JP5434917B2 - 電機子及びリニアモータ - Google Patents

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Description

本発明は、可動子が貫通される電機子、及び可動子と電機子(固定子)とを組み合わせてなるリニアモータに関する。
電子回路基板などの孔あけ機に用いるドリルの垂直移動装置、または、ピックアンドプレース(部品を掴んで所定の位置に置く)型ロボットにおける垂直移動機構などにあっては、高速な移動かつ高精度の位置決めが要求される。したがって、回転型モータの出力をボールねじにて平行運動(垂直運動)に変換するような従来の方法では、移動速度が遅いため、そのような要求を満たせない。
そこで、このような垂直移動には、平行運動出力を直接に取り出し可能なリニアモータの利用が進められている。多数の板状の永久磁石を配設した永久磁石構造体を可動子とし、通電コイルを有する電機子を固定子として、固定子に可動子を貫通させた構成が、リニアモータとして種々のタイプのものが提案されている(例えば、特許文献1,2など)。可動子に磁石を用いた従来のリニアモータにおいて、電機子のコイルを各磁極に個別に巻く構成のものは、コイルの数が多くなって小型化が難しくなるとともに、漏れ磁束が多くなってリニアモータとしての効率が低下したり、小型高出力化が難しくなるという問題点がある。この問題点を解決するために、クローポール型(クローティース型)の電機子を用いたリニアモータが提案されている(例えば、特許文献3など)。
特開2002−27731号公報 特開2005−287185号公報 特開2005−295708号公報
従来のリニアモータは、ボールねじに比べれば応答は速いが、可動子の質量が大きいために十分な推力は確保できるものの要求される水準の応答速度を実現できない。高速化に適したリニアモータの構造は可動磁石型であるが、磁極ピッチが大きいと磁石背面のヨークに回り込む磁束の量が多くなり、ヨークの体積が増して可動子が重くなる。一方、磁極ピッチを小さくした場合には、電機子側の捲き線構造が複雑になり、より小型で高出力なリニアモータを実現するのが困難となる。また、垂直移動の用途にあっては自重の影響を受けるため、軽量化がより一層望まれている。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、磁極ピッチが小さくても捲き線構造が複雑にならず、また磁気飽和になりにくい電機子を提供することにある。
本発明の他の目的は、磁気飽和が起こりにくい構造であり、高速な応答性を実現できてモータの変換効率を高めて高パワー密度化を図れるリニアモータを提供することにある。
本発明に係る第1の電機子は、板状の可動子が貫通されるリニアモータの電機子において、前記可動子が貫通される開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向に延設させたコア部とを有する軟質磁性体製の第1サブユニット、及び、前記可動子が貫通される開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の幅方向に延設させたコア部とを有する軟質磁性体製の第2サブユニットを交互に重ねてなり、前記第1サブユニットの複数のコア部及び/または前記第2サブユニットの複数のコア部に捲き線を施してあることを特徴とする。
本発明の第1の電機子にあっては、可動子が貫通される開口部と、開口部の外側に配置した枠状のヨーク部と、ヨーク部から可動子の厚み方向に延設させたコア部とを有する第1サブユニットと、可動子が貫通される開口部と、開口部の外側に配置した枠状のヨーク部と、ヨーク部から可動子の幅方向に延設させたコア部とを有する第2サブユニットとを交互に重ねており、第1サブユニットの複数のコア部及び/または第2サブユニットの複数のコア部に一括して捲き線を巻回してある。各磁極毎に個別に捲き線を施さずに、サブユニットの複数のコア部に一括して捲き線を施すため、捲き線構造が簡単であり、小型化が容易である。
本発明に係る第1の電機子は、前記第2サブユニットの前記コア部は、その中間から前記開口部に向かってテーパ状をなしていることを特徴とする。
本発明の第1の電機子にあっては、第2サブユニットのコア部が中間から開口部に向かってテーパ状をなしており、第1サブユニットのコア部と第2サブユニットのコア部との重なりを少なくして磁束の漏れを低減させる。また、第2サブユニットのコア部のヨーク部側はテーパ状をなしておらずに幅広となっているため、ヨーク部に向かう磁束の通路が広いので、その部分で磁気飽和が起こりにくい。
本発明に係る第1の電機子は、重なり合う前記第1サブユニットと前記第2サブユニットとの間に、コア部同士が接触しないように軟質磁性体製のスペーサを挟んでいることを特徴とする。
本発明の第1の電機子にあっては、第1サブユニットと第2サブユニットとの間に枠状のスペーサを設けている。よって、簡単な構成により、第1サブユニットのコア部と第2サブユニットのコア部との非接触(磁気ショートの回避)を実現する。
本発明に係る第1のリニアモータは、板状磁石と板状の軟質磁性体とを交互に重ねており、前記板状磁石は、重ね方向の可動子の長手方向に磁化した板状磁石と重ね方向の前記長手方向とは逆の方向に磁化した板状磁石とが交互に配されている可動子を、矩形状の開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向に延設させたコア部とを有する軟質磁性体製の第1サブユニット、及び、矩形状の開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の幅方向に延設させたコア部とを有する軟質磁性体製の第2サブユニットを交互に重ねてなり、前記第1サブユニットの複数のコア部及び/または前記第2サブユニットの複数のコア部に捲き線を施してある電機子の前記第1サブユニットの開口部及び前記第2サブユニットの開口部に貫通させてあることを特徴とする。
本発明の第1のリニアモータにあっては、上述したような可動子を上述したような第1の電機子に貫通させた構成をなす。可動子の軽量化を図れるため、可動子の応答速度は速くなる。また、電機子における捲き線構造が簡単であって、小型化を図れる。
本発明に係る第2の電機子は、板状の可動子が貫通されるリニアモータの電機子において、前記可動子が貫通される開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向一側に延設させた第1コア部及び前記可動子の幅方向に延設させた第2コア部とを有する軟質磁性体製の第1サブユニット、並びに、前記可動子が貫通される開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、前記第1サブユニットの第1コア部及び第2コア部と対称の位置に設けられ、前記ヨーク部から延設させた第1コア部及び第2コア部とを有する軟質磁性体製の第2サブユニットを交互に重ねてなり、前記第1サブユニット及び前記第2サブユニットの複数の第2コア部並びに/または前記第1サブユニット及び前記第2サブユニットの複数の第1コア部に捲き線を施してあることを特徴とする。
本発明の第2の電機子にあっては、可動子が貫通される開口部と、開口部の外側に配置した枠状のヨーク部と、ヨーク部から可動子の厚み方向一側に延設させた第1コア部及び可動子の幅方向に延設させた第2コア部とを有する第1サブユニットと、可動子が貫通される開口部と、開口部の外側に配置した枠状のヨーク部と、ヨーク部から可動子の厚み方向他側に延設させた第1コア部及び可動子の幅方向に延設させた第2コア部とを有し、その形状が第1サブユニットと点対称の位置関係にある第2サブユニットとを交互に重ねており、第1サブユニット及び第2サブユニットの複数の第2コア部並びに/または第1サブユニット及び第2サブユニットの複数の第1コア部に一括して捲き線を巻回してある。各磁極毎に個別に捲き線を施さずに、第1サブユニット及び第2サブユニットの複数のコア部に一括して捲き線を施すため、捲き線構造が簡単であり、小型化が容易である。
本発明に係る第2の電機子は、前記第1サブユニット及び前記第2サブユニットの第2コア部は、その中間から前記開口部に向かってテーパ状をなしており、その前記ヨーク部側にリブを有していることを特徴とする。
本発明の第2の電機子にあっては、第1サブユニット及び第2サブユニットの第2コア部が中間から開口部に向かってテーパ状をなしており、これらの第2コア部と第1サブユニット及び第2サブユニットの第1コア部との重なりを少なくして磁束の漏れを低減させる。また、第1サブユニット及び第2サブユニットの第2コア部のヨーク部側に、リブを設けている。よって、ヨーク部に向かう磁束の通路が広いので、その部分で磁気飽和が起こりにくい。
本発明に係る第2の電機子は、重なり合う前記第1サブユニットと前記第2サブユニットとの間に、前記第1サブユニットの第1コア部または第2コア部と前記第2サブユニットの第1コア部または第2コア部とが接触しないように軟質磁性体製のスペーサを挟んでいることを特徴とする。
本発明の第2の電機子にあっては、第1サブユニットと第2サブユニットとの間に枠状のスペーサを設けている。よって、簡単な構成により、第1サブユニットの第1コア部及び第2コア部と第2サブユニットの第1コア部及び第2コア部との非接触(磁気ショートの回避)を実現する。
