JP5589508B2 - リニア駆動装置の可動子、固定子、及びリニア駆動装置 - Google Patents

リニア駆動装置の可動子、固定子、及びリニア駆動装置 Download PDF

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本発明は、電磁気的な作用によりリニア駆動を行うリニア駆動装置の可動子及び固定子に関する。
従来から、リニアな駆動力や動きを得るためのリニア駆動装置として、リニアアクチュエータやリニアモータがある。リニアアクチュエータとしては、主にレシプロモータなど、比較的短いストロークで動作するものが多く、リニアモータとしては、比較的長いストロークで動作するものが多い。
特許文献1に記載のリニアアクチュエータは、コイルが固定されたヨークと、ヨークの内側で往復移動可能に設けられた可動子とを有する。可動子は、円筒状の鉄部材の表面にリング状の永久磁石が設けられることにより構成されている(例えば、特許文献1の段落[0016]、[0020]、図1参照)。このようなリニアアクチュエータでは、固定子から発生する磁束変化と、可動子に設けられた永久磁石が発生する磁束との相互作用により、可動子がリニアに移動する。ここで、鉄部材の表面に永久磁石が設けられているので、予想外の力等が加わった場合には鉄部材から永久磁石がずれたりする等の恐れを若干残していた。
そこで、特許文献2に記載のリニアモータの固定子は、永久磁石が固定子コアに埋め込まれた構造を有している(例えば、特許文献2の段落[0006]、図2、4参照)。
特許第3873836号公報 特許第2751684号公報
特許文献2に記載のリニアモータでは、可動子側から発生した磁束であって固定子コアに流れ込む磁束の一部は、その固定子コアの表面を流れる。固定子コアの表面を流れる磁束は、固定子コアに設けられた永久磁石が発生する磁束との相互作用がほとんどなく、可動子を移動させるための推力に寄与しない。したがって、推力特性が悪化する。
また、例えばリニアモータやリニアアクチュエータは、可動子の移動位置に応じて可動子に働く吸引力である磁気バネや、可動子の推力バランス等の特性を持っている。設計者にとって、これらの磁気バネ力や推力バランスを容易に設計でき、またそれを変更できることが望ましい。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、コア部材と永久磁石とのずれを防止でき、磁束を効率良く使用することにより可動子の推力特性を向上させ、また、磁気バネ力や推力バランスを容易に設計することができる上にその設計を容易に変更することができるリニア駆動装置の可動子及び固定子を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るリニア駆動装置の可動子は、
永久磁石と、
前記永久磁石が埋設される埋設穴を有し、リニア駆動装置の固定子に対して配置されるコア部材とを具備し、
前記コア部材の表面側領域が、第1の領域及び前記第1の領域の磁気抵抗より高い任意の磁気抵抗を有する第2の領域を含み、前記第2の領域が前記リニア駆動装置の可動子の移動方向で間欠的に設けられている。
リニア駆動装置が、駆動力を得るための装置として用いられる場合、リニア駆動装置は次のように動作する。例えば固定子側にコイルが設けられる場合、コイルに交流電流が印加されることにより、固定子に時間的に変化する磁束が発生する。可動子の永久磁石が発生する磁束と、上記時間的に変化する磁束との相互作用により、可動子が移動可能となる。
リニア駆動装置が発電機として用いられる場合、外部から可動子が駆動され、可動子が移動することにより、固定子に磁束変化が発生し、これによりコイルに起電力が発生する。
本発明では、コア部材の埋設穴に永久磁石が埋設されているので、確実に永久磁石を保持しておくことができ、コア部材と永久磁石とのずれを防止できる。特に、本発明では可動子に永久磁石が設けられており、可動子の長年の移動による加速度が永久磁石に加えられても、永久磁石をコア部材に確実に保持しておくことができる。
また、コア部材の表面側領域は、第1の領域と、第1の領域の磁気抵抗より高い任意の磁気抵抗を有する第2の領域とを有している。そして表面側領域では、第2の領域が可動子の移動方向で間欠的に設けられている。このような構成によれば、コイルの電流により発生した磁束は、第1及び第2の領域が設けられた表面側領域では、可動子の移動方向に沿って流れにくくなる。これにより表面側領域で可動子の移動方向に流れる、可動子の推力に寄与しない無駄な磁束を減らすことができる。つまり磁束を効率良く使用することができ、可動子の推力特性を向上させることができる。第2の領域がなく第1の領域のみを有する可動子コアを備えるリニア駆動装置に比べ、本発明に係るリニア駆動装置の可動子の推力に寄与する磁束が多くなり、可動子の推力特性を向上させることができる。
