JP2001346793A - 被検体位置決め方法及びx線ct装置 - Google Patents

被検体位置決め方法及びx線ct装置

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JP2001346793A
JP2001346793A JP2000171073A JP2000171073A JP2001346793A JP 2001346793 A JP2001346793 A JP 2001346793A JP 2000171073 A JP2000171073 A JP 2000171073A JP 2000171073 A JP2000171073 A JP 2000171073A JP 2001346793 A JP2001346793 A JP 2001346793A
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Toshiyuki Iyama
俊之 猪山
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GE Yokogawa Medical System Ltd
Yokogawa Medical Systems Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被検体位置決め方法及びX線CT装置に関
し、スキャン開始前の被検体を正しく位置決め可能なこ
とを課題とする。 【解決手段】 被検体100を挟んで相対向するX線管
40及びX線検出器70を備え、X線検出器から収集し
た投影データに基づき被検体のCT断層像を再構成する
X線CT装置の被検体位置決め方法において、スキャン
開始前に入手可能なX線管温度及びスキャン条件(アキ
シャル/ステーショナリスキャン等のスキャンパラメー
タ)に基づき、スキャン開始した場合におけるX線焦点
位置zOFを予測すると共に、得られたX線焦点位置zOF
に基づき予測される被検体の実スライス位置SOF対応に
被検体100に対して位置決め用光ビームBLOFを照射
し、スキャン開始前における被検体100の正確な位置
決めを可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被検体位置決め方法
及びX線CT装置に関し、更に詳しくは被検体を挟んで
相対向するX線管及びX線検出器を備え、X線検出器か
ら収集した投影データに基づき被検体のCT断層像を再
構成するX線CT装置の被検体位置決め方法及びX線C
T装置に関する。
【0002】X線CT装置では、被検体の正確な各スラ
イス位置の断層像を得るために、スキャン開始前の被検
体を正確に位置決めすることが行われる。
【0003】
【従来の技術】図12〜図14は従来技術を説明する図
(1)〜(3)で、図12は従来のX線CT装置におけ
る走査ガントリの一部構成を示している。図において、
30は走査ガントリ、40は回転陽極型のX線管、Fは
X線焦点、50はX線の曝射範囲(主に体軸方向)を制
限するコリメータ、100は被検体、70は多数(n=
1000程度)のX線検出器が円弧状の例えば2列(L
1,L2)に配列されているX線検出器アレイ、25a
〜25eは被検体100のスライス位置等を位置決め/
確認するためのハロゲンランプやレーザ等からなるポジ
ショニングライト、20は被検体100を載せて体軸方
向に移動させる撮影テーブルである。なお、図中に走査
ガントリ30に固定された直交座標系(x,y,z)を
付記する。ここで、z軸は被検体100の体軸方向、y
軸は垂直方向、x軸は水平方向である。
【0004】ポジショニングライト25a〜25eは被
検体100の正しい(所望の)位置から実スキャン(ア
キシャル/ヘリカル/ステーショナリ/スカウトスキャ
ン等)を開始させるために用いられる。この内のポジシ
ョニングライト25a〜25cは、走査ガントリ30の
入口側(操作者の見やすい位置)に設けられ、被検体1
00に帯状の位置決め用光線PLBを照射すると共に、
被検体100の周囲面に投影される輝線BLを目視観測
することにより体(z)軸方向のスライス位置(スキャ
ン開始位置)を調整/確認する。一方、ポジショニング
ライト25d,25eはX線管40の焦点Fと同心円上に
設けられており、高精度の位置決め操作が必要な場合に
使用される。
【0005】ところで、実スキャン時におけるX線管4
0の焦点Fは、X線管40の動作温度及び様々なスキャ
ン条件{走査ガントリのチルト角,その回転速度(スキ
ャン時間),焦点Fの大/小等}によりz軸方向での位
置変位となって現われる。この場合に、図示の如く2列
(又は3列以上)のX線検出器アレイ70を備える装置
では、X線ファンビームXLFBを検出列L1,L2の
厚み(z軸)方向に均等に振り分けると共に、各列(レ
ファレンス検出チャネル)の検出出力を比較し、これら
が一致するようにコリメータ50及び又はX線検出器ア
レイ70のz軸方向の位置制御を行うことで、実スキャ
ン時におけるX線焦点Fの変位をリアルタイムにカバー
(即ち、X線ファンビームXLFBがX線検出器アレイ
70における厚み方向の定位置に調整されるように)し
ている。以下、具体的に説明する。
【0006】図13はX線焦点Fの変位をコリメータ5
0の位置制御でカバーする場合を示している。今、X線
焦点Fがその基準となる位置z0から−zOF1又は+z
OF2に変位したとすると、これに応じてコリメータ50
のスリット位置をその基準となる位置Z0から−ZOF1
は+ZOF2に移動させることにより、常にX線ファンビ
ームのz軸方向の中心をX線検出器列L1,L2の中心
線上に位置させている。その結果、被検体100の実ス
ライス位置はその基準となる位置S0から−SOF1又は+
OF2(但し、X線検出器列L1,L2の中心線対応で
示す)に変位する。
【0007】図14はX線焦点Fの変位をX線検出器ア
レイ70の位置制御でカバーする場合を示しており、上
記同様にして、X線焦点Fがその基準となる位置z0
ら−zOF1又は+zOF2に変位したとすると、これに応じ