本発明に係る第2のリニアモータは、厚さ方向に磁化した複数の板状磁石を有しており、前記板状磁石は、厚さ方向の一方向に磁化した板状磁石と厚さ方向の前記一方向とは逆の方向に磁化した板状磁石とが交互に配されている可動子を、矩形状の開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向一側に延設させた第1コア部及び前記可動子の幅方向に延設させた第2コア部とを有する軟質磁性体製の第1サブユニット、並びに、矩形状の開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、前記第1サブユニットの第1コア部及び第2コア部と対称の位置に設けられ、該ヨーク部から延設させた第1コア部及び第2コア部とを有する軟質磁性体製の第2サブユニットを交互に重ねてなり、前記第1サブユニット及び前記第2サブユニットの複数の第2コア部並びに/または前記第1サブユニット及び前記第2サブユニットの複数の第1コア部に捲き線を施してある電機子の前記第1サブユニットの開口部及び前記第2サブユニットの開口部に貫通させてあることを特徴とする。
本発明の第2のリニアモータにあっては、厚さ方向の一方向に磁化した板状磁石と厚さ方向の他方向に磁化した板状磁石とが交互に配されている可動子を、上述したような第2の電機子に貫通させた構成をなす。可動子の軽量化を図れるため、可動子の応答速度は速くなる。また、電機子における捲き線構造が簡単であって、小型化を図れる。
本発明に係る第3の電機子は、板状の可動子が貫通されるリニアモータの電機子において、前記可動子が貫通される開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向一側に延設させたコア部とを有する軟質磁性体製の第1サブユニット、前記可動子が貫通される開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向一側に延設させた補助コア部と、前記ヨーク部から前記可動子の厚み方向他側に延設させたコア部とを有する軟質磁性体製の第2サブユニット、前記可動子が貫通される開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向一側に延設させたコア部と、前記ヨーク部から前記可動子の厚み方向他側に延設させた補助コア部とを有する軟質磁性体製の第3サブユニット、及び、 前記可動子が貫通される開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向他側に延設させたコア部とを有する軟質磁性体製の第4サブユニットがこの順に重ねられ、前記可動子が貫通される開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向両側に延設させた補助コア部とを有する軟質磁性体製のスペーサユニットを、前記第1サブユニット及び前記第2サブユニットの間、前記第2サブユニット及び前記第3サブユニットの間、並びに、前記第3サブユニット及び前記第4サブユニットの間にそれぞれ設けており、前記第1サブユニットのコア部、前記第2サブユニットの補助コア部、前記第3サブユニットのコア部、及び、前記スペーサユニットの前記可動子の厚み方向一側の補助コア部に一括して捲き線を施してあり、前記第2サブユニットのコア部、前記第3サブユニットの補助コア部、前記第4サブユニットのコア部、及び、前記スペーサユニットの前記可動子の厚み方向他側の補助コア部に一括して捲き線を施してあることを特徴とする。
本発明の第3の電機子にあっては、上記のような構成をなす第1サブユニット、スペーサユニット、第2サブユニット、スペーサユニット、第3サブユニット、スペーサユニット、及び第4サブユニットをこの順に重ねており、第1サブユニットのコア部、第2サブユニットの補助コア部、第3サブユニットのコア部、及び、各スペーサユニットの可動子の厚み方向一側の補助コア部と、第2サブユニットのコア部、第3サブユニットの補助コア部、第4サブユニットのコア部、及び、各スペーサユニットの可動子の厚み方向他側の補助コア部とに、それぞれ一括して捲き線を巻回してある。各磁極毎に個別に捲き線を施さずに、一括して捲き線を施すため、捲き線構造が簡単であり、小型化が容易である。また、両捲き線の一方が巻回されない第1サブユニットと第4サブユニットとを両端に配置しているため、捲き線の捲きスペースを小さくできる。
本発明に係る第3の電機子は、前記第1サブユニット、前記第2サブユニット、前記第3サブユニット、前記第4サブユニット、及び前記スペーサユニットはそれぞれ、前記可動子の厚み方向に同じ位置で分割されていることを特徴とする。
本発明の第3の電機子にあっては、第1〜第4サブユニット及びスペーサユニットが厚み方向に分割されている。よって、分割した状態で捲き線を施すことができ、その捲き線処理は容易であって、電機子を簡単に作製することができる。
本発明に係る第3のリニアモータは、厚さ方向に磁化した複数の板状磁石それぞれが、非磁性体製の矩形状の磁石保持スペーサに並列的に形成した複数の孔それぞれに、厚さ方向の一方向に磁化した板状磁石と厚さ方向の前記一方向とは逆の方向に磁化した板状磁石とが交互になるように配置されており、前記磁石保持スペーサの幅方向両側で長手方向に延びる枠体にリニアガイドレールを設けてある可動子を、矩形状の開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向一側に延設させたコア部とを有する軟質磁性体製の第1サブユニット、矩形状の開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向一側に延設させた補助コア部と、前記ヨーク部から前記可動子の厚み方向他側に延設させたコア部とを有する軟質磁性体製の第2サブユニット、矩形状の開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向一側に延設させたコア部と、前記ヨーク部から前記可動子の厚み方向他側に延設させた補助コア部とを有する軟質磁性体製の第3サブユニット、及び、矩形状の開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向他側に延設させたコア部とを有する軟質磁性体製の第4サブユニットがこの順に重ねられており、矩形状の開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向両側に延設させた補助コア部とを有する軟質磁性体製のスペーサユニットを、前記第1サブユニット及び前記第2サブユニットの間、前記第2サブユニット及び前記第3サブユニットの間、並びに、前記第3サブユニット及び前記第4サブユニットの間にそれぞれ設けており、前記第1サブユニットのコア部、前記第2サブユニットの補助コア部、前記第3サブユニットのコア部、及び、前記スペーサユニットの前記可動子の厚み方向一側の補助コア部に一括して捲き線を施してあり、前記第2サブユニットのコア部、前記第3サブユニットの補助コア部、前記第4サブユニットのコア部、及び、前記スペーサユニットの前記可動子の厚み方向他側の補助コア部に一括して捲き線を施してある電機子の前記第1サブユニットの開口部、前記第2サブユニットの開口部、前記第3サブユニットの開口部、前記第4サブユニットの開口部、及び前記スペーサユニットの開口部に貫通させてあることを特徴とする。
本発明の第3のリニアモータにあっては、上述したような第2の可動子を上述したような第3の電機子に貫通させた構成をなす。可動子の軽量化を図れるため、可動子の応答速度は速くなる。また、電機子における捲き線構造が簡単であって、小型化を図れる。また、各リニアガイドレールの周囲はすべて同極となるので、磁性体製のリニアガイドレールを使用しても、リニアガイドレールの方向に磁束が漏れていくことはないため、推力の低下は生じない。
特許文献3に記載されているようなクローポール型(クローティース型)の電機子を用いたリニアモータでは、電機子のコイルを一括化できるのでコイルの省スペース化には効果があるが、漏れ磁束が多いために最大推力が低下するという問題点がある。これに対して本発明では、電機子のコイルを一括化でき、しかもコア部からの漏れ磁束の発生も僅かであるため、推力の低下は起こらず、リニアモータの小型高出力化を改善できて、小型な構成であっても高効率で高推力を実現できるリニアモータを提供できるという効果がある。
第1実施の形態に係る可動子の構成を示す斜視図である。 第1実施の形態に係る電機子の構成を示す斜視図である。 第1実施の形態に係るリニアモータの構成を示す斜視図である。 第1実施の形態に係る電機子における通電状態と起磁力とを示す断面図である。 第1実施の形態に係る電機子に用いるスペーサユニットを示す斜視図である。 第2実施の形態に係る可動子の構成を示す斜視図である。 第2実施の形態に係る電機子の構成を示す斜視図である。 第2実施の形態に係るリニアモータの構成を示す斜視図である。 第2実施の形態に係る電機子における通電状態と起磁力とを示す断面図である。 第2実施の形態に係る電機子に用いるスペーサユニットを示す斜視図である。 第3実施の形態に係る可動子の全体構成を示す斜視図である。 第3実施の形態に係る可動子の部分構成を示す斜視図である。 第3実施の形態に係る可動子の部分構成の他の例を示す斜視図である。 第3実施の形態に係る電機子に使用する第1〜第4サブユニット及びスペーサユニットの構成を示す斜視図である。 第3実施の形態に係る電機子の構成を示す斜視図である。 第3実施の形態に係るリニアモータの構成を示す斜視図である。 第3実施の形態の変形例に係る電機子の第1〜第4サブユニット及びスペーサユニットの分割パターンを示す平面図である。 第3実施の形態の変形例に係る電機子の構成を示す斜視図である。 第3実施の形態の変形例に係る電機子の構成を示す斜視図である。 実施例1に係る電機子の作製に用いる電機子素材を示す平面図である。 実施例1に係るリニアモータの構成を示す平面図である。 実施例1に係るリニアモータにおける推力特性の測定結果を示すグラフである。 実施例2に係る電機子の作製に用いる電機子素材を示す平面図である。 実施例2に係るリニアモータの構成を示す平面図である。 実施例2に係るリニアモータにおける推力特性の測定結果を示すグラフである。 実施例3に係る電機子の作製に用いる電機子素材を示す平面図である。 実施例3に係る電機子の作製に用いる電機子素材を示す平面図である。 実施例3に係る電機子の作製に用いる電機子素材を示す平面図である。 実施例3に係るリニアモータの構成を示す平面図及び断面図である。 実施例3に係るリニアモータにおける推力特性の測定結果を示すグラフである。 実施例3に係るリニアモータにおける推力特性の測定結果を示すグラフである。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(第1実施の形態)
