JP5812680B2 - リニアバーニアモータ - Google Patents

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Description

本発明は、リニアバーニアモータに関する。
リニアモータの推力(トルク)を向上させるために、可動子と固定子の周期を異にしたバーニア型のリニアモータが提案されている。例えば、非特許文献1には、PM型リニアバーニアモータが開示されている。この非特許文献1では、リニアバーニアモータに生じるコギング力(Cogging Force)及び端効果(End Effect)による拍動力(Pulsating Force)を低減する技術が提案されている。
また、特許文献1には、リニアバーニアモータを用いた電動パワーステアリング装置が開示されている。この電動パワーステアリング装置は、ステアリングシャフトの先端に設けられ、該ステアリングシャフトとともに回転するピニオンと、該ピニオンと噛合し、該ステアリングシャフトの回転運動を長手方向の直線運動に変換して操舵角を変更させるラックバーと、該ピニオン及び該ラックバーを収容するハウジングと、該ラックバーに補助動力を付与する電動モータとを備えている。前記電動モータは、前記ハウジングに前記長手方向で第1数個の固定スロットが各々第1間隙隔てて設けられ、前記ラックバーの該長手方向における全ての該固定スロット及び同数の該第1間隙の加算長さ内には該第1数個より第2数個少ないか又は多い第3数個の可動スロットが各々第2間隙隔てて設けられ、各該固定スロット及び各該可動スロット内には永久磁石が収納され、各該固定スロット及び各該可動スロットの一方群内には該第2数個を極対数とする三相交流巻線が収納されてなるリニア式のバーニアモータである。
関連する技術として、特開2010−114980号公報にリニアアクチュエータが開示されている。このリニアアクチュエータは、位相の異なる交流電流が流れる複数のコイルを有するコイル部と、前記複数のコイルの内側を通るシャフト部とを具備している。前記シャフト部は、磁化方向が中心軸の方向に対して正逆対向し、前記中心軸に沿って配置された複数の永久磁石と、前記複数の永久磁石の各々の間に配置された複数の中間部材とを備えている。前記複数の中間部材の各々の飽和磁束密度は、前記複数の永久磁石の各々の飽和磁束密度よりも大きい。又は、前記複数の中間部材は、磁化方向が前記中心軸の方向に対して垂直外向き、及び、垂直内向きに、前記中心軸に沿って交互に配置された永久磁石である。更にその外周に前記複数の永久磁石の各々の飽和磁束密度よりも大きい部材を配置していても良い。前記複数の中間部材の各々は、前記中心軸方向の厚みが、前記中心軸から離れるにつれて厚くなっていてもよい。このリニアアクチエータでは、可動子側の磁束飽和を解消することで推力が向上している。
特開2002−79947号公報 特開2010−114980号公報
S.Shimomura,M.Fujieda,K.Hoshino,"Studies to decrease cogging force and pulsating thrust in the prototype linear permanent magnet Vernier motor",International Conference on Electrical Machines and Systems,2008.pp.3417−3422(2008).
上記非特許文献1や特許文献1のリニアバーニアモータでは、可動子(内側)に搭載される永久磁石の磁化方向は、可動子の可動軸に対して垂直である。この構成では、永久磁石の可動子への固定が難しい。そのため、各文献の図に示されるように、可動子に占める永久磁石の体積が非常に小さいものとなる。その結果、モータの自重・体積に対する推力が小さいという問題がある。
また、バーニアモータに共通する問題であるディテント力(Detent Force;モータの駆動の有無によらず、可動子の進行方向について周期的に発生する力、コギング力及び端効果)が発生するという問題がある。この問題に対して、非特許文献1では、固定子側に追加の磁石を取り付け、可動子側の永久磁石と作用させることでディテント力をキャンセルしようとしている。しかし、この方法では固定子側の追加の永久磁石が全体のサイズ・重量・コストを大きくしてしまうにもかかわらずなんら推力に寄与しない。
本発明の目的は、推力を更に向上させることが可能なリニアバーニアモータを提供することにある。本発明の他の目的は、モータの自重・体積に対する推力を大きくすることが可能なリニアバーニアモータを提供することにある。本発明の他の目的は、ディテント力を緩和可能なリニアバーニアモータを提供することにある。本発明の他の目的は、組み立てを容易とするリニアバーニアモータを提供することにある。
以下に、発明を実施するための最良の形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明のリニアバーニアモータは、固定子(3/3’)と、可動子(2/2’)とを具備している。固定子(3/3’)は、第1方向に延在する。可動子(2/2’)は、第1方向に延在し、固定子(3/3’)と極の間隔が異なる。固定子(3/3’)及び可動子(2/2’)の少なくとも一方は、第1方向に配置された複数の永久磁石(11/11’)と、第1方向に配置された複数のヨーク(16/25’)とを含んでいる。複数のヨーク(16/25’)の各々は、隣り合う永久磁石(11/11’)の間に配置されている。複数の永久磁石(11/11’)は、第1方向に磁化し、隣り合う永久磁石(11/11’)の磁化の向きが逆である。
上記のリニアバーニアモータにおいて、固定子(3)は、第1方向に配置された複数の第1ヨーク(25)と、第1方向に配置された複数のコイル(21)とを備えていることが好ましい。複数の第1ヨーク(25)の各々は、隣り合うコイル(21)の間に配置されていることが好ましい。複数の第1ヨーク(25)及び複数のコイル(21)は、m(mは2以上の整数)個分の第1ヨーク(25)及びm個のコイル(21)を1周期とする第1周期構造を有し、当該m個のコイル(21)同士の位相が異なっていることが好ましい。可動子(2)は、第1方向に配置された複数のヨークとしての複数の第2ヨーク(16)と、第1方向に配置された複数の永久磁石(11)とを備えていることが好ましい。複数の第2ヨーク(16)の各々は、隣り合う永久磁石(11)の間に配置されていることが好ましい。複数の第2ヨーク(16)及び複数の永久磁石(11)は、2個分の第2ヨーク(16)及び2個の永久磁石(11)で構成される磁石ペアのn(nは1以上の整数)個を1周期とする第2周期構造を有していることが好ましい。第1周期構造と第2周期構造とは、軸(C)の方向の1周期分の長さが等しく、n=m±1であることが好ましい。
上記のリニアバーニアモータにおいて、固定子(3’)は、第1方向に配置された複数のヨークとしての複数の第1ヨーク(25’)と、第1方向に配置された複数のコイル(21’)と、第1方向に配置された複数の永久磁石(11’)とを備えていることが好ましい。複数の第1ヨーク(25’)の各々は、隣り合うコイル(21’)の間及び隣り合う永久磁石(11’)の間に配置されていることが好ましい。複数の第1ヨーク(25’)及び複数のコイル(21’)は、m(mは2以上の整数)個分の第1ヨーク(25’)及びm個のコイル(21’)を1周期とする第1周期構造を有し、当該m個のコイル(21’)同士の位相が異なっていることが好ましい。可動子(2’)は、第1方向に配置された複数の第2ヨーク(16’)を備えていることが好ましい。複数の第2ヨーク(16’)の各々は、所定の間隔で配置されていることが好ましい。複数の第2ヨーク(16)は、n(nは1以上の整数)個の第2ヨーク(16’)を1周期とする第2周期構造を有していることが好ましい。第1周期構造と第2周期構造とは、軸(C)の方向の1周期分の長さが等しく、n=m±1であることが好ましい。
