JP5810605B2 - 果実含有ハードグミキャンディ様構造物 - Google Patents

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Description

本発明は、果実とコラーゲンペプチドとを含有する新規なハードグミキャンディ様構造物及びその製造方法に関する。
近年の国内の菓子市場において、グミキャンディはソフトでサクい食感が好まれていたが、一方で硬くて噛み締める食感のハードグミキャンディが徐々に見直されてきている。ヨーロッパでは古くからパスティーユとよばれるハードグミキャンディが存在しており、今日まで様々なメーカーが製造、販売している。例えば、RICORA社製のパスティーユ、Laekerol社(レイクロール社)製のパスティーユがある。しかしながら、パスティーユは日本では充分に浸透しておらず、その理由として歯付きや、口腔内でのまとわりつきの問題がある。また、咀嚼という面ではチューイングガムと比較した場合、口中滞在時間に関して充分と言えるものではなかった。
一方、近年でわれわれは鋭意研究によりコラーゲンペプチドを用い、キャンディ様構造物を作製することに成功している(特許文献1、2)。
コラーゲンは、生体内において、皮膚、血管、内臓、骨組織等に広く分布しており、動物組織における主要な構成タンパク質である。近年では、化粧品をはじめ、飲料、ゼリー、タブレット等、様々な形態の健康食品が展開され、機能性食品素材として研究・開発が各社で進められている。また、コラーゲンの溶解性、消化、吸収性等を向上させるためにコラーゲンやゼラチンを加水分解して得た低分子コラーゲン(以下、コラーゲンペプチド)についても幅広く研究されており、コラーゲンペプチドについての機能性や利用技術も報告されている。
しかしながら、コラーゲンやコラーゲンペプチドの摂取を主目的とする食品では、配合量を多くすることが必然的に求められるが、多量になるほど、コラーゲンやコラーゲンペプチドの持つ粘性が非常に高くなり、前記食品を口に含んだ際口腔内にコラーゲンやコラーゲンペプチドがまとわりつきやすくなってしまうという問題や、コラーゲンやコラーゲンペプチドの持つ独特の獣臭(以下、コラーゲン臭)が食品の風味を損なってしまうといった問題が発生する。コラーゲンやコラーゲンペプチドの摂取を主目的とする食品において、歯つき、口腔内のまとわりつき、食感に関する例ものがある。
例えば、歯の付着が抑制されたコラーゲンペプチド含有チュアブルタブレットに関するもの(特許文献3)があるが、歯の付着に関して効果はあるが、大豆タンパク、結晶セルロースも含有しているため舐めるとザラつきが発生し、噛むと吸水性が高いため口中に枯渇感を感じる。また、同様の目的でコラーゲン錠剤に関するものもあるが(特許文献4)、同様に非水溶性カルシウム、難溶性多糖類により舐めるとザラつきが発生し、噛むと同様に口中に枯渇感を感じる。さらに同様の目的で、油脂被覆コラーゲン粉末及びその粉末を含有する圧縮形成体に関するものもあるが(特許文献5)、油脂とコラーゲンペプチドの溶けるスピードの違いで舐めるとザラつきが発生し、噛むと同様に口中に枯渇感を感じる。
また、おいしく手軽に食することができるという目的で、コラーゲンペプチドをバインダーとする固形食品も提案されている(特許文献6)。これは食品素材とコラーゲンペプチドとを組み合わせ、コラーゲンペプチドをつなぎとして使用することによって食感改良がされているが、コラーゲンペプチドの含有量は最大20重量%である上、食感は舐める、又は噛み締めることができるような食感ではなかった。口中滞在時間に関しても長くなく咀嚼してすぐに飲み込むようなものであった。
また、過剰なカロリー摂取、空腹時の食欲や口寂しさを低減し、かつ食物繊維を供給する等のメリットを付加した食品の開発が進められている。
例えば、咀嚼・口内滞留特性が向上した食品等も研究されている(特許文献7)。
特願2010−63603号 特願2011−014430号 特開2008−247809号公報 特開2010−098991号公報 特開2009−118824号公報 特開2008−245634号公報 特開2008−278811号公報
