JP5815410B2 - X線ct装置 - Google Patents

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Description

本発明は、X線CT装置に係り、特にX線管焦点位置の変化を補正可能なX線CT装置に関する。
X線CT装置は、複数の方向から撮影した被写体のX線透過像(以下、投影データと記す)から、X線吸収係数を算出し、被写体の断層像(以下、再構成像と記す)を得る装置である。医療や非破壊検査の分野で広く用いられており、特に近年、医療の現場において、回転駆動の高速化や、回転軸方向へのX線検出器の多段化が進んでいる。これにより心臓などの動く臓器全体を、ボケを生じることなく撮影できるようになってきた。
このようなX線CT装置でX線源として使用されるX線管は、例えば特許文献1に記載されるように、フィラメントで発生した熱電子を高電圧にて加速すると共に焦点に収束し、回転陽極ターゲットに衝突させてX線を発生する。このとき熱電子のエネルギーの一部はX線に変換されるが、殆どは熱に変換されるため、焦点は高温になる。この熱により、X線ターゲットを支持する回転軸などは温度が上昇して熱伸びを生じ、焦点位置が変化する。その後、発生した熱は放射や冷却器によって外部に導かれるために、X線ターゲットの回転軸などは温度が下がって縮みを生じ、再び焦点の位置が変化する。多くのX線CT装置では、図20に示すように、X線ターゲット400の回転軸402の方向が、ガントリー回転部101の回転軸403の方向と一致するように配置され、更にこの方向は、X線検出器104のスライス方向107と一致する。従って、X線ターゲット回転軸401などの伸び縮みが生じると、スライス方向107にX線照射野が変化する。
このようなX線照射野の変化は、再構成像でのアーチファクトの発生や定量性の低下などの画質劣化の原因となる場合がある。この現象について、図21を用いて説明する。図21に示すように、チャネル方向108に隣り合うX線検出素子228-1と228-2は、スライス方向107に位置ずれを有する。これは、X線検出素子を構成するシンチレータ素子やフォトダイオード素子に、作製時や組立て時に生じる位置ずれや変形、シンチレータ素子やフォトダイオード素子からなるブロック基板の接着や搭載の際に生じる位置ずれや変形、X線検出器が複数のX線検出モジュールから成る場合、その配列モジュール間の位置ずれなどで生じる。このように位置ずれは、完全に取り除くことは難しい。
更に図21の(a)と(b)では、X線照射野404が異なる。照射野が(a)から(b)のようにスライス方向107に移動したとき、X線検出素子228-1では、(a)(b)のどちらの場合もX線検出素子全体にX線が入射しているために出力は変化しない。これに対し、X線検出素子228-2は、(b)の際はX線検出素子の一部にX線が当たらなくなり、出力が低下する。従って、X線検出素子228-1と228-2はX線照射野の変化によって異なる出力変化を生じ、再構成像でのアーチファクトの発生や定量性の低下を生じる。
このような焦点の移動によるX線照射野の変動を防ぐため、例えば特許文献1には、スキャンが行われている際に焦点位置検出器で計測した焦点位置と冷却特性データを用いて、次回のX線照射時の焦点位置を算出することで、X線コリメータを移動するX線管装置が開示されている。
特開2000-51209号公報
しかし特許文献1に記載されているように、X線照射の直前に、焦点位置を前回のX線照射で判明した位置から計算した場合、位置が前回に比べて大きく移動していた場合は、X線コリメータを制御する時間を要し、撮影開始を遅らせる必要があった。例えばX線管を移動用モータにて移動することで焦点位置制御を実現するとき、移動用モータの移動速度が200μm/秒で200μmの移動を実現する必要がある場合は、少なくとも撮影指示から撮影開始まで、1秒の遅延が生じることになる。このような遅延は、心臓撮影時などの動きのある被写体を撮影する際には問題となる。遅延を減らすために、高速に移動可能な移動用モータを使用することもできるが、必ず多少なりとも遅延が生じると共に、移動用モータの位置精度の低下やコストの向上などの問題が生じる。更に焦点の位置によって遅延時間が変化することとなり、撮影開始のタイミングが一意に決まらないという問題も生じる。
更に、熱伸びが時定数を有して生じるときはX線照射後にも生じるため、X線照射で得た焦点情報には、その照射による熱伸び量の一部が含まれない。そのため、焦点を得たX線照射による熱伸び量の全てを考慮した推定ができず、焦点位置の推定精度が低下するという問題があった。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、撮影タイミングの遅延を生じることなく、焦点移動に起因するアーチファクトの発生や定量性の低下などの画質劣化を除去、抑制したX線CT装置を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するために、焦点からX線を照射するX線発生手段と、前記X線を電気信号に変換するX線検出手段と、前記X線の照射野を限定するX線コリメータ手段と、前記X線検出手段から得られた前記電気信号に対して再構成処理を行って再構成像を作成する再構成処理手段と、前記X線発生手段と前記X線検出手段と前記X線コリメータ手段の少なくとも1つを制御移動する照射野変更駆動手段と、推定時刻における前記X線発生手段の焦点位置を推定し、前記推定結果を用いて、前記X線検出手段におけるX線入射位置を一定に保つために必要な前記照射野変更駆動手段の移動量を算出する移動量算出手段と、を備え、予め定めた所定のタイミングで、前記移動量算出手段が前記移動量の算出を行うと共に、前記照射野変更駆動手段が前記移動量に応じた前記制御移動を行う、ことを特徴とする。
これにより予め定められたタイミングでX線照射野を変更することができ、X線を照射していないときでも照射野を変更できるようになる。X線を照射する直前でない事前に、焦点位置を推定して、X線管やX線コリメータやX線検出器などを移動制御し、焦点位置を制御しておくことで、X線照射する際に、前回の推定位置から大きく移動する必要が生じても、照射タイミングを遅延することがなく、直ぐに適切なX線照射野で撮影を開始することができる。更に、照射までの時間が変化することなく、目的のタイミングでの撮影が開始できる。
また、前記移動量算出手段は、X線照射に関する撮影条件及び経過時間に対応する前記X線発生手段の焦点位置の変化量を規定した焦点位置推定用パラメータと、過去に前記焦点位置を推定した時刻である過去推定実施時刻から前記推定時刻までの経過時間と、前記過去推定実施時刻における前記撮影条件を示す推定用撮影条件と、前記過去推定実施時刻における前記焦点位置を示す推定用焦点位置情報と、を用いて、前記過去推定実施時刻における前記焦点位置を基準とする、前記推定時刻における焦点位置の変化量を推定し、その焦点位置の変化量を用いて、前記焦点位置の変化によって生じる前記X線検出手段のX線入射位置の変化を打ち消すために必要とされる照射野変更駆動手段の移動量を算出してもよい。
このような構成により、熱伸びと縮みによる焦点移動量を、推定用焦点位置情報と推定用撮影条件と経過時間を基に推定するため、精度を向上できる。このとき、推定用焦点位置情報と推定用撮影条件を基にすることにより、焦点位置が変化する前の状況に応じた熱伸びと縮みの変化量を推定することが可能となり、経過時間を基にすることにより、熱伸びと縮みの時間的な変化を推定することが可能となる。また特に熱伸び量は、推定用撮影条件に強く依存するため、本方法により、推定用撮影条件に応じて熱伸び量を推定することで、精度を向上できる。
また、前記X線発生手段から照射されるX線を用いて前記焦点位置を検出する焦点位置検出手段を更に備え、前記移動量算出手段は、前記過去推定実施時刻においてX線を照射した場合には、前記推定用焦点位置情報として、前記焦点位置検出手段が検出した焦点位置を示す情報を選択し、前記過去推定実施時刻においてX線を照射しなかった場合には、前記推定用焦点位置情報として、前記移動量算出手段が推定した焦点位置を示す情報を選択してもよい。
これにより、X線を照射して得た焦点位置を用いるとき、最も新しい過去に検出した焦点位置を基準に焦点を推定できるため、過去の推定値を用いて推定する場合に比べて、それ以前の推定誤差が含まれない推定値を得ることができる。特にX線を照射したときの熱伸び量の推定で、実際と推定で誤差が生じやすいが、X線照射の度に焦点位置を検出して得ることができるので、推定誤差の蓄積を防ぎ、推定精度を向上できる。更に焦点を撮影した際のX線照射による焦点移動量も含めて推定できるため、高い精度で推定できる。
また本X線CT装置は、前記推定時刻よりも前において直近の前記過去推定実施時刻の情報と、該時刻における焦点位置の変化量である第1変化量と、該時刻における前記熱伸び量の収束値と、を不揮発的に記憶する記憶手段を更に備え、前記移動量算出手段は、前記過去推定実施時刻から前記推定時刻までの経過時間と、前記過去推定実施時刻における第1変化量と、前記過去推定実施時刻における前記熱伸び量の収束値と、に基づいて、前記推定時刻における第1変化量を算出してもよい。また、冷却による縮み量も不揮発的に記憶してもよい。
これにより停電やX線CT装置に異常により電源が一時的にオフとなった際にも、立ち上げ直した後に、その時間経過からそれ以前のX線照射や冷却を踏まえて、焦点移動量を推定することが可能となり、精度の良い推定が出来る。また、冷却による縮み量も記憶しておくことで、この縮み量を用いて焦点位置の推定を行うことができる。これにより、それ以前のX線照射や冷却を踏まえずに推定を行うと、それ以前のX線照射以降に時定数を有して焦点が移動しているときなどは、電源がオフとなる前の影響で実際の焦点位置が推定値とずれてしまうという問題を回避できる。
また本X線CT装置は、前記焦点位置推定手段が、等間隔な複数の時刻に焦点位置を推定してもよい。これにより熱伸び量を、一つ前の推定での伸び量の結果を用いて、級数計算によって算出することが可能となる。これにより過去のX線照射の一つ一つを記憶し、それぞれの推定時刻での影響を算出して加算することを行う必要がなく、計算量や記憶手段の低減や処理の高速化が可能となる。
更に本X線CT装置は、前記移動量算出手段が、複数回の前記焦点位置推定を推定時刻にまとめて行ってもよい。これにより予定される未来の焦点位置を事前に予測でき、この結果を基にX線照射野を変更しておくことで、X線照射野の変更のための時間待ちを生じずに、撮影を開始することが可能となる。