図1は、第1実施の形態に係る可動子の構成を示す斜視図である。第1実施の形態の可動子1は、2種類の平板状磁石2a,2bと、平板状の軟質磁性体3とを組み合わせた構成であり、平板状磁石2a、軟質磁性体3、平板状磁石2b、軟質磁性体3、…の順に交互に接着させた構成をなしている。
図1において、白抜矢符は各平板状磁石2a,2bの磁化方向を示している。平板状磁石2a,2bは何れも、重ね方向、つまり可動子1の移動方向(可動子1の長手方向)に磁化されているが、それらの磁化の向きは互いに180度異なる逆向きである。そして、これらの隣り合う平板状磁石2aと平板状磁石2bとの間には、平板状の軟質磁性体3が挿入されている。
軟質磁性体3は、平板状磁石2a,2bからの磁束の向きを可動子1の厚さ方向に変更する役目を担っている。そして、この可動子1では、長手方向(移動方向)に対して垂直な方向に磁束を発生させる磁気回路構成となっている。
図2A−Dは、第1実施の形態に係る電機子の構成を示す斜視図であって、図2A−Cはその部分構成図、図2Dはその全体構成図である。
電機子4は、図2Aに示す第1サブユニット5と、図2Bに示す第2サブユニット6とを交互に配列した構成を有している(図2C参照)。第1サブユニット5は、軟質磁性体にて形成されており、可動子1が貫通される開口部5aと、開口部5aの外側に配置された枠体としてのヨーク部5bと、ヨーク部5bから可動子1の厚み方向に開口部5aに向けて延在している2つのコア部5c,5cとを有する。2つのコア部5c,5cは、平面視で同一の矩形状をなしており、開口部5aを中心として180度離隔した位置に設けられている。
また、第2サブユニット6は、軟質磁性体にて形成されており、可動子1が貫通される開口部6aと、開口部6aの外側に配置された枠体としてのヨーク部6bと、ヨーク部6bから可動子1の幅方向に延在している2つのコア部6c,6cとを有する。各コア部6c,6cは、ヨーク部6b側の基端部が平面視で矩形状をなし、開口部6a側の先端部が平面視で中心に向かうにつれて幅狭となるテーパ状をなす四角形状をなしており、両コア部6c,6cの先端部同士はつながっている。
なお、第1サブユニット5、第2サブユニット6それぞれにおいてコア部の厚さをヨーク部の厚さより薄くして、両サブユニット5,6を重ね合わせた場合に、両サブユニット5,6のコア部同士が接触しないようにしている。そして、このような第1サブユニット5と第2サブユニット6とを、図2Cに示すように、交互に配列して重ねる。ここで、隣り合う第1サブユニット5及び第2サブユニット6において、それらのヨーク部5bとヨーク部6bとは接しているが、それらのコア部5cとコア部6cとは接しておらず、これらの間に空隙が存在していて磁気ショートを回避している。
第1サブユニット5と第2サブユニット6との共通の隙間部分7a,7bを貫通して第2サブユニット6における一方のコア部6c(図2B,Cの右側のコア部6c)に一括して捲き線8aを巻回するとともに、第1サブユニット5と第2サブユニット6との共通の隙間部分7c,7dを貫通して第2サブユニット6における他方のコア部6c(図2B,Cの左側のコア部6c)に一括して捲き線8bを巻回する。そして、捲き線8aと捲き線8bとの通電方向が逆になるように、両捲き線8a,8bを接続する(図2D参照)。図2Dにおける白抜矢符は、捲き線8a,捲き線8bでの通電方向を示している。
そして、上述した図1に示す可動子1を、図2Dに示す電機子4の開口部5a,6aが連なって形成される中空部9に貫通させることにより、第1実施の形態に係る単相駆動のリニアモータ(単相分のユニット)10が構成される。図3は第1実施の形態に係るリニアモータ10の構成を示す斜視図である。
第1実施の形態のリニアモータの場合には、電機子4が固定子として機能する。そして、捲き線8a,8bに逆方向に電流を流すことにより、電機子4の中空部9に貫通された可動子1が電機子4(固定子)に対して往復直線運動を行う。
図4は、第1実施の形態の電機子4における通電状態と起磁力とを示す断面図である。図4において、「●(紙面の裏から表への通流)」、「×(紙面の表から裏への通流)」は捲き線8a,捲き線8bへの通流方向を示しており、白抜矢符はコイル通電によってコア部5c,6cに印加される起磁力の向きを示している。第1実施の形態では、捲き線8a,捲き線8bに逆向きの電流を流すことにより、第1サブユニット5,第2サブユニット6の全てのコア部5c,6cに磁界が生じる。
なお、上述した例では、各サブユニットにおいて、コア部の厚さをヨーク部の厚さより薄くして、両サブユニットを重ね合わせた場合に、両サブユニットのコア部同士が接触しないようにしているが、隣り合う両サブユニットの間に、図5に示すような枠状のヨークのみからなる軟質磁性体製のスペーサユニット11を挿入することにより、各サブユニット全体を均一の厚さにしても、両サブユニットのコア部同士が接触しないように構成できる。
このような構成の電機子4では、第1サブユニット5、スペーサユニット11、第2サブユニット6、スペーサユニット11、…の順に重ね合わされる。この例では、コア部の厚さをヨーク部の厚さより薄くする必要がなくて余分な加工処理が不要であり、全体が均一の厚さであるサブユニットを利用できるため、作製処理の簡素化を図れる。
上述したような第1実施の形態における可動子は、板状であっても磁束の量が多くかつ軽量である。また、第1実施の形態における電機子は、磁極ピッチが小さくても捲き線構造が複雑にならず、また磁気飽和になりにくい。また、第1実施の形態におけるリニアモータは、磁気飽和を起こしにくい構造であるため、高速な応答性を実現できてモータの変換効率を高めて小型高出力化を図れる。
第1実施の形態の第2サブユニット6のコア部6cが、その中間から開口部6aに向けてテーパ状をなしているのは、第1サブユニット5のコア部5cと第2サブユニット6のコア部6cとが対向している部分の面積を少なくするためである。第1サブユニット5と第2サブユニット6とに対して共通の捲き線8a,8bで通電するため、図4にも示すように開口部5aの極性と開口部6aの極性とが逆になる。よって、空気層に発生する出力に寄与しない漏洩磁束(総磁束)はコア部の対向している面積に比例するため、コア部5cからコア部6cへの磁束の漏れ(わたり)を低減させるべく、コア部5cとコア部6cとの対向面積を少なくしている。
但し、その第2サブユニット6のコア部6cのヨーク部6b側の基端部にはテーパを形成せずに、その幅を広くしたままとしている。この理由は、この部分の幅が狭い場合には磁束の通路が狭くなって磁気飽和が起こり易いからである。第1実施の形態では、コア部6cのヨーク部6b側の基端部の幅を広く保って、この部分での磁気飽和の発生を抑制している。
なお、図示した例では直線状のテーパを形成しているが、形成するテーパは曲線状であっても良い。また、第2サブユニット6における空隙部(切欠き部)の平面視形状を図2Bに示したようにV字状としたが、U字状など、他の形状であっても良い。
上述した第1実施の形態では、第2サブユニット6のコア部6cに一括して捲き線8a,8bを施すようにしたが、第1サブユニット5のコア部5cに一括して捲き線を施すようにしても良い。また、第1サブユニット5のコア部5c及び第2サブユニット6のコア部6cの両方に捲き線を施すようにしても良い。
また、上述した第1実施の形態では、各5個ずつ計10個の平板状磁石2a,2bと10個の軟質磁性体3とを順次重ねる構成としたが、これは一例であって、その個数は任意の数であって良い。また、第1サブユニット5,第2サブユニット6を交互に2組配列することとしたが、これは一例であって、その組数は任意の数であって良い。
また、単相のリニアモータ(単相分のユニット)について説明したが、例えば3相駆動のリニアモータを構成する場合には、上記の電機子3個を、磁極ピッチ×(n+1/3)または磁極ピッチ×(n+2/3)(但し、nは整数)だけ間隔をあけて直線状に配置して、それらに可動子を貫通させるようにすれば良い。なお、この場合、捲き線が収まるスペースを考慮して整数nを設定すれば良い。
(第2実施の形態)
図6は、第2実施の形態に係る可動子の構成を示す斜視図である。第2実施の形態の可動子21は、2種類の平板状磁石22a,22bを交互に組み合わせた構成である。図6において、白抜矢符は各平板状磁石22a,22bの磁化方向を示している。平板状磁石22a,22bは何れも、厚さ方向に磁化されているが、それらの磁化の向きは互いに180度異なる逆向きである。なお、隣り合う平板状磁石22a,22bの間には、スペーサ(図示せず)が挿入されている。
図7A−Dは、第2実施の形態に係る電機子の構成を示す斜視図であって、図7A−Cはその部分構成図、図7Dはその全体構成図である。
