JP5809184B2 - ポリウレタン発泡成形体、及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリウレタン発泡成形体、及びその製造方法に関する。
近年、自動車の軽量化の要請から、自動車用内装材として用いられるポリウレタン発泡成形体にも軽量化が求められている。ポリウレタン発泡成形体の軽量化は、密度の低減によって達成できる。しかし、密度を低減すると、必要とされる耐湿熱耐久性や硬度を満足することが難しくなる。これに対して、出願人は、硬度を保持しつつ、耐久性にも軽量性にも優れたポリウレタン発泡成形体を提案している(特許文献1参照)。
特開2007−23123号公報
ポリウレタン発泡成形体は、例えば、モールドのキャビティ内部で発泡し成形される。すなわち、製品としてのポリウレタン発泡成形体に求められる硬度、湿熱耐久性、軽量性等のような特性を満たすとともに、その製品の形状に成形された際、ポリウレタン発泡成形体の内部に破壊がなく、表面に欠陥がなく、要求された形状に成形できること、すなわち、成形性が良好であることも重要である。
このように、ポリウレタン発泡成形体の成形性を損なわず、製品としてのポリウレタン発泡成形体に求められる硬度、耐湿熱耐久性、軽量性等のような特性を高めるという観点では、ポリウレタン発泡成形体には依然として改良の余地があった。
そこで、本発明は、硬度、耐湿熱耐久性、軽量性、及び成形性をバランスよく向上できるポリウレタン発泡成形体、及びその製造方法の提供を目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討の結果、ポリオールと、ポリイソシアネートと、架橋剤とを含むポリウレタン発泡原液を発泡させてなるポリウレタン発泡成形体において、ポリオールの質量平均分子量を特定の値に設定するとともに、該架橋剤におけるエチレンオキシド成分と、プロピレンオキシド成分とを特定の割合に設定することにより、密度を低減しても、一定の硬度と耐湿熱耐久性を維持できる成形体が得られることを知見し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、以下のポリウレタン発泡成形体及びその製造方法を提供する。
[1]複数のヒドロキシル基を有するポリオール成分と、イソシアネート基を有するイソシアネート成分と、水と、架橋剤とを含むポリウレタン発泡原液を発泡させてなるポリウレタン発泡成形体において、該ポリオール成分の質量平均分子量が5000〜8000であり、該架橋剤は、エチレンオキシド単位及びプロピレンオキシド単位を有し、架橋剤全量に対するプロピレンオキシド単位の割合が、15〜25質量%であるポリウレタン発泡成形体、
[2]複数のヒドロキシル基を有し質量平均分子量が5000〜8000であるポリオール成分と、イソシアネート基を有するイソシアネート成分と、水と、エチレンオキシド単位及びプロピレンオキシド単位を有しており架橋剤全量に対する該プロピレンオキシド単位の割合が15〜25質量%である架橋剤と、を含むポリウレタン発泡原液を、金型に形成されたキャビティ内部に注入し、常圧下において、該ポリウレタン発泡原液を発泡させるポリウレタン発泡成形体の製造方法。
本発明によれば、硬度、耐湿熱耐久性、軽量性、及び成形性をバランスよく向上できるポリウレタン発泡成形体、及びその製造方法を提供できる。
以下、本発明の実施形態に係るポリウレタン発泡成形体について、詳細に説明する。
[ポリウレタン発泡成形体]
本発明の実施形態に係るポリウレタン発泡成形体は、複数のヒドロキシル基を有するポリオール成分と、イソシアネート基を有するイソシアネート成分と、水と、架橋剤とを含むポリウレタン発泡原液を発泡させてなるポリウレタン発泡成形体において、該ポリオール成分の質量平均分子量が5000〜8000であり、該架橋剤は、エチレンオキシド単位及びプロピレンオキシド単位を有し、架橋剤全量に対するプロピレンオキシド単位の割合が、15〜25質量%である、
<ポリオール成分>