上記のリニアバーニアモータにおいて、可動子(2)は、両端がいずれも、1個分に満たない第2ヨーク(16)又は1個分を超え2個分未満の第2ヨーク(16)であることが好ましい。可動子(2)の長手方向の長さは、周期的に現れる、ディテント力が相対的に低くなる複数の長さのいずれかに設定されていることが好ましい。
上記のリニアバーニアモータにおいて、複数の長さは、いずれも、固定子(3)の特定の第1ヨーク(25)の中央と、可動子(2)の一方の端の第2ヨーク(16)の第1末端とを揃えて並べたとき、可動子(2)の他方の端の第2ヨーク(25)の第2末端が、固定子(3)における前記第2末端と最も近いコイル(21)から同じ距離となることが好ましい。
上記のリニアバーニアモータにおいて、可動子(2)は、磁石ペアの数が、(j+k×n/2)個であることが好ましい。ただし、jは、両端がいずれも1個分に満たない第2ヨーク(16)の場合には0<j<1であり、両端がいずれも1個分を超え2個分未満の第2ヨーク(16)の場合には1<j<2であり、kは0以上の整数である。
上記のリニアバーニアモータにおいて、可動子(2)は、整数個の磁石ペアと、整数個の磁石ペアに接続された1個に満たない磁石ペアとを備えていることが好ましい。
上記のリニアバーニアモータにおいて、可動子(2)は、永久磁石(11)及び第2ヨーク(16)の少なくとも一方における両端部の第1方向の厚さが、両端部以外での厚さと異なっていることが好ましい。
上記のリニアバーニアモータにおいて、複数の第2ヨーク(16)の各々は、複数のヨーク(16/25)の各々は、第1方向の厚みが、固定子(3)及び可動子(2)のうちの自身が取り付けられている方から、取り付けられていない方に向かうにつれて厚くなる
ことが好ましい。
−1
上記のリニアバーニアモータにおいて、固定子(3)は円筒の形状を有し、可動子(2)は固定子(3)と同軸の円筒の形状を有することが好ましい。
上記のリニアバーニアモータにおいて、可動子(2)を貫通し、固定子(3)及び可動子(2)と同軸であり、固定子(3)に対して固定された固定軸部材(4)を更に具備していることが好ましい。
本発明により、リニアバーニアモータにおいて、推力を更に向上させることが可能となる。また、モータの自重・体積に対する推力を大きくすることが可能となる。また、ディテント力を緩和可能とすることができる。また、組み立てを容易とすることができる。
図1Aは、本発明の第1の実施の形態に係るリニアバーニアモータの構成の一例を示す模式図である。 図1Bは、図1Aにおける固定子と可動子の関係を示す模式図である。 図2Aは、第2ヨークの具体的構成の一例を示す概略断面図である。 図2Bは、第2ヨークの具体的構成の一例を示す概略断面図である。 図2Cは、第2ヨークの具体的構成の一例を示す概略断面図である。 図2Dは、第2ヨークの具体的構成の一例を示す概略断面図である。 図3Aは、本発明の第1の実施の形態に係るリニアバーニアモータの動作原理を示す模式図である。 図3Bは、本発明の第1の実施の形態に係るリニアバーニアモータの動作原理を示す模式図である。 図3Cは、本発明の第1の実施の形態に係るリニアバーニアモータの動作原理を示す模式図である。 図3Dは、本発明の第1の実施の形態に係るリニアバーニアモータの動作原理を示す模式図である。 図3Eは、本発明の第1の実施の形態に係るリニアバーニアモータの動作原理を示す模式図である。 図4Aは、本発明の第1の実施の形態に係るリニアバーニアモータの動作方法を示す模式図である。 図4Bは、本発明の第1の実施の形態に係るリニアバーニアモータの動作方法を示す模式図である。 図5Aは、特許文献1に係る可動子の模式断面図である。 図5Bは、本実施の形態に係る可動子の模式断面図である。 図6は、本発明の第1の実施の形態に係るリニアバーニアモータの変形例の構成を示す模式図である。 図7は、可動子の構成及び可動子と固定子との位置関係を示す模式図である。 図8は、ディテント力及び推力と可動子の磁石ペアの数との関係を示すグラフである。 図9は、可動子の構成と固定子の構成との関係を示す模式図である。 図10Aは、磁石ペア10.5の可動子を示す模式図である。 図10Bは、可動子の両端構造を示す模式図である。 図10Cは、可動子の両端構造を示す模式図である。 図11Aは、固定子と可動子との関係を示す模式図である。 図11Bは、固定子と可動子との関係を示す模式図である。 図12Aは、固定子の構造を示す模式図である。 図12Bは、固定子の構造を示す模式図である。 図13Aは、推力と固定子上の位置との関係を示すグラフである。 図13Bは、推力と固定子上の位置との関係を示すグラフである。
以下、本発明のリニアバーニアモータの実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態に係るリニアバーニアモータの構成について説明する。図1Aは、本発明の第1の実施の形態に係るリニアバーニアモータの構成の一例を示す模式図である。図1Bは、図1Aにおける固定子と可動子の関係を示す模式図である。ただし、図1Aは、分かり易さのために、リニアバーニアモータ1の半分のみを示している。また、図1Bは、後述される固定子3及び可動子2の周期構造を示している。
リニアバーニアモータ1は、リニア方式のバーニアモータであり、固定子3と可動子2と固定軸部材4を具備している。固定子3は、軸Cを中心軸とする円筒の形状を有し、可動子2を内包している。可動子2は軸Cを中心軸とする円筒の形状を有している。内部を固定軸部材4が貫通し、固定軸部材4上を移動可能である。固定軸部材4は、軸Cを中心軸とする円柱形状のシャフトである。固定子3に対して相対的な位置が変わらないように、固定的に設けられている。非磁性体で形成されている。固定子3と可動子2と固定軸部材4とは同軸に設けられている。
固定子3は、複数の第1ヨーク25と、複数のコイル21と、ケース26とを備えている。第1ヨーク25は、軸Cと同軸のリング形状を有し、軟磁性体で形成されている。複数の第1ヨーク25は、軸Cの方向に、軸Cに沿って所定の間隔で配置されている。隣り合う二つの第1ヨーク25の間にはコイル21が設けられている。ケース26は、軸Cと同軸の円筒形状を有し、複数の第1ヨーク25の外側を覆っている。軟磁性体で形成され、複数の第1ヨーク25と直接かつ磁気的に接続されている。複数の第1ヨーク25とケース26とは一体であっても良い。コイル21は、軸Cと同軸のリング形状を有し、導体で形成されている。複数のコイル21は、軸Cの方向に、軸Cに沿って所定の間隔で配置されている。隣り合う二つのコイル21の間には第1ヨーク25が設けられている。コイル21と第1ヨーク25とは密接している。
可動子2は、複数の第2ヨーク16と、複数の永久磁石11とを備えている。永久磁石11は、軸Cと同軸のリング形状を有している。複数の永久磁石11は、軸Cの方向に、軸Cに沿って所定の間隔で配置されている。複数の永久磁石11は、軸Cの方向に磁化している。隣り合う二つの永久磁石11の磁化の向きは逆向きである。すなわち、永久磁石11は、隣り合う一方の永久磁石11との間ではN極とN極とが向かい合い、隣り合う他方の永久磁石11との間ではS極とS極とが向かい合っている。隣り合う二つの永久磁石11の間には第2ヨーク16が設けられている。第2ヨーク16は、軸Cと同軸のリング形状を有し、軟磁性体で形成されている。複数の第2ヨーク16は、軸Cの方向に、軸Cに沿って所定の間隔で配置されている。隣り合う二つの第2ヨーク16の間には永久磁石11が設けられている。第2ヨーク16は、永久磁石11が発生した磁束を軸Cに対して垂直方向の外部に導く、又は、外部からの磁束を軸Cに対して垂直方向の内部に導く。永久磁石11と第2ヨーク16とは密接している。