電機子24は、図7Aに示す第1サブユニット25と、図7Bに示す第2サブユニット26とを交互に配列した構成を有している(図7C参照)。第1サブユニット25は、軟質磁性体にて形成されており、可動子21が貫通される開口部25aと、開口部25aの外側に配置された枠体としてのヨーク部25bと、ヨーク部25bの長手方向一側から可動子21の厚み方向に延設させた第1コア部25cと、ヨーク部25bの幅方向両側から可動子21の幅方向に延設させた第2コア部25d,25dとを有する。
第1コア部25cは、平面視で矩形状をなしている。各第2コア部25d,25dは、ヨーク部25b側の基端部がリブ25eを有する平面視で台形状をなし、開口部25a側の先端部が平面視で中心に向かうにつれて幅狭となるテーパ状をなす台形状をなしており、両第2コア部25d,25dの先端部同士はつながっている。
また、第2サブユニット26は、軟質磁性体にて形成されており、可動子21が貫通される開口部26aと、開口部26aの外側に配置された枠体としてのヨーク部26bと、ヨーク部26bの長手方向一側から可動子21の厚み方向に延設させた第1コア部26cと、ヨーク部26bの幅方向両側から可動子21の幅方向に延設させたリブ26eを有する第2コア部26d,26dとを有する。
この第2サブユニット26は、第1サブユニット25を180度回転させた構成、言い換えると第1サブユニット25の上下を倒立させた構成であり、その開口部26a、ヨーク部26b、第1コア部26c及び第2コア部26d,26dの平面視形状は、第1サブユニット25の開口部25a、ヨーク部25b、第1コア部25c及び第2コア部25d,25dを180度回転させた形状である。
なお、第1サブユニット25、第2サブユニット26それぞれにおいてコア部の厚さをヨーク部の厚さより薄くして、両サブユニット25,26を重ね合わせた場合に、両サブユニット25,26のコア部同士が接触しないようにしている。そして、このような第1サブユニット25と第2サブユニット26とを、図7Cに示すように、交互に配列して重ねる。ここで、隣り合う第1サブユニット25及び第2サブユニット26において、それらのヨーク部25bとヨーク部26bとは接しているが、それらの第1コア部25c及び第2コア部25dと第1コア部26c及び第2コア部26dとは接しておらず、これらの間に空隙が存在していて磁気ショートを回避している。
第1サブユニット25と第2サブユニット26との共通の隙間部分27a,27bを貫通して第1サブユニット25における一方の第2コア部25d及び第2サブユニット26における一方の第2コア部26d(図7A,Bの右側の第2コア部25d及び第2コア部26d)に一括して捲き線28aを巻回するとともに、第1サブユニット25と第2サブユニット26との共通の隙間部分27c,27dを貫通して第1サブユニット25における他方の第2コア部25d及び第2サブユニット26における他方の第2コア部26d(図7A,Bの左側の第2コア部25d及び第2コア部26d)に一括して捲き線28bを巻回する。捲き線28aと捲き線28bとの通電方向が逆になるように、両捲き線28a,28bを接続する(図7D参照)。図7Dにおける白抜矢符は、捲き線28a,捲き線28bでの通電方向を示している。
そして、上述した図6に示す可動子21を、図7Dに示す電機子24の開口部25a,26aが連なって形成される中空部29に貫通させることにより、第2実施の形態に係る単相駆動のリニアモータ(単相分のユニット)30が構成される。図8は第2実施の形態に係るリニアモータ30の構成を示す斜視図である。
第2実施の形態のリニアモータの場合には、電機子24が固定子として機能する。そして、捲き線28a,28bに逆方向に電流を流すことにより、電機子24の中空部29に貫通された可動子21が電機子24(固定子)に対して往復直線運動を行う。
図9A,Bは、第2実施の形態の電機子24(第1サブユニット25,第2サブユニット26)における通電状態と起磁力とを示す断面図である。図9A,Bにおいて、「●(紙面の裏から表への通流)」、「×(紙面の表から裏への通流)」は捲き線28a,捲き線28bへの通流方向を示しており、白抜矢符はコイル通電によって第1コア部25c,26c及び第2コア部25d,26dに印加される起磁力の向きを示している。
第2実施の形態では、図9A,Bに示すように、捲き線28a,捲き線28bに逆向きの電流を流した場合、第1サブユニット25には可動子21が貫通される開口部25aに可動子21の厚さ方向の上向きに磁界が発生し、第2サブユニット26には可動子21が貫通される開口部26aに可動子21の厚さ方向の下向きに磁界が発生する。よって、2つの捲き線28a,捲き線28bに通電することにより、第1サブユニット25及び第2サブユニット26の両方に起磁力が印加されるため、捲き線の構造を簡素化できる。
なお、上述した例では、各サブユニットにおいて、コア部の厚さをヨーク部の厚さより薄くして、両サブユニットを重ね合わせた場合に、両サブユニットのコア部同士が接触しないようにしているが、隣り合う両サブユニットの間に、図10に示すような枠状のヨークのみからなるスペーサユニット31を挿入することにより、各サブユニット全体を均一の厚さにしても、両サブユニットのコア部同士が接触しないように構成できる。
この構成の電機子24では、第1サブユニット25、スペーサユニット31、第2サブユニット26、スペーサユニット31、…の順に重ね合わされる。この例では、コア部の厚さをヨーク部の厚さより薄くする必要がなくて余分な加工処理が不要であり、全体が均一の厚さであるサブユニットを利用できるため、作製処理の簡素化を図れる。
上述したような第2実施の形態における可動子は、板状であっても磁束の量が多くかつ軽量である。また、第2実施の形態における電機子は、磁極ピッチが小さくても捲き線構造が複雑にならず、また磁気飽和になりにくい。また、第2実施の形態におけるリニアモータは、磁気飽和を起こしにくい構造であるため、高速な応答性を実現できてモータの変換効率を高めて小型高出力化を図れる。
第2実施の形態の第1サブユニット25の第2コア部25d及び第2サブユニット26の第2コア部26dがテーパ状をなしているのは、第1サブユニット25の第2コア部25dと第2サブユニット26の第1コア部26c、第2サブユニット26の第2コア部26dと第1サブユニット25の第1コア部25cとが対向している部分の面積を少なくするためである。空気層に発生する出力に寄与しない漏洩磁束(総磁束)はコア部の対向している面積に比例するため、第1コア部25c,26cから第2コア部25d,26dへの磁束の漏れ(わたり)を低減させるべく、上記の対向している部分の面積を少なくしている。
一方、第2コア部25d,26dのヨーク部25b,26b側の基端部にはリブ25e,26eを設けている。この理由は、この部分の幅が狭い場合には第1コア部25c,26cからヨーク部25b,26bに向かう磁束の通路が狭くなって磁気飽和が起こり易いからである。第2実施の形態では、リブ25e,26eを設けて、この部分での磁気飽和の発生を抑制している。
なお、図示した例では直線状のテーパを形成しているが、形成するテーパは曲線状であっても良い。また、第1サブユニット25、第2サブユニット26における空隙部(切欠き部)の平面視形状を図7A,Bに示したようにV字状としたが、U字状など、他の形状であっても良い。また、リブ25e,26eの形状も図示されているものに限定されない。
上述した第2実施の形態では、第1,第2サブユニット25,26の第2コア部25d,26dに一括して捲き線28a,28bを施すようにしたが、第1サブユニット25の第1コア部25c及び第2サブユニット26の第1コア部26cに一括して捲き線を施すようにしても良い。また、第1コア部25c,26c及び第2コア部25d,26dの両方に捲き線を施すようにしても良い。
上述した第2実施の形態では、各5個ずつ計10個の平板状磁石22a,22bを順次重ねる構成としたが、これは一例であって、その個数は任意の数であって良い。また、第1サブユニット25,第2サブユニット26を交互に2組配列することとしたが、これは一例であって、その組数は任意の数であって良い。
また、単相のリニアモータ(単相分のユニット)について説明したが、例えば3相駆動のリニアモータを構成する場合には、上記の電機子3個を、磁極ピッチ×(n+1/3)または磁極ピッチ×(n+2/3)(但し、nは整数)だけ間隔をあけて直線状に配置して、それらに可動子を貫通させるようにすれば良い。なお、この場合、捲き線が収まるスペースを考慮して整数nを設定すれば良い。
(第3実施の形態)
図11は、第3実施の形態に係る可動子の全体構成を示す斜視図である。第3実施の形態の可動子41は、非磁性体製の磁石保持スペーサ43の複数の孔に2種類の平板状磁石42a,42bを交互に配置し、磁石保持スペーサ43の幅方向両側にリニアガイドレール44,44を設けて構成されている。
図12A−Dは、この可動子41の部分構成を示す斜視図である。図12Aは、2種類の平板状磁石42a,42bの配置例を示しており、白抜矢符は各平板状磁石42a,42bの磁化方向を示している。平板状磁石42a,42bは何れも、厚さ方向に磁化されているが、それらの磁化の向きは互いに180度異なる逆向きである。
図12Bは、磁石保持スペーサ43を示している。磁石保持スペーサ43は、全体として偏平な直方体状をなしており、磁石保持スペーサ43の幅方向に長寸をなす矩形状の複数の孔43aが磁石保持スペーサ43の長手方向に並設されている。ここで、磁石保持スペーサ43の幅方向両側の長手方向に延在する側枠43b,43bの対向方向と、孔43aの長手方向とは一致しておらず、数度程度ずれている。この孔43aの深さは平板状磁石42a,42bの厚さに等しく、また、この孔43aの数は平板状磁石42a,42bの合計個数に等しい。