従って、本発明は、健康及び美容によい食品として、従来のハードグミキャンディと同じように、おいしく手軽に食することができ、舐める、又は噛みしめることができ、口中滞在時間が長く、噛み締めても歯付きがない心地よい食感をもちあわせたハードグミキャンディ様構造物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明において、ハードグミキャンディ様構造物とは、砂糖や水飴等の糖質を煮詰めた後、冷却・固化して得られる従来のハードグミキャンディ又は従来のパスティーユと比べて、外観及び食感が同じあるいは類似している(ハードグミキャンディ様という)食品又は菓子をいう。
本発明者らは上記のような状況を鑑み、先に提案している特許文献1、2に記載のコラーゲンペプチド含有キャンディをもとに鋭意研究を重ねた結果、驚くべきことに、平均分子量20,000以下のコラーゲンペプチド、ポリデキストロース、乾燥果実を均質に混練することで、舐める、又は噛みしめることができ、口中滞在時間が長く、噛み締めても歯付きがない心地よい食感となることを見出し本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、
(1)固形分として、次のa)〜c)の3成分、
a)平均分子量5,000〜20,000のコラーゲンペプチド37.5〜67.5重量%
b)ポリデキストロース5.0〜18.8重量%
c)乾燥果実25.0〜50.0重量%
を含み、かつ水分値が9〜15重量%であることを特徴とする果実含有ハードグミキャンディ様構造物、
(2)前記平均分子量5,000〜20,000のコラーゲンペプチドが、平均分子量2,000〜8,000のコラーゲンペプチドと、平均分子量10,000〜20,000のコラーゲンペプチドとを組み合わせてなり、その比率が30:70〜5:95である前記(1)に記載の果実含有ハードグミキャンディ様構造物、
(3)噛み出し性が、5〜40g/mm2・secであり、かつ歯への付着性が0〜1g/mm2である前記(1)又は(2)記載の果実含有ハードグミキャンディ様構造物、
(4)平均分子量5,000〜20,000のコラーゲンペプチドと水とを混練した後、得られた混合物を濃縮する工程、
得られた濃縮物とポリデキストロースとミンチされた乾燥果実とを水分値9〜15重量%まで混練濃縮する工程、ならびに
得られた混練濃縮物を成型し、冷却固化させる工程
を有することを特徴とする前記(1)〜(3)いずれか記載の果実含有ハードグミキャンディ様構造物の製造方法
に関する。

本発明の果実含有ハードグミキャンディ様構造物は、簡単に摂取できるハードグミキャンディのような気軽さを有しており、コラーゲンペプチドや乾燥果実の含有量がベースでありながら、口腔内へのまとわりつきがなく、舐める、又は咀嚼したり噛みしめたりしても歯つきがなく、口中滞在時間が長く心地よい食感があり、健康及び美容によい新しい菓子である。
また、本発明の果実含有ハードグミキャンディ様構造物は、「舐める」又は「噛みしめる」といった摂取形態をとることでコラーゲンやコラーゲンペプチドに関して従来問題とされてきた歯付きや口腔内へのまとわりつき等を防止し、コラーゲンやコラーゲンペプチドを含有したタブレットに見られる摂取時のざらつきや口中の枯渇感を感じさせない構造物となっている。
しかも、砂糖、水飴等の糖質及びゼラチンを煮詰めた後、冷却・固化して得られる従来のハードグミキャンディ又はハードグミキャンディの一種であるパスティーユと比較しても、歯つきに関しては同等以上の食感を得ることができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の果実含有ハードグミキャンディ様構造物(以下、本発明のハードグミキャンディ様構造物という)は、固形分として、次のa)〜c)の3成分、
a)平均分子量20,000以下のコラーゲンペプチド37.5〜67.5重量%
b)ポリデキストロース5.0〜18.8重量%
c)乾燥果実25.0〜50.0重量%
を含み、かつ水分値が9〜15重量%であることを特徴とする。
〔a)成分〕
本発明のハードグミキャンディ様構造物は、前記のような平均分子量を有するコラーゲンペプチドを用いる点に一つの特徴がある。
本発明において、コラーゲンペプチドの平均分子量が20,000以下であれば、後述のようにコラーゲンペプチドと水との混練物から水分を蒸発させ、ミンチした乾燥果実を加えることで、果実含有ハードグミキャンディ様構造物の物性を調整しハードグミキャンディとしての噛み心地よさを実現することができる。