本発明によれば、焦点位置検出のためのX線照射を行わずに、焦点位置の移動量を精度よく推定して、X線照射野を変更することで、撮影タイミングの遅延を生じることなく、焦点移動に起因するアーチファクトの発生や定量性の低下などの画質劣化を除去、抑制したX線CT装置を提供することができる。
本発明のX線CT装置の第一実施形態の実施形態を示す概略図 第一実施形態のX線CT装置における焦点位置の制御方法の一例を説明するための処理フロー図 X線管が伸びを抑える機構を有する場合のX線ターゲットの支持方法の一例を説明するための概略図 X線管が伸びを抑える機構を有する場合のX線ターゲットの支持方法の一例を説明するための概略図 第一実施形態のX線CT装置における焦点位置の経時変化の一例を説明するための説明用グラフ 第一実施形態のX線CT装置において、管電流を変えた際に得られる焦点位置の経時変化の一例を説明するための説明用グラフ 第一実施形態のX線CT装置における関数の係数を決定する方法を説明するための説明用グラフ 第一実施形態のX線CT装置における関数の係数を決定する方法を説明するための説明用グラフ 第一実施形態のX線CT装置の焦点位置計測用スリットの一例を説明するための説明図 第一実施形態のX線CT装置の焦点位置計測用検出器の一例を説明するための説明図 第一実施形態のX線CT装置の焦点位置検出手段が焦点位置を検出する方法を説明するための説明図 第一実施形態のX線CT装置において、焦点位置計測用検出器の検出信号から焦点位置を算出する方法を説明するための説明図 焦点位置の変化の一例を説明するための説明図であって、図13(a)はデータ点320が計測した減弱特性を示し、図13(b)は焦点位置に対する焦点位置の変化量を示す。 計算モデルを用いずに焦点の縮み量を算出する方法を説明するための説明図であって、図14(a)は伸びと縮みの方向が逆転しない場合を示し、図14(b)は逆転する場合を示す。 本発明のX線CT装置の第二実施形態を示す概略図 第二実施形態のX線CT装置におけるX線コリメータ303の移動方法を説明するための説明図であり、図16(a)は焦点移動前を示し、図16(b)は焦点移動後を示す。 本発明のX線CT装置の第三実施形態の実施形態を示す概略図 第三実施形態のX線CT装置におけるX線検出器104の移動方法を説明するための説明図であり、図18(a)は焦点移動前を示し、図18(b)は焦点移動後を示す。 第三実施形態のX線CT装置におけるX線コリメータ303とX線検出器104の移動方法を説明するための説明図であり、図19(a)は焦点移動前を示し、図19(b)は焦点移動後を示す。 従来のX線CT装置の回転軸402の方向を説明するための説明図 従来のX線CT装置において、X線照射野の変化がアーチファクトの発生や定量性の低下などの要因と成ることを説明するための説明図であり、図21(a)は照射野前を示し、図21(b)は照射野移動後を示す。
以下、本発明の実施形態について、図を参照して詳述する。以下の説明において、同一機能を有する者には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
<第一実施形態>
本実施形態は、医療で用いられている一例のX線CT装置であり、以下、図1から図14を用いて説明する。
図1を用いて、本実施形態のX線CT装置の概略を説明する。本実施形態のX線CT装置は、X線源100、X線管移動手段301、X線コリメータ303、X線検出器104、焦点位置計測用スリット304と焦点位置計測用検出器300からなる焦点位置検出手段、信号収集手段118、中央処理手段105、表示装置106、入力手段119、制御手段117、ガントリー回転部101、寝台天板103から構成される。X線検出器104はX線源100を略中心とした円弧状に複数配置されており、X線源100と共にガントリー回転部101に搭載されている。中央処理手段105には、X線検出器104が検出したX線を変換して得た電気信号に対して再構成処理を行う画像再構成処理プログラムや、X線焦点位置を推定し、X線検出器104に対するX線入射領域を一定に保つために、X線管、X線コリメータ103またはX線検出器104の少なくとも一つの移動量を算出する移動量算出プログラム、X線照射に基づいてX線焦点位置の算出を行うプログラムが格納される。そして、中央処理手段105を構成するハードウェア資源により上記各プログラムが実行されることにより、再構成処理手段、移動量算出手段、焦点位置検出手段が構成される。中央処理手段105の記憶手段には、移動量算出手段による焦点位置の推定処理に用いられる焦点位置推定用パラメータが格納される。
ここで図1では、説明を簡単にするために、X線検出器104は8個の場合が示されているが、実際の装置では、例えば40個程度である。またX線検出器104の前面にはX線グリッド(図1には図示せず)が設置されており、X線源100から照射されたX線のうち、被写体102などで散乱されたX線が、X線検出器104に入射するのを防ぐ。
次に図1を用いて、撮影方法と処理の方法について説明する。まず入力手段119から撮影開始の入力があると、焦点位置を制御してX線の照射野を調整する。この方法については、以下で別途詳しく述べる。その後、X線源100から扇状のX線を寝台天板103に載った被写体102に向けて照射し、被写体102を透過したX線をX線検出器104にて電気信号に変換する。X線源100のX線出力口にはX線コリメータ303が配置され、照射野を限定している。
この撮影を、ガントリー回転部101を回転方向108に回転することで、被写体102に対するX線の照射角度を変化させながら繰り返すことにより、360度分の投影データを取得する。この撮影は、例えば0.4度ごとに複数ビューの間、行う。この際、制御手段117は、ガントリー回転部101の回転、X線検出器104と焦点位置計測用検出器300の読み出し、X線源100のX線照射、X線管移動手段301の移動を制御する。
このようにして得た電気信号を信号収集手段118にて収集してデジタル信号に変換し、ローデータを作成する。次にローデータに対して、中央処理手段105にて画像処理を行い、投影データを作成する。この画像処理は、例えば、感度補正処理やオフセット補正処理である。次に投影データを再構成し、被写体102のX線吸収係数分布の断面像(再構成像)を作成する。この結果を表示装置106で表示する。
図2を用いて、焦点位置の制御方法の一例を説明する。本方法は、前回の焦点位置制御時の焦点位置からの焦点の移動量を推定し、その移動を打ち消すようにX線管を移動する。
一例として、X線の照射の直前に、焦点位置を推定する場合を記す。以下の処理は、X線CT装置の電源投入をトリガーとして開始される。そして本発明に係るX線CT装置は、待機中、即ち電源がONで撮影開始指示の入力待ちをしている状態において、基準時から所定時間が経過すると、焦点位置の移動量の推定及びX線照射野の移動と、再度の経過時間の計測と、を定期的(すなわち上述の所定時間毎)に繰り返し行う。待機中に撮影開始指示が入力されると、撮影開始指示の入力をトリガーとして焦点位置の移動量の推定及びX線照射野の移動、及びX線照射が行われる。そして、撮影開始指示の入力時を基準時として更なる経過時間の計測が行われる。
本実施形態では、1スキャン内におけるビュー毎の撮影に対して焦点位置の移動量の推定及びX線照射野の移動、及びX線照射を行う。よって、入力手段119からスキャン撮影開始の指示が入力されると、中央処理手段105はビュー毎に焦点位置の移動量の推定、X線照射野の移動、及びX線照射の処理を行い、これら一連の処理を全ビュー数相当の回数に亘って繰り返す。そして最後のビューのX線照射が終了すると、待機状態となり、最後のビューについての焦点位置の移動量の推定を行った時を基準時として時間計測を再開し、所定時間(t1)の経過に焦点位置の移動量の推定、X線照射野の移動を行う。以下図2の各ステップに沿って説明する。
ステップS1では、中央処理手段105は前回の推定からの経過時間を計測しておく。そして、所定の時間が経過した場合にはS3へ進む。
ステップS2では、入力手段119に撮影開始指示が入力された否かを判定する。撮影開始指示が入力されていなければステップS1へ戻り、引き続き前回の推定からの経過時間の計測を行う。撮影開始指示が入力されるとステップS3へ進む。
ステップS3では、中央処理手段105は、今回の推定時刻と、今回の推定時刻よりも前の直近の推定時刻と、の間でX線照射をしたか否かを判定する。肯定であれば、ステップS4へ進み、否定であればステップS5へ進む。
ステップS4では、中央処理手段105は、前回に照射したX線を検出して得た信号からX線照射時における焦点位置を算出し、この算出した焦点位置の値を選択する。ここで選択される焦点位置は、X線照射で得た信号に基づくので、焦点位置の実測値に相当する。この焦点位置算出処理については、以下にて別途記す。
ステップS5では、中央処理手段105は、前回の焦点位置推定処理の結果である焦点位置を選択する。ここで選択される焦点位置は、X線照射で得た信号に基づくのではなく、焦点位置の推定処理により得られる値であることから、焦点位置の推定値に相当する。
ステップS6では、選択した焦点位置を用いて、前回推定時又はX線照射時から今回の推定時までの焦点位置の移動量の推定を行う。焦点位置の移動には、X線照射による変化(以降、伸びと記す)と、X線管の冷却による変化(以降、縮みと記す)があり、本ステップではそれぞれ算出する。これらの算出方法については、別途以下で詳しく記す。求めた伸び量と縮み量から、移動量を算出できる。
ステップS7では、焦点位置の推定処理を行う。本ステップでは、ステップS6の焦点位置移動量推定処理で用いた焦点位置に、ステップS6で算出した移動量を加えて、焦点位置を推定する。ただしこの推定は、次回の焦点位置の推定時に行っても良い。更に、次回の焦点位置の推定時に、照射したX線を検出して得た信号から算出した焦点位置の値(実測値)を用いる場合には、本ステップの処理は行わなくても良い。推定された焦点位置は、記憶手段に保存される。
ステップS8では、X線検出手段へのX線入射位置を一定に保つために、焦点位置の変化により生ずるX線入射位置の変化を打ち消すために必要なX線管の移動量を算出する。移動量は、例えば算出した焦点位置の移動量分だけ、焦点の移動方向と反対方向と決定する。