そして、磁石保持スペーサ43の各孔43aの壁面に接着剤を塗布しておき、平板状磁石42a,42bを交互に孔43aに嵌め込んで接着固定する(図12C参照)。なお、これとは異なり、平板状磁石42a,42bを交互に孔43aに配置し、その配置箇所に注射器などで接着剤を注入して接着固定するようにしても良い。
図12Dは、リニアガイドレール44,44を示している。各リニアガイドレール44は、全体として長尺の円柱状をなしており、その周面の一部にその長手方向全域にわたる切欠き44aが形成されている。そして、両リニアガイドレール44,44の切欠き44a,44aに、平板状磁石42a,42bが嵌め込まれた磁石保持スペーサ43の側枠43b,43bを嵌入させることにより、図11に示すような可動子41を作製する。
なお、磁石保持スペーサ43の側枠43b,43bをリニアガイドレール44,44の切欠き44a,44aに嵌入させた後に(図13参照)、平板状磁石42a,42bを交互に孔43aに接着固定するようにしても良い。
図14A−E,図15A,Bは、第3実施の形態に係る電機子の構成を示す図であって、図14A−Eは第3実施の形態の電機子54に使用する第1〜第4サブユニット及びスペーサユニットの構成を示す図であり、図15Aは電機子54の部分構成図、図15Bは電機子54の全体構成図である。
図14Aに示す第1サブユニット55は、軟質磁性体にて形成されており、可動子41が貫通される開口部55aと、開口部55aの外側に配置された枠体としてのヨーク部55bと、ヨーク部55bから可動子41の厚み方向一側に延設させたコア部55cとを有する。コア部55cは、ヨーク部55b側の基端部が平面視で矩形状をなし、開口部55a側の先端部が平面視で中心に向かうにつれて幅広となる台形状をなしている。
図14Bに示す第2サブユニット56は、軟質磁性体にて形成されており、可動子41が貫通される開口部56aと、開口部56aの外側に配置された枠体としてのヨーク部56bと、ヨーク部56bから可動子41の厚み方向一側に延設させた補助コア部56cと、ヨーク部56bから可動子41の厚み方向他側に延設させたコア部56dとを有する。コア部56dは、前記コア部55cと同形状であり、ヨーク部56b側の基端部が平面視で矩形状をなし、開口部56a側の先端部が平面視で中心に向かうにつれて幅広となる台形状をなしている。補助コア部56cは、コア部56dに比べて寸法が短く、ヨーク部56b側の基端部が平面視で矩形状をなし、開口部56a側の先端部が平面視で中心に向かうにつれて幅狭となる三角形状をなしている。
図14Cに示す第3サブユニット57は、軟質磁性体にて形成されており、可動子41が貫通される開口部57aと、開口部57aの外側に配置された枠体としてのヨーク部57bと、ヨーク部57bから可動子41の厚み方向一側に延設させたコア部57cと、ヨーク部57bから可動子41の厚み方向他側に延設させた補助コア部57dとを有する。コア部57cは、前記コア部55cと同形状であり、ヨーク部57b側の基端部が平面視で矩形状をなし、開口部57a側の先端部が平面視で中心に向かうにつれて幅広となる台形状をなしている。補助コア部57dは、コア部57cに比べて寸法が短く、ヨーク部57b側の基端部が平面視で矩形状をなし、開口部57a側の先端部が平面視で中心に向かうにつれて幅狭となる三角形状をなしている。この第3サブユニット57は、第2サブユニット56を180度回転させた構成である。
図14Dに示す第4サブユニット58は、軟質磁性体にて形成されており、可動子41が貫通される開口部58aと、開口部58aの外側に配置された枠体としてのヨーク部58bと、ヨーク部58bから可動子41の厚み方向他側に延設させたコア部58cとを有する。コア部58cは、前記コア部55cと同形状であり、コア部58cは、ヨーク部58b側の基端部が平面視で矩形状をなし、開口部58a側の先端部が平面視で中心に向かうにつれて幅広となる台形状をなしている。この第4サブユニット58は、第1サブユニット55を180度回転させた構成である。
図14Eに示すスペーサユニット59は、軟質磁性体にて形成されており、可動子41が貫通される開口部59aと、開口部59aの外側に配置された枠体としてのヨーク部59bと、ヨーク部59bから可動子41の厚み方向両側に延設させた補助コア部59c,59dとを有する。補助コア部59c,59dは、前記補助コア部56c及び補助コア部57dと同形状であり、ヨーク部59b側の基端部が平面視で矩形状をなし、開口部59a側の先端部が平面視で中心に向かうにつれて幅狭となる三角形状をなしている。
第3実施の形態に係る電機子54は、第1サブユニット55、スペーサユニット59、第2サブユニット56、スペーサユニット59、第3サブユニット57、スペーサユニット59、第4サブユニット58をこの順に積層した構成を有している(図15A参照)。
第1サブユニット55のコア部55c、第2サブユニット56の補助コア部56c、第3サブユニット57のコア部57c、及び、スペーサユニット59の可動子41の厚み方向一側の補助コア部59cに一括して捲き線60aを巻回するとともに、第2サブユニット56のコア部56d、第3サブユニット57の補助コア部57d、第4サブユニット58のコア部58c、及び、スペーサユニット59の可動子41の厚み方向他側の補助コア部59dに一括して捲き線60bを巻回することにより、電機子54は構成される(図15B参照)。捲き線60aと捲き線60bとの通電方向が逆になるように、両捲き線60a,60bを接続する。図15Bにおける白抜矢符は、捲き線60a,捲き線60bでの通電方向を示している。
そして、上述した図11に示す可動子41を、図15Bに示す電機子54の各ユニットの開口部が連なって形成される中空部61に貫通させることにより、第3実施の形態に係る単相駆動のリニアモータ(単相分のユニット)70が構成される。図16は第3実施の形態に係るリニアモータ70の構成を示す斜視図である。
第3実施の形態のリニアモータ70の場合には、電機子54が固定子として機能する。そして、捲き線60a,60bに逆方向に電流を流すことにより、電機子54の中空部61に貫通された可動子41が電機子54(固定子)に対して往復直線運動を行う。
第3実施の形態のリニアモータ70(可動子41)では、磁性体製のリニアガイドレール44により、複数の平板状磁石42a,42bを格納した磁石保持スペーサ43を横方向から押えて支持している。よって、可動子41に高い機械的強度を持たせて、剛性を高めることができる。磁性体は、一般的に曲げ強度が弱く、たわみ振動、共振振動などの振動が発生し易い。しかしながら、第3実施の形態では、リニアガイドレール44を設けているため、ストロークが長くなっても、これらのたわみ振動、共振振動などの振動を抑えることができる。したがって、高速移動させても大きな振動は生じず、がたつきがない安定した高速直線移動を実現できる。
ところで、リニアガイドレール44の材質として磁性材を使用した場合に、その磁性材によって磁束が漏れてリニアモータの推力が低下することが懸念される。しかしながら、第3実施の形態では、以下の理由によって、この懸念は解消されている。第3実施の形態の電機子54では、上述した如きコア構成をなすようにしたので、各リニアガイドレール44の周囲はすべて同極となる。つまり、一方のリニアガイドレール44の周りがすべてN極となって、他方のリニアガイドレールの周りもすべてN極となる。したがって、各リニアガイドレール44において磁気ポテンシャルの差がないため、リニアガイドレール44を貫通する磁束はなく、この結果、リニアガイドレール44を介して磁束が漏れることがなくて、推力の低下は生じない。第3実施の形態では、強度向上に貢献できる安価なステンレスなどの磁性材をリニアガイドレール44に利用することができる。
また、第3実施の形態の可動子41では、平板状磁石42a,42bの長手方向が、リニアガイドレール44,44の対向方向に対して、数度程度スキューしている。よって、一定速度で可動子41を動かした場合に、ぎくしゃくした動き(コギング)を小さくすることができて、滑らかな高速直線運動を実現できる。
第3実施の形態にあっては、リニアガイドレール44,44が電機子54を貫通するため、そのリニアガイドレール44,44を貫通させるための通路を、電機子54を構成する各サブユニットに設ける必要があり、各サブユニットのコア機能をなす側部の面積が第2実施の形態に比べて減少する。そして、捲き線60a,60bが巻回されるコア部分が薄い場合には、磁気飽和が起こり易い。そこで、第3実施の形態では、スペーサユニット59に補助コア部59c,59dを設けて、同極のコアのすき間も出来るだけ埋めて磁束の経路の断面積を増加させて磁束を稼ぐように構成して、このような磁気飽和が生じないようにしている。
第3実施の形態の電機子54のコア構成ではその両端に、補助コア部を有さない第1サブユニット55、第4サブユニット58をそれぞれ配置しているため、捲き線60a、捲き線60bの捲きスペースを小さくできる。よって、3相構成とした場合に、その全長を短くすることが可能である。
以下、第3実施の形態の変形例について説明する。この変形例では、第1サブユニット55、第2サブユニット56、第3サブユニット57、第4サブユニット58、及びスペーサユニット59が、可動子41の厚み方向の同じ位置でそれぞれ3つの部材に分割されている。
図17A−Eは、これらの第1〜第4サブユニット55〜58及びスペーサユニット59の分割パターンを示す図である。図17A,B,C,D,Eは、第1サブユニット55、第2サブユニット56、第3サブユニット57、第4サブユニット58、スペーサユニット59のそれぞれの分割パターンを示している。これらの各ユニットはヨーク部の同じ位置で分割されている。