例えば、コラーゲンペプチドの平均分子量が小さいほど、口中滞在時間が短い口どけのよいハードグミキャンディ様構造物としやすく、コラーゲンペプチドの平均分子量が大きいほど口中滞在時間が長くしっかりとした噛み心地があり噛みしめる食感のハードグミキャンディ様構造物としやすい。
本発明では、分子量が相違した2つの平均分子量を使い分けることも特徴のひとつである。平均分子量2,000〜8,000のコラーゲンペプチドと、平均分子量10,000〜20,000のコラーゲンペプチドとの異なる2つの平均分子量のコラーゲンペプチドを組み合わせ、その比率を30:70〜5:95とすることにより、ハードグミキャンディとしての口どけや噛みしめる食感、口中滞在時間の長さ、噛み締めても歯付きがない心地よい食感等を実現している。
例えば、コラーゲンペプチドとして、分子量8,000以下のコラーゲンペプチドのみを使用した場合、ハードグミキャンディ様構造物の口どけはよくなるものの、「噛みしめる」、「歯付きがない」といった食感が出し難くなる傾向がある。
本発明において、前記コラーゲンペプチドの平均分子量は、重量平均分子量を示す。コラーゲンペプチドの分子量に関する情報は、粘度測定や、HPLC及びゲルろ過法等の定量方法によって得られ、公知の手法を使用することが可能である。
また、本発明のハードグミキャンディ様構造物は、平均分子量が20,000以下のコラーゲンペプチドを固形分中に37.5〜67.5重量%のように多量に含有することで、コラーゲンペプチドが有する有効性、即ち、コラーゲンペプチドが奏する様々な生理活性を発現させることができる。
本発明に用いられるコラーゲンペプチドは、コラーゲンあるいはゼラチン等の変性コラーゲンを酸やアルカリあるいは酵素等で加水分解させることで得られる。コラーゲンは、食品用のものであればよく、例えば、豚、牛、鳥、魚等多様な動物から抽出されたものが挙げられる。
コラーゲンペプチドを作製する際に用いられる酵素としては、コラーゲンを部分加水分解できるものであればよく、例えば、パパイン、ブロメライン、アクチニジン、フィチン等のシステインプロテアーゼ、ペプシン等のアスパラギン酸プロテアーゼ、及びこれらの酵素を混合した酵素群等が挙げられるが、特に限定されるものではない。前記のような加水分解は、水又は各種バッファー等の緩衝液中で行われることが好ましい。本発明では、コラーゲンペプチドとして、前記の加水分解された水溶液をそのまま使用してもよいし、乾燥処理等で粉末化したものを用いてもよい。
また、上記に示すコラーゲンペプチドは、市販されている食品用のものを使用してもよい。市販品のコラーゲンペプチドの例としては、「Hydrolysed Collagen ODP」(商品名、ヴァイスハルト社製)等が挙げられる。
なお、コラーゲンやゼラチンは、室温下では水不溶性であり、消化性や吸収性が悪く、健康食品の機能性に関して疑問視されることもあるが、本発明で使用する平均分子量20,000以下のコラーゲンペプチドは、水溶解性や体内への吸収性においてコラーゲンやゼラチンよりも優れており、様々な生理活性機能を高める効果を奏することが知られている。
一方、分子量の大きいコラーゲンやゼラチンや平均分子量20,000を超えるコラーゲンペプチドを使用してハードグミキャンディ化を試みると、上述したように製造時に非常に高い粘度となり、実施が不可能となる傾向にある。
〔b)成分〕
本発明のハードグミキャンディ様構造物では、固形分中にポリデキストロースを5.0〜18.8重量%含有する点にも一つの特徴がある。このポリデキストロースを含有することで歯付きを減少させ、食物繊維を含有させることができるという利点がある。
本発明に用いられるポリデキストロースは、ぶどう糖を主原料としてソルビトールとクエン酸の存在下で、縮重合することにより製造され、粉末で水溶性の難消化性多糖類であり、食品素材として広く使用されているものである。例えば、市販のポリデキストロースやポリデキストロースの改良品である「ライテス」(商品名、ファイザー(株)製)等が挙げられる。
〔c)成分〕
本発明のハードグミキャンディ様構造物では、固形分中に乾燥果実を25.0〜50.0重量%する点にも一つの特徴がある。このように乾燥果実を含有することで、乾燥果実が有する有効性、即ち、自然由来の食物繊維やミネラル等を含有させることができ、コラーゲン臭のマスキング効果も発現させることができる。
