枚の多孔シート113を有していても良く、その場合には、それぞれ異なるポリマーからなる多孔シート113を積層させても良い。また、この場合、隣接する多孔シート113間で、樹脂層125が形成されていない面同士が直接接触されるものがあっても良いし、樹脂層125同士が接触されるものがあっても良い。
なお、図6〜図8には、本発明の実施形態である燃料電池用単体セルの別形態を示す。
図6の燃料電池用単体セルの断面図において、単体セル200の多孔シート213は、領域2の更に外周部に、複数の貫通孔117が形成された領域3が設けられている。この場合の多孔シート213の平面図を図7に、図6中のB−B矢視図を図8に示す。
ここに、領域2と領域3とを区画する仕切り線151を仮想的に定義する。即ち、領域2は図7に示すように額縁状に形成されている。このように、領域3を設けることにより、膜周辺部においても多孔シート213の貫通孔117を介して両表面のイオン交換樹脂がつながり、多孔シート213とイオン交換樹脂との剥がれを予防することができる。
触媒層端縁130は、領域2の幅のほぼ中間部に位置することが望ましい。また、この領域2の幅は2〜24mm程度が良く、より好ましくは3〜12mm程度であり、更に好ましくは4〜8mm程度である。
更に、領域1と領域2の境界部、領域2と領域3の境界部は、ともに又はいずれか一方の領域において、図9に示すように領域2に近づくにつれて貫通孔117の1個あたりの平均面積が徐々に小さくされるのが望ましい。このように開口率を徐々に小さくすることにより、領域1と領域2の境界、領域2と領域3の境界に応力が集中することを防ぎことができる。同様の理由から、図10に示すように、貫通孔117の数が徐々に減少されても良い。
なお、本発明で用いられる多孔シート材料は、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリフォスファゼン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリイミドアミド、及び、ポリベンズイミダゾールからなる群より選択される少なくとも1種である。
この多孔シート113、213は材質によっては接着性が小さいため、表面処理されているとイオン交換樹脂との接着性が高くなり好ましい。表面処理の方法は特には限定されないが、化学エッチング処理やコロナ放電処理、プラズマ表面処理などが好適に用いられる。
[実施例1]
(膜の作製)
厚さ12μm、200mm角のポリフェニレンスルフィドフィルム(商品名:トレリナ3030−12、東レ社製)の主面中央部分に、多軸ドリルによりφ300μmの貫通孔(1個あたりの平均面積が約0.071mm2)を中心間距離が350μmになるように千鳥配列で213280個開口させ、開口率がおよそ67%で150mm角の領域1と、その外側に開口部を有していない領域2を有する多孔シート113を作製した。
次に、シリコーン系離型剤で表面を処理した厚さ約100μmのポリエチレンテレフタレート製基材(以下、これと同様の基材をPET基材という)の上にCF2=CF2に基づく繰り返し単位とCF2=CF−OCF2CF(CF3)−OCF2CF2SO3Hに基づく繰り返し単位とからなるイオン交換樹脂の分散液(イオン交換容量:1.1ミリ当量/グラム乾燥樹脂、商品名:フレミオン、旭硝子社製、以下、分散液aという)をダイコート法で総厚みが15μmで200mm角になるように塗工した後、90℃で乾燥させた。そして、これらを2枚製作し、分散液aが塗布された側をそれぞれ多孔シート113側に当てて挟み、約150℃で20分間熱プレスし、図2に示す固体高分子電解質膜111を得た。
(含水率の測定)
厚さ12μm、200mm角のポリフェニレンスルフィドフィルム(商品名:トレリナ3030−12、東レ社製)を90℃の熱水に16時間浸漬後、取り出し、フィルム表面の水分を濾紙で拭き取り、重量を測定した。測定後25℃で窒素を16時間流し、乾燥させ乾燥重量を測定した。含水率は0.2%であった。
(電極の接合)
更に、次のようにして、触媒層127、128を作製する。まず、分散液aと、白金をカーボン上に55質量%担持させた担持触媒とを、エタノールと水の混合分散媒(質量比で1:1)に分散させ、得られた固形分濃度14質量%の触媒分散液を固体高分子電解質膜111の片面の中心部に154mm角に塗工し、白金担持量が約0.4mg/cm2の触媒層128を形成しカソード極とする。
