JP5812914B2 - レジスト組成物 - Google Patents
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Description
特に露光源の短波長化が進むにつれ、従来の高分子を用いたレジストよりリソグラフィー特性に優れた微細構造が得られる、分子レジストの検討が進んでいる。
しかしながら、従来のイオン型の光酸発生基では、レジストの溶解性が低下するという問題がある。また、その問題の解決のために非イオン型の光酸発生基を導入するという検討もなされているが、それらの非イオン型光酸発生基は、いずれも合成経路が複雑で低収率という難点があった。
[1] 一分子中に、酸解離性基及び酸発生基を有するカリックスアレーン化合物と、溶剤とを含有するレジスト組成物。
[2] カリックスアレーン化合物における酸解離性基が、下記式(i)で示される基(以下、「酸解離性基(i)」ともいう)である、[1]に記載のレジスト組成物。
[3] カリックスアレーン化合物における酸発生基が、下記式(ii)で示される基(以下、「酸発生基(ii)」ともいう)である、[1]又は[2]に記載のレジスト組成物。
*−O−SO2−R3 (ii)
(上記式(ii)中、R3は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基であり、*は結合部位である。)
[4] カリックスアレーン化合物が、下記式(1)で示される部分構造(以下、「部分構造(1)」ともいう)を有する、[1]に記載のレジスト組成物。
[5] カリックスアレーン化合物が、下記式(4)で表される化合物(以下、「化合物(4)」ともいう)、下記式(5)で表される化合物(以下、「化合物(5)」ともいう)、及び下記式(6)で表される化合物(以下、「化合物(6)」ともいう)から選ばれる少なくとも一種である、[4]に記載のレジスト組成物。
本発明のレジスト組成物は、一分子中に、酸解離性基及び酸発生基を有するカリックスアレーン化合物と、溶剤とを含有することを特徴とする。
本発明のレジスト組成物に用いられるカリックスアレーン化合物は、酸解離性基及び酸発生基を有することを特徴とする。
カリックスアレーン化合物における酸解離性基としては、t−ブチルエステル構造、2−アルキル−2−アダマンチルエステル構造、1−アルキル−1−シクロアルキルエステル構造等の、エステル結合に四級炭素が結合された構造を有する酸解離性基等を用いても良く、特に好ましいものとしては、上記式(i)で示される酸解離性基(i)のような、アセタール構造を有する基が挙げられる。
アセタール構造を有する酸解離性基は、他の酸解離性基に比べてより低い露光後ベーク(PEB)温度で脱保護可能なため、LWRの低減に効果がある。
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、シクロドデシル基等の単環の脂環式飽和炭化水素基;
シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基、シクロデカニル基等の単環の脂環式不飽和炭化水素基;
ビシクロ[1.1.0]ブタニル基、ビシクロ[2.1.0]ペンタニル基、ビシクロ[2.2.0]ヘキサニル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル基(ノルボルニル基)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル基、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカニル基(アダマンチル基)等の多環の脂環式飽和炭化水素基;
ビシクロ[2.1.0]ペンテニル基、ビシクロ[1.1.0]ヘキセニル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル基(ノルボルネニル基)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタジエニル基、ビシクロ[2.2.2]オクテニル基、ビシクロ[2.2.2]オクジエニル基、ビシクロ[2.2.2]オクタトリエニル基等の多環の脂環式不飽和炭化水素基等が挙げられる。
これらのうち、単環及び多環の脂環式飽和炭化水素基が好ましく用いられ、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びトリシクロ[3.3.1.13,7]デカニル基(アダマンチル基)が特に好ましく用いられる。
上記式(1)中、Qは、芳香環又はヘテロ芳香環を示す。Rは、水酸基、1価の酸解離性基、又は酸発生基を示し、複数のRは同一でも異なっていてもよい。Yは炭素数1〜10の炭化水素基を示す。pは1〜2の整数を示し、qは0〜4の整数を示す。
