JP5916226B2 - X線撮像装置及びx線撮像装置のx線焦点位置制御方法 - Google Patents

X線撮像装置及びx線撮像装置のx線焦点位置制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、X線撮像装置に関り、特にX線の焦点位置の変化を補正するX線撮像装置及びX線撮像装置のX線焦点位置制御方法に関する。
X線CT装置は、複数の方向から撮影した被検体のX線透過像(以下、投影データと記す)からX線吸収係数を算出し、被検体の断層像(以下、再構成像と記す)を得る装置である。医療や非破壊検査の分野で広く用いられており、特に近年、医療の現場において、回転駆動の高速化や、回転軸方向へのX線検出器の多段化が進んでいる。これにより心臓などの動く臓器全体を、ボケを生じることなく撮影できるようになってきた。
これらのX線CT装置でX線源として使用されるX線管は、フィラメントで発生した熱電子を高圧にて加速すると共に、焦点に収束して回転陽極ターゲットに衝突させてX線を発生する。このとき熱電子のエネルギーの一部はX線に変換されるが、殆どは熱に変換されるため、焦点は高温になる。この熱により、X線ターゲットを支持する回転軸などは、温度が上昇して伸び縮み(以降、熱伸びと記す)を生じ、焦点位置が変化する。その後、発生した熱は放射や冷却器によって外部に導かれるために、X線ターゲットの回転軸などは温度が下がって縮みを生じ、再び焦点の位置が変化する。多くのX線CT装置では、図19に示すように、X線管100内のX線ターゲット400の回転軸402の方向が、ガントリー回転部101の回転軸403の方向と一致するように配置され、更にこの方向は、X線検出器104のスライス方向107と一致する。従って、X線ターゲット回転軸402などの熱伸びによる焦点位置移動が生じると、スライス方向107にX線照射範囲が変化する。
このような熱伸びは、再構成像におけるアーチファクトの発生や定量性の低下などの画質劣化の原因となる場合がある。この現象について、図20を用いて説明する。図20は、X線照射範囲の変化がアーチファクトの発生や定量性の低下などの要因と成ることを示す説明図であって、(a)はX線照射範囲の一例を示し、(b)は(a)とは異なるX線照射範囲の一例を示す。図20では、X線検出素子228がスライス方向107とチャネル方向108の2次元的に配置されたX線検出器において、スライス方向の端部に位置し、チャネル方向108に隣り合う2つのX線検出素子228を示す。更に(a)と(b)では、X線照射範囲404が異なる。
この図20に記すX線検出素子228-1と228-2は、スライス方向107に位置ずれを有している。これは、X線検出素子を構成するシンチレータ素子やフォトダイオード素子に、作製時や組立て時に生じる位置ずれや変形、シンチレータ素子やフォトダイオード素子からなるブロック基板の接着や搭載の際に生じる位置ずれや変形、X線検出器が複数のX線検出モジュールから成る場合、その配列モジュール間の位置ずれなどで生じる。
このように位置ずれは、完全に取り除くことは難しい。
このようにX線検出素子228がスライス方向に位置ずれを有するとき、照射範囲が(a)から(b)にスライス方向107に移動すると、X線検出素子228-1と228-2は異なる変化を示す。X線検出素子228-1では、(a)と(b)のどちらの場合も、X線検出素子全体にX線が入射しているために出力は変化しない。一方、X線検出素子228-2は、(b)の際はX線検出素子の一部にX線が当たらなくなり、出力が低下する。このようなX線検出素子228によって異なる出力変化は、再構成像でのアーチファクトの発生や定量性の低下を生じる。
このような焦点移動によるX線照射範囲の変動を防ぐためには、例えば特許文献1に記載されているように、前回のX照射時に検出した焦点位置と冷却特性データを用いて次回のX線照射時の焦点位置を推定することで、X線コリメータを移動する。
特開2000-51209号公報
しかし特許文献1の焦点位置の推定方法では、前回のX照射時に検出した焦点位置を用いる場合、温度の伝わりの異なる熱伸びの複数の要因が有り、前回以前に照射されたX線による加熱が影響する場合などで予測精度が低下すると言う問題がある。これは例えばX線管に、X線照射によって直ぐ温まる熱伸び箇所と、時間のかかる箇所とがあり、各箇所の冷却特性が異なる場合などで生じる。このとき各箇所の温度は、前回以前のX線照射の条件やX線照射間隔などに依存して決まるため、状況によって全体の冷却特性は変化し、予測精度が低下する。これは照射野の決定精度の低下を招き、CTの画質劣化の原因となる可能性がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、複数の要因からなる熱伸びがある場合にも、焦点位置の予測精度を向上させるX線撮像装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するために、本発明に係るX線撮像装置は、焦点からX線を照射するX線発生手段であって、前記X線発生手段が発生する熱によって、第1の変化成分を有して変化する第1箇所と、前記第1の変化成分と異なる第2の変化成分を有して変化する第2箇所と、を有するX線発生手段と、前記X線を検出して電気信号に変換するX線検出手段と、前記X線が照射された際の焦点位置を検出する焦点位置検出手段と、前記焦点の基準位置に対する前記焦点位置の変化量を、前記第1の変化成分を有して変化する第1変化量と、前記第2の変化成分を有して変化する第2変化量と、を用いて推定する焦点位置変化量推定手段と、前記焦点位置変化量推定手段が推定した前記焦点位置の変化量を打ち消すように、前記X線の照射領域と前記X線検出手段との相対位置を補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係るX線撮像装置のX線焦点位置制御方法は、焦点からX線を照射するX線発生手段であって、前記X線発生手段が発生する熱よって、第1の変化成分を有して変化する第1箇所と、前記第1の変化成分と異なる第2の変化成分を有して変化する第2箇所と、を有するX線発生手段と、前記X線を検出して電気信号に変換するX線検出手段と、を備えるX線撮像装置のX線焦点位置制御方法において、前記X線が照射された際の焦点位置を検出するステップと、前記焦点の基準位置に対する前記焦点位置の変化量を、前記第1の変化成分を有して変化する第1変化量と、前記第2の変化成分を有して変化する第2変化量と、を用いて推定するステップと、前記推定した前記焦点位置の変化量を打ち消すように、前記X線の照射領域と前記X線検出手段との相対位置を補正するステップと、を備えることを特徴とするX線撮像装置のX線焦点位置制御方法。
本発明によれば、温度の伝わりの異なる複数箇所の熱伸び要因によってX線焦点移動が生じる場合、直前に焦点位置検出のためのX線照射を行わなくとも、精度良くX線照射範囲を決定して変更することで、撮影タイミングを遅延することなく、焦点移動に起因する画質劣化を除去、抑制することができる。
第1実施形態に係るX線CT装置の概略図 X線源100とX線管移動手段301の位置関係を示す説明図 本実施形態に係る焦点制御処理の流れを示すフローチャート 焦点位置計測用検出器の概略図 焦点位置を検出するための焦点位置計測用スリットの概略図 焦点位置検出手段が焦点位置を検出する方法を示す説明図 焦点検出用X線検出素子の出力の差分値から、焦点位置を検出する方法を示す説明図 事前計測で得られる熱伸び特性の一例を示す説明図 焦点移動量の推定方法の一例を示す説明図 焦点移動量の推定方法の一例を示す説明図 X線管の冷却時における焦点位置の評価結果の一例を示すグラフ 第3実施形態の推定関数の決定方法を示す説明図 第4実施形態に係るX線CT装置の概略図 X線コリメータ303の移動方法を示す説明図であって、(a)は焦点移動前を示し、(b)はX線照射による熱で焦点移動が生じたが、焦点移動制御を行っていない場合を示す 第5実施形態に係るX線CT装置の概略図 X線検出器104の移動方法を示す説明図であって、(a)は焦点移動前を示し、(b)はX線照射による熱で焦点移動が生じたが、焦点移動制御を行っていない場合を示す。 X線コリメータ303とX線検出器104の移動方法を示す説明図であって、(a)は焦点移動前を示し、(b)はX線照射による熱で焦点移動が生じたが、焦点移動制御を行っていない場合を示す。 第6実施形態に係るX線CT装置の概略図 従来のX線CT装置の回転軸402の方向を示す説明図 従来のX線CT装置において、X線照射範囲の変化がアーチファクトの発生や定量性の低下などの要因と成ることを示す説明図であって、(a)はX線照射範囲の一例を示し、(b)は(a)とは異なるX線照射範囲の一例を示す。
以下、本発明の実施形態について、図を参照して詳述する。以下の説明において、同一機能を有するものには同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
<第1実施形態>