ステップS9では、次にX線を照射する前に、ステップS8の移動量を基に、制御手段117を制御してX線照射野移動を行う。X線照射野移動は、例えばX線管移動手段301にてX線管100を動かすことで実現する。ステップS1で肯定されて、即ち所定時間の経過により焦点位置の推定等の一連の処理が行われた場合には、ステップS1へ戻り、経過時間の計測が続行される。ステップS2で肯定されて、即ち撮影開始指示の入力により焦点位置の推定等の一連の処理が行われた場合には、ステップS10へ進み、X線が照射される。そして再びステップS1へ戻り、経過時間の計測が続行される。
次に、ステップS4で記した、焦点位置算出処理における伸び量と縮み量を算出する方法の一例を説明する。伸びは、例えば、X線によってX線ターゲットが加熱された後に回転軸などが温まり、熱伸びするために生じる。従って伸び量は、X線照射条件に依存した量であり、ある伸び量に、時定数を有して収束するように生じると考えられる(以降、この伸び量の収束値を、最終伸び量と記す)。この時定数が1つであってτuであり、最終伸び量をΔgとすると、X線照射前に対するX線照射後の伸び量ΔGは、式(1)のように記すことができる。ここでΔtはX線照射からの経過時間であり、収束値Δgは、X線管電圧、管電流、X線照射時間などのX線照射条件の関数となる。
Figure 0005815410
更に多くのX線管は、伸びを抑える機能を有する。これは例えば図3に示すように、焦点位置の変化による照射野の変化を抑えるために意図して設けられた構造によって実現される場合や、例えば図4に示すように、X線ターゲット回転軸などの構造によって自然に生じる場合がある。
図3は、X線ターゲット回転軸401を支持する支持部409が、温度による熱伸びの大きい支持部材405により、X線管の外壁408に固定されている。この構造では、X線を照射するとき、X線ターゲット400の温度上昇に伴いX線ターゲット回転軸401の温度が上昇すると共に、支持台409を経て支持部材405の温度も上昇する。このとき支持部材405も熱伸びするが、その方向はX線ターゲット回転軸401の熱伸びと反対であり、焦点位置の変化を抑えることになる。図4は、X線ターゲット400が2つのX線ターゲット回転軸401-1と401-2によって支持され、それらがボールベアリング407によって支持されている。このような構造のX線管がX線を照射するとき、X線ターゲット回転軸401-1と401-2はX線ターゲット400と反対方向に伸びようとする。しかしX線ターゲット回転軸401と、X線管の外壁に設けられた支持部409に溝406があり、その溝間にボールベアリング407が設けられているため、焦点の移動の反対方向に戻す力が強く働くこととなる。
これらの場合、最終伸び量Δgは焦点位置に依存する。従ってこのとき、収束値Δgを焦点位置に依存させて決定することで、延び量ΔGの推定精度を向上できる。
更に、過去における複数のX線照射を考慮すると、第n回目(n:自然数)の最終伸び量をΔgn、焦点位置をXn、時刻をtnとすると、第(n-1)回目と第n回目間の伸び量ΔGnは、過去のX線照射で生じる影響の総和となるため、式(1)より、式(2)のように記すことができる。
Figure 0005815410
ここで各項は、過去のそれぞれのX線照射から推定時までに生じた熱伸び量である。また最終伸び量Δgnは焦点位置の関数であると共に、例えば第n回目のX線管電圧Vn、管電流In、X線照射時間ΔTnなどのX線撮影条件の関数であり、例えば式(3)のように書ける。ここでb、c、d、A、Eは定数(以降、焦点推定用パラメータと記す)であり、後に記すような事前の実験によって決定し、記憶手段に保存しておく。
Figure 0005815410
ここで係数b、c、dは、最終伸び量Δgnに対して、それぞれ、電流、X線照射時間、電圧の変化の依存性を表すべき乗である。係数Eは、焦点位置Xnの増加につれて最終伸び量Δgnが抑制される割合を表すもので、焦点位置XnがEだけ増加したとき、同一撮影条件における最終伸び量Δgnはイクスポネンシャル分の1になる。係数Aは最終伸び量Δgnへの変換係数である。
一方、縮みは、輻射やラジエータなどによるX線ターゲットやX線管の冷却によって生じるため、その量は冷却量に依存する。冷却量は、冷却効率と共に、熱浴とX線ターゲット400の温度差に依存する。一方、先に記したように、熱伸び量はX線ターゲット400の温度に依存し、焦点位置は熱伸び量に依存する。従って、縮み量は焦点位置に依存する。従って、推定に近い時刻の焦点位置を用いて縮み量を推定することで、精度を向上できる。
図5に、同一条件で一定間隔X線照射を複数回繰り返してX線ターゲットを加熱し、焦点位置が安定した後、照射を止めて冷却しながら得た焦点位置と経過時間の一例のグラフを示す。ここで領域322が加熱中、領域323が冷却中である。また領域323において実際には、X線を検出して焦点を計測して焦点位置変化(以降、減弱特性と記す)を得る必要があるため、発熱が実質的に無視できる程度に小さな線量を照射する。このとき得られる減弱特性は、例えば指数的に変化する。ここで領域323の開始時刻をゼロとして、そのときの焦点位置をX0、時定数をτdとすると、n回目の推定時刻tn時の焦点位置Xnは式(4)のように書くことができる。
Figure 0005815410
このとき、(n-1)回目とn回目の推定の間に焦点が位置する縮み量ΔSnは、式(4)より、式(5)のように書くことができる。
Figure 0005815410
従って縮み量ΔSnは、前回の推定の焦点位置Xn-1を用いて推定できる。更に、推定の間隔(tn-tn-1)(=Δt)が時定数τdよりも充分に短いと見なせる時刻tnで推定を行う場合、式(5)は式(6)のよう近似できる。これはエクスポネンシャルを用いない乗除のみの計算であり、高速な計算が可能となる。
Figure 0005815410
このように求めた伸び量ΔGnと縮み量ΔSnから、式(7)に示すように移動量ΔXnを推定する。
Figure 0005815410
また次の焦点位置Xn+1の推定が必要な際に、算出した移動量ΔXnを用いて、S4の前焦点位置算出処理にて式(8)のように焦点位置を算出する。
Figure 0005815410
このようにX線を照射した際には焦点を計測し、S6の焦点位置移動量推定処理にて用いることで、実際の焦点位置と推定値のずれを無くし、焦点位置移動量の推定精度を高めることができる。
次に、焦点推定用パラメータτd、τu、A、b、c、d、Eの決定方法の一例を説明する。
これらの決定では、実際の被写体の撮影前にパラメータ算出用の実験を行って焦点位置の変動を計測し、その結果にフィッティングを行って最適な値を求める。焦点位置の計測方法としては、例えばX線検出器に入射するX線分布の重心位置を求めて、焦点位置を算出する。
まず時定数τdを決定する。このための事前実験として、熱伸びが生じて焦点位置が安定した状態から、実質的に熱伸びが無視できる弱いX線を照射して、焦点位置を計測する。焦点位置を安定化させるためには、比較的強いX線を周期的に照射する。このとき、例えば図5の領域323のような結果を得る。領域323の減弱特性を示す曲線321に対し、式(4)をフィッティングすることで時定数τdを決定する。
次に式(3)のべき乗b、c、dの決定を行う。このための事前実験として、X線を連続照射して熱伸びを生じさせ、熱伸びが安定する前に、実質的に熱伸びが無視できる弱いX線を照射して焦点位置を計測する。この計測を、管電流、管電圧、照射時間を変えて計測する。このとき、管電流を変えて計測した結果の一例を、図6に示す。横軸が時間、縦軸が焦点位置を表し、データ点320が計測結果である。データ点320-1、320-2、320-3はそれぞれ管電流が違う場合であり、この順に管電流が大きい。ただし本実施形態では3種類の電流で計測したときに例を示すが、これは説明を簡単にするためのものであり、本発明を限定するものではない。電流の種類が多いほど、べき乗bの決定精度は向上するため、もっと多くの管電流条件で計測しても構わない。
次にこの結果のデータ324を用いて、管電流に対する焦点位置のグラフを作成する。このデータ324は、最初の加熱照射の時間に対して十分に長い時間だけ経過し、先に求めた時定数τdよりも十分に短い時間のデータである。このとき、最初の加熱照射の時間に対して十分に長い時間だけ経過しているので、複数回行った加熱照射も1回に同量のX線を照射したと近似できる。更に、時定数τdよりも十分に短い時間である時刻なので、冷却による変化を無視できる。従ってこのときの焦点位置Xnは、式(2)、式(3)、式(7)、式(8)から算出できる式(9)のように、近似して書くことができる。
Figure 0005815410
式(9)から、データ324における焦点位置は、電流Iのb乗に比例することが分かる。
これを図示すると、例えば図7の曲線321のようになる。ここで、データ点320-1、320-2、320-3が図6のデータ324である。このデータに対してフィッティングを行うことで、べき乗bを決定することができる。同様に照射時間ΔTまたは照射回数を変えて、加熱照射中の照射時間を変化させたときの結果から、照射時間ΔTのべき乗cを、管電圧Vを変化させたときの結果からべき乗dを、それぞれ決定する。
次に係数AとEを決定する。ここでは図8に示すように、式(2)、式(3)、式(7)、式(8)を用いて焦点位置Xnを算出してフィッティング曲線を作成し、図6のデータ点320-1、320-2、320-3に対して、それぞれフィッティングすることで決定する。ここで係数Eが小さいとき、時間の経過に対して、熱伸び時の焦点位置Xnの増加が急激に抑制され、変数Aが小さいとき、全体の伸び量が小さくなる。フィッティングでは、例えばデータ点320-1、320-2、320-3と、それぞれのフィッティング曲線321-1、321-2、321-3との誤差の二乗和が最小になるようにする。
以上のように、事前実験の結果を用いて、焦点推定用パラメータである時定数τd、τu、及び式(3)における係数A、b、c、d、Eが決定でき、これを用いることで焦点位置の予測が可能となる。ただしここで記した決定方法は一例であり、本発明を限定するものではなく、さまざまな決定方法が有り得ることは言うまでもない。