本発明の実施形態に係るポリウレタン発泡成形体に使用可能なポリオール成分としては、ポリウレタン発泡成形体用として汎用のポリオールを用いることが可能であり、ポリエーテルポリオール、ポリマーポリオールなどを挙げることができる。ポリオール成分としては、特に、ポリエーテルポリオール単独、又はポリエーテルポリオールとポリマーポリオールを混合して用いることが好ましい。
この場合、ポリエーテルポリオール、ポリマーポリオールは、ポリオール成分中、ポリエーテルポリオールが30〜100重量%、ポリマーポリオールが0〜70重量%となる量で用いることが好ましい。
該ポリオール成分の質量平均分子量は、4000〜8000であり、該ポリオールの質量平均分子量は、7000〜8000であることがより好ましい。
このようなポリエーテルポリオールとしては、ポリウレタン発泡成形体用として汎用のポリエーテルポリオールを用いることが可能であり、例えば、アルキレンオキサイドで構成されるエーテル骨格がプロピレンオキサイド(PO)のみ、又はエチレンオキサイド(EO)及びプロピレンオキサイドからなるポリエーテルポリオールが挙げられるが、特に、アルキレンオキサイド部分がプロピレンオキサイド及びエチレンオキサイドからなるものが好ましく、これらの比が、EO/PO=8/92〜18/82(モル比)のものが特に好ましい。
また、ポリエーテルポリオールは、官能基としてアミノ基等の水酸基以外の官能基を有していてもよい。また、官能基数が2〜4のもの、中でも官能基数が3のものが好ましい。このようなものとしては、例えば、開始剤としてペンタエリスリトールを用いて得られたポリエーテルポリオールが挙げられる。なお、ポリエーテルポリオールの質量平均分子量は6,000〜10,000であることが好ましい。
また、ポリエーテルポリオールとしては、不飽和度の小さなものを用いることが好ましい。より具体的には、不飽和度 0.10ミリ当量/g以下であるポリエーテルポリオールが用いられる。
ポリエーテルポリオール中の不飽和度が0.10ミリ当量/gを超えると、ポリウレタン発泡成形体の耐久性や硬度が損なわれる場合がある。本発明において「不飽和度」とは、JIS K 1557−1970に準拠し、試料中の不飽和結合に酢酸第二水銀を作用させて遊離する酢酸を水酸化カリウムで滴定する方法にて測定した、総不飽和度(ミリ当量/g)を意味するものである。
一方、ポリマーポリオールとしては、ポリウレタン発泡成形体用として汎用のポリマーポリオールを用いることが可能であり、例えば、ポリアルキレンオキサイドからなる好ましくは質量平均分子量が3,000〜8,000のポリエーテルポリオールにポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン共重合体等をグラフト共重合させたポリマーポリオールが好ましい。上記ポリアルキレンオキサイドを構成するアルキレンオキサイドとしては、プロピレンオキサイドを含んでいることが好ましく、プロピレンオキサイド単独のもの又はプロピレンオキサイド及びエチレンオキサイドを共に含むものであることが特に好ましい。また、ポリマーポリオール中のポリマー成分の濃度が25〜50%であるものが好ましい。
また、上記ポリマーポリオールは、官能基としてアミノ基等の水酸基以外の官能基を有していてもよい。また、官能基数が2〜4のもの、中でも官能基数が3のものが好ましい。このようなものとしては、例えば、開始剤としてグリセリンを用いて得られたポリマーポリオールが挙げられる。なお、ポリマーポリオールの質量平均分子量は3,000〜7,000であることが好ましい。
<イソシアネート成分>
本発明の実施形態に係るポリウレタン発泡成形体に使用可能なイソシアネート成分としては、トリレンジイソシアネート(TDI)又はジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の少なくとも一方を含むものが挙げられる。TDI、MDIの配合比率は、ポリウレタン発泡成形体の用途に応じて適宜選定することができる。
TDIとしては、2,4−TDIと2,6−TDIとの比が80/20〜65/35の混合物、特に、2,4−TDIと2,6−TDIとの比が80/20のものを用いることが好ましい。
一方、MDIは、特に限定されず、その分子量分布の広狭を問わず用いることができる。MDIとしては、例えば、純(ピュア)MDI(4,4'−MDI)、ポリメリックMDI、粗(クルード)MDIなどを好適に用いることができる。