本実施形態は、医療で用いられている一例のX線CT装置であり、以下、図1から図9を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係るX線CT装置の概略図、図2はX線源100とX線管移動手段301の位置関係を示す説明図、図3は本実施形態に係る焦点制御処理の流れを示すフローチャート、図4は焦点位置計測用検出器の概略図、図5は焦点位置を検出するための焦点位置計測用スリットの概略図、図6は焦点位置検出手段が焦点位置を検出する方法を示す説明図、図7は焦点検出用X線検出素子の出力の差分値から、焦点位置を検出する方法を示す説明図、図8は事前計測で得られる熱伸び特性の一例を示す説明図、図9は焦点移動量の推定方法の一例を示す説明図である。
図1を用いて、本実施形態に係るX線CT装置の概略を説明する。本実施形態に係るX線CT装置は、X線源100、X線管移動手段301、X線コリメータ303、焦点位置計測用スリット304と焦点位置計測用検出器300からなる焦点位置検出手段306、X線検出器104、信号収集手段118、中央処理装置105、表示装置106、入力手段119、制御手段117、ガントリー回転部101、寝台天板103から構成される。
X線検出器104はX線源100を略中心とした円弧状に複数配置されており、X線源100と共にガントリー回転部101に搭載されている。
ここで図1では、説明を簡単にするために、X線検出器104は8個の場合が示されているが、実際の装置では、例えば40個程度である。またX線検出器104の前面(X線源100に対向する面)にはX線グリッド(図1には図示せず)が設置されており、X線源100から照射されたX線のうち、被検体102などで散乱されたX線が、X線検出器104に入射するのを防ぐ。
次にX線源100とX線管移動手段301の位置関係とX線源100の移動方法を説明するために、回転軸方向107の断面図を図2に示す。X線管移動手段301はガントリー回転部101に取り付けられ、支持棒305を介して、X線源100を支持する。このような構造により、X線管移動手段301は支持棒305を移動することで、X線源100を回転軸方向107に移動することができる。一方、X線源100内には、ターゲット400を回転可能に支持するX線ターゲット回転軸402が備えられる。加速された電子がターゲットにおいて衝突した箇所がX線405の焦点333となる。X線405の発生に伴う発熱により、X線ターゲット回転軸402などが熱伸びし、X線源100内で焦点位置が移動すると共に、支持棒305が温まることで熱膨張が生じてX線源100が回転軸方向107に移動し、焦点位置が変化する。
次に図1を用いて、断面像(再構成像)を取得する撮影方法(以降、実撮影と記す)と、処理の方法について説明する。まずX線CT装置の電源投入後、焦点位置の制御を開始する。この制御方法については、以下で詳しく記す。次に、入力手段119から実撮影の開始の入力があると、X線源100から扇状のX線を寝台天板103に載った被検体102に向けて照射し、被検体102を透過したX線をX線検出器104にて検出し、電気信号に変換する。X線源100のX線出力口にはX線コリメータ303が配置され、照射範囲を限定している。
この撮影を、ガントリー回転部101を回転方向108に回転することで、被検体102に対するX線の照射角度を変化させながら繰り返し行い、360度分の投影データを取得する。撮影は、例えば0.4度ごとに複数ビューの間、行う。更にこの間も、X線焦点の位置制御を行う。
このようにして得た電気信号を信号収集手段118にて収集してデジタル信号に変換し、ローデータを作成する。次にローデータに対して、中央処理装置105にて画像処理を行い、投影データを作成する。この画像処理は、例えば、X線検出器104の感度やオフセットのばらつきの補正である。次に投影データを再構成し、被検体102のX線吸収係数分布の再構成像を作成する。結果を表示装置106で表示する。
次に、先に記した中央処理装置105で行われる焦点位置の制御方法について、図3を用いて説明する。
(ステップS1)
X線CT装置の電源投入(S1)が行われる。
(ステップS2)
X線管移動手段301は、初期位置にX線管100を移動する(S2)。この初期位置とは、X線管100が温まる前で熱伸びが無いときに、所定のX線照射範囲へのX線照射を実現する焦点位置(以降、初期焦点位置と記す)である。この初期焦点位置は、実計測より事前に計測して、中央処理手段105の記憶手段に記憶させておく。そして、本ステップにおいて、X線管移動手段301が上記記憶手段から初期焦点位置を読み出し、その位置にX線管100を移動させる。また、上記所定照射範囲とは、例えばスライス方向における照射X線の本影の中心が、X線検出器104のスライス方向の中心と一致する照射範囲である。
(ステップS3)
次に、中央処理手段105は、直前にX線照射があったかの判定を行う(S3)。ここで直前とは、例えば、前回の判定処理(S3の処理)が行われてから、今回の判定処理(S3の処理)が行われるまでの間の時間である。またステップS3の判定処理は、例えば1秒間隔などの所定の時間毎に行ってもよい。これにより所定の時間毎に判定を行うことができ、リアルタイム性の良い制御が可能となる。
ステップS3において、X線照射が行われたと判定された場合は、ステップS4へ進み、X線照射が行われていないと判定された場合にはステップS7へ進む。
(ステップS4)
焦点位置検出手段306にて焦点位置の検出を行う。このとき、ステップS3の判定において有りと判定された直前のX線照射期間内における初めの期間(以降、初期と記す)と終わりの期間(以降、末期と記す)の両方で焦点位置を検出する。ここで初期は、例えばX線照射時間の前半以内であり、末期は例えばX線照射時間の後半以内である。焦点位置検出手段306は、実撮影におけるX線照射が行われると、そのとき照射されるX線を焦点位置計測用検出器300が検出した値を用いて焦点位置の検出を行う。よって、本ステップS4では、直前のX線照射で得られた検出値を用いた焦点位置の実測値が算出されることとなる。これらの検出された初期と末期の焦点位置とそれらを計測した時刻は、中央処理手段105の記憶手段に記憶される。本ステップにおける焦点位置の検出方法の詳細は後述する。
(ステップS5)
中央処理手段105は、検出した焦点位置結果を基に、X線管100の移動量の算出を行う(S5)。本ステップにおけるX線管100の移動量の算出方法の詳細は後述する。
(ステップS6)
ステップS5において算出された量だけ、制御手段117がX線管移動手段301を制御して、X線管100の移動を行う(S6)。この移動は、例えばX線管移動手段301がステッピングモーターによってX線管100を移動する機構を有し、制御手段117が制御信号をステッピングモーターに送信することで実現する。
(ステップS7)
ステップS3の判定処理において、X線照射が行われなかったと判定された場合は、焦点が初期焦点位置からどの程度移動したかを推定する(S7)。本ステップにおける焦点位置の推定方法の詳細は後述する。
(ステップS8)
中央処理手段105は、ステップS7で推定された焦点位置を基に、X線管100の移動量の算出を行う(S8)。本ステップにおけるX線管100の移動量の算出方法の詳細は後述する。
(ステップS9)
ステップS8において算出された量だけ、制御手段117がX線管移動手段301を制御して、X線管100の移動を行う(S9)。この移動は、例えばX線管移動手段301がステッピングモーターによってX線管100を移動する機構を有し、制御手段117が制御信号をステッピングモーターに送信することで実現する。
これにより、熱伸びが生じていても、実際の焦点を初期焦点位置に位置することができる。もしX線管移動手段301でX線管100を移動制御しない場合は、実際の焦点が初期焦点位置から、推定にて得た焦点移動量だけずれることになる。
(ステップS10、S11)
中央処理手段105は、電源をOFFにするかの判定167を行う(S10)。判定がNoの場合は、ステップS2のX線照射の有無の判定処理に戻る。Yesの場合はX線CT装置の電源をOFFにする(S11)。
次に、先に記した焦点位置の検出(S4)とX線管100の移動量の算出(S5)の方法について、詳しく記す。
焦点位置の検出は、実撮影のX線を用いて、焦点位置検出手段306が行う。焦点位置検出手段306は、例えば、図4に示すような焦点位置計測用検出器300と、例えば、図5のような焦点位置計測用スリット304から成る。焦点位置計測用検出器300は、例えば2つの焦点検出用X線検出素子310-1、310-2を有し、その出力をコネクタ311から出力することで、中央処理手段105がデータを得る。焦点位置計測用スリット304は、例えばタングステン、モリブデン、鉛、真鍮のようなX線吸収が大きな金属からなる。焦点位置検出手段306は、例えば、焦点位置計測用検出器300のX線入射面から若干離れた位置に、焦点位置計測用スリット304を設けた構造を成し、X線が照射されたとき、焦点位置計測用検出器300上に、図6に示すような影312を作る。
この影312はX線焦点がスライス方向107に動いた際に、方向110の方向に移動し、影312と焦点検出用X線検出素子310-1と310-2との重複領域の大きさが変わる。例えば、焦点位置計測用スリット304が方向110の正側に動いたとき、影312も同様に動き、焦点検出用X線検出素子310-1のX線入射面積は移動量に依存して大きくなり、焦点検出用X線検出素子310-2は反対に小さくなる。スリット304が方向110の負側に動いたときは、その逆となる。従って、例えば焦点検出用X線検出素子310-1と310-2の出力の差分値は、X線焦点位置の移動量を反映する。
