JP3821298B2 - ソフトキャンディ - Google Patents
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Description
上記ソフトキャンディの中でもキャラメルは、戦前より高栄養価で長期保存も可能な洋菓子或いは健康食品として、人々に受け入れられ、柔らかく歯が丈夫でない人でも容易に咀嚼できることから幅広い層に人気がある。
そこで下記特許文献1は、歯に付着しにくいキャラメルが提案されている。
下記特許文献1では、糖類、植物性油脂、乳化剤及び結晶の大きさが30μm未満の砂糖微結晶を配合してなることを特徴とし、噛み出しの柔らかさに優れ、歯に付着し難いソフトキャンディ及びその製造方法が開示されている。
また健康ブームにより、大豆等のたんぱく質を酵素分解或いは発酵させたアミノ酸でなるペプチドや豚皮や牛皮から抽出されるコラーゲンペプチドとよばれるペプチドが注目されている。
上記種々あるペプチドの中でも大豆から抽出される大豆ペプチドは、たんぱく質源の中でも消化吸収が早いため、体内に適宜摂取すると運動による筋肉の損傷を修復し、筋肉を効果的に増強できる素材としてスポーツ選手に注目されている。また食事の際に大豆ペプチドを摂取すると体内の基礎代謝や食事後のカロリー消費を増加される作用があるので、体脂肪の燃焼を促進でき、ダイエット食品の素材としても注目されている。
またこのようなペプチドを体内に摂取する際に、飲料やサプリメントといったものではなく、ある程度の咀嚼を要するものであれば、ペプチドの消化吸収をより高めることができ、咀嚼による元来の疲労回復等の効果が相俟って、一層効果的にペプチドを摂取できることが期待されるため、そのような手軽に効率よくペプチドを大量に摂取できる食品の開発が求められている。
ここで糖類は、ブドウ糖をはじめとする単糖類の他、種々の公知の糖類が適用可能である。
ペプチドが10重量%未満であっても、ソフトキャンディの品質に問題はないが、ペプチドが高配合されたものとは言い難く歯に付着しやすい傾向のものとなってしまう。
一方ペプチドの配合量が40重量%を超えると、ソフトキャンディベースとの均質化が困難となり、またソフトキャンディの糖性質による固化力が弱まって組成物が柔らかいものとなってしまう。さらに均質化を容易にするために水分を加えることを要し、またこの水分除去するための工程が増えてしまい、安定した工程管理が困難となる。
本発明は、ペプチドを含有したソフトキャンディであって、ソフトキャンディベースを含んだ原材料総固形分重量に対して、10〜40重量%のペプチドを含有することを特徴とする。ここでソフトキャンディとは、糖液を煮詰める温度がハードキャンディと比して低く、水分含有量が比較的多いキャンディをいい、砂糖、水飴、練乳等を煮詰めて油脂、香料で風味を付けてなるキャラメルやナッツや果物の砂糖漬けを入れたヌガー、糖液をペクチン、寒天、ゼラチンなどで固めてなるゼリー、グミキャンディ等をいう。
ここで本発明に用いられるペプチドは、粉体でも、液体でもよく、大豆、牛乳に由来するものの他、コラーゲンペプチドといわれる豚皮、牛皮、魚等に由来するものが適宜選択されて用いられる。またソフトキャラメルベースに糖類や油脂等を添加するとともに、ナッツ類や豆類を混練したものでもよい。ナッツ類としては、例えば、アーモンド、ピーナッツ、マカダミア、カシュー、ヘーゼル、ピスタチオ、くるみ、ココナッツ、栗等がある。豆類としては、例えば、小豆、大豆、いなご豆(キャロブ)等がある。さらにフルーツ味やココア味のものとなるよう添加物を混練し組成されたものであってもよい。その他、添加物を工夫すれば、本発明はペットフードとして適用可能である。
試作においては、いずれもペプチドを混合する際の温度を100〜120℃とし、原材料総固形分重量に対して、表1に明記されている7〜40重量%の範囲内の他、限りなく0重量%に近い分量から、45重量%の範囲でペプチドの添加を試みた。また、キャラメルベース組成時或いはキャラメルベース組成後にペプチドを添加し、安定した工程管理ができる製造方法を種々試みた。