次に、分散液aと、白金とルテニウムの合金をカーボン上に50質量%担持させた担持触媒とを、エタノールと水の混合分散媒(質量比で1:1)に分散させ、得られた固形分濃度14質量%の触媒分散液を固体高分子電解質膜111のもう一方の面の中心部に154mm角に塗工して白金担持量が約0.3mg/cm2の触媒層127を形成してアノード極とし、膜触媒層接合体131を作製する。そして、この膜触媒層接合体131に対して154mm角の触媒層128がその中央部分に配置されるようにして、外形をトムソン型で打ち抜き、165mm角の外形の膜触媒層接合体131を得る。
(電池セルへの組立てと評価)
次に、この膜触媒層接合体131の両表面中央にカーボンブラックとポリテトラフルオロエチレン粒子とからなる厚さ約10μmの導電層を厚さ約300μmのカーボンクロス基材上に形成したガス拡散層156mm角をその導電層が膜触媒層接合体131に接するよう配置する。そしてこれを反応ガス供給用のガス流路147、148を備えた一対のセパレータ141、142間ならびにシールする内寸法が158mm角であるフッ素ゴムのガスケット153、154に挟み込んで有効電極面積が225cm2である燃料電池用の単セル100を得る。
そして、この単セル100のセル温度を90℃に制御し、アノード極側に水素ガス、カソード極側に空気をそれぞれ供給する。この供給するガスは、水素ガスの利用率を80%、空気の利用率を50%とし、供給するガスの露点がそれぞれ70℃となるように加湿してから燃料電池に供給する。その結果どの条件でも安定して運転させることができる。セル温度90℃で電流密度を0.15A/cm2として連続運転するときの経過時間とセル電圧の関係を図11に示す。
[実施例2]
(膜の作製)
厚さ12μm、200mm角のポリフェニレンスルフィドフィルム(商品名:トレリナ3030−12、東レ社製)の主面中央部分に、多軸ドリルによりφ300μmの貫通孔117(1個あたりの平均面積が約0.071mm2)を中心間距離が350μmになるように千鳥配列で213280個開口させ、開口率がおよそ67%で150mm角の領域1と162mm角より外側に同じく多軸ドリルによりφ300μmの貫通孔117を中心間距離が350μmの千鳥配列で開口させ、開口率がおよそ67%の領域3をつくり、開口を有さない領域2の幅が7mmの多孔シート213を作製する。
そして、この多孔シート213に対して実施例1と同様にして、分散液aが塗布されたPET基材を分散液aが塗布された側をそれぞれ多孔シート213側に当てて挟み、約150℃で20分間熱プレスし、図7に示す固体高分子電解質膜211(図2の固体高分子電解質膜111に相当する)を得た。
(電極の接合)
更にこの固体高分子電解質膜211に実施例1と同様にしてカソード極とアノード極を形成し、外形をトムソン型で打ち抜き、165mm角の外形の膜触媒層接合体231(図2の膜触媒層接合体131に相当する)を得る。
(電池セルへの組立てと評価)
次に、この膜触媒層接合体231に対して実施例1と同様にガス拡散層133、134を配置し、有効電極面積が225cm2である燃料電池用の単セル200を得る。そして、この単セル200をセル温度を90℃に制御し、アノード極側に水素ガス、カソード極側に空気をそれぞれ供給する。この供給するガスは、水素ガスの利用率を80%、空気の利用率を50%とし、供給するガスの露点がそれぞれ70℃となるように加湿してから燃料電池に供給する。その結果どの条件でも安定して運転させることができる。セル温度90℃で電流密度を0.15A/cm2として連続運転するときの経過時間とセル電圧の関係を図11に示す。
[実施例3]
(膜の作製)
厚さ25μmのパーフルオロアルコキシエチレン重合体からなるフィルム(商品名:トヨフロンPFA、東レ社製)の主面中心に、多軸ドリルによりφ300μmの貫通孔117(1個あたりの平均面積が約0.071mm2)を中心間距離が350μmになるように千鳥配列で213280個開口させ、開口率がおよそ67%で150mm角の領域1と162mm角より外側に同じく多軸ドリルによりφ300μmの貫通孔117を中心間距離が350μmの千鳥配列で開口させ、開口率がおよそ67%の領域3をつくり、実施例2と同様に開口を有さない領域2の幅が7mmの多孔シート213を作製する。
そして、この多孔シート213に対して実施例1と同様にして、分散液aが塗布されたPET基材を分散液aが塗布された側をそれぞれ多孔シート213側に当てて挟み、約150℃で20分間熱プレスし、図7に示す固体高分子電解質膜211を得た。
(含水率の測定)
厚さ25μmのパーフルオロアルコキシエチレン重合体からなるフィルム(商品名:トヨフロンPFA、東レ社製)を90℃の熱水に16時間浸漬後、取り出し、フィルム表面の水分を濾紙で拭き取り、重量を測定した。測定後25℃で窒素を16時間流し、乾燥させ乾燥重量を測定した。含水率は0.1%であった。