固定子3において、複数の第1ヨーク25及び複数のコイル21は、m(mは2以上の整数)個分の第1ヨーク25及びm個のコイル21を1周期とする第1周期構造を有している。すなわち、固定子3において、軸Cの方向に、軸Cに沿って、第1周期構造が形成されていると見ることができる。このとき、当該m個のコイル21同士に流れる交流電流(励磁電流)の位相は異なる。図1Bの例では、m=6である。この場合、コイルに流れる交流電流の位相は、一方の端から順にU相、−W相、V相、−U相、W相、−V相となる。したがって、第1周期構造の一周期は、第1ヨーク25(半分)、U相コイル21、第1ヨーク25、−W相コイル21、第1ヨーク25、V相コイル21、第1ヨーク25、−U相コイル21、第1ヨーク25、W相コイル21、第1ヨーク25、−V相コイル21、第1ヨーク25(半分)の6セット(Z=6)である(ただし、1セットを1つ分の第1ヨーク25及び1つのコイル21とした場合)。このとき、第1ヨーク25は固定子3の極と見ることができ、Z(=6)は固定子3の極数と見ることができる。
一方、可動子2において、複数の第2ヨーク16及び複数の永久磁石11は、2個分の第2ヨーク16及び2個の永久磁石11で構成された磁石ペアを有している。すなわち、可動子2において、軸Cの方向に、軸Cに沿って複数の磁石ペアが配置されていると見ることができる。更に、複数の第2ヨーク16及び複数の永久磁石11は、n(nは1以上の整数)個の磁石ペアを1周期とする第2周期構造を有している。すなわち、可動子2において、軸Cの方向に、軸Cに沿って第2周期構造が形成されていると見ることができる。図1Bの例では、n=5である。したがって、第2ヨーク16(半分)、永久磁石11、第2ヨーク16、永久磁石11、第2ヨーク16(半分)で構成される磁石ペアについて、第2周期構造は、5個の磁石ペア(Z=5)である。このとき、第2ヨーク16は可動子2の極と見ることができ、Z(=5)は可動子2の極数と見ることができる。
ここで、第1周期構造と第2周期構造とは、軸Cの方向の1周期分の長さが等しい。すなわち、第1周期構造の一端の第1ヨーク25(半分)から他端の第1ヨーク25(半分)までの1周期分の長さと、第2周期構造の一端の第2ヨーク16(半分)から他端の第2ヨーク16(半分)までの1周期分の長さとが等しい。また、mとnとの関係は、n=m±1である。このような関係を有することにより、バーニアモータとしての機能を発揮することができる。図1Bの例では、m=6(Z=6)、n=5(Z=5)であり、n=m−1である。すなわち、固定子3の極(第1ヨーク25)の周期(6個で1周期)と、可動子2の極(第2ヨーク16)の周期(5個で1周期)とは異なっていると見ることができる。言い換えれば、固定子3の極(第1ヨーク25)の間隔と、可動子2の極(第2ヨーク16)の間隔とは異なっている。
また、可動子2の長手方向(軸Cに平行な方向)の長さは、回転モータではないので特に制限はない。例えば、制御の容易さという面で言えば、第2周期構造の1周期分の長さの(正の)整数倍とすることが好ましい。同様に、固定子3の長手方向(軸Cに平行な方向)の長さは、特に制限はない。例えば、制御の容易さという面から、第1周期構造の1周期分の長さの(正の)整数倍とすることが好ましい。
なお、コイル21に流す交流電流が3相交流の場合、制御の容易さの観点から、mの値は6(上述の例)又は3であることが好ましい。また、コイル21に流す交流電流が単相交流の場合、制御の容易さの観点から、mの値は2であることが好ましい。
また、第1ヨーク25及び第2ヨーク16の軟磁性材料は、純鉄(電磁軟鉄など)、パーマロイ、ケイ素鋼に例示される。第1ヨーク25及び第2ヨーク16は、同じ材料であっても良いし、異なる材料であっても良い。
ここで、可動子2の第2ヨーク16について更に説明する。
図2A〜図2Dは、第2ヨーク16の具体的構成の一例を示す概略断面図である。ここでは、2つのN極に挟まれた第2ヨーク16について説明するが、2つのS極に挟まれた第2ヨーク16も同様である。図2Aに示される第2ヨーク16は、図1Aや図1Bに示された第2ヨーク16である。
それに対して、図2B〜図2Dに示される第2ヨーク16a〜16cは、軸Cの方向の厚みが、自身が取り付けられている可動子2から、取り付けられていない固定子3に向かうにつれて厚くなっている。以下、個別に説明する。
図2Bに示される第2ヨーク16aは、軸Cの方向の厚みが、軸Cから離れるにつれて厚くなっている。すなわち、永久磁石11aに接する2つの面に、軸Cを中心にした逆円錐形状の凹部51を有している。このとき、永久磁石11aは、端部に軸Cを中心にした円錐形状の凸部を有することになる。この場合、磁束線は、永久磁石11のN極の端部から、飽和磁束密度の大きい第2ヨーク16aを通って軸Cに概ね垂直な外側の方向へ抜けることができる。このとき、軸C方向の厚みが中心軸Cから離れるにつれて厚くなっているので、第2ヨーク16aの周辺部での磁束の集中を防ぐことができ、磁気飽和の発生を防止することができる。すなわち、第2ヨーク16aを通して磁界を外部に導出し、磁束の集中による磁気飽和を防ぎつつ、固定子3の位置における軸Cに垂直な方向の磁束を増加させることができる。その結果、リニアバーニアモータ1の推力をより増加させることができる。このことは、磁束線の向きは逆であるが、永久磁石11のS極の端部においても同様である。加えて、第2ヨーク16aを間に挟むことで、隣り合う永久磁石11が互いに反発し合う力を弱めることができ、可動子2の組み立てを容易にすることができる。それにより、リニアバーニアモータ1の製造を容易にすることが可能となる。また、高価な材料である永久磁石11の部分が減少するので、リニアバーニアモータ1のコストダウンを図ることができる。
更に、図2C、図2Dに示す第2ヨーク16b、16cは、基本的には第2ヨーク16aと同じ(軸Cの方向の厚みが、軸Cから離れるにつれて厚い)である。ただし、軸Cを中心にした凹部52、53の形状が第2ヨーク16aの凹部51と異なっている。すなわち、図2Cの第2ヨーク16bは、断面が曲線で形成された凹部52を有する形状(凹レンズのような形状)を有している。このとき、永久磁石11bは、断面が曲線で形成された凸部を有する形状(凸レンズのような形状)を有することになる。また、図2Dの第2ヨーク16cは、断面が階段状の複数の段で形成された凹部53を有する形状を有している。このとき、永久磁石11cは、断面が階段状の複数の段で形成された凸部を有する形状を有することになる。いずれの形状も、図2Bの形状と同様の効果を得ることが出来る。
次に、本発明の第1の実施の形態に係るリニアバーニアモータの動作について説明する。図3A〜図3Eは、本発明の第1の実施の形態に係るリニアバーニアモータの動作原理を示す模式図である。ここでは、コイル21を用いていない固定子3aに対して可動子2を強制的に動かした場合における、可動子2の位置と磁束密度分布との関係について説明する。ただし、固定子3aは第1ヨーク25及びケース26を備え(コイル21はない)、可動子2は第2ヨーク16及び永久磁石11を備えている。領域P(長さC0)は、固定子3aの第1周期構造(Z=6)及び可動子2の第2周期構造(Z=5)の1周期分を示している。可動子2の磁極ペアの1個分の長さを1ピッチ(長さC1)とする。曲線F0は、可動子2によるy方向の磁束密度分布を示している。x軸は可動子2及び固定子3aにおける軸Cの方向での位置を示し、y軸は磁束密度を示している。x軸を挟んで、y軸の正側がN極としての磁束、負側がS極としての磁極をそれぞれ示し、矢印はその点でのy方向の磁束密度の向き及び大きさを模式的に示している。