なお、ポリウレタン発泡原液中のイソシアネート成分の配合量は、ポリウレタン発泡原液中のイソシアネート当量(イソシアネートインデックス)が80〜120、特に95〜115となる量で用いることが好ましい。
イソシアネート当量とは、ポリウレタン発泡原液中のイソシアネート基と、このイソシアネート基と反応する水酸基との比であり、ポリウレタン発泡原液中のイソシアネート成分の配合量(質量部)、ポリオール成分の配合量(質量部)、及び水の配合量(質量部)から、下記式により算出される。
Figure 0005809184
イソシアネート当量はイソシアネートの種類やイソシアネート中の各成分の割合、又はポリウレタン発泡原液中のポリオール成分及び架橋剤の種類や量によっても異なるが、より具体的には、ポリオール成分及び架橋剤の総質量に対して、イソシアネート成分の質量を1/5〜4/5倍、特に1/4〜3/4倍程度の量で配合すればよい。
<水>
本発明の実施形態に係るポリウレタン発泡成形体に使用する水は、ポリイソシアナートと反応して炭酸ガスを発生させることから、発泡剤として機能する。水の配合量としては、ポリオール成分100質量部に対して通常1〜7質量部、好ましくは2〜5質量部である。水の配合量が上記範囲であれば、要求される耐湿熱耐久性を満足することができる。
<架橋剤>
本発明の実施形態に係るポリウレタン発泡成形体に使用可能な架橋剤は、エチレンオキシド(EO)単位及びプロピレンオキシド(PO)単位を有し、架橋剤全量に対するプロピレンオキシド単位の割合が15〜25質量%である。
この割合が15質量%未満であると独立気泡を適宜低減できない、また発泡過程が不安定になる。また、25質量%を超えると、ポリウレタン発泡成形体の物性が悪化する。上記観点から、架橋剤全質量に対するプロピレンオキシド成分の割合は、15〜20%であることが好ましい。
イソシアネートと活性水素基との反応性は、1級ヒドロキシル基(すなわち、EO)>水>EO単位及びPO単位を含む架橋剤>2級ヒドロキシル基(すなわち、PO)の順番に低くなる傾向がある。
したがって、エチレンオキシド(EO)単位及びプロピレンオキシド(PO)単位を有し、架橋剤全量に対するプロピレンオキシド単位の割合が15〜25質量%であるような架橋剤と、水とが含まれることにより、両者がイソシアネート成分とバランスよく反応し、ポリウレタン発泡原液のフォーム形成速度が緩やかになる。これにより、硬度、耐湿熱耐久性及び成形性の特性のバランスがとれたポリウレタン発泡成形体が形成できる。
この観点から、架橋剤全量に対するプロピレンオキシド単位の割合を15〜25質量%になるように設定するのがよい。
架橋剤の数平均分子量は、1000以下であることが好ましく、より好ましくは800以下とすることができる。架橋剤の官能基数は、通常2〜8であることが好ましく、より好ましくは3〜6である。
また、架橋剤としては、複数の架橋剤を併用することが好適である。併用する場合には、架橋剤の数平均分子量が50〜1000であり、架橋剤の官能基数が3〜6のものと、架橋剤の数平均分子量が50〜1000であり、架橋剤の官能基数が3〜6のものとを組合せることが好ましい。
また、3種混合、4種混合としてもよい。
なお、複数の架橋剤を併用する場合でも、架橋剤全量に対するプロピレンオキシド単位の割合が15〜20質量%になるように設定する。
架橋剤の添加量は、ポリオール成分に対して、通常0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、上限として通常10質量%以下、好ましくは8質量%以下である。当該割合が上記範囲であれば、架橋剤の効果を得られる。
<その他の成分>
(発泡剤)
本発明におけるポリウレタン発泡原液には、環境問題とコストの観点から、水以外に、発泡剤を使用してもよい。発泡剤の配合量としては、ポリオール成分100質量部に対して通常1〜7質量部、好ましくは2〜5質量部である。発泡剤の配合量が上記範囲を逸脱すると、得られるポリウレタン発泡成形体の熱圧縮残留歪み特性に劣る場合がある。
(触媒)
