JP5811332B2 - 熱源機 - Google Patents
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Description
即ち、熱源機に供給される水の総量と、浴槽に供給される湯量を直接的に測定し、両者の間に所定の差があれば他栓が使用されていると判断する方法である。
即ち、熱源機によって発生する熱量と、浴槽に供給される熱量を直接的に又は演算によって検出し、両者の間に所定の差があれば他栓が使用されていると判断する方法である。
また、上記したいずれの方法であっても、複数のセンサの検出値に基づいて他栓使用の有無を判断するので、演算値や検出値の誤差が積算されてしまう場合がある。特にセンサの刻み幅(各センサの最小上昇幅及び/又は最小下降幅)が大きい場合には、誤差の積算量が無視できないものとなってしまう場合がある。そして、センサ刻み幅が大きい場合には、センサが正確であったとしても演算値等に大きな誤差が生じてしまう場合がある。
例えば、温度センサの刻み幅が0.5度であったとき、即ち、0.5度刻みでしか温度を検知できない温度センサを使用して温度検知を行ったとする。この温度センサによると、摂氏30度、30.5度、40度といった様に0.5度刻みでしか検知温度を出力することができない。そのため、例えば、実際の温度が30.3度であった場合、30度又は30.5度と出力されてしまう。
この場合、検知出力が、30度と出力されても30.5度と出力されても実際の温度(30.3度)との間には誤差がある。
そして複数のセンサの検出値に基づいて他栓使用の有無を判断する場合には、この誤差が積算され、演算結果が実際の値から離れたものとなってしまい、他栓判定が狂ってしまう場合がある。
また、他栓使用判定で誤判定してしまうと、風呂自動落とし込みが停止してしまったり、給湯栓から供給される湯水を要求される温度とすることが出来なくなるといった問題が発生してしまう。そして、このような問題は、熱源機を提供する上での重大な問題となるおそれがある。
なお、本明細書における最小上昇幅(最小下降幅)とは、各センサの示す値が上昇(下降)するときに、増加(減少)する値の最小値のことである。
なお、上記した湯水の流量や熱量は、センサ等により直接取得してもよく、センサ等が取得した値から演算によって算出してもよい。
本発明の他栓使用判定は、このように熱源機側情報を取得した場合においても、正確に実施することができる。
即ち、入水管に燃焼最小限度流量以上の湯水が流れている場合、一般給湯で湯水が使用されている可能性が十分に高いので、燃焼最小限度流量を基準に一般給湯が実際に使用されているか否かを判定すると、より正確に他栓使用判定の判定結果が正しかったか否かを検証することができる。加えて、燃焼最小限度流量を判定動作の基準とすると、他栓使用判定の判定結果が正しく、一般給湯が実際に使用されていたとき、すぐに燃焼部で燃焼動作を開始(着火動作を開始)することができるという利点がある。
ところで、上記した「入水管でMOQ(最低作動流量)が検知される」とは、入水管と出湯管とを結ぶバイパス管を備えた熱源機の場合、入水管から熱交換器側に供給される湯水だけでなく、バイパス管を流れる湯水を含めた熱源機に対する入水流量が、MOQ(最低作動流量)以上であると算出されることを含むものとする。なお、バイパス管を流れる湯水を含めた入水流量を取得するとき、バイパス流量調整弁の開度を固定する等によって、入水管において熱交換器側へ向かう湯水の水量と、バイパス管を通過する湯水の水量との割合(以下バイパス比率とも称す)が変化しないようにした状態で取得する。換言すると、入水管において熱交換器へ向かう湯水の水量と、バイパス比率とから入水流量を取得する。
そして熱源機1はコントローラ5を備えており、コントローラ5が熱源機1の各部に動作指令を出すことにより、熱源機1が各種運転を実施する。
燃焼部22は、図示しない燃料供給源からガス供給路12を介して燃料ガスが供給されるものである。そして、ガス供給路12にはガス比例弁13が設けられており、ガス比例弁13は、燃焼部22に供給されるガス量を調節する機能を備えている。
なお、一次熱交換器23は主に顕熱を回収して湯水が加熱されるものであり、二次熱交換器24は一次熱交換器23より燃焼ガスの流れ方向下流側に位置し燃焼ガスに含まれる水蒸気の主に潜熱を回収して湯水が加熱されるものである。そして一次熱交換器には、給湯系統3側の湯水を加熱する給湯用熱交換部25と、風呂系統4側の湯水を加熱する風呂熱交換部26とが設けられている。