次に図9から図12を用いて、照射したX線を検出して得た信号を用いて焦点位置を算出する方法の一例をついて説明する。図9は焦点位置計測用スリット304、図10は焦点位置計測用検出器300の一例を表す。焦点位置計測用スリット304は例えばタングステン、モリブデン、鉛などの金属のようなX線を透過し難い物質にて作製する。焦点位置計測用検出器300は、2つの焦点検出用X線検出素子310-1と310-2を有し、それぞれの出力をコネクタ311から出力する。図11のように、焦点位置計測用スリット304は焦点位置計測用検出器300上に影312を作る。従って影312は、焦点位置が変化するとスライス方向107に移動し、焦点検出用X線検出素子310に入射するX線量はそれぞれ増減反対方向に変化し、焦点検出用X線検出素子310-1と310-2の出力に違いが生じる。
この出力の違いを中央処理手段105で収集し、その違いを用いることで焦点位置を算出する。これを実現するために、例えば図12に示すような処理を行う。まずこの処理では、中央処理手段105が焦点位置計測用検出器300から検出した信号500を受け取る。次に中央処理手段105は、この値と焦点推定用パラメータ502と、入力手段119に入力されている撮影条件501から、焦点位置の計算608を行い、焦点位置503を得る。撮影条件501としては、X線管電圧、管電流、スキャン速度、照射時間、焦点サイズなどが有り得る。また焦点推定用パラメータ502は、焦点検出用X線検出素子310の出力差と焦点位置の関係を示し、上記の撮影条件の条件項目毎のデータマップとして、中央処理手段105の具備する不揮発性の記憶手段109に記憶される。具体的には、例えば焦点位置は焦点検出用X線検出素子310の出力差の1次関数で記され、焦点推定用パラメータ502はその傾きと切片である係数である。また条件項目とは、例えば、管電圧では100kV、120kV、130kVなどの電圧値であり、管電流では300mA、175mA、100mA、50mAなどの電流値であり、スキャン速度では1秒/回転、0.5秒/回転などの回転速度であり、焦点サイズでは大焦点、小焦点などのサイズである。
ここで焦点推定用パラメータ502を撮影条件毎に設けるのは、これらの撮影条件によって、2つの焦点検出用X線検出素子310の出力差に対する焦点位置やその変化量が、異なる場合があるためである。これは、例えばスライス方向に対して、照射されたX線が、スライス方向に非対称な強度分布やスペクトル分布を有している場合や、焦点位置の変化量のゼロ点と、2つの焦点検出用X線検出素子310の出力差のゼロ点とが一致していない場合などに生じ得る。
またデータマップの値は、撮影より前に、計測やシミュレーションにて決定しておく必要がある。この際、例えば、X線管移動手段301にてX線管100を動かして焦点位置を変えながら、焦点検出用X線検出素子310-1と310-2の出力を取得して算出する。
以上のような方法により、X線照射の直前に焦点位置を推定して制御することで、X線照射野が、想定するX線検出器の検出領域とずれて画質の劣化や無効被曝を生じることを防ぐことができる。またこの推定では、焦点位置を用いて焦点の移動量を算出するため、更にこの焦点位置を、過去のX線照射で得た焦点位置を用いて修正するため、精度良い推定が可能となる。また焦点位置を計測するために本撮影の直前に実施されるプリ曝射を伴わずに推定が行えるため、撮影開始後に遅延なくX線を照射できる。
一方、X線照射を行わない場合にも焦点位置を推定し、推定結果を用いて焦点制御を行うことで、焦点を移動しておくことができる。これにより、例えばX線照射の間隔がひらいて大きく焦点位置が変化した場合に、X線照射の直前以外にも焦点位置の推定を行って、それらの推定間に焦点位置を移動しておくことで、X線照射直前の制御移動に有する時間を短縮できる。従って、焦点位置制御の遅れによる撮影タイミングの遅延を防ぐことができる。更に、撮影開始後に焦点移動を行った際には焦点位置に依存した時間だけ移動に有するため、一意のタイミングで撮影を開始できないが、本発明では移動による遅延が生じないため、目的のタイミングでの撮影が開始できる。
本実施形態では、過去の全てのX線照射で生じた熱伸びを求めた。そのために伸び量ΔGnを算出するためには、それまでのΔgi(i=1、2、…、n)を記憶しておく必要がある。
しかし推定を行っていく度にその量は増大し、記憶容量の大きな記憶手段が必要になる。
これを抑えるためには、照射後に伸び量がほぼ収束し、それ以降の変化量が無視できる範囲では、伸び量はゼロと見なして計算に用いないことが望ましい。例えば、X線照射後にm回以降(m:自然数)の推定後の伸びが無視できると見なせるとき、式(2)は式(10)のように書ける。
Figure 0005815410
また本実施形態では、中央処理手段105が不揮発性の記憶装置を具備し、この記憶装置が、少なくとも、最後のX線照射で得た焦点位置Xn-1と、その時刻tn-1と、それまでにX線を照射した際の最終伸び量Δgi(i=1、2、…、n-1)とその時刻ti(i=1、2、…、n-1)を保存していることが望ましい。これにより、雷などの天災や装置のトラブルによって装置の電源が落ちた場合でも、これを用いて伸び量ΔGnと縮み量ΔSnを算出して焦点位置を推定でき、これを基に焦点位置を制御できる。ここでは、例えば式(5)を用いて、焦点位置Xn-1と時刻tn-1から縮み量ΔSnを算出し、例えば式(2)と用いて、最終伸び量Δgi(i=1、2、…、n-1)とその時刻ti(i=1、2、…、n-1)から伸び量ΔGnを算出する。
またX線照射後にm回以降(m:自然数)の推定後の伸びが無視できると見なせるときは、最後のX線照射で得た焦点位置をXn-1と、その時刻tn-1と、そのm回前以降の推定で、X線を照射した際の最終伸び量Δgi(i=n-m-1、n-m、…、n-1)とその時刻ti(i=n-m-1、n-m、…、n-1)を保存していることが望ましい。これにより、記憶しておくべき情報を減らすことができるため、記憶容量を低減でき、雷などの天災や装置のトラブルによって装置の電源が落ちた場合でも、同様に、焦点位置を制御できる。このとき例えば、縮み量ΔSnは式(5)を用いて、伸び量ΔGnを式(10)を用いて、それぞれ算出する。
更に最終伸び量の代わりに、これを算出するための、過去のX線照射における撮影条件とX線焦点位置を保存しておいても良い。更にこれらと最終伸び量の両方を、保存しておいても良い。
以上に記したX線CT装置は、本発明の実施形態の1つであり、本発明を限定するものではなく、以下に記すようなさまざまな場合も有り得る。
本実施形態では、2つの焦点検出用X線検出素子310-1と310-2の出力差と焦点位置の関係式の係数を、X線条件毎に設けた場合を記したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。例えば、X線条件毎にオフセット補正と感度補正を行うことで、出力差と焦点位置の関係式をX線条件によらない比例関係にして、係数を設けても構わない。ここでオフセット処理では、例えば熱伸びの無いときのX線検出素子310-1と310-2の出力差をオフセット値データとして得ておき、実測の出力差に対して差をとることで、熱伸びが無い位置をゼロとすることができる。この補正により、オフセット値がX線条件毎に異なる場合、その影響を除去することができる。感度補正では、例えば焦点位置計測用スリットを外した状態でX線を照射して得たX線検出素子310-1と310-2の出力を感度データとして得ておき、実測のX線検出素子310-1と310-2の出力に対して除することで、X線条件毎のX線検出素子310-1と310-2の変化量の違いを補正する。このとき、オフセット値データと感度データは実計測の事前に計測し、中央処理手段105の記憶手段に記憶しておく。
また本実施形態では、2つの焦点検出用X線検出素子310-1と310-2の出力差と焦点位置の変化量との関係式は1次関数であったが、これは一例であり、本発明を限定するものではなく、2次以上の多項式や、さまざまな関数であっても良いことは言うまでも無い。
本実施形態では、焦点位置計測用検出器300は2つの焦点検出用X線検出素子310を具備していたが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。チャネル方向、スライス方向共に、多数の焦点検出用X線検出素子310を有していても構わないことは言うまでも無い。またこのとき、例えば、スライス方向の焦点検出用X線検出素子310から得たX線分布を用いて焦点位置を算出しても良い。このとき、例えば焦点位置計測用スリット304の影の作るX線分布の重心から焦点位置を求める。また例えば、焦点位置計測用スリット304の影の作るX線分布に対して、その分布を模擬した関数をフィッティングし、その中心や重心を求めても良い。
更に本実施形態では、焦点位置検出手段として、焦点位置計測用スリット304と焦点位置計測用検出器300を用いたが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。例えば、焦点位置計測用スリット304の代わりにエッジやホールの影を用いて位置情報を得る場合など、さまざまな方法が有り得ることは言うまでもない。
本実施形態では、X線照射は焦点位置推定と同時の場合を記したが、これは一例であり、本発明を限定するものではなく、異なるタイミングであっても構わない。この場合、例えばX線照射がその前後どちらかの推定時に行われたと見なし、その後の推定を行えば良い。このとき、時間的に近い推定時に行われたと見なす方が良く、また推定間隔も短い方が良い。また、X線照射の際には必ず推定を行うようにしても良い。これにより、X線を照射する直前の焦点位置を推定できる。また所定のタイミングで繰り返し推定を行い、推定とX線照射のタイミングが異なるときにはX線照射の直前の推定値を、X線照射時の焦点位置として用いても良い。ただしこのとき、推定はX線照射のタイミングと大きくは異ならないことが望ましい。これは例えば、短い周期で推定を行うことで実現できる。
本実施形態では、X線照射を行わない場合に、所定の時間が経過した場合に焦点位置を推定する場合を記したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。例えば、入力手段119にて、X線照射を伴わないで焦点位置推定を行う指示を行っても良い。また、入力手段119から、推定の際に使用する管電流、管電圧、X線照射時間などの少なくとも1つの撮影条件が変更された際に行っても良い。これにより、撮影条件によって焦点推定用パラメータが変わる場合でも、それぞれの撮影条件に合った焦点推定用パラメータを用いて、推定を行うことができる。またX線管や装置周辺の温度などの装置や環境の変化を計測しておき、その変化量や値が閾値を超えたときに行っても良い。