この差分値と移動量の関係の一例を、図7に示す。関数122は、実撮影よりも事前に、X線管100を移動するなどしてX線焦点位置121を変えながら焦点検出用X線検出素子310-1と310-2の出力を計測した結果の一例であり、その差分値120を中央処理手段105の記憶手段に記憶させておく。横軸がX線焦点の移動量121を、縦軸が出力の差分値120をそれぞれ表す。また、点Aが所定照射範囲を実現するときであり、このときの差分値がSaである。
実撮影において、中央処理手段105は、焦点検出用X線検出素子310-1と310-2の差分値120と、記憶しておいた関数122とから、どれだけX線管100を移動すべきか算出する。例えば、実撮影に用いるX線を焦点検出用X線検出素子310-1と310-2とが出力した差分値がSbであったとする。中央処理手段105は、この差分値Sbを取得して、これを図7に示す関数122にあてはめることにより、関数122上における差分値Sbを示す点Bを算出する。この点Bにおける焦点位置Fbが現在の焦点位置となる。中央処理手段105は、現在の焦点位置が初期焦点位置(点A)からFbだけずれた位置にあることわかる。よって、中央処理手段105は、初期焦点位置に対する現在の焦点位置までの焦点位置の移動量を補正するためのX線管100の移動量を、-Fbと算出する。
次に、図3のステップS7に記した焦点移動量の推定と、ステップS8で推定された焦点移動量を補正するためのX線管の移動量の算出方法について説明する。
焦点移動量の推定のために、実撮影よりも事前に、X線管移動手段301によるX線管100の移動制御を行わない状態で、冷却時の焦点位置の変化を評価する。
この事前の計測では、X線照射による加熱後に生じるX線管100内での焦点移動と、支持棒305の収縮による焦点移動の両方を評価し、X線管100内での焦点移動の時定数τ1と支持棒305の変化の時定数τ2を決定して、中央処理手段105の記憶手段に記憶させておく。ここでX線管100内での焦点移動は、先に述べたようにX線ターゲット回転軸402などの熱伸びによるものであり、加熱後直ぐに熱伸びした後、直ぐに冷却によって縮む。一方、支持棒305の収縮は、X線管100からの熱がゆっくり伝わって伸びを生じ、その後に熱浴にゆっくり逃げていくことで縮みを生じるものである。従って一般に、時定数τ1よりも時定数τ2は大きい。また支持棒305の変化は、X線による大量の過熱が行われたときに生じる。
評価方法としては、例えば加熱量を変える事で、X線管100内での焦点移動のみを生じさせるときと、X線管100内での焦点移動と支持棒305に起因する焦点移動との両方の焦点移動を生じさせるときとの焦点移動特性を取得して、各時定数を得る。例えば、加熱量が少ない場合は、支持棒305は熱の発生するX線焦点から離れているのであまり温まらず、おおよそX線管100内での焦点移動のみを生じさせることができる。一方、加熱量が多い場合は、両方が温まって焦点移動を生じる。
このようにして得られた結果の一例を、図8に示す。横軸は加熱用のX線照射を止めてからの経過時間123であり、縦軸は得られた焦点位置121で、そのゼロは初期焦点位置を表す。少量の加熱用X線を照射した場合の結果の一例を曲線127に、大量の照射した場合の一例を曲線128に、それぞれ示す。この一例では、期間帯124では曲線127と曲全128とは同様の時定数減衰しているが、期間帯125では曲線128のみ異なる成分の減衰が見られる。この期間帯125の変化は支持棒305の変化と見なすことができ、一方、期間帯124の変化は、X線管100内での焦点移動と見なすことができる。
ここで、少量と記した加熱用X線でも、X線管100内での焦点移動が生じる必要がある。そのため、例えば500mAのように大きな管電流で、短時間、例えば数秒間照射する。また、大量と記した加熱用X線では、例えば500mAの管電流で、比較的長時間、例えば数秒間の照射を断続的に複数回、30分程度行う。一方、X線による加熱後にも、焦点位置を計測するためにX線を照射する必要がある。このとき、時定数を精度良く決定するためには、X線による加熱を小さくする必要がある。そのため、例えば10mAのような小さな管電流を、例えば0.5秒のような短い時間だけ照射して、焦点を得る。また計測間隔も、照射時間に対して十分に大きく設ける必要がある。
次に、計測結果から各成分の時定数を決定し、結果を中央処理手段105の記憶手段に記憶させる。時定数の決定は、例えば得られた曲線をフィッティングして行う。図8の結果の場合、例えば曲線127の結果に対して式(1)の関数でフィッティングを行い、X線管100内での焦点移動の時定数τ1を決定し、更に曲線128の結果に対して式(2)の関数でフィッティングを行い、支持棒305の変化の時定数τ2を決定する。決定したこれらの時定数は、中央処理手段105の記憶手段に記憶させておく。ここでyは焦点位置121、tはX線照射からの経過時間、A、B、Cは振幅の大きさを表す定数である。
Figure 0005916226
このようにして中央処理手段105の記憶手段に記憶させた特性パラメータτ1、τ2と焦点位置を用いて、実撮影における焦点移動量の推定(図3のステップS7)では、各成分の焦点移動量を推定する。推定法の一例を、図9
を用いて説明する。図9では、時刻tmの焦点位置y(tm)を、式(2)を用いた推定関数にて推定する。ここで、前々回のX線照射の末期における焦点位置の検出結果132の値をyE(n-1)、その時刻をtE(n-1)、前回のX線照射の初期における焦点位置の検出結果133の値をyB(n)、その時刻をtB(n)、曲線130と曲線131は推定関数の結果を表す。ただし焦点位置121の値は、X線管移動手段301による移動制御を行わない状態での値に換算したものである。
焦点位置y(tm)を推定するために、まず推定関数130を、前々回のX線照射の末期の検出結果132と前回のX線照射の初期の検出結果133の結果を用いて決定する。これは時刻tE(n-1)を基準にして両計測点を式(2)に代入した結果を解く事で求まり、係数B及びCが式(3)のように決まることが分かる。
Figure 0005916226
次に曲線131を求める。このとき係数Cは、式(3)に示した推定関数130の支持棒305の変化量が、時刻tmまで続いたと見なして算出する。すなわち、時刻tB(n)から時刻tE(n)間のX線照射による支持棒305の変化を、無視できる程度小さいと見なして算出する。これは、1回のX線照射に対して支持棒305の変化が敏感でない場合、支持棒305の変化が時遅れを有してゆっくりと変化する場合、時刻tmと時刻tE(n)の間隔が時遅れよりも短い場合などに、概ね成り立つ。
このとき推定関数131の係数Cは、推定関数130の時刻tE(n)での推定値として計算でき、式(4)のように書くことが出来る。
Figure 0005916226
一方、推定関数131の係数Bは、推定関数130の値、すなわち式(3)の係数Bとは異なる。これはX線管100内での焦点移動が、時刻tB(n)から時刻tE(n)間のX線照射で瞬時に生じ、無視できないためである。このとき係数Bを、前回のX線照射の末期の検出結果134の結果と式(4)の係数Cから、X線管100内での焦点移動を表す式(2)を用いて計算すると、式(5)のように書ける。従って、時刻tmでの予測値y(tm)は、式(6)のように決定することができる。
Figure 0005916226
時刻tm後にX線が照射されると、推定関数130を決定したのと同様に、新しく検出した焦点位置と時刻tE(n)での結果yE(n)から、再度推定関数131の係数B及びCを計算する。このとき係数Cは、新しく検出した末期の検出結果(=時刻tmおける焦点位置y(tm))と、時刻134での検出結果から算出することとなり、時刻tB(n)から時刻tE(n)間のX線照射の影響の少なくとも一部を含んでいる値となる。従って、支持棒305の変化は、前回なような近いX線照射による変化のみを無視することとなり、無視したX線照射の影響が蓄積されていくことはない。
以上のように本推定は、支持棒305の変化も考慮する事で推定精度を向上することができる。特に支持棒305の変化が焦点移動の主要因となるとき、例えば前回のX線照射から、時定数τ1以上、時定数τ2の数倍程度以下の時間が経過したときの焦点位置を推定するとき、考慮しない場合に対して推定精度が大きく向上する。
次に、図3のステップS8で記したX線管100の移動量の算出の方法について記す。
図3のステップS8で記したX線管移動量算出処理では、ステップS7の焦点移動量の推定で判明した量から、X線管100の移動量を決定する。このとき、前に焦点位置制御が行われていないとき、すなわち初期焦点位置にいるときは、移動量は-y(tm)となる。これは焦点移動方向の反対方向に、y(tm)だけ移動することを意味する。一方、前に焦点位置制御が行われているとき、すなわち初期焦点位置以外にいるときは、前回までのX線管移動(ステップS6及び/又はステップS9によるX線管移動処理)で至った焦点位置と、y(tm)との差を、移動量とすれば良い。