図3Aは、初期状態を示している。領域Pでは、−x方向の境界及び+x方向の境界において、固定子3aの第1ヨーク25の正面に、可動子2の永久磁石11のS極に挟まれた第2ヨーク16が存在している。そのため、その第1ヨーク25から第2ヨーク16へ向かう−y方向の磁束が生じている(S極に対応)。このとき、両者は正しく相対しているので、その磁束密度は最大となる。また、x方向の中心において、固定子3aの第1ヨーク25の正面に、可動子2の永久磁石11のN極に挟まれた第2ヨーク16が存在している。そのため、その第2ヨーク16から第1ヨーク25へ向かう+y方向の磁束が生じている(N極に対応)。このとき、両者は正しく相対しているので、その磁束密度は最大となる。すなわち、曲線F0は、−x方向の境界及び+x方向の境界で負の最大値をとり、x方向の中心において正の最大値をとる周期的な曲線となる。
図3Bは、可動子2を1/4ピッチ=C1/4だけ+x方向に動かした状態を示している。領域Pでは、−x方向の境界、x方向の中心、及び+x方向の境界において、固定子3aの第1ヨーク25の正面に、可動子2の永久磁石11が存在している。そのため、その第1ヨーク25とその永久磁石11との間の磁束は極めて小さくなる。その磁束密度は最小(実質的にゼロ)となる。また、−x方向の境界から+x方向へ3/4ピッチ=3/4×C1又は(1+3/4)ピッチ=(1+3/4)×C1において、固定子3aの第1ヨーク25の少しずれた位置に、可動子2の永久磁石11のN極に挟まれた第2ヨーク16が存在している。そのため、その第2ヨーク16から第1ヨーク25へ向かう+y方向の磁束が生じている。このとき、両者は少しずれて相対しているので、その磁束密度は中程度となる。+x方向の境界から−x方向へ3/4ピッチ=3/4×C1又は(1+3/4)ピッチ=(1+3/4)×C1において、固定子3aの第1ヨーク25の少しずれた位置に、可動子2の永久磁石11のS極に挟まれた第2ヨーク16が存在している。そのため、その第1ヨーク25から第2ヨーク16へ向かう−y方向の磁束が生じている。このとき、両者は少しずれて相対しているので、その磁束密度は中程度となる。すなわち、曲線F0は、−x方向の境界及び+x方向の境界からそれぞれ(1+1/4)ピッチ=(1+1/4)×C1でそれぞれ正及び負の最大値をとる周期的な曲線となる。従って、可動子2を1/4ピッチ=C1/4だけ+x方向に動かした場合、曲線F0すなわち磁束密度分布は、−x方向にC0/4(4分の1周期)だけずれることが分かる。ここで、C0=5×C1であるから、可動子2の移動分(C1/4)が5倍に増幅されて、磁束密度分布が移動したことになる。
図3Cは、可動子2を更に1/4ピッチ=C1/4(合計2/4ピッチ=2×C1/4)だけ+x方向に動かした状態を示している。領域Pでは、−x方向の境界及び+x方向の境界において、固定子3aの第1ヨーク25の正面に、可動子2の永久磁石11のN極に挟まれた第2ヨーク16が存在している。そのため、その第2ヨーク16から第1ヨーク25へ向かう+y方向の磁束が生じている。このとき、両者は正しく相対しているので、その磁束密度は最大となる。また、x方向の中心において、固定子3aの第1ヨーク25の正面に、可動子2の永久磁石11のS極に挟まれた第2ヨーク16が存在している。そのため、その第1ヨーク25から第2ヨーク16へ向かう−y方向の磁束が生じている。このとき、両者は正しく相対しているので、その磁束密度は最大となる。すなわち、曲線F0は、−x方向の境界及び+x方向の境界で正の最大値をとり、x方向の中心において負の最大値をとる周期的な曲線となる。従って、可動子2を更に1/4ピッチ=C1/4だけ+x方向に動かした場合、曲線F0すなわち磁束密度分布は、更に−x方向にC0/4(4分の1周期;可動子2の移動分(C1/4)の5倍)だけずれることが分かる。初期状態からは、可動子2は2/4ピッチ=2×C1/4だけ+x方向に動かされ、磁束密度分布は、−x方向に2×C0/4(4分の2周期)だけずれる。
図3Dは、可動子2を更に1/4ピッチ=C1/4(合計3/4ピッチ=3×C1/4)だけ+x方向に動かした状態を示している。領域Pでは、−x方向の境界、x方向の中心、及び+x方向の境界において、固定子3aの第1ヨーク25の正面に、可動子2の永久磁石11が存在している。そのため、その第1ヨーク25とその永久磁石11との間の磁束は極めて小さくなる。その磁束密度は最小(実質的にゼロ)となる。また、−x方向の境界から+x方向へ3/4ピッチ=3/4×C1又は(1+3/4)ピッチ=(1+3/4)×C1において、固定子3aの第1ヨーク25の少しずれた位置に、可動子2の永久磁石11のS極に挟まれた第2ヨーク16が存在している。そのため、その第1ヨーク25から第2ヨーク16へ向かう−y方向の磁束が生じている。このとき、両者は少しずれて相対しているので、その磁束密度は中程度となる。+x方向の境界から−x方向へ3/4ピッチ=3/4×C1又は(1+3/4)ピッチ=(1+3/4)×C1において、固定子3aの第1ヨーク25の少しずれた位置に、可動子2の永久磁石11のN極に挟まれた第2ヨーク16が存在している。そのため、その第2ヨーク16から第1ヨーク25へ向かう+y方向の磁束が生じている。このとき、両者は少しずれて相対しているので、その磁束密度は中程度となる。すなわち、曲線F0は、−x方向の境界及び+x方向の境界からそれぞれ(1+1/4)ピッチ=(1+1/4)×C1でそれぞれ負及び正の最大値をとる周期的な曲線となる。従って、可動子2を更に1/4ピッチ=C1/4だけ+x方向に動かした場合、曲線F0すなわち磁束密度分布は、更に−x方向にC0/4(4分の1周期;可動子2の移動分(C1/4)の5倍)だけずれることが分かる。初期状態からは、可動子2は3/4ピッチ=3×C1/4だけ+x方向に動かされ、磁束密度分布は、−x方向に3×C0/4(4分の3周期)だけずれる。
図3Eは、可動子2を更に1/4ピッチ=C1/4(合計4/4ピッチ=4×C1/4)だけ+x方向に動かした状態を示している。領域Pでは、−x方向の境界及び+x方向の境界において、固定子3aの第1ヨーク25の正面に、可動子2の永久磁石11のS極に挟まれた第2ヨーク16が存在している。そのため、その第1ヨーク25から第2ヨーク16へ向かう−y方向の磁束が生じている。このとき、両者は正しく相対しているので、その磁束密度は最大となる。また、x方向の中心において、固定子3aの第1ヨーク25の正面に、可動子2の永久磁石11のS極に挟まれた第2ヨーク16が存在している。そのため、その第2ヨーク16から第1ヨーク25へ向かう+y方向の磁束が生じている。このとき、両者は正しく相対しているので、その磁束密度は最大となる。すなわち、曲線F0は、−x方向の境界及び+x方向の境界で負の最大値をとり、x方向の中心において正の最大値をとる周期的な曲線となる。従って、可動子2を更に1/4ピッチ=C1/4だけ+x方向に動かした場合、曲線F0すなわち磁束密度分布は、更に−x方向にC0/4(4分の1周期;可動子2の移動分(C1/4)の5倍)だけずれることが分かる。初期状態からは、可動子2は4/4ピッチ=4×C1/4だけ+x方向に動かされ、磁束密度分布は、−x方向に4×C0/4(4分の4周期)だけずれる。すなわち、実質的に図3Aの状態になる。以下、同様である。