なお、入水流量センサ46及び入水温度センサ47は、入水管41におけるバイパス管50の接続部より湯水の流れ方向下流側に配置され、コントローラ5と電気的に接続されている。
また、出湯管44の下流側であって、バイパス管50の接続部よりもさらに下流側には、最終出湯温度センサ30が設けられている。
一般給湯管60は、燃焼装置2を通過した湯水をシャワーやカラン等の給湯栓61に供給するものである。
風呂自動落とし込み管70は、風呂系統4の風呂戻り管31と出湯管44とを接続するものである。そして風呂自動落とし込み管70には、上流側から風呂用流量センサ36、注湯電磁弁71、水位センサ73が設けられ、これらはコントローラ5と電気的に接続されている。
浴槽10には、その壁面に循環アダプタ11が取付けられている。循環アダプタ11は浴槽10内外を連通するものであり、風呂戻り管31及び風呂往き管32が接続されている。
風呂戻り管31には、風呂用ポンプ34、水流スイッチ35、風呂用温度センサ37が設けられている。なお、水流スイッチ35と風呂用温度センサ37は、風呂戻り管31における風呂自動落とし込み管70の接続部より湯水の流れ方向下流側に配置され、コントローラ5と電気的に接続されている。
本実施形態の熱源機1は、図示しない給水源から湯水を供給されて使用するものである。即ち、給水源から湯水を供給され、入水流量センサ46が検知した値から、入水管41で燃焼装置2のMOQ(最低作動流量)以上の入水流量が検出されると、熱源機1は燃焼装置2の燃焼部22を動作させて湯水を昇温する燃焼動作を行う。
なお、本実施形態において、「MOQ(最低作動流量)以上の入水流量」とは、入水管41から一次熱交換器23及び二次熱交換器24(熱交換器)側に供給される湯水だけでなく、バイパス管50を流れる湯水を含めた熱源機1に対する入水流量が、MOQ(最低作動流量)以上であることとする。また、バイパス管50を流れる湯水を含めた入水流量を取得するとき、バイパス流量調整弁51の開度を固定する等により、入水管41において燃焼装置2側へ向かう湯水の水量と、バイパス管50を通過する湯水の水量との割合(以下バイパス比率とも称す)が変化しないようにした状態で取得する。即ち、入水管41において燃焼装置2側へ向かう湯水の水量と、バイパス比率に基づいて入水流量を算出する。
図示しないリモコン等で風呂追い焚き運転が要求されると、風呂用ポンプ34が動作され、浴槽10内の湯水が燃焼装置2の風呂熱交換部26に送られて昇温する。そして昇温された湯水は、風呂往き管32を経て浴槽10に戻される。
図示しないリモコン等で風呂自動落とし込み運転が要求されると、注湯電磁弁71が開いた状態となる。そして図示しない給水源から供給された湯水が入水管41を流れて燃焼装置2へ導入され、二次熱交換器24、一次熱交換器23の給湯用熱交換部25を経て出湯管44へ出湯する。このとき、湯水は二次熱交換器24及び一次熱交換器23を通過する際に昇温される。そして、出湯管44へ出湯した湯水はバイパス管50を通過した湯水と混合され、風呂自動落とし込み管70を介して風呂戻り管31に出湯され、浴槽10へと落とし込まれる。
給湯栓61等が操作されて出湯要求があると、図示しない給水源から供給された湯水が入水管41を流れて燃焼装置2へ導入され、二次熱交換器24、一次熱交換器23の給湯用熱交換部25を経て出湯管44へ出湯する。このとき、湯水は二次熱交換器24及び一次熱交換器23を通過すると共に昇温される。そして、出湯管44へ出湯した湯水はバイパス管50を通過した湯水と混合され、一般給湯管60へと出湯される。そして一般給湯管60から給湯栓61へと供給される。
本実施形態の熱源機1では、風呂自動落とし込み運転を開始され注湯電磁弁71が開かれると(ステップ1)、燃焼装置2の燃焼部22が燃焼動作を開始する。さらにこのとき、他栓(一般給湯)が使用されていないことを前提として、他栓使用判定を開始する。換言すると、他栓が使用されている場合は、風呂自動落とし込み運転は開始しない構成となっている。本実施形態の熱源機1では、風呂自動落とし込み運転の開始と共に他栓使用判定を開始し、風呂自動落とし込み運転中に一般給湯の使用があれば、それを検出可能な構成としている。