そのため焦点制御の結果で至った焦点位置を決定するために、例えばX線管移動手段301の移動量を算出や検出する手段を具備する必要がある。この移動量を算出する手段としては、例えば制御手段117が、X線管移動手段301が移動した総量を記録する機能を有すれば良い。この方法として、例えばX線管移動手段301の移動がステッピングモーターによって実現され、前進と後退の2種類のパルス数によって移動量と方向が決まる際に、各パルス数の総和を記録しておくことで、このパルス数から焦点の移動量を算出できる。
以上のように、本実施形態に係る焦点位置制御により、X線照射が有る場合にはそのX線で検出した焦点位置情報を用いて、X線照射が無い場合には焦点位置の推定結果を用いて、実際の焦点位置を所定の位置(初期焦点位置)にすることが可能となり、所定照射の範囲にX線を照射することが可能となる。特に、X線照射が無い場合の焦点位置の推定では、X線照射によって瞬時に変化しない熱伸び成分を有する場合や、1回のX線照射に対して敏感でない場合に、推定精度が向上できる。これにより、精度良くX線照射範囲を決定して変更することが可能となり、複数の要因によってX線焦点移動が生じる場合でも、焦点移動に起因するアーチファクトの発生や定量性の低下などの画質劣化を除去、抑制することができる。また直前に焦点位置検出のためのX線照射を行わなくて良いため、撮影タイミングを遅延も生じない。
本実施形態では、初期と末期の焦点位置とそれらを計測した時刻を、中央処理手段105の記憶手段に記憶した場合を記したが、焦点位置の予測に用いる情報以外、すなわち前回のX線照射の初期と末期の検出結果、前々回のX線照射の末期の検出結果、及びこれらの時間の情報以外は、消去して良いことはいうまでもない。また本実施形態では、時刻tmに、焦点位置推定の計算を一度に行う場合を記したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。時刻tB(n)でX線を検出したときに、係数Cの計算、すなわち式(3)の計算を行っても良い。この場合、中央処理手段105の記憶手段に計算結果を記憶しておく事で、前々回のX線照射の末期の検出結果、前回のX線照射の初期の検出結果、及びこれらの時間の情報を消去しても良いことは言うまでもない。
本実施形態では、X線管100内での焦点移動と支持棒305の変化による焦点移動の場合を記したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。本発明は、熱伸びの箇所に限定せずに、第1と第2の熱伸びがあり、第1の熱伸びが1回のX線照射に影響されて直ぐに生じるものであり、第2の熱伸びが、全体の照射量と冷却量に依存するような、1回のX線照射の影響が直ぐに生じない場合や、1回のX線照射の影響が小さい場合に適用できる。本実施形態は、第1の熱伸びがX線管100内での焦点移動の場合、第2の熱伸びがと支持棒305の変化の場合である一例にすぎない。また以降の実施形態おいても同様である。
本実施形態では、焦点位置を検出する期間である初期と末期を、1回転の撮影内で設ける場合を記したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。例えば一度に複数回転の撮影を行うとき、前半の回転の期間を初期、後半の回転の期間を末期と見なして、焦点位置を検出しても良い。ただし、初期はX線照射開始に近い時とし、末期は終了に近い時とした方が良い。またこのとき、複数回転の撮影の間にX線を照射しない期間があっても良い。
本実施形態では、X線管100内での焦点移動が、1つの時定数で生じる場合を記したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。複数の時定数から成る場合も有り得る。このとき、各成分の振幅の比を、事前の評価にて決定して保存しておく必要がある。また支持棒305の変化による焦点移動に関しても同様である。
本実施形態では、X線の照射が無いときに行う焦点位置の推定(図3のステップS7)とX線管移動(図3のステップS8)とを、所定の時間毎に行ったが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。例えば撮影に同期し、特定のView数毎に行っても良い。更にX線照射の有無やX線管移動量に応じて、次の判定処理(図3のステップS2)までの時間が変わっても良い。更に入力手段119に、撮影スタンバイの入力が有ったときに行っても良く、X線照射開始の入力があった場合には、そのX線照射の直前に行っても良い。
本実施形態では、焦点移動量の推定の際に、式(2)に記すような指数関数の和で表される関数を用いて焦点移動量の推定を行ったが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。例えば、ベキ関数などの様々な関数の和で表される関数を用いる場合も有り得る。また推定した焦点移動量を基に、X線管100の移動量を決定したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。例えば、X線管100の移動速度を決定しても構わない。方法として、例えば式(2)を時間微分して得た関数から、速度を決定する。
このとき、移動速度が時間によって変化するので、速度の推定は比較的短い間隔で行うことが望ましい。
本実施形態では、図1に示したように、焦点位置計測用検出器300はX線源100のそばに配置したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。例えばX線検出器104のそば、X線源100とX線検出器104の間、X線検出器104よりもX線源100から離れた位置など、どのような位置にあっても良い。更にX線検出器104の端部などの一部を用いても良い。このとき、焦点位置計測用検出器300とX線検出器104の位置関係の調整は不要となり、作業数が低減できる。
本実施形態では、X線管移動手段301によってX線管100を移動することで焦点を移動する場合を示したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。X線管100が、電子ビームを用いてX線を発生させる機構の場合、例えばフライングフォーカスの技術のように、電場や磁場などによって焦点位置を移動させても構わない。
本実施形態では、前々回の末期の焦点検出結果と前回の初期の結果から係数Cを決定したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。例えば、前々回以前のn回目のX線照射の末期の検出結果と、(n+1)回目のX線照射の初期の検出結果から決定しても構わない。これは、過去の推定において推定した係数Cを用いて、推定を行う際の係数Bを決定する方法であっても良い。このように決定する場合、n回目の末期のX線照射の時刻から、前回のX線照射の末期の時刻までの時間Δt1間に生じる、式(2)の第1項の減衰を考慮して、係数を決定する必要がある。
これは例えば、前々回以前のn回目のX線照射の末期の検出結果と(n+1)回目のX線照射の初期の検出結果から決定した係数Cに、減弱量exp(-Δt11)をかけて、推定で用いる係数Cとする。このように、過去に推定した係数Cを記憶しておき、これを用いて現在の係数Cを推定するとき、記憶手段は、n回目のX線照射の末期の検出結果と(n+1)回目のX線照射の初期の検出結果を記憶しておく必要がなくなるため、大きな記憶手段が不要となる。
更に先に記したように係数Cを、前回以前のX線照射で得た2つの検出結果を用いて決定するだけでなく、3つ以上または1つの検出結果を用いて決定しても構わない。同様に、係数Bに関しても、前回以前の1つ以上の様々な検出結果を用いても良いことは言うまでも無い。
本実施形態では、係数Cを、前々回のX線照射の末期の焦点検出結果と前回のX線照射の初期の結果から決定し、この係数Cの結果と前回のX線照射の末期の結果から係数Bを決定したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。例えば、前回検出した焦点位置が所定の範囲にあるとき、X線管100内での焦点移動と支持棒305による移動の一方の成分をゼロとし、もう一方の係数BとCを決定する方法も有り得る。これは例えば、前回検出した焦点位置がある熱伸び量以下であって、加えた熱量が少なく、支持棒305による焦点移動が少ない見なせるとき、係数Cをゼロとして、係数Bのみを求める。このとき係数Bは、例えば先に記したように、前回の焦点検出で得た結果から求める。
また例えば、支持棒305による焦点移動がX線管100内での焦点移動よりも十分大きい装置などにおいて、ある伸び量を超えて、支持棒305による焦点移動が主と見なせるとき、係数Bをゼロと見なし、係数Cのみを求める。このとき係数Cは、例えば先に記したように、前々回の末期の焦点検出結果と前回の初期の結果から求める。
また例えば、X線管100内での焦点移動がゼロと見なせる程度、すなわち式(2)の係数Bの項(右辺第1項)がゼロと見なせる程度、時間が経過したデータのみを用いて、係数Cを決定しても良い。このとき、X線管100内での焦点移動が十分に小さくなる程度とは、X線によって焦点位置変化が、例えば予測制御の精度と同程度まで戻るときであり、このときの照射間隔ΔtBは、必要精度をWとすると、式(7)のように記すことが出来る。
Figure 0005916226
この式(7)から、例えば必要精度100μm、前回のX線照射での係数Bが200μm、時定数τ1が20分のときの照射間隔ΔtBを求めると、約14分となる。