てX線検出器アレイ70をその基準となる位置Z0から
+ZOF1又は−ZOF2に移動させることで、常にX線ファ
ンビームのz軸方向の中心をX線検出器列L1,L2の
中心線上に位置させている。その結果、被検体100の
実スライス位置はその基準となる位置S0から+SOF1
は−SOF2(但し、X線検出器列L1,L2の中心線対
応で示す)に変位する。
【0008】しかるに、このようなコリメータ50又は
X線検出器アレイ70の位置制御は、実スキャンを開始
(X線を曝射)して初めて可能となるものであり、実ス
キャン開始前における被検体100の位置決め段階で
は、X線焦点Fの変位量(即ち、被検体100の実スラ
イス位置)を知り得ない。
【0009】このため、従来のポジショニングライト2
5d,25eは、図13,図14に示す如く、例えばそ
の基準となる位置(X線焦点Fの基準位置z0対応)及
び姿勢(位置決め用光線PLBの照射方向がy軸と平
行)となるように固定されていた。走査ガントリ入り口
側のポジショニングライト25a〜25cについても同
様であり、ポジショニングライト25d,25eからz
軸方向に距離Zaだけオフセットした定位置に一定の姿
勢となるように固定されていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の被
検体位置決め方式によると、ポジショニングライト25
d,25e/25a〜25cにより位置決めした予定ス
ライス位置と続く実スキャン時における実スライス位置
との間で位置ずれが生じてしまう問題があった。
【0011】本発明は上記従来技術の問題点に鑑みなさ
れたもので、その目的とする所は、スキャン開始前の被
検体を正しく位置決め可能な被検体位置決め方法及びX
線CT装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題は例えば図1
(A)の構成により解決される。即ち、本発明(1)の
被検体位置決め方法は、被検体100を挟んで相対向す
るX線管40及びX線検出器70を備え、X線検出器か
ら収集した投影データに基づき被検体のCT断層像を再
構成するX線CT装置の被検体位置決め方法において、
スキャン開始前に入手可能なX線管温度及びスキャン条
件(アキシャル/ステーショナリスキャン等のスキャン
パラメータ)に基づき、スキャン開始した場合における
X線焦点位置zOFを予測すると共に、得られたX線焦点
位置zOFに基づき予測される被検体の実スライス位置S
OF対応に被検体100に対して位置決め用光ビームBL
OFを照射し、スキャン開始前における被検体100の位
置決めを行うものである。
【0013】本発明(1)によれば、スキャン開始前の
被検体100を、スキャン開始前に入手可能なX線管温
度及びスキャン条件に応じて、その予定スライス位置と
実スライス位置とが一致するように正しく位置決め可能
となる。なお、図示のX線焦点Fとポジショニングライ
ト25との間の公称のオフセット量ZaはZa≧0(即
ち、X線管40とポジショニングライト25とが同心円
上に設けられる場合を含む)である。
【0014】また上記の課題は例えば図1(B)の構成
により解決される。即ち、本発明(2)の被検体位置決
め方法は、上記前提となる被検体位置決め方法におい
て、スキャン開始前に入手可能なX線管温度及びスキャ
ン条件に基づき、スキャン開始した場合におけるX線焦
点位置zOFを予測すると共に、予め所定位置BL0に位
置決めされた被検体100を、前記予測されたX線焦点
位置zOFに基づき予測される被検体の実スライス位置S
OF対応に初期移送(Za−SOF)することで、被検体1
00の位置決めを行うものである。
【0015】本発明(2)によれば、予測される被検体
の実スライス位置の変位SOFを、被検体の初期移送量の
制御(Za−SOF)でカバーする構成により、スキャン
開始前の被検体100の位置決め操作については、その
位置/姿勢を変更可能な別段のポジショニングライト2
5を必要とせず、従来と同様に固定された一定の位置B
0で行える。
【0016】また上記の課題は例えば図1(C)の構成
により解決される。即ち、本発明(3)の被検体位置決
め方法は、上記前提となる被検体位置決め方法におい
て、スキャン開始前に入手可能なX線管温度及びスキャ
ン条件に基づき、スキャン開始した場合におけるX線焦
点位置zOFを予測すると共に、得られたX線焦点位置z
OFに基づき予測される被検体の実スライス位置SOF対応
に被検体100に対して位置決め用光ビームBLOFを照
射し、予め被検体を対応位置に位置決めし、スキャン開
始時の被検体を一定距離Zaだけ初期移送するものであ
る。
【0017】本発明(3)によれば、スキャン開始前の
被検体100を、スキャン開始前に入手可能なX線管温
度及びスキャン条件に応じて、その予定スライス位置と
実スライス位置SOFとが一致するように、該実スライス
位置から一定距離Zaだけオフセットした位置で正しく
位置決め可能となる。
【0018】好ましくは本発明(4)においては、上記
本発明(1)〜(3)において、スキャン開始前に入手
可能なX線管温度はスキャン開始前に検出、推定又は設
定された温度である。
【0019】例えばスキャン開始直前に検出されたX線
管温度、又はX線管温度の推移に関する既知の特性曲線
(演算式)により推定されるスキャン開始直前、又はス
キャン開始後の任意時間経過時(スキャン終了時を含
む)における推定温度、又は操作者により任意設定入力
された温度である。従って、被検体100を、スキャン
開始当初又はスキャン開始後の任意時間経過時における
各実スライス位置対応に夫々正確に位置決め出来る。
【0020】本発明(5)のX線CT装置は、被検体を
挟んで相対向するX線管及びX線検出器を備え、X線検
出器から収集した投影データに基づき被検体のCT断層
像を再構成するX線CT装置において、スキャン開始前
に入手可能なX線管温度及びスキャン条件に基づきスキ
ャン開始した場合におけるX線焦点位置を予測する焦点
位置予測手段と、X線管から発生したX線がX線検出器