第1サブユニット55は、図17Aに示すように、コア部55cを含む上側の第1部材551と、中央の第2部材552と、下側の第3部材553とに分割されている。第2サブユニット56は、図17Bに示すように、補助コア部56cを含む上側の第1部材561と、中央の第2部材562と、コア部56dを含む下側の第3部材563とに分割されている。第3サブユニット57は、図17Cに示すように、コア部57cを含む上側の第1部材571と、中央の第2部材572と、補助コア部57dを含む下側の第3部材573とに分割されている。第4サブユニット58は、図17Dに示すように、上側の第1部材581と、中央の第2部材582と、コア部58cを含む下側の第3部材583とに分割されている。スペーサユニット59は、図17Eに示すように、補助コア部59cを含む上側の第1部材591と、中央の第2部材592と、補助コア部59dを含む下側の593とに分割されている。
そして、第1サブユニット55の第1部材551、スペーサユニット59の第1部材591、第2サブユニット56の第1部材561、スペーサユニット59の第1部材591、第3サブユニット57の第1部材571、スペーサユニット59の第1部材591、及び第4サブユニット58の第1部材581をこの順に積層させて、図18Aに示すような上側の第1中間体71を得る。
また、第1サブユニット55の第2部材552、スペーサユニット59の第2部材592、第2サブユニット56の第2部材562、スペーサユニット59の第2部材592、第3サブユニット57の第2部材572、スペーサユニット59の第2部材592、及び第4サブユニット58の第2部材582をこの順に積層させて、図18Bに示すような中央の第2中間体72を得る。
また、第1サブユニット55の第3部材553、スペーサユニット59の第3部材593、第2サブユニット56の第3部材563、スペーサユニット59の第3部材593、第3サブユニット57の第3部材573、スペーサユニット59の第3部材593、及び第4サブユニット58の第3部材583をこの順に積層させて、図18Cに示すような下側の第3中間体73を得る。
そして、図19A,Bに示すように、第1中間体71のコア部及び補助コア部に一括して捲き線60aを巻回するとともに、第3中間体73のコア部及び補助コア部に一括して捲き線60bを巻回する。その後、第1中間体71、第2中間体72、及び第3中間体73を組み付けて、図15Bに示すような電機子54を作製する。
この変形例では、第1〜第4サブユニット55〜58及びスペーサユニット59が分割されている。よって、分割した状態でそれぞれ捲き線60a,捲き線60bを施すことができ、その捲き線処理は容易であって、電機子54を簡単に作製することが可能である。このような変形例にあっては、磁気ポテンシャルが同じであるので、分割したとしても、磁束の漏れは少ないため、推力特性に悪影響を及ぼさない。
なお、単相のリニアモータ(単相分のユニット)について説明したが、例えば3相駆動のリニアモータを構成する場合には、上記の3個の電機子54を、磁極ピッチ×(n+1/3)または磁極ピッチ×(n+2/3)(但し、nは整数)だけ間隔をあけて直線状に配置して、それらに可動子41を貫通させるようにすれば良い。この際、各電機子54のユニットに設けられた孔にビスを貫通させて、3個の電機子54を連結固定する。なお、この場合、捲き線が収まるスペースを考慮して整数nを設定すれば良い。
(実施例)
以下、本発明者が作製したリニアモータの具体的な構成と、作製したリニアモータの特性とについて説明する。
(実施例1)
この実施例1は、前述した第1実施の形態に該当する例である。まず、リニアモータに用いる板状の可動子1として、図1に示すような形状の永久磁石を含んだ可動子を作製した。使用する平板状磁石2a,2bは、Nd−Fe−B系焼結磁石であって、最大エネルギー積:370kJ/m3 、残留磁束密度:Br=1.4Tのものを、長さ50mm,幅4mm,厚さ6mmの形状に切り出した。また、軟質磁性体3(ポールピース)として、軟鋼(SPCC製)で長さ50mm,幅8mm,厚さ6mmの形状のものを切削にて作製した。
そして、これらの磁石31個と軟質磁性体30個とを準備し、平板状磁石2a、軟質磁性体3、平板状磁石2b、軟質磁性体3、…の順に交互にエポキシ接着剤にて接着して、長さ364mm,幅50mm,厚さ6mmの板状の可動子1を作製した。平板状磁石2a、平板状磁石2bの磁化方向は接着した軟質磁性体3の方向に向いているが、その方向は互いに逆方向である(図1の白抜矢符参照)。軟質磁性体3は、平板状磁石2a,2bのS極同士、N極同士を合わせるようにして、平板状磁石2a,2b間に挿入した。
次に、電機子4を作製した。図20Aに示すような形状をなす電機子素材を0.5mm厚さの珪素鋼板から16枚切り出し、切り出したこれらの16枚を重ねて接着し、厚さ8mmの第1サブユニット5を作製した(図2A参照)。また、図20Bに示すような形状をなす電機子素材を0.5mm厚さの珪素鋼板から16枚切り出し、切り出したこれらの16枚を重ねて接着し、厚さ8mmの第2サブユニット6を作製した(図2B参照)。また、図20Cに示すような形状をなす電機子素材を0.5mm厚さの珪素鋼板から8枚切り出し、切り出したこれらの8枚を重ねて接着し、厚さ4mmのスペーサユニット11を作製した(図5参照)。
このようにして作製した各ユニットを、第1サブユニット5、スペーサユニット11、第2サブユニット6、スペーサユニット11、第1サブユニット5、スペーサユニット11、第2サブユニット6の順に重ね合わせて、単相分のユニットを構成した(図2C参照、但しスペーサユニット11は図示せず)。この単相分のユニットの厚さは44mmである。また、磁極ピッチは12mm(=8mm+4mm)である。
この単相分のユニットに対して、駆動コイルの捲き線8a,捲き線8bとして、四隅の隙間部分に、絶縁確保のため電機子コアの捲き線を施す部分にポリイミドテープを捲き、その上に直径1.2mmのマグネットワイアを貫通させながら2箇所に100回づつ捲きつけた(図2D参照)。そして、通電した場合に電流の向きが逆になるように直列に結線を行った。
このようにして作製した電機子4を3個準備し、その3個の電機子4をそれぞれ28mm(=12mm×(2+1/3))だけ間隔をあけて直線状に並べ、中央の中空部に可動子1を挿入し(図3参照)、可動子1が電機子4に接触することなく長手方向に移動できるように、テストベンチに固定した。図21A,Bに、作製したリニアモータ10の構成を示す。
3個の電機子4に捲かれている一対の駆動コイルの一端をつなぎ合わせ、他端に3相電源U,V,W相を接続するスター結線にして、モータコントローラに接続した。また、可動子1先端部分に光学式リニアスケールを接着し、テストベンチ固定側にリニアエンコーダを取り付けて、可動子1の位置を読み取るようにした。また、リニアエンコーダで検出したこの位置信号を上記モータコントローラに出力して可動子1の位置を制御する構成とした。
このように接続した後、駆動コイルに印加する駆動電流を変えて可動子1の推力を測定した。この際、フォースゲージを可動子1に押し付ける方法で推力を測定した。その測定結果を図22に示す。図22の横軸は、電機子1相当たりの駆動電流の実効値×コイルの捲き数である。
図22に示すように、最大推力は450Nを上回っており、可動子の質量が0.9kgであったため、推力/可動子質量比は500N/kgとなった。最大推力が500Nである従来のリニアモータでは、その可動子の質量が2.5kg程度であるため、その推力/可動子質量比は200N/kg程度である。したがって、本発明のリニアモータでは、従来のリニアモータに比べて、同一の推力を得るために可動子の質量を2/5程度まで低減することができる。このように、本発明では、加工機などでの高速処理に非常に効果があるリニアモータを提供することができる。
(実施例2)
この実施例2は、前述した第2実施の形態に該当する例である。まず、リニアモータに用いる板状の可動子21を以下のようにして作製した。長さ50mm,幅10mm,厚さ5mmの30個のNd−Fe−B系希土類磁石(残留磁束密度:Br=1.4T、最大エネルギー積:380kJ/m3 )からなる平板状磁石22a,22bを、図6に示すように、磁化方向が厚さ方向で上下交互になるように配置した。また、隣り合う磁石と磁石との間に、長さ50mm,幅2mm,厚さ5mmのアルミニウム製のスペーサを1個ずつ挿入して磁石と接着させて、可動子を組み立てた。
作製した可動子21は、30個の平板状磁石22a,22bと29個のスペーサ(図示せず)とから構成されており、そのサイズは長さ358mm,幅50mm,厚さ5mmである。
次に、電機子24を作製した。図23Aに示すような形状をなす電機子素材を0.5mm厚さの珪素鋼板からワイアーカットにて20枚切り出し、切り出したこれらの20枚を重ねて接着し、厚さ10mmの第1サブユニット25及び第2サブユニット26を作製した(図7A,B参照)。また、図23Bに示すような形状をなす電機子素材を0.5mm厚さの珪素鋼板から4枚切り出し、切り出したこれらの4枚を重ねて接着し、厚さ2mmのスペーサユニット31を作製した(図10参照)。
第1サブユニット25と第2サブユニット26とは、上下を倒立させた関係をなしているだけであり、何れか一方を180度回転させれば他方の形状に一致する。よって、実施例1とは異なり、同一の金型を用いて第1サブユニット25及び第2サブユニット26を作製できる。