表1の比較例1として記載される配合量に基づいて、グラニュー糖、ペプチド、水中油型乳化脂を混和し、攪拌しながら加熱してキャラメルベースを組成しようとしたところ、ゆっくり加熱しても、キャラメル化する以前に、ペプチドがたんぱく変性を起こして異物化してしまった。
よってキャラメルベースすら組成することができない結果となり、官能評価不能であった。
なお、表1には明示していないが、キャラメルベースを100部に対して限りなく0部に近いペプチドを混和してみても、ペプチドがたんぱく変性を起こし異物化してしまうので、キャラメルベースを組成することはできなかった。
表1の比較例2として記載される配合量に基づいて、まずグラニュー糖と水中油型乳化脂を混和し、攪拌しながら水分が10〜15重量%になるまで120℃程度でゆっくりと煮詰めてキャラメルベースを組成した。その後、完成したキャラメルベースにペプチドを単独で添加した。するとペプチドの分散性が著しく悪いため、均質化するまで時間がかかり、一定温度に保ちながら、作業するのが困難であった。小さなペプチドの粒子が散在し、均一に混ぜ合わせることはできなかったが、冷却盤に流し適度に冷却した後、一粒が5〜6gでなるよう分割切断してキャラメルを組成した。
その結果、上記製法によると均質化させる時間の延長により、品温管理が難しく、安定した工程管理が困難であることがわかった。また均質化するための時間が長くなると、組成されるキャラメルの食感、粘度、色等の品質に悪影響を及ぼし、味においてもキャラメルの糖分が焦げ付いてしまうためその苦味と、ペプチド本来の苦味とで苦味が増大し、所望するキャラメルを組成することができなかった。
官能評価を行ったところ、上記に由来する苦味を強く感じ、食感が硬いとして評価が悪かった。
なお、試作により、キャラメルベース100部に対してペプチド10部未満を単体で添加すれば、さほど分散性は低下しないが、ペプチドを10部以上添加するとペプチドの分散性が著しく低下した。これより、上記製法ではペプチドを高配合させることは困難であることがわかった。
表1の実施例1として記載される配合量に基づいて、まずグラニュー糖と水中油型乳化脂を混和し、攪拌しながら水分が10〜15重量%になるまで120℃程度でゆっくりと煮詰めてキャラメルベースを組成した。その後、完成したキャラメルベースにペプチドとブドウ糖(配合比1:1.5)とを混和したものを一定の温度(100〜120℃)保ちながら、除々に添加し混練した。均質に混練されたところで、ペプチド等が添加されたキャラメルベースを冷却盤に流し、適度に冷却した後、一粒が5〜6gでなるよう分割切断してキャラメルを組成した。
ここで、実施例1のキャラメルのペプチドの配合量は、キャラメルベースを含んだ原材料総固形分重量に対して、10重量%である。
この製法によれば、キャラメルベースとペプチドの均質化が容易で、安定した工程管理が可能であった。
官能評価を行ったところ、咀嚼を必要としながらも、歯に付着しにくく、ペプチドの苦味を感じないキャラメルとの評価が得られた。
表1の実施例2として記載される配合量に基づいて、まずグラニュー糖と水中油型乳化脂を混和し、攪拌しながら水分が10〜15重量%になるまで120℃程度でゆっくりと煮詰めてキャラメルベースを組成した。その後、完成したキャラメルベースにペプチドとブドウ糖(配合比10:9)とを混和したものを一定の温度(100〜120℃)を保ちながら、除々に添加し混練した。均質に混練されたところで、ペプチド等が添加されたキャラメルベースを冷却盤に流し、適度に冷却した後、一粒が5〜6gでなるよう分割切断してキャラメルを組成した。
ここで、実施例2のキャラメルのペプチドの配合量は、キャラメルベースを含んだ原材料総固形分重量に対して、20重量%である。
この製法によれば、キャラメルベースとの均質化が容易で、安定した工程管理が可能であった。