これを実現する具体的な方法としては、照射間隔ΔtBを事前に決定して中央処理手段105の記憶手段に記憶しておき、同様に記憶しておいたX線照射の初期に検出した焦点位置結果のうち、同様に記憶された照射時間の間隔がΔtB以上空いた最も最近の計測結果を抽出することで実現できる。またX線照射間隔を計測し、照射間隔がΔtB以上空いたときに計測される初期の焦点位置結果を係数Cに置き換えていっても良い。このように係数Cを決定した後、最も最近の末期のX線照射(図9における時刻tE(n))の結果を用いて係数Bを求め、推定関数式(2)を決定する。
本実施形態で記した係数Bと係数Cの決定方法以外として、常に係数が1つとなるように、例えば前回検出した焦点位置がある値以上では係数Bをゼロとし、以下では係数Cがゼロとなるようにして計算しても良い。
更に、前回検出した焦点位置からではなく、前々回の末期の結果132と前回の初期の結果133から求めた時定数によって、ゼロとする係数を切替えても良い。これは図9の場合、式(8)を用いて時定数τ3を決定し、τ1に近い場合は係数Cをゼロとし、τ2に近い場合は、係数Bをゼロとしても良い。
Figure 0005916226
これらのように係数BとCの一方をゼロと見なす事で、計算を簡略化、高速化することができる。また決定する係数が1つとなり、係数計算を安定化することができる。
<第2実施形態>
第1実施形態では、支持棒305の変化、すなわち1回のX線照射の影響が直ぐに生じない成分、または影響の小さい成分の減弱の時定数(式(2)のτ2)を考慮する場合を記したが、第2実施形態は、支持棒305の変化による焦点移動が、X線管100内での焦点移動に比べて、更に非常にゆっくりである場合であり、所定の時間にX線が照射されない間は、支持棒305の変化による焦点移動は一定と見なしても良い場合である。この所定の時間は、例えばX線が照射されないときの支持棒305による焦点の位置変化が、焦点制御における目標精度程度変わる時間である。以下、図10を参照して第2実施形態について説明する。図10は、焦点移動量の推定方法の一例を示す説明図である。
このとき推定で用いる関数は、式(2)に代わり式(9)のようになり、係数Bと係数Cを第1実施形態と同様に求める。図9を用いて説明すると、支持棒305の変化量を表す係数Cは、前々回のX線照射の末期の検出結果132と前回の初期の検出結果133の結果を用いて算出されて式(10)のCのようになる。更にX線管100内での焦点移動を表す係数Bは、先に決定した係数Cと、前回の末期の検出結果134から算出されて式(10)のBのようになる。従って推定値y(tm)は、式(11)のように記すことができる。

Figure 0005916226
このとき、支持棒305の変化よりも長い時間がX線照射から経ったときは、支持棒305による焦点移動は一定と見なせなくなる。従って支持棒305の変化を、所定の位置、例えば初期焦点位置にリセットする、すなわち式(9)の係数Cをゼロに置き換える手段を具備することが望ましい。
また別の方法として、支持棒305の変化が非常にゆっくりの場合は、支持棒305の変化を、最後のX線照射から、X線管100内での焦点移動に比べてゆっくりゼロに近づけていっても良い。すなわち式(9)の係数Cを、大きな時定数でまたは遅い速度でゼロに近づけていっても良い。また一定時間毎に、段階的にゼロに近づけていっても良い。
本実施形態の係数Cは前回のX線照射における初期の焦点位置検出結果を用いて決定したが、これは一例で有り、本発明を限定するものではない。例えば、過去のさまざまなX線照射の初期で計測した焦点位置結果を用いて、容易に係数Cを決定しても良い。例えば、第1実施形態に記したように、X線管100内での焦点移動が、十分に小さくなる程度にX線照射間隔が空いたとき、すなわち式(9)の係数Bの項(右辺第1項)がゼロと見なせるときのデータを用い、最も最近のX線照射の初期の検出結果値を係数Cの値としても良い。
また別の方法として、例えば、X線管100内での焦点移動と支持棒305の変化の方向が反対のとき、支持棒305の変化の方向を負とすると、焦点位置が最も小さい値(負側に大きい)ものを用いて係数Cを決定しても良い。この方法の効果を、図10を用いて説明する。
図10において、丸印135はX線照射があって加熱が生じ、同時に焦点検出を行った結果を表し、曲線143は時刻139で末期のX線照射を行ったときの焦点位置変化を示す。点線144は、支持棒305による焦点位置の変化を表す。時刻139において支持棒305の変化はゼロ、すなわち係数Cがゼロであり、時間が経過に伴い、徐々に値147に収束する。X線管100内での焦点移動と支持棒305の変化の総和は、X線管100内での焦点移動が十分に小さくなる時刻142において、値147となる。
仮に時刻142にてX線を照射して焦点位置の結果を得たとき、その結果値147は、時刻139での焦点位置検出値よりも小さいため、係数Cは値147にて決定されることになる。この値147は、係数Bの影響が小さく、支持棒305の変化を最も反映した値となるため、正確な係数Cの値が得られる。
また仮に、X線管100内での焦点移動が十分に小さくなる前の時刻141において、X線を照射して焦点を検出したとき、検出結果146は同様に時刻139での焦点位置検出値よりも小さいため、係数Cは値146にて決定されることになる。この値146は、X線管100内での焦点移動の影響も含むため、収束値147に比べて大きく正確ではないが、一部は支持棒305の変化を含むため、時刻139に得られた値(ゼロ)よりも正しい値147に近い。従って完全ではないが、若干は係数Cの値の精度を向上できる。
また仮に、X線管100内での焦点移動が主である時刻140において、X線を照射して焦点を検出したとき、この検出結果148は時刻139に得られた値(ゼロ)よりも大きく、係数Cは時刻139に得られた値にて決定されることになる。このとき値148を用いると、真値である値139よりも大きく離れることになり、本方法では精度の低下を防ぐことができる。
従って、最も小さい計測(検出)焦点位置を用いて係数Cを更新していくことで、係数Cの決定精度は向上できる。
これを実現する具体的な方法としては、中央処理手段105の記憶手段に、X線照射で検出した焦点位置を記憶しておき、その焦点位置の中で、最も小さな計測(検出)結果を抽出することで実現できる。またX線照射前の係数Cの値を中央処理手段105の記憶手段に記憶しておき、X線を照射して得た結果が係数Cよりも小さい場合に、この結果の値に係数Cを置き換えても良い。
ただし、非常に長い時間が経過するときは、支持棒305の変化もゼロに収束していくため、焦点の推定を行う時刻から所定の時間内過去のデータで、係数Cを決定していくことが望ましい。
<第3実施形態>
第1実施形態では、特性パラメータとして時定数を用いる場合を記したが、本実施形態では移動速度を用いる点で第1実施形態と異なる。本実施形態の焦点位置の制御方法について、図11と図12を用いて説明する。図11は、X線管の冷却時における焦点位置の評価結果の一例を示すグラフである。図12は、第3実施形態の推定関数の決定方法を示す説明図である。
図11は、X線による加熱後、X線管100が冷却していく際の焦点位置の評価結果の一例を表す。曲線153が評価結果の一例であり、縦軸が焦点位置121を、横軸がX線照射終了からの経過時間123を表す。この結果は、実撮影よりも事前に評価して取得しておく必要がある。期間151では、X線管100内での焦点移動と支持棒305の変化による焦点移動が同時に生じており、期間152では支持棒305の変化による焦点移動が主に生じている。本実施形態は、それらの方向は反対に生じる場合である。
まず曲線153の結果から、期間151と期間152のそれぞれにおける焦点変化の速度を求めておく。この決定の方法は、例えば、期間151のデータに対して最小2乗法にて直線を決定し、その傾きを期間151の速度v1とする。このとき得られる速度は、平均の速度となる。同様に、例えば期間152のデータから最小2乗法にて速度v2を決定する。このように決定した速度v1と速度v2は中央処理手段105の記憶手段に記憶させておく。
次に制御方法を説明する。時刻tにおける焦点位置y(t)は、式(12)に示すように、前回のX線照射の末期の時刻を時刻tのゼロとするとき、時刻t1までは速度v1で移動し、時刻t1から時刻t2の間は速度v2で移動し、以降はゼロの位置に停止する。ここで、係数Dは時刻ゼロにおけるX線管100内での焦点移動量を、係数Fは時刻ゼロにおける支持棒305の変化による焦点移動量を、それぞれ表す。
Figure 0005916226
図12を用いて、式(12)の決定方法、すなわち係数D、F及び時刻t1、t2の決定方法について説明する。このとき、X線管が十分に冷えた状態から、(n-1)回目のX線照射を行い、X線管100が冷える前にn回目のX線照射を行った場合である。(n-1)回目のX線照射後、1回のX線照射の影響が直ぐに生じない成分、または影響の小さい成分の一例である支持棒305の変化が若干生じている。図12において、縦軸121が焦点位置、横軸123が時間、丸印(○)がX線照射を行って得た焦点位置を表し、焦点位置121は、熱伸びが無い位置をゼロとする。