さらに、第1及び第2の領域のそれぞれの体積、または、可動子の移動方向におけるそれぞれの幅、あるいは、それぞれの配置、形状または個数等を適宜変更することにより、磁気バネ力または推力バランスの設計を容易に行うことができ、設計の自由度が高まり、それらの特性の向上につながる。
第2の領域は、空隙でもよい。空隙の形状は任意である。あるいは、第2の領域は、第2の磁気抵抗を有する材料でもよい。以下に記載する発明も同様である。
本発明の一形態に係るリニア駆動装置の固定子は、
永久磁石と、
前記永久磁石が埋設される埋設穴を有し、リニア駆動装置の可動子に対して配置されるコア部材とを具備し、
前記コア部材の表面側領域が、第1の領域及び前記第1の領域の磁気抵抗より高い任意の磁気抵抗を有する第2の領域を含み、前記第2の領域が前記可動子の移動方向で間欠的に設けられている。
本発明では、コア部材の埋設穴に永久磁石が埋設されているので、確実に永久磁石を保持しておくことができ、コア部材と永久磁石とのずれを防止できる。
また、コア部材の表面側領域は、第1の領域と、第1の領域の磁気抵抗より高い任意の磁気抵抗を有する第2の領域とを有している。そして表面側領域では、第2の領域が可動子の移動方向で間欠的に設けられている。このような構成によれば、コイルの電流により発生した磁束は、第1及び第2の領域が設けられた表面側領域では、可動子の移動方向に沿って流れにくくなる。これにより表面側領域で可動子の移動方向に流れる、可動子の推力に寄与しない無駄な磁束を減らすことができる。つまり磁束を効率良く使用することができ、可動子の推力特性を向上させることができる。第2の領域がなく第1の領域のみを有する可動子コアを備えるリニア駆動装置に比べ、本発明に係るリニア駆動装置の可動子の推力に寄与する磁束が多くなり、可動子の推力特性を向上させることができる。
さらに、第1及び第2の領域のそれぞれの体積、または、可動子の移動方向におけるそれぞれの幅、あるいは、それぞれの配置、形状または個数等を適宜変更することにより、磁気バネ力または推力バランスの設計を容易に行うことができ、設計の自由度が高まり、それらの特性の向上につながる。
以上、本発明によれば、コア部材と永久磁石とのずれを防止でき、可動子の推力特性を向上させ、また、磁気バネ力や推力バランスを容易に設計することができる上にその設計を容易に変更することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るリニア駆動装置を示す正面図である。 図2は、図1におけるA−A線断面図である。 図3は、可動子を示す斜視図である。 図4は、可動子を示す正面図である。 図5は、図4におけるB−B線断面図である。 図6(A)及び(B)は、可動子コアを形成する磁性材板をそれぞれ示す正面図である。 図7は、リニア駆動装置の動作を説明するための図である。 図8は、可動子コアの図5に示した表面側領域付近を拡大して示す断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
<リニア駆動装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るリニア駆動装置を示す正面図である。図2は、図1におけるA−A線断面図である。
リニア駆動装置100は、固定子1及び可動子3を備える。図1は、可動子3の移動方向(Z軸方向)で見た図である。固定子1は、固定子コア11及び12と、固定子コア11及び12にそれぞれ設けられたコイル13、14、15及び16とを備える。固定子コア11及び12は、可動子3を挟んでY軸方向で対向するように設けられている。
固定子コア11には、可動子3の移動方向に配列された2つの固定子歯111及び112が設けられている。また同様に、固定子コア12には、可動子3の移動方向に配列された2つの固定子歯121及び122が設けられている。これらの固定子歯111、112、121及び122にそれぞれ上記コイル13、14、15及び16が巻回されている。