このように、コイル21を用いていない固定子3aに対して、可動子2を強制的に動かした場合、コイル3aと可動子2との相対的な位置関係により、磁束密度分布(曲線F0)が移動することが分かる。逆にいえば、磁束密度分布を移動させることにより、コイル3aと可動子2との相対的な位置関係を変動させることができるといえる。その磁束密度分布の移動は、第1ヨーク25に位相の異なる複数のコイルを軸Cに沿って連続的に配置し、+x方向又は−x方向に連続的に移動する移動磁界(磁束密度分布)を発生させることで可能とすることができる。その構成が、図1A及び図1Bに示される本実施の形態に係るリニアバーニアモータ1である。
次に、本発明の第1の実施の形態に係るリニアバーニアモータの動作方法について説明する。図4A〜図4Bは、本発明の第1の実施の形態に係るリニアバーニアモータの動作方法を示す模式図である。ここでは、固定子3のコイル21を電流で励磁して移動磁界を発生させて可動子2を動かした場合における、移動磁界の磁束密度分布と可動子2の位置と磁束密度分布との関係について説明する。ただし、既述のように、固定子3はコイル21、第1ヨーク25及びケース26を備え、可動子2は第2ヨーク16及び永久磁石11を備えている。曲線FIは、固定子3における移動磁界の磁束密度分布を示している。領域P(長さC0)、磁石ペアの1ピッチ(長さC1)、曲線F0、y軸、x軸については、図3A〜図3Eと同じである。
図4Aは、可動子2が図3Aと同じ状態を示している。この場合、可動子2と第2ヨーク16との位置関係、可動子2による磁束密度分布(曲線F0)については、図3Aの場合と同様となる。すなわち、曲線F0は、領域Pにおいて、−x方向の境界及び+x方向の境界で負の最大値(S極に対応)をとり、x方向の中心において正の最大値(N極に対応)をとる周期的な曲線である。この状態において、ある時点で、コイル21を用いた固定子3を電流で励磁して、移動磁界を発生させた場合を考える。その移動磁界の磁束密度分布(曲線FI)は以下のものとする。すなわち、領域Pに着目すると、磁束密度分布(曲線FI)は、−x方向の境界、x方向の中心、及び+x方向の境界において、最小(実質的にゼロ)であり、−x方向の境界及び+x方向の境界からそれぞれC0/4(=(1+1/4)×C1)において、それぞれ負及び正の最大値(それぞれS極及びN極に対応)をとる周期的な曲線である。
この場合、可動子2による磁束密度分布(曲線F0)と固定子3による磁束密度分布(曲線FI)との間で、一方のN極のx方向の位置と他方のS極のx方向の位置とが異なっている。例えば、可動子2によるN極のx方向の位置と固定子3によるS極のx方向の位置とが異なっている。この場合、そのN極とS極との間に引力が働き互いに引き寄せ合う。すなわち、磁気ポテンシャルが最低となる安定点(安定位置)に移動しようとする。このとき、固定子3は固定され、可動子2は移動可能である。従って、可動子2が、可動子2によるN極のx方向の位置と固定子3によるS極のx方向の位置とが重なるように移動する。この図の例では、曲線F0が−x方向にずれて、曲線F0の+yの最大値(N極に対応)の位置と曲線FIの−yの最大値(S極に対応)の位置が重なるように、可動子2が移動する。その状態を表しているのが図4Bである。
図4Bは、可動子2が図3Bと同じ状態を示している。従って、図4A(及び図4B)の曲線FIで示される磁束密度分布を与えると、その移動磁界に応じて曲線F0で示される磁束密度分布が移動する、すなわち、可動子2が移動することが分かる。この図の例では、可動子2は+x方向に1/4ピッチ=C1/4だけ移動する。+x方向への更なる移動や−x方向への移動についても、同様に、磁束密度分布(曲線FI)を用いた磁束密度分布(曲線F0)の移動で行うことができる。
可動子2すなわち磁束密度分布(曲線F0)の所望の地点への移動は、曲線FIで示される磁束密度分布を+x方向又は−x方向にどれだけ移動させるかにより制御することができる。曲線FIで示される磁束密度分布の移動は、複数のコイル21を制御することにより行うことができる。すなわち、可動子2に位置センサ(図示されず)を設置し、その位置センサで検出される位置と所望の地点の位置とに基づいて、複数のコイル21による磁束密度分布(曲線FI)を制御する。このような複数のコイル21の制御については、従来の技術を用いることができる。
以上のようにして、本実施の形態に係るリニアバーニアモータを動作させることができる。
なお、上述の例では、n=m−1(5=6−1)の場合を説明している。この場合、磁束密度分布(曲線F0)の移動方向と可動子2の移動方向とが逆方向である。しかし、n=m+1の場合、磁束密度分布(曲線F0)の移動方向と可動子2の移動方向とが同方向であることに注意されたい。この場合には、上述の例とは逆の方向に固定子3による移動磁界の移動方向を制御すれば、同様にリニアバーニアモータを動作させることができる。
本実施の形態では、可動子において、その軸方向に磁化の方向が向くように永久磁石を並べている。そして、隣り合う永久磁石同士が磁界を弱め合うといことが起こらないように、永久磁石間に第2ヨークを設けて、磁界を外側(N極の磁界)又は内側(S極の磁界)へ導いている。その結果、可動子における永久磁石の体積を大きくすることができる。また、固定子のコイルや第1ヨークの位置において、推力に寄与する軸に垂直な方向での、可動子側の体積又は重量あたりの磁束を増加させることができる。それにより、リニアバーニアモータの推力対自重比を大きく出来る。また、永久磁石を大きな単位でまとめて、リニアバーニアモータを製造できることから、組立が容易で高い精度で製造できる。このためコストダウンが図れるほか、可動子と固定子のギャップをより小さくすることができ、更に推力を向上させることができる。
本実施の形態に係るリニアバーニアモータは、更に、以下の効果を有している。図5A及び図5Bは、その効果を説明する可動子の模式断面図である。ただし、図5Aは特許文献1の場合であり、図5Bは本実施の形態の場合である。
図5Aを参照して、特許文献1では、軸Cに垂直な方向に磁化を有する永久磁石を可動子に埋め込んでいる。この構造では、可動子表面のN極(永久磁石のN極)の磁束密度bNα(磁束の幅α1に対応)とS極(永久磁石間のヨークに現れるS極)の磁束密度bSα(磁束の幅α2に対応)とを同等(bNα=bSα)にする必要がある。そのため、永久磁石とヨークの幅の比(α1/α2)が固定的になるなどの形状パラメータが決定されてしまい、推力を最大化するための設計自由度が低い。
一方、図5Bを参照して、本実施の形態では、軸Cに平行な方向に磁化を有する永久磁石を軸Cの方向にヨークを介して並べた可動子を用いている。そのため、N極(永久磁石間のヨークに現れるN極)とS極(永久磁石間のヨークに現れるS極)とは、極性が異なるだけで同じ構造を有している。従って、永久磁石の幅(β1)を変化させたとしても、その変化の大きさに拘わらず、N極のヨークの幅(β2)とS極のヨークの幅(β2)とを同じ幅にすることは極めて容易である。すなわち、N極の磁束密度bNβとS極の磁束密度bSβとを同等(bNβ=bSβ)とすることは極めて容易である。従って、永久磁石とヨークの幅の比(β1/β2)に関して、自由度があるということができる。その結果、本実施の形態のリニアバーニアモータ1は、図5Aの場合と比較して、推力を最大化するための設計自由度が極めて
高いということができる。それに加えて、後述されるように、ディテント力を抑制するための設計自由度も高くなるということもできる。
上記実施の形態のリニアバーニアモータ1(図1A〜図1B)は、可動子を内側に、固定子を外側にそれぞれ設けているが、本発明はこの例に限定されるものではない。すなわち、可動子を外側に、固定子を内側にそれぞれ設けていても良い。