更に実施形態では、スキャン時のX線照射を用いて焦点位置を検出する場合を記したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。スキャン時以外に、焦点位置を検出するためにX線照射を行っても良い。このとき、X線管100と被写体102の間に遮蔽を設け、被写体102にX線があたらないようにすることが望ましい。この遮蔽は、例えばX線コリメータ303が兼ねても良い。
更に、次のX線照射の時刻が分かっているときは、事前に焦点位置を推定しておいても良い。この結果を用いて事前に焦点位置を移動しておくことで、X線照射直前の制御移動に有する時間を省略できる。これにより焦点位置制御の遅れによる撮影タイミングの遅延を防ぐことができる。
本実施形態では、伸びが時定数τuを有して生じる場合を記したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。例えば、X線照射後の次の推定においてのみ、伸びが生じる場合や、計測した焦点位置に、その計測用のX線照射で生じた焦点移動が既に含まれていると見なす場合があっても構わない。また複数の時定数を有している場合も有り得る。また移動量が、X線管電圧、管電流、X線照射時間、スキャン速度などの撮影条件に依存する場合を記したが、それらの一部または全部を用いる場合や、撮影条件に依存せずに、X線照射の有無と焦点位置からのみ算出する場合も有り得ることは言うまでも無い。
ここで撮影条件に依存しない場合は撮影条件毎の熱伸び量の差が小さいときなどに有り得、図12の焦点位置計算608ように、撮影条件501を入力手段119から受け取る必要が無い。また更に、X線管100の構造に依存した、焦点位置を用いたさまざまな伸び量算出方法が有り得る。
本実施形態では、縮みが時定数τdを有して生じる場合を記したが、これは一例であり、本発明を限定するものではなく、例えば、複数の時定数を有する場合も有り得る。
本実施形態では、焦点の伸びと縮みの両方を焦点位置から推定する場合を記したが、これは一例であり、本発明を限定するものではなく、例えば、どちらか一方のみであっても良い。例えば、X線照射後に充分に経過し、熱伸びが収束した際には、縮みのみを推定すれば良い。また、例えばX線照射直後に焦点位置を推定するときのように、縮みの影響が小さい場合には、伸びのみを推定すればよい。
本実施形態では、第n回目の最終伸び量Δgnが、X線管電圧、管電流、X線照射時間などのX線撮影条件の関数の場合を記したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。例えばその一部または全部の関数であっても構わない。更にスキャン速度のような他のX線撮影条件の関数であっても良い。
また本実施形態では、第n回目の最終伸びΔgnが、式(2)のように記される場合を記したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。他の関数である場合が有り得ることは言うまでもない。更に例えば関数を用いずに、撮影条件に対して、事前に計測した変化量やシミュレーションなどにより算出した変化量を記憶しておき、収束値Δgnを求めても良い。
本実施形態では、伸び量ΔGnや縮み量ΔSnを、計算モデルを用いて算出する場合を記したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。例えば伸び量を、撮影条件毎に事前に計測して記憶手段に保存しておいても良い。これにより焦点位置計算608のとき、撮影条件501に対応した伸び量を瞬時に決定できる。また伸び量を計算モデルにすることが難しい場合でも、容易に伸び量を決定できる。
また例えば縮み量を、計測した結果から算出しても良い。その方法の一例を、図13(a)(b)を用いて説明する。図13(a)では、減弱特性を用いて縮み量を算出する。ここで、データ点320が計測した減弱特性であり、曲線321がフィッティング関数、縦軸が焦点位置、横軸が時間を表す。時刻tnの焦点位置Xnを予測するとし、前回の焦点位置Xn-1が焦点位置318であったとする。このとき、焦点位置Xnまでの縮み量ΔSnを算出するためには、まず焦点位置318となる時刻308を求める。このとき、データ点320と曲線321のどちらを用いても良い。次に、時刻308から、焦点位置Xn-1を得た時刻tn-1から予測時刻tnまで時間(tn-tn-1)だけ経過した時刻309を算出する。次にこの値と減弱特性から、焦点位置319を決定する。このとき、先ほどと同様に、データ点320と曲線321のどちらを用いても良い。この焦点位置318から319の変化量が縮み量ΔSnとなる。
一方、図13(b)は、焦点位置に対する焦点位置の変化量の関係を用いて、縮み量を算出する。この関係は、冷却時に計測で得るものであり、図13(b)におけるデータ点320である。また、曲線321がフィッティング関数、縦軸が焦点位置変化量、横軸が焦点位置を表す。このとき焦点位置の変化量は、単位時間当たりの変化量である。時刻tnの焦点位置Xnの予測するとき、前回の焦点位置Xn-1が焦点位置318であったとする。このとき、焦点位置Xnまでの縮み量ΔSnは、焦点位置変化量307に経過時間(tn-tn-1)をかけたものとなる。ただし経過時間が長い場合、その間の焦点位置の変化が無視できなくなることが有り得るため、短い経過時間の際の適用が望ましい。
また、例えば伸び量ΔGnを、縮みのときと同様に、計測して得た減弱特性や、焦点位置に対する焦点位置の変化量の関係から算出しても良い。更に基準条件のみ計測で得、基準条件と撮影条件の違いを用いて算出しても良い。このとき撮影条件は、例えばX線管電圧、管電流、スキャン速度、照射時間、焦点サイズなどであり、例えば基準条件との伸び量の割合(以降、伸び量相対係数と記す)を事前に調べ、記憶手段に保存しておく。例えば、基準条件が管電流100mAであり、管電流200mAのときの伸び量相対係数が2であるとき、管電流200mAでの伸び量は、基準条件を用いて焦点位置から伸び量を求め、これに伸び量相対係数の2をかけて算出する。
このように計測データや、そのフィッティング関数を用いることで、特性が複雑で計算モデリングが難しいときでも、容易に縮み量ΔSnや伸び量ΔGnを推定することができる。
本実施形態では、伸びと縮みがそれぞれ一方向のときを記したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。焦点の位置によって、伸びと縮みの方向が逆転する場合も有り得る。このような変化は、例えば図3で説明したように、熱伸びを生じる部材が複数ある場合などに生じ得る。この場合、X線ターゲット400の温度が低いときはX線ターゲット回転軸401が主に伸びる。この移動方向を正の方向とする。温度が高くなると支持部材405も伸びを生じ、特に支持部材405がX線ターゲット回転軸401以上に伸びを生じるときに、負の方向に伸びが生じることになる。更に熱伸びを生じる部材が多数あるとき、伸びと縮みの方向の逆転が1回ではなく、焦点位置によって複数回生じる場合も有り得る。
このときの焦点位置変化の一例を図14に示す。ここで(a)は本実施形態で先に記したように、伸びと縮みの方向が逆転しない場合、(b)が逆転する場合である。曲線313は、X線によって定期的に過熱して安定した熱伸びを生じさせた後、X線の照射を止めたときに得られる焦点位置を表し、曲線316はそのときの焦点位置の変化量を表す。また焦点位置は、伸び縮みのない状態をゼロとする。(a)では、加熱直後である時刻0において、X線ターゲット回転軸401の熱伸びにより、焦点は正の位置にある。その後、X線ターゲット回転軸401の冷却に伴い、時間が経過するにつれて焦点位置はゼロに近づく。従って変化量316は常に負である。一方(b)では、領域314では、X線ターゲット回転軸401と支持部材405の両方に熱伸びが生じ、領域315ではX線ターゲット回転軸401にのみ生じる。従って、支持部材405の熱伸びがX線ターゲット回転軸401より大きいとき、合計の熱伸びは負となり、加熱直後である時刻0での焦点位置は負となる。その後の冷却では、まず領域314では主に支持部材405が縮むため、焦点位置の変化量316は正となり、焦点位置313は正の方向に動く。次に領域315では支持部材405の縮みは収束し、X線ターゲット回転軸401の縮みが主と成る。従って焦点位置の変化量316は負となり、焦点位置313は負の方向に動く。従って領域314と領域315では、反対に縮みが生じる。同様に加熱の際も、領域314と領域315では逆方向に伸びを生じる。
このようなとき、例えば領域314と領域315とを別々に、伸びと縮みを上記のようにモデリングして計算式を決定し、それぞれのパラメータを、焦点位置によって場合分けして適用すればよい。このとき、領域314と領域315の境界で、伸び、縮み、焦点位置が連続となるようにするのが望ましい。また伸びと縮みの少なくとも一方が、正と負の両方の変化量を有するようにモデリングしても良い。例えば第n回目間の伸び量ΔGnは、式(11)、式(12)のように書くことができる。ここでΔg1n、τ1u、b1、c1、d1、A1、E1は、領域314における最終伸びと焦点推定用パラメータであり、Δg2n、τ2u、b2、c2、d2、A2、E2は、領域315における最終伸びと焦点推定用パラメータである。
Figure 0005815410
更にこのように伸びと縮みの方向が逆転する場合でも、上述したように、減弱特性や、焦点位置に対する焦点位置の変化量の関係などの計測結果や、そのフィッティング曲線を、用いても構わないことは言うまでもない。
本実施形態では、推定の間隔は等間隔に限定しない場合を記したが、これは一例であり、本発明を限定するものではなく、等間隔の場合も有り得る。このとき、第n回目の伸び量ΔGnは、等間隔をΔtとするとき、式(2)から、式(13)のように書けることが分かる。
Figure 0005815410
これより伸び量ΔGnは、1つ前の推定での伸び量ΔGn-1と最終伸びΔgn-1から算出できることが分かる。従ってそれ以前の伸び量ΔGi(i=1、2、…、n-2)や最終伸びΔgi(i=1、2、…、n-2)を記憶しておく必要はなく、処理の高速化や記憶容量の低減が可能となる。
更にこのとき、計算をΔt間隔で行わずに、一度や数度にまとめて行っても良い。例えば、次のX線照射の時刻が分かっている場合は、その時刻までに行うべき複数回の推定をまとめて行い、その結果を用いて焦点位置を移動しておくことで、X線照射直前の制御移動に有する時間を短縮できる。これにより、焦点位置制御の遅れによる撮影タイミングの遅延を防ぐことができる。