図1に示すように、固定子歯111は、後述するように円柱状の可動子3の側面に沿った曲面111aを有している。そのほかの固定子歯112、121、122も、固定子歯111と同様の形状を有している。固定子コア11の固定子歯111と、固定子コア12の固定子歯121とがY軸方向で対向するように配置されている。また、固定子コア11の固定子歯112と、固定子コア12の固定子歯122とがY軸方向で対向するように配置されている。図2に示すように、可動子3は、それらの固定子歯111及び121、112及び122に対面するように配置されている。固定子コア11及び12は、図示しないケーシングに収められて互いに位置決めされる。
図2に示すように、可動子3の中央には、Z軸方向に沿って貫通した、シャフト33の挿通穴31cが形成されている。シャフト33は、図示しない軸受やバネ等の支持部材によってシャフト33がZ軸方向に沿って移動可能となるように支持される。可動子3のZ軸方向の両端にはカバー部材36が取り付けられ、カバー部材36はシャフト33と一体的になるようにシャフト33に固定される。カバー部材36は、可動子コア31とシャフト33との固定の機能のほか、後述する永久磁石の抜け防止の機能も有する。しかし、必ずしもカバー部材36はなくてもよい。
なお、リニア駆動装置100がリニアクチュエータとして用いられる場合、シャフト33を支持する支持部材としてバネ部材が用いられ、例えばスパイラル状の板バネが用いられる。スパイラル状の板バネが用いられることにより、その板バネの変形によって可動子3が円周方向に回転し、可動子3が本実施形態のように埋め込み構造及び円柱構造であることのメリットが高められる。支持部材の他の例として、8の字形状の板バネ、リニアブッシュ、ボールスプライン、エアベアリング、リニアガイド等が挙げられる。
図3は、可動子3を示す斜視図である。図4は可動子3を示す正面図であり、図5は図4におけるB−B線断面図である。
可動子3は、円柱形状に近い形状を有する。可動子3は、可動子3の移動方向(Z軸方向)に積層された複数の磁性材板311及び複数の磁性材板312を有するコア部材としての可動子コア31と、可動子コア31に埋め込まれた永久磁石321、322、323、341、342及び343とを含む。
図6(A)及び(B)は、この可動子コア31を形成する磁性材板311及び312をそれぞれ示す正面図である。図6(B)では、図6(A)に示した磁性材板311を一点鎖線で示している。可動子コア31は、これら磁性材板311及び312が交互に1枚ずつ積層されて形成されている。可動子コア31を形成する複数の磁性材板311は、実質的に同一形状を有し、また、可動子コア31を形成する複数の磁性材板312は、実質的に同一形状を有している。
1枚の磁性材板311には、永久磁石が埋め込まれる複数の埋設穴31aが形成されている。図5に示すように、可動子コア31の1つの埋設穴31aには、磁性材板311の積層方向にも複数の永久磁石321、322及び323(341、342及び343)が配列されている。これらの永久磁石は、平板形状を有している。1枚の磁性材板311に設けられた複数の埋設穴31aは、Z軸方向で見て磁性材板311の中心より固定子1に近い側で、磁性材板311のZ軸の周りの方向に沿って設けられている。具体的には、これらの複数の埋設穴31aは固定子1にできるだけ近い側に設けられ、本実施形態では、1枚の磁性材板311に8つの埋設穴31aが設けられている。
磁性材板311と磁性材板312とで異なる点は、図6(B)に示すように、磁性材板312が、永久磁石321、322、・・・が埋め込まれる埋設穴31b(図6(A)参照)を有していない点である。つまり、図6(A)に示すように、磁性材板311は、埋設穴31bを形成するためのエッジ部318を有している。磁性材板311及び312について、それらの横幅(X軸方向の幅)及びZ軸方向の厚さは実質的に同一とされる。
磁性材板311及び312としては、典型的には電磁鋼板が用いられる。電磁鋼板の表面には絶縁被膜がそれぞれ形成されている。電磁鋼板は珪素を含んでいてもよい。このような磁性材板311及び312が積層されて可動子コア31が形成されることにより、固定子1から可動子コア31の表面に対して流入出する磁束による渦電流の発生を抑制することができる。
磁性材板311の積層方向の1列分の複数の永久磁石321、322及び323(341、342及び343)を、以下、永久磁石セット32(34)と呼ぶ。後述するように、固定子コア11側に近い永久磁石セットを永久磁石セット32とし、固定子コア12側に近い永久磁石セットを永久磁石セット34とする。本実施形態に係る可動子3には、4つの永久磁石セット32及び4つの永久磁石セット34が設けられ、合計24個の永久磁石が可動子コア31に埋め込まれている。また、以降では、永久磁石321、322、323、341、342及び343を、永久磁石321等という場合もある。