上記実施の形態のリニアバーニアモータ1(図1A〜図1B)は、永久磁石を可動子に設けているが、本発明はこの例に限定されるものではない。すなわち、可動子ではなく固定子に永久磁石を設けても良い。例えば、図6に示すように、可動子2’を第2ヨーク16’のみとし(断面において凹凸構造を持たせる)、固定子3’のコイル21’の外側に永久磁石11’を設けるようにしても良い。その永久磁石11’は、軸Cに平行な方向に磁化を有し、軸Cの方向に第1ヨーク25’を介して並べられている。
−1
この場合、例えば、第1ヨーク25’は、軸Cの方向の厚みが、自身が取り付けられている固定子3から、取り付けられていない可動子2に向かうにつれて厚くなる構成を有していても良い。それにより、図2B〜図2Dにおいて得らえる効果と同様の効果を得ることができる。
以上説明したように、本実施の形態に係るリニアバーニアモータは、推力を更に向上させることが可能となる。また、モータの自重・体積に対する推力を大きくすることが可能となる。また、設計の自由度を高めることが可能となる。また、組み立てを容易とすることができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係るリニアバーニアモータの構成について説明する。本実施の形態では、主に、コギング力低減のために、可動子2の長さを変更している点で第1の実施の形態と異なっている。既述のように、リニアバーニアモータは回転モータではないので可動子の長さを自由に変更することができ、この点でも設計の自由度が高い。本実施の形態では、第1の実施の形態と異なる点について主に説明する。
ディテント力と可動子の永久磁石の数との関係について発明者が行った検討の結果について説明する。図7は、可動子の構成及び可動子と固定子との位置関係を示す模式図である。固定子3は、第1の実施の形態の場合(図1A及び図1B)と同様である。この図における左端から第1ヨーク25の2個分(半分+1個分+半分)とコイル21の2個(U相+−W相)の位置をY軸の基準点(Y=y0)とする。固定子3の延伸する方向にY軸をとっている。可動子2は、基本的には第1の実施の形態の場合(図1A及び図1B)と同じであるが、長手方向(図7ではY方向)の長さの点で、第1の実施の形態の場合と異なっている。ここでは、長手方向の長さの異なる複数の可動子2−0.5、2−1、2−2、…、2−10、…、2−11.5を用いている。ただし、可動子2−qにおける「q」の値は磁石ペアの数を示している。例えば、可動子2−0.5は磁石ペアが0.5ペアである。可動子2−1は磁石ペアが1ペアである。なお、0.5ペアは、磁化方向が−Y方向か、+Y方向のいずれか一方の1個の永久磁石11を含んでいる場合である。図7には、例として、可動子2−1、2−2、〜2−10を示している。この検討では、複数の可動子2−0.5〜2−11.5のそれぞれの場合について、その左端の位置が固定子3のY=y0(基準点)の位置となるように、固定子3に取り付けた。例えば、コイル21の軸Cの方向の長さを2mm、第1ヨーク25の長さを2mmとしたとき、y0=8mmである。なお、いずれの場合にも、第1の実施の形態で示した第1周期構造と第2周期構造との関係は同じである(Z=6/Z=5)。
図7の複数の可動子2−0.5〜2−11.5について、ディテント力及び推力を計測した。その結果を示しているのが図8である。図8は、ディテント力及び推力と可動子の磁石ペアの数との関係を示すグラフである。縦軸はディテント力(N)及び推力(N)を示し、横軸は磁石ペアの数を示している。斜線の棒がディテント力を示し、白棒が推力を示している。図示されるように、磁石ペアの数の増加と共に、推力(白棒)は単調に増加することが分かる。しかし、図に示されるように、ディテント力(斜線の棒)は磁石ペアの数に対応して周期的に変化している。この場合、ディテント力は、2.5ペアごとに周期的な変化があることが分かる。言い換えると、(j+2.5k)ペアの周期でディテント力が変化している。ただし、j=0.5、1、1.5、2、2.5であり、k=0、1、2、3、…である。そして、ディテント力が小さくなる磁石ペアの数があることが分かる。図7の複数の可動子のうち、磁石ペアが0.5ペア(可動子2−0.5)、3ペア(可動子2−3)、5.5ペア(可動子2−5.5)、8ペア(可動子2−8)、10.5ペア(可動子2−10.5)の場合である。すなわち、j=0.5の場合である。
上記図7及び図8の結果に基づいて、可動子2の磁石ペアの長さを検討した。その結果を示しているのが図9である。図9は、可動子の構成と固定子の構成との関係を示す模式図である。ここで、可動子2においては第2ヨークの記載は省略している(以下、図10Aについて同じ)。固定子3のコイル21の長さをL1=2mm、第1ヨーク25の長さをL2=2mmとする。この図における固定子3の左端を基準とし、ディテント力の小さい可動子2−0.5、2−3、2−5.5、2−8、2−10.5(j+2.5k;j=0.5、k=0、1、2、3、4)を、その左端を固定子3の左端(第1ヨーク25の中心)と揃えて並べてみる。すると、ディテント力の小さい可動子2−0.5、2−3、2−5.5、2−8、2−10.5の右端は、最も近いコイル21の左端からd0=d1=d2=d3=d4=+1.4mmのようになる。すなわち、コイル21と可動子2の端部との相対的な位置関係は、kの値に拘わらず、全て同じになることが分かる。なお、図示しないが、j=1、1.5、2、2.5の各々においても、同様にkの値に拘わらず、コイル21と可動子2の端部との相対的な位置は、それぞれにおいて同じになることが分かった。このことから、ディテント力は、主に可動子両端の磁極と固定子の磁極との間の吸引力によって発生し(端効果)、可動子を長くしてもほとんど変化しないことが分かる。なお、この式における“2.5”は、第2周期構造の1周期分の磁石ペアの数(Z=5)の半分であると考えられる。従って、(j+k×n/2)と見ることができる。“j”は、可動子2及び固定子3における第2ヨーク16や永久磁石11や第1ヨーク25やコイル21の寸法や磁気的性質等により実験的に又はシミュレーション的に決定される値である。例えば、可動子2の両端がいずれも1個分に満たない第2ヨーク16の場合には0<j<1となる。この例では、可動子2の両端がいずれも0.5個分の第2ヨーク16であり、j=0.5である。一方、可動子2の両端がいずれも1個分を超え2個分未満の第2ヨーク16の場合には1<j<2である。
なお、第2周期構造が7(7=6+1)の場合も同様に、(j+k×n/2)=j+3.5kとなると考えられる。ただし、この場合でのjは、j=0.5、1、1.5、2、2.5、3.0、3.5であり、k=0、1、2、3、…である。jの最適値も同様に、可動子及び固定子における第2ヨークや永久磁石や第1ヨークやコイルの寸法や磁気的性質等により実験的に又はシミュレーション的に決定される値である。例えば、可動子の両端がいずれも1個分に満たない第2ヨークの場合には0<j<1となる。一方、可動子の両端がいずれも1個分を超え2個分未満の第2ヨークの場合には1<j<2である。
ディテント力の小さい可動子2−0.5、2−3、2−5.5、2−8、2−10.5、…は、磁石ペアの数が、0.5、3、5.5、8、10.5、…であり、第2周期構造における1周期分の磁石ペアの数n=5の整数倍と異なっている、と見ることができる。