このようにして作製した各ユニットを、第1サブユニット25、スペーサユニット31、第2サブユニット26、スペーサユニット31、第1サブユニット25、スペーサユニット31、第2サブユニット26の順に重ね合わせて、単相分のユニットを構成した(図7C参照、但しスペーサユニット31は図示せず)。この単相分のユニットの厚さは46mmである。また、磁極ピッチは12mm(=10mm+2mm)である。
この単相分のユニットに対して、駆動コイルの捲き線28a,捲き線28bとして、四隅の隙間部分に、絶縁確保のためのポリイミドテープを捲いた直径1.2mmのマグネットワイアを貫通させながら2箇所に100回づつ捲きつけた(図7D参照)。そして、通電した場合に電流の向きが逆になるように直列に結線を行った。
このようにして作製した電機子24を3個準備し、その3個の電機子24をそれぞれ28mm(=12mm×(2+1/3))だけ間隔をあけて直線状に並べ、中央の中空部に可動子21を挿入し(図8参照)、可動子21が電機子24に接触することなく長手方向に移動できるように、テストベンチに固定した。図24に、作製したリニアモータ30の構成を示す。
3個の電機子24に捲かれている一対の駆動コイルの一端をつなぎ合わせ、他端に3相電源U,V,W相を接続するスター結線にして、モータコントローラに接続した。また、可動子21先端部分に光学式リニアスケールを接着し、テストベンチ固定側にリニアエンコーダを取り付けて、可動子21の位置を読み取るようにした。また、リニアエンコーダで検出したこの位置信号を上記モータコントローラに出力して可動子21の位置を制御する構成とした。
このように接続した後、駆動コイルに印加する駆動電流を変えて可動子21の推力を測定した。この際、フォースゲージを可動子21に押し付ける方法で推力を測定した。その測定結果を図25に示す。図25の横軸は、電機子1相当たりの駆動電流の実効値×コイルの捲き数である。
図25に示すように、最大推力は750Nを実現できており、可動子の質量が0.7kgであったため、推力/可動子質量比は1070N/kgとなった。このリニアモータ30では、200N/kg程度である従来のリニアモータに比べて、5倍以上の大きい推力/可動子質量比が得られている。したがって、本発明のリニアモータでは、従来のリニアモータに比べて、同一の推力を得るために可動子の質量を1/5程度まで低減することができる。このように、本発明では、加工機などでの高速処理に非常に効果があるリニアモータを提供することができる。
実施例2では、実施例1に比べてより大きい推力が得られている。但し、実施例1(第1実施の形態)は、実施例2(第2実施の形態)に比べてより薄型化を図れる。よって、リニアモータの使用用途、使用目的に応じて、何れかの構成を選択すれば良い。
(実施例3)
この実施例3は、前述した第3実施の形態の変形例に該当する例である。まず、リニアモータに用いる板状の可動子41を以下のようにして作製した。長さ38mm,幅8mm,厚さ4.5mmの10個のNd−Fe−B系希土類磁石(残留磁束密度:Br=1.39T)からなる平板状磁石42a,42bを、図12に示すように、磁化方向が厚さ方向で上下交互になるように,磁石保持スペーサ43の孔43aに配置して接着固定した。平板状磁石42a,42bのスキュー角は8°とした。そして、SUS430からなる直径12mmの円柱状のリニアガイドレール44,44の切欠き44a,44aに、磁石保持スペーサ43の側枠43b,43bを嵌入させることにより、可動子41を作製した。
次に、電機子54を作製した。図14A及びDに示すような平面形状をなす電機子素材を0.5mm厚さの珪素鋼板からワイアーカットにて16枚切り出し、切り出したこれらの16枚を重ねて接着した後(厚さ8mm)、3分割して、第1サブユニット55及び第4サブユニット58における3種類の分離部材を得た(図17A及びD参照)。具体的な寸法、形状の例を図26に示す。図26の(x,y)は、中心の座標を(0,0)とした場合の各点の座標位置 (長さの単位:mm)を表している。第1サブユニット55と第4サブユニット58とは、前述したように、上下を倒立させた関係をなしているだけであって、何れか一方を180度回転させれば他方の形状に一致するため、同一の金型を用いて第1サブユニット55及び第4サブユニット58を作製できる。
また、図14B及びCに示すような平面形状をなす電機子素材を0.5mm厚さの珪素鋼板からワイアーカットにて16枚切り出し、切り出したこれらの16枚を重ねて接着した後(厚さ8mm)、3分割して、第2サブユニット56及び第3サブユニット57における3種類の分離部材を得た(図17B及びC参照)。具体的な寸法、形状の例を図27に示す。図27の(x,y)は、中心の座標を(0,0)とした場合の各点の座標位置 (長さの単位:mm)を表している。第2サブユニット56と第3サブユニット57とは、前述したように、上下を倒立させた関係をなしているだけであって、何れか一方を180度回転させれば他方の形状に一致するため、同一の金型を用いて第2サブユニット56及び第3サブユニット57を作製できる。
更に、図14Eに示すような平面形状をなす電機子素材を0.5mm厚さの珪素鋼板からワイアーカットにて8枚切り出し、切り出したこれらの8枚を重ねて接着した後(厚さ4mm)、3分割して、スペ−サユニット59における3種類の分離部材を得た(図17E参照)。具体的な寸法、形状の例を図28に示す。図28の(x,y)は、中心の座標を(0,0)とした場合の各点の座標位置 (長さの単位:mm)を表している。
各ユニットの第1部材を積層させて第1中間体71を構成し(図18A参照)、各ユニットの第2部材を積層させて第2中間体72を構成し(図18B参照)、各ユニットの第3部材を積層させて第3中間体73を構成した(図18C参照)。これらの第1〜第3中間体71〜73の厚さは44mm(=8mm×4+4mm×3)である。また、磁極ピッチは12mm(=10mm+2mm)である。
駆動コイルの捲き線60aとして、絶縁確保のためのポリイミドテープを捲いた直径1.2mmのマグネットワイアを、第1中間体71のコア部及び補助コア部に一括して100回捲きつけるとともに、駆動コイルの捲き線60bとして、同じマグネットワイアを、第3中間体73のコア部及び補助コア部に一括して100回捲きつけた(図19A,B参照)。そして、通電した場合に電流の向きが逆になるように直列に結線を行った。これらの第1中間体71、第2中間体72、及び第3中間体73を組み付けて、電機子54を作製した(図15B参照)。
このようにして作製した電機子54を3個準備し、その3個の電機子54をそれぞれ28mm(=12mm×(2+1/3))だけ間隔をあけて直線状に並べ、中央の中空部に可動子41を挿入し(図16参照)、可動子41が電機子54に接触することなく長手方向に移動できるように、テストベンチに固定した。
作製したリニアモータ70の寸法、形状の単相分の例を図29に示す。電機子54の中空部の寸法は6.6mmであって、平板状磁石42a,42bの厚さが4.5mmであるため、電機子54のコアと可動子41の磁石との距離は1.05mm(=(6.6−4.5)mm÷2)となる。また、電機子54において、駆動コイルとコアとの距離は2mmである。
3個の電機子54に捲かれている一対の駆動コイルの一端をつなぎ合わせ、他端に3相電源U,V,W相を接続するスター結線にして、モータコントローラに接続した。また、可動子41先端部分に光学式リニアスケールを接着し、テストベンチ固定側にリニアエンコーダを取り付けて、可動子41の位置を読み取るようにした。また、リニアエンコーダで検出したこの位置信号を上記モータコントローラに出力して可動子41の位置を制御する構成とした。
このように接続した後、電流を流さないで、リニアガイドレール44を手で動かした場合の可動子41の推力を測定した。この際、フォースゲージを可動子41に押し付ける方法で推力を測定した。その測定結果を図30に示す。位相角に応じて推力は±2.3Nしか変動しておらず、可動子41が滑らかに移動できることを確認できた。
また、駆動コイルに印加する駆動電流を変えて可動子41の推力を測定した。この際、フォースゲージを可動子41に押し付ける方法で推力を測定した。その測定結果を図31に示す。図31の横軸は、電機子1相当たりの駆動電流の実効値×コイルの捲き数である。図31に示すように、駆動電流に比例した推力が得られている。駆動電流を大きくしていった場合にはコアが飽和していくため、推力電流比は低下することになるが、図31に示す例では、推力320Nまで1dB(11%)未満の低下率に抑えられている。
なお、第1実施の形態、第2実施の形態の可動子でも、磁石の形状が可動子長手方向に対してスキューすることで、コギングを小さくでき、滑らかな高速直線運動を実現できる。
1,21,41 可動子
2a,2b,22a,22b,42a,42b 平板状磁石
3 軟質磁性体
4,24,54 電機子
5,25,55 第1サブユニット
6,26,56 第2サブユニット
5a,6a,25a,26a,55a,56a,57a,58a,59a 開口部
5b,6b,25b,26b,55b,56b,57b,58b,59b ヨーク部
5c,6c,55c,56d,57c,58c コア部
7a,7b,7c,7d,27a,27b,27c,27d 隙間部分
8a,8b,28a,28b,60a,60b 捲き線
9,29,61 中空部
10,30,70 リニアモータ
11,31,59 スペーサユニット
25c,26c 第1コア部
25d,26d 第2コア部
25e,26e リブ
43 磁石保持スペーサ
43a 孔
43b 側枠
44 リニアガイドレール
57 第3サブユニット
58 第4サブユニット
56c,57d,59c,59d 補助コア部
551,561,571,581,591 第1部材
552,562,572,582,592 第2部材