このように磁性材板311及び312が積層されることにより、埋設穴31aがZ軸方向で連なり、各永久磁石321等がこれらの埋設穴31aに挿通されて固定され、位置決めされる。
各永久磁石321等は、図4及び図5に示すようにZ軸方向(またはそのZ軸方向の一断面)で見て、可動子コア31の径方向にそれぞれ着磁されている。すなわち、可動子コア31は実質的な円柱構造であるため、その円柱構造の周囲(外周側である固定子1側)に磁極が向くように、永久磁石321等が着磁されている。また、可動子コア31の、上側の固定子コア11に近い側に配置された永久磁石321、322及び323(永久磁石セット32)の、固定子コア11側に向く磁極と、下側の固定子コア12に近い側に配置された永久磁石341、342及び343(永久磁石セット34)の、固定子コア12側に向く磁極とは、それぞれ異なっている。
さらに図5に示すように、永久磁石セット32(34)の各磁極であって固定子コア11(12)側に向く磁極は、磁性材板311の積層方向で交互に異なるように配置されている。
3つの永久磁石321、322及び323について、両端に設けられた永久磁石321及び323のZ軸方向の長さより、中央に設けられた永久磁石322のZ軸方向の長さが長くなるようにそれぞれ形成されている。3つの永久磁石341、342及び343についても同様である。これらの永久磁石321、322及び323のZ軸方向の長さ(及びZ軸方向に沿って並ぶ永久磁石の個数等)は、固定子コア11及び12の各固定子歯111、112、121及び122のZ軸方向の長さ、個数、あるいは、可動子3のストローク長等によって適宜設定される。
図3及び4に示すように、各磁性材板311の両側部には切り欠き31dが形成されている。これらの切り欠き31dは、可動子コア31の軽量化を実現し、また、各磁性材板311を互いに位置決めさせる揃え溝の機能も兼ね備える。さらに、この切り欠き31dは、リニア駆動装置100の組み立て時において、可動子3を位置決めするための溝としての機能も備える。さらに、各磁性材板311の切り欠き31dと埋設穴31aとの間には、小貫通穴31eが形成されている。小貫通穴31eは例えば4つ形成されている。この小貫通穴31eも、可動子31の軽量化を実現し、また、各磁性材板311の位置決め、漏れ磁束を軽減する機能を備える。
本実施形態では、上記したように、図6(A)に示した磁性材板311と図6(B)に示した磁性材板312とが、可動子3の移動方向であるZ軸方向に交互に積層されることにより、可動子コア31が形成されている。図8(A)は、図5に示した表面側領域313を拡大して示す断面図である。なお、図8(A)において図示された各磁性材板311及び312の厚さのスケールと、図3及び5において図示された各磁性材板312の厚さのスケールとを比べると、図3及び5の方が粗く表されている。これは図面の作成上の問題であり、両者に違いはない。
上記のように、磁性材板311及び312が交互に積層されて可動子コア31が形成されている。したがって、図8(A)に示すように可動子コア31の表面を含む領域であって、永久磁石セット32(34)と、固定子1(図8(B)参照)との間に設けられた表面側領域313には、Z軸方向に沿って複数の間欠溝319が間欠的に形成される。また、各間欠溝319はZ軸の周りの方向に沿ってそれぞれ形成される。すなわちこのような構成により、表面側領域313において、磁気抵抗の低い領域(第1の領域)と磁気抵抗の高い領域(第2の領域)とがZ軸方向に沿って交互に配置される。
このような構成により、可動子コア31の表面側領域313のZ軸方向に沿った全領域で、磁束がZ軸方向に流れにくくなる。
<リニア駆動装置の動作>
次に、以上のように構成されたリニア駆動装置100の動作を説明する。図7(A)及び(B)は、その動作を説明するための図である。なお、図7(A)及び(B)で表された、可動子3の永久磁石セット32及び34の極性は、固定子コア11及び12側に向く磁極を示している。
図7(A)に示すように、固定子コア11側の2つのコイル13及び14に互いに逆向きの電流が同じタイミングで加えられ、かつ、固定子コア11及び12側の2つのコイル15及び16に互いに逆向きの電流が同じタイミングで加えられる。Y軸方向で同じ位置に配置されたコイル13(14)及び15(16)にも互いに逆向きの電流が加えられる。そうすると、固定子歯111、112、121及び122に磁束が発生し、固定子歯111、112、121及び122に図示するように磁極が生成される。各固定子歯111、112、121及び122に発生した磁束と、可動子3に設けられた永久磁石321等により生成される磁束との相互作用により、可動子3は図7(A)中、右へ移動する。