推定関数130の場合、時刻tB(n-1)以前のX線照射がないため、事前に支持棒305の変化による焦点移動はないため、係数Fはゼロとなる。また時刻tE(n-1)の変化は全てX線管100内での焦点移動で生じるため、係数DはyE(n-1)となる。またtE(n-1)後、X線管100内での焦点移動は、一定速度v1で移動してゼロに至るため、時刻t1と時刻t2は等しく、式(13)のように記すことができる。
Figure 0005916226
推定関数131の場合、(n-1)回目とn回目のX線照射の間であって、支持棒305の変化がないと仮定したときの時刻tB(n)の推定焦点位置yx(tB(n))と、同時刻の焦点位置検出結果yB(n)との差が、支持棒305の変化となる。従って係数Fは、n回目のX線照射の初期と末期の経過時間(tE(n)- tB(n))中の変化を考慮すると、式(14)のように書ける。ただしn番目のX線照射の時間が短い場合、tE(n)=tB(n)と見なしても構わない。
Figure 0005916226
また係数DはyE(n)に等しくなる。これは時刻tE(n)における焦点位置検出結果yE(n)を式(12)が満たすように決定されるためである。
また時刻t1は、X線管100内での焦点移動から支持棒305の変化による焦点移動に変わる時間であり、式(12)の第1式と第2式が交わる時間である。また時刻t2は支持棒305の変化による焦点移動がゼロになる時間であり、式(12)の第2式の左辺がゼロになる時間である。従って、時刻t1とt2は式(15)のように書ける。
Figure 0005916226
以上のように、各速度での移動時間を決定する事で、焦点位置を推定できる。
本実施形態では、係数Fの算出で、支持棒305の変化がないと仮定したときの時刻tB(n)の推定焦点位置yx(tB(n))と、同時刻の焦点位置検出結果yB(n)との差を用いたが、これは本発明を限定するものではない。例えば、前のX線照射から所定の時間が経過した場合や、検出した位置yB(n)が所定値となっているときなど、焦点位置検出結果yB(n)において支持棒305の変化が主となっているときの結果のみを用いても良い。ここで所定の時間とは、X線管100内の熱伸びが収束する時間であり、所定値とは、図12においては、例えば初期焦点位置(ゼロ)以下である。
本実施形態では移動時間t1、t2を決定したが、これは本発明を限定するものではない。例えば、移動限界位置を決定しても良い。方法としては、例えば図12において、X線照射後に速度v1で限界値Lx(t)まで移動し、限界値に達成後、初期焦点位置まで速度v2で移動すれば良い。この限界値Lx(t)は式(12)第2式から求めることができ、式(16)のように書ける。
Figure 0005916226
更にこのとき、速度v2の大きさが非常に小さい場合、限界値Lx(t)はほぼ一定と見なしても良い。このとき、限界値Lx(t)は係数Fと一致し、速度v2はゼロとなる。係数Fは、所定の時間内で検出した焦点位置のうち、支持棒305の変化の方向に一番大きな焦点位置の値とすれば良い。すなわち、X線照射後に速度v1で、前回以前の所定の時間内の焦点検出結果から決定した限界値まで移動し、その後停止すれば良い。所定の時間、X線照射が無かったときは、例えば第2実施形態で記したようにリセットを行う。このように決定した限界位置を用いることで、容易に焦点位置が決定できる。
<第4実施形態>
第4実施形態のX線CT装置は、X線管100を移動してX線照射範囲を制御するのではなく、X線照射範囲を限定するX線コリメータ303を制御することで、X線検出器104への照射範囲の変化を抑える点で、第1実施形態と異なる。第4実施形態のX線CT装置の一例を、図13と図14を用いて説明する。図13は、第4実施形態に係るX線CT装置の概略図である。図14は、X線コリメータ303の移動方法を示す説明図であって、(a)は焦点移動前を示し、(b)はX線照射による熱で焦点移動が生じたが、焦点移動制御を行っていない場合を示す。
図13に示すように本X線CT装置は、スライス方向107にX線コリメータ303を移動するX線コリメータ移動手段302を有し、制御手段117がX線コリメータ移動手段302を制御することでX線照射領域を制御する。その移動は、第1実施形態でX線管100の移動によって実現したX線照射領域を、同様に実現するように行われる。このときの本実施形態におけるX線コリメータ303の制御移動量Yが、第1実施形態で行った焦点位置制御におけるX線管100の移動量Xと、式(17)の関係を満たすように制御する。
Figure 0005916226
ここでX線管移動量Xと制御移動量Yは、X線による熱伸びがないときに、両方ともゼロとなるように基準を設ける。またTは、X線検出器104から焦点333までの距離(図14における324)、SはX線検出器104からX線コリメータ303までの距離(図14における325)である。
式(17)を、図14を用いて説明する。図14は、図13の位置327の断面におけるX線管100、X線コリメータ303、X線検出器104であり、領域330がX線照射領域である。(a)は焦点移動前であり、直線328は、X線による熱伸びがない焦点位置333-1と、所定照射領域におけるX線検出器104のスライス中心334を結んだ直線である。(b)はX線照射による熱で焦点移動が生じたが、焦点移動制御を行っていない場合であり、焦点333-2は、スライス方向107に対して直線328から距離326だけ離れた位置に在る。ここで第1実施形態では、焦点333-2の移動方向と反対方向にXだけ移動するため、この距離326は-Xとなる。
次に、図14(b)において図14(a)と同様の所定照射領域を実現する場合を考える。
このとき、実際の照射領域におけるX線検出器104のスライス中心を位置334となるようにすれば良く、移動量Xに、X線検出器104から焦点333とX線コリメータ303までの距離の違いによる拡大率の違いの項を乗じた距離だけ、X線コリメータ303を動かせば良いこととなる。この拡大率の違いの項は、X線検出器104とX線コリメータ303の距離T(325)を、X線検出器104と焦点333-1又は333-2の距離S(324)で除したものであるので、図14(b)においてX線コリメータ303は、式(17)を満たす移動量Yだけ移動すれば良いことが分かる。
ここで式(17)の符号は負であり、移動量Yと移動量Xとは反対方向となる。従ってX線コリメータ303は、第1実施形態においてX線管100を移動させるときは反対方向に、言い換えると焦点の移動方向と同方向に動かすことになる。
以上のようにX線コリメータ303を制御することにより、第1実施形態においてX線管100を制御するのと同様に、X線照射範囲を制御することができ、焦点移動に起因するアーチファクトの発生や定量性の低下などの画質劣化を除去、抑制することができる。
<第5実施形態>
第5実施形態のX線CT装置は、X線照射範囲を、焦点位置の変化に応じてX線管100を制御するのではなく、X線検出器104の位置を移動制御することで、X線検出器104への照射範囲が変化しないようにする点で第1実施形態と異なる。本実施形態のX線CT装置の一例を、図15から図17を用いて説明する。図15は、第5実施形態に係るX線CT装置の概略図である。図16は、X線検出器104の移動方法を示す説明図であって、(a)は焦点移動前を示し、(b)はX線照射による熱で焦点移動が生じたが、焦点移動制御を行っていない場合を示す。図17は、X線コリメータ303とX線検出器104の移動方法を示す説明図であって、(a)は焦点移動前を示し、(b)はX線照射による熱で焦点移動が生じたが、焦点移動制御を行っていない場合を示す。
図15に示すように本実施形態に係るX線CT装置は、スライス方向107にX線検出器104を移動するX線検出器移動手段200を有し、制御手段117がX線検出器移動手段200を制御することでX線照射領域を制御する。その移動は、第1実施形態でX線管100の移動によって実現したX線照射領域を、同様に実現するように行われる。このときの本実施形態におけるX線検出器104の制御移動量Zが、第1実施形態で行った焦点位置制御におけるX線管100の移動量Xと、式(18)の関係を満たすように制御する。
Figure 0005916226
ここでX線管移動量Xと制御移動量Zは、X線による熱伸びがない位置において、両方ともゼロとなるように基準を設ける。またTは、X線検出器104から焦点333までの距離(図16における324)、SはX線検出器104からX線コリメータ303までの距離(図16における325)である。式(18)を、図16を用いて説明する。図16は、図15の位置327の断面におけるX線管100、X線コリメータ303、X線検出器104であり、領域330がX線照射領域である。図16(a)は焦点移動前であり、直線328は、図16(a)の状態において、X線による熱伸びがない焦点位置333-1と、所定照射領域におけるX線検出器104のスライス中心334を結んだ直線である。図16(b)はX線照射による熱で焦点移動が生じたが、焦点移動制御を行っていない場合であり、焦点333-2は、スライス方向107に対して直線328から距離326だけ離れた位置にある。ここで第1実施形態では、焦点333-2の移動方向と反対方向にXだけ移動するため、この距離326は-Xとなる。