における定位置に調整されるようにコリメータ及び又は
X線検出器の位置を調整する位置調整手段と、スキャン
開始前の被検体に対して前記予測されたX線焦点位置に
基づき予測される被検体の実スライス位置対応に位置決
め用光ビームを照射する被検体位置決め手段とを備える
ものである。
【0021】また本発明(6)のX線CT装置は、上記
前提となるX線CT装置において、スキャン開始前に入
手可能なX線管温度及びスキャン条件に基づきスキャン
開始した場合におけるX線焦点位置を予測する焦点位置
予測手段と、X線管から発生したX線がX線検出器にお
ける定位置に調整されるようにコリメータ及び又はX線
検出器の位置を調整する位置調整手段と、スキャン開始
前の被検体を所定位置に位置決めする位置決め手段と、
スキャン開始時の被検体を前記予測されたX線焦点位置
に基づき予測される被検体の実スライス位置対応に初期
移送する移送手段とを備えるものである。
【0022】また本発明(7)のX線CT装置は、上記
前提となるX線CT装置において、スキャン開始前に入
手可能なX線管温度及びスキャン条件に基づきスキャン
開始した場合におけるX線焦点位置を予測する焦点位置
予測手段と、X線管から発生したX線がX線検出器にお
ける定位置に調整されるようにコリメータ及び又はX線
検出器の位置を調整する位置調整手段と、スキャン開始
前の被検体を前記予測されたX線焦点位置に基づき予測
される被検体の実スライス位置対応に位置決めする位置
決め手段と、スキャン開始時の被検体を一定距離だけ初
期移送する移送手段とを備えるものである。
【0023】好ましくは本発明(8)においては、上記
本発明(5)〜(7)において、スキャン開始前に入手
可能なX線管温度はスキャン開始前に検出、推定又は設
定された温度である。
【0024】また本発明(9)のX線CT装置は、上記
前提となるX線CT装置において、スキャン開始前の被
検体を所定位置に位置決めする位置決め手段と、X線管
から発生したX線がX線検出器における定位置に調整さ
れるようにコリメータ及び又はX線検出器の位置を調整
する位置調整手段と、前記コリメータ及び又はX線検出
器の位置調整により予測される被検体の各実スライス位
置を求める演算手段と、前記位置決め手段の位置決め情
報及びそのスキャン条件に基づき予測される被検体の各
予定スライス位置と前記求められた各実スライス位置と
を比較可能な態様で外部に出力する出力手段とを備える
ものである。
【0025】本発明(9)によれば、位置決め手段の位
置決め情報及びそのスキャン条件に基づき定まる一定の
各予定スライス位置と実スキャンにおいて変動し得る各
実スライス位置とを比較可能な態様で外部(CRT表示
部等)に出力する構成により、各実スライス位置が各予
定スライス位置からどれだけずれたかを定量的に把握で
き、よってX線CT診断の信頼性向上につながる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に従って本発明に
好適なる複数の実施の形態を詳細に説明する。なお、全
図を通して同一符号は同一又は相当部分を示すものとす
る。
【0027】図2は実施の形態によるX線CT装置の要
部構成図で、図において、10はユーザが操作する操作
コンソール部、20は被検体100を載せて体軸方向に
移動させる撮影テーブル、30はX線ファンビームXL
FBにより被検体100のアキシャル/ヘリカル等によ
るスキャン・読取を行う走査ガントリである。なお、走
査ガントリ30に固定された直交座標系を(x,y,
z)で示す。
【0028】走査ガントリ30において、40は回転陽
極型のX線管、40aはその回転陽極、FはX線焦点、
40bはX線管40の動作温度を検出するための温度セ
ンサ、41はX線管40の管電圧kV,管電流mA,曝
射時間Sec等を制御するX線制御部、42は温度セン
サ40bの検出温度をA/D変換するA/D変換器、5
0はX線の曝射範囲(主に体軸方向)を制限するコリメ
ータ、51はコリメータ50のz軸方向の平行移動p及
びその開口幅(被検体のスライス厚に対応)wの制御を
行うコリメータ制御部、25d,25eは実施の形態に
よるポジショニングライトであって、z軸方向の位置及
び又は姿勢(位置決め用光線PLBの照射方向)を変更
可能なもの、26はX線焦点Fの推定変位量に応じてポ
ジショニングライト25d,25eの位置及び又は姿勢
を制御するポジショニングライト(PL)制御部、70
は多数(n=1000程度)のX線検出器が円弧状の例
えば2列(L1,L2)に配列されているX線検出器ア
レイ、80はX線検出器アレイ70の検出データ(投影
データ)を収集するデータ収集部(DAS)、60は走
査ガントリ30を体軸(センタラインCL)の回りに回
転させる回転制御部、61はX線撮像系の傾き(チル
ト)角を制御するチルト制御部、62はX線焦点Fの変
位に応じてX線検出器アレイ70をz軸方向に位置制御
するための検出器制御部である。
【0029】なお、図示しないが、ポジショニングライ
ト25d,25eより走査ガントリ30の入口側に距離
Zaだけオフセットした位置にポジショニングライト2
5a〜25cが設けられる。また、検出器制御部62は
X線焦点Fの変位をX線検出器アレイ70の移動によれ
カバーする場合に設けられる。
【0030】操作コンソール部10において、11はX
線CT装置の主制御・処理(スキャン制御,CT断層像
再構成処理,本発明に係る被検体位置決め制御等)を行
う中央処理装置、11aはそのCPU、11bはCPU
11aが使用するRAM,ROM等からなる主メモリ
(MM)、12はキーボードやマウス等を含む入力装
置、13はCRT等による表示装置(CRT)、14は
CPU11aと走査ガントリ30及び撮影テーブル20
との間で各種制御信号CSやモニタ信号MSのやり取り
を行う制御インタフェース、15はデータ収集部80か
らの投影データg(X,θ)を蓄積するデータ収集バッ
ファ、16はX線CT装置の運用に必要な各種データや
アプリケーションプログラム等を記憶している二次記憶
装置(ハードディスク装置等)である。
【0031】次にアキシャル/ヘリカルスキャンの動作