前記乾燥果実の含有量が25.0重量%未満であると、得られるハードグミキャンディ様構造物が噛みしめる食感にならず、50.0重量%を超えると、得られるハードグミキャンディ様構造物はぼそぼそとし、口中滞在時間の短い食感となる。
本発明に用いられる乾燥果実は、そのまま食用に供されるものであれば何でも使用可能であり、例えば、キウイフルーツ、パパイヤ、マンゴー、パイナップル、イチジク、オレンジ、レモン、アップル、アプリコット、マロン、チェリー、レーズン、カレンズ、カラント、ラズベリー、ストロベリー、ブルーベリー、クランベリー、プラム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記乾燥果実は1種若しくは2種類以上を混合して使用しても良い。
また、前記乾燥果実としては、所望のミキサー等によってミンチされたものを用いることが好ましい。その他、フリーズドライ果実及びその粉末品も原料として使用することが可能である。
〔任意成分〕
また、本発明のハードグミキャンディ様構造物は、前記a)〜c)成分以外に、酸味料、香料等の任意成分を含有していてもよい。
前記酸味料としては、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、乳酸等が挙げられる。
また、香料としては、食品用の香料であればよく、特に限定はない。
酸味料、香料を併用することで、得られる構造物をハードグミキャンディ様の風味とし、コラーゲン臭を消臭することができるので好ましい。
この場合、ハードグミキャンディ様構造物の固形分中には、酸味料0.1〜8重量%及び香料0.1〜2重量%を含有することが好ましい。
また、他の任意成分としては、高甘味度甘味料(アスパルテーム、グリチルリチン、サッカリン、ステビオシド、レバウディオ、ソーマチン、アセスルファムカリウム、スクラロース等)、着色料、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類等の機能性素材、油脂、乳化剤等も使用することができる。
〔製造方法〕
前記の組成を有する本発明のハードグミキャンディ様構造物は、公知のハードグミキャンディの製造方法に準じて製造すればよい。
例えば、平均分子量20,000以下のコラーゲンペプチドと水とを混練した後、得られた混合物を濃縮する工程、
得られた濃縮物とポリデキストロースとミンチされた乾燥果実とを水分値9〜15重量%まで混練濃縮する工程、ならびに
得られた混練濃縮物を成型し、冷却固化させる工程
を経て本発明のハードグミキャンディ様構造物を製造することができる。
具体的には、まず、上記に示した平均分子量20,000以下のコラーゲンペプチドと水とを混練する。前記コラーゲンペプチドと混合する水分量は、特に限定はないが、後述の成分との均質な混練を行うことができ、効率よく濃縮を行うことができる観点から、前記コラーゲンペプチド100重量部に対して20〜40重量部程度が好ましい。
前記混練に使用する混練機としては、ハードグミキャンディの製造に使用されるものであればよく、特に限定はない。また、混練時の混練強度、温度及び時間については、コラーゲンペプチドと水とが略均質な混練物となる条件であれば特に限定はない。
次いで、得られた混練物から水分を蒸発させて濃縮を行う。水分を蒸発させる手段としては、直火もしくは湯煎を利用したり、送風乾燥、熱風乾燥、真空減圧乾燥、遠赤外線加熱乾燥等の乾燥手段を用いることができる。例えば、加熱を伴う乾燥手段を用いる場合、50〜160℃付近まで混練物を加熱するようにすればよい。特に、本発明では100℃を超えるような高温にせずに濃縮してもよく、例えば、混練物の表面から蒸発・乾燥を起こすように、50〜70℃程度の湯煎で濃縮を行ってもよい。
また、前記のように水分を蒸発させて濃縮する時間については、水分の蒸発手段の種類により一概に限定できないが、例えば、加熱を伴う乾燥手段を用いる場合、70℃程度の湯煎では、前記混練物の焦げ付きを抑える観点から、30〜40分間程度であればよい。
前記のようにして混練物の水分値を、15〜20重量%まで濃縮した後、この濃縮物にポリデキストロース及びミンチされた乾燥果実を添加し、必要に応じて、酸味料、香料等の前記任意成分を添加し、混練した後、濃縮し、この混練濃縮物を所望の形状に成型する。