また、ディテント力の小さい可動子2−0.5、2−3、2−5.5、2−8、2−10.5の左端は第1ヨーク25の中心にあり、右端は最も近いコイル21の中心近傍となると見ることもできる。この事実を応用して、可動子2の左端を第1ヨーク25の中心としたとき、可動子2の右端を最も近いコイル21の中心近傍になるようにする方法が考えられる。例えば、図に示されるような可動子2−10.5は、可動子2−10の端部に1/2ペア分の磁石ペアを追加し、左端を第1ヨーク25の中心としたとき、右端を最も近いコイル21の中心近傍になるようにしていると見ることもできる。あるいは、可動子2−10.5は、見方を変えれば、可動子2−11(磁石ペアは11ペア)の端部から1/2ペア分の磁石ペアを取り除き、右端を最も近いコイル21の中心近傍になるようにしていると見ることもできる。
このように、本実施の形態では、可動子2を可動子2−0.5、2−3、2−5.5、2−8、2−10.5、…(j+2.5k;j=0.5、k=0、1、2、3、4、…)とし、可動子2の端部と固定子3のコイル21との相対的な位置関係を適切に設定することにより、ディテント力を小さくすることができる。この方法は、例えば、非特許文献1に開示された固定子側に追加の磁石を取り付けてディテント力を低減する方法と比較すると、全体のサイズ・重量・コストがほとんど変わらずに、推力にもほとんど影響を与えずにディテント力を低減できるという極めて効果的な方法ということができる。すなわち、コストの大きな部分を占める永久磁石のすべてを推力に寄与させつつ,ディテント力を低減できる。その結果、サイズや重量やコストなどの諸要件に基づいて設計された固定子3及び可動子2に対して、僅かに永久磁石ペアを付加又は削除するだけで、ディテント力を低減することが可能となる。この点でも、本実施の形態のリニアバーニアモータ1の設計自由度の高さが分かる。
更に、よりディテント力を低減するために、可動子2−10.5の両端構造について以下の最適化を行った。図10Aは、可動子2−10.5を示す模式図である。図10B〜図10Cは、可動子2−10.5の両端構造を示す模式図である。ここでは、図10Aに示すように、可動子2−10.5(磁石ペアの数は10.5ペア)において、その両端部11h1、11h2における永久磁石11と第2ヨーク16の長手方向の寸法を最適化する。ただし、端部11h1及び端部11h2は同じ構造とするため、以下では端部11h2について説明する。
図10Bは、端部11h2の最適化前の状態を示している。端部11h2は、第2ヨーク16e1、永久磁石11e1、及び第2ヨーク16e2を備え、これらが端からこの順で接続されている。第2ヨーク16e2は更に永久磁石11と接続されている。第2ヨーク16e2は、他の(図示されない)第2ヨーク16と同様の大きさ(1個分の大きさ)であり、この図の例では1.6mmである。永久磁石11e1は、他の(図示されない)永久磁石11と同様の大きさ(1個分の大きさ)であり、この図の例では0.8mmである。第2ヨーク16e1は、端部にあるため、他の(図示されない)第2ヨーク16の半分の大きさ(1個分に満たない大きさ)であり、この図の例では0.8mmである。なお、この場合、磁石ペアの軸Cの方向の長さは(1.6+0.8)×2=4.8mmであり、その5周期分の長さ24mmと、第1ヨーク25及びコイル21の6周期分の長さ24mm((2+2)×6)と等しくなっている。
このように、可動子2を、両端がいずれも1個分に満たない第2ヨーク16とすることで、既述のよう周期的に現れるディテント力の相対的に小さい長さとすることができる。また、図示しないが、可動子2を、両端がいずれも1個分を超え2個分未満の第2ヨーク16とすることでも、同様に、周期的に現れるディテント力の相対的に小さい長さとすることができる。
図10Cは、端部11h2の最適化後の状態を示している。端部11h2において、第2ヨーク16e2を、僅かに薄くした(1個分に満たない大きさを更に薄くした)。この図の例では、1.6mmを1.5mmに薄くした。これは、永久磁石11e1の位置を変化させたと見ることができる。また、第2ヨーク16e1を、僅かに厚くした(1個分の大きさよりも更に大きくした)。この図の例では、0.8mmを0.9mmに厚くした。更に永久磁石11e1を、僅かに薄くした。この図の例では、0.8mmを0.6mmに薄くした。これらは、永久磁石11e1からの磁束密度を変化させたと見ることができる。同様の最適化を端部11h1についても同様に行った。この場合、図示しないが、ディテント力の低減が確認された。このように、可動子2において、特に端部の永久磁石11や第2ヨーク16の幅や永久磁石11の位置を変更することにより、端部における磁束密度分布が変動することで、更にディテント力を低減することができる。
このように、可動子2を、両端がいずれも1個分に満たない第2ヨーク16として、端部の構成を調整することで、更にディテント力を低減することができる。また、図示しないが、可動子2を、両端がいずれも1個分を超え2個分未満の第2ヨーク16として、端部の構成を調整することでも、同様に、更にディテント力を低減することができる。
更に、推力の向上を図るために、固定子3の構造について以下の最適化を行った。図11A〜図11Bは、固定子3と可動子2との関係を示す模式図である。ここで、図11A〜図11Bは、固定子3の一部分を示しているが、他の部分についても同様である。図11Aは、固定子3の最適化前の状態を示している。図11Aに示すように、固定子3と可動子2とのエアギャップは、第1ヨーク25及びコイル21のいずれの位置でも同じである。そのエアギャップの大きさをr1(例示:0.8mm)であるとする。一方、図11Bは、固定子3の最適化後の状態を示している。図11Bに示すように、固定子3と可動子2とのエアギャップのうち、コイル21については変更なくr1の大きさだが、第1ヨーク25については変更してr2(例示:0.3mm)に小さくしている。これにより、第1ヨーク25と可動子2とのエアギャップを縮小して、推力を向上させることができる。
更に、より推力の向上を図るために、固定子3の構造について以下の最適化を行った。図12A〜図12Bは、固定子3の構造を示す模式図である。ここで、図12A〜図12Bは、固定子3の一部分を示しているが、他の部分についても同様である。図12Aは、固定子3の最適化前の状態を示している(図11Bと同じ)。図12Aに示すように、固定子3の第1ヨーク25及びコイル21はいずれもケース26から垂直に立ち上がる形状を有している。そのとき、コイル21の幅はs1(例示:2.0mm)であるとする。一方、図12Bは、固定子3の最適化後の状態を示している。図12Bに示すように、固定子3のコイル21は、第1ヨーク25の内部に入り込むように、その幅がs2(例示:3.4mm)に拡大されている(その部分の第1ヨーク25の幅は減少)。すなわち、コイル21の体積を増加させられるように第1ヨーク25の形状を変更している。これにより、固定子3で発生させる移動磁界の大きさをより大きくすることができ、推力を向上させることができる。
以上の最適化を行った結果を以下に説明する。図13A及び図13Bは、推力(Thrust)と固定子3上の位置との関係を示すグラフである。いずれの場合にも、縦軸は推力(N)であり、横軸は固定子3上の長手方向の位置(mm)である。また、Q2はディテント力を示し、Q1は電磁力を示し、Q0はそれらを併せた力を示している。図13Aは可動子及び固定子の最適化前の状態を示している。この場合、ディテント力(Q2)は、固定子3の長手方向に周期的に発生し、最大値は約2.5Nとなっている。また、電磁力(Q1)は約4Nとなっている。したがって、それらを併せた全推力(Q0)は、約4Nを中心値として位置により周期的に変化している。このような状態でも、用途によっては使用可能であると考えられる。