具体的には、まず、コントローラ5が、入水温度センサ47が取得した入水温度T1と、出湯温度センサ49(高温側出湯温度センサ)が取得した高温側の出湯温度T2と、最終出湯温度センサ30又は風呂用温度センサ37が取得した落とし込み温度T3と、入水流量センサ46が取得した缶体流量Q1と、風呂用流量センサ36が取得した落とし込み流量Q2から、缶体入熱量J1(熱源機側情報)を下記式(1):
J1=Q1×(T2−T1) ・・・(1)
によって演算すると共に、注湯熱量J2(風呂自動落とし込み側情報)を下記式(2):
J2=Q2×(T3−T1) ・・・(2)
によって演算する。
AQ1=(J1−J2)/(T3−T1) ・・・(3)
によって演算する。
ここで、本実施形態の基準値Cの初期値は、MOQ(最低作動流量)と同じ値となっている。換言すると、本実施形態の燃焼装置2の燃焼部22は、一次熱交換器23及び二次熱交換器24(熱交換器)側に供給される湯水と、バイパス管50を流れる湯水との総流量が3L/min以上であるとき、燃焼動作を実施できる構成となっている。
また、浴槽10に要求された水量が落とし込まれていれば(ステップ9でYesの場合)、注湯電磁弁71を閉じて(ステップ10)風呂自動落とし込み運転及び他栓使用判定を終了する。このとき、すでに幾らかの湯が浴槽10に落とし込まれている場合には、引き続き残りの量の湯が浴槽10に供給される。
そして、入水流量センサ46が取得した流量の値に基づいて、入水流量がMOQ(最低作動流量)以上あることが検出された場合、他栓(給湯栓61等)で湯水が使用されていると判定とする。即ち、一般給湯が要求されており、他栓使用判定における判定結果が正しかったと判定する。
これに対して、入水流量が燃焼装置2のMOQ(最低作動流量)を下回った場合、他栓(給湯栓61等)で湯水が使用されていないと判定する。即ち、一般給湯が要求されておらず、他栓使用判定における判定結果が誤っていたと判定する。
なお、割り込んで実施した給湯運転が終了した後で風呂自動落とし込み運転が再開される場合、他栓使用判定も再びステップ1から実施される。
C=C+α・・・(4)
によって演算する。即ち、現在の基準値Cに所定の値αを加えた値を新たな基準値Cとする。ここで、本実施形態では、所定の値αは0より大きな数であって、具体的には0.5となっている。したがって、仮に補正前の基準値Cが初期値3.0L/minであれば、補正後の基準値Cは、3.0+0.5=3.5L/minとなる。このとき、所定の値αは、各センサの刻み幅(各センサの最小上昇幅及び/又は最小下降幅)や、各センサの誤差による他栓使用流量AQ1の誤差(複数のセンサの全てで誤差が発生し、発生した全ての誤差が他栓使用判定において一般給湯が要求されたと判定される方向に働いてしまったと仮定した場合に他栓使用流量AQ1に発生する誤差)に基づいて決定してよい。所定の値αは、任意の値に設定可能であり、適時変更してよい。
なお、所定の値αは特に限定されるものではないが、通常は、0.1L/minから0.8L/min程度となっている。即ち、所定の値αは、MOQの5%(パーセント)から30%(パーセント)程度となっている。
そして、入水流量がMOQ(最低作動流量)以上であった場合、他栓(給湯栓61等)で湯水が使用されているとする。対して、入水流量がMOQ(最低作動流量)を下回った場合、他栓(給湯栓61等)で湯水が使用されていないとする。
第2の実施形態で実施する他栓使用判定は、上記した第1の実施形態と同様の熱源機1で実施するが、一般給湯側情報である他栓使用流量AQ1の算出方法が異なっている。即ち、図2におけるステップ2の手順が異なっている。
このとき、本実施形態では、まず、バイパス比率(分配比率)を演算する。ここでバイパス比率とは、入水管41において燃焼装置2側へ向かう湯水の水量と、バイパス管50を通過する湯水の水量との割合のことである。このバイパス比率は、入水流量センサ46や風呂用流量センサ36等で取得した値に基づいて算出する。
AQ1=Q3−Q2・・・(5)
によって演算する。そして、ステップ3以降の処理を実施する。
ここで、湯張り機能付き給湯器とは、上記した風呂系統4を有さない給湯器であって、複数の給湯栓(給湯系統)を備え、少なくとも1つの給湯栓(給湯系統)が一般給湯に使用され、他の少なくとも1つの給湯栓(給湯系統)が風呂の落とし込みに使用される給湯器とする。つまり、本発明の熱源機が実施する風呂自動落とし込み運転は、上記した運転に限るものではない。本発明の熱源機は、一般給湯と風呂自動落とし込みとを実施可能であればよく、一般給湯と風呂自動落とし込みを実施する流路を形成する配管、ポンプ等の構成は、適宜変更してよい。