図16(b)において図16(a)と同様の所定照射領域を実現する場合を考える。このとき、照射領域のスライス中心位置334が、直線328とX線コリメータ303とが交わる点337と、焦点333-2とを通る直線329上にあれば良い。従ってX線検出器104の移動量Zは、焦点位置の位置Xに、X線コリメータ303からX線検出器104と焦点333までの距離の比を乗じた距離となり、式(18)となることが分かる。ここで式(18)の符号は同じであり、移動量Zと移動量Xとは同じ方向となる。従ってX線検出器104は、第1実施形態においてX線管100を移動させるときと同じ方向に、言い換えると焦点移動の反対方向に動かすことになる。
以上のようにX線検出器104を制御することにより、第1実施形態においてX線管100を制御するのと同様に、X線照射範囲を制御することができ、焦点移動に起因するアーチファクトの発生や定量性の低下などの画質劣化を除去、抑制することができる。
本実施形態では、X線検出器104のみを動かす場合を記したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。第1実施形態に記載したようにX線管100や、電場や磁場を用いて焦点位置を動かす場合、第2実施形態に記載したようにX線コリメータ303を動かす場合、本実施形態に示したようにX線検出器104を動かす場合のどれか2つ以上の方法を併用し、X線管100、焦点位置そのもの、X線コリメータ303、X線検出器104のどれか2つ以上を動かしても良い。このように動かす一例として、例えば図17では、焦点移動326に対して、X線コリメータ303とX線検出器104の両方を動かす。図17では、(a)の焦点移動前に対して、(b)ではX線照射による熱で焦点移動が生じている。このときのX線コリメータ303の移動量YとX線検出器104の移動量Zは、焦点の移動量と同じ方向に同じ量だけに移動すれば良い。これはすなわち、移動量Xと移動量Zを、第1実施形態で記したX線管100の移動量Xと焦点の移動量Xと逆方向に同じ量にすれば良い。
このように制御することにより、X線がX線検出器104に対して、大きな角度で入射することや入射角度を大きく変えることを防ぐことができる。大きな角度でシンチレータにX線が斜め入射すると、一つのX線光子が複数のシンチレータ素子に跨って検出されることがあり、X線検出器104の出力特性が変わる場合がある。また入射角度が大きく変わると、X線検出器104がスライス方向にX線グリッドを有するとき、X線グリッドがX線検出器104のX線検出素子228に影を作る場合が有り得、X線の利用効率が低下する。またこの影は、X線グリッドの位置のばらつきにより大きさが変わるため、X線検出素子228の出力ばらつきが生じ、アーチファクトの発生や定量性の低下の原因と成り得る。本方法では、これらを抑えることが可能となる。
<第6実施形態>
第1実施形態では、支持棒305の変化による焦点移動を、前回以前のX線照射で検出した焦点位置を用いて決定した場合を記したが、本実施形態のX線CT装置は、X線管100の外側周辺の温度を用いて、支持棒305の変化による焦点移動を推定する点で、第1実施形態と異なる。これは、支持棒305などの1回のX線照射の影響が直ぐに生じない、または1回のX線照射の影響が小さい熱伸びを生じている部材の一部が、X線管100の外側周辺に設置され、X線照射によるX線管の温度上昇によってゆっくり温まり、ゆっくり伸びと縮みが生じる場合であり、その変化量(熱伸び量)が、X線管100の外側周辺の温度と相関を有する事で可能となる。本実施形態のX線CT装置の一例を、図18を用いて説明する。図18は、第6実施形態に係るX線CT装置の概略図である。
図18に示すように本実施形態のX線CT装置は、X線管100の傍に温度決定手段155を有する。温度決定手段155は、例えば熱電対、抵抗温度計、放射温度計などの温度計であり、特に、支持棒305やその傍の温度が計測されることが望ましい。
本実施形態における焦点制御方法を説明する。焦点制御方法のフローは、図3を用いて第1実施形態で説明したものと同様であるが、図3のステップS2の焦点位置検出処理とステップS7の焦点移動量推定処理の際に温度決定手段155にて温度を計測する点と、焦点移動量推定処理(ステップS7)の方法が異なる。本実施形態に係るこの焦点移動量推定処理(図3のステップS7)では、例えば式(19)を用いて焦点位置を算出する。
ここで時定数τ1は第1実施形態と同様に、X線照射による加熱後に生じる、冷却におけるX線管100内での焦点移動の時定数を表す。またtはX線照射後の経過時間を、係数Bは時刻ゼロにおけるX線管100内での焦点移動の変化量を、関数f(T)は温度Tにおける支持棒305の熱伸び量を、Txは焦点移動量推定処理(図3のステップS7)を行う時に温度決定手段155で計測された温度を、それぞれ表す。
Figure 0005916226
これらのうち時定数τ1と関数f(T)は、実撮影よりも事前に決定し、中央処理手段105の記憶手段に記憶させておく。時定数τ1は、X線管が温まった状態から、だい1第1実施形態と同様に、加熱用のX線を照射せずに焦点位置を計測し、その結果にフィッティングを行うことで決定する。関数f(T)は、温度決定手段155の計測結果と、支持棒305の変化による焦点移動量の関係を取得し、データに対してフィッティングを行って得る。関数f(T)は、例えば温度の多項式となる。この関係を得るとき、X線管100内での焦点移動が無視できる程度小さな際に取得することが望ましいが、X線を照射した後に、X線管100内の焦点移動が収まる程度時間が経過した後に、焦点位置の変化と支持棒305の温度を計測する事で実現できる。また多数の温度でのデータを得るために、過熱のためにX線の条件や、過熱開始時の支持棒305の温度を複数変えて行うことが望ましい。
実撮影では、例えば図9に示すように、推定の直前のX線照射時刻tE(n)での焦点位置yE(n)、及び温度決定手段155で計測した温度TE(n)、推定を行う時刻tmにおける温度Ttmを用いて、焦点位置を推定する。まず係数Bは、時刻ゼロにおけるX線管100内での焦点移動量であり、検出した焦点位置yE(n)から支持棒305の変化を除いたものとなる。このときの支持棒305の変化量は、温度TE(n)と関数f(T)を用いて決定できる。同様に時刻tmにおける支持棒305の変化量は、温度Ttmと関数f(T)を用いて決定できるため、式(19)は、式(20)のように決定できる。
Figure 0005916226
このような係数を決定した推定関数式(20)を用いて焦点位置を推定することで、支持棒305の変化による焦点移動も考慮できるため、精度の良い推定が可能となる。
本実施形態では、温度決定手段155の計測結果と、支持棒305の変化による焦点移動量の関係式を用いて決定する場合を記したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。事前の計測で得た、温度決定手段155の計測結果と、支持棒305の変化による焦点移動量のデータそのものを用いても良いことは、言うまでも無い。
本実施形態では、特性パラメータとして時定数を用いる場合を記したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。例えば第3実施形態で記したように、移動速度を用いても良い。このとき図12の推定関数131を決定する場合、推定焦点位置を、時刻tE(n)のX線照射で焦点を検出した後、関数f(T)で決定する支持棒305の変化量f(Ttm)まで、一定速度v1で移動するように決定する。
更にこれを、推定関数を用いて実現する場合は、例えば式(21)を用いる。
Figure 0005916226
ただしf(Ttm)は時間とともに変化するため、焦点の検出及び温度の計測を短時間間隔で行った方が良い。
本実施形態では、温度決定手段155を支持棒305の傍に設置した場合を記したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。X線管100の周辺の様々な位置に設置する場合が有り得る。特に、焦点位置の変動を生じる要因となるが、1回のX線照射の影響が直ぐに生じないまたは小さい部材があるとき、温度決定手段155を部材に直接または隣接して設置することが望ましい。
本実施形態では、温度決定手段155として温度計を用いた場合を記したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。例えば、支持棒305などのX線管100周辺の部材の温度を、X線管100が発する熱量と熱浴に逃げる熱量を計算し、その結果から熱伸び量を求めても良い。このときX線管が発する熱量は、例えば過去に照射したX線照射における管電圧、管電流、照射時間などの条件から算出する。熱浴に逃げる熱量は、X線管100の熱量の排気性能から算出する。更に部材が蓄積した熱量と熱延び量の関係を、本計測の事前に評価して記憶しておく。計算の際、熱量に変わり温度を計算から求めても良い。
このように計算から求めた温度や熱量を用いることで、温度決定手段155を付加しなくとも、熱量を基に推定を行うことが出来る。また支持棒305の温度を計測できない位置にある場合や、ゆっくり熱伸びを生じる箇所変化が不明の場合でも、本方法で熱伸び量を決定して関数f(T)を決定でき、支持棒305の変化による焦点移動も考慮した精度のよい推定が可能となる。