553,563,573,583,593 第3部材
71 第1中間体
72 第2中間体
73 第3中間体

Claims (11)

  1. 板状の可動子が貫通されるリニアモータの電機子において、
    前記可動子が貫通される開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向に延設させたコア部とを有する軟質磁性体製の第1サブユニット、及び、前記可動子が貫通される開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の幅方向に延設させたコア部とを有する軟質磁性体製の第2サブユニットを交互に重ねてなり、前記第1サブユニットの複数のコア部及び/または前記第2サブユニットの複数のコア部に捲き線を施してあることを特徴とする電機子。
  2. 前記第2サブユニットの前記コア部は、その中間から前記開口部に向かってテーパ状をなしていることを特徴とする請求項記載の電機子。
  3. 重なり合う前記第1サブユニットと前記第2サブユニットとの間に、コア部同士が接触しないように軟質磁性体製のスペーサを挟んでいることを特徴とする請求項または記載の電機子。
  4. 板状磁石と板状の軟質磁性体とを交互に重ねており、前記板状磁石は、重ね方向の可動子の長手方向に磁化した板状磁石と重ね方向の前記長手方向とは逆の方向に磁化した板状磁石とが交互に配されている可動子を、
    矩形状の開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向に延設させたコア部とを有する軟質磁性体製の第1サブユニット、及び、矩形状の開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の幅方向に延設させたコア部とを有する軟質磁性体製の第2サブユニットを交互に重ねてなり、前記第1サブユニットの複数のコア部及び/または前記第2サブユニットの複数のコア部に捲き線を施してある電機子の前記第1サブユニットの開口部及び前記第2サブユニットの開口部に貫通させてあることを特徴とするリニアモータ。
  5. 板状の可動子が貫通されるリニアモータの電機子において、
    前記可動子が貫通される開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向一側に延設させた第1コア部及び前記可動子の幅方向に延設させた第2コア部とを有する軟質磁性体製の第1サブユニット、並びに、前記可動子が貫通される開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、前記第1サブユニットの第1コア部及び第2コア部と対称の位置に設けられ、前記ヨーク部から延設させた第1コア部及び第2コア部とを有する軟質磁性体製の第2サブユニットを交互に重ねてなり、前記第1サブユニット及び前記第2サブユニットの複数の第2コア部並びに/または前記第1サブユニット及び前記第2サブユニットの複数の第1コア部に捲き線を施してあることを特徴とする電機子。
  6. 前記第1サブユニット及び前記第2サブユニットの第2コア部は、その中間から前記開口部に向かってテーパ状をなしており、その前記ヨーク部側にリブを有していることを特徴とする請求項記載の電機子。
  7. 重なり合う前記第1サブユニットと前記第2サブユニットとの間に、前記第1サブユニットの第1コア部または第2コア部と前記第2サブユニットの第1コア部または第2コア部とが接触しないように軟質磁性体製のスペーサを挟んでいることを特徴とする請求項または記載の電機子。
  8. 厚さ方向に磁化した複数の板状磁石を有しており、前記板状磁石は、厚さ方向の一方向に磁化した板状磁石と厚さ方向の前記一方向とは逆の方向に磁化した板状磁石とが交互に配されている可動子を、
    矩形状の開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向一側に延設させた第1コア部及び前記可動子の幅方向に延設させた第2コア部とを有する軟質磁性体製の第1サブユニット、並びに、矩形状の開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、前記第1サブユニットの第1コア部及び第2コア部と対称の位置に設けられ、該ヨーク部から延設させた第1コア部及び第2コア部とを有する軟質磁性体製の第2サブユニットを交互に重ねてなり、前記第1サブユニット及び前記第2サブユニットの複数の第2コア部並びに/または前記第1サブユニット及び前記第2サブユニットの複数の第1コア部に捲き線を施してある電機子の前記第1サブユニットの開口部及び前記第2サブユニットの開口部に貫通させてあることを特徴とするリニアモータ。
  9. 板状の可動子が貫通されるリニアモータの電機子において、
    前記可動子が貫通される開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向一側に延設させたコア部とを有する軟質磁性体製の第1サブユニット、
    前記可動子が貫通される開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向一側に延設させた補助コア部と、前記ヨーク部から前記可動子の厚み方向他側に延設させたコア部とを有する軟質磁性体製の第2サブユニット、
    前記可動子が貫通される開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向一側に延設させたコア部と、前記ヨーク部から前記可動子の厚み方向他側に延設させた補助コア部とを有する軟質磁性体製の第3サブユニット、及び、前記可動子が貫通される開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向他側に延設させたコア部とを有する軟質磁性体製の第4サブユニット
    がこの順に重ねられ、
    前記可動子が貫通される開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向両側に延設させた補助コア部とを有する軟質磁性体製のスペーサユニットを、前記第1サブユニット及び前記第2サブユニットの間、前記第2サブユニット及び前記第3サブユニットの間、並びに、前記第3サブユニット及び前記第4サブユニットの間にそれぞれ設けており、
    前記第1サブユニットのコア部、前記第2サブユニットの補助コア部、前記第3サブユニットのコア部、及び、前記スペーサユニットの前記可動子の厚み方向一側の補助コア部に一括して捲き線を施してあり、前記第2サブユニットのコア部、前記第3サブユニットの補助コア部、前記第4サブユニットのコア部、及び、前記スペーサユニットの前記可動子の厚み方向他側の補助コア部に一括して捲き線を施してあることを特徴とする電機子。
  10. 前記第1サブユニット、前記第2サブユニット、前記第3サブユニット、前記第4サブユニット、及び前記スペーサユニットはそれぞれ、前記可動子の厚み方向に同じ位置で分割されていることを特徴とする請求項記載の電機子。
  11. 厚さ方向に磁化した複数の板状磁石それぞれが、非磁性体製の矩形状の磁石保持スペーサに並列的に形成した複数の孔それぞれに、厚さ方向の一方向に磁化した板状磁石と厚さ方向の前記一方向とは逆の方向に磁化した板状磁石とが交互になるように配置されており、前記磁石保持スペーサの幅方向両側で長手方向に延びる枠体にリニアガイドレールを設けてある可動子を、
    矩形状の開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向一側に延設させたコア部とを有する軟質磁性体製の第1サブユニット、矩形状の開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向一側に延設させた補助コア部と、前記ヨーク部から前記可動子の厚み方向他側に延設させたコア部とを有する軟質磁性体製の第2サブユニット、矩形状の開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向一側に延設させたコア部と、前記ヨーク部から前記可動子の厚み方向他側に延設させた補助コア部とを有する軟質磁性体製の第3サブユニット、及び、矩形状の開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向他側に延設させたコア部とを有する軟質磁性体製の第4サブユニットがこの順に重ねられており、矩形状の開口部と、該開口部の外側に配置したヨーク部と、該ヨーク部から前記可動子の厚み方向両側に延設させた補助コア部とを有する軟質磁性体製のスペーサユニットを、前記第1サブユニット及び前記第2サブユニットの間、前記第2サブユニット及び前記第3サブユニットの間、並びに、前記第3サブユニット及び前記第4サブユニットの間にそれぞれ設けており、前記第1サブユニットのコア部、前記第2サブユニットの補助コア部、前記第3サブユニットのコア部、及び、前記スペーサユニットの前記可動子の厚み方向一側の補助コア部に一括して捲き線を施してあり、前記第2サブユニットのコア部、前記第3サブユニットの補助コア部、前記第4サブユニットのコア部、及び、前記スペーサユニットの前記可動子の厚み方向他側の補助コア部に一括して捲き線を施してある電機子の前記第1サブユニットの開口部、前記第2サブユニットの開口部、前記第3サブユニットの開口部、前記第4サブユニットの開口部、及び前記スペーサユニットの開口部に貫通させてあることを特徴とするリニアモータ。
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