更に推定の間隔が等間隔のとき、先に述べた中央処理手段105が具備する不揮発性の記憶装置が、少なくとも、最後のX線照射で得た焦点位置Xn-1と、その時刻tn-1と、最終伸びΔgn-1と、伸び量ΔGn-1を保存しておくことで、雷などの天災や装置のトラブルによって装置の電源が落ちた場合でも、装置を立ち上げ後に伸び量ΔGnや縮み量ΔSnを算出して、焦点位置を推定できる。このとき、最後のX線照射が時刻tn-1、立ち上げ時の推定実施時刻がその(p-n+1)×Δt後の時刻tpとすると、延び量ΔGi(i=n、n+1、…、p)は式(2)を用い、縮み量ΔSi(i=n、n+1、…、p)は式(5)を用い、この計算を(p-n+1)回繰り返すことで、時刻tpでの焦点位置Xpを算出できる。この際、Δgi(i=n、n+1、…、q-1)は当然ゼロである。または経過時間が短い場合は、縮み量ΔSi(i=n、n+1、…、p)を、式(6)のΔtを(p-n+1)×Δtとみなして、式(6)から一度の計算でも良い。
本実施形態では、焦点位置計測用検出器300はX線源100のそばに配置したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。例えばX線検出器104のそば、X線源100とX線検出器104の間、X線検出器104よりもX線源100から離れた位置など、どのような位置にあっても良い。
更にX線検出器104の端部などの一部を用いても良い。このとき、焦点位置計測用検出器300とX線検出器104の位置関係の調整は不要となり、作業数が低減できる。
このとき、焦点位置を制御すると、焦点が移動しても、焦点位置計測用検出器300の焦点検出用X線検出素子310に入射するX線は変わらない。従って焦点位置を検出するために、例えばX線管移動手段301の移動量を算出や検出する手段を具備する必要がある。この移動量を算出する手段としては、例えば制御手段117がX線管移動手段301を移動した総量を記録する機能を有する。この方法として、例えばX線管移動手段301の移動がステッピングモーターによって実現され、前進と後退の2種類のパルス数によって移動量と方向が決まる際に、各パルス数の総和を記録しておくことで、このパルス数から焦点の移動量を算出できる。また移動量を検出する方法として、例えばレーザ変位計のような光学的な距離計測手段を用いることで、X線管移動手段301の基準位置とX線源100の距離を計測する。
本実施形態では、X線管100が1つの焦点を有する場合を記したが、これは一例であり、本発明を限定するものではなく、複数の焦点を有する場合も有り得る。このとき、X線管の構造に依存した様々な焦点の伸び縮みモデルが有り得る。このとき、焦点推定用パラメータは焦点毎に設けても、共通に設けても良い。
複数の焦点を有する場合の一例として、同一のX線ターゲットに複数の焦点を有する場合が有り得る。このような場合は、例えば、焦点サイズが大焦点と小焦点のように、異なる焦点サイズを有するX線CT装置で有り得る。このとき、両焦点の伸び量は、それぞれの焦点に照射されたX線で生じる総熱量で決定されると考えられ、これらの複数の焦点に照射されたX線が、1つの焦点(以降、この焦点を仮焦点と記す)から照射されたと見なして、伸び量を求める。次に、記憶手段にて、仮焦点とそれぞれの実焦点とのずれを記憶しておき、このずれを中央処理手段105にて補正する。これにより、実焦点の位置を推定できる。ここで仮焦点の位置は、例えば大焦点のような、ある実焦点の位置と同じにとっても構わない。
また例えば、複数のX線ターゲットが同一の回転軸に設けられている場合も有り得る。
このとき、各焦点での伸び量と縮み量を、照射されたX線で生じる熱量と、他の全焦点の位置から決定する。例えば2つのターゲットが同一の回転軸に設けられ、それぞれのターゲットに焦点Aと焦点Bが設けられている場合、焦点AにX線が照射されていなくても、焦点Aの位置は、焦点Bの位置や伸び縮みに依存する。また更にX線が焦点Aに照射されたときも、焦点Aに生じる伸びや縮みは、照射されたX線の条件と、焦点Bの位置やその伸び縮み量に依存する。従って、焦点Aの位置の推定では、前回のX線照射時の焦点Aの位置のみならず、焦点Bの位置や伸び縮み量も用いることで、精度を向上できる。
各焦点の位置の変化量は、回転軸やX線ターゲットの搭載構造に依存する。例えば、焦点Aと焦点BのX線ターゲットが搭載されている回転軸の支持部が、支持部と焦点AのX線ターゲットが焦点BのX線ターゲットを挟むように設けられている場合、焦点Aの位置は、焦点Bの位置やその伸び縮み量によって移動する。例えば焦点Aの位置は、焦点Bの移動量と同じだけ移動する。従って焦点Aの位置の変化量は、焦点Bの位置の変化量や、これを算出できる、焦点Bにおける撮影条件と焦点推定用パラメータと焦点位置から求めることができる。一方、焦点Bの位置は、焦点Aの位置やその伸び縮み量によらない。
更にX線管100が、多数の焦点を有する場合、一方の隣の焦点位置のみならず、両隣の焦点の位置や、ある範囲内の焦点の位置、全焦点の位置などが影響する場合なども有り得る。
<第二実施形態>
本実施形態のX線CT装置は、X線照射野移動を、X線管100を移動して焦点位置を制御するのではなく、X線照射野を限定するX線コリメータ303を、焦点位置の変化に応じて制御することで、X線検出器104への照射野の変化を抑える点で、第一実施形態とは異なる。本実施形態のX線CT装置の一例を、図15と図16を用いて説明する。
図15に示すように本X線CT装置は、スライス方向107にX線コリメータ303を移動するX線コリメータ移動手段302を有する。その移動量は、中央処理手段105が焦点の移動距離Xから算出し、移動は、制御手段117がX線コリメータ移動手段302を制御することで実現する。
図16を用いて、本制御方法の一例と、移動量の算出方法を説明する。図16は、図15の位置327の断面におけるX線管100、X線コリメータ303、X線検出器104であり、領域330がX線照射領域である。(a)は焦点移動前であり、中心軸328上に焦点333-1がある。
(b)は焦点移動後であり、焦点333-2は、スライス方向107に対して中心軸328から距離326だけ離れた位置に在る。
X線コリメータ303の移動量L(331)の算出では、まず焦点位置333を推定し、焦点の移動距離X(326)を求める。このときの推定方法は、例えば第一実施形態で記した方法と同じである。次にこの値から、X線検出器104から焦点333とX線コリメータ303までの距離を考慮して、移動量L(331)を決定する。具体的には、X線検出器104から焦点333までの距離をT(329)、X線検出器104からX線コリメータ303までの距離をS(325)とすると、移動距離L(331)は式(14)の計算にて算出することができる。
Figure 0005815410
このように算出した移動距離L(331)を基に、X線コリメータ303の位置を変化させることで、X線照射野の移動を防ぐことができる。
本実施形態では、第一実施形態と同様に、X線検出器104の端部などの一部を焦点位置計測用検出器300として用いても良い。このとき、焦点が移動しても、焦点検出用X線検出素子310に入射するX線はスライス方向107に変化しない。そのため焦点位置を検出するために、例えば、X線コリメータ303の移動量を算出や検出する手段を具備する必要がある。この移動量を算出する手段としては、例えば制御手段117がX線コリメータ移動手段302を移動した総量を記録する機能を有することが有り得る。この方法として、例えばX線コリメータ移動手段302の移動がステッピングモーターによって実現され、前進と後退の2種類のパルス数によって移動量と方向が決まる際に、各パルス数の総和を記録しておいて焦点の移動量を算出する方法が考えられる。また移動量を検出する方法として、例えばレーザ変位計のような光学的な距離計測手段を用いることで、X線コリメータ移動手段302の基準位置とX線コリメータ303の距離を計測する方法が考えられる。
<第三実施形態>
第三実施形態のX線CT装置は、X線照射野移動を、焦点位置の変化に応じてX線管100を制御するのではなく、X線検出器104の位置を移動制御することで、X線検出器104への照射野が変化しないようにする点で、第一実施形態と異なる。本実施形態のX線CT装置の一例を、図17から図19を用いて説明する。
図17に示すように本X線CT装置は、スライス方向107にX線検出器104を移動するX線検出器移動手段200を有する。その移動量は、中央処理手段105が焦点の移動距離Xから算出し、移動は、制御手段117がX線検出器移動手段200を制御することで実現する。
次に図18を用いて、本制御方法の一例と、移動量の算出方法を説明する。図18は、図17の位置327の断面におけるX線管100、X線コリメータ303、X線検出器104であり、領域330がX線照射領域である。(a)は焦点移動前であり、中心軸328上に焦点333-1がある。(b)は焦点移動後であり、焦点333-2は、スライス方向107に対して中心軸328から距離326だけ離れた位置に在る。
X線検出器104の移動量Mの算出では、まず焦点位置を推定し、焦点の移動距離Xを求める。このときの推定方法は、例えば第一実施形態で記した方法と同じである。次にこの値から、X線検出器104から焦点333とX線コリメータ303までの距離を考慮して、X線検出器104の移動量M(332)を決定する。具体的には、X線検出器104から焦点333までの距離をT(329)、X線検出器104からX線コリメータ303までの距離をS(325)とすると、移動距離M(332)は式(15)の計算にて算出することができる。式(15)はマイナスの符号を有するが、これはX線検出器104の移動方向が、焦点の移動方向と逆であることを意味する。
Figure 0005815410
このように算出した移動距離M(332)を基に、X線検出器104の位置を変化させることで、X線照射野の移動を防ぐことができる。
本実施形態では、第一実施形態と同様に、X線検出器104の端部などの一部を焦点位置計測用検出器300として用いても良い。このとき、焦点が移動しても、焦点検出用X線検出素子310に入射するX線はスライス方向107に変化しない。そのため焦点位置を検出するために、例えば、実施形態2と同様の方法を用いる。