を概説する。X線管40からのファンビームXLFBは
被検体100を介してX線検出器アレイ70の各検出列
L1,L2に一斉に入射する。データ収集部80はX線
検出器アレイ70の各列L1,L2の検出データを走査
・収集してデータ収集バッファ15に格納する。更に、
走査ガントリ30が僅かに回転した各ビューで上記同様
の投影を行い、こうして走査ガントリ1回転分の投影デ
ータを収集・蓄積すると共に、アキシャル/ヘリカルス
キャン方式に従って撮影テーブル20を被検体100の
体軸方向に間欠的/連続的に移動させ、こうして被検体
100の所要撮像領域についての全投影データを収集・
蓄積する。そして、CPU11aは得られた全投影デー
タに基づき被検体100のCT断層像を再構成し、表示
装置13に表示する。
【0032】なお、ステーショナリ/スカウトスキャン
とは、走査ガントリ30を一定の回転(アジマス)角度
に固定したままで撮影テーブル20を移動させ、被検体
100の2次元透視(レントゲン)画像を得るスキャン
である。本実施の形態ではこれらの各スキャンを総称し
て実スキャンと呼んでいる。
【0033】これらの実スキャンにおいても、従来と同
様にしてX線管40の焦点Fが移動し、これをカバーす
るためにコリメータ50又はX線検出器アレイ70の位
置制御を行うが、このためにポジショニングライト25
d,25e/25a〜25cによる被検体100の位置
決めと、続く実スキャンとの間でスライス位置の位置ず
れが生じ得る。
【0034】そこで、本実施の形態では、実スキャン開
始前に入手可能なX線管40についての温度及びそのス
キャン条件に基づき、続く実スキャンを開始した場合に
おけるX線焦点Fの変位量を推定すると共に、得られた
推定変位量に基づきポジショニングライト25d,25
e/25a〜25cの位置/姿勢制御等を行うことで、
スキャン開始前の被検体100を正しく位置決め可能と
している。以下、詳細に説明する。
【0035】図3は実施の形態によるポジショニングラ
イトの位置/姿勢制御処理のフローチャートで、被検体
100の実スキャン開始前にこの処理に入力する。ステ
ップS11では続く実スキャンに関して設定されたスキ
ャンパラメータ{走査ガントリのチルト角U,その回転
速度(スキャン時間)V,焦点Fの大/小W、X線管4
0のアジマス角X等}を入力する。ステップS12では
X線管40の動作温度Tを検出(又は推定)する。ステ
ップS13では上記入力されたスキャンパラメータ及び
上記検出(又は推定)されたX線管40の動作温度Tに
基づき、続く被検体100の実スキャン時における被検
体の実スライス位置の変位量を推定する。ステップS1
4では上記求めたスライス位置の変位量に基づきポジシ
ョニングライト25d,25e(25a〜25cについ
ても同様)のz軸方向の位置及び又は姿勢(位置決め用
光線PLBの照射方向)を制御する。
【0036】上記ステップS13における被検体スライ
ス位置変位量の推定には様々な方法が考えられる。とこ
ろで、本件出願人は、スキャン開始前のX線管40の動
作温度T及びそのスキャンパラメータに基づき、続く被
検体100の実スキャン時におけるコリメータ50又は
X線検出器アレイ70をそのスキャン開始当初より最適
のカバー位置に制御する方法を既に提案している。本実
施の形態では、この方法をポジショニングライト25の
位置/姿勢制御の一部に利用することとする。以下、本
実施の形態への適用例を具体的に説明する。
【0037】図10は実施の形態におけるX線焦点移動
位置の予測処理を説明する図で、図10(A)は実スキ
ャンに伴うX線管(陽極)温度Tの変化(推移)を示し
ている。図において、横軸は時刻t、縦軸はX線管40
の温度Tである。時刻t0で前回のスキャンが終了し、
その後はX線管温度Tが所定の冷却カーブで徐々に低下
している。次に時刻t1で次のスキャンを開始したとす
ると、X線管40はその際の投入電力P1により加熱さ
れ、開始時刻t1における温度T1から終了時刻t2にお
ける温度T2にまで上昇する。なお、上記に代えて、時
刻t3で次のスキャンを開始した場合も同様である。こ
のように、X線管40の温度Tは、その使用時のみなら
ず、その不使用時にも時々刻々と変化しており、実スキ
ャン開始時の温度Tに応じてX線焦点Fの変位量も異な
る。
【0038】なお、本実施の形態では、温度センサ40
bによりX線管40の現在の温度Tをリアルタイムに検
出可能である。又は、図10(A)の特性曲線(加熱/
冷却曲線)に従う演算により、X線管40の現在又は将
来の温度Tを推定可能である。
【0039】図4にX線焦点Fの変位をコリメータ50
の位置制御でカバーする場合のイメージを示す。図にお
いて、X線焦点Fの基準位置z0からの移動距離をzと
するときに、コリメータ50の基準位置Z0からの移動
距離Zは(1)式で表せる。
【0040】
【数1】
【0041】ここで、G1:比例定数(<1)である。
【0042】また図5にX線焦点Fの変位をX線検出器
アレイ70の位置制御でカバーする場合のイメージを示
す。図において、X線焦点Fの基準位置z0からの移動
距離をzとするときに、X線検出器アレイ70の基準位
置Z0からの移動距離Zは(2)式で表せる。
【0043】
【数2】
【0044】ここで、G2:比例定数(>1)である。
【0045】一方、アキシャル/ヘリカルスキャン時に
おけるX線焦点Fの基準位置z0からの移動距離zとそ
の変動要因との間には(3)式の関係がある。
【0046】
【数3】
【0047】ここで、 k,a,b,c,d:定数 T:X線管の温度(但し、使用温度範囲の百分率) T1:温度範囲の上限(例えば90%) T2:温度範囲の下限(例えば10%) U:チルト角度 U1:チルト角度の+方向の上限(例えば30°) U2:チルト角度の−方向の上限(例えば30°) V:スキャン時間 V1:最長スキャン時間(例えば3秒) V2:最短スキャン時間(例えば0.8秒) W:焦点の大小(大=1,小=0) である。
【0048】図10(B)〜(E)は上記(3)式の焦
点移動距離zに対する各変動要因の寄与分を示してい