図7(B)に示すように、図7(A)で示した各電流の向きとは逆向きの電流がコイル13〜16にそれぞれ同じタイミングで加えられる。そうすると、図7(A)で示した磁極とは反対の磁極が、固定子歯111、112、121及び122にそれぞれ生成される。これにより、可動子3は図7(B)中、左へ移動する。
以上のように、コイル13〜16にそれぞれ交流電流(交流電圧)が印加されることにより、可動子3はZ軸方向で振動する。この場合、リニア駆動装置100をリニアアクチュエータとして利用することができる。
コイル13〜16に加えられる交流電圧の波形は、正弦波、矩形波、三角波など、適宜設定可能である。また、その波形にDC成分等のオフセット電圧が加えられてもよい。その場合、そのオフセット電圧値に応じて可動子3のストロークエンド(死点)の位置を適宜調整することができる。そのほかにも、三相コイルに三相交流を流すといった、交流電圧の波形に応じた種々の駆動方法を実現することができる。
以上のように、本実施形態では、永久磁石321等が可動子コア31に埋め込まれているので、可動子コア31と永久磁石321等とのずれを防止でき、永久磁石321等が可動子コア31から剥がれ落ちるおそれがない。特に、可動子3に永久磁石321等が設けられていることにより、可動子3の長年の移動による加速度が永久磁石321等に加えられても、永久磁石321等をコア部材に確実に保持しておくことができる。
また、本実施形態に係る可動子コア31は、磁性材板311及び312が交互に積層されて形成されているので、表面側領域313において、Z軸方向に沿って間欠溝319が複数形成される。つまり、磁気抵抗の低い領域(第1の領域)と磁気抵抗の高い領域(第2の領域)とがZ軸方向に沿って交互に配置される。したがって、図8(B)に示すように、例えば固定子歯111等から発生する磁束及び永久磁石321及び322から発生する磁束が、表面側領域313における間欠溝319以外の領域、つまり磁気抵抗の低い領域を通り、可動子コア31の中心側に向かうようになる。すなわち、磁束が可動子3の移動方向に沿って表面側領域313を流れにくくなり、表面側領域313で可動子3の移動方向に流れようとする、可動子3の推力に寄与しない無駄な磁束を減らすことができる。その結果、磁束を効率良く使用することができ、可動子3の推力特性を向上させることができる。
このような間欠溝319が設けられず平らな表面側領域を有する可動子コアを備えるリニア駆動装置と、本実施形態に係るリニア駆動装置とについて他の条件が同じであれば、本実施形態に係るリニア駆動装置の可動子3の推力に寄与する磁束が多くなり、鉄損を低減し、可動子3の推力特性を向上させることができる。
[その他の実施形態]
本発明に係る実施形態は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態がある。
可動子コアは、積層された磁性材板の代わりに、例えば積層でない、磁性材でなるバルク体が用いられてもよい。バルク体は、例えば焼結体が用いられればよい。このようなバルク体により形成された可動子コアの表面側領域に、間欠溝319のような構造が設けられればよい。
間欠溝319は、可動子コアのZ軸周りの方向である周方向について、そのほぼ全周に近い程度で設けられていた。しかし、それら間欠溝は、可動子コアの周方向の一部、あるいは周方向で間欠的に設けられていてもよい。この場合、可動子コアは、積層された磁性材板により形成されてもよいし、バルク体により形成されてもよい。
Z軸方向のすべてで間欠溝319が設けられる必要はなく、例えば固定子歯と可動子コアとの配置に応じて適宜間欠溝の数が設定されればよい。
上記各実施形態に係る可動子コアにおいて、積層される磁性材板について、異なる形状の磁性材板311と312の厚さは互いに異なっていてもよい。例えば第1の実施形態に係る可動子コア31において、可動子コア31の間欠溝319を形成しない磁性材板311の厚さより、間欠溝319を形成する磁性材板312の厚さを厚くしてもよい。あるいは、複数枚の磁性材板312が連続して積層されることにより、間欠溝319のZ軸方向の幅を適宜調整することができる。