この工程での混練や濃縮の条件は、コラーゲンペプチドと水との混練・濃縮を行う際の条件と同様の範囲であればよい。
また、前記成型方法としては、スタンピング法が前記混練濃縮物の粘度を適度に調整しやすい観点から、好ましい。
また、成型前に引き飴工程等所望の処理を行って、水分値を低減してもよい。
次に、前記のように成型した混練濃縮物を冷却固化させることで、果実含有ハードグミキャンディ様構造物を得ることができる。
固化手段としては室温又は室温よりもさらに低温で冷却してもよい。
得られるハードグミキャンディ様構造物の水分値は、9〜15重量%である。水分値が9重量%未満ではハードグミキャンディ様構造物に亀裂が入る等、構造物の状態とはなりにくくなる傾向があり、前記水分量が15重量%を超えると柔らかくなりすぎて、構造物の状態とはなりにくくなる。
また、本発明では、前記ハードグミキャンディ様構造物の水分値を9〜15重量%に調整することで、舐める、又は噛みしめることができ、噛みしめても歯付きがなく、口中滞在時間、食感をコントロールすることができる。
特に噛みしめる特性については、次のように「噛み出し性」として測定することができる。噛み出し性は、果実含有ハードグミキャンディ様構造物を最初に噛んだときの噛みしめる食感を表すものであり、下記の範囲内のものである。数値が小さいほど弾力がなく割れるような食感を示し、数値が大きいほど弾力があり歯が入るような食感を示し、下記範囲内のものが噛みしめる食感のものとする。
噛み出し性は以下の方法で測定する。
測定機器:英弘精機株式会社製テクスチャーアナライザー「TA.Xtplus」
測定プローブ名:「10mm DIA CYLINDER DELRIN」
20℃の果実含有ハードグミキャンディ様構造物に、上記プローブを速度1mm/sで突き刺し、3000gの荷重をかけ、かかった応力(荷重を縦軸、時間を横軸にとった時の面積:g/mm2・sec)を噛み出し性とした。
また、歯付きのない特性については、以下のように「歯の付着性」として測定できる。歯付き性は、果実含有ハードグミキャンディ様構造物を最初に噛んで歯を引き上げたときの歯付きを表すものであり、下記の範囲内のものである。なお、測定値が小さいほど歯付き性がない食感とする。
歯の付着性は以下の方法で測定する。
前記噛み出し性と同様の測定機器、測定プローブを用い、20℃の果実含有ハードグミキャンディ様構造物に、上記プローブを速度1mm/sで突き刺し、3000gの荷重を10秒間かけ続け、その後3mm/sの速度で引き上げたときの応力(粘着力:g/mm2)を歯の付着性とした。
本発明のハードグミキャンディ様構造物を上記方法で測定したときの噛み出し性は、5〜40g/mm2・secであることが好ましい。噛み出し性が5〜40g/mm2・secであれば、噛みしめるような食感となる。前記噛み出し性は、6〜25.5g/mm2・secがより好ましい。
また、上記方法で測定したときのハードグミキャンディ様構造物の歯付き性は、0〜1g/mm2であることが好ましい。前記歯付き性が0〜1g/mm2であれば噛み締めても歯付きがない食感となる。前記歯付き性は、0〜0.25g/mm2であることがより好ましい。
本発明のハードグミキャンディ様構造物が上記の噛み出し性及び歯付き性を満たすと、噛みしめることができ、噛みしめても歯付きのない食感があり、かつ口中滞在時間が長い果実含有ハードグミキャンディ様構造物となる。
また、得られたハードグミキャンディ様構造物には、従来のハードグミキャンディと同様の後処理を施したり、他の菓子類と組み合わせることもできる。
以上のようにして本発明の果実含有ハードグミキャンディ様構造物を製造できる。なお、上記の製造方法は一例であり、本発明のハードグミキャンディ様構造物の製造方法を限定するものではない。
次に、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。なお、実施例の記載中、特に断らない限り「%」は重量%を、「部」は重量部を表す。
(実施例1〜6)