る。図10(B)は温度Tの寄与分、図10(C)はチ
ルト角Uの寄与分、図10(D)はスキャン時間Vの寄
与分、そして、図10(E)は焦点サイズWの寄与分を
夫々グラフ化したものである。但し、各グラフは上記
(3)式における各{ }内の値をグラフ化したもの
で、これに各寄与分に応じた定数a,b,c,dが掛け
られる。また図10(B)〜(E)の各特性は全て右上
がりで示されているが、走査ガントリ30の構造によっ
ては、ある特性が右下がり態様で寄与する場合もあり得
る。
【0049】また、ステーショナリ/スカウトスキャン
時におけるX線焦点Fの基準位置z 0からの移動距離z
とその変動要因との間には(4)式の関係がある。
【0050】
【数4】
【0051】ここで、 k’,a’,b’,c’,d’:定数 T:X線管の温度(但し、使用温度範囲の百分率) T1:温度範囲の上限(例えば90%) T2:温度範囲の下限(例えば10%) U:チルト角度 U1:チルト角度の+方向の上限(例えば30°) U2:チルト角度の−方向の上限(例えば30°) X:アジマス W:焦点の大小(大=1,小=0) である。なお、そのグラフ図を示さないが、(4)式か
ら容易に推定できる。
【0052】更に、上記(1)式において、コリメータ
50の公称の基準位置Z0からの位置ずれ分をZeとする
と、コリメータ50の移動距離Z’は一般に(5)式で
表せる。
【0053】
【数5】
【0054】また、上記(2)式に対しても同様の移動
距離Z’が考えられる。
【0055】更に、既提案の発明ではコリメータ50に
対する移動距離Z’をその各種変動要因に基づき一挙に
求める関係式が導かれている。即ち、アキシャル/ヘリ
カルスキャンに対しては(6)式の関係がある。
【0056】
【数6】
【0057】ここで、A,B,C,D,K:定数であ
る。
【0058】またステーショナリ/スカウトスキャンに
関しては(7)式の関係がある。
【0059】
【数7】
【0060】ここで、A,B,C,D,K:定数であ
る。
【0061】上記(6),(7)式の各定数A,B,
C,D,Kは、本装置(各定数A,B,C,D,K)を
キャリブレーションするためのスキャンを行うことにう
より求められる。このスキャンは被検体100を搭載せ
ずに行う。またこのキャリブレーションは、スキャン条
件を一つづつ変化させた各スキャンにより行われる。以
下、これを具体的に説明する。
【0062】図11は実施の形態における装置キャリブ
レーション時の条件を示す図で、図11(A)はアキシ
ャルスキャンによる場合を示している。まず条件1でア
キシャルスキャンを行い、その際の自動調整作用により
得られたコリメータ50の移動距離Z1を取得する。次
に条件2でアキシャルスキャンを行い、同様にして得ら
れたコリメータ50の移動距離Z2を取得する。この条
件1,2間ではチルト角Uのみが変化している。次に条
件3でアキシャルスキャンを行い、その際に得られたコ
リメータ50の移動距離Z3を取得する。この条件2,
3間では焦点Fの大きさWのみが変化している。更に、
スキャン時間V、X線管40の温度Tのみを夫々変化さ
せた状態で、第4,第5のアキシャルスキャンを行い、
その際に得られたコリメータ50の移動距離Z4,Z5
を夫々取得する。こうして条件1〜5の全スキャンを完
了すると、上記(6)式の各定数A,B,C,D,Kは
(8)式により求まる。
【0063】
【数8】
【0064】また、上記キャリブレーションスキャンに
おけるコリメータ50の各移動距離Z1〜Z5が得られ
ると、本装置の幾何学的構造(寸法)情報に基づき、同
じ条件1〜5下でスキャンした場合におけるX線焦点F
の移動距離z1〜z5を逆算できる。更に、これらを上
記(3)式に適用することで、定数k,a,b,c,d
のキャリブレーションが行える。
【0065】更に、図11(B)はステーショナリスキ
ャンによる場合を示している。上記と同様にして条件1
〜5下における全スキャンを完了すると、上記(7)式
の各定数A,B,C,D,Kは(9)式により求まる。
【0066】
【数9】
【0067】また、このキャリブレーションスキャンに
おけるコリメータ50の各移動距離Z1〜Z5が得られ
ると、本装置の幾何学的構造(寸法)情報に基づき、同
じ条件1〜5下でスキャンした場合におけるX線焦点F
の移動距離z1〜z5を逆算できる。更に、これらを上
記(4)式に適用することで、定数k’,a’,b’,
c’,d’のキャリブレーションが行える。
【0068】なお、上記コリメータ50の位置制御に代
えて、図5に示す如くのX線検出器アレイ70を位置制
御する場合の装置キャリブレーションについても同様に
行える。
【0069】かくして、スキャン前のX線管動作温度T
及びそのスキャンパラメータU,V,W,X等に基づ
き、引き続き実スキャンを行った場合におけるX線焦点
Fの移動距離z(図の±zOFに相当)、及びX線焦点F
の変位をカバーするためのコリメータ50又はX線検出
器アレイ70の移動距離Z’(図の±ZOFに相当)を推
定できる。
【0070】そこで、本実施の形態では、上記得られた
各推定値z,Z’に基づき、平面幾何学的手法(三角関
数/比例計算等)により、引き続き実スキャンを行った
場合における被検体100の実スライス位置を推定し、
その推定値に基づきポジショニングライト25d,25
e/25a〜25cの位置/姿勢制御を行う。以下、具
体的に説明する。
【0071】図4,図5は実施の形態によるポジショニ
ングライト姿勢制御のイメージ図(1),(2)で、図
4はX線焦点Fの変位zをコリメータ50の位置制御で
カバーする場合への適用例を示している。図において、
この例のポジショニングライト25d,25eは、夫々
の位置決め用光線PLBの照射方向が、推定されたX線
焦点Fの基準位置z0からのオフセット量−zOF1又はz
OF2等に応じて、図示の如く、夫々の場合におけるX線
ファンビームの厚み方向の中心線と位置決め用光線PL
Bとが一致するように、その姿勢(位置決め用光線PL
Bの照射方向)を変更可能に構成されている。
【0072】挿入図(a)に本装置をx軸方向から見た