触媒としては、ポリウレタン発泡成形体に汎用のものを用いることができ、例えば、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン等のアミン触媒を用いることができる。なお、ポリウレタン発泡成形体用材料中の(D)成分の触媒の配合量は、(A)成分のポリエーテル100重量部に対して0.3〜2重量部であることが好ましい。
(製泡剤)
整泡剤としては、ポリウレタン発泡成形体に汎用のものを用いることができ、例えば、各種シロキサン−ポリエーテルブロック共重合体等のシリコーン系整泡剤を用いることができる。なお、ポリウレタン発泡原液中の整泡剤の配合量は、ポリオール成分100重量部に対して0.3〜2重量部であることが好ましい。
[ウレタン発泡成形体の性状]
本発明の実施形態に係るポリウレタン発泡成形体の密度は、JIS K 6400に従って測定された「見掛け密度」であり、この値が52kg/m3以下であり、好ましくは、50kg/m3以下あり、より好ましくは、48kg/m3以下である。下限値は、42kg/m3であり、44kg/m3以上であることが好ましく、より好ましくは、46kg/m3以上である。
本発明の実施形態に係るポリウレタン発泡成形体の硬度は、JIS K 6400に従って測定された25%硬度であり、この値が少なくとも20kgfであることが好ましい。より好ましくは、22kgf以上であり、さらに好ましくは、23kgf以上である。
本発明の実施形態に係るポリウレタン発泡成形体の耐湿熱耐久性は、JIS K 6400に従って測定された湿熱圧縮残留歪みで表される。この値が15%以下であることが好ましい。より好ましくは、14%以下であり、さらに好ましくは、13%以下である。
[ポリウレタン発泡成形体の製造方法]
本発明の実施形態に係るポリウレタン発泡成形体の製造方法は、複数のヒドロキシル基を有し質量平均分子量が5000〜8000であるポリオール成分と、イソシアネート基を有するイソシアネート成分と、水と、エチレンオキシド単位及びプロピレンオキシド単位を有しており架橋剤全量に対する該プロピレンオキシド単位の割合が15〜25質量%である架橋剤と、を含むポリウレタン発泡原液を、金型に形成されたキャビティ内部に注入し、常圧下において、該ポリウレタン発泡原液を発泡させる。
ポリウレタン発泡原液の調製に際しては、ポリウレタン発泡原液を調製する前に不必要な粘度の上昇を抑制する観点から、少なくとも、ポリオール成分を含む混合物を作製しておき、ポリウレタン発泡原液の調製工程における最終段階において、この混合物とイソシアネート成分とを混合することが好ましい。
ポリウレタン発泡原液を構成する際には、水、架橋剤、及びその他の成分は、ポリオール成分或いはイソシアネート成分に混合しておくことが、通常行われる。
イソシアネート成分におけるイソシアネート基の失活を最小限に抑制する観点から、ポリオール成分とイソシアネート成分とを除く全ての成分を、ポリオール成分に予め配合しておくことが好適である。
なお、実用上は特に制限はなく、混合の際に使用する装置の仕様や、得られるポリウレタン発泡成形体の物性等を鑑みて適宜設定可能である。
ポリウレタン発泡成形体の硬度は、金型に形成されたキャビティ内部へのポリウレタン発泡原液の注入量によって変わる。このため、本発明の実施形態に係るポリウレタン発泡成形体に要求される硬度を得るためには、キャビティ容積に対するポリウレタン発泡原液の体積比((ポリウレタン発泡原液の体積)/(金型容積))として、1/20〜1/60、好ましくは1/25〜1/50である。
なお、金型成形の場合には、発泡後のポリウレタン発泡成形体の体積が金型から取り出した際に、キャビティ容積よりも若干膨張することを見積もって、キャビティ内部にポリウレタン発泡原液を注入する。このとき、発泡後のポリウレタン発泡成形体の体積と、キャビティ容積との比((発泡後のポリウレタン発泡成形体体積)/(金キャビティ容積))は、1/0.93以上であることが好ましく、より好ましくは1/0.94以上である。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
[評価方法]
<イソシアネート当量>