官能評価を行ったところ、咀嚼を必要としながらも、歯に付着しにくく、ペプチドが高配合されたものでありながら、その苦味を感じない風味のあるキャラメルとの評価が得られた。
表1の実施例3として記載される配合量に基づいて、まずグラニュー糖と水中油型乳化脂を混和し、攪拌しながら水分が10〜15重量%になるまで120℃程度でゆっくりと煮詰めてキャラメルベースを組成した。その後、完成したキャラメルベースにペプチドとブドウ糖(配合比7:4)とを添加し、さらに、水中油型乳化脂、水(湯)とを混和したものを一定の温度(100〜120℃)を保ちながら、除々に添加し混練した。均質に混練されたところで、ペプチド等が添加されたキャラメルベースを冷却盤に流し、適度に冷却した後、一粒が5〜6gでなるよう分割切断してキャラメルを組成した。
ここで、実施例3のキャラメルのペプチドの配合量は、キャラメルベースを含んだ原材料総固形分重量に対して、7重量%である。
この製法によれば、ペプチドを添加する際に、ブドウ糖の他、乳化脂と混和させて添加させても工程管理上、問題のないキャラメルが組成できることがわかった。またこの乳化脂肪と水とをペースト状にして添加すると、より均質化することが容易であることもわかった。さらには、上記乳化脂を加えることで甘みを低減したキャラメルを組成することができることがわかった。
官能評価を行ったところ、咀嚼を必要としながらも、歯に付着しにくく、ペプチドの苦味を感じない甘みを抑えた風味のあるキャラメルとの評価が得られた。
表1の実施例4として記載される配合量に基づいて、まずグラニュー糖と水中油型乳化脂を混和し、攪拌しながら水分が10〜15重量%になるまで120℃程度でゆっくりと煮詰めてキャラメルベースを組成した。その後、実施例4においては、多量のペプチドをキャラメルベースに均質になるよう混練しなければならないため、予め完成したキャラメルベースに水分を補充し、キャラメルベースの粘度を低下させる。その後、ペプチドとブドウ糖(配合比5:2)とを一定の温度(100〜120℃)を保ちながら、除々に添加し混練した。なお、実施例1〜3とは違って、均質化しやすくさせるために水分を加えているため、均質化された後、その水分が除去されるまでゆっくり加熱する。均質に混練され、水分が除去されたところで、ペプチド等が添加されたキャラメルベースを冷却盤に流し、適度に冷却した後、一粒が5〜6gでなるよう分割切断してキャラメルを組成した。
ここで、実施例4のキャラメルのペプチドの配合量は、キャラメルベースを含んだ原材料総固形分重量に対して、40重量%である。
この製法によれば、キャラメルベースを組成し、その後、キャラメルベースの粘度を低下させるために水分を加えれば、多量のペプチドを均質に混練できることがわかった。このときペプチドは単独で添加するのではなく、ブドウ糖等の糖類と混和させたものを添加すべき点は、上記実施例1〜3と同様である。
官能評価を行ったところ、若干歯切れの低下が感じられるものの、柔らかいヌガーのような食感で、評価はパネラーの好みによってわかれた。またペプチドを多量に配合しているため、ペプチド本来の苦味が感じるパネラーと気にならないとするパネラーとで、評価がわかれる結果となった。
また官能評価を行ったところ、歯へ付着しやすく、歯切れの悪いキャラメルとの評価であった。またペプチド本来の苦味が無視できず、悪い評価であった。
Claims (2)
- 糖類及び油脂等を攪拌し加熱して煮詰めてなるソフトキャンディベースを組成した後に、少なくとも糖類と混和させた該ソフトキャンディベースを含んだ原材料総固形分重量に対して、10〜40重量%のペプチドを添加し、混練した後に冷却されて得られることを特徴とする請求項1に記載のソフトキャンディ。
- 上記ペプチドは、大豆、牛乳、豚皮、牛皮のうちいずれかひとつから抽出されたものであることを特徴とする請求項1に記載のソフトキャンディ。
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