2種類のコラーゲンペプチド粉末を下記表1に記載の配合となるように混合し、コラーゲンペプチド100部に対して水30部を加えて混錬した後、水分値が20%になるまで湯煎70℃にて濃縮を行った。その後、得られた濃縮物に表1記載のポリデキストロース及び乾燥果実、酸味料及び香料を添加し、均質な状態まで混練し、引き飴工程により水分値を表1に示す規定値まで低下させた。その後、定法によりスタンピング成型を行い、室温で冷却し固化させて、単重1.35gの実施例1〜6のハードグミキャンディ様構造物を得た。
(実施例7〜10)
分子量2,000〜8,000のコラーゲンペプチドと分子量10,000〜20,000のコラーゲンペプチドとの重量比率が30:70となるように調整されたコラーゲンペプチド、ポリデキストロースおよび乾燥果実(ドライマンゴー)を用い、その配合量を表2に記載のようにした以外は、実施例1と同様にして単重1.35gの実施例7〜10のハードグミキャンディ様構造物を得た。
実施例1〜10のハードグミキャンディ様構造物は、いずれも従来のハードグミキャンディのようにおいしく手軽に食することができ、舐める、又は噛みしめることができ、噛みしめても歯付きがない心地よい食感を有していた。また、口中滞在時間を5人のモニターに試食してもらい、その平均値を測定したところ、咀嚼しても180秒から360秒と長いという結果が得られた。また、一粒あたり、コラーゲンペプチドをおよそ500mg以上配合しており、コラーゲンを摂取する目的で食したとしても、ざらつき等の口腔内へのまとわりつきはなく、また、コラーゲン臭もほとんどなく、まったくストレスのないものであった。また、乾燥果実についても、一粒あたり337.5〜675mg配合しており、自然由来の食物繊維やミネラル等を含有したものであった。
(比較例1〜2)
平均分子量の異なる二種類のコラーゲンペプチド粉末を下記表3に記載の配合となるように混合し、コラーゲンペプチド100部に対して水30部を加えて混錬した後、水分値が20%になるまで湯煎70℃にて濃縮を行った。その後、得られた濃縮物に表3記載の他成分も添加混合し、均質な状態まで混合し、引き飴工程により水分値を表3に示す規定値まで低下させた。その後、定法によりスタンピング成型を行い、ついで、室温で冷却し、固化させて、単重1.35gの比較例1〜2のハードグミキャンディ様構造物を得た。
比較例1のハードグミキャンディ様構造物は、噛みしめることができず噛み切るような食感になった。また、実施例1と同様に口中滞在時間を5人のモニターに試食してもらい、その平均値を測定したところ、60秒程度と短く、しかもぼそぼそとした食感となっていた。
比較例2のハードグミキャンディ構造物は、噛み砕くような食感となり本発明の目的とするような噛みしめることができる心地よい食感ではなかった。
Figure 0005810605
Figure 0005810605
Figure 0005810605

Claims (4)

  1. 固形分として、次のa)〜c)の3成分、
    a)平均分子量5,000〜20,000のコラーゲンペプチド37.5〜67.5重量%
    b)ポリデキストロース5.0〜18.8重量%
    c)乾燥果実25.0〜50.0重量%
    を含み、かつ水分値が9〜15重量%であることを特徴とする果実含有ハードグミキャンディ様構造物。
  2. 前記平均分子量5,000〜20,000のコラーゲンペプチドが、平均分子量2,000〜8,000のコラーゲンペプチドと、平均分子量10,000〜20,000のコラーゲンペプチドとを組み合わせてなり、その比率が30:70〜5:95である請求項1に記載の果実含有ハードグミキャンディ様構造物。
  3. 噛み出し性が、5〜40g/mm2・secであり、かつ歯の付着性が0〜1g/mm2である請求項1又は2記載の果実含有ハードグミキャンディ様構造物。
  4. 平均分子量5,000〜20,000のコラーゲンペプチドと水とを混練した後、得られた混合物を濃縮する工程、
    得られた濃縮物とポリデキストロースとミンチされた乾燥果実とを水分値9〜15重量%まで混練濃縮する工程、ならびに
    得られた混練濃縮物を成型し、冷却固化させる工程
    を有することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の果実含有ハードグミキャンディ様構造物の製造方法。
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