(電極の接合)
更にこの固体高分子電解質膜211に実施例1と同様にしてカソード極とアノード極を形成し、外形をトムソン型で打ち抜き、165mm角の外形の膜触媒層接合体231を得る。
(電池セルへの組立てと評価)
次に、この膜触媒層接合体231に対して実施例1と同様にガス拡散層133、134を配置し、有効電極面積が225cm2である燃料電池用の単セル200を得る。そして、この単セル200をセル温度90℃に制御し、アノード極側に水素ガス、カソード極側に空気をそれぞれ供給する。この供給するガスは、水素ガスの利用率を80%、空気の利用率を50%とし、供給するガスの露点がそれぞれ70℃となるように加湿してから燃料電池に供給する。その結果どの条件でも安定して運転させることができる。セル温度90℃で電流密度を0.15A/cm2として連続運転するときの経過時間とセル電圧の関係を図11に示す。
[比較例1]
CF2=CF2に基づく繰り返し単位とCF2=CF−OCF2CF(CF3)−OCF2CF2SO3Hに基づく繰り返し単位とからなる厚さ30μmのイオン交換膜(イオン交換容量:1.1ミリ当量/グラム乾燥樹脂、商品名:フレミオンSH−30、旭硝子社製)を膜として用いた(以下、この膜を膜M1という)。
(電極の接合)
そして、この膜M1に対して実施例1と同様にしてカソード極とアノード極を形成し、外形をトムソン型で打ち抜き、165mm角の外形の膜触媒層接合体CCM1を得た。
(電池セルへの組立てと評価)
次に、この膜触媒層接合体CCM1に対して実施例1と同様にガス拡散層133、134を配置し、有効電極面積が225cm2である燃料電池用の単セルを得た。そして、この単セルをセル温度90℃に制御し、アノード極側に水素ガス、カソード極側に空気をそれぞれ供給する。この供給するガスは、水素ガスの利用率を80%、空気の利用率を50%とし、供給するガスの露点がそれぞれ70℃となるように加湿してから燃料電池に供給する。その結果どの条件でも安定して運転させることができる。セル温度90℃で電流密度を0.15A/cm2として連続運転するときの経過時間とセル電圧の関係を図11に示す。
このように、シート膜に領域1、2を設けず、無補強でかつイオン交換膜のみから形成した場合には、経過時間が600時間を超えたあたりで、急激にセル電圧が降下することが分かる。
[比較例2]
厚さ12μm、200mm角のポリフェニレンスルフィドフィルム(商品名:トレリナ3030−12、東レ社製)の主面中心に、多軸ドリルによりφ300μmの貫通孔117(1個あたりの平均面積が約0.071mm2)を中心間距離が350μmになるように千鳥配列で275232個開口させ、開口率がおよそ67%で170mmの領域を有する多孔シートを作製した。そして、この多孔シートに対して実施例1と同様にして、分散液aが塗布されたPET基材を分散液aが塗布された側をそれぞれ多孔シート側に当てて挟み、約150℃で20分間熱プレスし、固体高分子電解質膜を得た。
(電極の接合)
そして、この固体高分子電解質膜に対して実施例1と同様にしてカソード極とアノード極を形成し、外形をトムソン型で打ち抜き、165mm角の外形の膜触媒層接合体CCM2を得た。
(電池セルへの組立てと評価)
次に、この膜触媒層接合体CCM2に対して実施例1と同様にガス拡散層133、134を配置し、有効電極面積が225cm2である燃料電池用の単セルを得た。そして、この単セルのセル温度を90℃に制御し、アノード極側に水素ガス、カソード極側に空気をそれぞれ供給する。この供給するガスは、水素ガスの利用率を80%、空気の利用率を50%とし、供給するガスの露点がそれぞれ70℃となるように加湿してから燃料電池に供給する。その結果どの条件でも安定して運転させることができる。セル温度90℃で電流密度を0.15A/cm2として連続運転するときの経過時間とセル電圧の関係を図11に示す。
このように、多孔シートには、領域1のみが形成され、領域2が形成されていない状態なので、図11に示すように、経過時間が1200時間を超えたあたりで、急激にセル電圧が降下する。
本発明の実施形態である燃料電池用単体セルの断面図 多孔シートの平面図 図1中のA−A矢視図 固体高分子電解質膜の縦断面図 固体高分子電解質膜の別例 燃料電池用単体セルの別形態(断面図) 同上多孔シートの平面図 図6中のB−B矢視図 領域境界部の構成例 領域境界部の構成別例 経過時間とセル電圧の関係図 従来の燃料電池用の単体セルの断面図
符号の説明