上記式(1)で表される部分構造における芳香環及びヘテロ芳香環は、この部分構造以外の他の部分構造と共有結合を形成していてもよいし、他の部分構造中のベンゼン環又はヘテロ芳香環等と縮環していてもよい。
Rで示される酸解離性基及び酸発生基としては、前述した酸解離性基及び酸発生基が好適に用いられる。本発明で用いられるカリックスアレーン化合物における、全部分構造(1)において、全Rのうちの、酸解離性基及び酸発生基の導入率は、それぞれ、酸解離性基が5〜50モル%であることが好ましく、酸発生基が、1〜70モル%であることが好ましい。
部分構造(1)を有する化合物としては、例えば、下記式(2)で表される化合物と、下記式(3)で表される化合物とを縮合反応させてカリックスアレーン化合物を得て、得られたカリックスアレーン化合物が有するフェノール性水酸基の水素原子の少なくとも一部を酸解離性基と酸発生基とに置換することで得られる化合物を挙げることができる。
(上記式(2)中、Yは炭素数1〜10の炭化水素基を示し、qは0〜4の整数を示す。)
(上記式(3)中、Xは炭素数1〜8の2価の炭化水素基を示す。)
まず、カリックスアレーン化合物と、R1’=CH−O−R2で示されるビニルエーテルとを触媒下で反応させて、フェノール性水酸基の水素原子の一部を酸解離性基(i)に置換する。触媒としては、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩等の酸触媒が好適に用いられる。
次に、得られた化合物と、酸発生基(ii)の構造に対応するパーフルオロアルカンスルホン酸無水物とを反応させて、未反応のフェノール性水酸基の水素原子の一部を酸発生基(ii)に置換する。
酸解離性基(i)と酸発生基(ii)との導入は逆の順序であってもよく、まずフェノール性水酸基の水素原子の一部を酸発生基(ii)に置換した後に、未反応のフェノール性水酸基の水素原子の一部を酸解離性基(i)に置換しても良い。
反応に用いるビニルエーテルとパーフルオロアルカンスルホン酸無水物の量によって、酸解離性基(i)と酸発生基(ii)との導入率を調整することができる。
本発明のレジスト組成物は、カリックスアレーン化合物を溶解する溶媒を含む液状の組成物である。
本発明のレジスト組成物は、感放射線性酸発生剤、酸核酸制御剤、界面活性剤、フッ素含有重合体、その他の重合体等の他の成分を含んでいてもよい。
本発明のレジスト組成物を用いてレジストパターンを形成する方法としては、例えば、フォトリソグラフィを用いる方法等が挙げられる。
フォトリソグラフィを用いる方法は、例えば、(a)基板上に、レジスト組成物を塗布してレジスト被膜を形成する工程、(b)得られたレジスト被膜に、選択的に放射線を照射して、このレジスト被膜を露光する工程、(c)露光された上記レジスト被膜を現像して、レジストパターンを形成する工程とを有する。
レジスト組成物の塗布方法は特に限定されず、例えば、スピンコート法等により実施することができる。
また、プレベークの温度は、使用されるレジスト組成物の種類等に応じて適宜調整されるが、通常、30〜200℃程度、好ましくは50〜150℃である。
露光に用いられる放射線としては、レジスト組成物に使用される光酸発生剤の種類に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、γ線、分子線、イオンビーム等から適切に選択されるが、遠紫外線であることが好ましく、特にKrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(波長157nm)、Kr2エキシマレーザー(波長147nm)、ArKrエキシマレーザー(波長134nm)、極紫外線(波長13nm等)等が好ましい。
この工程で用いられる現像液は、レジスト組成物の種類と目的とするパターンの種類に応じて適宜選択される。具体的には、公知のアルカリ性水溶液や、有機溶剤が挙げられる。 また、これらのアルカリ性水溶液には、水溶性有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類や、界面活性剤を適量添加することもできる。
アルカリ性水溶液を現像液に用いると、酸解離性基が解離して極性基を形成した露光部を溶解し、ポジ型のパターンを得ることができる。また、有機溶剤を現像液に用いると、酸解離性基が解離せずに残っている未露光部を溶解し、ネガ型のパターンを得ることができる。
また、上記現像液での現像後、洗浄し、乾燥することによって、所定のレジストパターンが形成される。
カリックスアレーン化合物の合成:
レゾルシノール2.20g(20mmol)をエタノール4.5mLに溶解させ塩酸1.5mL加えた。この溶液を撹拌しながら5℃まで氷冷し、グルタルアルデヒドの50%水溶液0.40g(2mmol)をゆっくりと滴下した。その後、80℃で48時間加熱し、濁った黄色の溶液が得られた。この懸濁液をメタノール中に注ぎ、沈殿物をろ過により取得後、メタノールで3回洗浄した。得られた固体は室温で24時間減圧乾燥した。その結果、粉末状の淡黄色固体(S)が得られた(収量:0.43g(収率:79%))。得られた淡黄色固体(S)の構造確認は、MALDI−TOF−MS(型番SHIMAZU/KRATOSマトリックス支援レーザーイオン化飛行時間型質量分析装置 KOMPACT MALDI IV tDE、島津製作所社製)、IR(型番FT−IR 420型、日本分光社製)及び1H−NMR(型番JNM−ECA−500型、日本電子社製)で行った。これらの結果を以下に示す。
3406(νOH);2931(νC−H);1621、1505、1436(νC=C(aromatic))
化合物(i)の構造確認をIRおよび1H−NMRで行った結果を下記に示す。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量(Mn)は2220、分子量分布(Mw/Mn)は1.21であった。また、1H−NMRで測定した酸解離性基の導入率は、23%であった。
1H−NMR (600MHz,CDCl3,TMS):(ppm)
0.26−3.34(br,447H,cyclohexyl,methyl,and methylene),3.99−6.01(br,13H,metine),6.01− 8.43(br,24H,aromatic)
化合物(I)の構造確認を、1H−NMR、19F−NMRおよびIRより行った結果を下記に記す。分子量分布(Mw/Mn)は1.09であった。また、 シクロヘキシルアセタール残基の導入率は56%、トリフルオロメタンスルホン酸エステル残基の導入率は21%であった。
1H NMR (600 MHz, DMSO−d6, TMS)
0.26 − 2.27 (br, 438H, cyclohexyl, methyl, methylene), 3.97 − 4.79 (br, 11H, methine (Noria)), 4.91 − 6.10 (br, 10H, methine (acetal)), 6.11 − 8.40 (br, 24H, aromatic), 8.48 − 9.72 (br, 13H, OH)
19F NMR (470 MHz, DMSO−d6, C6F6) −77.32 (CF3SO2−, s)
合成例1で得られた化合物50mgをサンプル瓶に量り取り、脱水テトラヒドロフラン1mLに溶解した。溶液をKBr板に塗布し、250W超高圧水銀灯を用いてUV照射を行い、その間のアセタール残基の光脱保護反応の進行をRT−IRを用いて追跡したところ、980nm−1付近のIRピークの変化、すなわち光脱保護反応の進行が認められた。
Claims (4)
- 一分子中に、酸解離性基及び酸発生基を有するカリックスアレーン化合物と、溶剤とを含有し、
前記カリックスアレーン化合物における酸発生基が、下記式(ii)で示される基である、レジスト組成物。
*−O−SO 2 −R 3 (ii)
(上記式(ii)中、R 3 は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基であり、*は結合部位である。) - カリックスアレーン化合物における酸解離性基が、下記式(i)で示される基である、請求項1に記載のレジスト組成物。
(上記式(i)中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基を示す。*は結合部位である。) - カリックスアレーン化合物が、下記式(1)で示される部分構造を有する、請求項1に記載のレジスト組成物。
(上記式(1)中、Qは、芳香環又はヘテロ芳香環を示す。Rは、水酸基、1価の酸解離性基、又は酸発生基を示し、複数のRは同一でも異なっていてもよい。Yは炭素数1〜10の炭化水素基を示す。pは1〜2の整数を示し、qは0〜4の整数を示す。*は結合部位である。) - カリックスアレーン化合物が、下記式(4)で表される化合物及び下記式(5)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種である、請求項3に記載のレジスト組成物。
(上記式(4)及び(5)中、Xは炭素数1〜8の2価の炭化水素基である。R、Y及びqの定義は、請求項3に記載の式(1)の定義と同じ。nは2又は3であり、mは4〜8の整数である。)
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