一方、図13Bは、図9、図10C、図11B、図12Bの全ての最適化を行った後の状態を示している。この場合、ディテント力(Q2)は、周期的に発生しているが、最大値は約0.6Nに低減されている。また、電磁力(Q1)は約12.3Nに増加している。したがって、それらを併せた全推力(Q0)は、約12.3Nを中心値として位置による変動が極めて少なくなっている。すなわち、より高くかつより安定的な推力を発生させることができる。推力を高める必要が無ければ、ディテント力を低減する図9及び図10Cのうちの少なくとも一方を行うだけでも良いと考えられる。また、ディテント力を低減する必要が無ければ、推力を高める図11B及び図12Bのうちの少なくとも一方を行うだけでも良いと考えられる。
このように、可動子及び固定子の最適化を行うことで、モータの自重・体積に対する推進力を大きくしつつ、ディテント力を大きく緩和することが可能となる。
なお、上記各実施の形態では、固定子3及び可動子2は円筒状であり、外側に固定子3がある場合を例に説明しているが、本発明はこの例に限定されるものではない。例えば、固定子3が内側にあっても良いし、固定子3及び可動子2が多角形断面の筒状であっても良いし、平板型であっても良い。
本発明は上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施
の形態は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。
1 リニアバーニアモータ
2、2−1〜2−10.5、2’ 可動子
3、3a、3’ 固定子
4 固定軸部材
11、11a、11b、11c、11e1、11’ 永久磁石
11h1、11h2 端部
16、16a、16b、16c、16e1、16e2、16’ 第2ヨークと
21、21’ コイル、
25、25’ 第1ヨーク
26 ケース
51、52、53 凹部

Claims (10)

  1. 第1方向に延在する固定子と、
    前記第1方向に延在し、前記固定子と極の間隔が異なる可動子と
    を具備し、
    前記固定子及び前記可動子の少なくとも一方は、
    前記第1方向に配置された複数の永久磁石と、
    前記第1方向に配置された複数のヨークと
    を含み、
    前記複数のヨークの各々は、前記隣り合う永久磁石の間に配置され、
    前記複数の永久磁石は、前記第1方向に磁化し、隣り合う永久磁石の磁化の向きが逆であり、
    前記固定子は、
    前記第1方向に配置された複数の第1ヨークと、
    前記第1方向に配置された複数のコイルと
    を備え、
    前記複数の第1ヨークの各々は、隣り合うコイルの間に配置され、
    前記複数の第1ヨーク及び前記複数のコイルは、m(mは2以上の整数)個分の第1ヨーク及びm個のコイルを1周期とする第1周期構造を有し、当該m個のコイル同士の位相が異なり、
    前記可動子は、
    前記第1方向に配置された前記複数のヨークとしての複数の第2ヨークと、
    前記第1方向に配置された前記複数の永久磁石と
    を備え、
    前記複数の第2ヨークの各々は、前記隣り合う永久磁石の間に配置され、
    前記複数の第2ヨーク及び前記複数の永久磁石は、2個分の第2ヨーク及び2個の永久磁石で構成される磁石ペアのn(nは1以上の整数)個を1周期とする第2周期構造を有し、
    前記第1周期構造と前記第2周期構造とは、前記軸の方向の1周期分の長さが等しく、n=m±1である
    リニアバーニアモータ。
  2. 第1方向に延在する固定子と、
    前記第1方向に延在し、前記固定子と極の間隔が異なる可動子と
    を具備し、
    前記固定子及び前記可動子の少なくとも一方は、
    前記第1方向に配置された複数の永久磁石と、
    前記第1方向に配置された複数のヨークと
    を含み、
    前記複数のヨークの各々は、前記隣り合う永久磁石の間に配置され、
    前記複数の永久磁石は、前記第1方向に磁化し、隣り合う永久磁石の磁化の向きが逆であり、
    前記固定子は、
    前記第1方向に配置された前記複数のヨークとしての複数の第1ヨークと、
    前記第1方向に配置された複数のコイルと、
    前記第1方向に配置された前記複数の永久磁石と
    を備え、
    前記複数の第1ヨークの各々は、隣り合うコイルの間及び隣り合う永久磁石の間に配置され、
    前記複数の第1ヨーク及び前記複数のコイルは、m(mは2以上の整数)個分の第1ヨーク及びm個のコイルを1周期とする第1周期構造を有し、当該m個のコイル同士の位相が異なり、
    前記可動子は、
    前記第1方向に配置された複数の第2ヨークを備え、
    前記複数の第2ヨークの各々は、所定の間隔で配置され、
    前記複数の第2ヨークは、n(nは1以上の整数)個の第2ヨークを1周期とする第2周期構造を有し、
    前記第1周期構造と前記第2周期構造とは、前記軸の方向の1周期分の長さが等しく、n=m±1である
    リニアバーニアモータ。
  3. 請求項に記載のリニアバーニアモータにおいて、
    前記可動子は、両端がいずれも、1個分に満たない第2ヨーク又は1個分を超え2個分未満の第2ヨークであり、
    前記可動子の長手方向の長さは、周期的に現れる、ディテント力が相対的に低くなる複数の長さのいずれかに設定されている
    リニアバーニアモータ。
  4. 請求項に記載のリニアバーニアモータにおいて、
    前記複数の長さは、いずれも、前記固定子の特定の第1ヨークの中央と、前記可動子の一方の端の第2ヨークの第1末端とを揃えて並べたとき、前記可動子の他方の端の第2ヨークの第2末端が、前記固定子における前記第2末端と最も近いコイルから同じ距離となる
    リニアバーニアモータ。
  5. 請求項3又は4に記載のリニアバーニアモータにおいて、
    前記可動子は、前記磁石ペアの数が、(j+k×n/2)個であり、
    ただし、前記jは、
    両端がいずれも1個分に満たない第2ヨークの場合には0<j<1であり、
    両端がいずれも1個分を超え2個分未満の第2ヨークの場合には1<j<2であり、
    前記kは0以上の整数である
    リニアバーニアモータ。
  6. 請求項3乃至5のいずれか一項に記載のリニアバーニアモータにおいて、
    前記可動子は、
    整数個の前記磁石ペアと、
    前記整数個の前記磁石ペアに接続された1個に満たない前記磁石ペアと
    を備える
    リニアバーニアモータ。
  7. 請求項3乃至6のいずれか一項に記載のリニアバーニアモータにおいて、
    前記可動子は、前記永久磁石及び前記第2ヨークの少なくとも一方における両端部の前記第1方向の厚さが、前記両端部以外での厚さと異なる
    リニアバーニアモータ。
  8. 請求項1乃至のいずれか一項に記載のリニアバーニアモータにおいて、
    前記複数のヨークの各々は、前記第1方向の厚みが、前記固定子及び前記可動子のうちの自身が取り付けられている方から、取り付けられていない方に向かうにつれて厚くなる
    リニアバーニアモータ。
  9. 請求項1乃至のいずれか一項に記載のリニアバーニアモータにおいて、
    前記固定子は、円筒の形状を有し、
    前記可動子は、前記固定子と同軸の円筒の形状を有する
    リニアバーニアモータ。
  10. 請求項1乃至のいずれか一項に記載のリニアバーニアモータにおいて、
    前記可動子を貫通し、前記固定子及び前記可動子と同軸であり、前記固定子に対して固定された固定軸部材を更に具備する
    リニアバーニアモータ。
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