イソシアネート当量とは、ポリウレタン発泡原液中のイソシアネート基と、このイソシアネート基と反応する水酸基との比であり、イソシアネート成分の配合量(質量部)、ポリオール成分の配合量(質量部)、及び水の配合量(質量部)から、下記式により算出した。
Figure 0005809184
<密度(kg/m3)>
JIS K 6400に記載の方法により密度の測定を実施した。密度は、JIS規格で規定している「見掛け密度」を指す。
<25%硬度(kgf)>
JIS K 6400に準じて測定した。試験片の空気を逃げ易くするために、直径6mm、中心距離19mmの多数の小孔のあいた台上に試験片を置いた。次に自動記録装置を有するインストロン型圧縮荷重試験機を用いて、直径200mmの円形加圧板で試験片の上面から押さえつけた。このとき、φ300mm以上の円形を含む大きさの試験片を用い、ILD(局部圧縮)で試験を行った。
前荷重として4.9Nかけた時の厚さを測定し、これをはじめの厚さとした。次に、円形加圧板を50mm/minの速さではじめの厚さの75%の距離を押し込んだ。押し込んだ後、直ちに50mm/minに速さで加圧板を上昇させ、はじめの厚さまで戻した。1分間放置後、再び同じ速度で初めの厚さの25%の距離まで圧縮し、静止させて20秒後の荷重を読んだ。これを25%硬さとした。
<耐湿熱耐久性(WET SET)、湿熱圧縮残留歪み(%)>
JIS K 6400に準じて測定した。測定に際しては成形したポリウレタン発泡成形体のコア部を50×50×25mm切り抜き、これを試験片として使用した。試験片を50%の厚みまで圧縮し、平行平面板に挟み、50℃,95%RHの条件下に22時間放置した。22時間放置後この試験片を取り出し、さらに30分後にその厚みを測定した。試験前の厚みの値と比較して歪み率を測定し、この歪み率を湿熱圧縮残留歪みとした。
<成形性>
金型を用いて成形されたポリウレタン発泡成形体の成形性を、目視により観察し、下記の3段階の指標に基づいて評価した。
A:表面の凹凸(発泡斑)がなく、内部破壊もない。
B:表面に凹凸(発泡斑)があり、内部の一部にも均質でない箇所がある。斑の全面積が概ね20%以下であり、不均質部分の割合が概ね20%以下である。
C:表面に凹凸(発泡斑)があり、内部の一部にも均質でない箇所がある。斑の全面積が概ね20%を超え、不均質部分の割合が概ね20%を超えている。
[実施例1,2、比較例1〜10]
<実施例1>
ポリオール成分としてPPG2、イソシアネート成分として、三井化学(株)社製「TM20」を用いた。架橋剤として、架橋剤1,2,3,及び4をブレンドしたものを用いた。ポリオール成分とイソシアネート成分を除く全ての成分を、ポリオール成分に予め配合してポリオール組成物を予め作製した。次いで、このポリオール組成物とイソシアネート成分とを混合してポリウレタン発泡原液(液温25℃)を調製した。
ポリウレタン発泡原液をキャビティ内部に注入した。架橋剤1,2,3,及び4の総量に対して、プロピレンオキシド単位の割合は、17.5質量%であった。得られたポリウレタン発泡成形体の諸物性を、上記評価方法により評価した。
<実施例2>
ポリオール成分としてPPG3を用いた以外は、実施例1と同じ組成により、ポリウレタン発泡原液を調製し、実施例1と同様の方法でポリウレタン発泡成形体を製造した。得られたポリウレタン発泡成形体の諸物性を、上記評価方法により評価した。
<実施例3>
架橋剤の組合せが実施例1と異なる以外は、実施例1と同様の方法でポリウレタン発泡成形体を製造した。得られたポリウレタン発泡成形体の諸物性を、上記評価方法により評価した。
<比較例1〜比較例9>
表1に示す配合処方で、実施例1と同様の方法により比較例1〜比較例9のポリウレタン発泡成形体を製造し、得られたポリウレタン発泡成形体の諸物性を、上記評価方法により評価した。なお、比較例2は、ポリウレタン発泡成形体の密度を比較例1よりも、約5kg/m3低減させたものである。
Figure 0005809184
PPG1*1 ポリプロピレングリコール 三洋化成工業(株)製「KC741」 質量平均分子量7000 官能基数4
PPG2*2 ポリプロピレングリコール 三井化学(株)製「EP901P」 質量平均分子量7500 官能基数3