10 浴槽
23 一次熱交換器(熱交換器)
24 二次熱交換器(熱交換器)
41 入水管
44 出湯管
46 入水流量センサ
50 バイパス管
51 バイパス流量調整弁
60 一般給湯管
70 風呂自動落とし込み管
Claims (4)
- 熱交換器と、熱交換器の上流側に位置して少なくとも熱交換器に供給される湯水が流れる入水管と、熱交換器の下流側に位置して熱交換器を通過する湯水が流れる出湯管と、燃焼部とを有し、
前記熱交換器は、前記燃焼部における燃焼によって加熱されるものであり、前記燃焼部は、前記入水管に燃焼最小限度流量の湯水が流れていることを条件の一つとして燃焼運転をするものであり、
前記出湯管の下流側は少なくとも一般給湯管と風呂自動落とし込み管とに分岐し、
前記熱交換器で加熱された湯水を前記一般給湯管に流して他栓に湯水を供給する一般給湯と、前記熱交換器で加熱された湯水を前記風呂自動落とし込み管に流して浴槽に湯水を供給する風呂自動落とし込みとを実施可能であり、
風呂自動落とし込みを実行している際に一般給湯がなされているか否かを判定する他栓使用判定が実施される熱源機において、
前記入水管を流れる湯水の温度、流量、又は前記出湯管を流れる湯水の温度、流量の4情報の内の1又はそれ以上の情報を検知して、熱源機を通過する湯水の総流量又は熱源機で加熱される湯水の総熱量を検知又は演算により予測して熱源機側情報とし、
前記風呂自動落とし込み管を流れる湯水の温度、流量の2情報の内の1又はそれ以上の情報を検知して、前記風呂自動落とし込み管を流れる湯水の流量、又は前記風呂自動落とし込み管を流れる湯水の熱量を検知又は演算により予測して風呂自動落とし込み側情報とし、
前記熱源機側情報と前記風呂自動落とし込み側情報に基づいて、前記一般給湯管を流れる湯水の流量又は熱量を演算して一般給湯側情報とし、
前記他栓使用判定は、前記一般給湯側情報が所定の他栓使用判定基準値以上であった場合に一般給湯がなされていると判定するものであり、
前記他栓使用判定で一般給湯がなされていると判定された場合には、風呂自動落とし込みを停止して他栓使用判定の正誤を判定する判定動作を実施し、
当該判定動作は、風呂自動落とし込みを停止した状態において前記入水管を実際に流れる湯水の流量が所定の正誤判定基準値未満である場合に他栓使用判定が誤りであると判定し、
他栓使用判定が誤りであると判定された場合、前記一般給湯側情報と、前記他栓使用判定基準値の少なくともいずれかを一般給湯がなされていないと判定され易い方向に補正するものであり、前記正誤判定基準値が、前記燃焼最小限度流量と等しいことを特徴とする熱源機。 - 前記入水管と前記出湯管とを結んで前記熱交換器をバイパスするバイパス管と、バイパス流量調整弁を備え、当該バイパス流量調整弁は開度を可変することが可能であって前記バイパス管を流れる湯水の量を増減するものであり、
前記熱交換器で加熱された湯水に前記バイパス管を流れる湯水が混合されて下流側の前記一般給湯管と前記風呂自動落とし込み管に供給され、
前記入水管の一部であって前記バイパス管が接続された部位よりも下流側の位置に前記入水管を流れる湯水の流量を検知する入水流量センサが設けられ、
前記他栓使用判定を実行する際には、前記バイパス流量調整弁の開度を固定して前記熱交換器に至る湯水と前記バイパス管を流れる湯水との分配比率を固定し、
前記入水流量センサの検出値と、前記分配比率によって熱源機を通過する湯水の総流量を演算により予測して熱源機側情報とすることを特徴とする請求項1に記載の熱源機。 - 前記判定動作において、一般給湯の使用なしと判定され易い方向に補正した後、補正した値によって、前記他栓使用判定を再度実施することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱源機。
- 熱源機を通過する湯水の総流量を前記熱源機側情報とし、前記風呂自動落とし込み管を流れる湯水の流量を前記風呂自動落とし込み側情報とし、両者の差を前記一般給湯側情報とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の熱源機。
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