本実施形態では、X線検出器104のみを動かす場合を記したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。第一実施形態に記載したようにX線管100を動かす場合、実施形態2に記載したようにX線コリメータ303を動かす場合、本実施形態に示したようにX線検出器104を動かす場合のどれか2つまたは全てを併用し、X線管100、X線コリメータ303、X線検出器104のどれか2つまたは全てを動かしても良い。このように動かす一例として、例えば図19では、焦点移動326に対して、X線コリメータ303とX線検出器104の両方を動かす。
ここで、図19(a)は焦点移動前を示し、図19(b)は焦点移動後を示す。このときのX線コリメータ303の移動量L(331)とX線検出器104の移動量M(332)は、焦点の移動量326と同じとなり、それらの方向も同じと成る。このように制御することにより、X線がX線検出器104に対して、大きな角度で入射することを防ぐことができる。このようにX線が斜め入射すると、X線量に対するX線検出器104の出力特性が変わる場合がある。また、位置ばらつきを有するX線グリッドがX線検出器104のX線検出素子228に影を作る場合、X線検出素子228の出力ばらつきが生じる場合や、影が大きくなり利用効率が下がる場合がある。これらは、アーチファクトの発生や定量性の低下、無効被曝の増加の原因と成り得る。本方法では、これらを抑えることが可能となる。
<その他の実施形態>
第一実施形態から第三実施形態では、医療用のX線CT装置の実施形態を記したが、本発明はこれに限るものではなく、上記実施形態に記したX線源100と、焦点位置検出手段と、X線管移動手段301やX線コリメータ移動手段302やX線検出器移動手段200のような照射野変更手段と、を搭載したあらゆる装置に適用できることは言うまでも無い。その一例として、非破壊検査用のCT装置、X線コーンビームCT装置、デュアルエネルギーCT装置、X線画像診断装置、X線撮像装置、X線透視装置、マンモグラフィー、デジタルサブトラクション装置、核医学検診装置、放射線治療装置なども有り得る。
更に本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、実施の段階では、その要旨を逸脱しない範囲でさまざまに変形して実施することが可能である。更に、上記実施形態にはさまざまな段階が含まれており、開示される複数の構成要素における適宜な組み合わせにより、さまざまな発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素が、削除されても良い。
100 X線源、101 ガントリー回転部、102 被写体、103 寝台天板、104 X線検出器、105 中央処理手段、106 表示手段、107 回転軸方向、スライス方向、108 回転方向、チャネル方向、109 記憶手段、117 制御回路、118 信号収集手段、119 入力手段、200 X線検出器移動手段、228 X線検出素子、300 焦点位置計測用検出器、301 X線管移動手段、302 X線コリメータ移動手段、303 X線コリメータ、304 焦点位置計測用スリット、308、309 時刻、310 焦点検出用X線検出素子、311 コネクタ、312 影、314、315、322、323 領域、316 焦点位置の変化量、318、319 焦点位置、320 計測点、321 フィッティング曲線、324 データ、325、326、329 距離、327 断面位置、328 中心軸、330 X線照射領域、331、332 移動距離、333 焦点、400 X線ターゲット、401 X線ターゲット400の回転軸、402、403 回転軸、404 X線照射野、405 支持部材、406 溝、407 ボールベアリング、408 外壁、409 支持部、500 検出信号、501 撮影条件、502 推定用パラメータ、503 焦点位置

Claims (20)

  1. 焦点からX線を照射するX線発生手段と、
    前記X線を電気信号に変換するX線検出手段と、
    前記X線の照射野を限定するX線コリメータ手段と、
    前記X線検出手段から得られた前記電気信号に対して再構成処理を行って再構成像を作成する再構成処理手段と、
    前記X線発生手段と前記X線検出手段と前記X線コリメータ手段の少なくとも1つを制御移動する照射野変更駆動手段と、
    推定時刻における前記X線発生手段の焦点位置を推定し、推定された焦点位置に基づいて、前記X線検出手段におけるX線入射位置を一定に保つために必要な前記照射野変更駆動手段の移動量を算出する移動量算出手段と、を備え、
    予め定めた所定のタイミングで、前記移動量算出手段が、過去に前記焦点位置の推定を行った過去推定実施時刻からの経過時間と、前記過去推定実施時刻における前記焦点位置を示す推定用焦点位置情報と、を用いて、前記移動量の算出を行うと共に、前記照射野変更駆動手段が前記移動量に応じた前記制御移動を行う、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  2. 請求項1に記載のX線CT装置において、
    前記移動量算出手段は、前記過去推定実施時刻から所定時間が経過した場合、撮影開始指示信号の入力がされた場合、X線照射に関する撮影条件が変更された場合、の少なくとも一つの場合に、前記移動量の算出を行い、
    前記照射野変更駆動手段は、次の推定時刻又はX線照射までに、前記移動量に応じた前記制御移動を行う、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  3. 請求項1に記載のX線CT装置において、
    前記移動量算出手段は、X線照射に関する撮影条件及び経過時間に対応する前記X線発生手段の焦点位置の変化量を規定した焦点位置推定用パラメータと、前記過去推定実施時刻における前記撮影条件と、をさらに用いて、前記過去推定実施時刻における前記焦点位置を基準とする、前記推定時刻における焦点位置の変化量を推定し、その焦点位置の変化量を用いて、前記焦点位置の変化によって生じる前記X線検出手段のX線入射位置の変化を打ち消すために必要とされる前記照射野変更駆動手段の移動量を算出する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  4. 請求項3に記載のX線CT装置において、
    前記X線発生手段から照射されるX線を用いて前記焦点位置を検出する焦点位置検出手段を更に備え、
    前記移動量算出手段は、
    前記過去推定実施時刻においてX線を照射した場合には、前記推定用焦点位置情報として、前記焦点位置検出手段が検出した焦点位置を示す情報を選択し、
    前記過去推定実施時刻においてX線を照射しなかった場合には、前記推定用焦点位置情報として、前記移動量算出手段が推定した焦点位置を示す情報を選択する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  5. 焦点からX線を照射するX線発生手段と、
    前記X線を電気信号に変換するX線検出手段と、
    前記X線の照射野を限定するX線コリメータ手段と、
    前記X線検出手段から得られた前記電気信号に対して再構成処理を行って再構成像を作成する再構成処理手段と、
    前記X線発生手段と前記X線検出手段と前記X線コリメータ手段の少なくとも1つを制御移動する照射野変更駆動手段と、
    推定時刻における前記X線発生手段の焦点位置を推定し、推定された焦点位置に基づいて、前記X線検出手段におけるX線入射位置を一定に保つために必要な前記照射野変更駆動手段の移動量を算出する移動量算出手段と、を備え、
    予め定めた所定のタイミングで、前記移動量算出手段が前記移動量の算出を行うと共に、前記照射野変更駆動手段が前記移動量に応じた前記制御移動を行い、
    前記X線発生手段から照射されるX線を用いて前記焦点位置を検出する焦点位置検出手段を更に備え、
    前記移動量算出手段が、過去に前記焦点位置の推定を行った過去推定実施時刻と異なる時刻のX線照射を、前記X線照射の時刻直前または直後の前記過去推定実施時刻にX線が照射されたと見なして推定を行う、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  6. 請求項1に記載のX線CT装置において、
    前記移動量算出手段が、X線照射によって生じる焦点位置の第1変化量を推定して焦点位置を推定する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  7. 請求項6に記載のX線CT装置において、
    前記移動量算出手段は、過去に前記焦点位置の推定を行った過去推定実施時刻においてX線照射がされた場合に、そのX線照射後の前記推定時刻に生じる前記第1変化量を、前記過去推定実施時刻からの経過時間と、時定数と、前記過去推定実施時刻において実行されたX線照射によって生じる熱伸び量の収束値または/及び該収束値を算出するための前記推定用焦点位置と撮影条件と、を用いて算出する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  8. 請求項6に記載のX線CT装置において、
    前記移動量算出手段が、前記第1変化量を、過去のX線照射によって生じる熱伸び量の和として算出する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  9. 請求項1に記載のX線CT装置において、
    前記X線発生手段を冷却する冷却手段を更に備え、
    前記移動量算出手段が、前記冷却によって生じ、X線照射によって生じる焦点位置の第1変化量とは反対の方向に前記推定時刻に生じる第2変化量を推定して焦点位置を推定する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  10. 請求項9に記載のX線CT装置において、
    前記移動量算出手段が、前記第2変化量を、過去に前記焦点位置の推定を行った過去推定実施時刻から前記推定時刻までの経過時間と、時定数と、を用いて算出する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  11. 請求項1に記載のX線CT装置において、