<その他の実施形態>
第一第1実施形態から第6実施形態では、医療用のX線CT装置の実施形態を記したが、本発明はこれに限るものではなく、実施形態に記したX線源100と、焦点位置検出手段と、X線管移動手段301やX線コリメータ移動手段302やX線検出器移動手段200のような照射範囲変更手段と、を搭載したあらゆる装置に適用できることは言うまでも無い。その一例として、非破壊検査用のX線CT装置、X線コーンビームCT装置、デュアルエネルギーCT装置、X線画像診断装置、X線撮像装置、X線透視装置、マンモグラフィー、デジタルサブトラクション装置、核医学検診装置、放射線治療装置なども有り得る。
更に本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、実施の段階では、その要旨を逸脱しない範囲でさまざまに変形して実施することが可能である。更に、上記実施形態にはさまざまな段階が含まれており、開示される複数の構成要素における適宜な組み合わせにより、さまざまな発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素が、削除されても良い。
本実施形態に係るX線撮影装置によれば、温度の伝わりの異なる複数の熱伸び要因によってX線焦点移動が生じる場合に、直前に焦点位置検出のためにX線照射を行わなくとも、撮影の前にX線照射範囲を精度良く決定して変更することで、撮影タイミングを遅延することなく、焦点移動に起因するアーチファクトの発生や定量性の低下などの画質劣化を除去、抑制することができる。
100 X線源、101 ガントリー回転部、102 被検体、103 寝台天板、104 X線検出器、105 中央処理手段、106 表示手段、107 回転軸方向、スライス方向、108 回転方向、チャネル方向、110 移動方向、117 制御回路、118 信号収集手段、119 入力手段、120 差分値、121 焦点位置、122 関数、123 時間、124、125 時間、127、128 焦点位置検出結果の曲線、130、131 推定関数、132〜135 焦点検出結果、139〜142 時刻、143 焦点位置変化を表す曲線、144 点線、146〜148 検出した焦点位置、151、152 時間帯、153 焦点位置評価結果の曲線、155 温度決定手段、200 X線検出器移動手段、228 X線検出素子、300 焦点位置計測用検出器、301 X線管移動手段、302 X線コリメータ移動手段、303 X線コリメータ、304 焦点位置計測用スリット、305 支持棒、306 焦点位置検出手段、310 焦点検出用X線検出素子、311 コネクタ、312 影、324〜326 距離、327 断面位置、328 X線による熱伸びがない焦点位置333-1と、所定照射領域におけるX線検出器104のスライス中心334を結んだ直線、329 焦点333と交点337を通る直線、330 X線照射領域、331、332 移動方向、333 焦点、334 スライス中心、337 直線328とX線コリメータ303とが交点、400 X線ターゲット、402 X線ターゲット400の回転軸、403 回転軸、404 X線照射範囲 405 X線

Claims (10)

  1. 焦点からX線を照射するX線発生手段であって、前記X線発生手段が発生する熱によって、第1の変化成分を有して変化する第1箇所と、前記第1の変化成分と異なる第2の変化成分を有して変化する第2箇所と、を有するX線発生手段と、
    前記X線を検出して電気信号に変換するX線検出手段と、
    前記X線が照射された際の焦点位置を検出する焦点位置検出手段と、
    前記焦点の基準位置に対する前記焦点位置の変化量を、前記第1の変化成分を有して変化する第1変化量を算出するための第1項と、前記第2の変化成分を有して変化する第2変化量を算出するための第2項と、の総和からなる推定関数を用いて推定する焦点位置変化量推定手段と、
    前記焦点位置変化量推定手段が推定した前記焦点位置の変化量を打ち消すように、前記X線の照射領域と前記X線検出手段との相対位置を補正する補正手段と、を備え
    前記第1項は、第1振幅項と前記第1の変化成分とを用いた1つ以上の減衰項により定義され、前記第2項は、第2振幅項と前記第2の変化成分とを用いた1つ以上の減衰項により定義され、
    前記焦点位置変化量推定手段は、焦点位置の推定が行われる直前よりも更に前に相当するn回目のX線照射期間の末期に検出された焦点位置と、(n+1)回目のX線照射期間の初期に検出された焦点位置と、を用いて前記第2振幅項を決定し、決定した前記第2振幅項と直前のX線照射期間の末期に検出した焦点位置とを用いて前記第1振幅項を決定することを特徴とするX線撮像装置。
  2. 請求項のX線撮像装置は、
    前記X線発生手段と前記X線検出手段とを対向させた状態で被検体の周囲に少なくとも1回転以上回転移動させてX線を検出するX線CT装置であって、前記X線照射期間の初期及び末期は、前記回転移動における1回転中における前半に含まれる時点及び後半に含まれる時点である、又は連続して複数回転する回転移動中における前半に含まれる時点及び後半に含まれる時点である、
    ことを特徴とするX線撮像装置。
  3. 請求項のX線撮像装置において、
    前記焦点位置変化量推定手段は、前記推定関数の前記第1振幅項及び前記第2振幅項のいずれか一方を0とし、他方の前記第1振幅項又は前記第2振幅項を求める、
    ことを特徴とするX線撮像装置。
  4. 請求項3のX線撮像装置において、
    前記焦点位置変化量推定手段は、前記推定関数の前記第2項を0とし、前記焦点位置検出手段が、焦点位置の推定が行われる直前のX線照射期間において検出した焦点位置を前記推定関数に適用して、前記第1振幅項を求める、又は前記推定関数の前記第1項を0とし、前記焦点位置検出手段が、前記直前よりも更に前のX線照射期間において検出した焦点位置を前記推定関数に適用して前記第2振幅項を決定する、
    ことを特徴とするX線撮像装置。
  5. 請求項4のX線撮像装置において、
    前記焦点位置変化量推定手段は、前記第1変化量が0とみなせるだけのX線照射時間の間隔が空いた時点で、前記焦点位置検出手段が検出した焦点位置を用いて前記第2振幅項を決定する、
    ことを特徴とするX線撮像装置。
  6. 請求項1のX線撮像装置において、
    前記第2変化量が一定とみなされる限られた時間内において、
    前記第1項は、第1振幅項と前記第1の変化成分とを用いた減衰項により定義され、
    前記第2項は、第2振幅項を用いた定数として定義される、
    ことを特徴とするX線撮像装置。
  7. 請求項1のX線撮像装置において、
    前記第1の変化成分の移動方向と第2の変化成分の移動方向とが反対方向である場合に、
    前記焦点位置変化量推定手段は、前記第2の変化成分の移動方向に最も大きく移動した焦点位置を用いて前記第2振幅項を決定する、
    ことを特徴とするX線撮像装置。
  8. 請求項1のX線撮像装置において、
    前記補正手段は、前記焦点位置の変化量を打ち消すように、前記X線発生手段が備えるX線管を移動させる手段、前記X線の照射領域を制限するコリメータの位置を移動させる手段、又は前記X線検出手段を移動させる手段、のうちの少なくとも一つを備える、
    ことを特徴とするX線撮像装置。
  9. 請求項1のX線撮像装置において、
    前記X線発生手段の温度を決定する温度決定手段を更に備え、
    前記焦点位置変化量推定手段は、前記温度決定手段の検出結果から、前記第2の変化成分を決定する、
    ことを特徴とするX線撮像装置。
  10. 焦点からX線を照射するX線発生手段であって、前記X線発生手段が発生する熱のよって、第1の変化成分を有して変化する第1箇所と、前記第1の変化成分と異なる第2の変化成分を有して変化する第2箇所と、を有するX線発生手段と、前記X線を検出して電気信号に変換するX線検出手段と、を備えるX線撮像装置のX線焦点位置制御方法において、
    前記X線が照射された際の焦点位置を検出するステップと、
    前記焦点の基準位置に対する前記焦点位置の変化量を、前記第1の変化成分を有して変化する第1変化量を算出するための第1項と、前記第2の変化成分を有して変化する第2変化量を算出するための第2項と、の総和からなる推定関数を用いて推定するステップと、
    前記推定した前記焦点位置の変化量を打ち消すように、前記X線の照射領域と前記X線検出手段との相対位置を補正するステップと、を備え
    前記第1項は、第1振幅項と前記第1の変化成分とを用いた1つ以上の減衰項により定義され、前記第2項は、第2振幅項と前記第2の変化成分とを用いた1つ以上の減衰項により定義され、
    前記推定するステップでは、焦点位置の推定が行われる直前よりも更に前に相当するn回目のX線照射期間の末期に検出された焦点位置と、(n+1)回目のX線照射期間の初期に検出された焦点位置と、を用いて前記第2振幅項を決定し、決定した前記第2振幅項と直前のX線照射期間の末期に検出した焦点位置とを用いて前記第1振幅項を決定する
    ことを特徴とするX線撮像装置のX線焦点位置制御方法。
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