1、100、200 単体セル
11、111、211 固体高分子電解質膜
11a 固体高分子電解質膜の両外面
113、213 多孔シート
114 充填層
117 貫通孔
118、151 仕切り線
121 中心領域
125 樹脂層
27、28、127、128 触媒層
130 触媒層端縁
31、131、231 膜触媒層接合体
31a 膜触媒層接合体の両外面
31b 電極触媒層端部
33、34、133、134 ガス拡散層
33a、34a ガス拡散層端部
37、137、237 膜電極接合体
37a 膜触媒層接合体の両外面
137 膜電極接合体
41、42、141、142 セパレータ
45、46、145、146 溝
47、48、147、148 ガス流路
53、54、153、154 ガスケット

Claims (7)

  1. 複数の貫通孔が形成された多孔シートと該貫通孔に充填されるイオン交換樹脂とからなる充填層を有する固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜の両面に配設される触媒を含む触媒層とを備える固体高分子形燃料電池用の膜電極接合体において、
    前記多孔シートは、前記貫通孔を介してプロトン導電性を有する第1の領域と、
    前記貫通孔が形成されておらず、前記第1の領域の外周部に位置する第2の領域とを有し、
    前記触媒層の外縁は前記第2の領域に位置するように配置されており、
    前記貫通孔は、1個あたりの平均面積が8×10 -3 〜4mm2で、前記多孔シートの厚さ方向に対してほぼ平行に形成されており、
    前記多孔シートにおける前記第1の領域は、前記貫通孔による開口率が30〜80%であることを特徴とする固体高分子電解質膜電極接合体。
  2. 複数の貫通孔が形成された多孔シートと該貫通孔に充填されるイオン交換樹脂とからなる充填層を有する固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜の両面に配設される触媒を含む触媒層とを備える固体高分子形燃料電池用の膜電極接合体において、
    前記多孔シートは、前記貫通孔を介してプロトン導電性を有する第1の領域と、
    前記貫通孔が形成されておらず、前記第1の領域の外周部に位置する第2の領域と、
    該第2の領域の更に外周部に前記貫通孔が形成され該貫通孔を介してプロトン導電性を有する第3の領域を有し、
    前記触媒層の外縁は前記第2の領域に位置するように配置されており、
    前記貫通孔は、1個あたりの平均面積が1×10-3〜20mm2で、前記多孔シートの厚さ方向に対してほぼ平行に形成されており、
    前記多孔シートにおける前記第1の領域は、前記貫通孔による開口率が30〜80%であることを特徴とする固体高分子電解質膜電極接合体。
  3. 前記固体高分子電解質膜は、前記充填層と、前記充填層の少なくとも片面に形成された、イオン交換樹脂のみからなる樹脂層とを有する請求項1又は2に記載の固体高分子電解質膜電極接合体。
  4. 前記各領域の接する境界部であって、該境界部のうちのいずれか少なくとも一つは、前記第2の領域に近づくにつれて貫通孔の1個あたりの平均面積が徐々に小さくなっているか、又は単位面積あたりの貫通孔の数が徐々に減少している請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜電極接合体。
  5. 前記多孔シートが、90℃の熱水に浸漬後の含水率が5%以下の材質で形成された請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜電極接合体。
  6. 前記多孔シートの材質が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリフォスファゼン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、及び、ポリベンズイミダゾールからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜電極接合体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の固体高分子電解質膜電極接合体の両側にセパレータが配置されたセルが積層されてなることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
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