間欠溝319のZ軸方向でのピッチは、可動子のZ軸方向での位置に応じてランダムであってもよく、あるいは、間欠溝319の幅(Z軸方向での幅)が、可動子のZ軸方向での位置に応じてランダムであってもよい。それら両者を組み合わせてもよい。例えば可動子及び固定子に相対的に発生するコギングトルクをできるだけ小さくするように、間欠溝319のピッチをランダムとしたり、間欠溝319の幅を不均一にしたりすることも可能である。上記実施形態のように、一定ピッチで間欠溝319が設けられる場合、周期的に発生するコギングトルクによって可動子の推力にリップル的なノイズが現れるが、間欠溝319のピッチや幅をランダムとすることで、そのノイズを抑えることができる。
あるいは、上記のように磁気バネ力や推力バランス等の特性を所望のものにするために、間欠溝319のピッチ、幅及び形状のうち少なくとも1つを適宜変更するようにしてもよい。特に、本実施形態では、図6に示すように可動子3の移動方向に積層された磁性材板311及び312の枚数や厚さを適宜設定することにより、そのピッチや幅を自由に変更することができ、設計の変更が容易になる。
図1に示した固定子コア11及び12は、Y軸方向で2つに分割されていたが、これらの固定子コア11及び12はY軸方向で連続するように接続されていてもよい。
固定子歯、永久磁石、永久磁石セットの数は適宜変更可能である。永久磁石、固定子コア、可動子コアの各形状等も適宜変更可能である。可動子の移動方向における磁極数あるいは永久磁石の数は、上記実施形態では3つであったが、1つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
上記実施形態では、図4に示すように、可動子3の一断面で見て2極構造の例を挙げた。すなわち、図4中、可動子3の上半分の磁極がN極(外周側に向く磁極がN極)であり、下半分の磁極がS極(外周側に向く磁極がS極)であった。しかし、このような形態に限られず、可動子3の一断面で見て単極構造、つまり、その一断面におけるすべての永久磁石の外周側に向く磁極がNまたはSの1極とされる形態であってもよい。
例えば、固定子歯は、可動子の移動方向で1つだけ設けられていてもよい。この場合、可動子の移動方向での長さも適宜調整される。
上記各実施形態に係る可動子の形状が円柱状ではなく板形状でって、その板形状の可動子の一方側または両側に対向して配置される固定子が設けられたリニア駆動装置が実現されてもよい。このような形態に係るリニア駆動装置は、主にリニアモータとして利用され得る。
上記各実施形態に係るリニア駆動装置が発電機として用いられてもよい。この場合、外部から可動子が駆動され、可動子が積層方向に移動することにより、固定子の各固定子歯に磁束変化が発生し、これによりコイルに起電力が発生する。
1…固定子
3…可動子
11、12…固定子コア
13〜16…コイル
15…コイル
31…可動子コア(コア部材に相当)
31a…埋設穴
32、34…永久磁石セット
100…リニア駆動装置
111、112、121、122…固定子歯
313…表面側領域
311、312…磁性材板
321〜323、341〜343…永久磁石
319…間欠溝(第2の領域に相当)

Claims (3)

  1. 永久磁石と、
    前記永久磁石が埋設される埋設穴を有し、リニア駆動装置の固定子に対して配置されるコア部材とを具備し、
    前記コア部材の表面側領域が、前記永久磁石が配置される前記埋設穴の位置より前記固定子側に配置され、かつ、第1の領域及び前記第1の領域の磁気抵抗より高い任意の磁気抵抗を有する第2の領域を含み、
    前記第2の領域が前記リニア駆動装置の可動子の移動方向で間欠的に設けられている
    リニア駆動装置の可動子。
  2. 永久磁石と、
    前記永久磁石が埋設される埋設穴を有し、リニア駆動装置の可動子に対して配置されるコア部材とを具備し、
    前記コア部材の表面側領域が、前記永久磁石が配置される前記埋設穴の位置より前記可動子側に配置され、かつ、第1の領域及び前記第1の領域の磁気抵抗より高い任意の磁気抵抗を有する第2の領域を含み、
    前記第2の領域が前記可動子の移動方向で間欠的に設けられている
    リニア駆動装置の固定子。
  3. 可動子と、固定子とを備え、
    前記可動子は、
    永久磁石と、
    前記永久磁石が埋設される埋設穴を有し、前記固定子に対して配置されるコア部材とを有し、
    前記コア部材の表面側領域が、前記永久磁石が配置される前記埋設穴の位置より前記固定子側に配置され、かつ、第1の領域及び前記第1の領域の磁気抵抗より高い任意の磁気抵抗を有する第2の領域を含み、
    前記第2の領域が前記可動子の移動方向で間欠的に設けられている
    リニア駆動装置。
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