場合の幾何学的寸法を示す。図において、このポジショ
ニングライト25d,25eにつき、それらの回転中心
O点の回りの回転(チルト)角θOF、又はこの回転と同
じ効果を与える中心位置T0からの回転オフセット量T
OFは夫々(10−1)、(10−2)式により求まる。
【0073】
【数10】
【0074】ここで、 A:X線焦点FのX線検出器アレイ(O点)からの高さ B:ポジショニングライトのX線検出器アレイ(O点)
からの高さ である。
【0075】なお、上記ポジショニングライト25d,
25eにつき、その位置決め用光線PLBの照射方向を
図示のような態様で変更できるものであれば、ポジショ
ニングライト25d,25eそのものの構造及びその姿
勢制御方法等は問わない。また、上記はポジショニング
ライト25d,25eへの適用例を述べたが、ポジショ
ニングライト25a〜25dcについても同様に適用で
きる。
【0076】なお、これらの場合に、上記X線管40の
温度については、上記図10(A)に示した如く、続く
実スキャン開始直前の温度のみならず、実スキャン途中
の任意温度を想定しても良いし、又は実スキャン終了時
の温度を想定しても良い。これらの温度設定値に応じ
て、被検体100の精密なスライス位置を、そのスキャ
ン開始当初のみならず、スキャン途中又はスキャン終了
時に合わせて夫々に正しく位置決め可能である。
【0077】図5はX線焦点Fの変位zをX線検出器ア
レイ70の位置制御でカバーする場合への適用例を示し
ている。図において、この例のポジショニングライト2
5d,25eは、夫々の位置決め用光線PLBの照射方
向が、推定されたX線焦点Fの基準位置z0からのオフ
セット量−zOF1又はzOF2等に応じて、図示の如く、夫
々の場合におけるX線ファンビームの厚み方向の中心線
と位置決め用光線PLBとが一致するように、その姿勢
(位置決め用光線PLBの照射方向)を変更可能に構成
されている。
【0078】挿入図(a)に本装置をx軸方向から見た
場合の幾何学的寸法を示す。図において、このポジショ
ニングライト25d,25eにつき、それらの回転中心
O点の回りの回転(チルト)角θOFは夫々(11)式に
より求まる。
【0079】
【数11】
【0080】ここで、C:X線焦点Fのポジショニング
ライトからの高さである。
【0081】なお、上記ポジショニングライト25d,
25eにつき、その位置決め用光線PLBの照射方向を
図示のような態様で変更できるものであれば、ポジショ
ニングライト25d,25eそのものの構造及びその姿
勢制御方法等は問わない。また、上記はポジショニング
ライト25d,25eへの適用例を述べたが、ポジショ
ニングライト25a〜25dcについても同様に適用で
きる。また、上記X線管40の温度については、続く実
スキャン開始直前の温度のみならず、実スキャン途中の
任意温度を想定しても良いし、又は実スキャン終了時の
温度を想定しても良い。この点は、以下の各実施の形態
でも同様である。
【0082】図6,図7は実施の形態によるポジショニ
ングライト位置制御のイメージ図(1),(2)で、図
6はX線焦点Fの変位zをコリメータ50の位置制御で
カバーする場合への適用例を示している。図において、
この例のポジショニングライト25d,25eは、推定
されたX線焦点Fの基準位置z0からのオフセット量−
OF1又はzOF2等に応じて、図示の如く、夫々の場合に
おける被検体100のスライス位置と位置決め用光線P
LBとが被検体100の体軸CL上で略重なるように、
そのz軸方向の位置を変更可能に構成されている。
【0083】挿入図(a)に本装置をx軸方向から見た
場合の幾何学的寸法を示す。図において、このポジショ
ニングライト25d,25eにつき、上記照射条件を満
足するようなz軸方向の平行移動距離MOFは(12)式
により求まる。
【0084】
【数12】
【0085】ここで、D:体軸CLのX線検出器アレイ
からの高さである。
【0086】本実施の形態によれば、これらのポジショ
ニングライト25d,25eについては、その向きを変
えずに、単にz軸方向に平行移動すればよく、よってそ
の構造及び移動制御が簡単である。なお、上記はポジシ
ョニングライト25d,25eへの適用例を述べたが、
ポジショニングライト25a〜25dcについても同様
に適用できる。
【0087】図7はX線焦点Fの変位zをX線検出器ア
レイ70の位置制御でカバーする場合への適用例を示し
ている。図において、この例のポジショニングライト2
5d,25eは、推定されたX線焦点Fの基準位置z0
からのオフセット量−zOF1又はzOF2等に応じて、図示
の如く、夫々の場合における被検体100のスライス位
置と位置決め用光線PLBとが被検体100の体軸CL
上で略重なるように、そのz軸方向の位置を変更可能に
構成されている。
【0088】挿入図(a)に本装置をx軸方向から見た
場合の幾何学的寸法を示す。図において、このポジショ
ニングライト25d,25eにつき、上記照射条件を満
足するようなz軸方向の平行移動距離MOFは(13)式
により求まる。
【0089】
【数13】
【0090】ここで、E:ポジショニングライトの体軸
CLからの高さである。
【0091】本実施の形態によれば、これらのポジショ
ニングライト25d,25eについては、その向きを変
えずに、単にz軸方向に平行移動すればよく、よってそ
の構造及び移動制御が簡単である。なお、上記はポジシ
ョニングライト25d,25eへの適用例を述べたが、
ポジショニングライト25a〜25dcについても同様
に適用できる。
【0092】図8,図9は実施の形態による被検体スラ
イス位置制御のイメージ図(1),(2)で、図8はX
線焦点Fの変位zをコリメータ50の位置制御でカバー
する場合への適用例を示している。図において、この例
のポジショニングライト25a〜25eはその位置及び
姿勢(位置決め用光線PLBの照射方向)が、上記図1
3の従来技術で述べたものと同様に、固定されている。
【0093】その代わりに、本実施の形態では、前段の
ポジショニングライト25a〜25cを使用して通常に