PPG3*3 ポリプロピレングリコール 三洋化成工業(株)製「KC710」 質量平均分子量5000 官能基数3
POP*4 ポリマーポリオール 三洋化成工業(株)製「KC855」 質量平均分子量5400 官能基数3.2
架橋剤1*5 ポリマーポリオール 旭硝子株式会社製「EL981」 分子量750 官能基数6 PO/EO=77/23
架橋剤2*6 ポリマーポリオール 旭硝子株式会社製[EL555] 分子量420 官能基数4 PO/EO=0/100
架橋剤3*7 三洋化成工業(株)製「CA238」 分子量320 官能基数6 PO/EO=0/100 (水15%含有)
架橋剤4*8 グリセリン 花王株式会社製「精製グリセリン」
架橋剤5*9 三井化学(株)社製「G250」 質量平均分子量700 官能基数3 PO/EO=100/0
触媒1*10 トリエチレンジアミン 東ソー(株)製「TEDA−L33」
触媒2*11 ジメチルデシルアミン 花王株式会社製「ファーミンDM1098」
触媒3*12 ジエタノールアミン 日本触媒社製「ジエタノールアミン」
製泡剤1*13 エボニック社製「B8742LF2」
製泡剤2*14 モメンティブ・パフォーマンスマテリアル社製「L3623」
イソシアネート*15 三井化学(株)社製「コスモネートTM20」
[評価結果]
上表の結果から、比較例1,2を比べると、ポリウレタン発泡成形体の発泡倍率を変えて密度を低下させると、WET SET(耐湿熱耐久性)が低下する。比較例1〜4から、ポリオール成分を官能基数4のPPG1から官能基数3のPPG2又はPPG3に変えると、25%硬度を下げることができる。このことから、実施例1及び実施例2で使用した、質量平均分子量7000で官能基数3のPPG2又は質量平均分子量5000で官能基数3のPPG3を選択することにより、25%硬度を適正値にするとともに、耐湿熱耐久性を高めることができる。
比較例1〜7、特に比較例5,6,及び7によれば、架橋剤1、すなわち、プロピレンオキシド単位の割合が15〜25質量%である架橋剤を使用しない場合には、成形性が低下することから、プロピレンオキシド単位の割合が15〜25質量%であることが成形性の向上に寄与することがわかる。
比較例8及び10によれば、架橋剤5は、成形性向上に寄与するが、耐湿熱耐久性が満足できない。また、比較例9によれば、架橋剤を混合して使用した場合であっても、架橋剤1が含まれない場合には、成形性が悪い。
以上から、架橋剤1,2,3,及び4を併用することにより、軽量性、硬度、耐湿熱耐久性、成形性をいずれもバランスよく高めることができることがわかる。

Claims (4)

  1. 複数のヒドロキシル基を有するポリオール成分と、イソシアネート基を有するイソシアネート成分と、水と、架橋剤とを含むポリウレタン発泡原液を発泡させてなるポリウレタン発泡成形体において、
    該ポリオール成分の質量平均分子量が4000〜8000であり、
    該架橋剤は、エチレンオキシド単位及びプロピレンオキシド単位を有し、架橋剤全量に対するプロピレンオキシド単位の割合が、15〜25質量%であるポリウレタン発泡成形体。
  2. 該ポリオール成分の質量平均分子量が7000〜8000である請求項1に記載のポリウレタン発泡成形体。
  3. 該架橋剤におけるプロピレンオキシド単位の割合が15〜20質量%である請求項1又は2のいずれかに記載のポリウレタン発泡成形体。
  4. 複数のヒドロキシル基を有し質量平均分子量が5000〜8000であるポリオール成分と、イソシアネート基を有するイソシアネート成分と、水と、エチレンオキシド単位及びプロピレンオキシド単位を有しており架橋剤全量に対する該プロピレンオキシド単位の割合が15〜25質量%である架橋剤と、を含むポリウレタン発泡原液を、
    金型に形成されたキャビティ内部に注入し、
    常圧下において、該ポリウレタン発泡原液を発泡させるポリウレタン発泡成形体の製造方法。
JP2013067289A 2013-03-27 2013-03-27 ポリウレタン発泡成形体、及びその製造方法 Active JP5809184B2 (ja)

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