    前記移動量算出手段は、等間隔な複数の時刻に前記移動量の算出を行い、前記照射野変更駆動手段は、前記移動量に応じた前記制御移動を行う、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  12. 焦点からX線を照射するX線発生手段と、
    前記X線を電気信号に変換するX線検出手段と、
    前記X線の照射野を限定するX線コリメータ手段と、
    前記X線検出手段から得られた前記電気信号に対して再構成処理を行って再構成像を作成する再構成処理手段と、
    前記X線発生手段と前記X線検出手段と前記X線コリメータ手段の少なくとも1つを制御移動する照射野変更駆動手段と、
    推定時刻における前記X線発生手段の焦点位置を推定し、推定された焦点位置に基づいて、前記X線検出手段におけるX線入射位置を一定に保つために必要な前記照射野変更駆動手段の移動量を算出する移動量算出手段と、を備え、
    予め定めた所定のタイミングで、前記移動量算出手段が前記移動量の算出を行うと共に、前記照射野変更駆動手段が前記移動量に応じた前記制御移動を行い、
    前記移動量算出手段は、等間隔な複数の時刻に前記移動量の算出を行い、前記照射野変更駆動手段は、前記移動量に応じた前記制御移動を行い、
    前記移動量算出手段が、前記推定時刻より未来の前記等間隔な複数の時刻において行われるべき複数回の前記焦点位置の推定とそれに基づく前記移動量の推定とを前記推定時刻においてまとめて行い、
    前記照射野変更駆動手段は、前記等間隔な複数の時刻毎に、その時刻に対応する前記移動量に応じた前記制御移動を行う、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  13. 請求項11に記載のX線CT装置において、
    前記X線発生手段を冷却する冷却手段を更に具備し、
    前記移動量算出手段が、X線照射によって生じる第1変化量と、前記冷却によって生じ、第1変化量とは反対の方向に生じる第2変化量と、の少なくとも一方を推定して焦点位置を推定する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  14. 請求項13に記載のX線CT装置において、
    前記移動量算出手段が、前記推定時刻における前記第1変化量を、前回に前記焦点位置の推定を行った前回推定実施時刻における前記第1変化量を用いて算出することを特徴とするX線CT装置。
  15. 焦点からX線を照射するX線発生手段と、
    前記X線を電気信号に変換するX線検出手段と、
    前記X線の照射野を限定するX線コリメータ手段と、
    前記X線検出手段から得られた前記電気信号に対して再構成処理を行って再構成像を作成する再構成処理手段と、
    前記X線発生手段と前記X線検出手段と前記X線コリメータ手段の少なくとも1つを制御移動する照射野変更駆動手段と、
    推定時刻における前記X線発生手段の焦点位置を推定し、推定された焦点位置に基づいて、前記X線検出手段におけるX線入射位置を一定に保つために必要な前記照射野変更駆動手段の移動量を算出する移動量算出手段と、を備え、
    予め定めた所定のタイミングで、前記移動量算出手段が前記移動量の算出を行うと共に、前記照射野変更駆動手段が前記移動量に応じた前記制御移動を行い、
    前記移動量算出手段は、等間隔な複数の時刻に前記移動量の算出を行い、前記照射野変更駆動手段は、前記移動量に応じた前記制御移動を行い、
    前記X線発生手段を冷却する冷却手段を更に具備し、
    前記移動量算出手段が、X線照射によって生じる第1変化量と、前記冷却によって生じ、第1変化量とは反対の方向に生じる第2変化量と、の少なくとも一方を推定して焦点位置を推定し、
    前記推定時刻よりも前において直近の前回に前記焦点位置の推定を行った前回推定実施時刻の情報と、該時刻の前記第1変化量と、該時刻における熱伸び量の収束値と、を不揮発的に記憶する記憶手段を更に備え、
    前記移動量算出手段は、前記前回推定実施時刻から前記推定時刻までの経過時間と、前記前回推定実施時刻における第1変化量と、前記前回推定実施時刻における前記熱伸び量の収束値と、に基づいて、前記推定時刻における第1変化量を算出する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  16. 焦点からX線を照射するX線発生手段と、
    前記X線を電気信号に変換するX線検出手段と、
    前記X線の照射野を限定するX線コリメータ手段と、
    前記X線検出手段から得られた前記電気信号に対して再構成処理を行って再構成像を作成する再構成処理手段と、
    前記X線発生手段と前記X線検出手段と前記X線コリメータ手段の少なくとも1つを制御移動する照射野変更駆動手段と、
    推定時刻における前記X線発生手段の焦点位置を推定し、推定された焦点位置に基づいて、前記X線検出手段におけるX線入射位置を一定に保つために必要な前記照射野変更駆動手段の移動量を算出する移動量算出手段と、を備え、
    予め定めた所定のタイミングで、前記移動量算出手段が前記移動量の算出を行うと共に、前記照射野変更駆動手段が前記移動量に応じた前記制御移動を行い、
    前記移動量算出手段は、等間隔な複数の時刻に前記移動量の算出を行い、前記照射野変更駆動手段は、前記移動量に応じた前記制御移動を行い、
    前記X線発生手段を冷却する冷却手段を更に具備し、
    前記移動量算出手段が、X線照射によって生じる第1変化量と、前記冷却によって生じ、第1変化量とは反対の方向に生じる第2変化量と、の少なくとも一方を推定して焦点位置を推定し、
    前記推定時刻における前記第1変化量をΔGn、前記第2変化量をΔSn、前回に前記焦点位置の推定を行った前回推定実施時刻における前記第1変化量をΔGn-1、前記推定用焦点位置情報の焦点位置をXn-1、前記第1変化量の変化係数をΔgn-1、前記前回推定実施時刻から前記推定時刻の経過時間をΔt、前記第1変化量の時定数をτu、前記第2変化量の時定数をτd、とするとき、前記移動量算出手段における推定焦点位置Xnの演算式が
    Figure 0005815410
    と表されることを特徴とするX線CT装置。
  17. 請求項4に記載のX線CT装置において、
    前記焦点位置検出手段が前記X線検出手段の一部であることを特徴とするX線CT装置。
  18. 請求項1に記載のX線CT装置において、
    前記X線発生手段のX線管電圧、管電流、スキャン速度、照射時間、焦点サイズの少なくとも1つの撮影条件に対して複数の条件項目を入力する撮影条件入力手段と、
    前記各条件項目に対応した焦点位置推定用パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、を更に備え、
    前記移動量算出手段は、入力された前記条件項目に対する前記焦点位置推定用パラメータを用いて、前記焦点位置の変化量を推定する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  19. 焦点からX線を照射するX線発生手段と、
    前記X線を電気信号に変換するX線検出手段と、
    前記X線の照射野を限定するX線コリメータ手段と、
    前記X線検出手段から得られた前記電気信号に対して再構成処理を行って再構成像を作成する再構成処理手段と、
    前記X線発生手段と前記X線検出手段と前記X線コリメータ手段の少なくとも1つを制御移動する照射野変更駆動手段と、
    推定時刻における前記X線発生手段の焦点位置を推定し、推定された焦点位置に基づいて、前記X線検出手段におけるX線入射位置を一定に保つために必要な前記照射野変更駆動手段の移動量を算出する移動量算出手段と、を備え、
    予め定めた所定のタイミングで、前記移動量算出手段が前記移動量の算出を行うと共に、前記照射野変更駆動手段が前記移動量に応じた前記制御移動を行い、
    前記X線発生手段のX線管電圧、管電流、スキャン速度、照射時間、焦点サイズの少なくとも1つの撮影条件に対して複数の条件項目を入力する撮影条件入力手段と、
    前記各条件項目に対応した焦点位置推定用パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、を更に備え、
    前記移動量算出手段は、入力された前記条件項目に対する前記焦点位置推定用パラメータを用いて、前記焦点位置の変化量を推定し、
    前記X線発生手段は位置の異なる複数の焦点を有し、
    前記パラメータ記憶手段は、前記焦点位置推定用パラメータとして前記各焦点から照射されたX線が一つの仮焦点から照射されたと見なしたときの、前記仮焦点位置と前記各焦点位置との位置ずれ情報を記憶し、
    前記移動量算出手段は、前記仮焦点から照射されたと見なして推定した焦点位置に対して、前記位置ずれ情報を用いて補正することにより、前記各焦点の焦点位置を推定することを特徴とするX線CT装置。
  20. 焦点からX線を照射するX線発生手段と、
    前記X線を電気信号に変換するX線検出手段と、
    前記X線の照射野を限定するX線コリメータ手段と、
    前記X線検出手段から得られた前記電気信号に対して再構成処理を行って再構成像を作成する再構成処理手段と、
    前記X線発生手段と前記X線検出手段と前記X線コリメータ手段の少なくとも1つを制御移動する照射野変更駆動手段と、
    推定時刻における前記X線発生手段の焦点位置を推定し、推定された焦点位置に基づいて、前記X線検出手段におけるX線入射位置を一定に保つために必要な前記照射野変更駆動手段の移動量を算出する移動量算出手段と、を備え、
    予め定めた所定のタイミングで、前記移動量算出手段が前記移動量の算出を行うと共に、前記照射野変更駆動手段が前記移動量に応じた前記制御移動を行い、
    前記X線発生手段は位置の異なる第1と第2の焦点を有し、
    前記移動量算出手段は、前記第1焦点の位置の変化量を、前回の前記第1焦点を用いたX線照射からの経過時間と、該X線照射における前記第1焦点の推定用焦点位置情報と焦点推定用パラメータと推定用撮影条件と、前記第2焦点の焦点位置または及び該焦点位置の変化量と、を用いて推定する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
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