位置決めされた被検体100の予定スライス位置(輝線
BL 0の位置)が、続くスキャン開始によりX線照射領
域に初期移送される際に、予め演算により推定されたX
線焦点Fの基準位置z0からのオフセット量−zOF1又は
OF2等に応じて、図示の如く、夫々の場合における被
検体100の予定スライス位置が実際のスライス位置−
OF1又はSOF2等の位置にまで丁度搬送されるように、
撮影テーブル20の初期移送量を(Za−MOF1)又は
(Za+MOF2)等の如く変更するものである。
【0094】従って、本実施の形態によれば、既存のポ
ジショニングライト25a〜25eに別段の構造変更や
制御を加えなくても、上記簡単な撮影テーブル20の移
送制御により、実質的にスキャン開始前の被検体100
を正しく位置決め可能である。なお、図示しないが、こ
の位置決め方法はX線焦点Fの変位zをX線検出器アレ
イ70の位置制御でカバーする場合にも適用できる。
【0095】図9は前段のポジショニングライト25a
〜25cとして、例えば上記図4〜図7で述べた如く、
その位置/姿勢を変更可能なポジショニングライト25
a〜25cを使用する場合への適用例を示している。こ
こでは、前段のポジショニングライト25a〜25cに
より、予め被検体100を、演算により推定されたX線
焦点Fの基準位置z0からのオフセット量−zOF1又はz
OF2等に応じて、図示の如く、その予定スライス位置が
実際のスライス位置−SOF1又はSOF2等と一致するよう
に撮影テーブル20を位置決めし、続くスキャン開始に
よりX線照射領域に一定距離Zaだけ初期移送するもの
である。なお、図示しないが、この位置決め方法はX線
焦点Fの変位zをX線検出器アレイ70の位置制御でカ
バーする場合にも適用できる。
【0096】また、本発明に係る更に他の実施の形態を
上記図8を参照して説明する。即ち、この実施の形態
は、スキャン開始前の被検体100を所定位置BL
(固定)に位置決めする位置決め手段と、X線管40
から発生したX線がX線検出器アレイ70における定位
置に調整されるようにコリメータ50及び又はX線検出
器アレイ70の位置を調整する位置調整手段と、前記コ
リメータ50及び又はX線検出器アレイ70の位置調整
により予測されるところの被検体100の各実スライス
位置SOFを求める(推定する)演算手段と、前記位置
決め手段による位置決め情報BL0(通常は被検体10
0の最初の実スライス位置を想定)及びそのスキャン条
件(BLからのスライスピッチ及びスライス枚数等)
に基づき予め予測(特定)される被検体100の各予定
スライス位置と、前記演算手段により求められ(推定さ
れ)た各実スライス位置とを比較可能な態様で外部(C
RT表示部13等)に出力する出力手段とを備えるもの
である。
【0097】本実施の形態によれば、位置決め手段によ
り定まる一定の各予定スライス位置と実スキャンにおい
て変動し得る各実スライス位置とを比較可能な態様でC
RT表示部13に出力する構成により、例えばスキャン
開始前においては、もしこのままスキャン開始した場合
は予定スライス位置と実スライス位置とがどの程度ずれ
るかをスキャン開始前に把握できる。また実スキャン後
においては、各実スライス位置が各予定スライス位置か
らどれだけずれたかを定量的に把握でき、これに基づい
て被検体100の各断層像の正確な位置を特定できる。
特に、後者の場合は、実スキャンにより時々刻々と変化
するX線管温度Tが、各実スライス位置SOFを求める
演算手段に対してリアルタイムに提供される為、求めら
れた各実スライス位置はより実際に即した正確なものと
なる。
【0098】なお、上記各実施の形態はX線検出器が2
列以上の場合への適用例を述べたが、1列のX線CT装
置についても、予め行った試験データ(特性曲線等)に
基づきX線焦点Fの移動量を予測可能であるから、本発
明は1列以上のX線CT装置に適用できる。
【0099】また、上記本発明に好適なる複数の実施の
形態を述べたが、本発明思想を逸脱しない範囲内で各部
の構成、制御、処理及びこれらの組合せの様々な変更が
行えることは言うまでも無い。
【0100】
【発明の効果】以上述べた如く本発明によれば、スキャ
ン開始前の被検体を正しく位置決め可能なことにより、
被検体の精密な位置の断層像が得られ、X線撮像の質向
上に寄与するところが極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する図である。
【図2】実施の形態によるX線CT装置の要部構成図で
ある。
【図3】実施の形態によるポジショニングライトの位置
/姿勢制御処理のフローチャートである。
【図4】実施の形態によるポジショニングライト姿勢制
御のイメージ図(1)である。
【図5】実施の形態によるポジショニングライト姿勢制
御のイメージ図(2)である。
【図6】実施の形態によるポジショニングライト位置制
御のイメージ図(1)である。
【図7】実施の形態によるポジショニングライト位置制
御のイメージ図(2)である。
【図8】実施の形態による被検体スライス位置制御のイ
メージ図(1)である。
【図9】実施の形態による被検体スライス位置制御のイ
メージ図(2)である。
【図10】実施の形態におけるX線焦点移動位置の予測
処理を説明する図である。
【図11】実施の形態における装置キャリブレーション
時の条件を示す図である。
【図12】従来技術を説明する図(1)である。
【図13】従来技術を説明する図(2)である。
【図14】従来技術を説明する図(3)である。
【符号の説明】
10 操作コンソール部 20 撮影テーブル 30 走査ガントリ 40 X線管 40a 回転陽極 40b 温度センサ 42 A/D変換器 50 コリメータ 25a〜25e ポジショニングライト 26 ポジショニングライト(PL)制御部 70 X線検出器アレイ 80 データ収集部(DAS) 100 被検体 F X線焦点

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体を挟んで相対向するX線管及びX
    線検出器を備え、X線検出器から収集した投影データに
    基づき被検体のCT断層像を再構成するX線CT装置の
    被検体位置決め方法において、 スキャン開始前に入手可能なX線管温度及びスキャン条
    件に基づき、スキャン開始した場合におけるX線焦点位
    置を予測すると共に、得られたX線焦点位置に基づき予
    測される被検体の実スライス位置対応に被検体に対して
    位置決め用光ビームを照射し、スキャン開始前における
    被検体の位置決めを行うことを特徴とする被検体位置決
    め方法。
  2. 【請求項2】 被検体を挟んで相対向するX線管及びX
    線検出器を備え、X線検出器から収集した投影データに
    基づき被検体のCT断層像を再構成するX線CT装置の
    被検体位置決め方法において、 スキャン開始前に入手可能なX線管温度及びスキャン条
    件に基づき、スキャン開始した場合におけるX線焦点位
    置を予測すると共に、予め所定位置に位置決めされた被
    検体を、前記予測されたX線焦点位置に基づき予測され
    る被検体の実スライス位置対応に初期移送することで、
    被検体の位置決めを行うことを特徴とする被検体位置決
    め方法。
  3. 【請求項3】 被検体を挟んで相対向するX線管及びX
    線検出器を備え、X線検出器から収集した投影データに
    基づき被検体のCT断層像を再構成するX線CT装置の
    被検体位置決め方法において、 スキャン開始前に入手可能なX線管温度及びスキャン条
    件に基づき、スキャン開始した場合におけるX線焦点位
    置を予測すると共に、得られたX線焦点位置に基づき予
    測される被検体の実スライス位置対応に被検体に対して
    位置決め用光ビームを照射し、予め被検体を対応位置に
    位置決めし、スキャン開始時の被検体を一定距離だけ初
    期移送することを特徴とする被検体位置決め方法。
  4. 【請求項4】 スキャン開始前に入手可能なX線管温度
    はスキャン開始前に検出、推定又は設定された温度であ
    ることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載
    の被検体位置決め方法。
  5. 【請求項5】 被検体を挟んで相対向するX線管及びX
    線検出器を備え、X線検出器から収集した投影データに
    基づき被検体のCT断層像を再構成するX線CT装置に
    おいて、 スキャン開始前に入手可能なX線管温度及びスキャン条
    件に基づきスキャン開始した場合におけるX線焦点位置
    を予測する焦点位置予測手段と、 X線管から発生したX線がX線検出器における定位置に
    調整されるようにコリメータ及び又はX線検出器の位置
    を調整する位置調整手段と、 スキャン開始前の被検体に対して前記予測されたX線焦
    点位置に基づき予測される被検体の実スライス位置対応
    に位置決め用光ビームを照射する被検体位置決め手段と
    を備えることを特徴とするX線CT装置。
  6. 【請求項6】 被検体を挟んで相対向するX線管及びX
    線検出器を備え、X線検出器から収集した投影データに
    基づき被検体のCT断層像を再構成するX線CT装置に
    おいて、 スキャン開始前に入手可能なX線管温度及びスキャン条
    件に基づきスキャン開始した場合におけるX線焦点位置
    を予測する焦点位置予測手段と、 X線管から発生したX線がX線検出器における定位置に
    調整されるようにコリメータ及び又はX線検出器の位置
    を調整する位置調整手段と、 スキャン開始前の被検体を所定位置に位置決めする位置
    決め手段と、 スキャン開始時の被検体を前記予測されたX線焦点位置
    に基づき予測される被検体の実スライス位置対応に初期
    移送する移送手段とを備えることを特徴とするX線CT
    装置。
  7. 【請求項7】 被検体を挟んで相対向するX線管及びX
    線検出器を備え、X線検出器から収集した投影データに
    基づき被検体のCT断層像を再構成するX線CT装置に
    おいて、 スキャン開始前に入手可能なX線管温度及びスキャン条
    件に基づきスキャン開始した場合におけるX線焦点位置
    を予測する焦点位置予測手段と、 X線管から発生したX線がX線検出器における定位置に
    調整されるようにコリメータ及び又はX線検出器の位置
    を調整する位置調整手段と、 スキャン開始前の被検体を前記予測されたX線焦点位置
    に基づき予測される被検体の実スライス位置対応に位置
    決めする位置決め手段と、 スキャン開始時の被検体を一定距離だけ初期移送する移
    送手段とを備えることを特徴とするX線CT装置。
  8. 【請求項8】 スキャン開始前に入手可能なX線管温度
    はスキャン開始前に検出、推定又は設定された温度であ
    ることを特徴とする請求項5乃至7の何れか一つに記載
    のX線CT装置。
  9. 【請求項9】 被検体を挟んで相対向するX線管及びX
    線検出器を備え、X線検出器から収集した投影データに
    基づき被検体のCT断層像を再構成するX線CT装置に
    おいて、 スキャン開始前の被検体を所定位置に位置決めする位置
    決め手段と、 X線管から発生したX線がX線検出器における定位置に
    調整されるようにコリメータ及び又はX線検出器の位置
    を調整する位置調整手段と、 前記コリメータ及び又はX線検出器の位置調整により予
    測される被検体の各実スライス位置を求める演算手段
    と、 前記位置決め手段の位置決め情報及びそのスキャン条件
    に基づき予測される被検体の各予定スライス位置と前記
    求められた各実スライス位置とを比較可能な態様で外部
    に出力する出力手段とを備えることを特徴とするX線C
    T装置。
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